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土堰堤内の滲透抑制に関する実驗
著者 太田 ?敏
雑誌名 奈良学芸大学紀要
巻 3
号 2
ページ 209‑212
発行年 1953‑12‑25
その他のタイトル Experimental studies on the Control of
Percolation Water in the Earth Dam
URL http://hdl.handle.net/10105/5111
(209)
土堰堤内の港透抑制に関する実験
太 田 頼 敏・(産業工学教室)
(昭和28年9月27日受領)
Yoritosi OT.1:E叩erinlentEtl studies ollthe(JontroIof Percolation Waterin the EartllI)anl ト 緒 己。
∬ 実 験。
l・突輸結果と考察。
lV・結 語。
ト 緒 言
土堰堤はコンクリートダム等に較べて海流や地震等に対する安全性が劣ることは勿論であり、
僅かでも溢流することがあれば、必ず決潰する。佃沢潰事例については、Ju如iIl其他が調査し てをり、その内堤頂溢血こよるものが;0%、湊透に依るものが25%、となってをりこれの対筒と しては魚水吐断面の決定及び堤体構造、用土の選択、施工法等に対する更に科学的な方墳が採ら れねばならない。筆者は特に媒体用土の物理、工学的改良を行うことにより蓼透水の流速を可能 な限り低下させて危険予防を計ることを考えて本実験を行った。 ̄大体土堰堤は完全に水密にする ことわ不可能であり僅少の漏水があるのわ普通である。事実上水密と考えられる透水係数わ0.11J galノSq・rt誹払y(0・17×10−5e叫Sec・)程壕であるとされ、時にわこの10倍位迄許されうるのであ る。筆者わ県内で現在施工中の数地区の高士堰塀について心壁用土の調査を行っているが、一応 の目標を許容限界に畏くも館相当の苦心を要することを感じている一人である。
供試材料わ県営の倉橋溜池・(堰堤中心高31.5m堰堤長2腸70mの心壁塑土堰掟で本邦第一級の大 堰堤である、)の心壁材料である。
本実験遂行上多大の御援助を賜りし県貴地部北川課長、潤池事業所須藤所長始め多数の技術員各 位に深謝する。佃実験に協力して戴いた橋詰君に厚く感謝する。
I・実 験
心壁材料を現地の4箇所より採取し風乾状態にした後沈澱分析 式サイフォンシリンダーによって組成を観察し、一方秋葉式透水 試験器を使用して透水係数値を決定した。次いで原土に対し、港 透抑制材料として現地附近より産出するローム及び土中に含まれ る粘土(組成わ5〃以下76%5〜10/且21%)を特別に取出したるも の、及びベントナイトを夫々別筒に混合することによって係数値 の低下する程度を観察した。配合比は乾燥重量比に依って決めた0 何透水試験器の構造及び原理わ次の如くである。
Dareyの法則によれば土の内部を遼遠する水の流速V.わその土 の透水係数と圧力勾配の相乗積で表わされる。今図の如く試料容 器内の水位を∵定に保ち水が土中を遼遠する水量が左側のパイプ に現われる様にすればtl〜t2時間内に水柱わhlよりh2に昇る。h を任意の時亥岬に於ける水位とすると、之に続く(托時間内に∴ペイ
葦艮学芸メこ学紀要 第3番第2号 昭和28年12月 28 日
(210) 太 田 頼 敢
プの水位わdh上昇しパイプの華面積を弘とすれば(両管共同径)水量わ乱dhである。同時にそ れわd時間中に土の容器痛じて射した水量であってヰ払dtとなる。(軸透水柵)故に a亜ニkキadt
この式をhに裁てわhJ,hコの極限低及び七に就てわtl,七〇の極限値をとって積分すると次の如き透 水係数の一般値が得られる。
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k=后二百loge書芸≒2・30品(I壷1−loghゴ)叫ec
故に砂時計に依ってhl−h当を遽透水が上昇するに要する時間を瑚潮し上式に所要の値を代入し て透水係数を算出するのである。
試料わ充分混合した後摘固め、佃駄数値の時間的変化を観測し、一定値に達したときの係数値を 採用することにした。
次に心壁材料及びロームの粒径分肝の結臭を加碩曲線図を以て示せば次の如くである。
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心壁材料及び抑制材料としてのロー ムも多数分析したがその内代表的な ものをここに掲げることにした。結 果として心壁材料は砂賞ロームと判 定出来る。(U.S.Bure孔u Or SOilS の分類法に依る。)lhlr′て1  ̄ ̄叫−M岬 ̄− ̄一▼ ̄ ̄、丁こぶ詑
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堰・実験結果と考察「▼__、
心壁材料の透水係数わ平均 2・556
×10−4cm/5eC・であり、許容限界の 5倍に近い。佃pg.2より見るもU・
且Ihreau or Recl珠malioユ1の示す 基準及び古くわE.W.LaueやC月・
heeの研究と比較して粘土部分及び 沈泥部分に於て不足することがうかがえる。結局これの改良範としてわ粘土及沈泥の客土的方法 によるか、極微粒物質の混入に依る
