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東 アジア地域 内貿易の動向

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(1)

研究 ノー ト

東 アジア地域 内貿易の動向

- 政策的含意 を中心 に-

佐 々波 楊子

最近の束アジア地域内貿易の顕著な変化 は,域内最大の輸 出相手国 と して日本に代 わって中国が台頭 したことである. この ような変化 は,多 国籍企業の地域内生産 ・加工パ ター ンが中国にシフ トしたことを反映 し てい る.中国は NIEsか らの部品輸入 を国内の豊富 な労働力 で租 み立 て ・加工 を行い先進国に完成品 として輸出 している.その結果,中国の 貿易収支は対 NIEsは大幅 な赤字であ り,対 アメリカは黒字幅 を拡大 し ている.

中国 はすでに 2003年 の輸出 と輸入の合計額 と海外直接投 資の流入額 が対 GDP比で,それぞれ 56%35%を占め る -開かれた国"であ る.

従 って,最近の対米貿易摩擦 についても,今後の展開を左右する主要 な プ レーヤーは多国籍企業で,具体的に繊維 ・衣料分野を例 を挙げれば, DinyseSrLeaa eな どである.

1.はじめに

本稿 ではまず 1985年以降拡大 を続 けた束 アジア地域 内貿易 1)の推移 を概 観す る.次いで 1997年 のアジア通貨危機 による一時的な停滞 を脱す るにあ た り主導的な役割 を果た した中国の台頭が,地域内貿易 に与 えた影響 につい て考える.その上で今後の束 アジア地域の通貨 ・通商に関わる様 々な政策課 題 を指摘する.

研究 ノー ト :東アジア地域 内貿 易の動 向 57

2.東アジア地域内貿易の伸長 と構造変化 2.1 束アジア地域 内貿易の推移

1958年以降の東 アジア域 内貿易 (nrィ goataeitaeinlrd)の総輸出 に占め る シェア-は,1985年の 29%か ら 1995年の 41%へ と拡大 した・ しか し1998 年になると域内貿易のシェア-は,アジア通貨危横 と日本経済の減速などの 影響 を受けて 34%へ と低下す る.その後 ようや く2002年の域 内貿易の シェ ァ-は 39%まで回復す るが,今後 の推移 につ いては さまざまな予測が行 わ

図表- 1 東アジア地域内貿易のシェア-(1985-2002年 ) (%1

1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 ASEAN域内 4.3 3.6 3.8 3.6 4.1 4.0 4.1 4.4 4・3 NIEs城 内 8.8 8.5 9.2 ll.0 1l.8 12.3 13.2 14.1 1511 ASEAN十NIEs域内 7.3 7.1 7.8 9.0 9.7 9.9 10・4 11・1 11・5 アジア 9域 内 15.2 15.6 17.0 19.1 20.1 21.2 23.3 2417 24・9 アジア 9+日本域内 28.9 27.0 29.0 31.6 32.8 33.4 35.3 358 3714

アジア輸出 /世界輸出 18 .9 19 .9 20.4 2.11 21.2 20.4 22.3 23.2 25・8 アジア域内輸出 /世界輸 出 5.5 5.4 5.9 6.7 6.9 6・8 7・9 8・3 9・6

1994 1995 196 9 199 7 19 8 9 1999 2

0 0 0

2001 2002 ASEAN域内 4 .9 6.3 5.9 6.0 5.5 5.7 5.9 6.6 7・6

NIEs域内 16.1 16.9 16.3 15.8 13.8 14. 1418 13・8 14・8

ASEAN+NIEs域内 12.2 13.2 12.5 12.2 1 0. 7 10.09ll.4 11・0 12・2

ア ジア 9域内 2 5 .4 25.6 25.1 25.0 23.4 23.6 24.6 24・8 27・8

アジア9十日本域 内 3 8 .40.6 40.1 38.5 34.0 35.2 37.437・139・0

アジア輸出 ′′世界輸出 25.7 25.4 24.7 24.9 24.2 24.9 26.2 25.3 26・2 アジア域内輸 出 /世界輸 出 10.0 10.3 9.9 9.6 8.2 8・8 9・8 9・4 10・2 (注 1) 地域内貿易のシェア-は各国の給輸入額 に しめ る地域内の各貿易相手国か らの輸

