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疾患部の抽出

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Academic year: 2021

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(1)

修士論文

眼科用光干渉断層 (OCT) 画像を 対象にした 3 次元領域拡張法による

疾患部の抽出

平成 25 年度修了

三重大学大学院工学研究科 博 士 前 期 課 程 電 気 電 子 工 学 専 攻

中 原 生 就

三 重 大 学 大 学 院 工 学 併 究 科

(2)

目次

第 1 章 は じ め に .•

.・・・

1.1視覚障害の現状"...・H ・...1 1.2網膜の構造と加齢黄斑変性....・H ・‑…....・H ・‑……...・H ・....・H ・...・H ・...・H ・...・H ・...・...3 1.3光干渉断層計 (OCT:Optical Coherence Tomography)…...・H ・...・H ・...・H ・..5 1.4本研究の目的および概要.…...8 1.5研究対象となる 3D‑OCT画像...8

第 2 章領域抽出(セグメンテーション)手法.

• • •

• • • • • • • • • • • • •

. 1 0  

2.1動的輪郭モデル....・H・...11 2.2領域拡張法....・H ・‑…...11 2.3提案手法に用いる領域拡張法....・H ・‑…....・H ・‑…...・H ・..…...・H ・‑…HH ・....・H ・...11

第 3 章提案手法...   . .   . .   . .   . .   .

11  " E ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・.. . . 

1 3  

3.1提案手法の流れ....・H ・....・H ・....・H ・‑…...13 3.1.1ノイズの低減処理...15 3.1.20CT画像の位置合わせ...17  3.2 3次元領域拡張法....・H ・‑…....・H ・....・H ・...20  3.3 3次元表示.…・...・H ・‑…...22

第 4 章評価実験...

• •.• •• • •.• • •• • ••.• • • •• • • •• •• • • • • •• •.••

. . 2 3  

4.1評価用試料と評価方法...23 4.2定性的評価....・H ・‑…...25 4.3定量的評価・…....・H ・‑…...28 4.4考察....・H ・...35

5

章まとめ...   . .   . .   . .   . .   . .   . .   .

. . 圃 ...38

参考文献...   . .   . .   . .   . .   . .   . .   . .   . .   . .   . .   .

..・・・・・・・・・・・ a・・・・・・・・・ E ・・・・・・・・・・・・・掴

. 3 9 謝辞...   . .   . .   . .   . .   . .   . .   . .   . .   . .   .

..・・・・・・・・・...  ..  ..  ..  ..  ..  ..  ..  ..  ...・・・ z・・a・・

. . . . . . . . . . . . . 4 2 発表論文リスト...   . .   . .   . .   . .   . .   . .   . .   . .   .

.. M ...  ..  ..  ..  ..  ..  ..  ..  ..・・・圃・・・・・・.. .

. 4 3  

三 重 大 学 大 学 院 士 学 研 究 科

(3)

11 

図一覧

図1.1 2007年 現 在 の 日 本 の 視 覚 障 害 者 数 の 原 因 疾 患 別 内 訳[1]・…...・H・‑・.2 図1.2眼球の構造(日本眼科学会HPより引用)…HH ・...・HHH ・....・H ・‑…HH ・.4 図1.3限底写真の例…・...............................................................................4 図1.40CTの原理図....・H ・‑…...6  図1.50CTに よ る 網 膜 断 層 像 の 撮 影...6 図1.60CTで撮影された網膜断層画像…・…HH ・‑…...・H ・...・H ・...・H ・...・H ・...…7 図1.7加 齢 黄 斑 変 性 の OCT画像…...・H ・....・H ・‑…....・H ・...・H ・...・H ・‑…...・H ・.7 図1.8眼底と 3D‑OCT画像の対応....・H ・‑……....・H ・....・H ・...・H ・...・H ・..…...・H ・.8 図1.93DOCT画像の例(数字は断面の番号を示す)……HH ・...・H ・....・H ・..9 図 3.1提案手法の処理手順…...・H ・‑…‑…....・H ・....・H ・...・H ・...・H ・...・H ・...・H ・..14  図 3.2 3x3 [pixels]のメディアンフイルタ....・H ・....・H ・...・H ・....・H ・...・H ・..… 15 図 3.3メ デ ィ ア ン フ ィ ル タ の 適 用 結 果...16 図 3.4位置補正の前処理における各段階の処理結果....・H ・....・H ・....・H ・...・...18 図 3.5類似位置探索....・H ・‑…・・HH ・....・H ・‑…...・H ・...・H ・...・H ・....・H ・...・H ・‑…HH ・.19 図 3.6位置補正の前後比較...19  図 3.7シードポイントと 3次元関心領域の対応…....・H ・...・H ・...・H ・....・H ・.20 図 3.8領域拡張の様子...21  図 3.9疾 患 部 の 3次元表示....・H ・‑…...22 図 4.1加 齢 黄 斑 変 性 に お け る 抽 出 結 果 例 1…...・H ・...・H ・...・H ・...・H ・‑…...・H ・.26 図 4.2加 齢 黄 斑 変 性 に お け る 抽 出 結 果 例2…...・H ・‑…....・H ・‑…....・H ・....・H ・.27 図 4.3加 齢 黄 斑 変 性 ( A MD)#1の抽出結果例.…...・H ・...・H ・...・H ・....・H ・..30  図 4.4加 齢 黄 斑 変 性 ( 油 田 )#2の抽出結果例.…・…HH ・‑・…・…HH ・....・H ・..31 図 4.5 ドルーゼン(Drusen)#1の抽出結果例....・H ・....・H ・....・H ・....・H ・‑……..32  図 4.6 ドルーゼン(Drusen)#2の抽出結果例....・H ・....・H ・‑…....・H ・‑…HH ・...33 図 4.7 ドルーゼン(Drusen)#3の抽出結果例.…....・H ・...・H ・....・H ・...・H ・‑….34 図 4.8 ドルーゼ、ン#2の抽出結果.…‑…...36 図 4.9抽出失敗例(ドルーゼ、ン)...37 

