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アジ研ワールド・トレンド No.258(2017. 4)
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このワークショップの共催機関である内陸開
発途上国国際研究所は二〇〇三年に内陸開発途
上国の問題解決のために策定されたアルマティ
行動計画を受け、二〇〇九年に国連とモンゴル
政府との協定に基づきウランバートルに設置さ
れた研究所です。今回のワークショップは同研
究所および同研究の運営委員会にも名を連ねて
いるモンゴル国統計局との共催で、アジア経済
研究所の研究成果であるIDE
–
GSMをモン
ゴルにおいて紹介し、その応用可能性につき検
討することを目的として企画されたものです。
本ワークショップはモンゴル側、日本側の講
演とその後の質疑応答を含むパネルディスカッ
ションから構成され、モンゴル側からは内陸開
発途上国国際研究所の事務局長、および国家統
計局の研究員が、日本側からはアジア経済研究
所の研究員三名がそれぞれ講演を行いました。
ワークショップの冒頭、アリオンザヤ国家統
計局長は開会挨拶において国家統計局の概要と
本ワークショップへ寄せる期待が表明し、続く
モンゴル側セッションでは、オドバヤル内陸開
発途上国国際研究所事務局長が全体の趣旨説明
にもつながる、内陸途上国における統計を使っ
た研究の重要性を示した講演を行いました。ま
た続いて、国家統計局アリオンボルド上席専門
官、バトゾリクト専門官によるモンゴルにおけ
る短期マクロモデルに関する講演、同局テグシ
ジャルガル上席専門官による二〇一〇年から二
〇一四年にかけてのモンゴル国産業連関表に関
する講演が行われました。
休憩を挟んで日本側のセッションではまず熊
谷聡新領域研究センター・経済地理研究グルー
プ長から人口・産業の地理的分布の変化を空間
経済学の理論に基づいて長期的に予測し、
貿易
・
交通円滑化の影響を分析するシミュレーション
モデル・IDE
–
GSMの概略について講演が
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経済地理研究グループ研究員がIDE
–
GSM
の理論的根拠となっている空間経済学に関して
の講演が行われました。講演セッション最後に
ジェトロバンコク事務所のケオラ・スックニラ
ン研究員より、IDE
–
GSMの応用例として、
モンゴル国と同様、内陸開発途上国であるラオ
スでの事例につき講義が行われました。
続く質疑応答・パネルディスカッションのセ
ッションでは、IDE
–
GSMのモンゴルでの
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活発な質疑応答がなされ、モンゴル政府関係者
の関心の高さが浮き彫りになりました。
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用
い
た
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査・研究、またその成果のモンゴル国関係機関
への発信の可能性について検討してまいります。
(文責:研究マネジメント職
深井
啓)
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