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大型オイルフリースクリュ空気圧縮機「エメロードシリーズ」

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(1)

PS2 PS3 PS1TE

1 TE

2 TE

3 TE 4

S-2

SV

Discharge Air S-1

F-1

S-3

H-1 H-2

C-2 V2

V1 Air SHV

Flow-off

Symbol C-1

Name 1st Stage Compressor C-2 2nd Stage Compressor CV-1 Volumetric Regulator Valve

S-1 Suction Silencer S-2 Discharge Silencer S-3 Blow-off Silencer H-1 Inter-cooler

F-1 Suction Filter H-2 After-cooler

SV Safety Valve SHV Shuttle Valve 3SOL Three-way Solenoid Valve for

Volumetric RegulatorValve I/C

SOL

Solenoid Valve for Inter-cooler Drain

A/C SOL

Solenoid Valve for After-cooler Drain V1 2nd Stage Suction Air Check

Valve

PS1 1st Stage Suction Air  Pressure Sensor PS2 1st Stage Discharge Air 

Pressure Sensor V2 2nd Stage Discharge Air 

Check Valve

PS3 2nd Stage Discharge Air  Pressure Sensor TE1 Themocouple for 1st Stage

Suction Air Temperature

TE3 Themocouple for 2nd Stage Suction Air Temperature TE4 Themocouple for 2nd Stage

Discharge Air Temperature TE2 Themocouple for 1st Stage Discharge Air Temperature Flow of Air

3SOL CV-1

C-1

I/CSOL

A/CSOL

まえがき=1956 年に当社はオイルフリースクリュ圧縮 機を国産化して以来,歯形の改良,転がり軸受化に代表 される様々な技術改良をおこない,1983 年に 75kW〜150 kW クラスを皮切りに 1989 年までに 45kW〜400kW ク ラスの二段オイルフリースクリュ圧縮機 AL シリーズを 開発した。同時に小型分野へのシリーズを広げ,15kW

〜55kW クラスの単段機 AL-S シリーズも開発し, 電子,

薬品,食品製造などあらゆる分野で幅広く利用されている。

近年の動向としては,クリーンエアの要求のみならず 環境問題への意識の高まりから,工場電力の約 30% を 消費するといわれる圧縮機には高効率かつ,すぐれた省 エネルギ特性が求められるようになった。また,中小型 クラスでは隣家との境界や作業者の近傍に設置される機 会が多くなり低騒音化やその音質改善も環境問題にとっ て重要となってきている。

近年のオイルフリーへの需要の高まりと,徹底した調 査からえたユーザニーズの変化,特徴に対応すべく,当 社は 1996 年にこれまで単段機の領域であった 15kW〜

37kW のクラスで二段オイルフリースクリュ圧縮機の新 シリーズ ALE(エメロード)シリーズ を上市,つい で 1997 年に 45kW〜100kW のクラスの 大型 ALE(エ メロード)シリーズ を上市した。

本稿ではこの 大型 ALE シリーズ について報告す る。

1.商品コンセプト

今回開発した大型 ALE シリーズの商品コンセプトは,

Ⅰ.クラス最高の高性能,高効率

Ⅱ.音質も配慮した低騒音設計

Ⅲ.先進の省エネルギ性能

Ⅳ.高い信頼性と安全性の向上

Ⅴ.省力,省メンテナンス の 5 項目とした。

2.主要仕様と構造

ユーザニーズに基づき全面的に新設計,開発された大 型 ALE シリーズの系統図,外観,内部および主要仕様 を第 1 図,写真 1,写真 2および第 1 表に示す。

圧縮機構造の特徴は,圧縮機本体,増速歯車箱,モー タ,ガスクーラを一体化し,ガスクーラの下部に防振ゴ ムを配置し,効果的に低振動をはかったことにある。ま た日常の管理情報(圧力,温度,運転時間など)はすべ て全面に取付けた ITCS(Intelligent Total Control System)

モニタで表示され,運転操作やメンテナンスの簡易化が

■圧縮機特集 FEATURE : Compressor Technology

大型オイルフリースクリュ空気圧縮機「エメロードシリーズ」

新村

機械事業部・汎用圧縮機工場

Large-sized Oil-free Screw Air Compressors「Emeraude Series」

Tsuyoshi Niimura

Today, the growing awareness of environmental issues as well as the demand for clean air, has drawn attention to the necessity for high-efficiency and superior energy-saving characteristics in oil-free screw air compres- sors. In this report, the new Emeraude series oil-free screw air compressor, which combines the highest efficiency in the range, economic and reliable functionality, equipping with newly developed capacity control system is introduced.