入合計額の比率

2)本稿 のアジ7 9は m Es(香港 ・台軒 韓匡ト シンガポール)IASEANは (イ ン ド ネシア ・マ レー シア .フィリピン ・タイ),中庄]を含む

催 3) 本箱 の ように東 アジアの輸 出額 を貿 易相手国の輸入額か ら集計す る場令,香港の 中国か らの輸入の多 くの部分が香港か らただちに再輸 出 されるため,貿易額が過 大 に評価 される問題がある.本稿では,1993年か ら 2002年の香港の中国か らの 輸 入額の うち 35%が再輸出 きれず に国内 に保留 きれた と推計 し・香港 の 中国か

らの輸入額の 35%を実質の輸入額 として集計値 をもとめた・

出所 参考資料 1.Tablel.

(2)

Jβ

現代経営経済研 究 第 3

れている.

図表1 1か らは 1985年 か ら2002年 まで問 に世界貿易 に 占め る束 ア ジア の 国々の シェア-が大 き く増 した ことが わか る・掛 こ1985年 か ら1995 の間にASEAN,NIEs,中国, 日本のすべ てで域 内貿易増加率 は世界貿易増 加 率 を上 回 り,世界貿易 に占め る東 アジア域 内貿易 の シェア- は28.9% 40・6%へ と上昇 した・この よ うな高 い域 内輸 出の増加 には 「束 アジアの 奇跡」2)が指摘 す る ように,マ クロ経済の安定性,金融部門に よる国内貯蓄 の吸収 海外か らの投資に対する開放性 などが貢献 した.

1996年 に入 る と多 くの ASEANや NIEsの国々で,輸出主導 に よる成長 を 促進 して きた実質的な ドル ・ペ ッグ制に よるアジア通貨の安定性 とい う利点 が,折か ら各国で行 なわれた金融 自由化政策の もとではむ しろ短期 的な投機 資金の流人 を招 く一因 となった・ 1997年 にな ると,イ ン ドネシアのル ピア や タイのバーツなどのアジア通貨の急落が は じま り, これ までの資本流人は

図表- 2・東アジア域内輸出先 (10US ドル日1985- 2002年)

研究 ノー ト '東 アジア地域内貿易 の動向 59

流出に転 じた. この際 に東 アジアの成長の一翼 を担 ってきた国内の銀行部門 は,その脆弱性 を富里 した.1998年か らの東 アジアの国々は, これ までの 高成長か ら一転 して深刻 な不況 に見舞われた.いわゆる 「アジア通貨危機」

を乗 り越 えて本格的な国内景気が回復す るまでにほほほ 2年 を要 した3㌧

アジア通貨危機後の東 アジア域内貿易 は,よ うや く2002年 に対世界貿易 39%を占め るまで に回復 した.その間に域内貿易 で は, 1998年 か ら中国 が 口本に代 わ り最大の地域内輸出相手国になるとい う大 きな構造変化がお き た.図表- 2に よる と,2002年 に最大 の域 内輸 出相手 国 であ っ た 中国 の シェア-は 220O/であ る. これに対 し, 1 89 5年 に シェア- 620O/を占め る最大 の域内輸出相手国あった 日本の同年のシェア-は 17%にす ぎない.

2.2 束 アジア地域 内貿易 と直接投 資

この ようなアジア通貨危摸後にお きた域内貿易の構造変化 は,図表- 3に示 され るような, 1996年か ら2002年 までの直接投資年平均流入額 がNIEs けは 294億 ドル,ASEAN 向け は 173億 ドルで あ ったの対 し,中国向 け は

図表- 3.東アジアへの直接投資流入額 (10US ドル)(1985- 2002年) 60

50

40

30

20 10

0

-10

1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 出所 参考資料 1.Fgr 4lue .

(3)

60 現代軽営軽済研究 第 3

854億 ドルに達す る とい う受 け入れ国の変化 を反映 した ものであった.つ ま り日本企業 をは じめ とす る多国籍企業の,東 アジア地域 内での生産 ・加工パ ター ンに中国 シフ トとい う変化が生 じたのであ る.

