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今後のエネルギー政策について

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(1)

高レベル放射性廃棄物処分について

平成25年5月

資源エネルギー庁

(2)

我が国における使用済核燃料対策

(3)

高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)の製造

○使用済燃料を再処理しウラン・プルトニウムを回収した後には、放射能レベルの高い廃液(核分

裂生成物や超ウラン元素)が残る(重量比で使用済燃料の約5%)。これをより安定した形態とする

ため、ガラスと一緒に溶かし混ぜて、ステンレス製の容器に冷やし固め、「ガラス固化体」を製造。

・製造直後のガラス固化体の表面線量は、約1,500Sv/h。表面温度は200度以上。

・100万kW級の原子力発電所を1年間運転して発生する使用済燃料から、約30本のガラス固化体が発生。

・六ヶ所再処理工場は、フル稼働すると年間800tの使用済燃料を再処理。これにより、年間約1,000本のガ

ラス固化体が発生。

固化体容器 (キャニスタ) 流下の状況 (模擬廃液) ←ガラスビーズ 高レベル放射性廃液→ ガラス 溶融炉

ガラス固化設備

2

高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)

(4)

TRU廃棄物について

○TRU廃棄物とは、再処理施設やMOX燃料加工施設の操業に伴い、使用済燃料中に存在するTRU核種(ウラン

よりも原子番号が大きい核種)や核分裂生成物が付着する等して汚染されたもの。施設の操業時や解体時に

発生し、分類・減容化された後、所定の容器に入れて固化される。

○このうち放射能レベルの高いものについては、ガラス固化体と同様に地層処分をすることとしている。

○なお、TRU核種や核分裂生成物の大部分はガラス固化体に含まれているため、放射能濃度や発熱量はガラス

固化体に比べ小さい。そのため、廃棄体間の離隔距離を取ることなく集積して処分することが可能であり、現

在想定されているTRU廃棄物(18,100m3)の地層処分に必要な処分場面積は、高レベル放射性廃棄物(ガ

ラス固化体4万本)の1/30程度。

※TRU廃棄物(ハル・エンドピースの場合) 放射能濃度:ガラス固化体の1/80、発熱量:ガラス固化体の1/130

出典:総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力部会放射性廃棄物小委員会報告書(平成18年9月)をもとに作成

3

(5)

六ヶ所高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター周辺地域の安全確保及び環境 保全に関する協定書(1994年12月)-抜粋- 第3条 ガラス固化体の一時貯蔵管理の期間は、それぞれのガラス固化体につ いて、貯蔵管理センターに受け入れた日から30年間から50年間とし、日本原 燃(株)は、管理期間終了時点で、それぞれのガラス固化体を電力会社に搬出 させるものとする。 高レベル放射性廃棄物の最終的な処分について(青森県知事からの照会に 対する科学技術庁長官の回答)(1994年11月)-抜粋- 1.管理期間の終了時点でガラス固化体が当該施設より搬出されるよう指導す る。 2.高レベル放射性廃棄物の処分が実現されるよう所要の施策を推進する。 3.青森県が高レベル放射性廃棄物の処分地に選定されることはない。 高レベル放射性の最終的な処分について(青森県知事からの要請に対する 科学技術庁長官からの回答)(1995年4月)-抜粋- 処分予定地の選定に当たって、知事の了承なくして青森県を最終処分地にで きないし、しないことを確約する。

ガラス固化体の貯蔵・管理

○ガラス固化体は、六ヶ所再処理施設内において、30~50年間、冷却のため、貯蔵・管理すること

としている。

日本原燃(株)が、青森県及び六ヶ所村との間で、1994年(平成6年)に、ガラス固化体の一時貯蔵管理の

期間を30年間から50年間とし、管理期間終了後は電力会社に搬出させる旨の協定書を締結。

その後、海外再処理に伴い発生したガラス固化体の我が国への返還が、1995年(平成7年)から開始され

(仏国返還分)、日本原燃(株)の六ヶ所高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターに搬入。

なお、六ヶ所村に搬入したガラス固化体については、青森県知事と科学技術庁長官(1994年当時)との間

で、管理期間終了後に搬出すること、青森県を最終処分地にしないことを確約。

50年後のガラス固化体の表面線量は、約1,500Sv/hから約160Sv/hまで減少。また、表面温度は、約200

度以上から100度程度以下まで減少。

高レベル放射性廃棄物

貯蔵管理センター

(青森県六ヶ所村)

