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本書利用に関する注意事項

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本書利用に関する注意事項

○本書は技術者による CE マーキング自己宣言のための作業を支援するための指 針を示すものである。附属書など本書に記載する規格関連の一切の文書は規格 としての用途に利用できない。

○CE マーキング自己宣言の作業に取り組む際は、CE マーキングに関連する“欧州 法規”並びに“EN 規格”等を入手し、要求事項の内容を把握した上で本書を使 用すること。

○本書が記載する事項は、CE マーキング自己宣言のための“一般的な参考例”で ある。従ってここに示す事項以外のアプローチも存在する。

○本書が示す作業、並びに技術文書(技術ファイル)例を参考に作業に取り組む場 合は、本書の利用者の責任において行わなければならない。

○本書が記載する事項を採用したことにより生ずる全ての結果について、執筆・

製作・発行者は直接又は間接を問わず一切の責任を負わない。

○本書が解説する事項は作成時のものである。本書の利用者は、欧州法規並びに

EN 規格は改正により内容が常に変更されることを考慮しなければならない。

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は じ め に

国際安全規格に基づく「機械の包括的な安全基準に関する指針(包括指針)」等を盛 り込んだ「改正 労働安全衛生法」が平成 18 年 4 月に施行されました。包括指針は、

リスク低減に基づく安全設計の方法だけでなく、機械ユーザに対しこの方法に基づく 設 計 を 行 っ た 機 械 の 購 入 を 奨 励 し て い ま す 。 ま た 、 こ こ に 示 す 安 全 設 計 の 方 法 は 、 ISO12100 に基づき作成されています。このように包括指針は、機械安全におけるグロ ーバルハーモナイズを明示していますが、このような動きは国内に限ったものではあ りません。近年、アジア、中東等においても我が国同様の動きが広がりつつあります。

現在我が国の全食品関連産業が最も懸念する問題の一つに“人口減少”があります。

我が国における食品市場縮小をカバーするため、我が国の食品関連産業にとって上述 する人口増加傾向にある国々の市場開拓は、問題打開に向けた有効な方策の一つと考 えられます。

我が国食品機械産業が今後継続した発展のために一層の海外市場を獲得してゆくに は国際安全規格への備えを進める必要があります。社団法人日本食品機械工業会(以 下、日食工)では、国際規格に基づく安全設計が将来当業界における重大な課題とな ると予測し、他の産業に先駆け 1995 年より積極的に調査研究に取り組んで参りました。

その成果は 2005 年より「国際安全規格に整合した食品機械 JIS」「リスクアセスメン ト実施マニュアル」「取扱説明書作成ガイドライン」「国際安全規格利用手引き」を継 続して発行し、また、これらの説明会、技術支援活動等にも取り組んで参りました。

これらの活動は、欧米、特に欧州が法律で定める、機械メーカが取り組むべき安全化 活動のほとんどです。これらの活動にすでに取り組んでいる企業は、欧州法規が定め る機械メーカが安全に対し企業責任を果たしたことを示す“CE マーキング”の貼付目 前まで到達していると言っていいでしょう。

以上のことから本年度の調査研究の成果である“CE マーキング自己宣言マニュア ル”は、過去 14 年間に渡る安全化事業の集大成となります。ぜひ、食品機械メーカの 皆様に“CE マーキングの表示”という形で、今までのご苦労を総括して頂きたいと願 うものであります。安全設計に関する取り組みのレベルは、時間をかけて徐々にスパ イラルアップして行けば良いのであり、重要なのは初めの一歩をいかに勇気を持って 踏み出すか、ではないでしょうか。日食工は今後も継続して会員の皆様の CE マーキン グに対する取り組みを支援させて頂く所存です。

なお、最後になりましたが、この事業にご指導・ご協力賜りました関係省庁、団体、

学識経験者、及び食品関係業界の皆様に対し、ここに厚く御礼申し上げます。

平成 21 年 3 月

社団法人 日本食品機械工業会

会長 尾 上 昇

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CE マーキング調査研究委員会 委員名簿

(敬称略 順不同)

氏 名 所 属 役 職

副会長 西村 卓朗 ㈱西村機械製作所 社 長

委員長 海内 栄一 花木工業㈱ 社 長

主 査 田 中 紘 一 長 岡 技 術 科 学 大 学 名誉教授 委 員 平沼 栄浩 セ ー フ テ ィ ー プ ラ ス ㈱ 社 長 委 員 今 井 寛 登 ド キ ュ メ ン ト サ ー ビ ス ・ カ ナ エ 代 表 委 員 藤田 眞治 Vincotte-Japan 代 表 委 員 吉 川 保 ㈲フェイス 社 長 委 員 梅崎 重夫 (独 )労 働 安 全 衛 生 総 合 研 究 所 部 長 委 員 中川 則和 ㈱ 紀 文 食 品 常 務 委 員 鷲巣 恵一 山 崎 製 パ ン ㈱ 技術顧問 委 員 林 孝司 関東混合機工業㈱ 社 長 委 員 品川 士郎 ㈱ 品 川 工 業 所 社 長 委 員 脇屋 和紀 ㈱ 大 川 原 製 作 所 取締役 委 員 小野 憲次 ㈱奈良機械製作所 上席部長 委 員 森江 康雄 岩井機械工業㈱ 部 長 委 員 細谷 髙彦 レオン自動機㈱ 次 長 委 員 古屋 慎一郎 ㈱サ タ ケ グループ長 委 員 守屋 洋介 ㈱マスダック 課 長

委 員 仲田 徳厚 ㈱ヤナギヤ 次 長

委 員 中 村 升 ㈱ な ん つ ね リーダ

委 員 三平 律雄 ロックウエルオートメーションジャパン㈱ 本部長

事務局 鈴木 芳雄 (社 )日本食品機械工業会 専務理事

事務局 大坂 耕一 (社 )日本食品機械工業会 事務局長

事務局 杉山 冴子 (社 )日本食品機械工業会 事務局

事務局 大村 宏之 (社 )日本食品機械工業会 部長代理

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(8)

目 次

はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Ⅲ 委員会委員名簿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Ⅴ 目 次・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Ⅶ 用語の定義と略語・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Ⅹ

第 1 章 事 業 の 概 要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 1.1 日 食 工 の 安 全 設 計 に 関 す る 取 り 組 み 2

1.2 事 業 の 概 要 5

1.3 本 書 の 内 容 7

第 2 章 CE マ ー キ ン グ 自 己 宣 言 手 順・・・・・・・・・・・・・・ 11 序 文 12

2.1 機 械 メ ー カ が 負 担 す る 作 業 と 費 用 15 2.1.1 自 己 宣 言 に よ る 注 意 点 15

2.1.2 NB(通 知 機 関 )委 託 時 の 費 用 16

2.2 コ ン サ ル タ ン ト の 活 用 を 前 提 と し た 認 証 モ デ ル 17

2.3 自 己 宣 言 手 順 19

2.3.1 適 用 指 令 の 検 討 20 2.3.2 EN(欧 州 規 格 )の 選 定 21

2.3.3 認 証 モ ジ ュ ー ル の 検 討 と 決 定 22

2.3.4 NB(通 知 機 関 )に よ る 証 明 が 必 要 な 事 項 22 2.3.5 適 合 性 評 価 24

2.3.6 作 成 が 必 要 な 技 術 文 書 (TF: Technical File) 28 2.3.7 適 合 宣 言 書 32

2.3.8 CE マ ー キ ン グ 37

付属資料 EMC 対策事例 38

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第 3 章 適 合 宣 言 書 、技 術 文 書 作 成 モ デ ル・・・・・・・・・・・・ 57

第 4 章 新 ニューアプローチ指 令 ・グローバルアプローチ指 令 の 概 要・・・・・・ 117 4.1 欧 州 連 合 (European Union) 118

4.2 (新 )ニューアプローチ・ グローバルアプローチ指 令 の 原 則 に 基 づ く 指 令 125

4.3 (新 )ニューアプローチ指 令 の 適 用 範 囲 132

4.4 関係者の責任と義務 140

4.5 (新 )ニューアプローチ指令の必須要求事項 145

4.6 適合性評価手順 150

4.7 通知機関(Notified Bodies) 158

4.8 CE マーキングの表示とは? 169

附属書 A 指令の中で規定された適合性評価手順のフローチャートの紹介 173

附属書 B 運用指針文書 180

附属書 C (新)ニューアプローチ指令に関連する WEB アドレス 187

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参 考 資 料 Ⅰ 機 械 指 令 テ ス ト レ ポ ー ト 兼 チ ェ ッ ク リ ス ト

