Japan Advanced Institute of Science and Technology
JAIST Repository
https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 異分野研究者チームによる新研究テーマ創出活動のプ ロセスモデルの実証的検討 Author(s) 伊藤, 春彦; 亀岡, 秋男 Citation 年次学術大会講演要旨集, 8: 86-92 Issue Date 1993-10-22Type Conference Paper Text version publisher
URL http://hdl.handle.net/10119/5392
Rights
本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Science Policy and Research Management.
2B3
異 分野研究者チームによる 新研究テーマ 創出活動の
プロセスモデルの 実証的検討
0
伊藤春彦,亀岡
秋男 ( 東芝 ) ] . はじめに 企 案の研究所は 現ワ 案 支援と共に、 将来車案の基盤となる 新しい研究テーマを 探索し、 将来に席える 使命があ る。 そこでは新しい 技術の種をまき、 芽を育て、 さらには先行的な 将来製品コンセプトを 創造し、 実現していく 様々な活動が 行われている。 多くの研究テー マは、 日常的な研究所 租 臣の中で企画され、 実行に移されている。 一方これと平行して、 担 接の杵を甘えた、 言わばインフォーマル な新 テーマ発掘活動も 行われている。 東芝の本社研究所で 試みてきた、 天分野の研究 租億に所 屈する若手研究者 チームによる 新研究テーマ 発掘 活劫 ( 以下「若手授 中計 」と呼ぶ ) もその一 つ で、 その 店 劫 概要をここに 紹介する。 併せてこれまで 活動を支援してきた 立 埋から、 チーム活動によ る テーマ創出プロセスの モ チル化を試みる。2.
研究テーマ設定における「若手長虫 計 」活動の位 仁 付け 東芝の本社研究所であ る研究開発センター ( 旧 総合研究所 ) における研究テーマ 設定 に は 、 全社の中期計画にリンクした、 研究所としての 長 中期研究計画策定店 劫が べ ー スに あ る 。 これと平行してボトムアップでの 新研究テーマ 発掘活動 6 行なわれている。 これらに は、 ①アンダーザチープル ②企画古制度によるテーマ 提案 ③若手長 中 計などの仕組み があ る。 組織的な研究計画活動であ る「最中期研究計画」は 研究組織の りテダ ( 所長、 グループ リーダ、 テーマリーダ ) を中心とした 活動であ る。 これに対して、 若手の研究者自身 ( 入 社後数年以上で30
才前後を中心 ) による新研究テーマの 発掘 活 劫を制度化した。 これは 若 手の斬新なアイディアを 組織として生かすことを 目的とするものであ り、 同時にテーマ 企 画体験、 ヒューマンネットワークの 拡大、 組織活性化なども 狙ったものであ る。 研究部所長 最 中期 トップマネジメント研究計画 モ グループ
研究 き 個人 。 企画 甘 、 若手長虫 計 ンダーザテーブル
一 86 一
く 研究ライン組織 ノ く 若手長虫 計 チーム ノ
""""
Ⅰ三三三
B
