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(1)

海 外 で臨床試験 を受 けた稀少難病児 をもつ の特徴 と支援の検討

家 族

久保   恭 子 D,田   知 恵 子 の ,及   裕 子の

〔 論文要旨〕

日本在住の稀少難病児の家族 3組 に ,海 外で治験に参加 した際に抱えた問題を明らかにし ,家 族の特 徴 と必要な支援を検討 した。問題 として [情 報の混乱によるあせ り ],[治 験に参加する以外に選択の余 地がないという ,追 いつめられ感],[日 本との文化 慣習の違いに驚 く],[情 報の不足による動揺],[言 葉の問題に困億 ],[治 験に参加することの疲労 ],[希 望が通らないことへの不満 ],[プ ラセボの可能性 があることへの落胆 ]の 8つ があつた。特徴 として ,治 験であっても酵素補充療法は症状の改善に効果 があるかもしれないと期待をもって参加 してお り ,支 援 として ,国 内在住時期から海外での治験参加の 期間 ,こ れらの背景を理解 したうえで包括的な治験コーデイネーターの必要性が示唆された。

Key words:稀 少難病児の家族 ,海 外 ,臨 床試験 ,抱 いた問題点 ,家 族の特徴 ,支 援方法

と ,日 本 での患者 数が300名 か ら400名 と報告 さ

I.は じ め に

れてお り,稀 少難病 ム コ多糖症 と呼 ばれてい る。

小児医療 の進歩 に伴 い ,子 どもの死亡率 は低    2001年 に特定疾患治療計画事業 ,小 児慢性特定 くなる一 方 で ,長 期 間 にわた る治療 や障害 を持     疾患治療計画事業 ,更 生 医療 の対象 とな り ,ま

つ子 どもが増加 し ,現 在 は疾患 の治癒 や救命 の     た ,難 病 ネ ッ トワー ク ,育 成 医療給付 事業 な ど みならず ,子 どもや家族の生活の質の向上への     の施策の利用が可能となった。その意味で患者・

支援 も小児看護に求められている。 しかし ,こ     家族の医療費の負担軽減 ,医 療の確立・普及が のような状況の中でも ,疾 患がわかっても治療     すすめられ ,医 療側からは治療法の確立に向け 方法が確立されておらず ,た だ対症療法のみで     ての努力が行われている。

短 い人生 を終 える子 どもとそれ を支 える家族 も 2004年 か ら,新 たな治療方法の確 立のため に

,

お り ,彼 らは生活の質の向上はもちろんのこと ,   米国にてムコ多糖症の中の Hunter(Ⅱ 型 )を 治療方法の確立や自分たちの存在について ,多     対象に ,酵 素補充療法の臨床試験 (以 下 ,治 験

くの人 に知 つて欲 しい と強 く願 ってい る Lの 。 とする )が 実施され ,日 本人の Hunter(Ⅱ 型

)

著者 らは 2004年 か ら日本におけるムコ多糖代     の患者 4名 も含 む世界各国か ら 94名 の患者が参 謝異常症 (以 下 ,ム コ多糖症 )の 患者 と家族の     加 した。この治験は ,二 重盲検試験であ り ,薬

支援 を行 ってい る。 この疾患 は専 門医 に よる     物投与群 (毎 週投与群 ・隔週薬剤投与 )と 偽薬 究

Features of Fanlilies with Children with Rare lntractable Diseases who Participated Clinical Trial of Ⅳ ledicine and Consideration of Ways to Provide Support

Kyoko KuBo, Chieko TAZAKI, Yuko OIKAWA

l)埼 玉医科大学保健医療学部看護学科 (看 護師 /研 究職

)

2)共 立女子短期大学看護学科 (看 護師 /研 究職

)

3)埼 玉県立大学看護学科 (助 産師 /研 究職

)

別刷請 求先 :久 保恭子   埼 玉 医科大学保健 医療 学部看護学科   350‑1241埼 玉県 日高市 山根 1397‑1 Tel:042‑984‑4924  Fax:042‑984‑4804

〔 1955〕

受イ 寸  07. 8.10 採用 07.11.7

vvvvvvvvvvvvvvvv  研    究 vvvvvvvvvvvvvvvv

海外で臨床試験を受けた稀少難病児をもつ 家族の特徴と支援の検討

久保 恭子ユ),田崎 知恵子2),及川 裕子3)

〔論文要旨〕

 日本在住の稀少難病児の家族3組にt海外で治験に参加した際に抱えた問題を明らかにし,家族の特 徴と必要な支援を検討した。問題として[情報の混乱によるあせ切,[治験に参加する以外に選択の余 地がないという,追いつめられ感],[日本との文化・慣習の違いに驚く],[情報の不足による動揺],[言 葉の問題に面戸],[治験に参加することの疲労],[希望が通らないことへの不澗,[プラセポの可能性 があることへの落胆]の8つがあった。特徴としてi.治験であっても酵素補充療法は症状の改善に効果 があるかもしれないと期待をもって参加しており,支援として,国内在住時期から海外での治験参加の 期間,これらの背景を理解したうえで包括的な治験コーディネーターの必要性が示唆された。

Key words:稀少難病児の家族,海外,臨床試験,1抱いた問題点,家族の出訴支援方法

Lはじめに

 小児医療の進歩に伴い,子どもの死亡率は低 くなる一方で,長期間にわたる治療や障害を持 つ子どもが増加し,現在は疾患の治癒や救命の みならず。子どもや家族の生活の質の向上への 支援も小児看護に求められている。しかし,こ のような状況の中でも,疾患がわかっても治療 方法が確立されておらず,ただ対症療法のみで 短い人生を終える子どもとそれを支える家族も おり.彼らは生活の質の向上はもちろんのこと,

治療方法の確立や自分たちの存在について,多 くの人に知って欲しいと強く願っている112)。

 著者らは2004年から日本におけるムコ多糖代 謝異常症(以下,ムコ多糖症)の患者と家族の 支援を行っている。この疾患は専門医による

と.日本での患者数が300名から400名と報告さ れておil ,稀少難病ムコ多糖症と呼ばれている。

2001年に特定疾患治療計画事業,小児慢性特定 疾患治療計画事業,更生医療の対象となり,ま た,難病ネットワーク,育成医療給付事業など の施策の利用が可能となった。その意味で患者・

家族の医療費の負担軽減,医療の確立・普及が すすめられ,医療側からは治療法の確立に向け ての努力が行われている。

 2004年から,新たな治療方法の確立のために,

米1国にてムコ多糖症の中のHunter(1[型)を 対象に,酵素補充療法の臨床試験(以下,治験

とする)が実施され,日本人のHunter(皿型)

の患者4名も含む世界各国から94名の患者が参 加した。この治験は,二重盲検試験:であり,薬 物投与群(毎週投与群・隔週i薬剤投与)と偽薬

Features of Families with Children with Rare lntractable Di$e,ases who P:anicipated Clinical Trial of Medicine and Consideration of Way$ te Provide Support

Kyoko KuBo, Chieko TAzAKi, Yuko OiKAwA

1)埼玉医科大学保健医療学部看護学科(看護師/研究職)

2)共立女子短期大学看護学科(看護師/研究職)

3)1埼玉県立大学看護学科(助産師/研究職)

別刷請求先:久保恭子 埼玉医科大学保健医療学部看護学科      Tel:042-984-4924 Fax:042-984-48ca

   C1955)