(機械類の設計及び製造に関する本質的な健康及び安全の要件一般原則)・・・・

参 考 資 料 Ⅱ EN 60204-1 テ ス ト レ ポ ー ト 兼 チ ェ ッ ク リ ス ト

(機械類の安全性-機械の電気装置-第 1 部:一般要求事項)・・・・・・

参 考 資 料 Ⅲ EN 1672-2 テ ス ト レ ポ ー ト 兼 チ ェ ッ ク リ ス ト

(食品加工機械-基本概念-第 2 部:衛生的要求事項)・・・・・・・・・・・・・・

参 考 資 料 Ⅳ 機 械 指 令 、低 電 圧 指 令 に 関 係 す る 主 な EN 整 合 規 格・・・・・

参 考 資 料 Ⅴ 食 品 加 工 機 械 に 関 係 す る EN 整 合 規 格・・・・・・・・・・・

引 用・ 参 考 文 献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・ 191

221

253

261

263

265

(11)

用語の定義と略語

自己宣言:機械製造者がモジュール A のルートに従い自己の責任においてニューアプローチ指令へ の適合を評価し、宣言すること。この用語は日本においてのみ便宜上使用されるもので、関連する 指令では用いられていない。指令では“自己適合評価”という用語を用いている。

CE marking CE マーキング:製品に適合しなければならない全てのニューアプローチ関連指令に 適合していることを象徴するもの。 “CE マーク”という名称も我が国では多用されているが、関連 指令では用いない。

Competent Body(C/B) コンピテントボディ:指令発行後、整合規格が制定されるまでの間、試験 を実施する EU 各国より指定された機関。この機関は特定の指令においてのみ活用される。 EMC 指令 においては 2004 年の改正により C/B の利用は必須では無くなった。

Component コンポーネント: 機械を構成する部品のこと。ある機械専用に作られたものから汎用の 機械要素などまで含まれる。

Conformity assessment of a first party 自己適合評価:通知 機関(Notified Bodies)を使わず に、製造者が自ら関連指令への適合性を立証すること(モジュール A,C)。

Directives 指令: EU 加盟国がそれぞれ国内法に組み入れ実施すべき事項。指令自体は直接的 な実効性を持たない。規則(Regulation)、決定(Decision)は、そのもの自体が拘束力を持ち直 接 EU 域内へ適用される。

Declaration of Conformity 適合宣言書:製造者により製品がニューアプローチ関連指令の要求 に適合することの文書による宣言。機械指令では最低限必要な記載事項を“附属書Ⅱ”に定める。

宣言書には製造業者名、所在地、製品の説明、適合する指令・整合規格、宣言者の署名等を記す。

EC type-examination 形式試験:製品のニューアプローチ指令への適合について調べるために通 知機関が行う技術的試験。

EN(Europäische Norm/European Standard) 欧州規格:CEN(欧州標準化委員会)、CENELEC(欧 州電気標準化委員会)が作成する欧州規格。提案段階のものは prEN(Proposal Europäische Norm)と呼ぶ。

Essential Requirements 必須要求事項:必須要求事項とは、指令の目的達成に必要な事項を 指す。この要求事項は、ニューアプローチ指令に関連する各指令ごとに、附属書に示される。

機械指令の必須要求事項を我が国では一般的に“ESR”と呼んでいる。

Global Approach グローバルアプローチ:製品の適合性評価に関して、ニューアプローチ決議を補 完するため EU 域内共有のシステム化のための相互認証制度の枠組みと基本政策を明示したもの。

Harmonized Standard 整合規格:欧州委員会からの委任に基づき作成された EN 規格。各指令に製

品を適合させるための一つの手段として、整合規格へ製品を適合させる方法がある。整合規格の活

(12)

用は強制ではないが、指令が定める要求事項への適合を立証する手間を考慮すると整合規格へ 適合させることが最も有効な手段と考えられる。整合規格は、欧州官報(Official Journal)で 公表されるので、整合規格を用いる場合は最新のリストを確認する必要がある。

Immunity イミュニティ:電磁妨害を受ける環境であっても機器やシステムが正常に動作する能力 のこと

Machine Directive 機械指令: 電気、電池、燃料などのエネルギ等で動作する 1 個以上の可動 部を有する機器(機械類)と、機械類の安全を確保するための部品で、それ単体で市場に出荷 される安全部品に適用される機械安全に関する指令。Directive 2006/42/EC of The European Parliament And of The Council のこと。

Modules モジュール:製品の製造者が指令に対する製品の適合性を立証するための手段を定めた形 式別の分類

New Approach ニューアプローチ: 指令制定期間の短縮化、適合性評価手順の透明化に関する政策を 定める。この決議に発行される指令をニューアプローチ指令と呼ぶ。

Notified Bodies(N/B) 通知機関:CE マーキングに関連する各種指令の第三者認証手続きを実施す るために必要な技術的能力を保持し、業務の客観性、透明性が的確であり、かつ業務に責任を有す る機関として国家当局が指名し EC 委員会及び加盟各国に通知された機関。企業が自己宣言を行う機 械に適用するモジュールによっては通知機関の関与が規定されている。どの通知機関に評価を依頼 するかは企業の責任に委ねられている。また、通知機関が下した評価結果は他の国の通知機関は基 本的に受け入れなければならない(欧州相互認証協定:PECA)。日本語では認証機関、審査機関、公 認機関、検査機関、評価機関、第三者機関、等様々な呼び方がされているが、本書では“通知機関”

を使用する。

Technical Documentations 技術文書: 製品の宣言に必要な指令が定める必須要求事項(例えば 欧州機械指令(2006/42/EC、 98/37/EC)では附属書Ⅰの一般原則)への適合を証明するための資料。

通知機関による評価、あるいは欧州の国家当局の査察に際して要求される。指令により「技術 ファイル(Technical File:TF)」と呼ぶものもあり、以前は「技術構造ファイル(Technical Construction File:TCF)」と呼ぶ指令もあった。

【略 語】

ATEX〔Atmospheres Explosibles(Potentially Explosive Atmospheres)〕 :防爆機器指令を指 す。爆発可能性雰囲気中に設置、使用されるすべての電気的、非電気的装置、機械、産業用設 備、さらに、爆発可能性雰囲気外で使用されるが、爆発危険性に対する安全機能や保護システ ムに寄与する安全装置、コントロール装置およびレギュレーション装置を対象とする。

EMC(Electromagnetic Compatibility):電磁両立性。装置、器具のユニット及びシステムが、電磁

環境において満足に機能し、かつその環境内の物に対して許容されない電磁妨害波を放出しない能

力。

(13)

LVD(Low Voltage Directive): 低電圧指令を指す。AC 50~1 000V、DC 75~1 500V で動作する 電圧を対象とした指令。

PED(Pressure Equipment Directive):圧力機器指令を指す。最大許容圧力(PS)が 0.5 バール以上

の圧力機器(容器、配管、それらの組立品及びアクセサリ)を対象とする指令。 “最大許容圧力

PS”とは製造者が特定する、装置の設計上の最大圧力。

(14)

事業の概要

(社)日本食品機械工業会(以下、日食工)は、我が国食品機械の安全に関 するグローバルスタンダードへの適合を支援するため、“リスクアセス メント”から“取扱説明書”作成に至る、食品機械を中心とした安全設 計に関する各主要プロセスの解説、及び ISO/IEC/JIS 等の規格利用に関 する手引き書等を作成してきた。

企業が安全設計に対する責任を果たしたことを示す欧州の CE マーキン グは、これら国際規格の原型である EN 規格への適合等により貼付する ことができる。当該事業は、いまや欧州を超え世界的に浸透しつつある

“CE マーキング”を企業が自社製品に貼付することを支援するために 実施したものである。CE マーキング貼付のための手順を示す本報告書 は、日食工が 2003 年から取り組んできた安全設計に対する調査研究事 業の総まとめとなる。

本章では、日食工が長く取り組んできた安全化に関する各調査研究事業 の体系と、この体系における当事業の位置づけを示すと共に、本書の目 的、及び概要等について示す。

1

(15)

