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日本海沿岸地域に発達する最上部新生界の石灰質柵上石層序

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(1)

Ann.Sci.KanazawaUniv Vol.32,pp.21‑38,1995

日本海沿岸地域に発達する最上部新生界の石灰質柵上石層序 一佐渡島「沢根層」−

加藤道雄')・赤田佳代子2)・高山俊昭3)・後藤登美子4)・

佐藤時幸5)・工藤哲朗6)・亀尾浩司6)

CalcareousMicrofossilBiostratigraphyoftheUppermostCenozoic FormationsdistributedintheCOastoftheJapanSea

‑''SawaneFormation"‑

MichioKATO,KayokoAKADA,ToshiakiTAKAYAMA,TomikoGOTO, TokiyukiSATO,TetsuroKUDOandKOjiKAMEO

1.はじめに

筆者ら(加瀧・満山・佐藤・工膝・IIL尾)は,北陸堆秋盆地から男鹿半島までの,日本 海沿岸地域に分布する最上部新生界の石灰質微化石府序について論じてきた(佐藤ほか,

1987:高山ほか,1988:佐藤ほか,1988a,bなど)。その結果,Matsunaga(1963)によっ て油田地域で確立され,現在も地刑対比の基準として用いられている底生有孔虫化石帯区 分と,TakayamaandSato(1987)によって北東大西洋で確立された石灰衝ナンノ化石基 準面との関係が,地域によって異なっていることを明らかにした。とくに,男鹿半島と秋 田地域とでは底生有孔虫化石帯の境界の年代は,少なくとも83万年以上のずれがあること

を指摘した。

本稿では,新潟県佐渡島に分布する,いわゆる沢根屑の底生有孔虫群集の層位的変化を 調査するとともに,底生有孔虫化石帯と石灰質ナンノ化石基準面との関係を明らかにし,

この結果を,佐藤ら(1987)による新潟(出雲崎)地域における調査結果と比較して,男 鹿半島と秋田地域との間で認められた底生有孔虫化石帯と石灰衝ナンノ化石基準面の関係 が,佐渡島と新潟地域の間でも認められるものか否かを論じる。さらに,北陸地域から男 鹿半島にかけての日本海沿岸地域に発達する最上部新生界を対比し,太平洋側に分布する 股上部新生界との関係を考察する。

新潟県佐渡島に分布する上部新生界は,中島(1889)によって沢根第三紀層と命名され

21

1)金沢大学理学部2)金沢大学教育学部附属幼稚園3)金沢大学教養部4)金沢大学教育学部5)秋

田大学鉱山学部6)帝国石油技術研究所

(2)

22 加藤・赤田・高山・後藤・佐藤・工藤・亀尾

て以来,多くの研究者によって再定義,再区分,再編成などが繰り返されてきた。1950年 の歌代による層序区分によって一応の決着を見たが,彼の定義した沢根層は,新潟県有孔 虫研究グループ(1967)によって,下位より河内層,貝立層,および質場層に細分された。

さらに五十嵐ほか(1968)は,河内層とその上位層とは不整合関係にあるとして沢根層か ら独立させ,沢根層は貝立層と質場層の二層からなると再定義した。

最近遠藤(1986)は,五十嵐ほか(1968)の地層区分は地層命名規約に反するとの考え から,貝立層と質場層を合わせて沢根層として,貝立層を沢根層の部層として扱い,貝立 砂岩部層と命名している。筆者らは詳細な地質調査を行っておらず,層序区分は五十嵐ほ か(1968)に従う。

2.調査地域の層序と試料

本稿で取り上げる地層は,佐渡郡両津市羽吉の羽吉川,佐渡郡佐和田町沢根の羽生川,

および佐和田町の沢根崖と呼ばれる海食崖の,三ルートに分布する河内層,貝立層および 質場層である(図1−3)。

2 . 1 羽 吉 ル ー ト

本調査ルートは,国中平野北西部の両津市北部に位置する羽吉川に沿ったルートであり,

河内層と下位の中山層は不整合関係で接している。河内層は,主として砂質シルト岩と轆 理の発達した石灰質砂岩よりなっており,一部に小礫〜中礫を含んでいる。また貝化石 Pectinidaeなどが,多くの層準から産出する。中山層最上部を含め,本ルートで34点を採 取した(図4)。