1995年 か らの中国 は,図表- 4か ら明 らか な ように アジア域内貿易 の最

研究ノート:東ジアア地域内貿易の動

6J

変動が同 じような動 きを示す事か らも明 らかである・つ ま りアジアの域内貿 易 に よって生産 され た製品 は域外 の先進諸 国・す なわちア メ リカ,EU, 日 本の需要 を満た しているのである・

図表- 5.東アジア (1)の地域別抽出増加率 (江 2)

大 の輸 出相手国であ る と同時 に対NIE

つ ま り輸 出 を上回 る輸入相手国 であ る. またASE

らの貿易収支 はマイナスに転 じ.赤字幅は拡大の傾 向にある. この間,対 ア メ リカの 2002年の貿易収支の黒字幅は 800億 ドルを超 えるようになる.

中国の NIEsに対 す る大幅 な貿易赤字 とア メ 1)カに対す る貿易黒字の拡大

(10Usドル)(1995- 2002年)

40

30

20

0 -10

-20

130

-40

n-97Jul19 -98JuL-9 199Jul-9 l-0 -01Jul-0 2J 3 40

30

10

0

-10

-20

-30

-40

sの貿易収支 はマ イナス を計上す る.

AN に対 して も1999年か

20

10

図表- 4.中国の主要貿易相手国との貿易収支

100 100

0

0

0

0

0

-20

- 4 0

-60

8 80

6 60

4 40

2 20

Ja 7Jan BJan 9Jan-00Ju 0Jan 1Jan10 uト02Jan-0

re lg

0 (往 1) 日本 を除 く

(2)輸 出増加率 はU・S,ドルによる値 の三 ケ月移動平均値 0

u 8 2

- (注 3)対 アジ7 8は 日本 と各当該国の輸入 を除 く 参 考資料 1.F

出所

0

4 0 -

6

- 3 東アジア諸国の輸出主導による経済成長

1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002

2年の香港 の輸 出 ・輸入デタを検討 した ところ,香港 の対中国輸出の 65 9

出 されているので N 参考資料 1.F u

193--200 %は再輸

は,韓 国 と台湾か らの部品輸入 を豊富 な国内労働力 を活用 して加工 ・組み立 て を行 ない,先進国市場 に完成品 として輸出す る多国籍企業の国境 を越 えて 展 開す る生産活動の結果で もあ る.特 にこの ような分業パ ター ンが1999 以降に顕著 になったこ とは,図表- 5の 日本 を除 くア ジア 8ヶ国の域内輸 出 額の移動平均が対 ア メ リカ,対 EU,対 日本の先進国向け輸出の移動平均 の

ig

IE 3.1中国へ の輸 出増加 の経済成長へ の寄与一 目本・N sA

1985年以降 の中国のWTO加 盟 を視野 に入 れ た経済改革 ・開放 政策 の本 格化は,近隣諸 国の中国へ の輸 出増加 に大 きな影響 を与 えた・既に輸 出主導 による開発経験 をもつ東 アジアの国々は・中国の経済成長 に必要 な工業製品 の生産 を拡大 した.1985年か ら2002年の間に東 アジア諸国の対 中国輸 出額 は,稔輸出額の二倍 を超 える高い伸 び率 を示 し,総輸 出に占める シェア-は

SEAN の sか ら香港 をのぞいた.

IE

場合 6.

re 出所

(4)

62 現代経営経済研究 3

1985年 の6%か ら2002年 には12%へ と倍増 した. と くに地理的 な優位性 の ほか,需要構 造 に も共通性 が あ る MEsの対 中国輔 出額 は 1986年 か ら

84

1990年 までの間,年率 3.%で増加 した。更 に 1991年か ら 1995年の間は, 年率530.%へ と加速 した.