受付07.8.10 採用07,11.7

〒350-1241埼玉県日高市山根1397-1

(2)

30

投 与 群 の 3群 に分 けて実施 され ,結 果 と して

,

特記 すべ き副作用 もな く ,米 国で は2006年 7月 に新薬 品 として承 認 された。

今 後 ,稀 少 難 病 の治療薬 の開発 にお いて は

,

日本 国内のみでの治験 ではな く ,今 回の ように 海外 へ 出 向 い て の治験 へ の参加 の可 能性 もあ る。本研 究では米 国にて ,治 験 に参加 した児 の 家族 が抱 えた問題点 を明 らか に し ,家 族 の特徴

と必要 な支援 を検討 したので ,報 告 す る。

Ⅱ .対 象者 と研 究方法

対 象者 は米 国 にて ,治 験 を受 けた児 の家族

,

3組 で あ り (表 1),調 査 期 間 は2005年 10月 か ら 12月 であった。対象者 は家族単位 で渡米 の準 備 ,渡 米 を してお り ,渡 米前 に 日本 での情報交 換 な どは行 ってい なか った。対象者の うち ,2

名 は同 じ施設 にて治験 を受 けたが ,1名 は他施

設 にて治験 を受 けていた。調査方法 は半構造化 面接法 を用 いて ,米 国での治験参加 に関す る間 題点 な どを中心 に ,当 時 を想起 して 自由に語 つ て もらった。面接 はすべ て著者 らが行 い ,場 所 は対 象者 の 自宅 ,も し くは近 くの ホテ ルの ロ ビーで実施 した。面接 の内容 は許可 を得 てボイ ス レコー ダーに録音 した。デー タの逐語録 を起 こす ことか ら始め ,調 査対 象者が語 つた内容 を 意味や構造 を切 り捨 てることな く ,い かせ る よ うに配慮 した。 逐 語 録 を文章 ご とに切 り ,KJ

法 を取 り入 れ ,類 似 した内容 をまとめ ,意 味 を 圧 縮 した。 KJ法 とは ,川 喜 田二 郎氏 が生 み 出 した創造的問題解 決の技法で ,収 集 された情報 を類似 している内容で グループ化 してい くもの で あ る 30。 信 頼 性 ,妥 当性 を高 め るた め に分 析 にあた り ,小 児 看護学 ,母 性看護学 ,質 的研 究の専 門家 にア ドバ イス を もらった。倫理 的配 慮 と して ,対 象者 に研 究 の 目的 ,個 人情報 の守 秘 な どを説明 し ,書 面 にて同意 を得 た。

表 1  対象者の属性

小 児 保 健 研 究

Ⅲ .結     果

治験 に参加 を決めてか ら帰 国す るまでに抱 え た家族 の問題 を時期 に よって整理 し ,表 にまと

め た (表 2〜 4)。 面 接 に よ り得 られ た意 味 内 容 か ら ,家 族 の抱 えた問題 は上位 カテ ゴリー 8 項 目 ,中 位 カテ ゴリー 19項 目 ,下 位 カテ ゴリー 24項 目が抽 出 された。上位 カテ ゴリー を [ ], 中位 カテ ゴ リー を < >,下 位 カテ ゴリーであ る対象者 の語 った内容 (コ ー ド)を「   」とした。

この うち ,上 位 カテ ゴ リー を時間軸 にあわせて 図 1に 示 す。治験 に参加 す る前 は [情 報 の混乱 に よるあせ り ],[治 験 に参加 す る以外 に選択 の 余 地 が ない とい う ,追 いつ め られ感 ],渡 米後 は [日 本 との文化 。慣 習の違 い に驚 く ],[情 報 の不足 に よる動揺 ],治 験 に参加 中は [言 葉 の 問題 に困億 ],[治 験 に参加す ることの疲労],[希 望が通 らない ことへ の不満 ],[プ ラセ ボの可能 性 が あ るこ とへ の落胆 ]が あ った。それぞれの 時期 の問題点 について説明 を してい く。

1.治 験に参加することが決定 してから, 日本 を出 発するまでの問題

[情 報 の混乱 に よるあせ り ]で は「 アメ リカ に到 着 して ほ しい とい う 日が コ ロ コ ロ変化 し た」 とい う <到 着 の 日程 が よ く変更 された >,

「治験 に参加 す るにあ た り ,必 要 な書類 が わか

らなか った」 とい う <渡 米 に必要 な書類の準備 がで きない >,<わ か らない こ とが多い >な ど

,

正確 な情報が入 らない ことで ,家 族 は精神的に あせ りを感 じていた。 [治 験 に参加 す る以外 に 選択 の余地が ない とい う ,追 いつめ られ感 ]で

は「 アメ リカ行 きを 1歯 んでいた ら『日本 にいて

,

子 どもが死 んで も良いのか』 といわれた。 (略

)

日本 にいて も治療 はで きない。治験 であって も 酵素補充療法 を受 け られ る可能性があれば ,行

くしか ない と思 った」 とい う必死 の思 いがあっ た (表 2)。

2.渡 米直後の問題

[日 本 との文 化 コ慣習 の違 い に驚 く ]で ,「 治 験 開始 の前 に契約 書 み た い なの を書 い た。 日本 とは違うなあって感 じた」という文化・慣習の 違いについて驚 きを感 じていた。 [情 報の不足 対象者の健康状態 児の年齢

A B C

母親50歳 父親40歳 母親36歳

良好 良好 良好

歳 歳 歳

2︲

6 7

s o

投 与 群 の 3 群 に 分 け て 実 施 さ れ , 結 果 と し て , 特 記 す べ き 副 作 用 も な く , 米 国 で は 2 0 0 6 年 7 月 に 新 薬 品 と し て 承 認 さ れ た 。

  今 後 , 稀 少 難 病 の 治 療 薬 の 開 発 に お い て は , 日 本 国 内 の み で の 治 験 で は な く , 今 回 の よ う に 海外へ出向いての治験への参加の可能性もあ

る 。 本 研 究 で は 米 国 に て , 治 験 に 参 加 し た 児 の 家 族 が 抱 え た 問 題 点 を 明 ら か に し , 家 族 の 特 徴 と 必 要 な 支 援 を 検 : 討 し た の で , 報 告 す る 。

皿 . 対 象 者 と 研 究 方 法

  対 象 者 は 米 国 に て , 治 験 を 受 け た 児 の 家 族 , 3組であり(表1),調査期間は2005年10月か ら 1 2 月 で あ っ た 。 対 象 者 は 家 族 単 位 で 渡 米 の 準 備 , 渡 米 を し て お り , 渡 米 前 に 日 本 で の 情 報 交 換 な ど は 行 っ て い な か っ た 。 対 象 者 の う ち , 2 名 は 同 じ 施 設 に て 治 験 を 受 け た が , 1 名 は 他 施 設 に て 治 験 を 受 け て い た 。 調 査 方 法 は 半 構 造 化 面 接 法 を 用 い て , 米 国 で の 治 験 参 加 に 関 す る 問 題 点 な ど を 中 心 に , 当 時 を 想 起 し て 自 由 に 語 っ て も ら っ た 。 面 接 は す べ て 著 者 ら が 行 い 、 場 所 は対象者の自宅,もしくは近くのホテルのロ ビ ー で 実 施 し た 。 面 接 の 内 容 は 許 可 を 得 て ボ イ ス レ コ ー ダ ー に 録 音 し た 。 デ ー タ の 逐 語 録 を 起 こ す こ と か ら 始 め , 調 査 対 象 者 が 語 っ た 内 容 を 意 味 や 構 造 を 切 り 捨 て る こ と な く , い か せ る よ うに配慮した。逐語録を文章ごとに切り,KJ 法 を 取 り 入 れ , 類 似 し た 内 容 を ま と め , 意 味 を 圧縮した。KJ法とは,川喜田二郎氏が生み出

