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JAIST Repository: 科学技術政策の形成体制 : 「地域科学技術政策」に関連して(科学技術政策の形成体制)

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JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title

科学技術政策の形成体制 : 「地域科学技術政策」に関

連して(科学技術政策の形成体制)

Author(s)

姜, 娟; 原山, 優子

Citation

年次学術大会講演要旨集, 18: 268-271

Issue Date

2003-11-07

Type

Conference Paper

Text version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/10119/6876

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す

るものです。This material is posted here with

permission of the Japan Society for Science

Policy and Research Management.

(2)

2A05

科学技術政策の 形成体制

一脚

科学技術政刑に

関連して 0 姜 娼 ( 東北大情報科学 ) 1 、 科学技術政策の 性格変化 第二次大戦後の OECD 諸国における 科学技 術政策の展開を、 丑 eeman(1988) は三つの時期 一一科学技術システムの「サプライ・サイド」 を 強調する 60 年代半ばまで、 「デマンド・サイ ド」を強調する 60 年代後半から 70 年代、 それ ら二つのアプローチを 接合する 80 年代以降一 一に区分した。

ほぼ同様の区分を

行 う Gibbons(200lH は、 表現を代えて、 科学のため の政策、 各種政策目標達成のための 科学技術、 技術革新のための 政策の三つの 時期とする。 第三期においては、 科学技術政策と 経済・ 産 業 政策との統合化傾向が 一層進行し、 また、 地 域政策と研究開発政策との 意識的な接合が 顕著 になってくる。 そこでは、 科学と技術、 基礎研 究のフロンティアと 産業技術とは 分離できなく なるから、 Gibbons 流の表現を使えば、 科学政 策は知識の生産、 科学技術政策はイノベーショ ン政策という 視点からみられ、 知識の生産は、 自己充足的な 活動ではなく、 社会の各所に 分布 している過程となることから、 それに対する 政 策的関与は、 その過程のマネージメントと 品質 管理の維持となる。 しかし、 Gibbons が論理的に整理して 特徴 づ けた政策シフトは、 実際には、 各国が遭遇した 経済的諸条件、 それぞれの技術経済システムや 政策システムによって、 従来方式と混合するハ イブリッド型となるし、 また政策シフトの 過程 も 一直線ではなく、 段階を経る。 ここでは、 そ の段階を・大略、 70 年代末から 90 年代初めま でと、 それ以降の時期に 区分する。 その段階移 行は、 技術開発それ 自体よりもイノベーション 過程全体を問題とする 意識、 いわば、 「 イ / ベ一 、 ンコ ン・ポリシー・パラダイム」への 移行と捉 えることができる (OECD, 1998)0 2 、 「地域科学技術政策」の 展開 上に述べた科学技術政策の 性格変化を、 科学 技術政策と地域政策との 接合に焦点をあ てる視 点からみると、 「サイエンスパーク・パラダイム」 から 「ラ ー ニンバリジョン・パラダイム」への

,原山優子

(

東北大工学

) 移行と捉えることができる。 ( 1 ) 「サイエンスパーク・パラダイム」 80 年代前半期に 世界各地に伝播した「サイエ ンス・パーク」 という政策構想は、 技術革命、 グローバル経済、 知識経済という 相互に関連を もった歴史的変化に 対応するための 意識的な試 みであ るが、 イノベーションの 社会的空間的ダ イナミックスに 関する二つの 時代認識に基づい ていた (Castells&Hall, 1994,Hilpert, 1991) 。 一つは、 活力に満ちた 経済発展や世界市場での 優位性を達成するために、 科学技術的進歩の 産 出 とその利用可能性が 最重要だとする 認識の再 確認、 二 つは 、 ますますグローバル 化する産業 空間の中で、 逆説的に・地域がますます 経済発 展の重要な行動主体になるという 事実の注目で あ る。 「サイエンス・パータ」 について、 どこにで も通用し、 受け入れられている 一義的定義があ るわけではないが、 それは一つのコンセプトと いうより、 一つのパラダイムとして 捉えられる べきもので、 R&D 、 インキュベーター、 ネット ワーク、 スタートアップ、 スピンオフ、 ベンチ ャー・キャピタル、 リエゾン・オフィス 等から 構成される包括的な 政策パッケージを 表してお り、 この種の構想は、 イノベーション・プロセ スそれ自体をその 当該地域にいかに 組織化する かを課題としている。 しかし、 技術・産業のイノベーション 過程の 中で、 成功するための 初期条件に関する 理解が 所与ではないし、 その過程の社会・ 経済的イン パクトについても 不分明な中で、 初期段階では、 科学がもたらすであ ろう一般的な 好機と不確か な経済的期待に 基づいて計画される。 加えて、 それは長期的な 企図であ るため、 一貫 的 、 一体 的行動を困難にさせる 外的圧力と内部調整の 問 題が付きまとり、 時間の経過とともに、 その 政 策 主体自身の活動や 市場の行動において、 意図 せざる結果に 縛られ、 その展開過程は、 他の政 策領域以上に、 政府関与の必要性、 そのあ り方 の複雑性、 限界性についてのこみ 入った学習 過 一 268

