熱帯医学 第15巻 第2号105−112頁,1972年6月 105
ケニヤ国、リフトバレー州立病院 (ナクル市)における 外来及び入院患者についての細菌学的検査の諸経験
井上和義
長崎大学医学部附属病院中央検査部(主任:糸賀 敬教授J 長崎大学熱帯医学研究所ウイルス学部門(主任:林 薫教授〕
(1973年5月27日受付〕
は じ め に
1971年9月から1972年9月までの1年間,著者ほ我 が国の医療協力専門家(臨床細菌〕とLてケニヤ,ナク ール市にあるリフトバレー州立病院に滞在する機会を 得た・州立病院に於ての主な任務は現地技術者に対す る臨床細菌検査の技術的な協力と指導という事であっ たが,我々が現地に着任した時点での現地検査室の状
況は誠にお粗末で,各種機械の不備及び試験管等消耗 品の不足ほ如何とも出来ず,我々が我が国からの供与 資材とLて準備Lた器材の到着するまでの間は満足の 出来る協力も指導も出来なかった.ここでは現地技術 者が実施していた細菌検査の状況と,資材到着後約2 ケ月の間に検索Lた集計結果について報告する・
検 査 材 料 検体ほ当州立病院の入院及び外来患者より細菌学的
検査の目的をもって提出されたものを用いた・それと 当検査室ほリフトバレー州の検査室でもあるので地方 の各診療所尊から送付されて来たものも検査の対象と した。しかL一般の細菌検査に対する知織が低く,検 体採取容器の滅菌不完全,採取時及びその後の処置
特に遠方より送付されて来た検体の中にほ可成りの日 数を経過Lたものもあり細菌検査の意味をなさないも のもあった,そこで著者ほ比較的無菌的に採取された と思われた膿,分泌液,髄液,胸腹水及び暗出演につ いて検査を実施Lた白
捜 査 方 法 検査材料別の分離培地ほ下記のとおりで,薬剤感受
性ディスクほOxoid製1濃度法を用いた.
噴出疾 i
‑〒三<1
血液寒天培地(5 %保存血加
Tryptycase Soy agar√〕
BTB培地
チョコレート培地 血液寒天培地
BTB培地 GAM寒天培地
チォグリコレート培地(TGC〕
陶・腹水
髄 液
i
i
血液寒天培地 BTB培地 GAM培地
チォタF.]コル‑卜培地
血液寒夫培地 チョコレート培地 チォグリコレート培地
GAM培地
培養時間は好気性でほ24時間,嫌気性はピロガロ
‑ル法(栄研)に俵てたて48時間で判定したが, TGC
106 井 上 和 義 ほ1週間まで観察し陰性の場合は検査を打切った・髄
液の場合の血液寒天,チョコレート培地はローソク法 で48時間培養した・暗疾については検体採取時の轍い 等の処置及び暗疾の洗浄ほ行わずつとめて膿性部を接
種するように心掛けた・好気性菌の同定ほ成書に従っ たが嫌気性菌はグラム染色性と形態によって分類した・
現地技術員の検査方法についてほ考察の項で述べる・
成 揖 衰1・ 1971年12月より1972年2月までの 3ケ月間
に現地技術員が検査した集計である・検査件数1高097 件,最も多く碇出されているものは尿で次いで便,膿, 分泌液,暗疾の順に少く,胸・腹水,血液はさらに少 く,髄液ほ1例も提出されていない・培養陽性ほ膿及 び分泌液が絢50鬼′ともっとも高く,ついで暗疾,尿, 磨,血液の順に低く胸・腹水からは1例の陽性もなか
った・検出株数ほ陽性例数と全く同数である・
表1各検体別の検体数(現地技術員による〕
1971 ・ 12‑1972 I 2
検 出 率
■培 養 陽 性 No G ro ut h No P at ho ge ni c
検 体 総 数 出 株 数 ァ58 ⁚検
3 昏 3 8 3 2 S f t S 実 退 1
2 ー 5
暗 疾
鼻 咽 頭
胸・腹 水 歴分泌物
血 液
物触泌尿分 膿 計遺尿糞 叫 c‑10"*i‑Hり340実a詣
coco^LOi‑iincMoo,‑i731ワ︼29∧Uハリ3rHCOi‑HCMrH 形
5 4 1 6 3 3 3 2
2 ー 4
ハ リ 5 4 爪 じ 見 じ
亡U
L O C O C T
>
0 0 亡 U
O> CO CO ^* 0>
CM 1 0 i‑ f
‑t f 2 ー 5 ハ リ 5 9 5 3 凡 廿
532
7脚 凸U34 643
蓑2・分離された菌種の検体別頻度である・ E.
