研 究 開 発
授 業 シ ス テ ム 使 用 体 験 記
加 藤 清 史 * 、 石 川 聖 二 * 、 玉 木 明 和 *
l。 は じ め に
九 州 工 業 大 学 関 係 者 す べ て が 待 ち 望 ん だ 大 学 院 博 士 課 程 の 発 足 と と も に 工 学 部 の 学 科 が 改 組 さ れ 、 カ リ キ ュ ラ ム も 一 新 さ れ た 。 一 方 、 工 学 部 付 属 情 報 処 理 教 育 セ ン タ ー も 情 報 工 学 部 の 教 育 と 研 究 の 支 援 を も 加 え て 全 学 共 同 利 用 の 情 報 科 学 セ ン タ ー に 生 ま れ 変 わ り 、 計 算 機 シ ス テ ム もM E L C O Mから IB Mへ と 更 新 さ れた。
従 来 、 制 御 を 含 め て 電 気 系 の 各 学 科 の 1年 生 に 通 年 で 毎 週2時 間 行 な っ て き た
「 計 算 機 通 論 ・ 同 演 習 」 が 、 制 御 は2年 前 期 、 電 気 大 学 科 に は 1年 後 期 に 毎 週4 時 間 で 実 施 す る こ と に な っ た の を 機 会 に 、 毎 週 1回 を 思 い 切 っ て 端 末 講 義 室 、 端 末 演 習 室 を 使 用 し た 演 習 に あ て る こ と を 試 み た 。 セ ン タ ー の 皆 さ ん や シ ス テ ム を 開 発 し て い る I B Mの 担 当 者 に 迷 惑 を か け な が ら の 半 年 で あ っ た が 、 そ の 体 験 を 紹 介 し て 、 よ り よ い シ ス テ ム の 開 発 と 、 こ れ か ら 使 用 を 考 慮 さ れ て い る 方 の 参 考に資したい。
2。 目 論 み と 現 実
実 施 前 に 考 え た の は 、 こ れ ま で にN E Cの パ ー ソ ナ ル コ ン ビ ュ ー タ P C‑ 9 8 0 0上 で 作 っ て き た 論 理 回 路 や 計 算 機 工 学 の 学 習 を 支 援 す る プ ロ グ ラ ム が10本 近 く あ る の で 、 そ れ を 順 次 I B Mの パ ー ソ ナ ル コ ン ピ ュ ー タ ヘ 移 植 し て い く こ と であった。
筆 者 等 は こ れ ま で に も マ イ ク ロ ソ フ ト (I)系 の BAS I Cの プ ロ グ ラ ム を 異 機 種 間 で 移 植 し た 経 験 が あ り 、 移 植 を 支 援 す る プ ロ グ ラ ム の 用 意 も あ っ た の で そ れ ほ
ど 困 難 な 作 業 で は な い と 思 わ れ た 。 実際、 N E CもI B Mも マ イ ク ロ ソ フ ト 系 のBAS I Cを採用している。
と こ ろ が 移 植 を 始 め て み る と 予 想 以 上 に 困 難 な こ と が 分 か っ て き た 。
まず、 I B Mで は ラ ベ ル が 使 え な い が 、 こ れ は 他 機 種 へ の 移 植 で も あ っ た 事 な の で 、 ラ ベ ル を コ メ ン ト に 変 え 、 ラ ベ ル の 参 照 は 行 番 号 の 参 照 に 変 え る プ ロ グ ラ ム に よ っ て 解 決 で き た 。
* 工 学 部 電 気 工 学 科
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最 大 の 問 題 は デ ィ ス プ レ イ の 表 示 画 面 で あ っ た 。 N E Cで は グ ラ フ ィ ッ ク 画 面 と テ キ ス ト 画 面 と が 別 々 に 用 意 さ れ て お り 、 独 立 に 操 作 で き る の に 対 し て 、 I
B Mで は 画 面 は 1面 だ け な の で 、 グ ラ フ ィ ッ ク 画 面 上 に 文 字 を 重 ね て 書 く と き は 特 別 注 意 が 必 要 で あ っ た 。
ま た 、 グ ラ フ ィ ッ ク 画 面 の 精 細 度 の 違 い も あ り 、 N E C ‑ P C上 で グ ラ フ ィ ッ ク を 多 用 し た プ ロ グ ラ ム は 簡 単 に は 移 植 で き な い こ と が わ か り 、 ほ と ん ど 最 初 か ら 書 き 直 す こ と に な っ た 。
3. I B M上 の プ ロ グ ラ ム 3. 1 移 植 し た プ ロ グ ラ ム
表 1参照。
3. 2 書 き 直 し た プ ロ グ ラ ム
表
