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市民参加による防災の街づくり

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Academic year: 2021

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(1)

E視点ヨ  

市民参加による防災の街づ<り  

田 島 秀 夫   

「天災は忘れた頃にくる」とは、物理学者で随筆家の寺田寅彦の今日なお示唆に富む警   世的な言葉である。この言葉に集約されている災害論の真意は過去の災害の教訓をいかし   きれない人間の対応を分析している。  

1923年9月1日の関東大震災から既に77年も経過した。70年周期説や東海大地  

震に備えての観測や避難訓練など凡人には心落ち着かない日々である。   

殊に、1995年1月17日の阪神・淡路大震災以降、芸予地震、三宅島雄山の噴火、  

富士山の活動の徴候などいろいろと災害の危険の心配はつきない。   

大震災の被害は、大きく直接被害と間接被害に大別される。直接被害は、地震動とそれ   に引き続く火災や地滑りなどによってもたらされる被害をいい、間接被害はその直接被害   が社会経済的に連鎖することによってもたらされる被害をいう。人的被害でいうと、家屋   倒壊による圧死や市街地火災による焼死は直接被害、被災生活のなかでの病死や孤独死は   間接被害に区分される。   

そこで、阪神・淡路大震災の場合の人的被害についてみると、1998年1月現在で死  

者行方不明6,433人、負傷者43,773人となっている。そのうち、直接被害の圧死  

や焼死は5,506人で家屋の倒壊による死者が圧倒的に多く9割を占め、市街地の火災に   よる死者が少なかったのが特徴である。因みに関東大震災の焼死者は7割と多かった。こ   の貴重な経験から、大震災の場合でも家屋の倒壊を防ぐことができれば大部分の圧死は免   れることができると思われる。   

朝日新聞がアメリカ連邦政府の緊急事態管理庁(FEMA)が提唱している「災害に強い   街づくり作戦」について報道している。   

シアトル市では、専門家による指導を受ければ、耐震補強ができるシステムを、受講料  

10ドルで導入している。その効果があり、今年2月28日にマグニチュード6.8の大   地震が襲ったが、市内の約1,500棟が壊れ、407人が負傷したが、たった1人の死者  

であった。また、FEMAは「災害は神のわざ。個人の責任ではない」という思想のもと、  

「家屋修理援助」など、多くの経済的支援をしているという。   

さて、日本の場合は関係諸官庁ならびに地方公共団体は防災の街づくりに鋭意努力され   ているが、市民を避難訓練、参加させる場面だけでなく、前述のアメt」カのように自分の   

(2)

家(財産)は自分の手で守るというの方向に誘導する必要があると思われる。  

Eたじま ひでお]  

E(財)土地総合研究所 常務理事]   

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