2 . 2 羽 二 生 ル ー ト

国中平野南西部,佐和田町羽二生川に沿ったルートである。主として砂質シルト岩より なる河内層が分布しており,多数の貝化石を含んでいる。最上部には貝立層の石灰蘭粗粒 砂岩層が認められる。本ルートでは,河内層から貝立層最下部までの24点を採取した(図

5)

2 . 3 沢 根 ル ー ト

佐和田町沢根の,沢根崖と呼ばれている海食崖に沿ったルートである。砂質シルト岩・

砂岩.礫岩の互層からなる質場層が分布している。厚さ数十センチの粗粒砂岩〜礫岩府に はスランピング構造が発達している場合が多い。質場層の砂質シルト岩を中心に,23点よ

り採取した(図6)。

(3)

0

日本海沿岸地域に発達する最上部新生界の石灰質微化石層序

15

38

45

1 3 8 . 1 5 ' E 3 0

図l調在位澄図1:羽吉ルート2:羽二生および沢根ルート

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図 2 羽 吉 ル ー ト 試 料 採 集 地 点

23

(4)

24 加瀧・赤田・高山・後藤・佐藤・工藤・亀尾

沢根

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ー 計 r 言

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図3羽二生および沢根ルート試料採集地点

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HYS‑04 HYS‑23

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HYS‑03

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HYS‑02 HYS‑01 HYS‑21

HYS‑20

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HYS‑14

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図4羽吉ルート柱状図および試料採集層準

(5)

日本海沿岸地域に発達する最上部新生界の石灰質微化石屑序 25

SKW‑24 1

SKW‑23

SKW‑22

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図5羽二生ルート柱状図および試料採J1』府蝋 3.試料鯉里

:40g ,120

だし,個体数の多い場合は,200個体を目安に適宜分割した。

4.有孔虫群集

調,Nb"b609zdaz"αpac"""'zα

,G"60"""tzWnz調

4.1羽吉ルート

349

7),

mssitα"o"",C.

(6)

加藤・赤田・高山・後藤・佐藤・工藤・亀尾 26

s〃6" 6α などのCassidzf""α属や,

Ui 鞍フカzα餓"ews",Amg沈囎Eγ力zα〃0".

OZ"mgWSたが優勢なことで特徴づけられ る。また下部からは②7℃j""0"sso/.

"",上部からはO流肋7'1""""emなど 半深海性の種が,ごく僅かではあるが認め られる。一方,中部の石灰質砂岩層中の群 集は,α"c〃'3γg/id""s,E助〃 i""z c7 2" など,浅海性の種が多産するが,そ の保存状態はきわめて悪い。

以上の結果から,本ルートに分布する河 内層はMatsunaga(1963)による油田地域 底生有孔虫化石帯と以下のように対比され る。すなわち,C.japonicaを主とする Cassidulina属およびA.ho"ozz"1ngjzs", ひ.αル〃gws*が多産し,一方〃"向z"z"z"α eC" gWS歯が産出しないことなどから

〔ノ地膠流れα弛助9?電"""Zoneに対比され る。中部の石灰質砂岩層にはEゆれj虎""Z, α"b』ぬsなど浅海性種が産出するが,殻の 保 存 状 態 な ど を 考 慮 す る と , こ れ ら は rework.によるものと判断される。

浮遊性種のⅣ."c勿咋""αはすべての 試料で右巻き個体が優勢であった。また,

G勿加 虹勉j"伽 の産出が認められた。

4 . 2 羽 二 生 ル ー ト

本ルートの河内層からの24試料中6試 料を処理し,すべての試料から底生有孔虫 が産出した(図8)。保存状態は総じて良好 である。

本ルートに露出する河内層の群集は,羽 吉ルートにおけるものと同様にCas・

sjZ〃""ampo"",C.sz@6ノル"""などの mssimd""α属が優勢なことで特徴づけら

20

SWN‑09

18 SWN‑08

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16

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SandySiltstone

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0

図6沢根ルート柱状図および試料採集層準

(7)

日本海沿岸地域に発達する最上部新生界の石灰質微化石層序

れる。このルートの中で,SKW‑8より下位の層準はU.""ewsisとA.hoルひz認 g"szs が比較的多く産出するが,上位の層準に向かって減少している。

ごく僅かではあるが,浅海性のmjzzaz"ね友zgzzg'zsjSなどの産出も認められる。しかし,

これらの個体の保存状態はきわめて悪く,殻の破損した個体が多い。

この結果から,羽二生ルートに分布する河内層は,Matsunaga(1963)による[ノiノ軽フヵ、a s""97""""Zoneの上部に対比され,浅海性の種は再堆職によるものと考えられる。

".'"c伽尤Wαはほとんどが右巻き個体である。

4 . 3 沢 根 ル ー ト

本ルートに分布する質場層の23試料すべてを処理し,15試料より底生有孔虫が産出し た(図9)。保存状態は,良好なものから殻の溶解が進んだものまで,試料によって差が大

きい。

質場層の群集は,C・mo"",C.s"6""z"〃などQェssjt力"iシzα属が比較的優勢で,U.

