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XRAINの拡張に伴う情報共有基盤の構築

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Academic year: 2021

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(1)情報処理学会第 81 回全国大会. 2C-04. XRAIN の拡張に伴う情報共有基盤の構築 佐野 仁美†. 松村 浩道†. 生駒 栄司†. †東京大学地球観測データ統融合連携研究機構. 喜連川 優††,. ††国立情報学研究所. †††. †††東京大学生産技術研究所. 従来の C-band レーダ,CMP レーダ,および X1.はじめに band MP レーダの比較を表 1 に,新旧 XRAIN の比 近年頻発している局地的大雨の状況把握には 較を表 2 に示す. 解像度の高い降雨情報の取得が不可欠であり, 表 1 各レーダの比較 これを迅速に情報共有することは水災害に関す C-band CMP レーダ X-band MP る防災対策上,最も重要な課題と考えられる. レーダ レーダ 国土交通省が全国に設置した X-band MP レーダ 最小観測 1 ㎞メッシュ 250mメッシ 250mメッシ 面積 ュ ュ は,高分解能かつ高頻度の観測を実現し,局地 配信間隔 約 5 分毎 約 1 分毎 約 1 分毎 的降雨の観測に極めて有用な情報として利用さ 配信単位 全国 6 地域 14 地域 れている.観測情報網である XRAIN[1]は,これ 定量観測 120 ㎞ 120 ㎞ 60 ㎞ 範囲 まで X-band MP レーダのみで構成されていたが, 今般,マルチパラメータ化(高性能化)された 表 2 新旧 XRAIN の比較 C-band レーダによる観測情報も組み合わせる方 旧 XRAIN 新 XRAIN 式となった.このため,我々は地球環境データ 構成要素 X-band MP レーダ X-band MP レーダ を扱うデータ統合解析システム(DIAS)[2]上に および CMP レーダ これらのデータ取得および情報共有を行うため 最小観測面積 250m メッシュ 250m メッシュ の情報基盤を新たに構築した.本稿では,新旧 配信間隔 約1分 約1分 配信単位 14 地域 6 地域 XRAIN を比較しながら,DIAS 上に構築した新た 観測範囲 一部に観測範囲外 国内全域を網羅 な XRAIN の情報共有基盤の概要を紹介する.. 2.新旧 XRAIN の比較 国土交通省が全国に設置した X-band MP レーダ は,高解像度(250m メッシュ)および高頻度な 観測(約 1 分)を実現し,国内における局所的 降雨の把握に最も有用な観測情報の一つである. 我々は,これらの情報を DIAS 上にリアルタイム で取得,蓄積および情報共有する情報基盤を構 築し,2014 年から運用開始してきた. 一方,国土交通省が従来の C-band レーダをマ ルチパラメータ化し(以下,CMP レーダと呼ぶ.) 高精度な観測を実現したことで,当該レーダの 解像度は X-band MP レーダ同等となった.また, 従来の C-band レーダで実施されていた地上雨量 計による補正が不要となり,観測直後に観測情 報の配信ができる.このように,両レーダは解 像 度 お よび 配 信頻 度 とも 同 等 とな り ,今 般, XRAIN は双方を組み合わせた新しい XRAIN(以下, 「新 XRAIN」と呼ぶ)として拡張された. Development of new infrastructure for sharing XRAIN information † Hitomi Sano, † Hiromichi Matsumura, † Eiji Ikoma, ††,††† Masaru Kitsuregawa, † Earth Observation Data Integration and Fusion Research Initiative, The University of Tokyo †† National Institute of Informatics ††† Institute of Industrial Science, The University of Tokyo. 配信データ量. の地域あり 約 20 MB/分. 約. 75 MB/分. CMP レーダは従来の C-band レーダで実施され ていた地上雨量計による補正が不要となり,観 測直後に観測情報の即時配信が可能となった. また,旧 XRAIN は国内に観測範囲外となる地点 が数多く存在したが,新 XRAIN では国内全域を 観測範囲に含めた.従って,新 XRAIN は高解像 度・高頻度の観測情報を国内全域に拡大した極 めて有用な観測情報となった.一方,毎分の配 信データ量は従来の約 3.8 倍に増加している.. 