2参照。こ の ほ か 移 植 作 業 中 の も の に 、 Quine‑McClusky法 に よ る 簡 単 化 、 Karnough図 に よ ろ 簡 単 化 、 順 序 回 路 の 状 態 圧 縮 な ど が あ る 。
4. プ ロ グ ラ ム ・ ダ ウ ン ロ ー ド と BA S I C起 動 の 手 順
わ れ わ れ の 作 製 し た BA S I Cの プ ロ グ ラ ム は ホ ス ト 計 算 機 の 授 業 シ ス テ ム で 確 保 さ れ た 加 藤 教 官 の フ ァ イ ル の ひ と つ に 登 録 し て お き 、 演 習 で 使 う と き は 端 末 に ダ ウ ン ロ ー ド し 、 端 末 を ロ ー カ ル モ ー ド に 切 り 替 え て BAS I Cを 起 動 す る と い う 方 法 を 採 っ た 。 フ ロ ッ ビ ー デ ィ ス ク 等 に よ る 方 法 も 考 え ら れ た が 、 最 新 版 を 早 く 供 給 で き る 点 、 マ ス タ ー ・ プ ロ グ ラ ム が 1個 に 確 定 で き る 点 で 優 れ て い る 。
プ ロ グ ラ ム を ダ ウ ン ロ ー ド す る に は 、 ま ずC M Sに ロ グ ・ オ ン し 、 図1の 手 順 で 教 官 フ ァ イ ル に ア ク セ ス す る 準 備 を す る 。 次 に 端 末 の 画 面 を 切 り 替 え て 、 ロ ー カ ル ( パ ー ソ ナ ル ・ コ ン ピ ュ ー タ ) モ ー ド に ロ グ ・ オ ン し 、 P C ‑ D O S (プ ロンプト E:¥> で 確 認 で き る ) か ら 図 2の よ う にR E C E I V Eコ マ ン ド に よ っ て プ ロ グ ラ ム を 転 送 す る 。 こ こ で 、 フ ァ イ ル 名 1は 端 末 側 に で き る フ ァ イ ル の も の で 、 フ ァ イ ル 名2が 教 官 フ ァ イ ル 側 の も の で あ る 。 フ ァ イ ル 名2が 正 し く な か っ た り 、 通 信 回 線 に 異 常 が 生 じ た り す る と 転 送 に 失 敗 す る が 、 そ の と き で も 端 末 に フ ァ イ ル 名1の フ ァ イ ル が つ く ら れ る の で 、 転 送 中 の メ ッ セ ー ジ に は 気 を つ け る こ と が 大 事 で あ る 。
同 一 時 間 内 に 複 数 の プ ロ グ ラ ム を 使 い た い と き は BA S I Cを 起 動 す る 前 に つ づ け て 転 送 を 済 ま せ て 置 く の が よ い 。
4. 1 グ ラ フ ィ ッ ク を 使 わ な い 場 合
P C ‑ D O Sから B A S I C + R E T U R NでBA S I Cを 起 動 し 、 フ ァ イ ル 名 1の プ ロ グ ラ ム を L O A Dし、 R U Nさせればよい。
4. 2 グラフ'ィックを使う場合
B A S I C起 動 前 にP C ‑ D O Sから G C S C I P L / T + R E T U R Nと 入 力 し て 「 端 末 モ ー ド を 終 了 し て よ い で す か (y/ N ) 」 の 質 問 に Y " と答え てしばらく待ち、 P C ‑ D O Sの プ ロ ン プ ト が 出 て か ら 上 の 4. 2と 同 じ 手 順 で
B A S I Cを起動する。
こ の 場 合 、 全 面 キ ー + 終 了 キ ー で 画 面 を 切 り 替 え る こ と が で き な く な る の で プ ロ グ ラ ム の 転 送 や 受 講 シ ス テ ム を 利 用 す る に は 、 再 度 端 末 の 立 ち 上 げ か ら や り 直 すことになる。
5. ア ン ケ ー ト に み る 学 生 の 反 応
l 9 8 9年2月l8日 、 演 習 の 最 終 日 に 図3の 用 紙 に よ っ て ア ン ケ ー ト を 実 施 して 69枚 の 回 答 を 得 、 集 計 し た 結 果 を 図4に示す。
6. 授 業 ・ 受 講 シ ス テ ム ヘ の 要 望 思 い 付 く ま ま に 幾 つ か 書 い て み る 。
(1) 端 末 使 用 状 況 は 学 生 の 固 有 IDで も 拾 い あ げ て ほ し い 。
C M Sへ の ロ グ ・ オ ン に は 受 講 IDを 使 う よ う に と の わ れ わ れ の 指 導 が 徹 底 しなかったため、学生は殆ど固有 •I Dを使用していた。 こ の た め 授 業 シ ス テ ム の 端 末 使 用 状 況 、 学 生 利 用 実 績 機 能 が 有 効 に 利 用 で き な い で し ま っ た 。