出典:日本原燃㈱

ガラス固化体の貯蔵

床の厚さ 2m 出典:日本原燃㈱

4

4

(6)

5

単位:トン

解体撤去物の推定発生量

総合資源エネルギー調査会電気事業分科会原子力発電投資環境整備小委員会報告書(平成19年5月)を基に作成

放射能レベル区分

BWR

(110万kW級)

(%)

PWR

(110万kW級)

(%)

低レベル

放射性

廃棄物

炉心等廃棄物(L1)

80 0.01

200 0.04

低レベル放射性廃棄物(L2)

850

0.2

1,720

0.4

極低レベル放射性廃棄物(L3)

11,810

2.2

4,040

0.8

小 計

12,740

2.4

5,960

1.2

クリアランスレベル以下の廃棄物

523,910 97.6

488,960 98.8

合計

536,650

494,920

(注)端数処理は1トン単位を四捨五入

 炉心等廃棄物(L1):余裕深度処分の対象となる放射性廃棄物

 低レベル放射性廃棄物(L2):浅地中ピット処分の対象となる放射性廃棄物

 極低レベル放射性廃棄物(L3):浅地中トレンチ処分の対象となる放射性廃棄物

 クリアランスレベル以下の廃棄物:放射性廃棄物でない廃棄物(約92%)及び放射性物質

の濃度が極めて低く、普通の産業廃棄物として扱うことができる廃棄物(約5%)

(7)

核燃料サイクルの意義と

使用済燃料の直接処分について

(8)

① エネルギー安定供給・安全保障

・再処理により回収したプルトニウム・ウランは準国産エネルギー。

・軽水炉再処理で1~2割のウラン資源節約

。さらに、

将来高速増殖炉(FBR)サイクルが実現す

れば、ウラン資源を数百年以上にわたって利用可能

軽水炉で燃える燃料:ウラン235

全体の0.7%

軽水炉では燃えにくいウラン238

全体の99.3%

高速炉では、燃えるプ

ルトニウムに変換して

燃料として利用可能

ウランの利用効率が飛躍的に向上。輸入に頼る必要性

が低下し、我が国のエネルギーの安定供給・安全保障に

大きく貢献。

ウランの可採年数=約100年

天然ウランの構成

少なくとも数百年に

わたって利用可能

核燃料サイクルの意義①エネルギー安定供給・安全保障

高 速 増 殖 炉 使 用 済 燃 料 原子力発電所 (高速増殖炉) 再処理工場 ウラン・プルトニウム 混合燃料 ウラン・ プルトニウム 高速増殖炉用 燃料工場 高速増殖炉 サイクル [将来] 原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市) ・10割以上の資源節約効果 (増殖) 高レベル放射性廃棄物 (ガラス固化体) 高レベル放射性廃棄物処分施設 使用済燃料 (ウラン・ プルトニウム) 軽水炉使用 済燃料 (むつなど の中間貯蔵 施設から)

7

(9)

○高レベル放射性廃棄物の体積を1/4~1/7に低減可能。

○さらに、高速増殖炉サイクルが実用化すれば、高レベル放射性廃棄物中に長期に残留する放射能量を少なくし、

発生エネルギーあたりの環境負荷を大幅に低減できる

可能性も生まれる。

※ 直接処分では、ウラン、プルトニウム、核分裂生成物等を全て含んだまま廃棄物となるが、再処理後のガラス固化体からは、ウラン、プルトニウムが除 かれるため、放射能による有害度が低減される。 ※ また、高速炉では、半減期の極めて長い核種を燃料として使用できるため、さらに有害度の低減が可能となる。