この期 間の輸出増加 の主役 を担 ったのは商品別 では工業製品であ り,地域 別では域内貿易であった.域内貿易の拡大 を商品別にみ ると,工業製品のな かでは "輸送用及び一般樺械"が最 も高い輸 出増加率 を示 し. アジアの工業 製品輸出 に占め る "輸送用及 び一般機械"の シェア-は 26%か ら50%へ と 増加 した.国別 に見 るとアジアのなかで "輸送用及び一般機械 ■'の最大の輸 出国は 日本で,地域輸出の 4分の 1を占めた,一方最大の輸入国は中国で, 地域輸入の 5分の 1を占めた.その他の商品では "電気 ・電子部品"の 内輸出が急速 な伸 びを しめ した.1990年代 を通 じて,これ らの中間財 であ る部品 を加工す る中国の輸入が著 し く増加 し,1997年 には同国の総輸入 に 占める中間財の シェア-は 50%に達 した4).

まさに前節 で述べ た 「東 アジアの奇跡」 とよばれ る 1980年代後半か らほ 10年 にわた る輸出主導 に よる東 アジアの高度成長 は,域内各 国が分担 し て生産 ・加= を行 なう域 内貿易の拡大 によって加速 したDその折 に,東 アジ ア域内の国々の対 中国輸出は主導的 な役割 をはた した.

アジア通貨危機 によって国内需要が停滞 した折 に も村中輸 出の持続的 な拡 大 は,NIEsASEAN諸国の景気回復 の 原動力 となった.2001年以降につ い て も,中国へ の 20%を超 える高い輸 出増加 が, 日本 を含 む ア ジア各 国の 経済成長 を主導 した.図表- 6に よる と2001年 か ら2003年 の村 中輸 出増 加率 は, 日本が 249.%,NIsE2.%,AS A53 ENが 2.570Oといずれ もアジア/ 危機以前 と変 わ らない高い伸 び率 を示 している. しか もアジア危機 をはさむ 期間の村 中輸出の稔輸出に占めるシェアーの拡大 によって,アジア危横後の ほ うが域 内の国々の村 中輸出増加 の総輸 出へ の貢献度,ひいては経済成長へ の貢献度が増 している.特 に中国へ の中間財輸 出に依存す る台湾や韓 国の村 中輸 出増加の経済成長へ の貢献度については,アジア危機以前 よ りも以後の

研究 ノー ト :東 アジア地域 内貿易 の動 向 63

図表1 6 東アジア諸国の対申輸出伸長の輸出総額の増加 と経済成長率への 貢献

日本 -12.3 -0.6 -0.l )86-1990NIEs 38.4 0.5 .

ASEAN 25.9 0.5 00

. .

2

日本 29.8 0.9

0 1 1

991-1995NIEs 53.0 2.0 0.

8

ASEAN 256 06 0.2

7.5 0.4 0.0

日本

996--2000NⅠEs 13.8 1.2 0.6 ASEAN ll.9 0.3 0.2 24.9 2.2 0.2 001-2003NⅠEs 25.3 3.5 1.7 出所 参考資料 2.T beal2

方が はるかに大 きい.

3.2 アジ アの域内輸 出増加 と域外先進国向 け輸 出増加 (対 ア メリカ及 び EU)の 輸 出総 額 と経 済 成 長率 へ の 貢 献- 中 国, 日本,NIEs ASEAN の場合

2001年以 降 も東 ア ジアの 国 々の対 中輸 出増 加 は続 き, 日本,NIEs及 び ASEAN の増加 率 は,いず れ も年率 20%を超 えてい る.特 に NIEsの経済成 長へ の貢献が大 きく,プ ラス 1.%7 ポイ ン トである・今後 ともアジア諸国の 持続的成長が可能か,その鍵 を握 るの は,坤 国の輸入動 向である'●と言 っ

て も過言ではない.

国表-4が示す ように,中国の対米貿易 は大幅 な輸 出超過である・ また図 - 5,1999年以降の 日本 を除 くア ジア8ヶ国の域 内貿易の三 ケ月移動 平均 の変動 が これ ら 8ヶ国の対 アメ リカ輸 出,対 EU輸 出・対 日本輸 出の 三 ケ月移動平均の変動 ときわめて類似 した動 きを示 している・この ような域 内貿易 の動 きと対先進国輸 出の動 きの類似性 は,中国をは じめ とす るアジア

(5)

- -

- -

4

6 現代経営経済研究 3 研究 ノー ト:東アジア地域内貿易の動向

E) - 72秦 アジア域内輸出増加率及び域外先進国への輸出増加率の棉輸出 増加率と経済成長率への貢献

(Ⅰ) 対アジア域内輸出増加率(注)

軽 済成 長 率 - の 貢 秩 (% ポ イ ン ト)

14. 0 4. 4 ≡. 1 _ 9 1 _ 7 0 _ 5 4 4. 29. 09. 00. 14. 20. 17. 0 2. 19. 輸 出 稔 森 崎 加 平 - の

貢 献 (a/oポ イ ン ト)

12 1. 3 7. 74. 68. 9 5. 58. 8 4. 8 7. 5 0.