coliが最も多く分離されているがこれほ糞便よりの ものが多く含まれているからであろう, Staphylo.
aureus及び albsは隈及び分泌液尊から多く分離さ れておりE・ coliもほぼ同様であるが,ただ尿道分 泌液からほ少い・ Proteusは膿より最も多く分離され ている・暗疾及び鼻咽喉よりほD・ Pneumoriaの分 離ほ比較的高いが β‑streptococcus の分離ほ少くま た Klebsiella の分離が1株もあってない・ α・Stre‑
ptococcus, Neisseria 等は常在菌としてみれば当然
表2 検体別の細菌分離頻度(現地技術員による〕
1971 ・ 12′一4972 2
尿道分泌物
尿
血 液
腔分泌物
膿
胸・ 腹 水
鼻 咽 頭 暗 疾
Sta・ aureus Sta・ albs D・ Pneumonia
♂‑Streptococcus α‑ 〝 St・ Feacahs N・ Gate E. Coli Klebsiclla Proteus Pseudomonas
Sal. typhi
rH Cvl LO O> CJ ^ ワ
︼ 3 1 5
F= 17 (U1
2 4 2 ー 1 00 <」> cM i‑H
l 1
3 1
L=KJI 長aワ︼
1 7 5 2 2 ウ 山 2 2 ー ー 4
48 1 2i 1
計
糞 便
1 30
2 糾 71 8 1 18 9 5 118 9 20 2 1
6・ 2312 :65168 2915530346
の分離頻度であろう・
表3・グラム(一分樟菌の薬剤感受性試験の成績で ある・ E・ coliはGM,NAに90%, SXT, NFに 約鮒%と高い感受性を示したが, CMにほ43・9%
TCにはさらに 29・2%の低感受性であった・ Kleb‑
siellaは E・ coliと同様な傾向を示したが, AM, TCには感受性がなく CMにも極度に低感受性であ る ProteusほGMにのみ85%の感受性を示Lた のみでその他の薬剤にはあまり高い感受性はない・
S・ typhi.ほ1株のみであったがSDをのぞいて100
%の感受性であった・
蓑4・グラム(+)球菌の薬剤感受性試験の成鋳で ある・ Staphylo・ aureusはEM. CB・ SXT に高い 感受性があり albs も同傾向であるが, AMに比較的 高い感受性を見せているように aureus に比較して Penicillin 系に幾分高い感受性を示Lている・株数 の少い菌種もあるがα‑strept. D・ pneumoniaはい ずれも P‑Gに低感受性であり, S・ feacalis ほ
ケニヤ回,リフトバレー州立病院〔ナグル市のにおける外来及び 107 入院患者についての細菌学的検査の諸経験
表3 グラム「‑〕梓菌の薬剤感受性率 (現地技術員によるの
1971 12‑1972‑ 2
a
下
S X T
C A G
M M M
カ甘三t芸
E. C℃1i Klebsiella
Pseudom℃nas S. Typhi
%
79.6 55 5
43.9 IMI proteus j65. 0│70. 0 075.0
]
21 9」92.5 0 35.0 50.0
78.0≡29.2恒o.2
10087.5≡ α 100 85.055
―
50.0
lOOi 100 100 100 10I̲二言,.'とL三
0 0 00i
[
9
4
―
0 1