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(4)

酢 見

表1.1 2007年現在の日本の視覚障害者数の推計(万人)[1]・…...・H ・...・H ・...2 表 4.1開発と実験に使用した環境...24  表 4.2抽出結果の比較(%)...29 表 4.3提案手法を適用した症例別の評価結果(%)....・H ・...・HHH ・‑…...・H ・‑… 29

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(5)

はじめに

第 1 章

はじめに

1 . 1

視覚障害の現状

日本の視覚障害者数は, 2007年現在で約 164万人にのぼると推計されている [1](表 1.1). ここで視覚障害とは ロービジョンと失明の両方をいう.ロービジ ョンとは,問自のうち良い方の矯正視力が0.1以上0.5未満の患者であり,また,

失明とは,両目のうち良い方の矯正視力が 0.1未満の患者のことをいう.また,

ロービジョンや失明により低い QOL(Qualityof Life)のまま生活することによ り,視覚障害がもたらす社会損失8.8兆円にのぼるとされている.さらに,社会 の高齢化により 視覚障害者数は 2030年までに 202万人に達し,その社会損 失額も 11兆円に増加すると予測されており,大きな問題となっている.しかし ながら,予防や早期診断に対する国民意識の向上や,より積極的な治療,新し い研究やテクノロジーの導入により 社会損失額を 6兆円にまで減らすことが できるとされており,その解決が急がれている.

日本における視覚障害の原因疾患は,緑内障,糖尿病網膜症,変性近視,加 齢性黄斑変性(AMD:Age‑related Macular Degeneration)で、全体の4分の3を占 めている(図 1.1).特に,米国においては,加齢黄斑変性が視覚障害の原因疾患 のトップとなっており,約 200万人が擢患している [2][3]. 日本においても高 齢化社会への進行

L

生活の欧米化により,加齢黄斑変性の割合が高くなると 予測されており,今後重要な問題になっていくことが考えられる.そこで本研 究ではF 代表的な網膜疾患である加齢黄斑変性を対象に研究を行う.

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(6)

表 1.1 2007年現在の日本の視覚障害者数の推計(万人)[1] 

男性 女性 合計

ロービジョン 7 5 . 2   6 9 . 7   144.9  失明 9 . 8   9 . 0   1 8 . 8   合計 8 5 . 0   7 8 . 7   163.7 

繍細菌

2 旬 弘 .

図 1.1 2007年現在の日本の視覚障害者数の原因疾患別内訳[1]

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(7)

はじめに

1 . 2 網膜の構造と加齢黄斑変性

眼球の構造を図1.2に示す.網膜は光の受容組織であり,眼球に入った光を 電気刺激に変換し視神経を通して脳に伝達するとし1う重要な役割を担っている.

また瞳孔を通して観察できる眼球壁の内層を根底という.眼底写真の例を図 1.3に示す.眼底を観察することにより,視神経乳頭,網膜血管,黄斑などの主 要な構成要素を確認することができる.また,黄斑の中央付近は中心寵と呼ば れる.中心寵は,水品体を通った光が結像する場所であり,視細胞が多く最も 視力の良い場所とされている重要な部位である. したがって,黄斑に異常が起

こると,視力に重大な支障をきたす.

加齢黄斑変性は,加齢に伴い網膜色素上皮細胞の機能が低下し,老廃物が蓄 積されたり,新生血管が発生したりすることにより黄斑部が変形する疾患であ ると考えられている [4].加齢黄斑変性には,物がゆがんで見える変視症や,視 野の中心が見えなくなる中心暗点,色覚異常などの症状を伴う.また,初期の 加齢黄斑変性は,老廃物・ドルーゼン(Drusen)が蓄積されており, ドルーゼン

が多くなると加齢黄斑変性となる.

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(8)

.JaneseOphtha lmo logica Society 

図 1.2眼球の構造(日本眼科学会HPより引用)

図 1.3眼底写真の例

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(9)

はじめに

1.3光干渉断層計 (OCT:Optical Coherence Tomography) 

近年,光干渉断層計 (OCT:Optical Coherence Tomography)の登場により,

網膜の生体組織の断層画像を非接触非侵襲に撮影できるようになった [5][6].  OCTの原理図を図1.4に示す.OCTは, SLD (Super‑Luminescence Diode)を 光源とした 820[nm]の近赤外線を測定光として用いている.まず, SLD光源か ら入射光を出射し,ビーム・スプリッタで参照ミラーへ向かう参照光と物体へ 向かう入射光で二分される.その入射光を根底に照射したとき,眼底の各層で 反射し,それぞれ時間遅れや異なる強度の反射光が生じる.このとき,反射光 と参照光が重なると干渉現象が起こる.この干渉波の強弱を画素値に置き換え,

画像化することにより図1.5のような網膜断層像を得ることができる.この OCT技術は眼科医療において非常に注目され,急速に普及している [7].また,

2006年 に OCTと 無 散 瞳 根 底 カ メ ラ を 融 合 し 世 界 最 速 0.05秒 の 高 速 B(Brightness)スキャンが可能な装置を株式会社トプコンが開発した.高速撮影 (従来方式の約 50倍)による 3.5秒の 3Dスキャンを実現し,眼球運動による固 視微動や瞬きによる画像欠落を低減させ,より正確な断層画像を得ることがで

きるようになった.