学 生 に 授 業 毎 に 異 な る IDを 使 わ せ る の は 検 討 の 余 地 が あ る と 思 う 。 も し シ ス テ ム の 変 更 が 困 難 な ら ば 、 次 回 か ら は 受 講 登 録 を す る 際 に 、 パ ス ワ ー
ド を 覚 え 易 い も の に さ せ る な ど の 指 導 を 徹 底 す る 必 要 が あ る 。 (2) 電 子 メ ー ル 機 能 を 利 用 し た レ ポ ー ト シ ス テ ム を 提 供 し て 欲 し い 。
提 出 、 添 削 、 再 提 出 な ら び に こ れ ら の 総 合 管 理 が で き る 優 れ た レ ポ ー ト シ ス テ ム を 授 業 ・ 受 講 シ ス テ ム と 一 緒 に 使 え た ら い い な と 痛 感 し た 。 優 秀 な レ ボ ー ト はF Dに 保 存 、 ほ か は 一 定 期 間 後 教 官 の 指 示 に よ り 消 去 す る な ど の 機 能 を 持 た せ た ら よ い と 思 う 。
7. お わ り に
わ ず か 半 年 の 試 用 で あ り 、 準 備 も 不 十 分 で 今 後 に 多 く の 課 題 を 残 す こ と に は な っ た が 、 演 習 の 時 間 は 端 末 の 操 作 を 勉 強 し た り 、 プ ロ グ ラ ム の デ バ ッ グ を し な が ら 、 楽 し く 過 ご さ せ て い た だ け た と 思 う 。 情 報 科 学 セ ン タ ー の み な さ ん 、 I B M の 関 係 者 、 そ れ に 昭 和 6 3年 度 の 電 気 工 学 科 1年 生 及 び 二 部 電 気 工 学 科 2年 生
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の 諸 君 に 感 謝 の 意 を 表 明 し て 終 わ り と し た い 。
註 (1)マ イ ク ロ ソ フ ト ビ ル ・ ゲ ー ツ が 創 設 し た 会 社 で 、 I B Mの パ ー ソ ナ ル ・ コ ン ピ ュ ー タ の た め の0 S、PC‑DOSを 開 発 し た こ と で 有 名 に な り 、 こ れ が
1 6ビ ッ ト バ ー ソ ナ ル ・ コ ン ビ ュ ー タ の 標 準 的 な0 S、M S ‑ D O Sへ と 発 展 し た。 それ以前、 8ビ ッ ト パ ー ソ ナ ル ・ コ ン ピ ュ ー タ 時 代 に 発 表 し た B A S I C イ ン タ ー プ リ タ が 多 く の パ ー ソ ナ ル ・ コ ン ビ ュ ー タ に 採 用 さ れ て 、 マ イ ク ロ ソ フ
ト系B A S I Cと 呼 ば れ て い る 。
LINK TB360402 492 555 R R ENTER READ PASS
りORO:
R ; T=0.01/0,01 13:37:51 ACC 555 Z
Z (555) RIO
R ; T=0.01/0.01 1 . 3 : 3 8 : 0 7
①
②
@
図 1 ア ク セ ス 手 順
① , ② , @ を ユ ー ザ が 入 力 す る 。
た だ し 、 ② は バ ス ワ ー ド の た め 入 力 し た 部 分 は 表 示 さ れ な い 。
ー
←
←
E:¥>RECEIVE CAil.BAS CAil BAS Z [ (
TRANSOl フ ァ イ ル 転 送 コ マ ン ド を 開 始 し ま す
TRANS02 転 送 さ れ て い る フ ァ イ ル の 転 送 済 バ イ ト 数 TRANS03 フ ァ イ ル 転 送 が 完 了 し ま し た 。
E;¥>
===>
1 2 名 名
ルル
イ イ
ア ア
フ フ
④
18160
図 2 転 送 ( 受 信 ) ア ク セ ス 手 順
④ を ユ ー ザ が 入 力 す る 。
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表 1 移 植 し た プ ロ グ ラ ム
ブ ロ グ ラ ム 名 内 容
C A I 1 基 数 変 換 の 説 明 と 演 習 C A I 2 符 号 化 1 0 進 数 の 説 明 と 演 習 C A l 3 2 進 数 と 1 6 進 数 の 説 明 と 演 習 C A I 4 補 数 に よ る 負 数 の 表 現 の 説 明
C A I 6 補 数 に よ る 負 数 の 表 現 の 説 明 と 演 習
表