表4 グラム〔+の球菌の薬剤感受性率 (現地技術員にはるの
1971 12‑1972 2
S X T
CIA
L
M弓M
T
C
―
S I E
D M
Sta. aureus Sta. albs β―strept℃
α―strepto S. Feacahs
D, Pneumo‑
nia
―ど『∃
% 79'. 7 775
41.651.1 34.7i77.1
∃
c 率I
B G
―
…冒・王≡9.7 17.1て92.6 92.7喜i,≡
―
―
℃ 100 100! 100: 0 100 100
65.5 10088.878.5た6・6 10033.3≡ 2.2 100
60.0
75.0⊇ ・3
140.0てo・oコ
72.26―4.6 [
ち
ち
F
F ど
12.5 405
S株
M―数
∃84 70 100 1 朗―囲 18 10075.055.5 Oj 9
・oo 100≡50.0≡ 0」 8 .oo ol o !5 10055.5
100 100
N. Cataralis j 100 100
表5 薬剤感受性ディスクの種類と含有濃度
Penicillin―G
Tetracyclin Erythromycm Trimethoprim
Cloxacillin Streptomycin Ampicillin Sulphadiazin Bactrium Kananycin Gentamycin Polymyxin B
●
Neomycm
Nitr℃furantoin
Nalidixix acid
〔P‑G〕
(TO :EM)
(Triの CCB ) (SMの
〔AMの
〔SDの
〔SXTの
〔KMの
〔GMの (PoBの (Ne Mの (NFの (NDl
1 unit 25 meg 15 〝 25
5 10 10 250 25 30 10
〟
〟
々ケ
〟
//
〟
〟
〟
250 unit 30 meg 200 unit 30 meg
TCにも同様低い感受性であった.使用したディスク の薬剤名と含有隈度は表5に示すとおりである.
蓑6, 7.著者の検査した各種検体別の分離頻度と 菌種別頻度を示す,髄落は31例中陽生18例58.0昏%
の検出率であり菌種は蓑に示すとおりである.ニの中 で1例の Salm℃nella をのぞいて他は全てTGCに
表6 検体別分離頻度と検出株数
〔著者によるの
1972* 6‑々1972* 8
髄 液 胸・腹水
膿 晴 疾
汁
丁;三
―
― 80
120 58
「 13 181
12 ― 7
9 71 0 62
250 ―き8――」i w―竺」―が竺
58
36:井―アざ 88.75'122 si.ee]79
226 蓑7 各菌種の検体別分離株数
〔著者によるの
1972‑ 6っ‑4972 8
m&
5 1 13
】
‑≡‑ 享,I̲ ‑‑
23 19 Sta. aureus ≡
Sta. epidermidis β―Strept℃coccus α‑Streptococcus Enter℃c℃ecus Dip. pneumonia Heam℃philus Salmonella
Citr℃bacter E. C℃1i Klebsiela E. Cloaca Enterobacter
Morganella proteusl
1
20行7
5 6 10 3 1 1
pseu℃monas
腸内細菌類似菌 4
1 12 日
I 2 4 2
計 … 76 80
l≡巨
F
―
1
主で‑I.