∩ 3. 2 3. 3 _ 6 7ー0 24. 32. 7ジア輸 出増 加率

(% ) 209. 150. 23 7. 133. 17 1. 17 0. 20 5. 17 0. 10 3. 2 _ 0 5ー3 76. 15 1. 57. 6 5. 中 国

日本 NlEs ASEAN

中 国 日本 NⅠEs ASEAN

中 国 日本 NⅠEs ASEAN

中 国 日本 NⅠEs i駒

1986-1990

第 ii朋 1991-1995

iii期 1996-2000

iv期 2001-2003

経 済 成 長 率 - の 貢 :% ポ イ ン ト)

02. 04. 2 0. 0 9.

0 1. 1 _ 0 08. O 5. 0 0. 0 _ 5 05. 08. 0 0. -O 1. 輸 出 総 額 増 加 率 へ の

貢 献 (% ポ イ ン ト)

2 2. 3 _ 3 36. 3 2.

0 7. 1.良 2 _ 4 24. 04. 08. 10. 3 _ 4 -04. -0 i.

(皿) EU輸出増加率

FJIT輸 出増 加 率 (形)

i朔

1986- 1990中 国 23 9.

日本 21ー3

NIEs 28.8 ASEAN 1 212. 1991-1995中 国ii期

日本 -1L.l

NⅠEs 12 4. ASEAN l 15 1. 第 iii期

1996-2000中 国 168.

日本 24.

NⅠEs 5 7. ASEAN 6 7, 第 jv期

20(1- 2003中 国 2Z _ 5

日本 -18.

NIEs -03.

出 所 参 考 資 料 z bl

(注 )ア ジ ア各 国 へ の 輸 出額 か ら自国 の 輸 出 をの ぞ く Ta es

(Ⅱ) 対アメリカ輸出増加率

対 ア メ リカ輪 Elj増 加 寧 輸 出 稔嶺 増 加 率 へ の 経 済 成 長 率 - の 頁 (%) 貢 献 (% ポ イ ン ト) 秩 (% ポ イ ン ト)

第 上期- 1 0中 国 日本 NⅠ ASEAN

第 i9j1- 1 5中 国 NⅠ

日本 E ASEAN

ill 0中 匡l 日本 NⅠ ASEAN

iV期 -2 3 中 匡】

2 3

-2

Dー 0_

26. 0 7. 08. 02. 1 1. 12. 08. 0 1. 08, 0 7. 0 8. 0 2.

NⅠ - 0 7.

14. 2 5. 4 5, 2 7. 44. 18. 2 1. 3 5. 1 _

1 _ 13.

6 . 3 4.

0 . 10. 4 1

0

80. 68. 2 2. 3 6. 8 9. 6 1. _ 79. 08. 36. 59. 77. 64. 66. 47. 9 1 1 1 3

1 2

1 s

Es

Es

Es 9

9

0

0 9

9

0

0 2 6

- 6

1 8

9

0 9

9

9

0 1

1

1

2

諸国の域 内貿易が最終 的 にはアメ リカ,EU, 日本 とい う先進国 に向けて輸 出されているためである.つ ま りアジア諸国の域内貿易拡大 を主柱 とす る輸 出主導による経済成長は,同時 に域外 の対先進国輸出 ともに密接 に結 びつい ているのである.次 によ り詳細 に束 アジアの国々の域内輸出 と先進 国へ の輸 出が,それぞれ国の輸 出主導 による経済成長に どれだけ貢献 したか を見てみ よう.