αル"eXSメs,A."o"ozz"1""stなどを伴っており,河内層の群集との間に大きな違いは認め にくい。しかしながら,Cib"desfzsmfoi,C・pse"伽況"99"α"妬,C.7E/i4控"sなど Q6j℃itたs属が,最下位から上位屑準まで連続的に産出している。さらに,保存状態の良好 な蔵z"zaz"α"〃伽o宛 が試料S‑05より上位に産出し,試料SWN‑02にC"b7ngj

カル域i"〃ja6eiの産出が認められる。

以上のことから,沢根崖に露出する磁場層は,Matsunaga(1963)の底生有孔虫化石帯 に以下のように対・比されると考えられる。すなわち,保存状態の良好な浅海性種Hz"z‑

α"αなれ伽o"ibaの産出を基準として,S‑04より下位の屑準が〔ノiノ煙"""sz"ejZ""α Zoneに,S‑05より上位がQfbmg""jt加加ya6eiZoneに対比される。

質場層の".'α吻叱"" zは左巻き個体が優勢な群集である。またごく倣かではあるが,

G〃加"""j"/"z〃の産出も認められた。

5.石灰質ナンノ化石基準面

TakayamaandSato(1987)は,ODP‑IPODLeg94の北東大西洋で行われた掘削に よって得られたコアを用い,石灰質ナンノ化石の解析から,更新統に11の対比基準面を設 定した。その後,この基準面はわが国の第四系中にも広く追跡できることが明らかとなっ

た(佐藤ら,1988など)。その後,この基準面には一部修正が加えられている(Sato&

Takayama,1992)(図10)。

今回,底生有孔虫群衆の調査を行ったものと同一の試料を用いて,石灰質ナンノ化石の

調査も行った。

羽吉ルートの河内屑においては,検鏡した試料のうち最下位層準のHYS‑03より上位

27

(8)

加藤・赤田・高山・後藤・佐藤・工藤・勉尾28

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図7主要底生有孔虫産出頻度の層位的変化(羽吉ルート)

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(9)

日本海沿岸地域に発達する股上部新生界の石灰質微化石厨序 29

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図9主要底生有孔虫産出額度の府位的変化(沢根ルート)

に,鋤勿"cqpsaca"b6ea""が連続的に産出している。石灰街ナンノ化石基iリム面12は,

この利の産出下限で規定されていることから,本ルートの河内府は,基錐面12よりも上位 に位研するものと考えられる。さらに,G"〃γひc"saoc"""の産出下限によって規定さ れる韮iリ面11が,同ルートの上部,試料HYS‑29に認められる。

HMCo功bag"aSe"〃は羽吉川ルートではほぼ連続して産出している。したがって,その 産出上限で規定されている基準面9は,このルートに分布する河内胴より上位に位研する

ものと判断される(図7)。

羽二生ルートに分布する河内胴では,羽吉ルートとは異なり,".se"〃の産出が認めら れない。したがって,このルートの河内届は,石灰質ナンノ化石基準面9より上位届準に 相当するものである。さらに,羽二生ルートの河内層中には基準面6を規定する鋤"y〆 oc"supam/たれの産出下限が,試料SKW‑05で確認される(図8)。

衝場届からは,石灰質ナンノ化石韮準面を規定する有効な秘の産出が認められなかった。

しかし,本屑は河内屑の上位層であることから,衝場屑は基準面6より上位届準に相当す ると考えられる。

(10)

