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沖縄県近海離島におけるサンゴ礁保全に関する住民アンケート調査~座間味村を事例として~: 沖縄地域学リポジトリ

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(1)

Title

沖縄県近海離島におけるサンゴ礁保全に関する住民アン

ケート調査∼座間味村を事例として∼

Author(s)

藤澤, 宜広

Citation

沖縄大学法経学部紀要 = Okinawa University JOURNAL

OF LAW & ECONOMICS(13): 13-23

Issue Date

2009-11-30

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/5998

(2)

【論文】

沖縄県近海離島におけるサンゴ礁保全に関する住民アンケート調査

∼座間味村を事例 として∼

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要 旨 本稿の 目的は、サ ンゴ礁 を活用 した観光業 を主たる産業 とす る座間味島にお いて、 アンケー ト調 査 を通 じて、地元住民のサ ンゴ礁保全 に対す る意識に関す る検 証 を実施す ることである。 エ コツー リズム推進法の趣旨に則 り、環境資源 を観光資源 として活用 し、経済 システムの枠組みの中で捉 え ることとの整合性 を図るため、仮想評価法の手法 に基づ き、課税形式 によってサ ンゴ礁 に対す る価 値評価 を調査 した。調査 の結果、課税 に対す る支払金額 と所得階層の間に相関関係が観察 されない 一方、職業、年齢層、出身地 といった属性別の支払金額の差異が観察 された。 と りわけ、村外 出身 者の平均支払金額が、全体 として、 あるいは職業別、年齢別 にみて村 内出身者の平均支払金額 と比 べて低 いことが示 された。 これ らの現象が何 に起因す るか を含 め,環境保全の分析 に際 して移住者 の存在が影響 を及ぼす可能性が示唆 された。 キーワー ド :サ ンゴ礁保全、環境経済価値、エ コツー リズム推進法 1.調査の 目的 2008年4月、エコツー リズム推進法が施行 されたOエ コツー リズム推進法 とは,特定 の環境資源 に関す る利害関係者の合意 の元で保全ルール を策定 し、保全ルールが認定 されれば、そ のルール に 対 して法律で罰則 を設けて環境資源 の保全 と活用の枠組みを提供す る法律である。 これ を受 け、全 国各地で環境保全の取 り組み と、環境 を経済 システムに融合化 してい くための取 り組みが模索 され ている。沖縄県 の近海離島に位置す る座間味村付近 には世界有数のサ ンゴ礁が生息 してお り、現在、 その保全が喫緊の課題 とされて いる。 これ まで座間味村では、2001年 に座間味ダイ ビング協会が設立 され、翌2002年 には阿嘉 ・げるま ダイ ビング協会が設立 され 漁協 と連携す る形で観光資源 であるサ ンゴ礁 の有効利用 の道が模索 さ れてきた。具体的 には,ダイ ビング協会で 自主ルール を制定 し、サ ンゴ礁 に過度 の負担がかかる こ とを回避 した り、オニ ヒ トデの駆除 を行 った り、漁協 による漁場の保護 を理 由に、特定のダイ ビン グポイン トを対象 にダイ ビング活動 自体 を停止 した りして きた.20(冶年 には、 この様な取 り組みが 評価 され、座間味村近海が ラムサール条約 に登録 されている。 ー 13

(3)