E Es

図表- 7は東 アジアの国 々一 中国, E]本,NI ,ASAN- の (1)対 アジア 域内輸出,(2)対 ア メ リカ合衆 国 (3)対 EU の三地域へ の輸 出増加 の総輸出増 加へ の貢献度 と経済成長 (GDP)- の貢献度 を示 してい る. これ らの貢献

8 9 0

0 2

度の推移 をみ る と,各地域 での輸出増加 と経 済成長 との関係 は 1 6年か ら 3年の間にかな り変化 してい ることがわか る.

9 9 1 8

9 9 9

1 6年 か ら 200 -1 5年),第Ⅲ期 (

3年 まで を 第Ⅰ期 (

0 0

6年-2000年),第Ⅳ期 (2001年-2 3年) に分 8

9 1

( 6年-1 099年),第Ⅲ期 1991

(6)

66 現代軽骨経済研 究 第 3

ける と,第 Ⅰ期 と第 Ⅱ期の対アジア域 内輸 出額はいずれの国 も年率二桁の増 加 を示 し, まさにアジア域内貿易の興隆期 といえる. しか し対 アメリカ輸出 につ いてはすでに第 Ⅲ期 になると,第 Ⅰ期 は 6.%の増加率 であった 日本が8 6.10O/に減速 したほか,NIsも90E .%-と増加率が下がる.代 って AS AENが 第 Ⅰ期 の 170.%増か ら第 n期 には 1.790/へ と対 ア メ 1O )カ輸 出を少 し増や し た. この間に中国か らの輸 出増加率 は,第 Ⅰ期 の 180.%か ら第 [期 には 3. 8 9%へ と倍増する.

この期間のアジアの対 EU輸出の動向は,おおむね対 アメ リカ輸出の場合 と同 じようであった. 日本の対 EU輸出は第 Ⅰ期 に も213.%増 とその他の地 域へ の輸出増加の遜色のない高い伸びを示 している. しか し第 Ⅱ期になる と,

日本の対 EU輸出増加率 は 40.%へ と低下する. この期間中に対 EU輸出が, 持続的な拡大 を示 した国は中国だけであった.

アジア通貨危機に よる域 内需要の減退の影響 を受 けた第Ⅳ期のアジア各地 .%増 を 除 き 日本 が 2 E %, 域 の 域 内 輸 出 は,中 国 の 103 .0%,NIsが 5.3 ASEANが 76.%といず れ も一桁 の増加 に止 まった. また対 アメ リカ輸出や 対 EU輸出 も景気後退のグローバル化 を反映 し,第 Ⅲ期 よりも減速 した.

第Ⅳ期になるとアジア各地域の城内輸出は第 m期 に比べ て少 しは回復す る ちのの,プラス 15.1%と二桁増 を維持 したのは中国だけであった. さ らに 対ア メリカ及 び対 EU輸出増加率 は 日本,NIEs及び ASEAN のいずれ もが, 対前年比 はマイナスであった.今後 とも東アジア諸国が,これまでの ような 輸出主導による経済成長 を持続す るには域 内貿易の拡大 と共に対先進国市場 へのアクセスが大切である.

4.東アジア地域内貿易の構造変化と政策課藍

4.1 日本,中国,NIEs,及 び ASEAN の比較優位 と産業内貿易

これ までの多 くの研究は5,1985年以降の東アジア地域 内貿易の拡大 を通 じての高度成長 を `特別な政策の介入な しの比較優位 に則 した生産の分担が, 分業の利益 とい う収穫 をもた らした." と指摘 している.

研究 ノー ト :東 ア ジア地域 内貿易 の動 向 67

っ ま り日本や NIEsは資本集約 的で技術水準の高い部品の生産 をお こない, 次の工程である組立て生産のため には,労働が相対的に豊富 なASEANや中 国にそれらの部品を輸出 した.その後の完成品については,大半 を東 アジア 域内,或いは域外先進国に輸出 した.

既 に 指 摘 した よ う に,図 表- 7の 1985年 か ら 1990年 ま で の NIEs, ASEAN, E]本 な どの域 内貿易増加率が対 ア メリカ,対 EUの輸出増加率 を 上回っているのは,域 内での部品 と組み立て生産の工程間分業が盛んに行な わ れ た 事 を示 唆 して い る.そ の 一方 で,1990年 か ら 1995年 の NIEsと ASEAN の二桁 を超 える高 い村中輸出増加率が,輸出主導 に よるこれ らの国

の高成長 を可能 に した.