核燃料サイクルの意義② 廃棄物の減容・無害化

技術オプション 比較項目 直接処分 再処理 軽水炉 高速炉 処分時の 廃棄体イメージ 発生体積比※1

1

約0.22

約0.15

潜在的 有害度 天然ウラン並になるまでの期間※2

約10万年

約8千年

約300年

1000年後の有害度※2

1

約0.12

約0.004

コスト※3 核燃料サイクル全体 (フロントエンド・バックエンド計)

1.00~1.02 円/kWh

1.39~1.98 円/kWh

試算なし

※高速炉用の第二再処理

工場が必要

処分費用

0.10~0.11 円/kWh

0.04~0.08 円/kWh

※1 数字は原子力機構概算例 直接処分時のキャニスタを1としたときの相対値を示す。 ※2 出典:原子力政策大綱. 上欄は1GWyを発電するために必要な天然ウラン量の潜在的有害度と等しくなる期間を示す。下欄は直接処分時を1としたときの相対値を示す。 ※3 原子力委員会試算(2011年11月)(割引率3%のケース) 軽水炉再処理については、使用済燃料を貯蔵しつつ再処理していく現状を考慮したモデルと、次々と再処理していくモデルで計算。 使用済燃料キャニスタ (3.98m3 キャニスタ中の燃料ペレット (PWRの例)(0.103m3 ガラス (0.15m3 キャニスタ (ステンレス) ガラス固化体 オーバーパック(0.91m3 1 .3 4 m 0.43m 0.82m 1 .7 3 m 約240分の1に低減 約8分の1に低減 約4分の1に減容化 約7分の1に減容化

8

(10)

○再処理やFBRサイクルを導入した場合、軽水炉直接処分に比べて、高レベル廃棄物の量を減らし、処分場面積を大

幅に削減できることが期待される。

○軽水炉再処理と比較すると、FBRサイクルから発生する高レベル放射性廃棄物は、千年後に約1/30の有害

度になる。このようにFBRサイクルの実用化により、高レベル放射性廃棄物の潜在的な有害度を小さくすること

が可能。

**)高レベル放射性廃棄物と人間との間の障壁は考慮されておらず、高レベル放射性廃棄物の実際の危険性 ではなく、潜在的な有害度を示している。使用済燃料の1年目の潜在的影響を1とした相対値。 1.E-08 1.E-07 1.E-06 1.E-05 1.E-04 1.E-03 1.E-02 1.E-01 1.E+00

1.E+00 1.E+01 1.E+02 1.E+03 1.E+04 1.E+05 1.E+06 1.E+07 1.E+08 1.E+09 1.E+10

1年 百年 万年 百万年 億年 百億年 10-7 10-6 10-5 10-4 10-3 10-2 10-1 1 ガラス固化体(軽水炉再処理) 直接処分(使用済燃 料) ガラス固化体(高速増殖炉サイクル) 1/ 8 1/30 同じ量の発電に必要な天然ウラン(1GWyでは約170トン) 及びその娘核種の放射能による潜在的な影響(最大値) 同じ発電電力量に対す る 高レ ベ ル 廃棄物の 放射能によ る潜在的影響 ** 10-8 出典:第4回FaCT評価委員会(日本原子力研究開発機構資料)

0

10

20

30

40

50

60

2000

2050

2100

2150

2200

ワンススルー FBRサイクル導入 西暦(年)

使用

済燃

料お

よび

ガラ

固化

処分

(面積

換算

高レベル廃棄物の処分場専有面積の推移

直接処分

(km

2

9

再処理等による放射性廃棄物による負荷の低減

(11)

最終処分制度の創設に至る経緯

①地層処分選択の経緯

(12)

国際的に地層処分が選択されてきた経緯①

(1)高レベル放射性廃棄物の処分方法については、地層処分のみならず、長期地上管理、核種・分離変換、海

洋底下処分、宇宙処分等の多様な処分方法が検討された結果、その時点の最も有望な処分方法として、地

層処分が国際的に選択されてきたところ。

1977: OECD/NEA, NEA Group of experts, “Objectives, Concepts and Strategies for The Management of Radioactive