-沖縄県近海離島におけるサンゴ礁保全に関する住民アンケー ト調査 このよ うな取 り組みは、他 の事例 に比べて先進的であ り評価 に値す る一方、その取 り組みの限界 も明 らかになっている。例えば、座間味村近海のサ ンゴ礁 には、沖縄本島在住 のダイ ビング事業者 もまた、近海であるがゆえに、沖縄本島の観光客 を船 に乗せてダイ ビングに訪れ る ことが可能であ る。座間味村 には約40のダイ ビングシ ョップがあるのに対 し、沖縄本島のそれは150を超 えるとい われ、 シーズ ンになると大型船でダイ ビングに訪れ る。そのため、座間味村 のダイ ビング事業者が 自主ルール に則 って活動 していて も、沖縄本島の事業者 によるサ ンゴ礁への負荷は、 自主ルールの 及ぶ範囲を超 えている。 また、座間味村内にお いて も、 ダイ ビング協会 に加盟せず に事業 を行 うダ イ ビング事業者が存在 し、彼 らの活動 を制御す る という意味にお いて も、 自主ルールは有効 に機能 し得ない。 このよ うな座間味村住 民による取 り組みが行われ る一方、沖縄県は、2008年6月に沖縄県サ ンゴ 礁保全推進協議会 を設立 し、民間参加型のサ ンゴ礁保全活動推進の道 を模索 している。 しか しなが ら、 当該の協議会 には、隣接す る渡嘉敷村 のダイ ビング協会が理事 に名を連ね る一方、座間味村の ダイ ビング協会が理事 に入 ってお らず、座間味村 の地元住 民の意見が どのよ うな形で反映 されてい るのかが明確ではない。 一方で、座間味村 と渡嘉敷村は、エコツ- リズム推進法 によるサ ンゴ礁保全 を実現すべ く、2008 年10月に、慶良問エ コツー リズム推進協議会 を設立 した。 しか しなが ら、前述のエコツー リズム推 進法は、 さまざまな利害関係者の合意 に基づ くローカル ・ルールの策定 を認定条件 としてお り、そ の道は 自ず と困難 を伴 うもの と思われ る。既存の様 々な協議会、協会な どの団体 のいずれがイニシ アチ ブを発揮 してい くのかはまだ不透明である。 また、地元住民である座間味村民が、サ ンゴ礁保 全 に対 して どのよ うに考 えているかについての予備的な調査があま り行われていないのが現状であ る。 本稿の 目的は、そのよ うな現状 に対 して、地元住民である座間味島の住民を対象 に,サ ンゴ礁保 全 に関す る意識 を調査す るための予備的な試みを示す ことである。手法 としては、上述のエコツー リズム推進法の趣 旨に則 り、環境資源 を観光資源 として活用 し、経済 システムの枠組みの中で捉え る こととの整合性 を図 るため、サ ンゴ礁 の価値 に対す る評価額 を聞き取 る こととした。 この手法 は、環境価値 を評価す る手法の一つである、仮想評価法の手法 に基づ くものである。 仮想評価 法のアイデアは、評価対象の保全に対 して いくらまで支払 う意思があるか を質問す るこ とで、評価対象の価値 を測定す る というものである。 このアイデアは、経済学の標準的なアイデア に基づいてお り、手法 も多 くの文献 を通 じて検証 されてきた。 本稿は、仮想評価法に基 づ く座間味村 のサ ンゴ礁の価値 の評価 に向けた予備的な調査 と位置づけ られ る。 しか しなが ら、 これ まで,座間味島の住 民を対象 とした このような調査は実施 されてお ら ず、今後、エ コツー リズム推進法 を軸 とした議論 を進めてい く過程 において,本稿のよ うな検証を 避 けて通 る ことはできな い。 2.調査の概要 当調査は、2008年3月29日か ら2(X旭年3月31日にかけて行われた。調査対象は、座間味島全世帯

-1

(4)

4-約

3

00である

。3

日間 をかけて全世帯 を訪 問 し、個別面接調査 を実施 した。調査 の手法は、肥 田野

(

1

9

9

9

)

に従 った。サ ンプル数は合計で

1

1

8

サ ンプル となった。調査 を依頼 したほぼ全世帯が調査 に 協力 して くれた。サ ンプル数が全世帯数 と比べて少ないのは、座間味村がダイ ビング客や海水浴客 を主な対象 とした観光業 を中心 とす る村である ことか ら、夏 のシーズ ン中 しか居住 していない住 民 が存在するため と思われ る。 調査では、主 に(1)回答者の属性 (性別、年齢層、職業、同居者数、座間味村 出身か、世帯年収)、 (2)座間味村近海のサ ンゴ礁 を保全す る政策の財源 となる目的税 に対す る支払許容額、 (3)支払 に合 意す る場合の理 由、 (4)確実 に支払 うとは言えない、 もしくは支払 を拒否す る場合の理 由、 (5)サ ン ゴ礁保全に関す る自由意見、 について尋ねた。 3.サ ンプルの概要 性別では、男性が

61

.

0

%

、女性が38.1%、未回答が

0

.

8

%

となって いるo (図表

2

- 1) 年齢別では

、2

0

代が

5

.

9

%、3

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代が

2

7

.

1

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、40代が

1

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.

5

%

、50代が

1

6

.