研究所研究 グ 研究 グ ノレー ル一 @ @ 3. 「若手長虫 計 」活動のプロセス イ若手中長計 ] 活動 は、 異なった専門分野の 研究者が一つのチームを 構成し、 本来の所 屈の研究テーマを 実行しながら、 同時に異分野の 研究者と交流し、 幅広い知識を 共有して、 視野を拡大し、 チーム創造力による 新規テーマの 発掘を目的とするものであ る。 そのプロ セスの途中には 他のチームやマネージメントあ るいは外部専門家などチーム 外部との情報 交流の場も投け、 自主性を尊重しながら、 切迫・ ス 張の勒 や 、 フィード・バックのプロセ スも取り込んだ 仕組みになっている。 実際のプロセス は 個々のケースでかなり 異なってく るが、 敢えてこれらを 眩めてみると、 その過程は概して 下記のようになる。 1 ) テーマ 設 定 ・問題意識発掘 ( テーマ募集 ) ・研究者・スタフ・マネジメントなどから 広くアイディアや 問題意識を公募 " フ @ 一%選定 ( 公募テーマを 企画スタフとマネジメントで 検討・評価 ) く 視点、 : 問題意識、 新規性、 重要性、 実現性、 リーダ / メンバ候補の 有無 ノ 2) チーム 窩成 ・リーダの選定
メ
ンバの探索 ( 共通問題意識保持者、 リーダの呼掛け、 マネジメントの 推薦等 ) く 視点、 : 専門性、 異分野・異文性、 意欲等 ノ ・アドバイザー…企画スタフが 相談役として 参加 ( リエゾン、 手法等 ) 3) チーム発足金開催 ( 活 劫の公認を周 智 ) ・研究所トップマネジメントからの 期待・激励 ・リーダ / メンバ紹介と % 定 テーマのねらいの 説明 一4) 個別チーム活動 ( テーマ毎に自主的に 実施、 適時 ア ドバイザー参加 ) * P l : チーム 吋詣 ( 自由 ) ・メン パ の相互理解…技術バックバラウンド、 人柄等 ・問題意識の 交換 ・課題フレームの 認識・合意 * P 2 : チーム討議 ( 発展 ) ・発想拡散と 課題深耕 ( 手法の活用、 村議場所等の 工夫等 ) ・高密度チーム 内 コミュニケーション / 異 分野頭脳の共 祇 ・ 協創 ・ 問 打点の発掘 / アイチ ィア の創出
5)
中間発表会の 投定 …作業の進行状況を 見てアナウンス ( 期限設定 ) く 各チームは中間発表会 ( 期限 ) に向けて中心課題抽出に 努力 ノ 6) 個別チーム 活劫 * P 3 : チーム 付詣 ( 中心 課 a 抽出 ) ・期限っ き 公明発表で切迫 志 ・問題を分析・ 整理し、 主要問題を煮詰め、 中心 課打 領域を把握7)
中間発表会の 実施 ( マネジメント、 他チーム、 関連専門家、 スタフ等が出席 ) テーマ発掘作業の 基本的方向の 確認 ( 第 2 ラウンドへのフィード・バック ) ・チーム外部の 広い視点からの 新たな情報・コメント ( 刺激、 批判、 激励 )第
次 作業 ( 中間成果 ) の公開 / 租音 としての知識共有 8) 個別チーム活 動 ( 第 2 ラウンド : テーマ毎に自由に 実施 ) * P 4 : チーム打紙 ( 総合・創造・ 体系化 ) ・ 第 1 ラウンド (P l ∼ P 3) のレビュー ・中間報告会での 立見・情報を 加えて再検討 ・テーマ具体化への 新 アイディアノ 新コンセプト 創出の試み9)
億 終発表会の設定…時期を 見てアナウンス ( 期限設定 ) く 各チームは母権 発表会 ( 期限 ) に向けて創造・ 体系化に挑戦する ノ 10) 個別チーム活動 * P 5 : チーム討議 ( 発想、 ジャンプを期待 ) ・期限つき公開発表で、 切迫 憩 ・ % 超 ・リーダのリーダーシップ 、 アドバイザーコメントが 重要 ・創造・総合思考に 注 力 ( 緊張・切迫感による 発想プッシュでプレースル 一期待 ) * P 6 : チーム 吋詩 ( 新コンセプトの 検証 ) " フ @ 一マ 0 合体象を把握し、 新コンセプトを 位置付ける ・第 3 者に分り易く 整理し説明することで、 チームとしても 理解を深化化
有
共る
0 け群吏
如を
緩 し的決
に裁
組案
/ 提 何 て評し