: :;
1
31 23 13 1 9 5 20 1 6 19 22 7 5 4 4 4 4
6 ― 16 178
108 井 上 和 義 よって分離したもので,また,これらの症例ほただ1
回のみの検出でありContaminationを考慮して連続 Lて何回かの検体提出を求めたが実現出来なかった・
胸水及び腹水は36%の検出率で菌種は蓑に示してい るがこれも髄液同様にTGCよって分離したものであ る.膿よりほ舶・75%の検出率で分離菌種も全般に亘 っているが特にStaphylo, aureus高 epidermidis及 びE, coliが多く分離された・ Proteus は他の検体 からほ分離されなかった・暗疾ほ51・66%の検出率で あるが,これには口腔内常在菌としての α‑strepto, Neisseriaのみ分離された症例は含んでいない.分離 菌種は Heamophilus が紳25%と最も多く, β‑
strept・ Klebsiellaがこれについで多く分離された・
D・ Pneumoniaはやや低い頻度であったが使用した 血液寒天に依る影響等も充分考慮すべき事と思う.普 た結核菌を目的として損出された検体の中で膿性癖の
場合ほ全て‑般細菌の培養を試みたがこれらの検体は 地方の診療所からのものが多く含まれていたので採取 後の時間の経過等も影響があると思う,しかLこれら
の検体で結核菌(‑〕でHeamophilusが分離された 症例が可成りあった・
蓑8.グラム陽性球菌の薬剤感受性試験の集計であ る sta. aureus 及び epidermidisはともにEM, CBに高い感受性を示したが他の葉芽r布いこついてほあま り高い感受性ほなかった・ βstrept・, α・strept,及 びD, Pneumonicは SM に対Lて耐性である以外 ほ高い感受性を示し Enterococcusほ EMをのぞ いて低感受性であった・
表9・グラム(‑〕梓菌の薬剤感受性試験の集計で ある. KlebsiellaはAM 40・9鬼, TCつ68.1%, SM 64.7%と,比較的に低い感受性をのぞいて高い感受性 を示Lており, E・ coliも大体同傾向であった・
m 8 ^7AC+)39e^D|
1973 à"6-1972 à"8
(*tK.J: *)
s
XT
AP
Tri CB S
M
TC
*
o/ % 6.4
c
M
Oj 50.0
8.
7 38.4
0
|
0
80.
0
83.
2. 3 5 5.
2 100 100
1.
1
100 68.
0 263.
6 6 7.
6 0
0 1 o
! 0.
3 5.
8 100 100
1.
1
o.
ol
991
8
90.
3 100 ioo
| 100 J 88.
8J
100 J 3
1 2 3 13 1
9
5 Sta. aureus
Sta. epidermidis jS-streptococcus
a- //
Enterococcus Dip.pneumonia
^A(+)^O^:
1972à" 6-1972à" 8
C^gKU; *)
*
* A
M TC Tri SM cM
sD
Po B
Ne M
N F
N D
GM
loo;
loo : o 100 o o lool 100 o
66.6 0 100
100 75.0
% 22
40.
9 68.
1 78.
4 . 6 4.
76 83.
3 83.
3 100 100 19 63.
1 52.
6 100 68.
7 5 20.
0 40.
0 100 40.
0
5 60.
0 40.0
| 100 75.
0
7 85.
5 57.
1 100 42.8
4 25.
0 100 10 0 100
4 50.
0 25.
0 25.
0 50.
0
4 50.
0 50.
0 75.
0 75.
0 18
| 88.
8 94.
4 78:
5 100 J
9 4.
4 80.
0 100 100 100 80.
0 75.
0
100
75.
0
92.
3
95.4 100 lool100 100 10o! 100 100 85.
7 100 10 0 lOOJ
100 0 100
80.
0 lOO J 80.
0|
100 50.
0 75.
o|
100 100 100
100 100 100 100 78.
6 92.
3 Klebsiella
Citrobacter
E. Coli
Enterobacter Proteus E. cloaca Morganella Pseudomonas
m <H- s Heamophilus
ケニヤ国,リフトバレー州立病院(ナク分レ市〕における外来及び 109 入院患者についての細菌学的検杏の諸経騒
Citrobacter は全薬剤に対Lて高度感受性であり Heamophilus も全般的に高い感受性を示した・菌種 によって多少の相違・はあるがグラム(‑〕梓菌はAM・
TC・ SMに対してほ低感受性であった・
衰10・嫌気性菌に関する集計である.真に示Lてい るように髄液,胸・腹水からほ1例の嫌気性菌も検出 する事が出来なかったが,これほ嫌気方法の考慮,秩 体採取に対する注意等によって変るものと考える・隈
よりほ培養陽性の中で21.1%の検出率であり分離菌 種はグラム(+〕球菌18株,グラム(+)梓菌4株,
グラム(−〕梓菌1株であった・薬剤感受性は菌種に 関係なく SMに耐性で,グラム(岬〕梓菌はCB,
EMにも耐性であり,その他の薬剤にほ全般的に高い 感受性を示した・参考に当検査部細菌検査室の最近1 ケ年間のデータを示す.