2 書 き 直 し た プ ロ グ ラ ム プ ロ グ ラ ム 名
C A I 6 CAl7 CAI8 CAI9
CAILGCP
内 容
論 理 式 と 論 理 回 路 の 説 明
組 み 合 わ せ 回 路 と 順 序 回 路 の 説 明 論 理 式 と 論 理 回 路 の 例 題
論 理 式 と 関 数 表 の 演 習
論 理 回 路 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン
* 計算機通論.演習アンケート* Q 1. 演習プログラムの内容の難易度は,どうでしたか?(全体的な感想を答えて下さい,以下の質問も同様です) 1.易しい 1.適切 1.適切
2. やや易 Q2. 演習プログラムの内容はどうでしたか? 2.普通
3.晋通4.やや難 3.やや不適切4.不適切 Q3. プログラム中の図や文章の表示は適切でしたか? 2.普通3.やや不適切4.不適切
5.難しい 5.わからない 5.わからない
53ーー
Q4.解答の人力方法(キーポード入力の操作性)はどうでしたか? 1.良かった2. まあ良い3.わからない4.余り良くない5.悪い Q5.演習プログラムはあなたの学習に役立ちましたか? 1.非常に役立った2. まあ役立った3.役に立ったかどうかわからない4.ほとんど役に立たなかった 5.役に立たなかった Q 6.計算機通論の学習に演習プログラムが必要だと思いますか? 1.必要2.まあ必要3.わからない4.不必要
已=
H燐汁神民粛料 2呻~
Q7.演習プログラムについての感想,要望,苦情,疑問等があれば書いて下さい.
f章抱苓柿tv
ヽー
1989.8
ご協力ありがとうございました. 情報機器講座 図3アンケート内容
* 計算機通給・演習 アンケート 集計結果*
Q1.演習プログラムの内容の難易度は,どうでしたか?
(全体的な感想を答えて下さい,以下の質問も同様です〉
1.易しい 2,やや易 3.普通
4人 8人 38人
5.8% l l. 6X 55.1% Q2.演習プログラムの内容はどうでしたか?
1.適切
1 4人 20.双
2.普通
34人 49.3%
3.やや不適切
1 1人 15.9%
Q3.プログラム中の図や文章の表示は適切でしたか?
1.適切 2.普通 3.やや不適切
1 9人 32人 1 0人 27.5% 46.4% 14.5%
4.やや難
1 5人 2 1. 7X
4,不適切
2人 2.9%
4.不適切
4人 5.8%
Q4.解答の入力方法(キーポード入力の操作性)はどうでしたか?
1.良かった 2.まあ良い 3,わからない
7人 37人 1 1人 10,2% 53.6% 15.9t
Q5.演習プログラムはあなたの学習に役立ちましたか?
1.非常に役立った 2.まあ役立った 3.役に立ったかど うかわからない 1 0人 41人 1 3人
14.5% 59.4% 18,8%
Q6.計算機通論の学習に演習プログラムが必要だと思いますか?
1.必要 2.まあ必要
36人 19人 50. 7% 27.5%
3,わからない
1 0人 14.5%
4.余り良くない
1 1人 15.9%
4.ほとんど役に立 たなかった
3人 4. 4X
4,不必要
5人 7.3%
5.難しい
4人 5.8%
5.わからない
8人 11.6%
5.わからない
4人 5.就
5.懸い
3人 4. 4t
6.役に立たなかっ た
2人 2.9%
Q7.
演習プログラムについての感想.要望,苦情,疑間等があれば書いて下さい.1 . BUG
をなくしてから演習させて欲しい. (5
人) 2.演習前の準偏(プログラムのロード)で手間取る. (2人)3.
receive命令がうまくいかないときが多すぎる.1度l o go n
に失敗すると立ち直れない.4.操作性が悪い.
(A)キー入力の改善
(B)解答の入力方法を明確に (C)解答の入力方法を簡潔に
(ex.)数値, YORNのみの入力で済めばよい 6.プリントアウトを簡単にできるようにして欲しい.
6.もっと演習問題の量を増やして欲しい.
7,先生の説明がよくわからない.
8. (2/18に実施したシミュレータの)マニュアルが欲しかった.
9.講義に演習プログラムが合っていない.
1 0.演習の内容は易しいが講義の内容は理解するのが難しい.
1 1.効果音が欲しい.
1 2.もっとおもしろいプログラムを作って欲しい.
1 3.難しい.
1 4. 2/18に実施した演習プログラムはすこ いと思った.
1 6.授業の復習をすることができてよかった.
1 6.
演習をすることでわかることがいっぱいあった.回
4
アンケート結果‑55‑
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