1

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0

代が

1

3

.

6

%、7

0

代以上が

1

6

.1%、未回答が

1

.

7

%

となっている。 (図表

2-2)

職業別では、ダイ ビングシ ョップが

1

6

.1% で最 も多 く,続 いて無職の

1

4

.4%、主婦 の

1

1

.

9

%

、民宿 の

1

1

.

0

%

、農業の

7

.

6

%

、公務員の

6

.

8

%

、ダイ ビングシ ョップと民宿 の兼営 の

5

.

9

%

、飲食業 の

3

.

4%、建 設業の

3

.

4%、漁業の

3

.

4

%

、 レンタル業の

2

.

5

%

、 シーカヤ ックシ ョップの

1

.

7

%

と続 くo (図表

213)

出身別では、村外 出身が

5

0

.

0

%

と、村 内出身の

4

8

.

3

%

とほぼ同率 となった。 (図表

2-4)

所得別では

、2

0

0

万 円未満が

3

5

.

6

%

と最 も多 く、続 いて

2

00万 円台の

1

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.

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00万 円台の

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.

9

とな っ た。

4

(

氾万 円台

、5

(刀万 円台

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氾万 円台は ともに

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.

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であった

。7

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氾万 円台は

1

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2

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5

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、 900万 円台は

0

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-1

,

2

(氾万 円は

1

.

7

%

であった

。1

,

2

(

泊万 円以上への回答はなかった。 (図表

2

- 5) 図表2- 1 性別 図表2-2 年齢別 - 1 5

(5)

-沖縄県近海離島におけるサンゴ礁保全に関する住民アンケート調査 % ■ ■ ■ ● ■ ・◆ ■■ t a 七 ・小 犬■ ■ ● 斗仇 暮 ■ ■1 ■■ t< ■■ 人 t 書 そ の■ '十 JE_ I7 i ]lE f レ ンタ ル暮 TTl l L シ ー カヤ ック シ 'lツ ナ タ イ ピ ング 丘 托せ 艮 4; 図表 2- 3 職業別 図表2- 5 所得別 図表2-4 出身別 4.調査結果 1 :結果の概要 調査 に際 しては、慶良問諸島海域のサ ンゴ礁保全に関する説明を行 った上で、「今後、座間味村の 全世帯か ら 「目的税」 を

2

0

年間にわたって毎年集め、座間味村近海のサ ンゴ樵 を私たちの子供や子 孫の時代 にまで残 してお くための政策 にあてることとします。税はこの目的だけに使用 します。 こ の政策の実施のために」毎年支払 うことに合意する税金の金額 を尋ねた。 (図表

2-6)

「確実 に支払 う」 とした回答者 についてその理由をると、 「サ ンゴ礁保全の対策が座間味村の経済 活性化や就業機会の増加につながるか ら」が50.0%、 「これ までのサ ンゴ礁保全の対策だけでは不十 分だか ら」が27.8%、「社会の役 に立つ ことにお金を支払いたいか ら」が18.5%、その他が3.7% となっ た。 (図表2- 7) このことか ら、保全のための支払 いに了解 した回答者のうち、理 由を回答 した回答者の過半数が サ ンゴ礁を通 じた経済活性化や就業機会の増加 といった経済的価値 を評価 していることが うかがわ れる。つま り、観光資源 としてのサ ンゴ礁 を保全す る目的で、費用負担に合意 している。 「これまでのサ ンゴ礁保全の対策だけでは不十分だか ら」と答えた回答者については、座間味村で - 1 6

(6)

-慶良問諸島海域のサ ンゴ樵 に関するアンケー トのお願 い

設問1 以下は、慶良問諸島海域のサ ンゴ樵 に関す る説明 と質問です0 【説明】 慶良問諸島海域は、造礁サ ンゴが高 い密度で分布 してお り、248種類のサ ンゴが確認 されて い ます。 また、周辺海域はサ ンゴの幼生の供給源 ともなっていることか ら、す ぐれた景観 と合わ せて学術的 にも貴重な海域 とな ってお り、周辺海域353ヘクタールが ラムサール条約湿地 とし て登録 され て います。サ ンゴ礁 には、熱帯雨林 同様 に生物 が多 く,スズ メダイ類や、チ ョウ チ ョウウオ類、 ブダイ類な ど、多種多様な珊瑚礁特有の魚介類が数多 く生息 して います (環境 省資料 「日本のラムサール条約湿地」 よ り抜粋)O しか し、 このサ ンゴ礁 を現状のまま放置す ると、以下の問題が起 こるおそれがあ ります。