一方, OCT画像を対象にした診断支援システムの研究も進んでいる.網膜疾 患の定量的評価法として網膜厚(網膜層の厚み)を計測する方法が挙げられ,竹野

ら [8]は 3次元単方向アクティブネット(3D‑ODAG:Three Dimensional One  Directional Active Grid)を用いることで,内境界膜と網膜色素上皮を抽出し,

網膜厚を高精度に自動計測した(図1.6).

しかしながら,加齢黄斑変性やその前駆病変であるドルーゼ、ンなどの,隆起 病巣(図1.7)そのものを自動抽出する診断支援システムの研究はほとんどなさ れていない. 3D‑OCT画像は片眼 100枚以上の断層画像から構成されるため,

医師が手動で病巣を抽出し,その大きさを計測・評価するのは非常に負担とな る.そこで 3D‑OCT画像から病巣を自動抽出できるシステムが求められている.

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(10)

参照ミラー } 走査

表 面

・ ツ

ム 一プ リ 源 ビ ス

QU  

試料内部

光検出器

1.40CTの原理図

眼球 OCT 画像

図 1.50CTによる網膜断層像の撮影

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(11)

はじめに

図 1.60CTで撮影された網膜断層画像

図 1.7加齢黄斑変性の OCT画 像

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(12)

1 . 4 本研究の目的および概要

本研究では,網膜の OCT画像から加齢黄斑変性症およびその前駆病変である ドルーゼンの病巣を自動抽出することを目的としている. 3D‑OCTの利点を生

かすため 3次元領域拡張を用いた疾患部の自動抽出法を提案する.

また,本論文では,第2章で OCT画像における領域抽出手法の従来研究を述 べ,第 3章で、提案手法について説明したあと,第 4章で抽出精度の評価実験と その結果を示し,考察を行う.

1.5

研究対象となる

3DOCT

画像

3D‑OCT装置では,医師が眼底画像で OCTの撮影範囲をジョイスティック で指定すると 数秒で 3D‑OCT画像を撮影できる.本研究では網膜の黄斑部 付近を図1.8のように撮影した片眼の連続する断面のOCT画像を実験試料とし て用いる.3D‑OCT画像は 128枚の断層画像から構成される.一例を図1.9

示す.画像の右下の数字は画像が 128枚中何枚目かを示している.断層画像の 空間分解能は深さ方向 6[μm]以下,水平方向 20[J.im]以下,スライス間隔約

20[μm]で、あり,濃度分解能は 16[bit](65536[階調]),解像度は 512x 480 [pixel] 

である [9].実際の大きさは約1.2X 3[mm]  網膜厚は約 0.3[mm]で、ある.

株式会社トプコンの専用フォーマットを自作の変換アプリケーションを使用し てPGM形式に変換したものを用いた.その際,濃度分解能は 8[bit](256[階調]) に変換されている.

眼球

黄斑部.........................................................................................

眼底画像 OCT画像

図 1.8眼底と 3D‑OCT画像の対応

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(13)

はじめに

図 1.93D‑QCT画像の例(数字は断面の番号を示す)

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(14)

第 2 章

領域抽出(セグメンテーション)手法

領域抽出(領域分割)はセグメンテーションとも呼ばれ,ある画像から対象とな る領域を抽出する処理で,画像処理における重要な問題の一つである.現在,

この問題に対して提案されている手法は,境界ベースの抽出手法と領域ベース の抽出手法の2つに大きく分けられる.

境界ベースの抽出手法には動的輪郭モデ、ル [10]やグラフカット [11]などが 挙げられ,主に領域のエッジの情報を元に,領域の境界線を抽出する手法であ る.ノイズに強く,濃度変化が緩やかな領域でも抽出することができるといっ た特徴がある.

一方,領域ベースの抽出手法には,領域拡張法 [12]やウォーターシェッド [13]などが挙げられる.これらは主に領域の同質性に着目し あらかじめ細か く分けられた領域を,類似した特徴のある領域どうしで統合していき,目的の 領域を抽出する手法である.濃度変化が緩やかな画像に弱し、といった欠点があ るが,抽出対象の細かな凹凸を抽出することができるといった利点があるため,

医用画像のセグメンテーションなどに使用されている [14].

以下は, OCT画像におけるセグメンテーション手法について述べる.

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(15)

領域抽出(セグメンテーション)手法 11 

2 . 1

動的輪郭モデル

竹 野 ら [ 剖 は 動 的 輪 郭 モ デ ル で あ る 3次 元 単 方 向 ア ク テ ィ ブ グ リ ッ ド (3D‑OGAG)を用いて 3D‑OCT画像より 網膜層の上下の境界線をそれぞれ抽 出した.3D‑ODAGでは まず, 3次元的な網状のグリッドとエネルギーを定義 する.エネルギーは グリッドを収縮させる力や,グリッドの平行性を保つ力

に依存した内部歪みエネルギーと,画像の特徴を反映するグリッドと画像間の 適合性エネルギーから成っている.エネルギーを最小化するようグリッドを収 縮させることにより網膜層を抽出する.

この 3D‑ODAGを健常例と疾患例を含む 12症例に適用することにより,網膜 層を 84.9%の精度で抽出した.しかし,細かな凹凸を正確に抽出することがで

きないといった問題がある.

2 . 2

領域拡張法

Kadirら [15]は, 2次元の領域拡張法を用い, 2次元 OCT画像から加齢黄斑 変性の疾患部を抽出した.