30 加藤・赤田・高山・後藤・佐藤・工藤・勉尾

6.底生有孔虫化石帯と石灰質ナンノ化石基準面

6.1「沢棡冒」

佐渡島の河内層,および質場層で認められた底生有孔虫化石帯と石灰質ナンノ化石基ilil

面との関係は以下のようにまとめられる。

河内層は,すべてMatsunaga(1963)によるUiノ較減"as認めglZ""fzZoneに対比され,

この化石帯の中に石灰質ナンノ化石基準面11および6が確認された。

質場層は,"セノ睡河"as況峡'電γ〃αZone最上部からC"bmeゆ"jt""加"6giZoneに対 比され,石灰質ナンノ化石基準面6よりも上位の層準である。

6.2「沢根層」の堆積年代

河内層は,石灰質ナンノ化石に基づくと,1.66Maより若<,0.89Maより古いこと になる。しかしながら,羽吉川ルートの河内層上部に基準面11カ粒置することから,北西 部に分布する本層最上部の年代は,基準面11の年代1.57Maよりやや若い時代と判断さ れる。一方,羽二生川ルートでは,河内層下部に基準面6が認められ,その最下部の年代 は0.89Maよりもやや古い時代と考えられる。このことは,河内層の堆秋年代が,その分 布域によってかなりの差があることを示している。したがって,北西部に分布する河内肘

と,南西部に分布する河内層は異なる時期に形成されたものである。

質場層の年代は,石灰質ナンノ化石基準面6(0.89Ma)よりも若い。ところで沢根雌 の質場層については,Okubo(1994MS)が古地磁気層序学的な研究を行っており,質場IWi はすべて正磁極を示しているとされている。石灰質ナンノ化石基準面6より上位であるこ

とから,この正磁極はBrunh=正磁極期に相当すると考えられる。したがって,沢根崖に 分布する質場層の形成年代は,0.72Maよりも若いことになる。

6.3締畠地或との対比

以上の結果を,佐藤ほか(1987)による新潟地域に分布する上部新生界,西山lifと灰爪 層についての調査結果と対比すると以下のようにまとめられる。

新潟地域においては,西山層から灰爪層最下部にかけてのU、s"助eナ電河"aZone中に 基準面10から8までが認められる。さらに,その上位の灰爪層中部から最上部にかけて のQib"g"ん""z"6eiZoneの中に,基準面7から5までが存在する。一方,佐渡島に おいては[/iノ較沌"as況助g7""""Zoneの中に,石灰質ナンノ化石基準面11および6が確 認された。さらに,古地磁気層序の結果から,基準面5もU.sz"27Z"'zaZoneの中に 位置すると考えられる。すなわち,石灰質ナンノ化石基準面7から5までは,新潟地域で はC.ju6eiZone中に認められるのに対して,佐渡島では下位の".sz"27""'ztzZone 中に追跡されるのである。

以上の結果から,石灰質ナンノ化石基準面に対して求められている放射年代をもとに,

(11)

日本海沿岸地域に発達する股上部新生界の石灰質微化石層序 31

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図10股上部新生界に確認される石灰衝ナンノ化石蕪地面と古地磁気屑序の関係 および基地面の年代値(Sato&Takayama,1992より)

底生有孔虫化石帯のU.sz"gγ電γj7zaZoneとC."6eiZoneの境界の年代を推定すると,

新潟地域で1.18Maであるのに対して,佐渡島では0.86Maよりも若いことになる。さら に,古地磁気厨序の結果をも考慮すると,佐渡島におけるU.s況助g?Z"jzaZoneとC.

"6eiZoneの境界の年代は,0.78Maよりも若くなり,少なくとも40万年以上のずれのあ ることが明らかとなった。

以上のことは,更新世中期に新潟地域が,littoralあるいはinnerneriticzoneの深度ま で浅くなったのに対して,佐渡島ではまだouterneriticからbathyalzone程度の深い深

(12)

32 加藤・赤田・高山・後藤・佐藤・工藤・心尾

度にあったことを示している。

7.日本海側最上部新生界の対比

北陸地域から秋田地域にかけての最上部新生界の底生有孔虫化石帯区分と石灰質ナンノ 化石基準面の関係については,佐藤ほか(1988)に詳しく報告しているが,今回の佐渡島の 結果を加えて,改めて以下に述べる。

7.1底生有孔虫化石帯から見た石灰質ナンノ化石基準面

Matsunaga(1963)は,秋田県から新潟県にかけての油田地域に分布する上部新生界を,

主としてその底生有孔虫化石群集に基づいて下位よりGん加"o""zcf.""siZone, 助加sE"zo""e"""か膠ss"Zone,〃"向z"z加勿aeCル妙e"sAZone,I/iノ較流"α弛めg形−

g""@ZoneおよびC"6 gゆん城勿加"6eiZoneの5化石帯に区分した。

各地域で確認された底生有孔虫化石帯は次のとおりである。北陸堆秋盆地の金沢地域で はC.yabeiZoneが,氷見および灘浦地域ではU、s"妙97電流"αZoneが確認された。新潟 地域および佐渡島ではU.s@@"e'電""αZoneとCj"6gjZone,男鹿半島では〃.