1.1 日食工の安全設計に関する取り組み

1.1.1 日食工が過去に取り組んだ安全設計に関する調査研究事業

1.1.1.1 JIS 規 格 の 国 際 規 格 へ の 整 合 化

1990

年、ISO(国際標準 化機構)と 、IEC(国際 電気標 準会 議)は、機 械類の 安全 規格作 成機 関 に対す る指 針

ISO/IEC

ガイド

51「規格に 安全 に関す る面 を導入 する ための ガイ ドライ ン 」を

制 定 ・ 公 表 し た 。 機 械 類 の 安 全 性 に 関 す る 規 格 の 作 成 を 行 う

ISO TC(Technical Committee)-199

及び

IEC TC44

は、この ガイ ドライ ンに 従い規 格を 作成す るこ ととな った 。

我が国 の安 全に関 する

JIS

規格を 上述の

ISO、 IEC

に整合 化させ なけ ればな らな くなっ た の は 、 そ の 後

1995

年 に

WTO(世 界 貿 易 機 構 )に お い て 締 結 さ れ た TBT(Technical Barrier of Trade)協定 (貿易の技 術的障 害に 関する 協定 )のためで ある。 その ため JIS B 9650

シリー ズ の 食品機 械

JIS

1995

年より 、ISO が示す タ イプ

A、B

規格 1)と整 合する タイ プ

C

規格 と して 改正し なけ ればな らな くなっ た。

安全に 関す る国際 規格

(以下、国際 安全規 格)に整合 する 食品機 械 JIS

の通則は

2003

年に 発 行した が、 この規 格は “安全 の概 念”及 び“ 設計プ ロセ ス”等 の基 本概念 が従 来の食 品 機 械

JIS

とは全 く異な って いた。 その ため改 正食 品機 械

JIS

が採用 する 概念に とま どう食 品 機 械 関係者 の声 が多数 事務 局へ寄 せら れた。 多く の問い 合わ せの中 で最 も多い 問い 合わせ の 一 つ がリス ク低 減に基 づく アプロ ーチ 、いわ ゆる “リス クベ ースド ・ア プロー チ” の概念 で あ っ た。日 食工 はこの まま では改 正食 品機 械

JIS

が業界 に定 着しな いの ではな いか という 危 惧 を 強く抱 き、2003年以降 、次項 より 示す国 際安 全規格 に基 づく安 全設 計に関 する 一連の 調 査 研 究に取 り組 む事と なっ た。

注 1):「 国 際 安 全 規 格 利 用 手 引 き 機 械 安 全 編 」3.1 参 照

1.1.1.2 日 食 工 が 取 り 組 ん で き た 主 な 安 全 設 計 に 関 す る 調 査 研 究 事 業 (1) 食 品 機 械 の リ ス ク ア セ ス メ ン ト 実 施 マ ニ ュ ア ル の 作 成

国 際 安 全 規 格 に 基 づ く 設 計 を 支 援 す る た め 、

「 食 品 機 械 の リ ス ク ア セ ス メ ン ト 実 施 マ ニ ュ ア ル 」を作 成し 、2004

1

月に発 行した 。こ のマニ ュア ルは日 食工 が独自 に開 発した 食品 機 械産業 専用 の“危 険源 同定方 法”、“リス ク見 積り方 法”“リス ク低 減手順 ”等 を詳し く解 説 す るもの であ る。作 業者 の傷害 リス クだけ でな く、衛 生リ スクの 見積 り手法 をも 具体的 に 例 示 した我 が国 初の解 説書 である 。ま た、当 マニ ュアル は、 衛生リ スク を生じ る衛 生的危 険 源 の 同定に “HAZOP1)”の 使 用を推 奨す る等、 個性 的な内 容と なって いる 。

注 1) 「 食 品 機 械 の リ ス ク ア セ ス メ ン ト 実 施 マ ニ ュ ア ル 」4.2.4 参 照

(16)

(2) 食 品 機 械 の 取 扱 説 明 書 作 成 ガ イ ド ラ イ ン の 作 成

ISO 12100-1

が示す

3

ステッ プメ ソッド では 、取扱 説明 書等の 使用 上の情 報は 残留す る リ スクに 関す る情報 を使 用者へ 提供 し使用 者へ 安全に 関す る作業 を付 託する ため のツー ル と し て定め てい る。し かし 、市販 され る取扱 説明 書作成 に関 する書 籍は 全て

PL

対策を目 的と し て おり、

3

ス テップ メソ ッドに 基づ く取扱 説明 書を論 じた ものは 見あ たらな かっ た。そ こ で 日 食工は 、リ スクア セス メント のプ ロセス に従 って“ 使用 上の制 限仕 様 1)”を定 めその 情 報 を 取扱説 明書 へ展開 する 手順、 及び 国際安 全規 格要求 事項 を考慮 した 具体的 な記 載事項 、 記 載 方法、表現 、等に つい て、事 例を 交えた 指針 を取り まと めた。当該 ガイド ライ ンは

2005

2

月に発 行し た。

注 1):「 国 際 安 全 規 格 利 用 手 引 き 機 械 安 全 編 」3.2.2 参 照

(3) 国 際 安 全 規 格 利 用 手 引 き 機 械 安 全 編

機械の“使 用上の 制限 仕様”1)によって 、同 じ危険 源で あって も“ 残留リ スク ”、及 び“ 許 容可能 なリ スク” のレ ベルは 異な る。設 計者 は“使 用上 の制限 仕様 ”を考 慮し 最も適 切 な 方 策を検 討・ 採用し なけ ればな らな い。

リスク 低減 のため に採 用する 方策 は、技 術上 の信頼 性及 び適切 性を 企業が 科学 的に立 証 可 能なら ばど のよう なも のを採 用し てもよ い。 しかし すべ ての方 策を 企業が 独自 に立証 す る こ とは困 難で あるた め、 通常は タイ プ

B

規格か ら適切 な方 策を選 択す ること にな る。し か し タ イプ

B

規格 は食品 機械 に関す るも のだけ でも 百種類 以上 に及び 、国 際安全 規格 に基づ く 設 計 に取り 組む ために は設 計者に これ ら規格 に関 する一 定の 知識が 要求 される 。

そこで 日食 工は、 食品 機械に 関係 すると 思わ れるタ イプ

B

規格に属 する国 際安 全規格 の 利 用を支 援す るため“国 際安全 規格 利用手 引き 機械 安全 編”を

2006

4

月に 発行し た。同 書 は

ISO 12100

が定める“本 質的 安 全設計 ”“ 安全防 護・付加保 護方 策”の要 求 に従い 、作 業者 のリス ク低 減に資 する 規格の 名称 、番号 、要 求の概 要等 を整理 ・解 説して いる 。

(4) 国 際 安 全 規 格 利 用 手 引 き 電 気 ・ 制 御 安 全 編

日食工 は上 記“機 械安 全編” に続 き、食 品機 械に関 する 電気及 び制 御シス テム の安全 関 連 部に関 する タイプ

B

規 格の利 用促 進を目 的と した手 引き 書を

2007

4

月に発 行した 。

電気設 計に 関する 要求 事項を 定め る

IEC 60204-1

2005

年、制 御シ ステム の安 全関連 部 に 関する 要求 事項を 定め る

ISO 13849-1

2006

年にそ れぞ れ改正 され た直後 でも あり、本 書 で は当規 格の 主な変 更点 も併せ て解 説した 。

(5) 国 際 安 全 規 格 利 用 手 引 き 衛 生 安 全 編

食品機 械は 、作業 者に 対する 安全 の他に 機械 で生産 する 食品の 安全 を確保 する ための 衛 生 構造が 要求 される 。衛 生安全 編は 、3 年に渡 り取り 組ん だ“国 際安 全規格 利用 手引き ” シ リ ーズの 完結 編にあ たる もので

2008

4

月に 発行し た。

衛生構 造に 関する 規格 は、食 品の 衛生管 理に 関す る

GMP/PP、HACCP

等の法 規が 定める 要 求

(17)

を具現 化さ せるた めの 参考情 報と しての 側面 がある 。そ のため 、衛 生構造 を検 討する 上 で 、 衛生関 連法 規は最 も優 先され る情 報とし て重 要であ る。 また、 衛生 構造に 関す る規格 に つ い ては、国際 安全規 格は

ISO14159

ただ一つ であ るが、欧州 には数 十に も上る タイ プ

C

規格 が あ り、米 国に も

FDA

が定 める法 規に 整合す る衛 生構造 関連 規格が ある 。また 、そ の他に 欧 州 の タイ プ

C

規格を補 完す るため に整 備され てい るガイ ドラ イン情 報も 衛生リ スク 低減方 策 を 検 討する 上で 参考と なる ため、 当該 調査研 究で は調査 対象 範囲を これ らの文 書ま で拡張 し 、 と りまと めた 。