写真 1 圧縮機ユニット外観

Photo 1 Outside view of compressor unit 第 1 図 大型 ALE シリーズの系統図

Fig. 1 Diagram of emeraude series

KOBE STEEL ENGINEERING REPORTS/Vol. 49 No. 1(Apr. 1999)

60

(2)

88

86

84

82

80

0 50

Wear  μm

100

Efficiency  %

Volumetric Efficiency (α Profile)

Adiabatic Efficiency  (α Profile)

Volumetric Efficiency (λ Profile)

Adiabatic Efficiency  (λ Profile)

Trap

はかられている。

圧縮機本体の仕様を第 2 表に示す。今回新しく歯形 形状を開発し,2 種類のロータで 45kW〜100kW クラス に対応できるようにサイジングをおこなった。

3.特徴

3.1 高効率化

3.1.1 ロータ歯形の改良

今回開発された新歯形の特徴は,体積効率,断熱効率 を向上させただけでなく,メンテナンス費用の低減を求 めるユーザニーズに対し,安定した性能を長期間確保す ることを目的とし,加工誤差,形状の経年変化に対して 性能変化を小さくしたことにある1)

第 2 図に歯形先端のシールエッジ(ロータとケーシ ング内面とのシール)部の摩耗が性能にもたらす影響に ついてシミュレーションした結果を示す。今回開発され た歯形(λ歯形:特許出願中)は摩耗に対する性能変化 に優れていることがよくわかる。

また,吐出過程最終段階には,第 3 図に示すトラッ プ部があらわれる。トラップ部とはラジアルポートがな くなり,アキシャルポートのみになる歯溝で,歯溝体積 にくらべポート面積が極端に小さくなり,この歯溝にお いて過圧縮を起こし動力損失を生じる。λ歯形は従来の 歯形(

α

歯形)にくらべトラップ部体積を 26% 低減す ることによって断熱効率を約 2.3% 向上させた。

3.1.2 ガスクーラの低圧損化

圧縮機の圧力損失の大きな要因には,ガスクーラの圧 力損失がある。ガスクーラの圧力損失が大きいと圧縮比 が増大し軸動力が増加する。今回は従来機で採用してい

たシェルアンドチューブ式に替え,第 4 図に示すプレ ートフィン式ガスクーラを採用した。

ガスクーラの圧力損失を低減するためには,ガス流速

TYPE ALE45 ALE55 ALE65 ALE75 ALE90 ALE100

Motor Output kW 45 55 65 75 90 100

Discharge Pressure MPa 0.69

Discharge Air Volume Hz 50/60

Water Cooled m3/min 6.8/6.8 8.6/8.7 10.0/10.0 12.8/12.7 15.4/15.3 16.7/16.7 Air Cooled m3/min 6.7/6.7 8.3/8.3 9.8/9.7 12.7/12.7 15.2/15.2 16.5/16.5 Dimensions

(W×D×H)

Water Cooled mm 1 730×1 170×1 683 2 150×1 335×1 891 Air Cooled mm 1 830×1 400×1 783 2 010×1 500×2 160

Weight Water Cooled kg 1 840 1 900 1 950 2 600 2 820 2 820

Air Cooled kg 1 790 1 850 1 900 2 590 2 810 2 810

Rotor Profile 9BTλ 11BTλ

Model ALE45〜65 ALE75〜100

Speed of 1st Male Rotor (max.) rpm 20 459 15 262 Diameter of 1st Male Rotor mm 93.2 123.3 Tip Speed of 1st Male Rotor m/s 99.8 98.5 Theoretical Volume m3/h 688.8 1 110.4

Length / Diameter 1.5 1.4

第 1 表 主要仕様 Table 1 Specifications

第 2 表 圧縮機本体の仕様

Table 2 Specifications of compressor

写真 2 圧縮機内部構造

Photo 2 Compressor internal structure

第 2 図 シールエッジ摩耗と性能の関係

Fig. 2 Relationship between seal edge wear and efficiency

第 3 図 トラップ Fig. 3 Trap

神戸製鋼技報/Vol. 49 No. 1(Apr. 1999) 61

(3)

Plate Fin Air

Water Cooler Casing

1 000 00

10 20 30 40 50 60 70 80

1-1

2 000 3 000 Frequency  Hz

SPL  dB(A)