表10 嫌気性菌検出状況と薬剤感受性(著者による)
1972・6−1972・8
« ft »
^ * m ft ft i£
« M ftSfe a #Ifi:
* « ft B ^ Hi *
^> * m * M it
it » &m &mnm
it m
[
II
m à"ffi7ic
311 180080 1 970070
II
80 71 15 21.1%
122 35
ft
130 96 1515.
6
% 147 35
P T E
I I
G C N
T | r I
1 B
i A Po Ne
Grm (-3 ^
" c+) n
* (+) Sc
100 85.5 0 42.8
100
77.2 72.2 3.8
0
6'6. 6
o!
100 72.2
I
M j M
0|85.5
0 100
ll.1 94.5
M M M
0 0i
ll.1
0 16.6 i66.6 16.6
考 察
現地技術者の検査法について述べる前に,当時の検 査室の状況について触れると,検査室としては狭小な がらも各sectionに分れており,洗浄室も,洗浄専 属の人員も配置Lてあり,形態としてほ一応の形をと とのえていた・また機械績も細菌検査室を中心にLて みれば乾熱滅菌器(サクラ製)1台,フラン器(サク ラ)1良 単眼顕微鏡(オリソパス〕1台,オートク レーブ(不明)1台,冷蔵庫(共用〕遠沈機(共用)
と揃ってはいたが我が国から供与されたものが大部分 である・しかL,いずれも保守が悪く,例えば顕微鏡 ほ光源が紛失,レンズほ日々の手入れが充分になされ ていないので曇っており,フラン器はコンセントの接 着部が悪く,たびたび温度が 400c−42ロCまで上昇
する事があったが彼等は全く無頓着であった・オート クレーブは非常に旧式で滅菌に時間がかかりすぎ一日 2回の操作ほ勤務時間内にほまず無理であった・乾熱 滅菌器は一応使用する事が出来たが驚いた事に温度計 がなく,彼等の滅菌方法を見てみると,滅菌物を滅菌 器に入れてある時間経過Lた後,それも決った時間を 定めることなく取出して使用していた・滅菌に要する 温度,時間ほ無視されており,著者が試みに温度を測 定Lてみると1000c−1100Cであり,この温度で滅 菌出来たとする彼等の細菌学的感覚にまず恐れいった ものである・Lかし滅菌操作は洗浄員の作業であり技 術員がそれについての点検を行なわない事も我々にと っては考えられない事であった・このようにして滅菌
tin 井 上 和 義
長崎大学医学部中央検査部における最近1年間の成績 昭・ 47・ 1‑12
趣胸水!‑i髄液車刺液!血液j嚇
頭液咽鼻粘
検 体 数
Staphylo. aureus
〝 epidermidis α・streptococ亡uS β‑ 〝
拍‑ M Enterococcus D・ pneumoniae
グラム陽性梓菌 Micrococcus Salmonella Edwardsiella Citrobacter E・ coli Yersinica Klebsiella
aerogenes Enterobacter
aerogenes
〝 cloacae
〟 liquefaciens Hafnia
Serratia
Proteus vulgaris
〝 mirabilis Morganella Rettgerella Providencia Aeromonas Plesiomonas Pasteurella Actinobacilus Comasconaw Comphylobacter Flavobacteriun Pseudomonas
腸内細菌類似菌 Haemophilus
計
LOtOLOcoococDinT‑i^i‑It」>LOrH,‑ILDC^I6
9 1 .4 1
7 4
ー 5 4
1 0
<
M i
‑ i T
‑ H a て C O C O C D O O C O t O i
‑ 1
ft 仙ー 8
CM
i
‑I
C
O
i‑
I
9 E:1 09;=6<M CO ‑<* in
l 1
3 2 6
E:i‑(i‑ICMt>‑2.ー小岬
t^
.i
‑I
r
H
i‑
H l 11 41‖リ6 5 0ー 4