果と
成ヰ
柊画
恩金
︵ 究ぬ研
実
のは会の
表 6発な
& . 有終望
l2) 個別チーム活動 * P 7 : 活動成果の攻め ( ストック化 ) ・報告 音 としてドキュメント 化 、 ・企画 吉 として提案、 ・知的財産として 権 利化 く 波及効果としての : 人材育成、 人的ネットワークの 形成 ノ 以上のプロセスを 簡単に モ チル化すると 下記のようになる。 これは、 比較的成功した チ 一ム活動 の プロセスを 、 後からフォロ ー して、 モチル化したもので、 実態はケース・パイ ・ケースで異なり、 より複雑多様であ る。 若手技中計のモデルプロセス 全体フロー チーム六店 劫 対外インタフェース ( 弗始 ) 0 …Ⅱテーマ 設 定 ( 公募・ 達定 ) く テーマ公募 ノ 0 … 幻 チームⅠ 成 ( 大分野研究者 ) 0 … 卸 「チーム 活劫 」発足金 け - プソ ) く 公報・公開 ノ 」 ---- 一一 「・…‥ り チーム活動 (% 分野知 破 混成 )口
Ⅱ : チーム 付諾 く問億患紋 共有化 ノ ( 自由 )口
P2: チーム 吋緩 くま !*B け行 け拡大 ノ 「 ----"--- r @@ 8) P4: 口 チーム 吉寸吉億 く 創造・体系化 ノ I I ( Ⅰ 合 1 @ 9@ 0 … 0 …… 5) 発表会 ア ナ 9% く 切迫 惑 ・ % 強悪 ノ く 関心・期待 ノ I I
口
| 6) P3: チーム討議 く 中心的課題把握 ノ( Ⅰ 鍍 1 @ l0@ P5: ロ … l チーム討議 く ブレークスルーノ I I ( ⅠⅠ ンシソプ ) P6: ロ ‥・ l チーム 吋誼 く 新コンセプト 検証 ノ
( 接正 ) Ⅰ」一・一一一 - 一・一 0 Ⅱ中間発表会 く 外部新視点吸収 ノ く廿肌 ・ 相掘ノ フィ - ト ⅠⅠⅠ 弓ブ O l Ⅱ 仮 終発表会 く 妓楼成果発表 ノ く締 ・ m* ぬ化ノ ( 終了 ) 口 l2@ P7. 汗 与田打成果Ⅰめ く 知毒轟 ストック ィヒノ く帝 粟苔 a.8 Ⅰ活用 ノ 報告言・企画 宙 ・知財 権 は肘 乙川 甜 、 Ⅱ 俺 Ⅱ 11 甜七 ) 一 89 一
・ 4. 「若手長虫 計 」実妹の活動 拮果 とその効果 4 一 ] . 活 劫の実績 これまでの若手長虫 計 活動を数字でとらえると、 下記のようになる。 も ︶ コ
のな究
、かを
察 し 々そカ研
考は新テ
が有に
を苦めス
果 、的体い
ず 因 激、 は象で
シ ンの,り 拮 の 接 と 要 刺 野親等
ぃ るョ上か
吋 6 間 。 る 部シ成な
分新野
し 検たて
るす
外 れ スのしし
∼ り、分析
一百 少あ現
スの イ レ材に
ムト介
え ン,はイて
一一を
ボ人﹂
考デ野
パし
チタ
及うど
ア し と シ 質コなェ
、ス波
・分チ
通 る ツル数
と異
はての
料ス
・見る
の ﹂ ウ え︶Ⅰ
迫、ル
ミャ
関 名村ク
料をき
てしへ
で肋ン
ド 片才 八イ甲ノ 与、シ性
0 二杯 ム 立でいと
億 ム一口ロ 吋イ @ モ性ン特
5 口﹁社が
一の 一 つ 7%持テ
る約は力と将
こト、
来と
に一の
チド
若杉プラ
尊概ムポ
す ッグ 富一 な果テ他
者ンヒ
のに
一荘 与野メる
﹁ る成究や
究イ
﹁日揮シクイ、
関 チ清吾
老分・
すとけ
0 所 パ 研 70 0要発
ダッ
心汝達
ル 、のに
ル 9究ムギ別
﹂ 分掘なンる
野面
ての性
一パ争刺のャ性揮カャ
研テル大堀
に発式メあ
分食
っリノ
競部
カシ特発進
シ揮造
7玉柏
で 異宝と
発創
/ 宙 /外道
シバカ創ン
一に拮々
﹁研に
住め
抽寅性
、創テン造が
テノチ的
、様清一発
﹁孝道
々 志 /有ン掘ポメ創
佳ポ
数掘テ
のは、究る
荻究接