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程 となる。 (2) ラ ー ニンバ・ リ ジョン・パラダイム 1990 年代に入ると、 急速に進展する 各種市場 のグローバル 化、 技術革新過程の 加速、 冷戦の 終焉による世界的政治環境の 変化が合流して、 競争主義が昂進する。 そして、 経済のバローバ ル化は 、 "ubiquitification" として特徴づけら れる過程を通じて、 新たな知識基盤型経済を 現 出させる (Maskell et al., 1998) 。 また、 グロ ーバル化は地理の 終焉を意味せず、 グローバル 化とローカル 化 ( 局地化 ) とは同一コインの 表 裏 であ ることが明らかになってくる (Amin andThrif, 1994) 。 そうした知識経済化、 グロ ーバル化、 ローカル化の 時代変化 (Dunnilng, 2000) の中で、 政策転換が図られることになる。 多くのサイエンス・パータでは・ 実際には、 支援策の供給 側と 需要 側 とのミスマッチにより 外部資本を導入するための 用地開発の性格が 強 くなり、 多くの問題点が 指摘されたのであ る

(Isserman, 1994, Rosenfeld, 1999, Komninos, 1997) 。 そのため、 サイエンス・パークがその 政策目的を達成しようとすれば、 技術、 イノベ ーションの問題に 対する考え方の 転換を必要と したのであ る。 その転換においては、 イノベーションについ て、 狭義の概念一一新技術の 創出能力一一から 広義の概念一一ネットワークのダイナミックな 、 ンナージ一一へ、 政策の焦点も、 戦略的技術に 対する支援から、 科学技術とイノベーションを 全体としてみる、 より包括的なものへと 拡張さ れる。 Isserma ㎡ 1994) は、 その出現しつつあ る 政策志向について、 明確に特徴づけたり、 アイ テム化はできないが、 共通点は "whatisdone" よりも "howthingsaredone" が強調されるこ とにあ ると述べる。 また、 Morgan(1996) は、 企 業の即座のニーズに 共振すると同時に 長期的な 学習能力に活力を 与える支援体制の 設計を、 理 念的にいえば、 "networking model" あ るいは "learning.by.interacting model" になるとい う。 さらに Boekema(2000U は、 技術政策からイ ノベーション 政策へ、 地域政策とイノベーショ ン政策の連結への 転換を図る種々の 模索を総括 して、 "learningregionparadigm" と名付ける。 その一つの具体事例 は 、 競争のグローバル 化 と比較優位条件の 局地化に ヌ寸 する一つの応答と しての「クラスター・アプローチ」の 劇的な盛 行であ る。 勿論、 「クラスター」という 用語の定 義 、 その用語を適用する 集合単位、 またそれを 確認し・ 地図化する方法は 実に様々であ る (OECD, 1996, 1999,2000) が、 専門化への戦 略として、 地域的な支援インフラと 関連産業に おける企業群の 間を架橋するイノベーションと 学習の体系的な 連携作りが肝要だとする Porter(1990 , 1998) の競争戦略論が 一つの刺激 剤 になっている。 その具体例の 二つは、 各種の地域イノベーシ ョン戦略と呼ばれるものであ る (Morgan and Nauwelaers, 1999) 。 イノベーションを 地域 政 策の形成の核として 組み込むために「地域イノ

べ一 ショ ン・ システム」 (Braczyk et al. eds.,

1998) の概念が導入され、 地域イノベーション 戦略は、 地域のプレイヤーが 情報を交換し、 共 通のビジョンを 発展し続けるための 永続的な仕 組みやプラットフォームといった 制度的条件の 創出を促進するイニシアティブとなる。 3 、 日本における「地域科学技術政策」の

