スジアラ種苗生産技術開発
企画・栽培養殖部 研究員 堀内 智矢
<生産結果>
⑤稚魚
④仔魚
③ふ化仔魚
②受精卵
①親魚養成
種 苗 生 産 の 流 れ
<現状と課題>
課 題
表面張力 による 浮上斃死
仔魚が水槽の 底に沈む 沈降斃死
生物餌料の切 り替え不調に
よる斃死 生物餌料の切
り替え不調に よる斃死
成長差による 小型個体の 摂餌不良・共食い
成長差による 小型個体の 摂餌不良・共食い
疾病の発 生による
斃死 疾病の発
生による 斃死 現
状
親魚の更新や殺菌水の 使用により
1
億粒/
年の採 卵が実現した。適正な餌料系列や通気量の把握等により,
万単位での生産が可能になったが,年により 生産尾数にばらつきがあり,安定的な量産に は至っていない。
<検討結果>
<目標> 大型水槽での量産
(飼育水槽容量 1t 当たり 800 尾の実現= 60t 水槽 2 面で 96 千尾)
(※他のハタ科魚類で有効との報告あり)
目的:オイルの添加により,水面に油膜を作り,浮上斃死を防ぐ 方法:ふ化直後から日齢
10
ごろまで7
〜12ml/
槽・日 添加目的:底水流を作り,沈降した仔魚をとばし,沈降斃死 を防ぐ
方法
:
① 注水及び水中ポンプの配管を水槽底面に設置②配管に直径2㎜の穴を開け,水平方向(時計回 り)及び鉛直方向に注水
③水槽底面に緩やかな水流が発生 自家採卵
の実現 自家採卵
の実現
卵内寄生 虫対策 卵内寄生
虫対策
良質卵の 安定的な
採卵 良質卵の 安定的な
採卵
①皮膜オイルの使用 ②水中ポンプによる底水流発生
【令和元年度まで】 【令和2年度】
P P P
P
P P
注水 注水
底層注水
→
鉛直上方 底層注水→
鉛直下方 底層注水(1ヵ所)+水中ポンプ(3ヵ所)・ 令和2年度は親魚が感染症を発症し,26尾中14尾斃死。7月20日以降産卵が見 られなかったため,自家産受精卵による生産試験が実施できず,水産研究・教育 機構水産技術研究所八重山庁舎より受精卵の提供を2回(7月,8月)受けて生産
・ 1R:ふ化直後の斃死により日齢7で生産中止
・ 2R: 60t水槽1面で1,245尾を生産(7日齢生残率:8.4%)
0 50 100 150 200 250 300
14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30元
採卵数(百万粒)
年度
※
令和2年度:親魚の産卵不調<考察>
令和2年度は,親魚の採卵不調により受精卵提供を受けて生産を実施したが,提供受けた受精卵が産卵時期終盤のものであ り,初期生残率も悪かったことから卵質に問題があった可能性が示唆された。このため,令和2年度の検討事項の有効性を評価 することはできなかった。令和3年度は親魚に対し,十分な疾病対策をとり,自家産受精卵を安定的に確保するとともに,令和2年 度の手法を再度検証することを目標としたい。
※令和2年度は7日齢生残数,生残率を計数
水槽 収容卵数
(千粒) ふ化 仔魚数
(千尾) 10日齢 生残数 (千尾)
10日齢 生残率 (%)
生産尾数
(千尾)
60t-① 756 600 10 1.7
60t-② 814 642 21 3.2
60kl-① 600 660 81 12.2
60kl-② 600 564 108 19.1
60kl-① 570 388 126 32.5
60kl-② 570 300 24 8.0
H30 1R 60kl-① 700 514 56 10.9 38
R元 3R 60kl-① 630 527 66 12.5 22
R2 2R 60kl-① 780 96 8 8.4 1
H29 1R 28
H27 2R 21
H28 2R 52
表 令和2年度及び過去5カ年の生産結果