ん妙ersAZoneとU.s@f"27Z"""Zone,さらに秋田地域では,豆腐岩地域でC.jla6gi Zone,豆腐岩1号井で〃.eC"卿g"shZoneからC.ju6giZoneまで,黒川地域でU、

s"助g7Z"""Zoneがそれぞれ認められた。またこれらの各地域では石灰質ナンノ化石雅 準面の5から13まで9つの基準面が確認されている。

図11はMatsunaga(1963)の底生有孔虫化石帯とSato&Takayama(1992)の石灰衝ナ ンノ化石基準面との関係を示したものであり,底生有孔虫化石帯を基準として石灰質ナン ノ化石基準面を追跡したものである。

北陸堆秋盆地のうち,金沢地域ではC."6eiZoneの中に基準面5から10までが,氷兇 地域ではU.sz"27"""aZone中に基準面11から13まが確認された。一方,灘浦地域の

".s""27題フカ"Zoneは基準面13より下位の層準である。このことから,北陸堆秋盆地 ではC.yabeiZoneの中に基準面5から10までが,U.szf"e,"""zzZoneの上部に』,副1面

11から13までが位置している。

新潟地域では,北陸堆種盆地でC."6eiZone中に認められた6つの基準面のうち,8 から10までの3つの基準面が下位のU.s"妙g7"""zZoneの中に追跡される。この地域 のC.jubeiZoneは,基準面6より下位に位置するものであるが,地層の厚さなどを考服 すると,基準面5と6はおそらくC.jubeiZoneの中に追跡されるものと考えられる。埜 準面11から13まではこの地域では確認されていないが,近接する坑井の微化石調在結果な

どから,おそら<U.szf"e'電γ力zaZoneの中に位置すると判断される。

佐渡島では,新潟地域でC.yabeiZone中にあった基準面6が,下位のU.sz@""習""a

(13)

日本海沿岸地域に発達する最上部新生界の石灰質微化石層序 33

Zoneの中に追跡される。この地域では基準面5は確認されていないが,古地磁気層序の調 査結果をもとに判断すると,おそら<".sz"e7"フカzaZone中に位置するものと考えら れる。したがって,佐渡島では5から11まですべての基準面がU.sz"gγ電")zaZone中 に位置しているのであり,C."6giZoneは基準面5より上位に位置すると判断される。

男鹿半島では,佐渡島と同様に5から12まで8つの基準面すべてがU.sz4伽'Eg""α Zoneの中に追跡され,上位のC.jubeiZoneは確認されていない。これに対して,秋田 地域の3地域で確認されたU.s況助eγ閏g"jzaZoneとC・"6eiZoneはすべて基準面12*

り下位の層準である。

石灰質ナンノ化石基準面はそれぞれ放射年代が求められていることから,各地域ごとに C.jubeiZoneとU、s"助g7""izaZoneの境界の年代を推定することができる。この境 10(1.44Ma)11(1.65Ma)1.55Ma る。新潟地域では基準面7(1.16Ma)と8(1.20Ma)の間で約l.18Maであるが,佐渡島 では基準面5(0.85Ma)よりも若く,さらにBrunhes正磁極期とMatsuyama逆磁極期との ,0.78Ma12(1.65Ma) が,男鹿半島では佐渡島と同様に基準面5(0.85Ma)よりも若い。以上のように,C.ya6gi ZoneとU.sz"eγ目g"""Zone境界の年代は地域ごとに異なっており,底生有孔虫化石帯 区分と石灰衝ナンノ化石基準面とが斜交関係にあることは明らかである。

7.2石灰質ナンノ化石基準面から見た底生有孔虫化石帯

図12は,石灰質ナンノ化石基準面5〜13を基準として,各地域の地届を対比し,その中

Na、。… 1ums Salo&Takayama(1992)

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図11底生有孔虫化石帯を基準とした場合の各地域における石灰質ナンノ化石基地面の位髄

(14)