し た 創 造 的 問 題 解 決 の 技 法 で , 収 集 さ れ た 情 報 を 類 似 し て い る 内 容 で グ ル ー プ 化 し て い く も の である躍。信頼性,妥当性を高めるために分 析 に あ た り , 小 児 看 護 学 , 母 性 看 護 学 , 質 的 研 究 の 専 門 家 に ア ド バ イ ス を も ら っ た 。 倫 理 的 配 慮 と し て , 対 象 者 に 研 究 の 目 的 , 個 人 情 報 の 守 秘 な ど を 説 明 し , 書 面 に て 同 意 を 得 た 。

表 1   対 象 者 の 属 性

一   ,

対 象 者 の 健 康 状 態 児 の 年 齢

A B C

母 親 5 0 歳 ヰ e 4 0 歳 齔 e 3 6 歳

良 好

ヌ好 ヌ好

2 1 歳

U 歳 V 歳

小児保健研究

皿 . 結 果

  治 験 に 参 加 を 決 め て か ら 帰 国 す る ま で に 抱 え た 家 族 の 問 題 を 時 期 に よ っ て 整 理 し , 表 に ま と めた(表2~4)。面接により得られた意味内 容 か ら , 家 族 の 抱 え た 問 題 は 上 位 カ テ ゴ リ ー 8 項 目 , 中 位 カ テ ゴ リ ー 1 9 項 目 , 下 位 カ テ ゴ リ ー 2

4 項 目 が 抽 出 さ れ た 。 上 位 カ テ ゴ リ ー を [ ] , 中 位 カ テ ゴ リ ー を 〈   〉 , 下 位 カ テ ゴ リ ー で あ る 対 象 者 の 語 っ た 内 容 ( コ ー ド ) を 「 」 と し た 。 こ の う ち , 上 位 カ テ ゴ リ ー を 時 間 軸 に あ わ せ て 図 1 に 示 す 。 治 験 に 参 加 す る 前 は [ 情 報 の 混 乱

に よ る あ せ り ユ , 1 [ 治 験 に 参 加 す る 以 外 に 選 択 の 余 地 が な い と い う , 追 い つ め ら れ 感 ] , 渡 米 後

は [ 日 本 と の 文 化 ・ 慣 習 の 違 い に 驚 く ] , [ 情 報 の 不 足 に よ る 動 揺 コ , 治 験 に 参 加 中 は [ 言 葉 の 問 題 に 困 懲 ] , [ 治 験 に 参 加 す る こ と の 疲 労 ] , [ 希 望 が 通 ら な い こ と へ の 不 満 ] , [ プ ラ セ ポ の 可 能 性 が あ る こ と へ の 落 胆 ] : が あ っ た 。 そ れ ぞ れ の 時 期 の 問 題 点 に つ い て 説 明 を し て い く 。

1

. 治 験 に 参 加 す る こ と が 決 定 し て か ら , 日 本 を 出   発 す る ま で の 問 題

  [ 情 報 の 混 乱 に よ る あ せ り ] で は 「 ア メ リ カ に到着してほしいという日がコロコロ変化し た 」 と い う く 到 着 の 日 程 が よ く 変 更 さ れ た 〉 ,

「 治 験 に 参 加 す る に あ た り , 必 要 な 書 類 が わ か ら な か っ た 」 と い う く 渡 米 に 必 要 な 書 類 の 準 備 が で き な い 〉 , 〈 わ か ら な い こ と が 多 い 〉 な ど , 正 確 な 情 報 が 入 ら な い こ と で , 家 族 は 精 神 的 に あ せ り を 感 じ て い た 。 [ 治 験 に 参 加 す る 以 外 に 選 択 の 余 地 が な い と い う , 追 い つ め ら れ 感 ] で は 「 ア メ リ カ 行 き を 悩 ん で い た ら 『 日 本 に い て , 子 ど も が 死 ん で も 良 い の か 』 と い わ れ た 。 ( 略 )

日 本 に い て も 治 療 は で き な い 。 治 験 で あ っ て も 酵 素 補 充 療 法 を 受 け ら れ る 可 能 性 が あ れ ば , 行 く し か な い と 思 っ た 」 と い う 必 死 の 思 い が あ っ た ( 表 ) 2 。

2

. 渡 米 直 後 の 問 題

  [ 日 本 と の 文 化 ・ 慣 習 の 違 い に 驚 く ] で は , 「 治 験 開 始 の 前 に 契 約 書 み た い な の を 書 い た 。 日 本

と は 違 う な あ っ て 感 じ た 」 と い う 文 化 ・ 慣 習 の

違 い に つ い て 驚 き を 感 じ て い た 。 [ 情 報 の 不 足

(3)

表 2  治験 に参加することが決定 してか ら出発 までの問題

上位カテゴリー 中位 カテ ゴ リー 情報の混乱 に   至 1着 の 日程が よく変更 され

よるあせ り    た

アメリカに到着 して欲 しい とい う日が コロコロ変化 し ,航 空券 を予約するのが大変 だった。

話が どん どんかわって , 3月 までに渡米すればいい といわれたのに ,次 2月 に く

るようにって。結局 2月 中旬 にビザが下 りて ,4日 後 にアメ リカに行 った。

渡米 に必要 な書類の準備 毎 日電話があって ,募 集人数が決 まっているか ら,す ぐに準備 をするようにいわれ

,

パスポー トとビザを準備 した。大阪か東京のアメリカ大使館 に直接連絡 を して ,事 情 を話 して ,早 急 にパスポー ト他 を準備 した。 ビザは嘆願書 を出 して どうにかなっ た。

ビザは製薬会社か ら証明書がない とだめ といわれたが ,大 使館 に面接 に行 って ,理 由を説明 した。不足 している書類 は ,ア メリカに行 ってか らファックスで送るとい うことで OKが もらえた。

わか らないことが多い 1月 下旬に参加が可能 といわれ ,は や くアメリカに来るようにいわれた。

早 くビザ を取 らない と…。 もろ もろの連絡 もアメリカとは時間が正反対。電話 はつ なが らない。メールでや り取 りだけだけ ど ,質 問に返事が 1週 間かかる。 ビザ ? 飛行機 ?  住 む ところは ?  わか らない ことだ らけ。

治験 に参加す る以外 ,選 択 の余地がない とい う追い詰 め られ感

治験参加 にあた り ,家 族の 調整 ,仕 事の調整が短時間 で行わねばならなかった

正社員で働いていたのだが ,治 験に参加するためにはアメリカで 1年 間生活するこ とになる。きょうだいの子 どもはどうする ?  仕事はどうする ?  家族はどうす る ?  もう ,な にこれ ?  って感 じ。でも ,い くしかない。

早 く行 つて しまお う 早 く ,相 手の気が変わらないうちに行こうという感 じ。 (製 薬会社が来なくていい と言わないうちに渡米 してしまおう

)