展開

欧米における「地域科学技術政策」の 展開と 対比してみると・ 日本の場合には、 「官僚制多元 主義国家」 ( 青木 1999 、 Castells,2000 , Porte,, etal.,2000) として特徴付けられる 政治経済シ ステム、 また、 東京を極とする 同心円的な一元 的構造へ向かう 国土構造 ( 矢田、 1996 、 山崎、 1998) に大きく規定される 面があ るが、 時間的 経緯でみると、 欧米に類比し ぅ るような政策転 換の過程が見出される。 ( 1 ) 「技術立国」における「地域科学技術」 「地方における 科学技術活動の 推進」は、 科 学技術会議の 第 6 号答申 (1977) で 調 われて ぃ るが、 政策構想として 具体化されるのは、 「テク ノポリス構想」においてであ る。 080 年代の通 産政策ビジョン』で「テクノポリス ( 技術集積 都市 ) とは、 電子・機械などの 技術先端部門を 中心とした産業部門とアカデミ 一部門、 さらに は 居住部門を同一地域内で 有機的に結合したも の」 と定義され、 基礎素材産業から 先端技術産 業への移行という 産業構造の変化に 対応して 「技術立国」の 実現を目指すべきとする 認識の 下で。 シリコンバレーを 下敷きに、 先端技術 産 業の基盤整備の 先導的モデル ( 全国に一 ケ所 ) として構想された。 しかし、 実施条作りの 段階 に入ると、 当時は「地方の 時代」が喧伝され、 「定住構想」を 掲げる了姉会 総 山の実施過程に あ ったから、 結果的には、 全国 26 ケ 所が指定 を 受け、 先端技術産業の 育成を目標とする 産業 政策と地域経済の 自立化を目標とする 地域政策

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とが接合される ( 伊東、 1998 、 日本立地センタ ー、 1999)0 この時点では、 テクノポリス 政策は、 ますま す科学基盤型製品が 優位を占める 世界市場を予 期して、 新たな成長センターを 全国に分散配置 しようとする 中央政府主導の「地域政策」であ り、 産業構造の変容による 深刻な困難を 経験し ていた欧米における 地域主導型の 地域政策と対 照をなしていた (Hilpert, 1991) 。 また、 80 年代 初頭の英国におけるサイエンス・パーク・ラッ 、 ンュ について Hal1(1985) の指摘したような 事 態一一技術進歩と 経済発展の関係、 技術のイノ ベーションと 普及の地域的含意についての 理解 が充分に達成されないうちに、 政策的処方の 方 は早熟してしまい、 イメージ先行でラッシュが 起ってしまった 一一が日本の 場合にも当てはま った ( 石井、 1982)0 日本が地球規模の 政治経済変動の 只中にます ます身を置く 80 年代半ば以降になると、 先端 産業の誘致と 地域産業の育成の 二本立ての政策 手法は必ずしもうまくかみ 合わずに地域間格差 が拡大する。 この時期に F21 世紀産業社会の 基 本構想』 (1986) が提案され、 F 四全総』 (1987) が策定されるが、 地域の産業構造転換問題に 対 処するため、 研究開発拠点の 整備や地域の 技術 力の向上の二側面が 強調される。 それに関わる 政策的対応の 一つは、 通産省による 下地域経済 活性化ビジョンⅡ 1987) の発表Ⅱ頭脳立地構想』 (1988) の実施であ り、 他の一つは、 科技庁によ る下地域における 科学技術振興に 関する基礎 調 査 J1 (1988) の実施であ る。 科技庁による 7 基礎調査 コが 開始されたのは、 地域産業の振興のために 科学技術の推進を 図ろ うとする地方公共団体や 地域主導の地域開発ビ ジョンが出現してきたことと、 F 四全総』の問題 意識を受けた 形であ った。 そして、 それらの検 討の結果が、 「科学技術の 地域展開」という 副題 をもつ 1992 年版『科学技術白書 コ にまとめら れ、 以後、 各年次の白書において「地域におけ る科学技術の 振興」の項目が 加えられてゆく。 しかし、 この段階では、 「地域科学技術政策」と いう用語の登場は、 科学技術政策のなんらかの 転換を表しては い るが、 その用語が意味する 内 容に関してはまだ 模索段階にあ った。 ひ 技術と 経済 J1 1990 年 5 月、 279 号「動きはじめた 地方 0 科学技術政策」 ) (2) 「科学技術創造立国」と「地域科学技術」 90 年代初頭には、 日本経済の変調を 来たす 諸 現象が次々と 現われ、 従来路線からの 転換や経 済構造改革の 必要が強く意識され 出すと同時に、 rg0 年代の通産政策ビジョン コ では、 「テクノ ポリス」の用語はほとんど 引照されず、 「新たな パラダイム」に 基づいた産業政策の 展開を掲げ る F21 世紀の産業構造 JI (1994) では、 「テクノ ポリス」の用語は 完全に消失している。 92 年の科学技術大綱では、 科学技術会議の 第 18 号答申 (1992 年 ) に基づいて、 「地域における 科学技術の振興」を 重点施策の推進の 一項目に 掲げているが、 内容的にほ、 F 四全総 コ的 視点の 科学技術政策への 導入であ った。 しかし、 「科学 技術創造立国」を 目標に掲げる「科学技術基本 法」 (1995) に基づく「科学技術基本計画」 (1996) には科学技術会議第 22 号答申が要約した 形で もり込まれ、 地域における 科学技術活動の 活性 化に対する対応策ははるかに 体系的かつ具体化 してくる。 施策の上では、 科技庁による「生活・ 地域流動研究」の 強化 (1995) 、 RSP 事業 (1996) 、 「地域結集型共同事業」 (1997) 等はその具体事 例であ る。 一方テクノポリス 計画の第姉次開発指針の 策 定段階では、 プロパ一の新規施策ではなく、 そ こに限定されない 地域産業空洞化対策が 打ち出 されてくる。 新規産業の創造に 資する技術開発 を支援する 丁 新規産業創造技術開発支援制度 d (1996) の創設、 地域において 産学官連携のもと に研究開発を 推進する下地域コンソーシアム 研 究 開発制度 J (1997) の創設、 さらに、 イノ ベ一 、 ンコ ン・システムやネットワーク・マネージメ ントの考え方の 下で、 地域プラット フ オームの 整備を図る 丁 新事業創出法 山 (1999) の制定で あ る。 さらに、 90 年代末になると、 一層深刻な日本 経済の変調が 顕わになり、 丁度 80 年代初頭に 深刻な双子の 赤字に悩んでいたアメリカが「国 の競争力に関する 大統領諮問委員会」を 設置し たのに倣い、 首相直属の「経済戦略会議」 (1998) 及び「産業競争力会議」 (1999) が設置される。 そして 98 年から今日までの 最近 5 ケ 年間は、 アメリカで 80 年代初頭以来競争力の 強化や産 業の育成を念頭において 進められてきた 種々の 政策展開を、 あ たかも一連の 政策パッケージの ごとくに圧縮して、 採用し、 実行している 印象 を与える。 第二期「科学技術基本計画」 (200t 年 ) が策定され、 総合科学技術会議の F 経済活性 化のための地域科学技術振興プラン ( 草案Ⅱの 中で「地域クラスター」一一経済産業省の「 地 一 270 一