Waste Arising from Nuclear Power Programmes”

・ 処分オプションとして、地層処分、海洋底下処分、海洋底上処分、氷床処分、宇宙処分、消滅処理を検討 ・「安定な地層中に閉じ込めることが、最も進歩した解決方法である。」

1980: DOE/EIS-0046F, “Management of commercial generated radioactive waste”

・ 処分オプションとして、地層処分、超深孔処分、岩石溶融処分、島内地層処分、氷床処分、井戸注入処分、海洋底下処分、核種分離・ 消滅処理、宇宙処分を検討

・「地層処分は、開発の優先権が与えられる処分方法である。」

※ICRP、カナダ、北欧諸国等でも同様のレポートが公表

1995: OECD/NEA, A Collective Opinion of the Radioactive Waste Management Committee of the OECD Nuclear

Energy Agency, “The Environmental and Ethical Basis of Geological Disposal of Long-Lived Radioactive Wastes”

・ 「生物圏から数百年以上隔離されるべきであり、そのような長寿命の放射性廃棄物の地層処分場を開発することは、環境と倫理の両 面から正当化される。」

・ 「地層処分の計画の段階的実施は、数十年にわたり、科学的進歩と社会的受容性に照らして、適応の可能性を維持し、他の選択肢 が後の段階で開発され得る可能性を排除しない。」

1957: US National Research Council, “The Disposal of Radioactive Waste Management on Land”

・「廃棄物を発生している現世代が、可能な限り廃棄物を管理する責任を負うべきである。」

2003: IAEA, “The Long Term Storage of Radioactive Waste: Safety and Sustainability”

・ 「地層処分は、現時点で利用可能もしくは予見可能な将来に利用可能となりうる最良の選択肢であるというのが、国際専門家の共通

(13)

国際的に地層処分が選択されてきた経緯②

2006: OECD/NEA, “The Roles of Storage in the Management of Long-lived Radioactive Waste”

・「将来の社会、科学技術の発展に関する推測に依存せず、エンドポイント及びその実現に向けた道筋を明確に定めた「閉じた」廃棄物 マネジメント戦略を構築することが必要。」 ・「これまでに最終段階の政策決定を行っている全ての国で、エンドポイントとして地層処分が選択されている。」 ・「長期管理の計画には、現世代が影響力をほとんど及ぼせない重大な不確実性が伴う。」 ・「廃棄物マネジメント戦略に将来世代の選択の柔軟性をビルトインすることで、なしうる限りの対策を実施するという現世代の責任がな いがしろにされるべきではない。」

(2)地層処分は未だ不確実性を伴うものであるものの、「現世代の責任として、将来の技術進展に過度に期待す

ることなく、最終的な処分の形態(エンドポイント)を明確に定め、これに向け取り組むべき」との認識の下、各国

とも、可逆性に配慮しつつ、地層処分に向けた取組が進められている。

2001: NAS, “Disposition of High-Level Waste and Spent Nuclear Fuel: The Continuing Societal and Technical

Challenges”

・ 「多くの科学技術関係者が、地層処分は、HLWの長期的管理を行う安全なアプローチの一つであると共に、将来世代の負担を最小限に するとの倫理的な目標を最もよく満たすものであるとの見解を表明してきた。他方、不確実性は存在しており、一部の科学者は全面 的に処分に移行するのは時期尚早と感じている。しかし地層処分を開始する上での最大の課題は、社会的なものである。」 ・「技術及び社会的な不確実性を考慮した場合、科学的な理解を継続して改善していくことのできる段階的なプロセスが、意思決定に とって適切なやり方である。」

2008: OECD/NEA, “Moving Forward with Geological Disposal of Radioactive Waste”

