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カラー閉じ込め問題の最近の発展と問題点について(量子解析におけるミクロ・マクロ双対性)

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Academic year: 2021

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カラー閉じ込め問題の最近の発展と問題点について

千葉大学理学部・物理学科

近藤

–(Kei-Ichi

Kondo)

Department

of

Physics,

Faculty

of

Science, Chiba University

1

講演内容

「カラー閉じ込め」の典型的な例として, 「ヤンーミルズ理論」における 「クォークの

閉じ込め」 を議論します。

「ヤン

-

ミルズ理論」

とは、

マックスウェル (Maxwell)

による電磁気の理論を拡

張したもので、

特別な場合としてこれを含みます。

この理論は、

「ゲージ理論」

と総

称されるクラスに属する理論で、

「ゲージ」

という名前は 「ゲージ変換」

に由来しま

す。 つまり、

ゲージ変換を行っても物理的な帰結には影響を与えないような理論を

般にゲージ理論と呼びます。

Maxwell

方程式に集約される電磁気の理論の美しさは良く知られていると思いま

す。 では、

なぜそれをわざわざ拡張する必要があるのでしょうか。 それは、数学的に

拡張が可能というだけではなく、 ゲージ理論が、「電気・磁気力」

(electro-magnetic

interaction)

だけでなく、陽子や中性子などを結合して原子核を作る

[

強い力」

(strong

interaction)

や原子核のベータ崩壊などを引き起こす「弱い力」

(weak interaction)

も記述する理論と現在では考えられており (

実験的にも検証されています

)

そのた

めにはある種の拡張が不可欠なのです。

現在の素粒子論では、物質を構成する根源的な物質は

「クォーク」 (

陽子、

中性子、

中間子などの元になる素粒子)

と「レプトン」

(

電子、 ニュートリノの仲間の素粒子

)

であり、

その間に働く力は

4

種類に、

つまり、

電磁気力、 強い力、 弱い力と重力に分

類できると考えられています。

クォークレプトンとそれらに働く

4

種類の力を解明

すれば、

自然界に起こる全ての物理現象は完全に記述できるはずです。

これらの物質

と力を記述する理論は広い意味で皆ゲージ論であるといえますが、 特に、 これらの素

粒子間に働く力を記述する理論が

「ヤンーミルズ理論」

なのです。

「クォーク閉じ込め」の問題とは、 クォークはいつも「色」の異なる 3 つのクォ–

(

又は反クォーク

)

の組み合わせ

(

バリオンと呼ぶ

)

か、

クォークと反クォークの

(メソンと呼ぶ)

という形でしか観測されていない、つまり、

クォークはハドロン

(

バリオンとメソンの総称

)

の中に閉じ込めれていて、 未だかつて、 単独で観測され

たことは無い (いつも無色の組み合わせでしか観測されない)

のはなぜかという疑問

です。

クォークは物質の究極的構成要素と考えられていながらそれを直接観測した人は

いないのです (

実は、

グルーオンもそうです

)

。 もし、

単独で観測されたならクォ

クは電気素量の

1/3

2/3

といった半端な電荷を持っているはずです。

この問題は、

30 年近く世界中の理論物理学者が取り組んでいるにもかかわらずい

まだに未解決の超難問です。

この問題の重要性とその難しさは、 ごく最近、 クレイ数学研究所

(

米国ボストン

)

が発表した

7

つのミレニアム賞問題 (–

問正解につき

100

万米ドルの賞金

)

[1]

のひ

とつとして取り上げられていることからもわかります。

クォーク閉じ込めの超伝導描像に関しては最近大きな発展がありました。

講演で

, この発展を

,

我々の最近の研究を中心としてお話しました。

今後, さらに–般的

な九後小嶋のカラー閉じ込めに関する判定基準との関係などを明らかにすることが

数理解析研究所講究録

1507 巻 2006 年 100-101

100

(2)

望まれます。

更に詳しくは、 最近の解説

$[2, 3]$

や単行本

[4], 拙者ホームページ

http:

$//\mathrm{p}\mathrm{h}\mathrm{y}\mathrm{s}\mathrm{i}\mathrm{c}\mathrm{s}.\mathrm{s}$

.

chiba–u.

$\mathrm{a}\mathrm{c}.\mathrm{j}\mathrm{p}/\mathrm{k}\mathrm{o}\mathrm{n}\mathrm{d}\mathrm{o}/$

等をご覧ください。

References

[1] http

$://\mathrm{w}\mathrm{w}\mathrm{w}$

.claymath.

$\mathrm{o}\mathrm{r}\mathrm{g}/\mathrm{p}\mathrm{r}\mathrm{i}\mathrm{z}\mathrm{e}\mathrm{p}\mathrm{r}\mathrm{o}\mathrm{b}\mathrm{l}\mathrm{e}\mathrm{m}\mathrm{s}/i\mathrm{n}\mathrm{d}\mathrm{e}\mathrm{x}$

.htm

[2]

近藤慶

:

『ゲージ場の量子論

-

トフーフト

,

BRS

対称性,

閉じ込め』

,

数理科学, 第 454 号,

17-24

(2001).

[

別冊数理科学

,

現代数理物理学の展開

, 108–117

(サイエンス社 2003)

に改訂版を再録

]

http

$://\mathrm{w}\mathrm{w}\mathrm{w}.\mathrm{n}\mathrm{i}\mathrm{p}\mathrm{p}\mathrm{y}\mathrm{o}.\mathrm{c}\mathrm{o}.\mathrm{j}\mathrm{p}/\mathrm{m}\mathrm{a}\mathrm{g}\mathrm{a}_{8}\mathrm{u}\mathrm{s}\mathrm{e}\mathrm{m}\mathrm{i}/\mathrm{s}\mathrm{s}0203$

.htm

[3]

近藤慶–

:

『ゲージ場の量子論

-

トフーフト

,

BRS

対称性

, 閉じ込め』

.

数理科

(2001

4

月号

).

http:

$//\mathrm{w}\mathrm{w}\mathrm{w}.\mathrm{s}\mathrm{a}\mathrm{i}\mathrm{e}\mathrm{n}\mathrm{s}\mathrm{u}.\mathrm{c}\mathrm{o}.\mathrm{j}\mathrm{p}/\mathrm{m}\mathrm{a}\mathrm{g}\mathrm{a}\mathrm{z}\mathrm{i}\mathrm{n}\mathrm{e}-\mathrm{h}\mathrm{t}\mathrm{m}/\mathrm{s}\mathrm{k}\mathrm{n}\mathrm{o}-454.\mathrm{h}\mathrm{t}\mathrm{m}$

[4]

近藤慶

–,

ゲージ場の量子論入門

-

質量ギャップとクォーク閉じ込めの解決

に向けてー (

サイエンス社

,

2006 年 1 月)

http:

$//\mathrm{w}\mathrm{w}\mathrm{w}.\mathrm{s}\mathrm{a}\mathrm{i}\mathrm{e}\mathrm{n}\mathrm{s}\mathrm{u}.\mathrm{c}\mathrm{o}.\mathrm{j}\mathrm{p}/\mathrm{m}\mathrm{a}\mathrm{g}\mathrm{a}\mathrm{z}\mathrm{i}\mathrm{n}\mathrm{e}-\mathrm{h}\mathrm{t}\mathrm{m}/\mathrm{s}\mathrm{p}\mathrm{s}\mathrm{k}-200601.\mathrm{h}\mathrm{t}\mathrm{m}$

101

参照

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