1.1.2 今後の安全設計に関する日食工の活動予定

日食工 では 食品機 械メ ーカの 国際 安全規 格に 基づく 設計 を支援 する ため、

1.1.1

に示す 各 種資料 を他 の業界 に先 駆け積 極的 に作成 、公 開に取 り組 んで来 た。 これら を長 年に渡 り 取 り まとめ てき た“安 全設 計調査 研究 事業”は本 報告書「CEマーキ ング 自己宣 言マ ニュア ル 」の 発行を もっ て完了 とな る。

企業に おけ る国際 安全 規格に 基づ く設計 の取 り組み がた どり着 く先 の一つ は、

CE

マーキ ン グであ ろう 。

CE

マーキ ングへ の対 応は、国内 市場に おい ても科 学的 根拠に 基づ く客観 的な“ 製 品の安 全性 ”の顧 客へ の

PR、及び 製品の 差別 化だけ でな く、企 業責 任を明 確に するの に も 役

立つ。 だが 、

CE

マーキ ングへ の取 り組み がも たらす 最大 の利点 は他 にある 。

CE

マーキ ングは 今 や

EU

域内 に留ま らず 、アジ ア、 中東に まで 製品の 安全 性を示 す最 もメ ジャー な指 標の一 つと して認 識さ れつつ ある 。近年 日食 工が主 催す る展示 会へ 出展す る 国 外 のアジ ア系 機械メ ーカ の多く の製 品がす でに 当該マ ーク を付け てお り、ア ジア への浸 透 の 早 さに驚 かさ れる。今や

CE

マーキン グは、欧州 以外の 海外 マーケ ット で商売 する ために も 重 要 なツー ルに なりつ つあ ること から 、海外 市場 獲得を 考え る企業 に取 って同 マー キング へ の 取 り組み は海 外にお ける 事業成 功の 有力な カギ となる と考 えられ る。

CE

マーキン グ対応 に関 する活 動は 、昨年 まで 当該事 業に おいて 発行 してき た数 々の報 告 書 が示す 事項 が基本 的に は全て であ る。あ とは これら の活 動を決 まっ た様式 に従 いドキ ュ メ ン トとし て取 りまと め、 適合宣 言書 を作成 すれ ば完了 であ る。リ スク ベース ド・ アプロ ー チ に 基づく 設計 に取り 組む 企業は 既 に

CE

マー キング の自 己宣言 がで きる目 前ま で到達 して い る のであ る。 このよ うな 企業に とっ て、も はや 自己宣 言は 決して 難し い作業 では ない。

当該事 業に より“ 安全 設計調 査研 究事業 ”は 終了と なる が、食 品機 械

JIS

改正 作業、 衛 生 構造に 関す る科学 的検 証試験 、食 品機械 関連 海外法 規調 査、安 全設 計支援 事業 、海外 機 関 と のグロ ーバ ルハー モナ イゼー ショ ンの推 進、 等はこ れか らも継 続し て実施 する 。特に 衛 生 構 造につ いて は、衛 生リ スク低 減を 判断す るた めの科 学的 データ が我 が国に 圧倒 的に不 足 し て いるこ とか ら、“ 科学 的検証 試験 ”の継 続・拡張は 重要 なテー マで ある。そし てこれ ら試 験 の 成果は 、欧 州の

EHEDG

1)同様、 日 本版ガ イド ライ ン と し て 広 く 公 開 す る こ と を 目 指 し て い る 。

注 1): EHEDG(European Hygienic Engineering & Design Group: 欧 州 衛 生 工 学 ・ 設 計 グ ル ー プ )。

食 品 加 工 に 関 す る 衛 生 促 進 を 共 通 の 目 的 と し て 1989 年 に 設 立 さ れ た 民 間 機 関 。2008 年 に 日 食 工 に よ る 全 面 的 な 支 援 に よ り EHEDG JAPAN が 設 立 さ れ た 。

(18)

1.2 事業の概要

1.2.1 事業の目的

我が国 は人 口減少 が統 計上確 認さ れ、人 口減 少時代 へと 突入し た。 食料品 の消 費量が 減 少 して行 くと 考えら れる これか らの 時代、 我が 国食品 機械 産業が 今後 も継続 し発 展して 行 く た めには 、人 口が増 加傾 向にあ る東 南アジ ア、 インド 、中 東等の 積極 的な市 場開 拓が不 可 欠 と 考えら れる 。しか しこ れらの 国や 地域で は、 歴史的 背景 も影響 し欧 州が主 導す る国際 規 格 の 採用が 進ん でおり 、こ れらの 国の 一部企 業で は、す でに

CE

マーキン グ対応 の可 否確認 、あ る いは対 応要 求をし 始め た。我 が国 の食品 機械 産業界 にと って、 これ らの国 々へ の輸出 を 増 や し、シ ェア を拡大 して ゆくた めに は国際 規格 への遵 守が 今後重 要な 課題に なる と考え られ る 。 海外市 場に おいて 、機 械の安 全性 に関す る確 認を

CE

マーキン グの 有無で 判断 する動 きが 更 に 広がっ てゆ くと、 我が 国の食 品機 械産業 界へ 与える 影響 は計り 知れ ない。

だが、 すで に我が 国で は食品 機械

JIS

が国際 安全規 格に 整合す るタ イプ

C

規格 となっ て お り、ま た、 リスク ベー スド・ アプ ローチ に基 づく設 計に 取り組 む企 業も多 数存 在する 。 リ ス クベー スド・アプ ロー チに基 づく 設計活 動は

CE

マーキン グのベ ース であり 、我 が国食 品 機 械 メーカ が

CE

マーキン グ制度 へ取 り組む 環境 は既に 醸成 されて いる といえ る。しかし その 一 方 で、

CE

マー キング に関 連する 指令 は多数 存在 しこれ らは 複雑な 体系 となっ てい るだけ でな く 、 機械に より 参照す べき 指令が 異な るなど 、中 小企業 が独 自に対 応す るため に当 該法規 を 体 系 的に理 解す ること は容 易では ない 。

そこで 当該 事業は 、我 が国食 品機 械メー カの 適合宣 言を 支援す ると 共に、 引い ては我 が 国 食品機 械産 業の発 展に 資する こと を目的 に、食品機 械に 必要な

CE

マーキ ング 関連法 規の 抽 出 、 及び解 釈に ついて 調査 研究に 取り 組んだ もの である 。当 該調査 研究 の成果 は、 当報告 書「

CE

マーキ ング 自己宣 言マ ニュア ル」 として 取り まとめ 、食 品関連 産業 を中心 に広 く公表 する 。

(19)

1.2.2 事業の実施過程

本 事 業 の 実 施 に あ た り 、“ 安 全 設 計 調 査 研 究 事 業 ” の 一 環 と し て 日 食 工 に 特 別 委 員 会 「

CE

マーキ ング 調査研 究委 員会」 を設 置し、

2008年 7月から 2008年3月の 間に合 計 3回の本 委員 会 、

並びに 数回 に及ぶ 少人 数によ る調 査及び ワー キング グル ープを 開催 した。

委員 会に は、日 食工 の会員 企業 だけで なく ユーザ 企業 、並び に労 働安全 、適 合性評 価 作 業 等、当 該事 業に関 連す る分野 に精 通した 多く の専門 家を 招聘し 、ご 参画い ただ いた。 ま た 、 当該事 業の 主査に は、 我が国 で唯 一“安 全工 学”に 関す る専門 教育 を行う 長岡 技術科 学 大 学 の名誉 教授 、田中 紘一 先生を お迎 えし、 当委 員会に おけ る調査 研究 指導、 及び 報告書 の 監 修 にあた って 頂いた 。

当委 員会 が取り 組ん だ事業 の概 要を以 下に 示す。

(1) 食品機 械業界 専用 ガイド ライ ンの調 査研 究

欧 州 の ニ ュ ー ア プ ロ ー チ 指 令 へ の 適 合 を 示 す

“CE

マ ー キ ン グ”の 貼 付 が な け れ ば 欧 州 域内に おい て工業 品を 流通さ せる ことが でき ない。 そこ で学識 経験 者及び 業界 有識者 に よ り 構 成 す る 委 員 会 が 中 心 と な り 食 品 機 械 産 業 専 用 の“ CE マ ー キ ン グ