2次元領域拡張では,まず, OCT画像上の抽出したい疾患部の 1点をマウス を使用し,マニュアルで、指定する.そして,その近傍画素に着目し,着目画素 が条件式を満たしていれば疾患部とみなし,着目画素の近傍画素についても同 様の条件判定を行う.この処理を繰り返すことにより疾患部を抽出した. しか し,使用する統計量が 2次元 OCT画像 1枚のみに制限されていたため,ノイズ に弱く,領域拡張が十分に行われないといった問題がある.

2 . 3

提案手法に用いる領域拡張法

力日齢黄斑変性やドルーゼ、ンの病巣は,細かな凹凸が存在し複雑な形状を有し ていることがある.そのため, 3D‑OCT画像を対象とした疾患部の抽出では,

動的輪郭モデ、ルより細かな凹凸を正確に抽出することができる領域拡張法が適 している.また,加齢黄斑変性やドルーゼンは病巣内部の画素が比較的均一で あるため,領域拡張法により抽出可能で、あると考えられる.

そこで,本論文では, Kadirらの手法を拡張した, 3次元領域拡張法により疾 患部を精度よく抽出する手法を提案する.3次元領域拡張法を用いることにより,

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(16)

隣接した OCT画像の統計量を使用できるようになり,ノイズに強く,小さな凹 凸や複雑な形状も精度よく抽出することができると考えられる.

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(17)

提案手法

第 3

提案手法

3 . 1

提案手法の流れ

13 

本章では3次元領域拡張法用いた疾患部の抽出手順について説明する.図 3.1 は提案手法の流れを示したフローチャートである.まず,入力画像として 128 枚から構成される

3D‑OCT

画像を用いる.次に,前処理として

OCT

画像上に 存在するノイズの低減処理を行い,また

OCT

画像間に存在する位置ずれを補正 する.その後, 3次元領域拡張法を用いて疾患部を自動抽出し三次元表示を行

フ.

OCT

画像には複数の疾患部が含まれていることもあり どの疾患を抽出する のか自動で判断するのは困難である. したがって,自動抽出の際,医師が抽出 したい疾患部を手動でシステムに指示する必要があり 厳密には自動抽出では ない. しかしながら,ごく僅かな介入であるため,本論文では,提案手法を自 動抽出と呼ぶ.

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(18)

3D

OCT画像

( 1 2 8枚の2次元OCT画像)

ノイズ低減

OCT画像の位置補正

3 次元領域拡張法

疾患部の 3 次元表示

図 3.1提案手法の処理手頗

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(19)

第 3章

提案手法 15 

3 . 1 . 1 ノイズの低減処理

一般的な OCT画像には,コヒーレント光を用いてスキャンした際の反射光や 散乱光が干渉することによってできるスペックノレノイズが存在する.そこで,

スペックルノイズを低減するための処理を行う.

具体的には,スペックルノイズ除去ができ,他の平滑化フィルタと比べエッ ジを保存できる特徴がある 2次元メディアンプイノレタを適用する [16][17]. 

メディアンフィルタは,ある局所領域に含まれる画素が N個あるとすると,

まずそれらの画素値を順にソートし, N/2番目の画素値(中央値)を適用後の画素 値として出力するフィルタである(図 3.2).スペックルノイズは極端に高い画素 値か低い画素値を有しており,ソートすると中央値になりにくいため,ノイズ

を低減することができる.

図 3.3(b)に,フィルタサイズ 5x 5 [pixels]のメディアンフィルタを原画像(図 3.3(a))に適用した結果を示す.

6 1   96  41  57  165  34  24  30  3 1  

A U A l A

4

1

7F41UR.U

2 3 3 3 一 4 =

0 6 9 6

‑ E ‑

6 1   96  41  41  34  24  30  3 1  

(a)処理前の近傍画素値 (b)ソート結果 (c)処理後の近傍画素値 図 3.2 3 x 3 [pixels1のメディアンフィルタ

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(20)

(a)原画像

(b) 5 x 5 [pixels]のメディアンフィノレタ適用結果

図 3.3メディアンフィルタの適用結果

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(21)

提案手法

3.1.20CT

画像の位置合わせ

17 

実際に使用した

OCT

の撮影速度は高速で、あり,約

3 . 5

秒 で

1 2 8

枚の撮影がで きるが問視微動などの眼球運動によって画像聞に微小な位置ずれが生じる.そ のため,

OCT

画像間で実際と異なる隣接関係を持つことになり,以降の

3

次元 画像処理に支障を来たす.そこで,隣接する画像聞の類似度を算出して深さ方

向のずれを補正する [18].

類似度の算出方法としてテンプレートマッチングなどに使われる方法である 正規化相関を用いる.正規化相関を求める式を式(3.1)に示す.

N =  

Z f = o

1

{ ( I n

(i) ‑

ζ)  ( I n + l  

(i)

一五五)}

Z 2 3 ( 九

(i)

ζ)2X 

L f = o

1

( I n + l  

(i) ‑

ζ 五

)2

N

:正規化相関値

:テンプレートの画素数

I n ( i )   : 

n枚目のテンプレート内のi番目の画素値

ζ 

:η枚目のテンプレート内の平均画素値

(3.1) 

ここでの正規化相関値は Oであれば,画像の類似性が無く,絶対値が 1に近 ければ,画像の類似性が強し、という意味になる.

まず,基準テンプレートを作成するため,前処理として大津の 2値化(判別分 析法)を用いて

OCT

画像を

2

値化する(図

3 . 4 ( b ) ) .