・「これまでに、様々なオプション(海洋底下処分や宇宙への打ち上げなど)が検討され、政治または安全面での理由から放棄されてき た。先進的な核燃料サイクルの利用を通じて廃棄物の一部を核種変換することも、おそらく数十年後には実現可能になるかもしれな いが、それが実現したとしても現時点で存在する廃棄物や核種変換の後に残る長寿命高レベル放射性廃棄物等を管理する必要性 がなくなるわけではない。」 ・「長期的に見た場合、地表または地表近くに貯蔵された廃棄物は、地下深部に処分された廃棄物よりも、極端な自然事象やテロ行為 に対して脆弱な状態となる。」 ・「地層処分への取組を遅らせること、すなわち「先送り」戦略を採用することは、廃棄物やその貯蔵施設に対し、一層の厳格な配慮が 求められる。現世代の責任として地層処分に向けた取組を開始するだけの十分な情報がいまや整っている。」

12

(14)

国際的に地層処分が選択されてきた経緯③

2005: NWMO/Canada, “Choosing a Way Forward -The Future Management of Canada’s Used Nuclear Fuel- Final

Study”

※段階的管理アプローチを決定するにあたっての報告書 ・処分オプションとして、地層処分、長期貯蔵を検討 ・「貯蔵するオプション(サイト内貯蔵/集中貯蔵)は、短期的(少なくとも今後175年以内)には良く機能すると期待できる。(中略)期待す る性能が発揮されるかどうかを決める主要な因子は、貯蔵アプローチにおける管理システムの安全性と有効性を確保するために依 拠することになる制度と能動的管理への依存度である。そうした制度と能動的管理を行う能力は、予見できる将来に対しては強固で あるが、非常に長い期間に対しては不確実であるとNWMOは予想している。NWMOの考えでは、カナダ国民が必要であると言明する 責任ある慎重なアプローチは、数千年、数万年にわたって強固な制度及び能動的な管理能力の存在に我々が依存しないタイプのも のである。これに基づいて、NWMOは、いずれの貯蔵の選択肢も、長期アプローチとして好ましいとは提案しない。」 ・ 「地層処分は、使用済燃料の隔離のために人工バリア及び天然バリアを併用することから、非常に長い期間での目標に対して良く機 能すると判断される。主な弱点は、市民が重要な目標だと考えている適応性を欠くことである。」 ・ 「我々が望ましいとするアプローチである“適応性のある段階的管理”は、調査した3つの各アプローチの長所に基づいているが、さら にカナダ国民の関心と願望に応える重要な特質があると考えている。」

2006: CNE/France, “Rapport global de la Commission nationale d'evaluation des recherches conduites dans le cadre

de la loi du 30 decembre 1991”

※1991年放射性廃棄物管理研究法に基づく15年間の研究開発成果に係る総括報告書 ・処分オプションとして、地層処分、長期貯蔵、核種分離・変換を検討 ・「地層処分を最終廃棄物の管理に関する基本方策として採用するとともに、徹底的に研究すること」 ・ 「長期間(たとえば300年)にわたる中間貯蔵:施設の耐久性の問題を考慮する必要があるが、これについては現在まだ納得のいく回 答を受けていない。長期中間貯蔵は将来世代に放射性廃棄物の究極的な将来を引き受けなければならないという重い負担を負わせ るものである。」 ・ 「核種分離・変換:少なくとも数百年単位の期間にわたる原子力利用の場合にしか意味を持たない長いプロセスである。分離及び核 種変換に関する研究は、未来の原子力システムに係る産業全体のニーズを踏まえて実施しなければならない。研究の現段階では、 ヨウ素などの一部の放射性核種の核種変換はことのほか難しいと思われるのに対し、それほどの残留リスクを伴わない他の放射性 核種の核種変換は得られるであろう。」

(3)近年、処分場立地選定の遅れ等を受け、諸外国で処分方法の見直しが検討されたものの、現時点で取り組

むべきエンドポイントが地層処分であるとの結論は変わっていない。

13

(15)

国際的に地層処分が選択されてきた経緯③(続き)

2012: Blue Ribbon Commission on America’s Nuclear Future, “Report to the Secretary of Energy”