”貼 付 を 支 援 す

るため のガ イドラ イン の構成 、編 集方針 等に ついて 検討 を行っ た。

②一般 的な 食品機 械 の

CE

マー キング への 適合評 価を 行うた めに 参照が 必要 な指令 とし て ニュー アプ ローチ 指令 、機械 指令 、低電 圧指 令、

EMC

指令、欧 州規 格(EN1672-2)を食 品 機械メ ーカ に対し 行っ た聞き 取り 調査に 基づ き特定 した 。

“ニ ュー アプロ ーチ 指令”

及び “機械 指令 ”が改 正さ れたこ とか ら、こ れら 改正版 の 入 手・翻 訳を 行うと 共に 、これ ら法 規が定 める 要求事 項の 内容確 認を 行った 。さ らに機 械 指令、 低電 圧指令(EN 60204-1)、EN1672-2について は、 これら の要 求事項 に関 するチ ェ ックリ スト 作成に 向け た検討 を行 った。

④上記 指令 への適 合を 立証す る技 術文書

(技 術ファ イル )モデルを 作成す るた め、モ デル と

して利 用可 能な機 械を 選定し 、技 術文書 モデ ルの作 成を 行った 。

(2) ガイ ドライ ンの 評価

①マニ ュア ル構成 項目 の記載 内容 につい て、 それら の適 切性、 適合 宣言の 手順 、技術 文 書 モデル 、チ ェック リス ト等の 各項 につい て、 それぞ れ記 述方法 、使 いやす さ、 編集様 式 等の検 討を 行い、 加筆 ・修正 を行 った。

(3) 原稿 取りま とめ

各担当 者が 執筆し た原 稿につ いて 、可能 な限 り重複 、矛 盾など が生 じない よう 整合性 に つ いて検 討を 行うと 共に 、使用 者の 使い勝 手を 考慮し たガ イドラ イン として の体 裁を整 え る 等 の作業 を行 った。

(20)

1.3 本書の内容

1.3.1 本書の製作上の方針と扱う情報

ニュー アプ ローチ 指令 が定め る

CE

マーキン グ制度 は決 して難 しい もので はな く、国 際安 全 規格に 基づ く設計 に取 り組ん でい る企業 なら ば誰も が宣 言可能 であ る。し かし

CE

マーキ ン グ 制度に 関す る指令 は多 数あり 、こ れらが 相互 に関連 する ため一 見す ると複 雑に 見え、 ま た 内 容をイ メー ジでき ない 用語を 多用 してい るこ ともあ り、 制度全 体の 理解を 難解 にして い る 。 また、 機械 の安全 面に 関する 設計 は、安 全性 を立証 でき ればど のよ うな方 策を 採用し て も 良 く、こ のよ うな規 格の 基本概 念に 基づく 作業 に取り 組む ために は規 格の理 解が 不可欠 であ る 。 また、 適合 評価の 作業 におい ても 、指令 が定 める要 求事 項への “適 ・不適 ”を 含めた 評 価 を 下すた めに はある 程度 の経験 を要 し、こ れは 技術文 書全 体に渡 る取 りまと め作 業にも 言え る 。 このよ うな 知識と 経験 を持つ 作業 者を企 業内 だけで 養成 するこ とは 、特に 中小 企業で は 多 く の時間 と費 用を要 し、容易で はな い。当 ガイ ドライ ンは これか ら新 規に

CE

マーキン グに チ ャ レンジ する 中小企 業の 負担軽 減に 資する こと を目的 とす るもの であ ること から 、はじ め に 次 の方針 を定 め各種 作業 に取り 組ん だ。

CE

マーキ ングに 初め て挑戦 する 企業を 対象 とする 。

-適合 評価 を自ら 実施 できる よう にする ため でなく 、コ ンサル タン ト等と の共 同作業 を 前 提に、

CE

マーキン グ貼 付に至 るま での主 要作 業がイ メー ジ可能 な内 容とす る。

日食工 が平 成

15

年よ り実施 して いる“ 安全 化事業 ”で は、1.1に示す通 りリ スクア セス メ ントの 実施 マニュ アル 、国際 規格 を利用 した リスク 低減 活動を 支援 する各 種手 引き書 、 残 留 リスク や使 用上の 情報 作成に 関す るガイ ドラ イン等 、多 くの資 料を シリー ズと して発 行 し て きた。

CE

マーキン グ対応 のた めに企 業が 取り組 まな ければ なら ない主 な

EU

指令には“機械 指令 ”

“低電 圧指 令”“

EMC

指令”が ある 。機械 指令 の必須 要求 事項(ESR)は、ISO 12100(JIS B 9700) に基づ く活 動とほ ぼ同 じであ り、 日食工 が発 行した 「リ スクア セス メント 実施 マニュ ア ル 」

「国際 安全 規格利 用手 引き 機械 編」「 国際 安全規 格利 用手引 き 電気・ 制御 編」「 国際 安 全 規 格 利 用 手 引 き 衛 生 安 全 編 」 が カ バ ー す る 。 一 方 低 電 圧 指 令 の 必 須 要 求 事 項 は 、

IEC

60204-1(JIS B 9960-1)を満たす ことで 達成 される 。 IEC 60204-1

につい ては 「国際 安全 規 格 利用手 引き 電気 ・制 御編」 がカ バーす る。 そして 、使 用上の 情報 につい ては 「取扱 説 明 書 作成ガ イド ライン 」が 示して いる 。従っ て

CE

マーキン グ対応 のた めに必 要な 事項で 、上 述 す る報告 書が 記載し てい ないの は“

EMC

指令” に基づ く各 種対応 と、 技術フ ァイ ルの作 成 だ け

(21)

以上の こと から、 これ まで日 食工 が発行 して きた資 料を 参考に 安全 設計に 取り 組んで い る 企業は 、す でに

CE

マーキン グ貼 付目前 に到 達して いる と言え る。 ぜひこ のよ うな企 業に は 、

CE

マーキン グのた めの 適合性 評価 活動ま で視 野を広 げて 頂き、

CE

マーキン グ貼 付に挑 戦 し て 頂きた いと 当委員 会は 願って いる 。そこ で本 書では 、CEマーキ ング 対応の ため に残さ れ た 活 動の内 、重 要と考 えら れる次 の

3

点の情 報に 焦点を 当て た。

CE

マーキ ングに 関連 する作 業の アウト ライ ン

-関連 する

EU

指令への 適合を 示す 技術文 書、 及び適 合宣 言書

CE

マーキ ング適 合性 評価に 用い る主な

EU

指令の 情報

備 考:EU 指 令 の 情 報 の 中 で 特 に“ EMC 指 令 ”は 、情 報 量 が 多 い た め 本 書 で は 当 該 指 令 の 解 説 は 概 要 の み に 限 定 し た 。

なお本 書で は、CEマー キング 制度 の“全 体像 ”及び“企 業が取 り組 まなけ れば ならな い 作 業概要 ”等 を企業 の作 業者が イメ ージし て頂 けるよ う内 容の分 かり 易さを 優先 するた め 、 関 連する 指令 の説明 は主 要な指 令の みに限 定し た。そ して 主な作 業を 幾つか のス テップ 別 に 分 割し、 個々 のステ ップ ごとに 手順 を示す と共 に、企 業が 適合を 立証 するた めに 作らな け れ ば ならな い“ 技術文 書” を「技 術文 書モデ ル」 として 具体 的に示 した 。

以上の 通り 、本書 が示 す事項 は

CE

マーキン グ貼付 のた めに必 要な 全ての 取り 組みで はな い 。 機種に よっ ては本 書に 示す以 外の 指令の 必須 要求事 項を 満たさ なけ ればな らな い、あ る い は 通 知 機 関

(Notified Bodies)に よ る 適 合 性 証 明 を 得 な け れ ば な け れ ば な ら な い 場 合 も あ る の

で、実 際の 作業に 取り 組む際 には 適宜専 門家 と相談 して 頂きた い。

1.3.2 本書の構成と各章の概要

1.3.2.1 第 2 章 CE マ ー キ ン グ 自 己 宣 言 手 順

機械へ

CE

マーキ ング を貼付 する ための 取り 組みは 主に

8

つのバリ エーシ ョン がある 。通 知 機関の 関与 を必要 とせ ずに適 合宣 言(自己宣 言)が可能 な最も 簡便 なルー トで ある「 モジ ュ ー ル

A」が適 用され る機 械は、 全体 の 8

割にの ぼると 言わ れる 1)