Measuring Point:Distance 1.5m from Unit, Height 1m 4 000 5 000 2-1

1-3 1-2 1-5

2-2 1-4

2-3

Discharge Check Valve

Dissipative Material

Reactive Pipe

1 000 00

10 20 30 40 50 60 70 80

2 000 3 000 Frequency  Hz

SPL  dB(A)

4 000 5 000 1-1

1-2 1-3

Measuring Point:Distance 1.5m from Unit, Height 1m

を低減する必要があるが,ガス流速が小さくなるとガス 側の熱伝達が低下するため,冷却性能を保つためにはよ り多くの伝熱面積が必要となる。従来のシェルアンドチ ューブ式のガスクーラで伝熱面積を大きくするために は,チューブ本数や長さを増加させなければならず,ク ーラサイズが大きくなる難点がある。いっぽう,プレー トフィン式のガスクーラはフィンピッチを変えるだけで 容易に伝熱面積を大きくすることができ,クーラサイズ をコンパクトにまとめるうえでも非常に有利であり,圧 力損失低減に効果的である。

3.2 低騒音化

スクリュ圧縮機は,雄ロータの回転数と歯数との積を 基本周波数とする脈動がある。とくにオイルフリースク リュ圧縮機は,油冷式にくらべると約 2〜3 倍の高回転 であるため脈動周波数は一般に 1kHz を超える高周波数 となる。このためオイルフリースクリュ圧縮機の騒音は 高周波音が主成分となり,耳障りに聞こえる。とくに高 圧段の 2 段本体側の脈動は,下流側に圧送される空気の 脈動になるため,騒音や配管振動の原因になることがある。

第 5 図に従来のオイルフリースクリュ圧縮機の騒音 を周波数分析した結果を示す。図中の数値は段数−脈動 次数を表しており,たとえば 2-1 は 2 段側本体の 1 次成 分であることを表している。 第 6 図に新しく設計し た吐出サイレンサを示す。吐出サイレンサは圧縮機から 圧送される空気の音圧を減少させ,騒音レベルをさげる ことを目的としたものであるが,最近の技術課題の一つ に低騒音化に加えて耳障りな音を取り除く音質改善があ る。

従来の吐出サイレンサはステンレスウールなどを吸音 材とした吸音型が一般的であったが,広い周波数範囲で 万遍なく消音するのには適しているが,特定の周波数を 大幅に低減することはできないため,従来の吸音型に加 えて,特定周波数を低減するに適している共鳴型消音器 を併用した。

共鳴型消音器は,低減したい周波数を共鳴周波数とす る共鳴器を消音器の中に設けることで,そこを通過する 空気の流れから特定の周波数の成分を除去するものであ

第 4 図 プレートフィン式ガスクーラ Fig. 4 Plate fin type gas cooler

第 5 図 従来機の騒音特性

Fig. 5 Conventional noise frequency analysis

第 6 図 吐出サイレンサ Fig. 6 Discharge silencer

第 7 図 共鳴型サイレンサをもちいた場合の騒音特性 Fig. 7 Noise frequency analysis with resonator

KOBE STEEL ENGINEERING REPORTS/Vol. 49 No. 1(Apr. 1999)

62

(4)

ALE55W Discharge Air Volume  m3/min

Conventional Type 12

10 8 6 4 2 0

8.6 8.0

7.0

☆Conventional Capacity Control

★New Capacity Control Method  (Conventional Method   + Timer Control)

Discharge Pressure  kgf/cm2 Discharge Pressure  kgf/cm2

1 Cycle 2 Cycle 6.8

6.6 6.6

6.4 6.2 6.0 6.4

6.2 6.0

1 Cycle 2

Cycle 3 Cycle 4

Cycle 5 Cycle Unload Pressure (PH) → Down

Shaft Power → Down, Energy Saving

Ex. ) ALE55W-5×1 Unit:Load Percent 90%

    (Receiver Tank Volume:1.7m) Conventional Type:Unload/7.0k, Load/6.0k     ALE55W Type:Unload/6.2k, Load/6.0k

    Annual Electric Power Cost[Load 90%, 15 cents/kWh (in Japan )             Running:8 000h/1Year]

65 000 60 000

55 000 50 000

Conventional Type ALE55W

62 500

56 700

US  $

(1US$/100YEN)