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域 再生産業集積計画」 (2001) 及び文部科学 省 の 「知的クラスター 創成事業」 (2002) として具 体化する一一の 概念が登場するのは、 こうした 文脈においてであ る。 そして、 「知による新時代 の社会経済の 創造に向けて」という 副題をもつ 2002 年版のけヰ学技術白書 ] では、 それまでの 白書の用語と 構成が一変し 、 「イノベーション・ 、 ンステム」がキーワードとなり 一一従って、 地 域における科学技術の 振興においても「地域 イ / ベーション・ - ンステムがキーワードとなる 一 一科学技術政策が 内容においてイノベーション 政策へと転換するのであ る。 4 、 まとめ 「地域科学技術政策」の 展開過程を振り 返っ てみると、 あ る段階の政策理解は 前段階のそれ に対する代替物や 次の万能薬ではなく、 それぞ れが積み重なって 層をなす学習過程にあ るもの 参考文献

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フイ コゑⅠ 0 d Ⅰ e@e 程に焦点を合わせ、 直接目に見える 資源よりも 見えずらい技能や 知識が重視される。 「地域科学 技術政策」においても、 「地域イノベーション・ 、 ンステム」がキーワードとなり、 それは同時に 「地域 ラー ニンバ・システム」を 意味する。 そ う なると、 そのことの政策的含意は 二 つ あ るよ さに思われる。

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そしてその両者を 結び合わせる 制度及び活動の 三つの分析レベルがあ るが、 肝心なのは第三の レベルであ り、 それに関しては 一般化は困難で あ り・そこに要請されるのは、 自らの実践を 観 察する

"reflexiveknowledge"

とならざるをえ ないからであ る。 第二は 、 上のこととの 関連において、 イノベ ーション政策においては・ ますます、 多 専門的 アプローチ、 マルチレベルのガバナンス、 政策 作成過程における 計画者と実践 家 との連携が要 請 されてくると 思われる。

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参照

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