本章で は、 企業が コン サルタ ント の協力 を得 ながら モジ ュー ル

A

による適 合宣 言を行 う た めに必 要と 思われ る経 費、及 び具 体的な 手順 を平易 に記 す。

手順に つい ては、 全体 の作業 をよ りイメ ージ し易く する ため、 適合 宣言に 至る までの 工 程 を大き く複 数のス テッ プに分 割し 、ステ ップ ごとに 示し た。

注 1) 「ポーランド・チェコ・ハンガリーの 製 品 規 格 の 現 状 お よ び CE マ ー ク と の 適 合 性 」(2005 年 JETRO)参 照

1.3.2.2 第 3 章 適 合 宣 言 書 、 技 術 文 書 作 成 モ デ ル

CE

マーキン グの適 合宣 言に至 る各 種作業 の中 で、恐 らく 作業者 が最 も危惧 する ステッ プ は この技 術文 書の作 成で あろう 。

本章で は、 最も簡 便に 作成す るた めの一 つの 手段と して “機械 指令 ”の必 須要 求事項 の 中 で“低 電圧 指令”“EMC指令”の必 須要求 事項 を包括 する 様式を 採用 し、そ のモ デルを 紹 介 す

(22)

る。こ の章 に示す モデ ルは技 術文 書を具 体的 にイメ ージ して頂 くた め、あ る特 定の機 械 を モ デルと して 採用し 、便 宜上、 図や 写真、 評価 事項を 記載 した。 従っ て、こ のモ デル通 り 書 け ばよい とい うこと では ないこ とを 特に注 意し て頂き たい 。

1.3.2.3 第 4 章 ニ ュ ー ア プ ロ ー チ 指 令・グ ロ ー バ ル ア プ ロ ー チ 指 令 の 概 要

本章は 第

2

章~

3

章に 示す各 事項 の背景 等を 説明す る“ 資料” とし て、CEマー キング 制 度 全体を 解説 するも ので ある。 はじ めに欧 州が 当該制 度導 入に至 る経 緯を欧 州連 合設立 か ら 示 し、さ らに 欧州連 合の 組織に つい て述べ る。続いて

CE

マーキ ング 制度を 定め るニュ ーア プ ロ ーチ指 令、 及び機 械を 評価す るた めのモ ジュ ール等 を定 めるグ ロー バルア プロ ーチ指 令 に つ いてそ れぞ れ基本 事項 を解説 し、 次いで 適合 性評価 、技 術文書 等、 当該制 度の 仕組み に つ い てキー ワー ドごと に示 す。

1.3.2.4 附 属 書

(1) 参 考 資 料 Ⅰ 機 械 指 令 チ ェ ッ ク リ ス ト

技術文 書に は、必 須要 求事項 に対 する適 合の 可否及 びそ の根拠 を記 す“テ スト レポー ト ” を添付 しな ければ なら ない。 テス トレポ ート は適合 性を 判断し た根 拠が理 解で きる様 式 で あ れば、 適合 性判断 のた めに使 用す る“チ ェッ クリス ト” を“テ スト レポー ト” として 併 用 す ること がで きる。そこ で本参 考資 料では 、機 械指令 の附 属書Ⅰ が示 す必須 要求 事項

(ESR)の チ

ェック リス トとテ スト レポー トを 兼用す る参 考モデ ルを 示す。 この 様式を テス トレポ ー ト と して用 いる 場合、 適合 性を判 断し た根拠 を別 添とし て本 チェッ クリ ストに 添え 、“

Remarks”

欄に別 添資 料の識 別番 号を記 載す る方法 があ る。

(2) 参 考 資 料 Ⅱ EN 60204-1 チ ェ ッ ク リ ス ト

この文 書は 、低電 圧指 令の必 須要 求事項 に関 するチ ェッ クリス トと テスト レポ ートを 兼 用 した参 考モ デルで ある 。ただ し、

EN60204-1

は要求 事項 の分量 が多 く規格 文書 をその ま ま 写 したチ ェッ クリス トは 使い勝 手が 悪い。 そこ で、こ の文 書で は

EN60204-1

の要 求事項 を 判 り やすく 修正 し、さ らに 一つの 要求 事項を 短縮 して示 した 。EN60204-1 の要求を 理解す る 技 術 者にと って は見や すい 資料と なっ ている 。だ が一方 で、 規格を 良く 知らな い技 術者が 用 い る 場合は 、手 間であ るが このチ ェッ クリス トと 平行し て規 格本文 を参 照する こと を強く 推 奨 す る。

テスト レポ ートと して 用いる 場合 は、

(1) に示すよ うな 使い方 が必 要とな る。

(3) 参 考 資 料 Ⅲ EN 1672-2 チ ェ ッ ク リ ス ト

この文 書は 食品機 械の 衛生構 造に 関する タイ プ

C

規格で ある

EN 1672-2

の要求 事項を リ ス ト化し たも のであ る。 この規 格は 整合規 格と して指 定さ れてい るた め、機 械指 令の必 須 要 求 事項に 示さ れる食 品機 械の衛 生構 造に関 する 適合性 評価 に使用 する のに便 利で ある。

試験報 告書 として 用い る場合 は、 上記

(1)に示すよ うな 使い方 が必 要とな る。

(23)

(4) 参 考 資 料 Ⅳ 機 械 指 令 、 低 電 圧 指 令 に 関 係 す る 主 な EN 整 合 規 格 の リ ス ト

機械指 令へ の適合 性評 価のた めに

EN

整合規格 を用い るこ とが多 い。その場 合、機械設 計 者 は、設 計時 に最新 の整 合規格 リス トから 、用 いる規 格を 特定し なけ ればな らな い。だ が 整 合 規格リ スト には、 百種 類を越 える 規格が リス トアッ プさ れてい るこ とから 、そ の中の ど の 規 格を参 照す べきか を判 断する こと は容易 では ない。

この資 料は 食品機 械の 設計者 が、 どのよ うな 種類の 関連 規格が 整合 規格に ある かを知 る た めの参 考と して、 主な 規格を 整合 規格リ スト から抽 出し 一覧と した もので ある 。

(5) 参 考 資 料 Ⅴ 食 品 機 械 に 関 係 す る EN 整 合 規 格

食品機 械に 関する タイ プ

C

の整合 規格は 、数 十規格 発行 されて いる 。タイ プ

C

規格は 、 規 格作成 時に 基本的 なリ スクア セス メント を実 施し、その 結果に 基づ き保護 方策 を定め てい る 。 従って 、規 格が発 行さ れてい る機 械は、 規格 が定め る要 求事項 を考 慮する こと で、リ ス ク ア セスメ ント を行っ たも のと見 なさ れるこ とが ある。

設計者 が製 造する 機械 につい て該 当する

EN

規格が ある か確認 が行 えるよ う、タイプ

C

規 格 を一覧 とし た。

(24)

CE マーキング 自己宣言手順

食 品 機 械 の 多 く は CE マ ー キ ン グ に 取 り 組 む 際 、 通 知 機 関 (Notified Bodies)による適合性評価を必要としない自己宣言が可能である。しか し、機械指令等の関連する複数の指令文書を読んだだけでは“自己宣言 を行うために何をしなければならないのか”を具体的に理解することが 困難である。

本章では、CE マーキング自己宣言のためのプロセスを幾つかのステッ プに分割し、それぞれのステップごとに企業が行う作業の概要を示す。

機械ごとに、対応しなければならない指令は異なるため、全ての指令へ の対応に関する概要を示すことはできない。本章は、すべての食品機械 に関わる「機械指令」を中心に解説を行い、「低電圧指令」「EMC 指令」

にも言及する。

2

(25)

EU

市場に提供される製品、プロセスの要求仕様として、設計、製造および運転の技術内容の適合性 評価を認定機関より通知された認証機関である

NB(Notified Bodies:通知機関)による第三者評価

が一般的であるが、該当する企業が自己責任で技術内容の適合性を評価し、宣言することも可能であ る。これが自己適合性評価による適合宣言(本マニュアルでは、自己宣言とする)である。