大津の

2

値化は自動関値決定 法の標準的な方法として広く利用されている方法である

[ 1 8 ] .

次に, 2値化の際に生じた網膜層でない微小な白画素領域を削除するために,

オーフ。ニングフィルタを用いる.これは収縮処理と膨張処理を組み合わせたも ので,微小な自画素領域を削除することができる.今回は 8近傍の収縮処理を 2 回行った後,膨張処理を 2回行った.そして,網膜層の全体を覆う矩形,すな わち,自画素の外接矩形を基準テンプレートとして定義する(図

3 . 4 ( c ) ) .

三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科

(22)

その後,隣り合った(n枚目と n+1枚目)画像の同位置を中心に上下探索を行う (図 3.5).このとき n枚目のテンプレートとの最大の正規化相関値を持つ位置に n+1枚目の画像を移動させる.同様の処理を全ての隣り合う画像同士で行い,

画像間のずれを補正する.位置補正の処理結果を図 3.6に示す.

(a)原画像

(c)収縮処理結果

. ....、J."'l持、

令%‘ 一~一...,,~"J点‘ 岨ポ」移~f.J狩狩‘iザ忌ずν. :. k'ブ . Iaι a 句t~〆:c.符t"~ミ'~.,þo..

...~~.:'.. .  

(b)大津の二値化結果

(d)膨張処理結果とテンプレートの 位置(赤枠)

図 3.4位置補正の前処理における各段階の処理結果

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(23)

3章 提案手法

(a) n枚目

19 

: … ミ

図 3.5類似位置探索

(b) n+1枚目

••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••••

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

・ ・ ・ ・ ・ ︑

一 a

p a ‑ ‑ ‑ ‑

‑ ‑ ‑ ‑ ‑

‑ ‑ ‑

. .   ︑

/ 4 ・

. .

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4. .  

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JA

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‑ ‑ v x '

¥ h ・ ・

‑ ‑ v

‑ f

h ・ ・

. ︐

v ' ' h

h ・

(a)補正前の

3D‑OCT

画像

( b )

補正後の

3D‑OCT

画像 図 3.6位置補正の前後比較

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(24)

3 . 2   3 次元領域拡張法

疾患部を抽出するために Kadir[15]の手法を拡張した3次元領域拡張法を 用いる.まず,医師はディスプレイに表示された OCT画像上の抽出したい疾患 部の中の 1点をマウスクリックにより指定する.この時指定された点を領域拡 張におけるシードポイントとし さらに シードポイントを中心とした 5X5X

5 [pixels]の領域を初期関心領域として設定する(図 3.7).そして,初期関心領域 内の画素値の平均値と標準偏差を計算し,初期平均値μinitおよび初期標準偏差

σinitとする.次に関心領域を 1[pixel]移動させ,移動後の関心領域内の画素値の 平均値μを計算する(図 3.8).

(

μinit

ασ'init)

<

μ<(μinit 

+

ασ'init)  (3.2)  μが式(3.2)の条件を満たしていればその関心領域を疾患部とみなし,また関心 領域を 1[pixels]移動させて同様の計算を行う.なおαは定数で、ある.

同様の処理を xY, zすべての方向に条件を満たさなくなるまで繰り返し,

疾患部と思われる領域を拡張していくことにより,最終的に疾患部を抽出する ことができる.

シードポイント

5 [pixelsJ 

5 [pixelsJ 

[pixelsJ

{ 3 次元関心領域 }

図 3.7シードポイントと 3次元関心領域の対応

ニ ー 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科

(25)

3

提案手法 21 

...L......J.......L......J.......l

w . シードポイント

j

l 移動後の中心 │

‑...,...

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」.

司 4 B 心領域 ー移動した関心領域 ¥ 

f :

 

( μ

'itJO'init)  トーー

( μ )  

・... 

図 3.8領域拡張の様子

重 大 学 大 学 院 工学制:究科

(26)

3.3  3

次元表示

抽 出 結 果 を 3次 元 に 再 構 成 す る た め に ア メ リ カ 国 立 衛 生 研 究 所(NIH: National Institutes of Health)の画像処理アプリケーション ImageJ(フリーソ

フト)を利用した [19].

まず, ImageJを起動し,疾患部の領域を抽出した 2次元画像を 128枚読み込 んだ後, ImageJのメニューにおいて Plugins→ 3D→ VolumeViewerと操 作することで 3次元のボリュームレンダリング画像を表示することができる.

抽出結果を ImageJにより 3次元表示した例を図 3.9に示す.

(a) z軸方向から見た図 (b) y軸方向から見た図

(c)斜めから見た図 図 3.9疾患部の3次元表示

三 重 大 学 大 学 院 士.学研究科

(27)

4 評価実験

第 4章

評価実験

4 . 1

評価用試料と評価方法

23 

本論文で提案する手法がどの程度正確に疾患部を抽出することができるのか を評価するために実験を行った.実験試料として網膜の黄斑付近を撮影した,

加齢黄斑変性2例とドノレーゼン3例を含む5例の3D‑OCT画像を用いた.なお,

3D‑OCT画像は, 1症例あたり 128枚の OCT画像からなるボリュームデータで ある.

評価方法としては,提案手法と従来手法(Kadirら [15])によって抽出された疾 患部と,手動で 1枚ずつ疾患部をなぞ、り抽出されたマニュアルトレース画像を 比較し,以下の 4つの指標により評価を行った [20].

まず,自動抽出された領域Vとマニュアルトレースにより抽出された正解領域 Vtrueがどの程度一致しているかを表す 領域類似度"である.