・「委員会は、これまでに入手可能なエビデンスに基づくと、坑道掘削型地層処分場の開発を重視する米国のプログラムの現行の方針 を変更する理由はないと考えている。」

・「地層処分のもう1つの形態である超深孔処分については更なる調査が必要。」

2011: SKB/Sweden, “Environmental Impact Statement / Interim Storage, encapsulation and final disposal of spent

nuclear fuel”

※フォルスマルクへの処分場設置許可申請書 ・処分オプションとして、地層処分、超深孔処分、核種分離・変換、長期貯蔵、氷床処分、海洋底下処分、宇宙処分 等を検討 ・「超深孔処分:定置プロセスが管理下に置かれておらず、環境もさほど好ましいものではないため、将来の氷期においても、このタイプ の処分の安全性は基本的に、岩盤、大深度、そして地下水が静止しているという仮定に基づくものとなる。たとえ岩盤が良好なバリア であるとしても、それだけで安全要件が満たされることを明示するのは困難な可能性がある。将来に氷河作用や地震が生じた場合、 それによって深層ボーリング孔概念による最終処分場の安全性にどのような結果的影響が生じ得るのかについては、多大な不確実 性が存在する。」 「どのようにすれば、こうした深いボーリング孔内の正しい位置にキャニスタ及び緩衝材を定置できるのか、さらには定置が実施された 後にこれらの孔が備える可能性のある様々な特性に関しては、現在のところ実用水準の知識は存在していない。定置作業中にキャ ニスタは大きな応力を受けることになるほか、緩衝材についてもキャニスタについても、定置後にその健全性に関する点検を行うこと はできない。定置後のキャニスタは、こうした大深度で支配的となる有害な影響を伴う化学条件(高温、高い塩分濃度など)や高い岩 盤応力にさらされる。全体としてこうした条件は、深層ボーリング孔処分の場合には、緩衝材にもキャニスタにもバリアとしての機能を 期待できないことを意味する。したがって、長期的に依存することが可能な唯一のバリアは、岩盤である。 ・「核種分離・変換:長寿命放射性核種の含有量は劇的に低減するが、一部の高レベル・長寿命廃棄物は残り、使用済燃料の直接処分 の場合と類似した管理を実施する必要がある。地層処分場で処分しなければならない長寿命放射性核種の量を効果的に低減する手 段として分離・核変換を使用する場合、きわめて長い期間、すなわち100年を超えて原子力発電活動を維持する必要がある。」

使用済燃料の超ウラン元素の大規模な核変換は、原子炉に類似したプラントで行わなければならない。そして、核分裂プロセスが大 量のエネルギーを放出する点においても、このプラントは原子炉に類似したものとなる。」 ・「長期貯蔵:人間による監督及び規制管理が維持される限り、環境、安全性及び放射線防護面での要件を順守することができる。また おそらくは、乾式貯蔵でも湿式貯蔵でも、安全性を損なうことなく、少なくとも100年間にわたって調査を継続することができよう。しかし これよりも長い期間については不確実性が大きくなる。したがって監視付き貯蔵は、最終処分に関して設定される要件を満たすもの ではなく、単に最終的な解決策の延期を実現するだけである。」

14

(16)

最終処分制度の創設に至る経緯

②第2次取りまとめに示された安全確保の考え方

(17)

断層活動、地下水の存在

火山、隆起・侵食等

人間と廃棄体との接近

地質環境の特徴

火山や活断層、隆起・侵食の激しい場所等を避けることで、地層処

分にとって安定な場所を選定(サイト選定)

締固めた粘土

処分施設

火山活動

地震・断層活動

対 策

地下水による放射性物質の移動

安全性への影響

人工的なバリアによって,放射性物質と地下水

の接触を遅らせる(工学的対策)

地下300m以深

天然バリア

(岩盤)

