IRUCAA@TDC : 第282回東京歯科大学学会インプラントシンポジウム : 提示症例1 欠損歯列としてのリスクとインプラントの役割
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(2) 4 0 8. インプラントシンポジウム. 提示症例1:. 欠損歯列としてのリスクとインプラントの役割. コメンテーター 山本英夫 (ボストン大学歯学部大学院補綴科臨床準教授). インプラント治療の安全性,信頼性が立証される. る。しかし骨再生能力に問題を生じる放射線療法,. に従い臨床における利用頻度が高くなってきてい. Bisphosphonate を3年以上服用している患者など. る。特にアメリカにおいては,9 0年前半から臨床. は考慮が必要である。喫煙の影響に関しては成功率. ケース数は飛躍的な増加を続けてきており,なおこ. の低下,経年時の骨吸収の増加が報告されている。. の傾向は続くと思われる。またインプラントの改. Goodacre らはエヴィデンスベースを用いた文献. 良,骨再生治療,新術式の考案等適応症の拡大に繋. 調査によるインプラント治療におけるリスクとして. がる研究が盛んに行われこの傾向に拍車をかけてい. 以下のことを挙げている。1)インプラント摘出: 上下顎とも単冠3%,FPD (ブリッジ) 6%。上顎. る。 欠損部補綴治療もこれに伴い大きく変化をしてき. オ バ ー デ ン チ ャ ー1 9%,下 顎 オ バ ー デ ン チ ャ ー. ている。機能,満足感においてインプラントを用い. 4%,上顎固定式総義歯1 0%,下顎固定式総義歯. た補綴物の方が通常の可撤性義歯よりはるかに勝る. 3%。2)メカニカルな問題:オバーデンチャーに. と い う 数 多 く の 研 究 結 果 が で て お り,The2 0 0 2. おける維持力低下3 0%,ポーセレン破折1 4%,オ. McGill Consensus Conference では,下顎無歯顎の. バーデンチャー破折1 2%,対合歯補綴物破折1 2%,. 症例においては,もはや通常の総義歯装着は最適な. アバットメントスクリュー緩み6%。3)審美障害. 治療ではなく2本のインプラントを用いたオバーデ. 1 0%,発音障害7%。4)外科手術:出血に関する. ンチャーが第1の選択であると結論付けている。. 障害2 5%,神経障害7%,下顎骨骨折0. 3%。. Goodacre らのエヴィデンスベースを用いた文献調. 補綴物装着後のリスクとしては過剰な咬合圧によ. 査によると,単冠治療に比べ架工義歯(ブリッジ) は. るものが多い。歯根膜由来の知覚受容体,緩衝作用. 2次カリエス,根管治療,離脱等の理由により再治. の欠如により過重咬合になりやすい。咬合圧の強い. 療となる確率が遥かに高いことが指摘されている。. 患者においては特に注意が必要である。予防策とし. このため部分欠損の場合もインプラント治療の方が. て咬合面を小さく作りブラキサーで有る無しに関わ. 優位と思われる。また通常の部分床義歯では顎位の. らずオクルーザルガードを装着する。診断時に咬合. 安定,歯槽骨の吸収予防,咀嚼回復等が困難と思わ. 状態を注意深くチェックし咬合平面が適切でない場. れるすれ違い欠損,遊離端欠損の症例においてもイ. 合は必ず改善をする必要がある。. ンプラント治療は有効である。Cho は再根管治療,. 従来の補綴治療では機能回復,満足感を得ること. 歯周外科治療等の複雑な治療を必要とする歯は抜歯. が困難であった症例もインプラントを用いることに. をし,インプラント治療をする方が成功率が高いと. より良い結果を期待できるようになってきた。充分. 結論付けている。. な知識と技術を持って治療をすることで患者のクオ. このようにインプラント治療は多くの利点がある. リティオブライフを高めることが可能である。ただ. が決して万能ではなくしっかりとした診査,診断,. し不適切なインプラント治療は患者の経済的負担ば. 治療計画が大事であ る こ と は 言 う ま で も な い。. かりでなく不必要な生物学的負担を与えるものであ. Wood らは成人においてはインプラント治療が絶対. り避けなければならない。. 的に禁忌となる全身疾患,悪習癖は無いとしてい ― 34 ―.
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