IVtrue 

領域類似度[%]

ιrue 

IVtruel 

(4.1) 

領域類似度は,VVtrue論理積をVtrueの総画素数で、割ったもので,値が大きけ れば,VVtrueが一致しているといえる.しかしながら ,VVtrueより極端に大 きい領域である場合,その見た目が実際の疾患部とかけ離れた抽出結果になっ てしまうにも拘らず,領域類似度は 100%に近い値になってしまう可能性がある.

そこで,どの程度,誤って抽出しすぎてしまったかを表す 誤抽出率"を導 入する.

IVtγue 

誤抽出率

[ 0 / 0 ] = 

IVtγuel 

(4.2) 

誤抽出率は,本来は疾患部でない画素を誤って疾患部として抽出してしまっ た画素が多い場合に,値が大きくなる指標である.

次に,誤抽出率とは反対に,どの程度疾患部を見逃してしまったかを表す 未 抽出率"を導入する.

三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科

(28)

l

Vtrue 

n  V I  

未抽出率[%]

C

IVtrue 

(4.3) 

米抽出率は,本来は疾患部であり抽出すべき画素であるにも拘らず,抽出す ることができない画素が多い場合に値が大きくなる指標である.

最後に総合的な抽出精度として ダイス係数"

1]を導入する.

IVtrue 

抽出精度(ダイス係数)

[ 0 / 0 ]   = 

6

│V仇

e l +  I V I  

2X 

IVtγ'ue 

IVtruel 

+  I V I  

(4.4) 

ダイス係数の分母は,VとVtrueの画素数の平均になっており,誤抽出や未抽出 が増加すると,ダイス係数は小さい値になるよう設計されているため,前述の 3 つの指標の特徴を含む総合的な抽出精度といえる.

以上の4つの指標により評価を行う.また,式(3.2)における

α

の値を 0.1ずつ 変化させた際,最も抽出精度が高いときの

α

の値を症例別に決定してから実験を 行っTこ.

また,開発と実験に使用した環境を表 4.1に示す.

表 4.1開発と実験に使用した環境

08 

Windows 7  Home Premium 8P1 3 2 b i t  

CPU 

I n t e l  Core i 5 ‑ 2 4 0 0  3.10GHz 

メモリ

4.00GB 

開発環境

M i c r o s o f tV i s u a l  8 t u d i o  2010 

開発言語

C++

三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科

(29)

評価実験

4 . 2

定性的評価

25 

前章で述べた提案手法と従来手法による抽出結果の例を図 4.1と図 4.2に示 す.

図 4.1において従来手法を適用した結果(図 4.1 (b))では白いノイズによって 領域拡張が止まっているが,提案手法を適用した結果(図 4.1 (c))で、は,十分に拡 張が行われていることが分かる.これは 3次元関心領域を設定することにより 隣接した

OCT

画像も含めた統計量も使用することができたためである.

また図 4.2の症例は,疾患部が 2つあるように見えるが,実際には 1つの閉 じ疾患領域であり,他のスライスを通して連続な領域となっている.従来手法 では,2次元的な領域拡張なので1つ領域しか抽出することできなし刈図 4.2(b)).

しかしながら,提案手法は, 3次 元 的 に 領 域 を 拡 張 し て い く の で 両 方 の 領 域 を 抽出することができる(図 4.2(c)).

三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科

(30)

(a)原画像

(b) 2次元領域拡張(従来手法) (c) 3次元領域拡張(提案手法) 図 4.1加齢黄斑変性における抽出結果例1

三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科

(31)

第 章 評価実験

(a)原 画 像

(b) 2次元領域拡張(従来手法) (c) 3次元領域拡張(提案手法) 図 4.2加齢黄斑変性における抽出結果例2

三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科

27 

(32)

4 . 3

定量的評価

提案手法を用いた場合と,従来手法を用いた場合5症例の 3D‑OCT画像に対 する平均の未抽出率・誤抽出率・領域類似度・抽出精度を表 4.2に示す.表 4.2 は適用した 5症例の平均である.従来手法では 65.3%で、あった抽出精度を,提 案手法を用いることにより 14.0%向上させ 79.3%の抽出精度で抽出することが できた.さらに,提案手法を用いることにより,誤抽出率,未抽出率,領域類 似度はそれぞれ5.8%,34.7%, 4.2%改善され,全ての指標において従来手法よ

りも良い結果を得ることができた.

また,提案手法を適用した症例別の評価結果を表 4.3に示す.また,症例別 の抽出結果を図 4.3‑4.7に示す.加齢黄斑変性(品目)では平均で90%近い精 度で抽出できているが,ドルーゼ、ンにおいては平均で72.5%に留まっている.

三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科

(33)

第4章

評価実験 29 

提案手法 従来手法

表 4.2抽出結果の比較(%)

未抽出率 誤 抽 出 率 領 域 類 似 度 抽出精度

2 1 . 0   2 6 . 8  

1 9 . 5   5 4 . 2  

7 9 . 0   7 4 . 8  

7 9 . 3   6 5 . 3  

表 4.3提案手法を適用した症例別の評価結果似)

未抽出率 誤抽出率 領域類似度 抽出精度 AMD#1 

8 . 1   1 1 . 4   9 1 . 9   9 0 . 4  

Al¥D#2

7 . 7   1 5 . 5   9 2 . 3   8 8 . 8  

Drusen #1 

2 3 . 8   2 8 . 1   7 6 . 2   7 4 . 6  

Drusen #2 

4 1 . 6   3 0 . 8   5 8 . 3   6 1 . 7  

Drusen #3 

2 3 . 7   1 1 . 5   7 6 . 3   8 1 . 6  

平均(AMD)

7 . 9   1 3 . 5   9 2 . 1   8 9 . 6  

平均(Drusen)

2 9 . 7   2 3 . 5   7 0 . 3   7 2 . 5  

平均(全体)

2 1 . 0   1 9 . 5   7 9 . 0   7 9 . 3  

三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科

(34)

(a)原 画 像

(b)正解(マニュアルトレース)画像 (c)抽出結果 図 4.3加齢黄斑変性(AMD)#1の抽出結果例

このスライスにおいて,未抽出率:2.8[%],誤抽出率:6.5[%],領域類似度:

97.2[%],抽出精度:95.4[%]. 