2001年以降 も,東 ア ジア域 内貿易 は高い対 中輸 出増加率 に よって拡大 を 続けてい る. しか しその一方 で, 日本,NIEs及び ASEAN の対 アメ リカ輸 出及び対 EU輸出はいずれ もマ イナスに転 じている.東 アジアの域外-の輸 出増加 の プロセス には,中国や ASEAN の中間部 品の域 内か らの輸 入 と加 工 ・組み立て後の輸出が大 きな役割 を果た した.従って今後の東 アジア域内,

または域外-の輸出の変化 を予測するためには,域内各国の比較優位や分業 パター ンの変化 を知 る事が大切である.

顕在化 した比較優位"の変化 を予測す る手がか りになるの は Revealed co aaieAdatgmprtv vnae ( A)分析 である・参考資料 3RC で は 1895年,1995 午,2001年の各年について,ア ジア諸国の 60品 目の RCA指数 6Jを計測 し ている.そ こで本稿 では, この RCA指数分析 をもちいて,2000年以降 も依 然 として域外輸出が プラスの中国を中心 に,今後の NIEs,ASEAN の比較優 位の変化が域内貿易 にどの ような影響 を与 えるかについて考 える・

例 えば中国が組み立てのための部品生産 (componentsproduction)に比較 優位 を持つ ようにな り,国内での部品生産が可能になれば,域内国か らの輸 入は次第に減 るか もしれない.つ まり域内貿易の拡大や縮小は,域 内各国の 比較優位の変化 を反映す る.次 に図表- 8の RCA分析 か ら東 ア ジアの国々 の 1985年.1995年,2001年 の 60貿易品 目の うちに占め る,部品の生産用

(7)

68 現代軽骨経 済研 究 3

図表- 8 東アジア諸国の RCA指数が 1以上の商品が60貿易品目の中で占 める比率(%)(1985, 1995, 2001年)

部品の生産 組み立て生産

(Cmponents) Assembly)

中国 1 6.7 1ー17 2 香 港 18.3 2.3

.0

3 2

1 イ ン ドネ シア 0.0 5 436..73 1.583.33 1

マ レー ンア 8.3 1.50 1 ,3 2 シ ンガポー ル 20.0 23 台湾 20.0 3.17 2

198年 5 lTm 6 2001 0.0 中国 41.7 55.0 53.3 3.3

0.0 イ ン ドネシア 65.0 55.0 63.3 日本 3.3 8.3 21.7 6

55..70 韓 国 25.0 41.7 33.3 8.3 マ レー シア 53.31 45.0 433 フ ィ リピン 38.3 50.0 317 0.0 シンガポール 36_7 40.0 383 8.3 台湾 13_3 35.0 31.7 タイ 33.3 55.0 58.3 (1〕サ ンプ ル敬は 60品 目

(注 2)各国 の部品生 産の RCA指数 につ いて は 当該 国の輸 出額,組 み立て 生産の 指数 につ い ては当該 国輸入額 を もちいた.

(3)RevealedComparativeAdvantage(RAC)指 数の算出 と考 え方 ; 1.RCAP=〔Ljjl/Ⅹj- x J〔w /X 〕w ×100

部品生産の場 合 (Ⅹ■輸 出 i j:商品 W :世界) 2.RC - mi/Mj 〔 Aa 〔 j - mw /Mw〕 j ×100

組 立生産の場合 (m :輸 入 J'国 j:商品 W:世界) 3.RCA指数の考 え方

1回 が j財 に比較優 位 を もつ 理 由 には,労働 や 資本 が相対 的 に豊富 で あ る とか優 れ た技術 を 持 って い る とか さ ま ざ まな理 由が 考 え られ る.そ こで,い ま i国 の j財 につ い ての輸 出 ( 入)比 率 が世界 (W)の j財 につ いて の輸 出 (輸 入)比 率 を上 回 り,1式 .或 い は 2式 .の RCA 蒋 数が 1を超 える とき, i国の j財につ いての比較優 位が 傾 在化 一したため と仮定す る.