治験 をする しかない K大 学の先生 には ,プ ラセボだった ら困るで しょ,や めたほうがいいといわれた り。

で も ,日 本 にいて ,ほ っておいて も治療はで きない。骨髄移植 は危険す ぎる。インター ネッ トで調べて も ,移 植 を して成人になる人が どの位いるのか,  とい う感 じ。そ う 思 った ら ,い くしかない ,選 択の余地はない と思 つた。治験であって も酵素補充療 法 を受け られる可能性があれば ,行 くしかない。

表 3  渡米直後 の問題 上位カテゴリー     中位 カテゴリー

日本 と の 文   治験参加の契約書 にサイン 化 ・慣習の違   をした

いに驚 く

治験開始の前に契約書みたいのを書いた。日本とアメリカではアメリカの方が契約 が重要な感 じだった。日本とは違うなあ〜と感 じた。

情報の不足 に   治験 を受ける前 に検査があ よる動揺     り ,ク リア しない と治験 に 参カロ がで きない。 この こと は知 らなかった。

(最 初 )ノ ースカロライナの専門病院に ,一 度集 まって詳 しい検査 をうけた。人間 ドッ グみたいな肺活量 ,レ ン トゲ ンとかムコ多糖症の検査みたいな ,関 節 を上げた りの 検査があった。それは毎回やるような感 じ。最初の検査で治験 に参加で きるか どう かが決 まった。アメリカに行 けば ,す ぐに治験が受けられると思 つていたか らびっ

くりした。

アメリカに着いたら ,翌 日から ,検 査。朝早 くからの検査で ,そ の時 ,検 査に通過 しないと日本へ帰ってもらうといわれた。もう ,聞 いていないことばかり。え―と か ,は ―― ?  とかいうそんなことばか り。驚きばつかりだつた。だんだんなんだ か ???  という感じ。

スケジュールは看護師が封書で預けておいて くれた。英語なのでまった く ,わ か ら ない。

次の 日 ,病 院へ。看護師が待 っていて くれた。通訳が きた。

あわてたのが ,治 験 を受けるのに ,検 査があるということ。

歩行検査 と肺活量。低 い数値 より上 にあれば ,日 本 に帰 つて もらうといわれた。ほ ん と ,あ わてた。

に よる動揺 ]で は,「 治験 の前 に検査 があって

,

その検査 の結果で治験 に参加がで きるか決 まっ た。 アメ リカに行 けば ,す ぐに治験 が受 け られ る と思 ってい たか らびっ くりした」,「 (検査 の 結 果 に よっては )日 本 に帰 って もらう といわれ てあせ った」 な どの <治 験 を受 け る前 に検査 が

あ り ,  ク リア しない と治験参加 がで きない。 こ の こ とは知 らなか った >と い う情報不足へ の 1責

りが語 られた (表 3)。

3.治 験に参加中の問題

[言 葉 の問題 に困億 ]で は「通訳が医師で (医 表2 治験に参加することが決定してから出発までの問題

上位カテゴリー 中位カテゴリー コード

情報の混乱に 到着の日程がよく変更され よるあせり  た

アメリカに到着して欲しいという日がコロコロ変化し,航空券を予約する.のが大変 だった。

話がどんどんかわって,3月までに渡米すればいいといわれたのに,次に2月にく るようにって。結局2月中旬にビザが下りて.4日後にアメリカに行った。

渡米に必要な書類の準備 毎日電話があって,募集人数が決まっているから,すぐに準備をするようにいわれ,

パスポートとビザを準備した。大阪か東京のアメリカ大使館に直接連絡をして,事 情を話して,早急にパスポート他を準備したbビザは嘆願書を出してどうにかなっ

た。

ビザは製薬会社から証明書がないとだめといわれたが,大使館に面接に行って,理 由を説明した。不足している書類は,アメリカに行ってからフ?ックスで送るとい うことで.OK:がもらえた。

わからないことが多い 1月下旬に参加が可能といわれ,はやくアメリカに来るようにいわれた。

早くビザを取らないと…。もろもろの連絡もアメリカ.とは時間が正反対。電話はつ ながらない。メールでやり取りだけだけど,質問に返事が1週間かかる。ビザ?

飛行機? 住むところは? わからないことだらけ。

治験に参加す る以外,選択 の余地がない という追い詰 められ感

治験参加にあたり,家族の 調整,仕事の調整が短時間 で行わねばならなかった

正社員で働いていたのだが,治験に参加するためにはアメリカで1年記生活するこ とになる。き.ようだいの子どもはどうする? 仕事はどうする? 家族はどうす る? もうtなにこれ? って感じ。でも,いくしかない。

早く行ってしまおう 早くt相手の気が変わらないうちに行こうという感じ。(製薬会社が来なくていい と言わないうち.に渡米してしまおう)

治験をするしかない K大学の先生には、プラセポだったら困るでしょ,やめたほうがいいといわれたり。

でも,日本にいて,ほっておいても治療はできない。骨髄移植は危険すぎる。インター ネットで調べてもs移植をして成人になる人がどの位いるのか,という感じ。そう 思ったら,いくしかない,選択の余地はないと思った。治験であっても酵素補充療 法を受けられる可能性があれば,行くしかない。

表3 渡米直後の問題

上位カテゴリー 中位カテゴリー コード

日本との文 治験参加の契約書にサイン 化・慣習の違 をした

いに驚く

治験開始の前に契約書みたいのを書いた。日本と.アメリカではアメリカの方が契約 が重要な感じだった。日本とは違うなあ~と感じたひ

情報の不足に よる動揺

治験を受ける前に検査があ り,クリアしないと治験に 参加ができない。このこと は知らなかった。

(最初)ノースカロライナの専門病院に,一度集まって詳しい検査をうけた。入間ドッ グみたいな肺活量,レントゲンとかムコ多糖症の検:査みたいな,関節を上げたりの 検査があった。それは毎回やるような感じ。最初の検査で治験に参加できるかどう かが決まった。アメリカに行.けば,すぐに治験が受けられると思っていたからびっ

くりした。

アメリカに着いたら,翌日から,検査。朝早くからの検査で,その時,検査に通過 しないと日本へ帰ってもらうといわれた。もう,聞いていないことばかり。え一と か,は一一? とかいうそんなことばかり。驚きばっかりだった。だんだんなんだ か??? という感じ。

スケジュ・一一ルは看護師が封書で預けておいてくれた。英語なのでまったく,わから ない。

次の日,病院へ。看護学が待っていてくれた。通訳がきた。

あわてたのが,治験を受けるのに,検:査があるということ。

歩行検:査と肺活量e低い数値より上にあれば,日本に帰ってもらうといわれた。ほ んと.あわてた。

による動揺]では,「治験の前に検査があって,

その検:査の結果で治験に参加ができるか決まっ た アメリカに行けば,すぐに治験が受けられ ると思っていたからびっくりした」,「(検査の 結果によっては)日本に帰ってもらうといわれ てあせった」などのく治験を受ける前に検査が

あり,クリアしないと治験参加ができない。こ のことは知らなかった〉という情報不足への憤

りが語られた(表3)。

3.治験に参加中の問題

 [言葉の問題に困億]では「通訳が医師で(医

(4)