オニ ヒ トデの異常発生や 白化現象 によ り、サ ンゴ礁が破壊 され るおそれがあ ります。

ダイバー による利用な ど人為的破壊 によ り、サ ンゴ礁 に過剰のス トレスがかか るおそれが あ ります。

その結果、近 い将来、現在生息 しているサ ンゴ礁が極 めて大 きなダメ- ジを受 けるおそれ があ ります。 図表2-6 アンケー ト様式 これ まで もボランテ ィアやダイ ビング協会等 の 自主ルール を通 じてサ ンゴ礁保全への努力が実施 さ れてきた ことが背景にあると考 え られ る。 これ までの活動 に対す る金銭的なサポー トが十分ではな いとされてお り、その財源 としての費用負担 を許容 しているもの と考 え られ る。 このよ うに回答 し た者の中には、 さ らなる対策 を行 うことで観光資源 としてのサ ンゴ樵 を保全 したい と考 えている回 答者 も含 まれ る ことが予想 され ることか ら、サ ンゴ礁 の経済的価値 を評価 す る度 合 いは一層高 く なっているもの と考 え られ る。 一方、質問の過程で 「確実 に支払 うとはいえない」 もしくは 「支払わない」 とした回答者 につ い てその理 由をみると、 「サ ンゴ礁保全の対策の内容や進め方がわか らない」が最 も多 く28.8%、続い て 「全世帯 に課税す るべきではない (利害関係者が支払 うべき)」が21.2%、「サ ンゴ礁保全の対策は 必要だが増税で行 うべきではない」が19.7%、 「サ ンゴ礁保全の対策は必要だが毎年支払えるか どう かわか らない」が13.6%,「いま以上にサ ンゴ礁保全の対策 をす る必要はな い」が45%、「サ ンゴ礁保 全問題は 自分 とは関係ない」が0.0%、その他が12.1%であった。 (図表2-8) 上述の通 り、ボ ランテ ィアやダイ ビング協会等が 自主ル-ル に基づ くサ ンゴ礁保全の取 り組み を 実施 してきた中で、行政主導の取 り組み に対す る抵抗感が うかがわれ る。 また、利害関係者が多 く 負担すべきという主張 もなされている。 これは、サ ンゴ礁の経済的価値が評価 され る一方、その恩 恵を直接受 けない職業 に従事する者か らの回答が 目立つ ことか ら、不公平感が表明 されている もの と考え られ る. また、アンケー ト調査 を実施 した当時、環境 目的税 として入島税100円を入城観光客 か ら徴収す ることの是非について議論がなされてお り、導入が実現 に至 らなか った経緯がある。そ - 1 7

(7)

-沖縄県近海離島におけるサ ンゴ礁保全に関する住民アンケー ト調査 要 莞 蔓 . T! l た 図表2-7 「確 実 に支払 う」 と答 えた理 由 ■ n I 以 ▲ l 廿. 世 え t る の か

章 套 そ の ■ H lI と u lr t L! い 対 JE の 内 t が わ か ら .Jq L t 昔 JE が ▲ 払 う Y 士 ■ 杜 で ▼ ぺ ■ で は な い 図表2I8 r確実に支払うとはいえないJもしくはr支払わないJと答えた朗 平成20年3J123日 環 境 目的 税 を 考 え る住 民 会 議 で の 論 議 取 りま とめ 平成19年5月12日第一回の会議よ り本 日まで13回に渡 り議論 した結果をここに取 りまとめ、提ELTとして村長 に提出申し上げます。 13回の会議 と住民に対するアンケ- 卜の結果 をふ まえ、 この環境 El的税の導入には会議 として賛成できるも のではあ りませんで した。 賛成に至 らなかった理由として (1)