金属製容器

ガラス

固化体

人工バリア

(1)想定されるリスク

・人間と廃棄体の接近

・地下水による放射性物質の移動

(2)対策

・適切なサイトを選定する

・処分場を適切に設計し適切な工学的対策をとる。

・地層処分システムの安全評価を実施する。

隆起・侵食

多重バリアシステム(天然バリア+人工バリア)の長期安定性を保守的に評価(安全評価)

安全確保の考え方 ①地層処分を行う上での主な考慮事項

16

「地層処分の技術的信頼性」【第2次とりまとめ】(1999年 核燃料サイクル開発機構)を基に作成

(18)

地表の「ゆれ」 300 深度(m) 0 100 200 地下利用深度;数 地下利用深度;数10m10m以浅以浅 (震源;地下数km~数10km) 処分場設置深度;300m以深 断層活動 地表より「ゆれ」は小さい 地下深部での「ゆれ」は さらに小さい (土木学会(第1次)・地盤工学会合同調査団 調査速報より)

地表の被害

新潟県山古志村の木沢トンネル

(2004年10月中越地震)

トンネル内の被害

地表の壊滅的な

被害に対し、トン

ネルの空洞が保

たれている

震度7直下型地震に

おける被害事例

(1)一般に、地表部は地震によるゆれが大きい。逆に地下深くなると、地表に比べ地震の揺れが小

さい。

(2)埋設されたガラス固化体は周囲の岩盤と一体になって揺れる

⇒ 埋設されたガラス固化体が地震により破壊される可能性は非常に小さい

安全確保の考え方 ②地震が及ぼす地層処分への影響

17

「地層処分の技術的信頼性」【第2次とりまとめ】(1999年 核燃料サイクル開発機構)を基に作成 (第46回原子力委員会臨時会議資料第4-3号より(2012年))

(19)

(1)ガラスは分子構造の中に放射性物質を閉じ込めることが可能で、割れても放射性物質が漏れ出

すことはない。また、水に溶けにくく、ガラス固化体が全て溶けるのに約7万年と評価されている。

(2)オーバーパックにより、ガラス固化体と地下水の接触を一定期間遮断。地下深部では酸素が少

ないため、金属の腐食は極めてゆっくりとしか進まず、1000年間でのオーバーパックの腐食量は、

多くとも約3cm程度と評価されている。

※ これまで考古学で出土した鉄製品の長期腐食事例からは、1000年間の鉄製品の腐食量は0.1~1.4cm。

(3)緩衝材(粘土)は、地震の揺れの影響を緩和するのみならず、地下水や放射性物質の移動を遅

らせたり、放射性物質を吸着する役割を担う。

約100万年前の火山ガラス

千葉県にて産出。約100万年前に堆積し

た泥質層の中に埋まった「火山ガラス」

からは、ガラスの成分の溶けだしがほと

んどないことが確認されている。

約730年前の鉄

出雲大社境内遺跡から出土した鉄

斧。粘土で覆われた状態で発見さ

れ、その表面が薄い錆で覆われて

いたが、完全な形を残していた。

堺市下田遺跡から発掘された銅鐸。

粘土の中で、1800年間腐食がほとん

どなく、金属光沢が保たれていた。

約1800年前の銅鐸

安全確保の考え方 ③人工バリアの機能

18

「地層処分の技術的信頼性」【第2次とりまとめ】(1999年 核燃料サイクル開発機構)を基に作成 写真提供:核燃料サイクル開発機構(現 日本原子力研究開発機構)

(20)

(1)地下深部は、地表付近に比べ、地震動の影響が少ない、金属が腐食しにくい、地下水の動きが

遅い、テロリスクがない等の特徴。

(2)放射性廃棄物を長期に亘り人間環境から安全に隔離するため、以下のような安定的な地層を選

定する。

①地震・断層活動や火山活動、隆起・侵食の影響を受けない地層

②地下水流速の遅い地層(人工バリアから漏出した放射性物質は地下水にのって移動するため)