小 児 保 健 研 究

表 4  治験 に参加 中の問題

上位カテゴリー     中位 カテ ゴ リー コー ド

言葉の問題 に   英語が話せ る人がいること 困億       が参加の条件

むこうの条件で ,英 語の話せる人が来ること ,  というのがあって ,妹 が少 し話せた ので妹に来てもらった。参加の条件で ,英 語が話せる人がいるということだつた。

4か 月に 1回 ,主 人 (児 の父親 )が 最初 ,ノ ースカロライナの先生から電話をもらっ て英語ではなして ,そ れから ,4か 月に 1回 という条件で来てもらったんです。

通訳 はボ ラ ンテ ィア 日本人の T先 生の奥 さんに通訳で毎回病院に来ていただいた。ボランテイアで。

通訳 に不信感がある 通訳が もと医師で知識があつて ,プ ラスアルファの知識 を入れて通訳 して くれるか ら ,治 験 の医師が本当に何 を言 つているのか ,わ か らない。

通訳 を雇用する 絶対に英語ができないとだめ。でも ,い くと決めていた。向こうで通訳を雇ってで も

Vヽ

く。

通訳 の壁 直接話がで きない とい う環境。通訳 ,ス ケジュールはナースが組む。医者 はサイン

をするだけ。人事のように物事 を監視 しているだけ。通訳は看護師に話 して ,そ こ か ら看護師がスポンサーに話す という二重の壁がある。回答が くるまでに 2つ の壁。

疲れる。

治験 に参加す   治験の実施 に時間がかかる ることの疲労

治験 は 1週 間に 1回 で ,点 滴で薬 を入れます。だいたい か 3時 半 に帰 ります。点滴 には 5時 間位かか ります。

1

9時 に病院に行 って 3時 日掛か りで大変だつた。

病院に到着 して 1時 間準備 ,3時 間投与 ,1時 間毎にバ イタルサインを測定 した。 朝

,

8時 にはいる。平均 8時 間病院にいる。

医療手技 に問題がある     点滴が下手。見ているの もかわいそ う。子 どももぐった りする し ,こ っちも疲れる。

点滴が入 らない。励 ますのにも限界がある。

希望が通 らな いことへの不 満

検査結果 を教 えて くれない   病院にいって ,検 査 を受けて ,結 果 を次回までの書面に してほ しい とい うのに ,何 回いって もくれない。

ビデオ撮影ができない     ビデオをとっていたのだが ,大 事なところはビデオを切つてくれという。ビデオを 切れっていうことはなにか怪 しいことがあるのかという感 じ。

治験 中断への恐怖 医療者に意見を して帰 って くれ といわれては困る。強 くいつたらそ うなるのではな いかと思って。アメリカ人はす ぐに切れる。治験 をやめてっていわれたらこまって

しまう。い うが まま ,  なすが まま ,耐 える しかない とい う感 じだった。

プ ラセボの可   プ ラセ ボで はないのか 能性 が あ る こ

とへ の落胆

副作用はなかった。な くてがっか りとい うの もある。プラセボだつたのではないか。

生食。改善方向 じゃないので ,入 っていない と気がついた。

学 の )知 識が あ って ,プ ラスアル ファの知識 を 入 れて通訳 して くれ るか ら ,治 験 の医師が本 当

に何 を言 ってい るのかわか らない」,「 直接 (医 師 と )話 がで きない とい う環境。スケジュール はナースが組 む。通訳 は看護 師に話 を して ,そ こか ら看護師がスポ ンサーや医師に話す という 二重の壁がある。回答が来るまでに 2つ の壁。

疲れる」 とい う <通 訳 に不信感がある >こ とや

<通 訳の壁 >に 家族は困窮 していた。 [治 験 に 参加することの疲労 ]で は「点滴 には 5時 間 ぐ らいかか ります。 1日 がか りで大変だった」 ,「 点 滴が下手。何度 も刺 されて ,み ているの もかわ

いそう」 ,「 子 どもを励 ますにも限界がある」 と いう <治 験の実施に時間がかかる >,<医 療手 技に問題がある >と いったことが家族に疲労 を 与 えていた。 [希 望が通 らない ことへ の不満 ]

では ,「 (検 査の )結 果 を書面に して欲 しい とい

うのに ,何 回いって もくれない」 ,「 大事 なとこ ろ (場 面 )で はビデオを切って くれ という。 (略

)

なにか怪 しいことがあるのか とい う感 じ」 ,「 医 療者に意見 をして (日 本 に )帰 って くれといわ れては困る。 (略 )言 うが まま ,な されるが まま

,

耐 える しかない という感 じだった」などの <検

査結果 を教 えて くれない >,<ビ デォ撮影がで きない >,<治 験 中断への恐怖 >が 家族の不満 につなが っていた。 [プ ラセボの可能性がある ことへの落胆 ]で は「副作用はなかった。な く てがっか りとい うの もある。プラセボだつたの ではないか。 (子 どもの症状が )改 善方向では ないので ,(薬 が )入 っていない と気がついた」

というプラセボの可能性が家族に落胆 を与えて いた  (表 4)。

32 小児保健研究

表4 治験に参加中の問題

上位カテゴリー 中位カテゴリー コード

言葉の問題に 英語が話せる人がいること 字母     が参加の条件

む.こうの条件で,英語の話せる人が来ること,というのがあって,妹が少し話せた ので妹に来てもらった。参加の条件で,英語が話せる人がいるということだった。

4か月に1回t主人(児の父親)が最初,ノースカロライナの先生から電話をもらっ て英語ではなして,それから,4か月に1回という条件で来てもらったんです。

通訳はボランティア 日本人のT先生の奥さんに通訳で毎回病院に来ていただいた。ボランティアで。

通訳1不信感がある 通訳がも.と医師で知識があって,プラスアルファの知識を入れて通訳してくれるか ら,治験の医師が本当に何を言っているのか,わからない。

通訳を雇用する 絶対に英語ができないとだめ。でも/T もいく。

いくと決めていた。向こうで通訳を雇ってで

通訳の市 域戯話ができないという環境。通訳,スケジュールはナ■・一一スが組む。医者はサイン をするだけ。人事のように物事を監視しているだけ。通訳は看護師に話して,そこ から看護師がスポンサーに話すという二重の壁がある。回答がくるまでに2つの壁。

疲れる。

治験に参加す ることの疲労

治験の実施に時間がかかる 治験は1週間に1回で,点滴で薬を入れます。だいたい.9時に病院に行って3時 か3時半に帰ります。点滴には5時.間位かかります。1日掛かりで大変だった。

病院に到着して1時間準備,3時間投与,工時間毎にバイタルサインを測定した。朝,

8時にはいる。平均8時間病院にいる。

医療手技に問題がある 点滴が下手。見ているのもかわいそう。子どももぐったりするし,こっちも疲れる。

点滴が入らない。励ますのにも限界がある。

希望が通らな いことへの不 満

検査結果を教えてくれない 病院にいって,検査を受けて,結果を次回までの書面にしてほしいというのに、何 回いってもくれない。

ビデオ撮影ができない ビデオをとっていたのだが,大事なところはビデオを切ってくれという。ビデオを 切れっていうことはなにか怪しいことがあるのかという感じ。

治験中断への恐怖 医療者に意見をして帰ってくれといわれては困る。強くいったらそうなるのではな いかと思って。アメリカ人はすぐに切れる。治験をやめてっていわれたらこまって