4 ユ ー
4 13 CO CO T* CC
18 22l ー 23 03 7 0 ー 9 3 2
3ー 2=
3 0
︹ 古 2 3 ー
5 7 0 1 9 03 78s1
胆汁 尿
F
便iその他 計i
C
^
‑ O
<
O t O サ ー I T
‑ ( O l
^ l O ウ 山 1
3
7 2 5 ( 古 5 2 5 8 1
1
E ;; K
F= ^
i‑ I rH L O‑
^ 1 7
2 0
7 ウ 山 3 ー サ ー
3 ー ァHりOCOi‑H<M4ーーi‑ICOOIco<MLTC矧.由u茂1fc茂宮地1coォ*oq1‑12 sc‑‑r‑1ID<M^H 5 ー t
O
Oi
1
‑<
L
O
i‑
i
O
<O
i
n
LO
0
0
0‑
4 6 2
2
i‑
i
f‑
H
CN
)
CO
O
3
4 1
o> co to t>
l 1
<
M
<
C O C O O i 1
‑ I r H
F:
oa
i
‑i
<
o
<M
833
g
2
tO CD T^ LO00 C‑ CO Oー 3 3ー ・‑h^*g
5 8
ー
4 呂
632
7742
*
*
t
‑
‑
^
*
m
‖H
2
^ f
<
N ( N t
‑ n 1 8 cTJLOサー<"*t‑oi‑IIT}rHCDtDCJtDr‑1Or‑1i‑H。OrHOs^s;50‑sago^s5 CO i‑H rH 00 rH <N 00 00 i‑H CN
1 2 1
GO LO Oi rHLO C^J CO <C5
t
>
‑ i
‑ I O
<
T て O
^ t
‑ O I C
」
>
i
‑ H
^
<
M
<
N ( N l i
‑ H i
‑ 1 ,
‑ 1 C
^
<
M サ
‑ l
したシャーレに,滅菌した培地を分注しても雑菌が発 育するのほ解かりきった事であろうが,彼等の培地作 成方法ほ,シャーレに分注した培地が困るとただちに 氷室に保存し,用にのぞんで取出して使用していたの である・氷室から取出した時点でほ雑菌の発育ほわか らないのでそのまま使用していたのであろう・著者が 彼等の作った培地を氷室に入れる前と後とそれぞれフ ラン器に24時間放置して無菌試験的な操作を行なっ
てみると,殆んどのものにシャーレの底と側面に雑菌 の発育があったのである・例えばこのようにして作っ た培地に検体を接種すれば表面には検体からの細菌の 発育があるだろうが,底部と側面に発育した雑菌によ る潜血があれば,表面に発育した細菌の溶血性を読む 事は不可能であり,また表面にも側面よりの雑菌の浸 入がある事も多くそれらほすべてContaminationで 処理されていたのである・
ケニヤ国,リフトバレー州立病院(ナクル市〕における外来及び 111 入院患者についての細菌学的検査の諸経験
次にシャーレ等の消耗品であるが,ガラスシャーレ が100杖程嵐 小試験管ほ細菌用にほ殆んどなく同定 用の培地等を作る事ほ出来なかった・スライドグラス ほ殆んどが再製であり洗浄の不完全さと,数回の洗浄 によるキズ等で正常な鏡検を期待するのが無理であっ た・
以上のような背景を考慮に入れて彼等の検査方法を みると,使用培地ほ血液寒天(5%保存血液寒天用培 地)てッコソキー培地,糞便にはデソキシコレイト培 地とマッコンキー培地を用い,一枚の平板を4等分L その各々に別々の検体を接種,一夜培養後判定,純培 養することなく直接に白金耳にて釣菌し薬剤感受性試 験等を実施,このような操作での培養で孤立集落が得 られるかどうかほ細菌検査の基本的問題であるが,シ ャーレの数が少いと云う事でこのような操作をLてい た.集計をみればぁかるように糞便からほE・COliの 検出のみで他の細菌,特にSalmone11a,Shige11aの)
検出が1例もないが,このような事ほ考えられないこ とである・しかし純培養に発育Lた以外ほたとえ混合 発育があったとしても再分離する事ほ至難の技である・
さらに喀演算ではグラム陰性梓菌の検出が1例もあっ てないが,これはチョコレート培地を使用していない のでHeamophilusの検出が出来ないことと,グラム