- 8の吉相lJ例か ら具体 的 に各回の~比 較優 位 "とそ の変化 の 考え方 を説明す る と, まず 国別 の部品生産或 い は組 み立 て生 産 に比較偉位 を持つ か をみ るため に各国 の SITC4桁分類 の商 品群 の RCA指数 を求め る.次 に 当該指数 が 1を超 え る商 品群 の輸 出或 い は輸入 が 当該国の 60品 目の輸 出 ・輸入 に 占め るシェアー (%Jを求 め,`顕在化'した】比較庫位 'を示す と考 える.

た とえば,1995年 に束 ア ジアで最 も資本が相対的 に豊富 かつ優 れた技術 を持つ 日本は,RCA 指数が 1を超 える輸出 (比較優 位の財)は 60品 目の なかで,部品の生産 をお こなう品 目の場合 560O/を超 え る. Lか L組 み 立 て生 産 に投 入 され る労働 は豊富 とは言 え ない の で.同 じ年 に RCA指 数が lを超 える品 目の輸入 (比較卿 立の財)は 60品 目の なかで組 み立て生産 の ため の 品 目の 8.3%に過 ぎなか った.

出所 参 考資料 3 Table 19.1

(cmpnrt rdcino oelpouto)の比 重 roo/) と組 み 立 て生 産用 ( e l pr-assmbyoea tino)の比重 (鶴) をみてみ よう.

図表- 8を見 ると東 アジア諸 国の中で部品の生産 について,2001年に最 RCA指数が 1を超 え る.つ ま り顕在化 された比較優位 を もつ商品が多 かったのは 日本で, 56.7%である. しか しアジア域内で最 も賃金の高い 日本 では組み立て生産は もはや行 なわれず, RCA指数が 1を超 える商品は僅か

研 究 ノー ト :東 アジア地域 内貿 易の動向 69

20%程度 である.2001年に東 アジア域内で組 み立て生産の RCA指数が 1を超 える商品の比率が高かったのは,イン ドネシアが 63%,タイが 58% , マ レーシアが 433%. であった.

図表- 8の中で, 1985年か ら2001年の間に RCA指数の変化が最 も顕著 な国は中国である.1985年に中国は部品生産について RCA指数が 1を超 え, っ ま り比較優位がある商品は,わずかに 60品 日中の 7%以下であった・ し か し2001年になると20%について比較優位 をもつ ようになる・このような 2001年 の部品生産 についての中国の RCA指数の水準 は, NIEsRCA指数 に匹敵す る.ちなみ に 2001年の RCA指数 はシ ンガポールが 20%,香港が 23%,台湾が 28%,韓国が 15%であった.

中国のい まひ とつの特徴 は, NIEsの国々がいずれ も国内での賃金上昇に ょり,2001年 に RCA指数が 1を超 える品 目の比重 は,組み立て生産 につい ては 30%台 に止 まって いるのに,中国の場合 は 1985年の 41%か ら53% と更に上昇 している事である.つ ま り中国は組み立て生産での比較優位 を保 ちなが ら部品生産での比較優位 をもつ品 目の比重 も増 えている・

今後の東アジアの域内及び域外貿易の動向を予測するのに,各国の産業内 貿易 の動向 も有力 な手がか りとなる.ベ ネル ックス関税 同盟や EECといっ たヨーロッパ地域統合で域内の関税 .非関税障壁が引 き下げ られたのを契機 に,同一産業分類 内での製品が輸出されると同時に輸入 される産業内貿易の 拡大は,経済成長の牽引車 となった.当時の 日本貿易の特徴 は資源輸入額が 断然大 きく, これ と表裏一体の製品輸入の少 なさは市場閉鎖性のあ らわれで

# ある と非難 された7).

& しか し当時の 日本 について も,筆者の計測結果 によると8)対 NIEsの産業

内貿易指数 は 1970年か ら1980年にかけて特 に繊維,電気横械 精密機械 の三産業で顕著 な上昇 を示 している.1970年代後半 か ら本格化 した 日本企 業のアジアへ の進出 とM Es諸国の工業化 などが, 日本の産業内貿易指数 を 上昇 させたのであった.

今後,東アジアの国々が,部品の生産 と組み立て生産にそれぞれの比較優

参照

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