しまう。いうがまま,なすがまま,耐えるしかないという感じだった。

プラセポの可 能性があるこ とへの落胆

プラセポではないのか 副作用はなかった。なくてがっかりというのもある。プラセポだったのではないか。

生食。改善方向じゃないので,入っていないと気がついた。

学の)知識があって,プラスアルファの知識を 入れて通訳してくれるから,治験の医師が本当 に何を言っているのかわからない」,「直接(医 師と)話ができないという環境。スケジュール はナースが組む。通訳は看護師に話をして,そ こから看護師がスポンサーや医師に話すという 二重の壁がある。回答が来るまでに2つの壁。

疲れる」というく通訳に不信感がある〉ことや く通訳の壁〉に家族は困窮していた。[治験に 参加することの疲労]では「点滴には5時間ぐ らいかかります。1日がかりで大変だった」,「点 滴が下手。何度も刺されて,みているのもかわ いそう」,「子どもを励ますにも限界がある」と いうく治験の実施に時間がかかる〉,〈医療手 技に問題がある〉といったことが家族に疲労を 与えていた。[希望が通らないことへの不満]

では,「(検査の)結果を書面にして欲しいとい

うのに,何回いってもくれない」,「大事なとこ ろ(場面)ではビデオを切ってくれという。(略〉

なにか怪しいことがあるのかという感じ」,.「医 療者に意見をして(日本に)帰ってくれといわ れては困る。(略)言うがまま,なされるがまま,

耐えるしかないという感じだった」などのく検 査結果を教えてくれない〉,<ビデオ撮影がで

きない〉,〈治験中断への恐怖〉が家族の不満 につながっていた。[プラセポの可能性がある ことへの落胆]では「副作用はなかった。なく てがっかりというのもある。プラセポだったの ではないか。(子どもの症状が)改善方向では ないので,(薬が)入っていないと気がついた」

というプラセポの可能性が家族に落胆を与えて

いた(表4)。.

(5)

Ⅳ .考     察

1.参 加者の特徴

参加者 の特徴 として ,治 験 であ って も酵素補 充療 法 を受 け られ ,症 状 の改善があ るか もしれ ない とい う期待 を もって参加 していた ことであ る。 これは ,日 本 で は対症療法 しか な く ,今 後 の 人生 や生命 に対 す る望 みが もて ない家 族 に とって「藁 を もつかむ思い」であったのではな い だろ うか。家族 は治験 の参加 の決定 について

,

本 来 の治験 の 目的 よ りもわが子 の症状 の改善 に 期待 が集 中 し,冷 静 な判断 にややか けた段 階で

,

参加 に飛 びついた とい う可能性 もあ る。

川井 は神経 ・筋疾患 な どの患者数が少 ない疾 患 の国内における全 国的ネ ッ トワークを通 して の治験 の取 り組 みの必要性 についての課題 を述 べ てい るう。今後 ,さ らに患者 数 の少 ない稀 少 難病 の治験 で は世界 的 なネ ッ トワー クを活か し た治験 の実施が求 め られる。

2.必 要な支援の検討

今 回の結果か ら ,家 族 は出国前 か ら治験参加 中の全期 間で情報 の混乱 や不足 に よる動揺 ,怒

りを感 じていた。 また ,英 語が理解 で きない こ

図 1  海外で治験 を受ける子 どもと家族の持つ問題点

と ,通 訳 を介 して の 医療 者 との コ ミュニ ケ ー シ ョンであ ったため ,さ らに精神 的 に困窮 を し ていた。日本 で は1998年 よ り,治 験 コーデ ィネー タ ー (Clinical Research Cordinator以 下 CRC¥)

の養 成 が始 ま り ,主 と して ,治 験 実 施 施 設 に て ,治 験 の進行 をサポー トす るス タッフとして 活躍 してい る。具体 的 な活動 として ,治 験 の参 加予定期 間 ,イ ンフォーム ドコンセ ン トの同意 や説明 ,参 加者 の こころのケア ,医 学 的判 断 を 伴 わ ない被 験 者 に関 わる相 談 や精神 的 なケ ア

,

治験 が 円滑 に行 われ る ような事務 的業務 ,参 加 者 のスケ ジュール管理 や治験 に携 わるチームの 調整 ,被 験者が負担す る費用 の内容が ある。今 回 ,参 加者全員が渡米後 に ,こ れ らの内容 につ いて説 明 を受 けていた。渡米 をす る とい うこと だ けで も経済的 な負担 や疾患 を持つ子 どもに大 きな身体 的負担 となる。今後 ,こ の ような重要 な説 明は 日本 国内で ,参 加者が十分 な情報 を得 て ,参 加 を決定で きるような配慮が必要である。

そのためにも ,稀 少難病児 とその家族の心理 を

CRCな どの専 門家が よ く理解 を し ,丁 寧で繰 り返 し説明を行い ,患 者 と家族が冷静 に判断で きる状態 まで ,イ ンフォーム ドコンセ ン トを繰 り返す必要がある。

治 験参加決 定から出国前

親の抱える間遡点

/’

  剣 ^

情朝の温瓦によ各あせり1

1

伽派妃による勧撮   /引 ^

II

讐の問殖に田億 1

治験に魯書する以外,選訳の象地が

」r_叶いという.追い肪められ磁  一一

_森搬醐剰

,本、愈瞬驚、

,        一

@   治験に加す巻こどの報労/

無望が通らないことへの扇蘭

IV.考

診断時

1.参加者の特徴

治験参加決定から出国前 治験参加中

歯1 海外で治験を受ける子どもと家族の持つ問題点

 参加者の特徴として,治験:であっても酵素補 充療法を受けられ,症状の改善があるかもしれ ないという期待をもって参加していたことであ る。これは,日本では対症療法しかなく,今後 の人生や生命に対する望みがもてない家族に とって「藁をもつかむ思い」であったのではな いだろうか。家族は治験の参加の決定について,

本来の治験の目的よりもわが子の症状の改善に 期待が集中し,冷静な判断にややかけた段階で,

参加に飛びついたという可能性もある。

 川井は神経・筋疾患などの患者数が少ない疾 患の国内における全国的ネットワークを通して の治験の取り組みの必要性についての課題を述 べている5)。今後,さらに患者数の少ない稀少 難病の治験では世界的なネットワークを活かし た治験の実施が求められる。

2.必要な支援の検討

 今回の結果から,家族は出国前から治験参加 中の全期間で情報の混乱や不足による動揺怒

りを感じていた。また,英語が理解できないこ

時間軸

と,通訳を介しての医療者とのコミュニケー ションであったため,さらに精神的に困窮をし ていた。日本では1998年より,治験コーディネー ター(Clinica1 Research Cordinator以下CRC)

の養成が始まり,主として,治験実施施設に て,治験の進行をサポートするスタッフとして 活躍している。具体的な活動として,治験の参 加予定期間,インフォームドコンセントの同意 や説明,参加者のこころのケア,医学的判断を 伴わない被験者に関わる相談や精神的なケア,

治験が円滑に行われるような事務的業務,参加 者のスケジュール管理や治験に携わるチームの 調整,被験者が負担する費用の内容がある。今 回,参加者全員が渡米後に,これらの内容につ いて説明を受けていた。渡米をするということ だけでも経済的な負担や疾患を持つ子どもに大 きな身体的負担となる。今後,このような重要 な説明は日本国内で,参加者が十分な情報を得 て,参加を決定できるような配慮が必要である。