34 加藤・赤田・高山・後藤・佐藤・工藤・亀尾

に底生有孔虫化石帯を表現したものである。Matsunaga(1963)は〃.eC"卿ewsAZone, ひ.s況助27Z""ZoneおよびC.ju6eiZoneの堆種深度を,それぞれbathyalzone,outer neritic〜bathyalzone,およびlittoralまたはinnerneriticzoneとして,油田地域の上部 新生界が時間とともに浅海化していったと述べている。

日本海側最上部新生界での時間的な底生有孔虫群集の変化を見ると,浅海化は秋田地域 で最も早い時期に始まり,鮮新世後期にはすでにlitttoralあるいはinnerneriticzoneにま で浅くなづている。ついで北陸堆種盆地,新潟地域の順に浅海化が進行している。しかし,

佐渡島と男鹿半島においては浅海化が遅れ,更新世の半ば頃になっても依然としてouter neritic〜bathyalzoneの深い堆秋深度を保ち続けていた。さらに,互いに近接した男鹿 半島と秋田地域佐渡島と新潟地域との間でそれぞれ比較してみると,.littoralあるいは innerneriticzoneにまで浅くなったのは,秋田地域と新潟地域の方が男鹿半島や佐渡脇 よりも早い時期に起こっている。すなわち,秋田地域の方が男鹿半島よりも少なくとも80 万年以上早く,新潟地域では佐渡島よりも少なくとも40万年以上早く底生有孔虫群集の変 化が生じている。このことは,脊梁山脈に近い方から浅海化が進行していったことを示し

ている。

8.日本海側と太平洋側の最上部新生界の対比

大桑・万願寺動物群は,「沢根層」も含んだ日本海沿岸地域に分布する鮮新統に含まれる,

寒流系の貝化石群集として定義されている。一方同じ時期に,太平洋側では暖流系の掛川 動物群と寒流系の竜の口動物群が存在している。これらの動物群について論じる際,その 精密な対比をさけて通ることはできない。

日本海側と太平洋側に発達する最上部新生界の対比については,すでに佐藤ほか(1988)

で報告しているが,その後新たなデータや,放射年代の修正などが加えられたことから,

ここに再録して,我が国の新生代後期の地史解明の一助としたい。・

8 . 1 房 総 半 島

養老川ルートに分布する上総層群の浪花層から梅ヶ瀬層にかけて,石灰質ナンノ化打j像 準面13から5までが確認されている。基準面13は浪花層最上部に位置している。州llllllii 中には12から8まで,5つの基準面が確認されている。すなわち基準面12は鍵届Kd38のif〔

上,基準面11が鍵層Kd25の直下,基準面10が鍵層kdl9の直上,基準面9が鍵層Kd8の直 下にそれぞれ位置し,黄和田層上部には基準面8が確認されている。さらに,大田代府般 下部および最上部に,それぞれ基準面7と6が,梅ヶ瀬層上部の鍵層U1とU6の間に基那

面5が位置している。

(15)

日本海沿岸地域に発達する最上部新生界の石灰質微化石層序 35

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図12石灰衝ナンノ化石蛙雌而にもとづいた各地域における底生有孔虫化石

僻の時代的位識

2 銚 子 地 域 8

名洗屑から班里府にかけて,基準面13から3までが確認された。雅準面13はほぼ名洗層 と飯岡屑の塊界付近に位置し,飯岡屑下部に基準面12と11が認められている。さらに5か ら3までの3つの韮準面が,飯岡屑上部に位置している。基準面の10から6までは飯岡層 下部にあるMatoba(1967)のPyroclastickeyzoneに一致することから,この層準に約 60万年の時間間隙か,もしくは極端な堆概速度の低下が予想されている。

口 i

(16)

加藤・赤田・高山・後藤・佐藤・工藤・岻尾 36

8 . 3 対 比

以上の太平洋側の股上部新生界と,日本海側地域の最上部新生界とを,石灰質ナンノ化 石基準面にもとづいて相互に対比したのが図13である。

房総半島の上総層群は,基準面5から13にまたがっている。一方,銚子地域では基準面 6から10の層準を認めなかったが,基準面12が名洗層/飯岡層の境界付近に,3,4,5,