r

環境J)という意味合いでは漠然 としすぎていて的を絞った的確な税の運用に疑問がある。 (2)税金に頼った環境保全よ り住民主体の環境保全に対する意識,取 り組みの向上が崩優先の誹超である。 (3)アンケー ト自由意見によれば村 に対する不信感が強 く、税導入には更なる不信感 を招 く危険性があると考 え られる。 (4)観光客数の減少を招 く危険性がある。 (5)税徴収以外の形での資金作 りが有効 と思われる。 (6)周知不足である。 (7) 村営交通以外の利用者の場合徴収方法がない。 以上の住民会議の結論をふ まえた上でも、村が導入を決める場合役場は、 ① 環境 目的税の内容や導入する理由について住民が充分理解するまでの説明会を開催する。 また、説明会 朋催後アンケー トによる有権者住民の三分の二以上の賛成をもって充分な住民の理解 と認める. (多 使 い道 について住民に意見を聞き、またどのように使 うのか使ったのか常に報告説明を公表 し.資金の 流れや価格についても透明にする。 またその詳細をホームページや広報で佃報開示する。 (参 今回の住民会議のような仕組みを設置 し、 1 年度毎の使 い道についての提言 2 使 い道の検証 3 前年度の使 い道の報告 と説明 のサイクルを作 り内容の見直 しを行 う。 (む 実際の作美にあたる人材 については、その都度一般住民か ら公募 し業者委託 しない。 について対応すべきと考え、住民会議の結論に付け加えさせて頂きます。 図表2- 9 環 境 目的税 を考 え る座 間味村住 民会議 (2007年5月∼ 2008年3月) の結論 出所 「環境口的税を考える

間味村住民会議」

-

(8)

18-のため、税金 という形態 に抵抗感があった ことが うかがわれ る。 (図表

2-9)

次節以降の調査結果 にお いては、藤 田 (20m )を参考 に抵抗 回答 を除外 した上で回答者の支払金 額 を集計 している。 5.調査結果 2 :属性別平均支払金額 次に、回答者の支払金額 につ いて、属性別 の集計結果 を示す こととす る。 まず、所得階層別 に支 払金額の関係 を示すO一般 に、支払金額がその家計の所得水準 と比例関係 にあれば、所得が支払金 額の決定要因 とな り、環境保全への評価 にゆがみ を与 えることとなる。年収別 の平均支払金額 を見 た ところ、4(氾万 円台が21,440円 と最 も高 く、500万 円台の16,000円、2(氾万 円台 の6,462円、1,(X氾∼ 1,2(氾万 円の5,0(沿円、3CK)万 円台 の4,892円、600万 円台 並 び に800万 円台 の3,0(氾円、200万 円未 満 の 2,662円、700万円台並びに9m 万 円台の 0円となって いる。 このよ うに、所得 と平均支払金額 の間に 相関関係は見 られない。 (図表

2-1

0

)

年収

4

00 万円台及び500 万円台の平均支払金額が高いのは、それぞれの階層で1名ずつが10万 円及 び5万円という、相対的に特 に高い支払金額 を回答 していることが影響 している。 このため、 これ らの数値 を外れ値 (異常値) として除外 した場合 を見 ると、支払金額 は、400 万 円台では1,800円に、 5(刀万円台では4,667円となる。 この場合にお いて も、所得 と平均支払金額 の間の相関関係は見 られ ない。 (図表2-ll) なお、今後の考察 にお いて、特 に高 い支払金額 を回答 した者 について除外 しない こととす る。 年齢階層別の平均支払金額は、50代が13,250円と最 も高 く、20代の7,4∝I円、30代の5,853円、70代 以上の3,747円、40代の2,929円、60代の2,714円と続 く。 (図表2-12) 職業別の平均支払金額は、漁業が26,500円と最 も高 く、続 いて、 ダイ ビングシ ョップの16,875円、 レンタル業の8,667円、ダイ ビングショップと民宿の兼営の6,6∞ 円、林業並びに卸売 ・小売業の5,

0

0

0

円、民宿の4,438円、無職の3,820円、主婦の3,318円、公務員の3,086円の順 となる。 (図表2-13) 出身別の平均支払金額は、村外 出身者 の平均支払金額が2,931円であったのに対 し、村内出身者の 平均支払額は8,479円とな り、約2.9倍の差が見受 け られた。 (図表2-14) lヘリ 0

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- - ∴

-図表2- 10 所得階層別平均支払金額 (その 1) 図表2- 11 所得階層別平均支払金額 (その2) ー 19

(9)

