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JAIST Repository: 技術系人材の高等教育に関する研究

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JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title

技術系人材の高等教育に関する研究

Author(s)

小林, 信一; 塚原, 修一; 山田, 圭一

Citation

年次学術大会講演要旨集, 2: 23-27

Issue Date

1987-10-16

Type

Conference Paper

Text version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/10119/5202

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す

るものです。This material is posted here with

permission of the Japan Society for Science

Policy and Research Management.

(2)

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技術系人材の 高等教育に関する

研究 ①小林信一 ( 東京工業大学工学部 ) 塚原修一 ( 国立教育研究所 ) 山田圭一 ( 筑波大学社会工学系 研究の目的 創造的研究活動や 自主技術の開発を 推進する必要性が 唱えられるようになって 久しいが・こ のためには研究体制,研究環境の 整備のみならず ,研究者,技術者などの 研究開発を担う 人材 の 充実も重要であ る。 とくに研究開発が 基礎的,独創的になればをるほど ,人的要素が 重要と なる。 研究開発の人的要素の 充実をはかる 上では,単に 量的に技術系人材を 確保するだけでな

,質的な面の 充実も必須であ る このような人材を 養成することは 大学の役割であ る。 今日の高等教育は 学部,大学院にお い て ,創造的な研究開発の 推進を担 3 人材を養成する 責務を負 う のみならず,技術系人材の 継続 教育の局面でも 大きな期待を 掛けられている。 研究環境の変化は 技術系人材の 養成のあ り方や 大学そのもののあ り方にも大きな 影 軽を与えている。 以下では,発表者らが ¥Q 年前と昨年の 2 回にわたって 実施した調査の 結果に基づいて ,技術 系人材の養成の 実態と変化などを 分析し,今日の 技術系人材の 養成上の問題点,高等教育 碓関 の 抱える問題などについて 議論する。 2 . 調査 技術系人材の 高等教育に関する 問題点等を明らかにするために ,民間企業の 技術系人材と 大 学 関係者を対象とする 調査を実施した。 ①昭和 b] 年 調査 [ 民間企業側調査 ] 調査対象者 民間企業等の 技術系の中堅・トップ 層 (745 名対象, 562 名回答,回収率 75.3 X) および若手技術系人材 ( 同 798,633.79. 1% 実施時期 : 昭和 61 年 5 ∼ 6 月 調査方法 : 企業経由で配付,郵送により 回収 [ 大学側調査 ] 民間企業側調査の 結果を踏まえて ,大学研究者を 対象とする調査も 併せて実施した。 調査対象者 : 高度の研究機能を 有する大学の 理工系学科および 理工系分野の 国立大学共同 利用機関の助教授,教授を 系統抽出 (757 名対象, 218 名回答,回収率 28.8 わ 実施時期 : 昭和 61 年 9 月 調査方法 : 郵送 法 ②昭和 51 年調査 調査対象者 民間企業の技術系トップ 層 ( 134 名対象, 96 名回答,回収率 71.6 れ ,技術系 中堅層 ( 同 486.371.76.3 目および若手技術系人材 ( 同 1285.965.74.4 れ 実施時期 : 昭和 51 年 8 ∼ 10 月 調査方法 : 企業経由で配付,郵送により 回収 本調査は技術同友会の 調査研究「技術者教育への 期待 一 創造性を養成する 教育の充実」の 一

(3)

環 として実施されたものであ り, F 技術系人材の 創造性の養成 J ( 昭和 62 年 3 月 ) に取りまと められている。 また,比較対象とする 10 年前の調査も 同様に技術同友会の 調査研究として 実施 されたものであ る。 調査結果は千科学技術者の 教育と社会環境に 関する調査報告書 J ( 昭和 52 年 3 月 ) にまとめられている。 調査の詳細についてはこれらの 報告書を参照されたい。 3 . 調査結果 3-1. 大学で学んだ 専門知識と企業で 必要とする知識とのあ いだのこ ? ソチンク。 の拡大 研究環境の急激な 変化の下では ,技術系人材が 持つ専門的知識・ 能力と研究開発の 現場で必 要とされる知識・ 能力とのあ いだに 軸 巧わ グ を生じやすい。 この 軸マ パンバには,①研究活動の 進展にともなって 必然的に生ずる 知識の陳腐化 (obsolescence), ②技術系人材の 養成が研究活 動の変化に対応できないために 生ずる人材養成の 不適合,の 2 つの側面があ る。 後者は技術系 人材の高等教育を 考える際に重要であ る。 そこで,大学で 学んだ専門知識と 企業に入社直後に 必要とされる 知識・能力とがどの 程度重なっているのかを 調べた ( 図 1 ) 。 技術系人材養成の 道吉 度 が低下していることは 歴然としている。 技術系人材養成の 適合皮 は 研究活動の進展と ,大学側の体制の 変化 ( 新規分野に対応した 学科の新設など ) の 2 つのマクロ的要 因と,新卒者の 就職行動,企業における 人材配置等のミクロ 的要因によって 決定される。 これ らの要因の全てが , $@77 チングの拡大の 原因となりうるので ,図 1 の 桔 果から 軸 ?77 チングの拡大が 全面的に大学における 技術系 人材養成のあ り方に起因する ものであ るとはいえない。 し かし昭和 50 年代に入ってから は ,新規分野の 発展に対応し た 大学の学科新設などが 激減 し ,技術系人材の 養成体制が 硬直化しているので , ミスマ ソ チングの拡大のあ る程度の 部分が技術系人材の 養成のあ り 方によると推測できる。 こ ぅ した 拮 果を大学側研究者に 提示して意見を 求めたところ l Ⅱ 絃曄癖

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2.