自己宣言をマニュアル化する上で、「自己宣言手順」を基本として、それに関連する次の内容を確認 する。

・ 自己宣言手続き

・ 機械メーカが負担する作業と費用

・ 自己宣言による注意点

NB(通知機関)委託時の費用

・ コンサルタントの活用を前提とした認証モデル

・ 自己宣言手順

自己宣言手順を図 1に示す。

図 1 自己宣言手順

食品加工機械は産業機械であることから、基本要求事項として機械指令を確認する必要がある。ま た、機械指令の他にも対応が必要な主な指令を次に示す。

・ 機械指令

2006/42/EC

・ 低電圧指令

2006/95/EC

・ 電磁両立性(EMC)指令

2004/108/EC

記載した

3

つの指令意外にも関連する指令が存在するが、このマニュアルでは上記の指令に注目し、

まとめるものとする。また,自己宣言を行う上で必要となるのが「必須要求事項の理解」及び「適合 性評価の実施」である。これらの関連として、EC指令の各要素を図

2

にまとめる。

序 文

(26)

図 2 EC 指令の要素

食品加工機械は、EC指令の必須要求事項に基づき、安全、衛生、電気装置の機能及び環境影響に対 応しなければならない。そして、その

EC

指令、及び関連する欧州規格を使用し、適合性を評価しなけ ればならない。図 1の手順に基づき、図 2に示す各要素の適合性を評価しなければならない。この適 合性評価を行うためのチェックリスト(機械指令

AnnexⅠ、EN 1672-2、EN 60204-1)を本マニュアル

に添付しているので、ご利用頂くことが可能である(参考資料Ⅰ~Ⅲ参照)。

また機械指令は、旧指令

98/37/EC

と新指令

2006/42/EC

の移行期間中であり、

2009

12

29

日か ら新指令が適用されることから本手順は

2006

年版を対象に作成しているので、注意して頂きたい。以 下に

2006

年版において変更された主な事項を参考に示す。これは、変更点の全てをカバーするもので はない。

適用範囲:

・ 適用範囲が次の内容に改定された (a) 機械類

(b) 交換可能な装置 (c) 安全コンポーネント (d) 吊下げ用付属品

(e) チェーン、ロープ、帯紐 (f) 取外し式の機械式動力伝達装置 (g) 部分完成機械類

特定の指令:

・ 旧指令では、指令が示す付属書Ⅰの要求事項の満足性を規定していたが、新指令では付属書Ⅰ の要求事項に記載される危険源が他の指令によってカバーされる場合の適用を追加記載してい る。

(27)

・ 旧指令では指令第Ⅱ章の適合性評価手順として

CEマーキング及び安全コンポーネントに伴う 適合宣言書が記載されていたが、新指令では追加として次の内容が示されている。

(a)「本質的な健康及び安全要求の満足性」

(b)「技術文書(技術ファイル)の利用可能性」

(c)「必要なインフォメーション」

(d)「適合のアセスメントを行う手順」

(e)「EC適合宣言書の作成」

(f)「CEマーキング」

適合性と統一規格:

・ 旧指令は指令要求の妥当性確認について規制されていたが、新指令では統一規格に適合して製 造された機械は本質的な健康、安全要件に適合しているものと推定されると規定された。

機械類の適合性評価手順:

・ 旧指令では付属書Ⅳに記載されないものは付属書Ⅴであったが、新指令では付属書Ⅳに記載さ れていない場合は付属書Ⅷに規定された。

・ 旧指令では付属書Ⅳに従って製造されている場合に付属書Ⅵに示すファイル作成、NB(通知機 関)の妥当性証明及び型式試験が要求されていたが、新指令では付属書Ⅷに規定される適合評 価手順、付属書Ⅸに規定される EC 型式試験手順、及び付属書Ⅹに規定される品質保証手順を 要求している。

・ 旧指令では付属書Ⅳに対応するが規格が適合しない又は規格が無い場合に付属書Ⅵに示す EC 型式試験が要求されていたが、新指令では付属書Ⅳに規定される EC 型式試験手順、及び付属

書Ⅷに規定される機械の製造に関する内部チェック、及び付属書Ⅹに規定される完全品質保証

手順が規定されている。

部分完成機械に関する手順:

・ 新指令にて、第13条 部分完成機械に関する手順が新設された。

CE マーキング:

・ 旧指令のCEマーキングの不適合性は、新指令にて不適合の内容が明確化された

法的救済策:

・ 旧指令の第

11条が新指令の20条に移設され、「機械設備及び安全コンポーネントの市場出荷及 び使用を制限するどのような決定」が、新指令では「機械の市場への投入、及び/または使用に 供することを制限する本指令に基づく方策」に変更された。

Annex(附属書):

Annex Ⅰに、リスクアセスメント及びリスク低減の反復プロセスの要求が追加された。「危険区

域」、「暴露者」及び「操作者」は変更無ないが、「ハザード」、「リスク」、「ガード」、「安全装置」、

「意図した用途」及び「合理的に予測可能な誤用」が新設されるなど、他にも始動、停止など の要求が変更されている。

・ 旧指令 付属書 Ⅳ B.(安全コンポーネント)

が、新指令

付属書Ⅴに移設された。

・ 新指令にて付属書Ⅵ(部分完成機械のアセンブリ取扱説明書)が新設された。

・ 新指令では「B.

部分完成機械に関連する技術文書」が新設された。

(28)

2.1 機械メーカが負担する作業と費用

多くの食品加工機械は、指令要求に対する適合性として「モジュール A 」が選択でき、メーカによ る自己評価だけでの自己宣言が可能である。自己宣言が可能であることから、特定の機械に必要とさ れる認証を受けなければならない場合と比較して、食品加工機械メーカ(製造業者)の負担は軽減さ れ、さらに出荷するまでの時間短縮が可能となる。

(認証に関するモジュールの内容は、本マニュアルの第 4 章 4.6適合性評価手順を参照)

図1に示す「自己宣言手続き」に対し、機械メーカー(製造業者)が負担する作業を表 1

に示す。

表 1 自己宣言に負担する作業

項 自己宣言手順 自己宣言に負担する作業

完成機械、部分完成機械、機械の統合の特定 適合性評価手順の把握(評価モジュールの決定)

NB(通知された認証機関)の必要性を検討 適用する指令の分析、検討および決定

a.

EC 指令の選択

適用する指令の評価内容の把握

適用する欧州規格(EN)の分析、検討および決定 適用する欧州規格(EN)の評価内容の把握 リスクアセスメント

安全方策 制御機能

購入部品が指令に該当する場合の認証確認

(適合宣言書および適合証明書の入手)

自社開発または未認証品の型式試験 使用部材の MSDS 入手

電気装置の構造検証と安全試験 EMC(電磁波両立性)の試験

b.

整合規格の選択

・ 設計・開発

・ 検証

騒音測定試験 適合性評価

製造工程の保障(品質マネジメントシステム)

c.

適合性評価

図面のシンボル及び機器ナンバーの見直し 技術文書(TF)の作成

d.

技術文書の作成

各マニュアルの作成

e.

適合宣言書の作成 適合宣言書の作成

f. CE

マーキングの作成 銘板の作成および CE マーキングの作成、貼付け

表 1

は、必要となる内容を想定したものであり、全てをカバーしているものではない。

2.1.1 自己宣言による注意点

宣言の目的は、製造業者の製品、プロセス、マネジメントシステム、指定された要求事項を人また は機関(body)による適合性の評価を製造業者の責任の下で技術文書によって実証し、誰が適合宣言 書に対して責任を持つのかを明確にすることである。(「

ISO/IEC 17050-1 : 2004 Conformity assessment —

Supplier's declaration of conformity — Part 1:General requirements 適合性評価―供給元の適合宣言―第 1

部 一般要求事項」を参照)機械メーカ(製造業者)が自己宣言を行った場合、適合宣言書の署名者は、

(29)

その宣言に関して大きな責任を持つこととなる。

自己宣言による注意点として次の内容が挙げられる。

・適合規格(EN)の分析・評価の誤判定

・技術文書の不足

・納品地での

CE

マーキングの誤用・悪用との判断が下された場合の市場喪失

・現地にて不適合となった場合の裁判

2.1.2 NB(通知機関)委託時の費用

各指令の必須要求事項および適合規格の検討および決定が困難である場合、または確認といった意 味を含め、部分的もしくは全体を

NB(Notified Bodies:通知機関)に委託される機械メーカも少なくな

い。そこで、NBに適合証明書を委託した場合の

NB

認証手順及び概算価格を想定し、表 2に示す。

なお表 2の“NB認証手順”の項には、本章

2.2

項の表

3

に示す

NB

対応内容の項

No

を記載し、各項 が表 3のどの部分に関連しているのかを明確にした。

表 2 NB(通知機関)認証手順および概算価格

機械関連 EMC 関連

表 3 項 No

NB

認証手順 日数

(day)