のど
創一題数共ョ
発の
、 6% ︶ 発 67実研直
もな
果﹂研い
のチ
間人
識シマ
埋性
よ祐
術マよ一
ム︵︵
意ッ
一発特にの
技 ︶ 06てたの
るら
効成
たて
︵Ⅱ性︵の進一一一鼓
︵ミテ
カダム
ム | 一に テであ軽いも
次形
しし
5 チテ及究面でを
った 2る追
研の的等びし
に分とのの持田
々創
リチ
チ知
︵ ,且 ド ⅡⅠⅠ ー・ |よの
と と 約 7 掘日清
拮及
戒功一
劫のる
ダパム要一
る ︵にト築
発の決に波
の活ヮ
れる
活動
み一ン
一部チよ
cC c 専 fムプ肝
でのトう
い マ劫の願に
数テ
ム活てリプ
チ 外とに
fT f の 王一セの
ム別
一店で出行等
こッげて
のし
因ムコ
ム Ⅰ一軒チン
トテら
吉井実成、
ネ挙し
チで卒
一 ﹃ 要一 c チ分ら
コプ 究れ回
特マ
ま利
百方
脈がら
らチ
丁 チ丁れ桁
セ 2 れ研こ金木
一 材一人面
たれ
こ技ン
一こし
新後圭テ
人﹁のも
こ く く 4TP : チームとしての 知識 ( 技術 ) ポテンシャル P@ : 個人の知識 ( 技術 ) ポテンシャル f @ : チームのポテンシャルに 文献する個人 i の特性関数 ( これはメンバの 専門分野の重なり 等によって異なる ) ・チームの総合創造 カ ポテンシャル 丁 Ⅰ f t (Tc 、 Tp 、 ) 丁 : そのチームの 総合的なテーマ 発掘の創造 カ f t : 「チームの知識」、 「チーム創造力持 性 」が成果を生む 特性関数 今後これら要因間の 関連とモデル 化をさらに検討していきたい。 4 一 3. 活 動に 参画した研究者の 意識の特徴 研究所で実施した
研究者の恵被調査のチータから「若手長虫
計 」活動に参画した 研究者 の意識面での特徴を抽出した。
特に創造への 意識 /意欲を研究所の
全研究者平均値と 比較 したのが下表であ る。 関連句 問 項目 研究者平均値との 比較 自分がプレークスル 一型 と 認識0
( 平均より 多L))
研究計画への 参画 度 高いと認識 ⑥ ( 平均より著しく 多い ) 自分の研究レベルの 高さ O 日常の恩 勒 での試論の頻度 ⑨ 自分の成長に 形 再 した人 一 ( 平均値と同レベル ) ( 注 : 活動に参加したことによる 直接的効果がどれだけ 含まれているかはこの 調査結果だ けからは不明であ り、 今後検証していきたいと 考えている。 ) 5. 拮論 ( まとめ ) ①研究テーマ 発掘の一方法論として 実践している 若手長虫 計 活動のプロセスを 整理した。 ② 異 分野研究者チーム 活 動 による知識の 融合・創造のプロセスを 観察 し モデル化した。 特にチーム 外 との交流による 刺激と切迫恵の 重要性を確認した。 ③参画した個人にとっては、 通常の研究組織内港 劫 だけでは得られない、 発想体験や人 的 ネットワークの 形成など研究者のヒューマンウェア 形成に有力な 機会となっている。 尚 、 抽近 、 イノベーションや 組織知生産のための 群別 ( グループや組織による 創造 ) の 研究が経営学やバループウェアの 面から盛んに行われており、
これらの成果をこの 活動 に 有効に生かしていくよう 今後とも工夫を 重ねていきたい。 一 一く 参考文献 ノ ・Ⅲ chael Schrage 邦訳「マインドネ、 ッ トワーク」藤田史朗監修、 プレジデント 社 (l992) ・野中郁次郎 「 ナ レッジ・クリエイティンバ・カンパニー」 、 ダイアモンドハーバードビジネス Ⅱ b. Ⅱ ar. l992 ・伊藤春彦「東芝の 研究明発と基礎研究計画の 実妹」研究技術計画 v0@. 6, No. 2 月・ l99l ・ね山 貞登 「経営と創造性」 放送大学教材、 日本放送出版協会