そのためにも,稀少難病児とその家族の心理を

CRCなどの専門家がよく理解をし,丁寧で繰

り返し説明を行い,患者と家族が冷静に判断で

きる状態まで,インフォームドコンセントを繰

り返す必要がある。

(6)

34

V.お わ り に

今 回の調査 で は海外 にて治験 を受 けた児 の家 族 の問題点 と特徴 を明 らかに し ,そ の結果か ら

,

必要 な支援 を明確 に した。

1.本 調査対象者 の特徴 として ,治 験 であって も酵素補充療法 は効果があるか もしれ ない と 期待 していた。

2.海 外 にて治験 を受 け る子 どもと家族 の問題 点 として [情 報 の混乱 に よるあせ り ],[治 験 に参 加 す る以外 に選 択 の余 地 が ない とい う

,

追 い つ め られ感 ],[日 本 との文 化 。慣 習 の違 い に驚 く ],[情 報 の不 足 に よる動 揺 ],[言 葉 の 問 題 に 困億 ],[治 験 に参 加 す る こ との 疲 労 ],[希 望 が 通 らない こ とへ の不 満 ],[プ ラ セ ボの可 能性 が あ る こ とへ の落胆 ]が あ った。

3.必 要 な支 援 と して ,国 内在 住 時期 か ら包 括 的 な治験 コー デ イネー ター の必 要性 が 示 唆 さ れ た。

今 後 の課 題 と して ,今 回 の調 査 は非 常 に稀 な ケ ー ス で あ り ,ま た対 象者 が 少 ない こ とか ら一 般 化 は難 しい。 今 後 ,似 た よ うなケ ー スの調 査 等 を行 い なが ら ,デ ー タの蓄積 をはか り ,必 要 な支援 法 を さ らに明確 に して い きた い。

謝   辞

本研究 にあた り ,ご 協力 をいただ きま したム コ多 糖症親の会 ,対 象者 の皆様 ,分 析 に当た り ,丁 寧 な 指導 を くだ さい ま した国際医療福祉大学   岩下清子 教授 ,日 白大学   刀根洋子教授 ,横 浜市立大学   坂 梨薫教授 に深 く感謝いた します。

また ,こ の論文の一部は第 7回 日本赤十字看護学 会学術集会で発表 した。

参 考 文 献

1)久 保恭子 ,田 村   毅 .ム コ多糖症児 とその家族 に関する基礎的研究 (1)一 親が見た乳幼児の子 どもの変化―   東京学芸大学紀要   総合教育科 錯 圭 月 ミ 57多 晨   2006; 387‑395.

2)久 保 恭 子 ,ム コ多糖 症児 とその家族 に関す る 基礎 的研 究 (2)学 童期 の子 どもの変化 と医師 との 関係―   共 立女 子 短期 大 学看 護学科 紀要

2f計   2006;31‑39.

3)川 喜 田二郎 .発 想法 .81版 ;東 京 :中 央公論新

小 児 保 健 研 究

を上 . 2006.

川 喜 田二 郎 .続 発 想 法 .56版 ;東 京 :中 央 公 論 新社 .2005.

川井   充 ,湯 浅龍彦   神 経・筋疾患 政策 医療 ネ ッ トワー ク にお け る共 同治験 実現 の ための課題 医療  2000:54(9):385‑387.

安藤 幸 子 ,安 藤祥 子 ,他 .治 験 説 明 に対 す る被 験 者 の理 解 度   日本 看 護 研 究学 会 雑 誌  2003;

26(4):99‑108.

小 原   ,江 向洋子 ,他 .治 験 コーデ イネー ター の業務 に関す る研 究   看 護 管 理  2001:11(5):

371‑375.

黒 川   清 。 新 薬 の 薬 効 評 価 は ど うあ るべ きか ICH― GCPと 日本 の臨床治験 の現状一 問題点 と提 言一   臨床薬理  1998;29:567‑570.

厚 生 省 医 薬 安 全 局 GCP研 究 会 監 .医 師 の た め の 治 験 ハ ン ドブ ッ ク第 3版 ミ ク ス ,1998:

76‑80.

田 中理 佳 ,小 川   ,他 .治 験 同意取 得 の プロ セ ス にお け る看護 職治験 コーデ ィネー ターの有 用性一 ア ンケー トに よる治験 参加 決 定 要 因の分 析一 看護技術  2002;8(7):100104

メア リー F・ クイ ン .ア メ リカの臨床試験 にお ける リサ ーチ・ナースの役割   エ キスパ ー トナー ス  1999:15(5):118‑121.

ISummary]

We investigated three Japanese families with children who have a rare intractable disease experi- enced the following problems when participating in clinical trials abroad to clarify feature and support they needed. As a result, we found the followings

:

' Impatience due to mixed media information ' Strong feelings of no other option but to partici-

pate in a clinical trial abroad

' Surprise from the differences in culture and customs between Japan and abroad

' Confusion due to a lack of information ' A hard time with the language

' Fatigue from participating in a clinical trial ' Dissatisfaction with not having their wishes ful-

filled

' Disappointment with a fact that they might re- ceive a placebo treatment

34

V.おわりに

 今回の調査では海外にて治験を受けた児の家 族の問題点と特徴を明らかにし,その結果から,

必要な支援を明確にした。

L本調査対象者の特徴として,治験であって  も酵素補充療法は効果があるかもしれないと  期待していた。

2,海外にて治験を受ける子どもと家族の問題  点として[情報の混乱によるあせり],[治験:

 に参加する以外に選択の余地がないという,

 追いつめられ感],[日本との文化・慣習の違  いに驚く],[情報の不足による動揺],[言葉  の問題に困億],[治験に参加することの疲  労],[希望が通らないことへの不満],[プラ  セボの可能性があることへの落胆]があった。

3.必要な支援として,国内在住時期から包括  的な治験コーディネーターの必要性が示唆さ  れた。

 今後の課題として,今回の調査は非常に稀な ケースであり,また対象者が少ないことから一 般化は難しい。今後,似たようなケースの調査 等を行いながら,データの蓄積をはかり,必要 な支援法をさらに明確にしてい.きたい。

謝 辞

 本研究にあたり、ご協力をいただきましたムコ多 糖症親の会,対象者の皆様,分析に当たり.丁寧な 指導をくださいました国際医療福祉大学 岩下清子 教授,目白大学 刀根洋子教授,横浜市立大学 坂 梨薫教授に深く感謝いたします。

 また,この論文の一部は第7回日本赤十字看護学 会学術集会で発表した。

        参考文献

ユ)久保恭子,田村 毅.ムコ多糖症児とその家族  に関する基礎的研究(1)一親が見た乳幼児の子  どもの変化一 東京学芸大学紀要 総合教育科  学系57集 2006;387-395.

2)久保恭子,ムコ多糖症児とその家族に関する  基礎的研究(2)学童期の子どもの変化と医師  との関係一 共立女子短期大学看護学科紀要  2号2006;3!-39.

3)川喜田二郎.発想法.81版:東京:中央公論新

小児保健研究

 社.2006,

4)川喜田二郎.続発想法.56版;東京:中央公論  新社.2005.

5)川井 充,湯浅龍彦.神経・筋疾患政策医療ネッ   トワークにおける共同治験実現のための課題   医療 2000二54(9):385-387.

6)安藤幸子,安藤祥子,他.治験説明に対する被  験者の理解度 日本看護研究学会雑誌2003;

 26 (4) : 99-108.