三 重 大 学 大 学 院 .学 研 究 科

(35)

第4章 評価実験

(a)原画像

(b)正解(マニュアルトレース)画像 (c)抽出結果 図 4.4加齢黄斑変性(AMD)#2の抽出結果例

31 

このスライスにおいて,未抽出率:13.6[%],誤抽出率:10.6[%],領域類似度:

86.4[%],抽出精度:87.7[%]. 

三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科

(36)

(a)原画像

(b)正解(マニュアルトレース)画像 (c)抽出結果 図 4.5ドルーゼン(Drusen)#1の抽出結果例

このスライスにおいて,未抽出率:35.5[%],誤抽出率:27.0[%],領域類似度:

64.5[%],抽出精度:67.4[%]. 

:

i重 大 学 大 学 院 士 学 研 究 科

(37)

評価実験

(a)原画像

(b)正解(マニュアルトレース)画像 (c)抽出結果 図 4.6 ドルーゼン(Drusen)#2の抽出結果例

33 

このスライスにおいて,未抽出率:53.1[%],誤抽出率:3.4[%],領域類似度:

46.8[%],抽出精度:62.3[%]. 

三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科

(38)

(a)原画像

(b)正解(マニュアルトレース)画像 (c)抽出結果 図 4.7ドルーゼン(Drusen)#3の抽出結果例

このスライスにおいて,未抽出率:15.3[%],誤抽出率:2.7[%],領域類似度:

84.7[%],抽出精度:90.4[%]. 

三 重 大 学 大 学 院 士 学 研 究 科

(39)

評価実験

4 . 4 考察

35 

提案手法により,疾患部の抽出精度を向上させることができた.特に,誤抽 出を小さくできたことが抽出精度の向上に大きく寄与した.

しかしながら,加齢黄斑変性と比較して, ドルーゼンの抽出精度は低く,特 に, ドルーゼン#2の症例の抽出精度が最も悪い結果となった.これは, ドルー ゼン#2の疾患の大きさが 3次元関心領域のサイズと比較して小さいためである と考えられる(図 4.8). これは 3次元関心領域のサイズが大きいと,疾患の細 かな凹凸を抽出することが難しくなるためである.例えば, 3次元関心領域の総 画素数(5x 5 x 5 = 125[pixels])を1としたときマニュアルトレースにおける疾患 部の総画素数との比は, ドルーゼン#3が 3221.7であるのに対し, ドルーゼン

#2では27.7と 非常に小さいことが分かる.今回は3次元関心領域のサイズを 5 x 5 x 5 [pixelslに固定していたため,動的に関心領域のサイズを変更する手法 が有効であると考えられる.

また,抽出に失敗し評価に用いることができなかった例を図 4.9に示す.こ こで,抽出失敗とは, aの値を 0.1ずつ変化させながら実験を行い,領域類似度 が 1を超える直前の aの値での領域類似度が 50%に満たないものと定義した.

今回,評価に使用した 5症例ではない, 1症例が抽出失敗となった.これは,疾 患部の下部の境界線が著しく不明瞭であるため,領域拡張が止まらず抽出でき なかったと考えられる.このような,境界線が著しく不明瞭な症例に対しては,

新しい特徴量を導入する手法や,動的輪郭モデ、ルなど領域拡張法以外の手法と 組み合わせることが有効であると考えられるので,今後検討していく必要があ

る.

三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科

(40)

(a)原画像 (b)原画像(拡大図)

(c)マニュアルトレース画像 (d)マニュアルトレース画像(拡大図)

(e)抽出結果 (の抽出結果(拡大図) 図 4.8ドルーゼン#2の抽出結果

三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科

(41)

第4章 評価実験

図 4.9抽出失敗例(ドルーゼン)

三 重 大 学 大 学 院 士 学 研 究 科

37 

(42)

第 5 章 まとめ

本論文では,眼科用光干渉断層

( O C T )

画像を対象とし

3D‑OCT

画像より網膜 疾患を 3次元的に自動抽出できるシステムを提案した.

提案手法を評価するため網膜疾患患者

5

症例の

OCT

画像群に適用し,マニュ アルトレース画像と比較し抽出精度を測定した.その結果 従来手法と比較し て,抽出精度を

6 5 . 3 %

から

7 9 . 3 %

に向上させることができた.また,

3

次元表示 により,複雑な疾患形状を立体的に観察することが可能となったことにより,

医師の診断を支援することができ,さらに患者に対してのインフォームドコン セントにも有用である.

今後は,さらなる抽出精度向上のため, 3次元関心領域のサイズを動的に決定 する手法を検討する必要がある.さらに,境界不明瞭な疾患を抽出可能にする ために,新しい特徴量や新しい条件判定の導入,動的輪郭モデ、ルなど領域拡張 法以外の手法と組み合わせることが有効であると考えられるので,今後検討し ていく必要がある.また,本手法の有用性をより明らかにするため,今回用い た以外の疾病を含む,さらに多くの

OCT

画像に対して評価実験を行う必要があ る.