(・〕梓菌の発育があってもNon,Pathogenesisの一 言で片付けられていたのである・既ち検査室で病原菌 かどうかを決定しているわけで,喀痍の場合町 査 strepto・等の口腔内常在菌ほともかくとLてグラム
(−〕樟菌,あるいほ膿,分泌液等から検出された数 種の菌をどう云い理由で非病原菌とするか理解に苦L んだ事である.そしてそのような例が20−30%の頻 度で報告されていたのであり,これが陽性例1件につ いて1種の菌種しか検出されていない理由である・
血液,髄液ほトリプチィケースブイヨンを分往Lた ネジ栓付培養瓶に入れて1退から2週間培養Lていた が,培養期間中に観察する事ほ殆んど行なわず一定の 期間培養すると云う事だけである・著者が幾度となく 発育があるのを指摘したがそれを分離培養した事はな
く,また嫌気培養を試みているのも殆んど見た事はな かった・
同定ほ糖培地等をある程度は準備Lていたがそれほ 使用せず彼等の検索ほ殆んどが肉眼判定で,・マッコソ キー培地上の乳糖分解菌ほE・Coli・ムコイド発育ほ Klebseillaであり,血液寒天上の)staphylo,StrePtO 属の鑑別もすべて肉眼によるものである・またSaト
mone11a・Shig・ellaの因子血清ほ用意してあてたたか,
使用期限はすでに切れており保存状態も悪くて使用に 耐えるものではなかった.
以上のような検査方法での集計成績と我が国のそれ を比較する事ほ相当に無理があると思う・しかし現地 でほ特定の細菌についての報告はあるがこのような検 査室全般の細菌についての報告はない・だが,検索上 に消耗品の不足と云うようないろいろの制約があると しても細菌検査とLてほあまりにもお粗末と云わざる を得ないし,臨床家に不満があったのも無理からぬ事 である・
次に著者の検索Lた集計成置こついてみると,暗痍 ほ51.6唱%の陽性率で最も多く分離されているのほ Heamophilusである・これはチョコル/rト培地を使 用した事によってこれだけの検出があった訳で我が国 の報告と比較Lても遜色ない検出率である・また前に も述べたように喀癖の採取及び提出等ついての注意,
あるいは使用する血液の種を変える事によって検出率 はさらに上昇する筈であろうし Heamophilus が呼 吸器疾患の原因菌とLて種々論じられている現況を考 えると充分な検索を試みたかった.次いでβ−StreptO−
coccusが多く, これほノミシトラシソに感受性であっ たのでA群と考えられるが,喀痕から分離とLては当 然高い頻度であると思うし,鼻咽喉よりの培養を試み れば更に検出率は上昇すると思う− D.Pmneumonie は精々低率であったがこれほ使用Lた血液が保存血で あったのでその点も考慮すべきであろう・
Klebsiella も高い比率で分離されたがこれもTyping 等を充分に実施すれば呼吸器疾患の原困菌としての意 味が明確になる事であろうと思われる・是非検討を望 みたいものである・隈,分泌液からはStap血ylo属が 多く分離されたがその他の菌種も全般に亘って分離さ れた・嫌気性菌も21.1%に検出されているが可成り 高い検出頻度と云える.嫌気性菌はグラム(+〕球菌 が多く分離されたが} ニの膿及び分泌液には女性々器 及び尿道分泌物ほ含んでいないのでこのような検出頻 度になったと考えられる・また嫌気方法がピロガロー ル法のみに‡、つた事・あるいほ使用培地等を考慮すれ ば分離頻度も菌種も大きく変る事は充分考えられる事 である・
髄液及び胸・腹水からほ前述LたようにS・tyPhi をのぞいてTGCに依っての検出であり,Contami−
nationを考えて再度の提出を希望した・しかLTGC に発育を認めたのが殆んどの例で2−3日複であり,
112 井 上 和 義
す患者の退院とか,その他臨床側への連絡が充分でなか つたりの事情で試みる事が出来なかつたのは残念であ った.特に Meningococcusによる髄膜炎は可成り 報告されており,それを含めて1例の嫌気性菌も検出 する事が出来なかったが,検討した例数が31例に過 ぎなかったので止むを得なかつたとしても充分に検討 したい問題であつた.