新入社貝の学力・

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3-2.

新入社員の学力や 能力の た 水準 それでは新入社員が 入社後 研究活動に携わる 上で必要と なる基礎的な 学力や能力は 向 上しているのであ ろうか。 図

(4)

2 は企業での研究開発経験 10 年以上の技術系人材と 最近の新卒技術系人材との 基礎的学力や 能 力の水準を比較した 結果であ る。 これによると ,情報処理能力,外国語 力は ついては最近の 新入社員の方が 優れているが , そ の他の能力についてはかつての 方が優れていたとみなされていることがわかる。 とくに「協調 性,人間関係能力」「一般常識」「国語 力 ,文章 力 」「仕事に対する 使命感」などの 社会人としての 一 般 的能力については 著しく低下しているとみなされている。 理工系の基礎的学力に 関してもか っての方が優れていると 考えられている。 3-3. 大学における 教育指導とカリキュラムの 整備 図 3 は大学における 教育指導やカリキュラムが 十分整備されているか 否かを企業側,大学側 の 両者に質問した 結果であ る。 企業側はもちろんのこと 大学関係者自身も 現在の大学における 教育指導や; サ キ , 刑の整備は不十分な 状態にあ ると考えている。 前項で最近の 新入社員の方が 優 れているとされた 桶報 処理や語学に 関しては,ここでは 最も整備が不十分であ るとみなされて いる。 つまり,情報処理や 語学に関しては ,最近の方が 改善されてはいるもののさらに 整備し

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(5)

ていくべき状況にあ ることを示している。 また,人文・ 社会科学,修士論文を 除くほとんどの 点で企業側よりも 大学側関係者のあ いなでの評価が 厳しい。 ㎝

企業 側

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丑 弛 0 竹 Ⅳ 図 4. 博士課程の改善の 方向 3-4. 博士課程の改善 基礎的研究や 創造的研究開 発の推進をはかる 上で,今後 博士課程修了者に 対する需要 は増大すると 考えられるが・ 現在の博士課程は 企業が求め るような人材を 養成していな いといわれている。 このよ う な 状況にあ る博士課程の 改善策について ,大学関係者とともに 企業側にも意見を 尋ねた結果が 図 4 であ る。 企業側からすれば ,産学の人事交流などを 通じて民間における 研究活動の動向を 的確に把握 して欲しいと 考えるのは当然であ る。 また,研究活動の 変化に対応して 学生が専門やコースを 転換するべきであ るという意見が 多 い ことも予想される 結果であ る。 しかし,大学関係者は「 教育・研究環境の 充実」こそが 最も重要な改善策であ ると考えているのに 対して,企業側ではそ れほど重視されておらず ,見解の相違が 顕著であ る。 3-5. 継続教育と大学への 期待 近年,大学や 大学院は,技術系人材の 継続教育,再教育機関としての 役割を期待される よう になってきている。 継続教育・再教育の 方法として今後どのようなものが 望ましいかを ,長期 的 方策,短期的方策に 分けて質問した。 長期的方策としては , 「自己啓発 (61.4 灯」 「大学,大学院との 交流 (56.3) 」 「海覚研修, 留学 (50.6) 」,短期的方策としては「企業覚教育 (54.3) 」 「企業内教育 (52.1) 」が重要な方策と どちらかといえば してあ げられた。 これを 51 年調査 必要で " い と比較すると ,「大学,大学院との

交流」については ,長期的方策とし ては 51.2X から 56.3% へ ,短期的方 策 としては 22. Ⅱから 26.5% へと, んど

いずれも回答が 増加しており , 技 洩扶 での対応 鰯 ) 術系 人材の継続教育,再教育機関 (N 二 %1 ) としての大学,大学院に 対する 期 侍が 増大していることがわかる。 なお,他の調査項目から ,大学, 大学院における 継続教育の果すべ

き 役割としては , とくに「新たな 分野への転換」が 強く求められて 図 5. 大学の継続教育・ 再教育機関としての 対応 ( 大学調査 ) いることがわかった。

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図 は,大学側に ,大学が継続

(6)

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4-2. 大学の研究機能の 充実 調査結果においてもみれたよ う に,今日の大学の 研究条件は何をするにも 不十分な状況にあ

研究施設・機器 等 が十分でな い ,スタッフが 不足しているなど ,財政的問題などを 背景と して,問題は 拡大しつっあ る。 大学の教育・ 研究機能が危機的状況にあ るということは ,大学 関係者のあ いなでひろく 認識されているが ,改善されないままであ る。 米国ではこの ょう な危 機 意識から勧告がされたり ,改善の兆しがみられるようになっている。 我が国でも日本化学会 で同様の議論がされている。 大学は基礎的研究の 推進機関として 将来の研究開発に 貢献して い く役割を担 う だけでなく, 人材の養成を 通じて将来の 研究開発に決定的な 影軽を及ぼす。 その意味で,大学や 大学院のあ り 方について真剣に 考える必要があ る。 資源の制約のもとでは ,定見のな い 拡大は避けなけれ ばならないが ,上述のような 目的を達成するための 最低限の研究設備・ 機器や スわァ の充実をは

力 り さ に組織のスクラップ・アンド・ビルドや・ 場合によっては 拡大を含めて 検討する 必 要 があ ろ つ 。

参照

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