10,および11の埜準面が飯岡層に追跡された。日本海沿岸地域の最上部新生界とは,図13 に示したように明確に対比が可能である。大桑・万願寺動物群を多産する大桑層と灰爪層 は,上総府群の黄和田層上部から梅ヶ瀬層あるいは一部国本層に対比されるが,笹岡層は 黄和田届岐下部もしくはそれ以下の届準に位誘づけられる。また日本海側地域の標準層序 の一つである男鹿半島では,脇本層が国本層以上に,北浦層が最下部を除く黄和田層,大 田代層,および梅ヶ瀬層に対比される。したがって,船川屑は黄和田層最下部以下の地屑 に対比されることになる。

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図13石灰質ナンノ化石基準面にもとづく地層の対比

(17)

日本海沿岸地域に発達する股上部新生界の石灰質微化石届序

9. おわりに

佐渡島に分布するいわゆる沢根層にも,日本海沿岸地域の最上部新生界で認められてい る底生有孔虫化石帯が確認された。しかし,同時間面である石灰質ナンノ化石基準面を用 いると,新潟地域と同じ底生有孔虫群集が,時代を異にして現れていることが明らかとなっ た。男鹿半島と秋田地域の間に確認されていた,C7劫 gゆんj鋭"籾"6giZoneと[ノiノ鞍γ力za s郡助97竜γ力zaZoneの境界の年代の違いが,新潟地域と佐渡島の間にも存在することが確認

され,ともに脊梁山脈に近い地域の方が浅海化が早〈に生じていることが明らかとなった。

今後,これを契機として日本海側後期新生代の地史解明の試みが一屑進むことを期待した

い。

謝辞

この報告をまとめるにあたり,貴重な試料をご提供いただくとともに,現地調査に同行 いただいた静岡大学理学部北村晃寿博士,および現地調在に同行いただき,さらに種々有 益な御助言を頂いた金沢大学工学部塚脇真二助教授に心より御礼申し上げる。

文 献

遠藤一佳,1986;佐渡の沢根層における暖流系動物の産状と意義.地質学雑誌第92巻,

77‑80.

Matsunaga,T.,1963;BenthonicSmallerForaminiferafromtheOilFieldofNorthern Japan・Sci.Rep.Tohoku・Univ.,2ndser.(Geol.),v.35,no.2,67‑122.

中島謙造,1889,佐渡図幅.股商務省地質局,10,11号,30‑32,35‑43.

新潟県有孔虫グループ,1967,佐渡沢根地域の有孔虫化石群染(予報)一有孔虫化石群集に よる 沢根屑,,の再検討一.平松義尚先生退城記念論文典,113‑119.

Okubo,R.,1994MS,ThepaleoenvironmentalanalysisofthePleistOceneSawane FormationinSadolsland,NiigataPrefecture.京都大学理学部地質学鉱物学教室修 士論文.

Sato,TandTakayama,T.,1992,AstratigraphicallysignificantnewspecieSofthe calcareousNannofossilReticulofenestraasanoi.Inlshizaki,K・andSaito,T.

(ed.),CentenaryofJapaneseMicropaleontology,TerraSci.Publ.Comp. (Tokyo),457‑460.

佐藤時幸・高山俊昭・加藤道雄・工藤哲朗,1987,日本海側に発達する最上部新生界の石 灰質微化石層序,その1:新潟地域.石油技術協会誌,第52巻,第3号,11−22.

−.−.−.−−31988,日本海側に発達する最上部新生界の石灰質微化石層序,

37

(18)

38 加藤・赤田・高山・後藤・佐藤・工藤・亀尾

その3:秋田地域および男鹿半島.石油技術協会誌第53巻,第3号,199−212.

−.−.−.−.亀尾浩司,1988,日本海側に発達する最上部新生界の石灰質微 化石層序,その4:総括一太平洋側および鮮新統/更新統境界の模式地との対比.石

,油技術協会誌第53巻,第6号,475‑491.

高山俊昭・加藤道雄・工藤哲朗・佐藤時幸・血尾浩司,1988,日本海側に発達する最上部 新生界の石灰質微化石層序,その2:北陸堆秋盆地.石油技術協会誌第53巻,第1 号,9‑27.

Takayama,T.andSato,T・,1987,CoccolithbiostratigraphyoftheNorthAtlantic Ocean,DeepSeaDrillingProjectLeg94.In:Ruddiman,W.F.,Kidd,R、B., Thomas,E.,etal.,Imt.Repts.DSDP,94:Washington(U.S.Govt.Printing Office),651702.

歌代勤,1950,佐渡ケ島(大佐渡)西南部・沢根一相川地域の層序について.地質学雑 誌第56巻,302‑303.

参照

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