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論文の内容の要旨 氏名:石

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Academic year: 2021

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論文の内容の要旨

氏名:石 井 大 雄

専攻分野の名称:博士(医学)

論文題名:HBV感染肝癌細胞PLC/PRF/5細胞へのHBV遺伝子組み込みの解析

ウイルスの感染は発癌の必須要因の一つと考えられている。過去に HBV 感染患者より発生した多くの 肝細胞癌において、HBV-DNAのヒトゲノムへの組み込みが報告されており、発癌において重要な役割を 果たしていると考えられているが、発癌に繋がる機構については不明な点が多い。本研究では、HBV-DNA のヒトゲノムへの挿入と発癌の関連を解明する一助として、ヒト原発性肝癌から樹立されたPLC/PRF/5 胞に注目し、既存の手法であるAlu-PCRに加え、新たに次世代シークエンサー(NGS)を用いたシークエ ンスキャプチャー法を用いてPLC/PRF/5細胞のHBV-DNAのヒトゲノムへの組み込みの詳細な解析を行 った。

南らの方法に従い、AluプライマーとHBxプライマーを用いたAlu-PCR法により増幅された断片の塩 基配列を決定した結果、5番染色体(TERT遺伝子プロモーター領域上流2409bp)上と11番染色体(SAC3D1 遺伝子内)上にHBV-DNAの組み込みを確認できた。

さらなる詳細な解析を行うために、NGS を用いたシークエンスキャプチャー法での解析を行った。

PLC/PRF/5細胞ゲノム上に3番、4番、5番、8番、10番、11番、12番、13番、16番、17番染色体上 10箇所の染色体上に計30箇所のHBV-DNAの組み込みを検出し、5番染色体と13番染色体のHBV- DNAの組み込み部位においての転座も検出した。この明らかになった組み込み部位において3番、5番、

11番、13番、17番染色体上のHBV-DNAの組み込まれた領域は、NGSで得られた塩基配列に基づき設 計したプライマーを用いたPCRによりその領域を増幅することができた。このDNA断片の塩基配列をサ ンガーシークエンス法で決定することで、HBV-DNAと宿主ゲノムDNAとの正確な境界領域を確定した。

シークエンスキャプチャー法で検出したHBV-DNAの組み込み部位は、サザンブロット法での報告および 渡辺らの報告、全てを含んでいた。渡辺らに検出されなかった13番染色体上への組み込みも確認できてお り、シークエンスキャプチャー法の優位性が示された。さらに、シークエンスキャプチャー法は今後臨床検 体に対してもHBV-DNA挿入の検索に優れた手法でありHBVによる発癌においての研究の一助となると 考えられる。

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