7)小原 泉,江向洋子,他.治験コーディネーター   の業務に関する研究 看護管理 2001;11(5)二   371-375,

8)黒川 清新薬の薬効評価はどうあるべきか  ICH-GCPと日本の臨床治験:の現状一問題点と提   言一 臨床薬理 1998:29:567-570.

9)厚生省医薬安全局GCP研究会監.医師のため   の治験ハンドブック第3版,ミクス,1998 :

  76-80,

10)田中理佳,小川 聡,他,治験同意取得のプロ   セスにおける看護職治験コーディネーターの有   用今一アンケートによる治験参加決定要因の分   析一看護技術 2002;8(7):100-104.

11)メアリーF・クイン.アメリカの臨床試験にお   けるリサーチ・ナースの役割 エキスパートナー   ス1999:15(5):118-121.

(Summary)

 We investigated three Japanese families with

children who have ,a rare intractable disease experi-

enced the following problems when participating in clinieal trials abroad to clarify feature and support they needed, As a result, we found the followings:

 ・工mpatience due to mixed media information  ・ Strong feelings of no other optio.n but to partici-

  pate in a clinical trial abroad

 ‘ Surprise from the differences in culture a’nd   customs between Japan and abroad

 ’ Confusion due to a lack of information  ・ A hard time with the language

 ’ Fatigue from participating in a clinical trial  ’ Dis$atisfactien with not having their wishes fu1-

  filled

 ’ Disappointment with a fact that they might re-

  ceive a placebo treatment

(7)

The fanlilies participating in the clinical trial an―

ticipate that oxygen replacement therapy may irn‐

prove symptoms. Consequently, as part of the sup‐

port, the need for a comprehensive clinical research coordinator was recommended during the period while living in Japan tO participating in a clinical

test to address these problems.

[Key words]

families with children with rare intractable diseas-

es, abroad , clinical trial, problems faced, features of families, support methods

○ ○

圭 日

フー ドファデ イズムー¨ メデ イアに惑 わ されない食生活

著     高橋 久仁 子

発   行   中央法規 出版

A5半 1 196頁  1,260円 (本 体 1,200円 十税

)

2007年 の小児保健セ ミナー「孝 L幼 児期の食育」で ご発表 された内容 ,す なわち「健康」 を買 つたつ もりが不健 康 になる場合がある現状 を良 くまとめているわか りやすい一般向けの本である。 フー ドファデイズムとは ,食

物や栄養が健康や病気 に与 える影響 を誇大 に信奉す ることであ り ,本 来の健全 な食生活 に関 して ,小 児保健関係 者が何 とな く感 じていることをデータに基づいて解説 している。 したが つて ,読 んでいるだけで自然 に笑って し まうほどの快感 を得 られる。食生活 と健康が深 く関わること自体は周知 されなが ら,  自分 自身の食生活 を管理運 営で きない人々が ,特 に男性 に多い。食品業界か らの情報は ,食 品を買わせ るための ものであ り ,以 前 は「おい しさ」の強調が多かったが ,昨 今 は「体 に良い」が 目立つ。「体 に良い」 といわれる食品で も ,そ れを食生活 に 取 り入れるときには ,「 何か」 を減 らす ことが必要である。

日本の食生活 は ,諸 外 国の食文化 を取 り入れ ,多 様化 している。「健康食品」 と言 われる食 品を考 える場合

,

①有害食品を含 む ものがある ,② 医薬品成分 を含 む ものがある ,③ 一般的食品成分で も病態によつては有害作用 をもたらす ,④ 抽出。 濃縮等 による特定成分の大量摂取が問題 を生むことがある ,⑤ 食生活の改善 を錯覚 させ る

,

⑥治療効果の過信で医療 をないが しろにす る ,⑦ 非食品の食品化 を考慮す る必要性が述べ られている。マスメディ アでの食品に対する扱い方で「何 を危険 ととらえるか」が左右 されることが多い。 しか し ,「 どの ような食品を

,

どれ くらいの量,  どのようにして食べればよいか」 とい う基本が身に付いていれば ,外 食 に頼 ることが多 くとも 大 きな間違いはおか さず に済む。誰 もが身軽 に煮炊 きで きる人になってほ しいことが述べ られてお り ,一 読の価 値がある。

(国 立成育医療セ ンター   成育政策科学研究部長   加藤忠明

)

 The families panicipahng in the clinical trial anr ticipate that oxygen replacement therapy may im-

prove symptoms. Consequently, as part of the sup-

port, the need for a comprehen$ive clinical research coordinator was recommended during the period while living in Japan to participating in a clinical

test to address these problems ,

(Key werds)

families with children with rare intractable diseas-

es, abroad, clmical trial, problems faced, features of fatnilies , srupport methods

o o o

vvvvvv’v’vv’vvvvvvv

 書    評

・vvv’vvvvvvvv.vvvvv

         フードファディズムーメディアに惑わされない食生活

著 者 高橋久仁子

発行中央法規出版

A5判 196頁 1,260円(本体L200円+税)

 2007年の小児保健セミナー「乳幼児期の食育」でご発表された内容,すなわち「健康」を買ったつもりが不健 康になる場合がある現状を良くまとめているわかりやすい一般向けの本である。フードファディズムとは,食べ 物や栄養が健康や病気に与える影響を誇大に信奉することであり,本来の健全な食生活に関して,小児保健関係 者が何となく感じていることをデータに基づいて解説しているeしたがって,読んでいるだけで自然に笑ってし

まうほどの快感を得られる。食生活と健康が深く関わること自体は周知されながら,自分自身の食生活を管理運 営できない人々が,特に男性に多い。食品業界からの情報は、食品を買わせるためのものであり,以前は「おい しさ」の強調が多かったが,昨今は「体に良い」が目立つ。「‘体に良い」どいわれる食品でも,それを食生活に 取り入れるときには,「何か」を減らすことが必要である。

 日本の食生活は,諸外国の食文化を取り入れ,多様化している。「健康食品」と言われる食品を考える場合,

①有害食品を含むものがある,②医薬品成分を含むものがある,③一般的食品成分でも病態によっては有害作用 をもたらす,④抽出・濃縮等による特定成分の大量摂取が問題を生むことがある,⑤食生活の改善を錯覚させる,

⑥治療効果の過信で医療をないがしろにする,⑦非食品の食品化を考慮する必要性が述べられている。マスメディ アでの食品に対する扱い方で「何を危険ととらえるか」が左右されることが多い。しかし,「どのような食品を,

どれくらいの量,どのようにしで食べればよいか」という基本が身に付いていれば,外食に頼ることが多くとも 大きな間違いはおかさずに済む。誰もが身軽に煮炊きできる人になってほしいことが述べられており,一読の価 値がある。

       (国立成育医療センター 成育政策科学研究部長 加藤忠明)

表 2  治験 に参加することが決定 してか ら出発 までの問題 上位カテゴリー 中位 カテ ゴ リー 情報の混乱 に   至 1着 の 日程が よく変更 され よるあせ り    た アメリカに到着 して欲 しい とい う日が コロコロ変化 し ,航 空券 を予約するのが大変だった。 話が どん どんかわって , 3月 までに渡米すればいい といわれたのに ,次 に 2月 に く るようにって。結局 2月 中旬 にビザが下 りて ,4日 後 にアメ リカに行 った。 渡米 に必要 な書類の準備 毎 日電話

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