3.DIAS における可視化の実装 新 XRAIN データの保存には大量のデータスト レージを要する.このため,地球環境データの アーカイブシステムでは国内最大級のストレー ジ容量を有する DIAS において,新 XRAIN の合成 雨量データをリアルタイムで蓄積し,情報共有 し得る基盤構築を実装した.具体的には,主に 研究者向けのデータ提供基盤と一般向けの閲覧 機能「AMeNOW!」[3]上で新 XRAIN の情報共有を 行う.これに関する基本機能は旧 XRAIN を踏襲 しているが,2 章で述べたとおり,データ量は従 来に比べ大幅に増加しているため,送受信にか かる処理性能向上に加え,合成雨量を可視化し た静止画および動画の表示の高速化を行った.. 1-395. Copyright 2019 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(2) 情報処理学会第 81 回全国大会. はじめに処理概要を述べる.DIAS では,国土 交通省から新 XRAIN の観測情報の受信後直ちに, 取得情報のうち合成雨量データを緯度経度別に 分解して当該強度に基づき配色設定を行う.全 配信単位毎に同処理を並列実行後,全ての地域 別データを全国版に合成する. この全国版の合成に関しては,国土交通省に より各地域が重なり合う地点のデータ優先順位 付けが新たに定義された.これまでは,レーダ の管理運用および観測値の決定が地域毎になさ れ,地域の境界地点が複数の地域に跨り重複し た場合でも,どちらの値を採択すべきかの地域 間調整はなく,結果的にデータ重複が発生して いた.加えて,当該重複時におけるデータ採択 の優先順位が明確でなく,DIAS ではリスク管理 の観点から,重複データのうち最大値を当該地 点の値として独自に決定していた.しかし,新 XRAIN ではこの課題が解消されたため,DIAS で は同省の定義に従うアルゴリズムとして新たに 構築した. 続いて,表示性能について述べる.全国合成 画像はデータ量の大きさ故に生成画像をそのま ま利用すると表示に 3 分以上要する場合がある. このため,生成した画像を縦横 4 分の 1 に縮小 し,元画像の 16 分の 1 となる画像を別途生成し て処理容量を削減し,表示処理の性能向上を図 った.当該縮小処理で得られる地点の値につい て,我々は防災上の観点から高リスク情報を優 先し,16 データ中の最も大きい(高リスクの) 値を当該地点に設定する(図 1).この縮小画像 と元の生成画像をユーザによる閲覧時の表示倍 率指定に従いながら切替えることで,表示に関 する性能向上を図ることができた(図 2).. 小規模雨量. 中規模雨量. 図 4 旧 XRAIN 図 3 高度化 XRAIN 両者を比較すると,新 XRAIN はこれまで観測 範囲外であった長野県や四国の一部を含む等, 観測領域が大幅に拡大されたことがわかる. データの取得から全処理終了までの総処理時 間は平均 40 秒前後であり,現状は配信間隔(1 分)以内に全ての処理が完了する.また,表示 にかかる処理時間は全国合成画像の事例で凡そ 3 秒程度であり,実運用上支障ない性能を実現で きた.. 5.まとめ 本稿では,新 XRAIN の概要とその情報共有基 盤の可視化処理に関する概要を述べた.新 XRAIN ではデータ量が大幅に増加したが,本稿で述べ た画像生成処理の並列化および表示画像の切替 対策等により性能向上を実現でき,現状は送受 信および表示を含む各処理に遅延はない. 新 XRAIN は局所的降雨情報の把握に最も有用 なデータとして期待できることから,本研究成 果が水災害への防災対策等における有用な情報 基盤の一つとして寄与できれば幸いである. 謝辞 本研究は,文部科学省研究委託事業「地球環 境情報統融合プログラム(DIAS-P)」,「地球環 境 情 報 プラ ッ トフ ォ ーム 構 築 推進 プ ログ ラム (DIAS-PF)」の支援を受けたものである.. 大規模雨量. 図 1 縮小画像の生成処理概要 Zoom In(関東地区). 4.実装結果 新規に構築した実装結果を図 3 に,また,旧 XRAIN における実装例を参考として図 4 に示す.. Zoom Out(全国). 図 2 表示切替イメージ (2018/10/01 00:00 台風 24 号). 参考文献 [1] 高性能レーダ雨量計ネットワーク (eXtended RAdar Information Network) [2] データ解析システム(DIAS) http://www.diasjp.net/ [3] リアルタイム降雨情報サービス(AMeNOW!) http://rain.diasjp.net/. 1-396. Copyright 2019 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..

(3)

表 2  新旧 XRAIN の比較 表1  各レーダの比較

参照

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