三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科

(43)

39 

参考文献

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三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科

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三 重 大 学 大 学 続 工 学 研 究 科

(45)

41 

2005. 

[21] LR. Dice

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"Measures of the Amount of Ecologic Association Between  Species," Ecolog

  , y

vol. 26, no. 3, pp. 297302,1945.

三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科

(46)

謝辞

本研究の遂行および修士論文の作成にあたり,丁寧なご指導とご助言を頂き ました本学地域イノベーション学研究科の鶴岡信治教授 本学工学研究科電気 電子工学専攻の高瀬治彦准教授 川中普晴助教,そして鈴鹿医療科学大学医用 情報工学科の奥山文雄教授に感謝致します.また,研究に関する助言をいただ いた本学医学系研究科の松原央講師 貴重な時間をさいて本論文を査読して頂 いた本学工学研究科情報工学専攻の大山航助教に深く感謝致します.また, 日 頃お世話になった情報処理研究室の皆様に感謝致します.

な お , 本 研 究 の 一 部 は 独 立 行 政 法 人 日 本 学 術 振 興 会

( J S P S )

基 盤 研 究 ( C)23500555(平成23‑25年)の援助による.

三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科

(47)

発表論文リスト

43 

発表論文リスト

国際会議

1.  Ikunari  Nakahara

, 

Shinji  Tsuruoka

, 

Haruhiko  Takase

, 

Hiroharu  Kawanaka, Hisanori  Yagami, Hisashi  Matsubara  and  Fumio  Okuyama, "Extraction  of  Disease  Area  U sing  Three  Dimensional  Regional Statistics  for  Retinal Optical Coherence Tomography (OCT)  Image", Proceedings of the Fourth International Workshop on Regional  Innovation Studies (IWRIS2012), pp. 8790,2012.

2.  Ikunari  Nakahara

, 

Shinji  Tsuruoka

, 

Haruhiko  Takase

, 

Hiroharu  Kawanaka

, 

Hisanori Yagami

, 

Hisashi Matsubara and Fumio Okuyama

, 

Extraction of Disease 

Ar

ea and Measurement of Disease Volume Using  Three Dimensional Regional Statistics for OCT Image"

, 

Proceedings of  the 2nd International Symposium for Sustainability by Engineering at  MIU (IS2EMU2012), pp. 257260,2012.

3.  Ikunari Nakahara

, 

Mohd Fadzil Abdul Kadir

, 

Shinji Tsuruoka

, 

Haruhiko  Takase

, 

Hiroharu Kawanaka

, 

Hisanori Yagami

, 

Hisashi Matsubara and  Fumio Okuyama,Extraction  of Disease Area from Retinal  Optical  Coherence  Tomography  Images  Using  Three  Dimensional  Regional  Statistics"

, 

Proceedings of 

Kn

owledge‑Based and Intelligent Information 

& Engineering Systems(KES2013)pp.481‑489

, 

2013. 

4.  Ikunari  Nakahara

, 

Shinji  Tsuruoka

, 

Haruhiko  Takase

, 

Hiroharu  Kawanaka

Hisanori Yagami

, 

Hisashi Matsubara and Fumio Okuyama

, 

Extraction Method of Disease Area U sing Three Dimensional Regional  Statistics  from  Retinal  Optical  Coherence  Tomography  Images"

, 

三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科

(48)

Proceedings of the Fifth International Workshop on Regional Innovation  Studies (IWRIS2013), pp. 3639,2013.

5.  Ikunari Nakahara

, 

"Extraction Method of Disease 

Ar

ea Using Three  Dimensional  Regional  Sta tistics  from  Retinal  Optical  Coherence  Tomography Images"

, 

Abstract book of the Proceedings of the Shima  Global Scientific Symposium (SGSS), pp. 10, 2013. 

6.  Ikunari  Nakahara, Shinji  Tsuruoka, Haruhiko  Takase, Hiroharu  Kawanaka,Hisanori Yagami, Hisashi Matsubara and Fumio Okuyama, 

Extraction Method of Retinal Disease Part U sing Three Dimensional  Regional Statistics from OCT Images"

, 

Proceedings of the International  Conference on Information Technology (ICIT 2013)

, 

pp. 96102

2013.

三 重 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科

表 1 . 1 2007 年現在の日本の視覚障害者数の推計(万人) [ 1 ]   男性 女性 合計 ロービジョン 7 5 . 2  6 9 . 7  144.9  失明 9
図 1 . 2 眼球の構造(日本眼科学会 HP より引用)
図 1.93D‑QCT 画像の例(数字は断面の番号を示す)
図 3 . 3 メディアンフィルタの適用結果
+2

参照

関連したドキュメント

第5章 画像表示について ImageLab Touch ソフトウェアでは、画像の撮影とデータの管理を次の4つ操作画面で行います。  Camera View : 撮影画面  Preview : プレビュー画面

内リンパ水腫画像検査の定量性の向上  に むけて、MR造影剤による外リンパの造影感度

・画像 A のある1つのブロックに対して画像 B においてそのブロック

図 1: 「津波」を本文に含む,画像付きツイート 図 4:

あらまし

••• • フォト: 標準の静止画像を撮影します。 ••• • ビデオ: ビデオクリップを音声付き/音声無しで撮影します。 ••• •

主な成果 1.X 線イメージングシステムの構築

4 ◆ California 撮影できる画像の異なる3種類 のモデル(RGモデル、FAモデ