-沖縄県近海離島におけるサ ンゴ礁保全 に関する住民アンケー ト調査 仰 仰 S . 仰 g . ㈱ A . 2 0 8 6 `4 円 上 以 0 抑 ■ヽ 醐 代 % ◆ヽ 叫 A J 叫 図表2- 12 年齢階層別平均支払金額 村外出k 村 内出井 図表 2-14 出身別平均支払金額 図表2- 13 職業別平均支払金額 6.調査結果 3 :出身別支払金額 宮 内 (2003)は、座間味島 にお ける県外 出身者 の急速な増加が伝統的価値 を重視す る島社会 に多 大な影響 を与 えず にはお られ な い ことを指摘 して いる。本稿 にお いて も、村外 出身者 と村 内出身者 とで平均支払金額 に約2.9倍 の格差がみ られた ことは前述 の通 りで ある。そ こで、村外 出身者 と村 内 出身者 が、前節 に述 べた属性別 の平均支払金額 の差異 を どの程度説明す るか につ いて、 出身別 のク ロス集 計 を行 うことで考察す る こととす る。 年齢別平均支払金額 を出身別 にみ る と、村外 出身者 の年齢別平均支 出金額 は、20代 の7,400 円が最 も高 く、30代 の2,850円、40代 の2,222円、50代 の2

,

C

X

X)円、60代 の1,333円、70代以上 の 0円 と、年齢 層 が 高 くな る に連 れ て金 額 が減 少 して い く。一方、村 内 出身者 の年齢別 平均支 出金額 は、50代 の 17,CXX)円が最 も高 く、30代 の12,833円、40代 の4,2∝)円、70代以上 の4,014円、60代 の3,750円 とな って いる。 (図表2-15) この ことか ら、 図表2-12で観察 されたよ うに20代 の平均支 出金額が比較的高 いのは、村外 出身 者 に起 因 して いる とい うことがわか る。 ただ、村 内出身の20代 の者か らの回答がな いため、村外 出 ー 20

(10)

-図表2- 15 出身別 ・年齢別平均支払金額 図表2- 16 出身別 ・職業別平均支払金額 身者の支払金額 との比較はできない。 一方、30代以上における村外出身者の平均支払金額は、村内出身者のそれ に比べて常 に下回って お り、年齢別に見た際にも、村内出身者か どうかが、支払金額 に影響を与えていることがうかがえ る。 次に、村内出身者 と村外出身者の比較が可能な6分類の職業 について、出身別 に平均支払金額を みると、村外出身者の平均支払金額は、ダイ ビングショップの6,8∝)円が最 も高 く、ダイ ビングショッ プと民宿の非常並びにレンタル業の3,000円、公務員の2,920円、主婦の2,389円、民宿の167円の順番 となっている。一方、村内出身者の平均支払金額は、ダイ ビングシ ョップの33,667円が最 も高 く、レ ンタル業の11,5CK)円、ダイ ビングショップと民宿の兼営の9,0(氾円、主婦の7,500円、民宿の7,(X氾円、 公務員の3,5(刀円の順番 となっている。 (図表2-16) いずれの職業において も、村内出身者の平均支払金額が村外出身者のそれ を上回ってお り、職業 別 にみても両者の格差が観察 される。村内出身者の平均支払金額の、村外出身者のそれ に対す る比 率をみると、公務員では約1.2倍にとどまるが、主婦、ダイ ビングショップと民宿の兼営、 レンタル 業では約3倍か ら約4倍、ダイ ビングシ ョップでは約5倍、民宿では約42倍の差が見 られる。 7.今後の課題 本稿では、沖縄県近海離島に位置 し、サ ンゴ礁 を主な観光資漁 としたサー ビス業を主産業 とする 座間味島を対象 に、サ ンゴ礁保全のための 目的税 に対する支払金額 をアンケー ト調査す る ととも に、属性別 の特性 について考察 した。仮想評価法の手法に基づいて調査 を行 ったが、本稿では、 データのクロス集計 と考察に留まっている。柘植 ・栗山 ・庄子 (2005)が指摘するように、課税形 式による質問は抵抗回答を増加 させる傾向がある。 しか しなが ら、村内で環境 目的税の是非が議論 されていた ことか ら、最 も現実的施策の可能性が高い手法 として調査 において も採用 した。 一方、一部の回答者が相対的に高い支払金額 を提示すれば、平均支払金額 に影響を与えることに な り、そ ういう回答者の取 り扱いについて吟味の余地が残 される。本稿において も、村内出身者の うち、∽代 と30代の平均支払金額が高いのは、それぞれの階層で 1名ずつが特 に高い支払金額 を回