概算価格 (万円)

日数

(day)

概算価格

(万円)

申請費用・テストプラン 1 10~20 1 10~20 事前チェック(

Pre-check

) 1~2 20~50 1 20~30

試験装置 ― ― ― 30~60

是正処置確認・技術ミーティング 1 20~30 ― ―

c.17

最終チェック(Final-check) 1~2 40~70 ― ―

b.12

b.14 b.15

電気装置検証・試験 1 20~30 2~3 40~70

最終書類審査 1 20~30 1 20~30

評価レポート 1 20~30 1 20~30

c.17

適合証明書 ― 10~30 ― 10~30

概算合計 160~290 概算合計 150~270

これは、参考であり、

NB

(通知機関)への委託範囲により内容が異なる。なお、

NB

(通知機関)は、

立場上として適合性の評価に対する結果を「該当 / 非該当」の判断となり、是正処置内容のバックア ップは不可能と考えなければならない。機械メーカの

CE

マーキング担当者に求められる目に見えない

「費用」を見積もる必要がある。

(30)

2.2 コンサルタントの活用を前提とした認証モデル

欧州の流通を計画した場合、

CE

マーキングおよび適合宣言書の発行が必要となる。

CE

マーキングを 行うために自己宣言を行う訳であるが、自己宣言を行うためには適合性評価を行う必要がある。適合 性評価の実施体として、次の分類がある。

・第一者(

first parties

)評価: 機械メーカー(製造業者)による評価

・第二者(second parties)評価: 機械使用者による評価

・第三者(third parties)評価: 機械のメーカおよび使用者に直接関係の無い第三者による評価

自己宣言は、第一者、第二者または第三者による試験または評価に基づかなければならない。この 第三者評価は、主に

NB(通知機関)に委託することが一般的であるが、それ以外に NB(通知機関)と

契約した人または企業、および機械の製造業者または使用者と契約し、その契約者が機械メーカの代 行として

NB(通知機関)と同等レベルの適合性評価および試験を行うことも可能である。

第一者評価による適合性評価から自己宣言を行う場合、表 1に示す内容を自己責任において対応・

計画する必要がある。表 1の内容を簡略し、NB(通知機関)またはコンサルタントが対応できる内容 を表 3にまとめる。

表 3 NB(通知機関)またはコンサルタントが対応できる内容

項 自己宣言に負担する作業 NB コンサルタント

1. 完成機械、部分完成機械、機械の統合の特定 ― ○ 2. 適合性評価手順の把握(評価モジュールの決定) ― ○ 3. NB(通知された認証機関)の必要性を検討 ― ○

4. 適用する指令の分析、検討および決定 ― ○

a.

5. 適用する指令の評価内容の把握 ― ○

6. 適用する欧州規格(EN)の分析、検討および決定 ― ○ 7. 適用する欧州規格(EN)の評価内容の把握 ― ○

8. リスクアセスメント ― △

9. 安全方策 ― △

10. 制御機能 ― △

11. 購入部品が指令に該当する場合の認証確認

(適合宣言書および適合証明書の入手) ○ ○

12. 自社開発または未認証品の型式試験 ○ △

13. 機械使用部品の MSDS 入手 ― △

14. 電気装置の検証 □ △

15. EMC(電磁両立性)の測定 ○ △

b.

16. ノイズの測定 □ △

17. 適合性評価 ○ ○

18. 製造工程の保障(品質マネジメントシステム) ○ ― c.

19. 図面のシンボル及び機器ナンバーの見直し ― △

20. 技術文書(TF)の作成 ― △

d.

21. 各マニュアルの作成 ― △

e. 22. 適合宣言書の作成 ― △

f. 23. 銘板の作成および CE マーキングの作成、貼付け ― △

注) ○:対応可能、□:NBの立会い評価、△:対応可否を確認要、―:対応不可能

(31)

この場合、コンサルタントは表 3 に示すように、「適合性評価に負担する作業」のほとんど全てを カバーできるため、機械メーカが必要とする内容を適切に助言・相談・対応できることから、機械メ ーカの自己適合性評価の期間が短縮される。NB(通知機関)は立場上としてコンサルティングは行え ないことから、表 3に示す範囲に留まる。

機械メーカの経験および実績により内容は異なるが、必要とする期間および費用を見積もる必要が ある。そこで、第一者評価を計画し、コンサルタントと契約した場合は、表 3にて要求される内容の 情報収集および対策の大幅な期間短縮が図れる。

コンサルタントを使用することで判断される要求内容のパートナーとして、設計、製造および運転 に関するリスクアセスメントおよび安全方策から技術文書までをカバーできる。

(32)

2.3 自己宣言手順

自己宣言は、図1にまとめた自己宣言手順に従って対応しなければならない。自己宣言手順に対応 するこの章の自己宣言マニュアルを表 4に示す。

表 4 自己宣言手順マニュアル

自己宣言手順 自己宣言手順マニュアル 図3参照 参照項

a. EC 指令の選択 適用指令の検討

(機械指令、低電圧指令、EMC 指令) ① 2.3.1

b. 整合規格の選択 EN 規格の選定

(EN 1672-2, Type C 規格、EN 60204-1,EN 55011, EN 61000) ② 2.3.2 2.3.6.4 認証モジュールの検討と決定

(機械指令 Annex Ⅳ及び Annex Ⅴに非該当) ③ 2.3.3 NB による証明が必要な事項

(機械指令 Annex Ⅳ及び Annex Ⅴに該当) ④ 2.3.4 c. 適合性評価

適合性評価 ⑤ 2.3.5

d. 技術文書の作成 技術文書 ⑥ 2.3.6

e. 適合宣言書の作成 適合宣言書 ⑦ 2.3.7

f. CE マーキングの作成 CE マーキング ⑧ 2.3.8

この自己宣言手順を図式化したものを図 3に示す。

表 4

で示した各手順の番号を図式内に記載する。

図 3 自己宣言手順の図式

図 2 EC 指令の要素  食品加工機械は、EC 指令の必須要求事項に基づき、安全、衛生、電気装置の機能及び環境影響に対 応しなければならない。そして、その EC 指令、及び関連する欧州規格を使用し、適合性を評価しなけ ればならない。図 1 の手順に基づき、図 2 に示す各要素の適合性を評価しなければならない。この適 合性評価を行うためのチェックリスト(機械指令 AnnexⅠ、EN 1672-2、EN 60204-1)を本マニュアル に添付しているので、ご利用頂くことが可能である(参考資料Ⅰ~Ⅲ参照)。
図 4  規格体系  タイプ C 規格ベースで、リスクアセスメントから安全方策を行うが、対応するタイプ C 規格が存在 しない場合、タイプ A 規格によるリスクアセスメント及び安全設計を行い、安全防護としてタイプ B 規格を参照しなければならない。  ・タイプ C 規格がある機械は、これら規格をチェックリストにして整合確認を行う  ・タイプ C 規格がない機械は、タイプ A、B 規格を用いて整合確認を行う  食品加工機械のタイプ C 規格一覧表を本マニュアルに添付する。
表 7  機械指令 Annex Ⅰ  1.1.1  定義  1.1.2  安全統合の原理  1.1.3  材料および製品  1.1.4  照明 1.1 本質的な健康・安全の必要事項  1.1.5  取扱いを容易にするための設計  1.2.1  制御システムの安全性および信頼性  1.2.2  制御装置  1.2.3  始動  1.2.4  停止(通常停止、非常停止、etc)  1.2.5  制御または運転モードの選択 1.2 制御装置  1.2.6  動力源の故障  1.3.1  安定性喪失のリスク  1.
表 8  機械指令  補足的な要求事項  2.1  食品機械、化粧品または医薬製品に関する機械  (a)  食品、化粧品または医薬製品と接触する、あるいは接触を意図する材料は、関連する指令に規定され る条件を満足しなければならない。これら材料は各使用の前にクリーニングが可能なよう設計、製造 されなくてはならない。これが不可能な場合は、使い切りの部品を使用しなければならない。  (b)  使い切り部品の表面を除き、食品、化粧品または医薬製品と接触する表面は以下の通りでなくてはな らない。  -平滑で、有機材料
+7

参照

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