か、叉わ前刃金及びコンクリト心壁 等の施工によるかのいずれかを採用 すべきであらう。所が第1の方法わ 施工前でなくては実現困難であり、
第2の方法わ施工前のみならす施工 後グラウトに依って可能な方法と思 われる。第3の方法わ効果は太い正 朔持し得るもその経費わ莫大なもの とならう。依って筆者わ今後かかる 土堰堤が施工される場合と一方施工 完了後の対筍として特に第1第2の 方法を中心にしてその効果について 基礎的な実蘭を行って見た。その結 果わ次の如くである。
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土堰堤内の港透抑制に関する実験 く211)
Pig.3に於て(1)(2)(3)は夫々ローム、粘土、ベントナイトを泥合せるものである0
粘土及びベントナイトの効栗は共に大いに期待しうるがこの笑験に於てわ試験器の構造上粘土に 於ては25%以上、ベントナイトに於てわ10%以上の試験わ不可能なる故中止した。
何ベントナイトにわ20%の普通ポートランドセメントを混入した。之わベントナイトを水に溶解 し易くせんがためである。
ローム混合の場合は組成中の砂の影響があり、女体として多量に混入するときは反って間隙畳が 増加して原土に近くなり負の効果を示すものと考えられる。之は河上房萎氏がシルト質粘土ロー ムに対し粗粒分を加えたとき20%を限界として係数値が左右に大きく変化することを発表されて いるが対照的な問題として興味が多い事実である。
次に粘土を混入した場合であるが之わ原土の有する間隙中に微粒子が充壊される結果混合量の増 加に従って係数値が下っている。
これわ常識的にも予想しうる所であるがこの場合注意すべきことわ水密性のみならず安定性につ いての吟味であり、水密性の点でわ良好となるも微粒子の増加に伴って、渡辺貰氏 ̄埠他の学者の 説及び実験にも示されている如く土そのものの弟断抵抗力が不足し、摩擦角が小さくなることに よる危険性を充分肝行して考えなければならない。この点から云えば単に粘土のみの混合によら ず少量の粗粒分を加えぬとならない。かかる場合Pig.3の(1)の結果に近いものが現われることを 多少とも考慮する必要があらう。
次にベントナイトの効果であるが之は以上の試験と較べ紋に実用性のあるものと考えられる。す なわち約1%で以て原土の係数値の約‡遥減少していることで判明する事実である。本試験に於 ては許容限界にわ0.7%で充分であるが彿て驚異的と云わねばならない。
之わ沢田敏男氏がベントナイトそのものの物理化学的性質の研究を尭表されているが更に土質工 学的研究を行うことによりその実用性は大いに期待出来ると思う。
筆者の実験結果は直ちに倉橋溜池の事葉に採用されグラウト試験を目下実施されているがその結 果わ追って判明すると考え、機会を得て発表する予定である。
佃現在の倉橋溜池の貯水位と漏水量との関係を図示すれば次の如くである。出来うればこの方法 によって漏水量を品位遥低下させたく思っている。薗グラウトの方法わノトカツシヨン式で以て 堤頂より鉄管を挿入しその発端にストレーナーを切り一方ミキサーでベントナイトのミルクを作 り之をプランジャーポンプで圧入するのであり、一般のセメント、ミルクのグラウト方法に似て レ、る。
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(212) 太 田 朽 敏
Ⅳ・結 吉吾
以上の結果を絵括するに
¢)良好な心壁材料が自然のままでわ得がたき場合、これを客土法によって改良することわ可能 である。
(2)ロームを客土する場合20%を以て最′ト情を与える。それ以上の客土わ有害無益である。何こ れでは充分な結果は期待出来ぬ。
(勾 粘土を客土するときわ水密性にも太いに効果があり、20%以上混合すれば所期の日概わ達成 しうる。但し安定性についてわ原土に粗粒分不足のとき之を同時に併行して加える必要があり 注意すべきである。
㈲ ベントナイトわ之を客土する場合極めて少量(0.7%)で充分であり、極めて実用性が犬であ る。何これわグラウトによって施工後の心壁に注入してその改良を行い得るという便利さがあ り、更にその実用範囲わ広くならう。
(剖:施工前の心壁に対する客土としてわ億づ土をまき出した上にベントナイト及びセメントを所 要量撒布し之をハロー掛けを行うか叉はPoll′prtilldrで充分混合作用を行ってその後最適含 水比でローラーによる締固めを実施すれば極めて水野性の艮好なものを施工Lうると考える。
但し安定性を良く吟味して時には籾粒分の追加を併行して行う必要があらう。
参 考 文 献 恵業土木研究 土 地 改 良
和田 保 土 壇 場 河 上 唇 責 アースダム
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テル ツアギ←
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土 木 学 会 東新土質工学 最 上 武 雄 土質力学 土質調査委員会報告第3、4蹄 磯 辺 貫 地質工学
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