る。

第 7 図に,共鳴周波数を 2 段側本体の脈動 1 次周波 数と 2 次周波数として,吸音型と共鳴型を併用した消音 器を搭載した圧縮機ユニットでの騒音測定結果を示す。

対策を講じていない 1 次側本体の脈動成分は現れている のに対し,共鳴器を設置している 2 段側本体の脈動成分 はほぼ除去されていることがわかる。この技術により,

音質改善とともに従来機にくらべ 5〜10dB 程度もの大 幅な低騒音化を図ることができた。

3.3 運転制御による省エネルギ

オイルフリースクリュ圧縮機は油冷式のようにロータ 室内の圧縮過程で潤滑油で冷却することがないため圧縮 比の増加により吐出温度が非常に高くなる。このため油 冷式のように連続した吸気絞りができず,全負荷と無負 荷運転の繰り返しとなる。

第 1 図に示したように,2 段圧縮機本体(C―2)と吐 出逆止弁(V―2)の間から,1 段圧縮 機 本 体(C―1)の 吸気側に設けられた吸気調整弁(CV―1)に放風用配管 を設け,全負荷時にはこの放風配管は吸気調整弁によっ て全閉となり圧縮空気は全量圧送される。無負荷時には この放風配管は開放となり圧縮空気は全量大気に放風さ れる。この作動を反復することにより容量調整がおこな われる。

たとえば,必要な下流圧力が 6kg/cm2で圧力制御幅 を 1kg/cm2とする場合,6kg/cm2で負荷運転開始,7kg /cm2で無負荷運転開始(負荷運転終了)となる。圧縮 機の軸動力は吐出圧力の上昇にともなって増加するの で,負荷/無負荷制御で省エネルギを実現するには必要 な下流側の圧力を確保しながらいかに無負荷運転開始圧 力を低くするかにかかってくる。

従来のオイルフリースクリュ圧縮機の制御では圧力制 御幅は初期に設定したままであるため,下流側に連なる 装置の空気消費量が多いほど,負荷運転を開始してから の圧力上昇の速さが遅くなり,その分だけ軸動力がより 大きい高圧での負荷運転時間が長くなる。つまり電力量 の増加となる。

この電力を低減するために,圧力制御幅を小さくする タイマによる強制無負荷機能を併用した。すなわち,一 定時間負荷運転が継続すれば,下流側の圧力が無負荷運 転開始圧力に達していなくても強制的に無負荷運転にす るものである。第 8 図に従来の容量調整と新しい容量 調整を示す。今回設計した吸気調整弁は負荷→無負荷→

負荷の周期が従来のものに対し 1/2 で許容できるため,

圧力設定幅を従来の半分にすることができる。さらに,

タイマによって 2 サイクル目からは強制無負荷運転とな り初期に設定した無負荷開始圧力に達する前に無負荷運 転となるので,必要以上に圧力を上昇させずに下限圧力 を保持でき動力の低減が図られることになる。

前述の歯形改良やガスクーラの低圧損化およびこの新 しい容量調整を適用した場合,従来機と比較して,吐出 空気量と電力消費量にどの程度効果があるかをそれぞれ 第 9 図,第 10 図に示す。

これらの図からわかるように 55kW クラスでは従来機 の吐出空気量 8.0m3/min に対し 8.6m3/min にまで向上 しており,新容量調整の効果を含めると約 10% の省エ ネルギを実現することができた2)

むすび=オイルフリースクリュ圧縮機に対するユーザニ ーズをもとに開発され,全面的に改良された大型エメロ ードシリーズは,使用する側の立場に立ち,さらに環境 問題にも積極的に取組んだ商品といえる。今後これを基 本にさらに上位機種へとシリーズの拡大,および改善に 努力していきたい。

1 ) 吉村省二:機論,64-627,C(1998),p.4380.

2 ) 松村昌義: 日本油空圧学会フルイドパワーシステム,Vol.29,

No.4,p.54.

第 8 図 容量調節方式 Fig. 8 Capacity control

第 9 図 吐出空気量の比較

Fig. 9 Discharge air volume comparison

第10図 電力量の比較 Fig.10 Power cost comparison

神戸製鋼技報/Vol. 49 No. 1(Apr. 1999) 63

Fig. 1 Diagram of emeraude series
Fig. 2 Relationship between seal edge wear and efficiency
Fig. 5 Conventional noise frequency analysis
Fig. 9 Discharge air volume comparison

参照

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