薬剤感受性試潔はグラム(+)球菌すについてみると, staphylo. aureus は Ap. P‑Gに極度に低感受性 であり, TC・ SMにも高い感受性があるとは云えな い・使用した感受性ディスクが違っており,また,チ ィスクにっいては種々問題もあるので我々の検査部で の集計と比較してみる事は無理かもしれないが, P‑
G AM Te. SMについてはいずれも我が検査部での 成績が高度感受性であり, EMについては逆に現地で
の感受性が高く epidermidis についても同様の傾 向である. Enterococcusを除く Streptococcus 及 び D. pneumonic についてはSMに耐性で事ある が我が検査部と同様であり自然耐性かどうかの問題も 例数を増す事によつてより正確に解明出来る事と思う.
Enterococcus はEMに高度感受性である事が特徴 であるがP‑G. AMについては我々の検査部とは相 違して耐性であつた.
グラム(‑)桿菌についてみると, Klebscilla. E.
coliについて云えば極度に低感受性を示す薬剤はな く, Citrobacterは全般的に高い感受性を持っており, Heamophilus も同様に高度感受性であった.全般的 にみてグラム(‑)桿菌はグラム(+)球菌に於ける p‑Gのように特定の菌種に対して極度に低感受性と 云う事はないようであるが,現在までどのような薬剤, が主に使用されて釆たかiにも依る事てンあってそのすOシか
らもこのような集計の必要を痛感した・
わずか2ナ月の集計であり現地の気候,風土等を考 えてみればさらに長い期間にわたつての集計を実施し なければ細菌の状態についての正しい考療は加えられ ないと思う.それと現地技術員に対する臨床医の評価 をあげ,不正確な情報によっての抗生物質の濫用を避 けるためにも更に充分な技術的な援助と検索を望みた
いものである.
結 語 ケニヤ,ナクール市にあるリフトノバレ‑州立病院に
於て細菌検索を実施したが,現地技術員の検索した結 果の集計は,検査の過程で種々問題があり集計の意味 をなさなかつた・
著者の検索した集計では培養陽性頻度は我が国のそ れと比較して遜色はなかった.
髄液,胸・腹水からは嫌気性菌を検出する事が出来 なかつたが,培養方法等に留意する必要があると考え
る.
薬剤感受性にっいては,使用したディスクの問週 現在まで使用されて来た抗生物質について考慮する必 要があるが,我が国の成績とは可成り違つた態度を示
した.
結核菌については培養途中のものが大部分であった のでここには触れなかった・
参 考 文 献
1)衛生検査技術講座 微生物学,医歯薬出府1969・
2)坂崎利一:栄研学術叢書第I集, 1969.
3)佐々 草地:熱帯病学,東京大学出版会, 1967.
4) I. PHillips, J. Midglay : East African Med, Journal. 440. vo1 47. No.8 19アO.
5) E. NNOChiri : East African Med. Journal.
641. vol. 47. No 120 1970‑
6) W. D. Foster : East African Med. Journal.
vol. 4アNo. 10. 1970.
7)水谷昭夫:臨床病理. vol. 15, No・10, 1967・
8)永浜 勤:臨床病理, vol. 15, No.10, 1967.
9)小栗豊子:衛生検査第2o回学会記念論文集, 1971, 1o)井上和義.他:三光シリーズ, M‑5.
1I)境涯勝彦:臨床病理19補449. 197I.
12)中村 功他:最新医学, vol.27, No.12, 1972.
1 3)長崎大学医学部附属病院検査部細菌室集計成蘇,
19ア1.