-

2 1

(11)

-沖縄県近海離島におけるサンゴ礁保全に関する住民アンケー ト調査 答 して いる ことが影響 を与えている。現実的 にみて も、今後 のサ ンゴ礁保全への取 り組みへの支出 が、一部 の村 内出身の篤志家 によって賄われ る可能性が否定できない。 一般 に、寄付金活動で観察 され るよ うな大 口の寄付者が存在す る状況 において、課税形式では彼 らの支払金額 に見合 った徴税 を実施す ることは難 しい。従 って、資金の確保 に際 しては、寄付金や基金制度の検 討 も求め られ る。 また、世帯単位での課税 を想定 した課税形式を採用 した ことか ら、世帯内部 における各個 人の支 払金額 に関す るデー タは得 られて いな い.特 に、村 内出身の若年層 の意思表示が観察 されて いな い。 これ に対 し、村外出身の若年層が比較的高い支払金額 を回答 していることは言及 に値する。村 内出身の若 い世代 のデータが得 られれば、若 い世代が今後 の環境保全 を担 うという側面おいて も, 重要なステー クホルダー となる ことが予想 され る。宮 内

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年代前半以降、座間味島 の出生者数が増加 している ことか ら、聞き取 り調査の結果 も踏 まえた上で、観光地化 に伴 う島外か らの若年層の転入者が島に定着 し、 さ らに結婚す る ことで、 出生者数の増加 に結びついた可能性 を 示唆 して いる。 村外出身者 における平均支払金額が、全体 として、あるいは職業別、年齢別 にみて村内出身者の 平均支払金額 と比べて低 い ことは上述 の通 りであるo なお、所得階層別 に見て も同様 の結果が得 ら れ るC これ らの現象が何 に起 因す るかについて、慎重な検 討が求め られ る。併せて、移住者が地域 社会 に与える多様な影響の うち、移住者が もた らす経済効果 に関す る知見 を活用す ることが求め ら れ る。 仮想評価法 に基づ く慶良問諸島海域 の環境価値評価 については、藤 田

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で試み られているが、 これ まで、座間味島の住 民を対象 とした調査 は実施 されてい ない0本稿の調査 を発展 させて、上述の先行研究 と整合的な形で統合 を図 りたいo 謝辞 本稿は

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年度及 び

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8年度沖縄大学特別研究助成 費を得て行われた研究成果の一部である。 参考文献

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]沖縄県サ ンゴ礁保全推進協議会

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]呉錫畢

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「沿岸域 の保全 と利用 に関する社会科学的研究 慶 良問諸島におけるサ ンゴ礁

の生態系及び景観の価値評価」亜熱帯総合研究所 (平成14年度 RIS自主事業)。

[3]座間味村役場公式HP内 「環境 目的税 を考える座間味村住民会議」

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[4] 田村

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「阿嘉島周辺海域 におけるさん ご礁 の持続的利用が可能な管理方法の確立 にむ けて -さん ご礁の社会経済的価値 のアンケー ト調査-」 『み どりいし

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33。

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5

] 田村

賓 (

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「社会経済的な情報 を取 り入れた さん ご礁保全管理 にむけて 一阿嘉島の地域住 民 と観光客 にむけたア ンケー ト調査か ら-」 『み どりい し

』no

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]柘植隆宏 ・栗 山浩一 ・庄子康

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「環境価値 と環境評価手法」栗山浩一 ・庄子康編著 『環

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22-境 と観光 の経済評価』勤草書房、第2章。 [7]肥田野登 (1999) 『環境 と行政の経済評価』勤草書房。 [8]藤田陽子 (2004)「仮想評価法 における抵抗 回答の出現要因の検討 一慶 良問諸島のサ ンゴ礁保 全を事例 として-」 『地域学研究』第34巻、第3号、pp.367-3780 [9]宮内久光 (2003) 「座間味島の観光地化 と県外 出身者の存在形態」平岡昭利編 『離島研究 Ⅰ』 海育社、第5章。 -

参照

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