※1000年後に人工バリアが機能を失い、放射性物質が全量、地下水にのって岩盤・破砕帯を移動し、地表

に到達するとの仮想シナリオの下評価した場合でも、最大被ばく線量は80万年後に年間0.005μSvと評価。

処分施設

火山活動

地震・断層活動

隆起・侵食

断層破砕帯 河川 岩盤 処分施設 帯水層 堆積層 放射性物質を 含む地下水 100m (流速: 0.05 ~ 50m/ 年の間で正規 分布すると仮定)

放射性物質を人が

摂取すると仮定

安全確保の考え方 ④天然バリアの機能

19

「地層処分の技術的信頼性」【第2次とりまとめ】(1999年 核燃料サイクル開発機構)を基に作成

(21)

現象を表す数学モデルとデータを用いた評価解析

安全裕度を持たせたモデルやデータ設定

• 例えば、オーバーパックの腐食速度は、時間の経過に伴

い低下するが、評価では腐食速度は一定と仮定。

• 放射性物質の地下水に対する溶解度も時間の経過ととも

に低下するが、評価では溶解度を一定と仮定。

実験や調査に基づく現象の理解、データの取得

○地下水の動き方 ○熱・力の伝わり方

○水と物質の反応の仕方 等

安全基準

安全性の判断

シナリオ

モデルの

構築

評価・解析

(シミュレーション(複数))

「もし、こんなことが起こったら・・・?」

○地下水による放射性物質の運搬 ○人間と廃棄体との接近

○隆起・侵食や気候変動等の自然変動 ○初期欠陥

データの

取得

炭素鋼の腐食速度の経時変化 腐食速度は、実際には時間の経 過に伴い低下する。

○将来に予想される変化や心配される状況を予測し、モデルとデータを用いたシミュレー

ションにより評価する。

○将来の状態を言い当てるのではなく、安全性を判断するための材料を提供。

20

安全確保の考え方 ⑤安全評価とは

「地層処分の技術的信頼性」【第2次とりまとめ】(1999年 核燃料サイクル開発機構)を基に作成

(22)

安全性の評価で考慮するシナリオ

地下水シナリオ

想定:“地下水により放射性物質が処分場

から人間環境に運ばれる”

接近シナリオ

想定:“放射性廃棄物と人間との

距離が接近することにより

人間環境に影響が及ぶ”

基本シナリオ

想定:

“現在の地質・地表環境が将来

まで継続”

“人工バリアが安全機能を発揮”

変動シナリオ

想定:

天然現象、将来の人間

環境、初期欠陥の影響

超長期の不確実性が

及ぼす影響を把握。

極端な場合の想定

仮想的に、断層やマグマが廃棄体を

直撃することを想定した評価を実施。

「基本シナリオ」の想定条件

に変化が生じた場合の想定

隆起・侵食や気候変動等を考慮した

評価を実施。

○将来に予想される変化や心配される状況の想定(“シナリオ”)を評価し、地層処分の

安全性を提示。

21

安全確保の考え方 ⑥超長期の不確実性への対処

「地層処分の技術的信頼性」【第2次とりまとめ】(1999年 核燃料サイクル開発機構)を基に作成

(23)

Case #1: 標準的なケース

(レファレンスケース)

千年後にオーバーパックが機能を失い、放射性物質が

岩盤および断層破砕帯を移行して地表に到達したと

仮定(比較的厳しい結果が得られる条件を設定)

 岩種:結晶質岩(酸性)

 地下水:降水系

 GBI

:河川

 地形:平野

地下水シナリオに対する最大線量の分布

Case #2- #37: 標準的なケースから、条件

(岩種、地下水、GBI

、地形等)

を変えて評価

※:放射性核種が地下から生物圏に流入すると想定される場所 (例えば、深井戸、河川等)

○標準的なケースに加え様々なケースで評価。

○各ケースの最大線量は諸外国で提案されている安全基準を下回る。

22

安全確保の考え方 ⑦さまざまなシナリオの評価結果

「地層処分の技術的信頼性」【第2次とりまとめ】(1999年 核燃料サイクル開発機構)を基に作成

(24)

地層処分に関する研究開発について

(25)

資源エネルギー庁、 JAEA、2010を一部編集

『原子力政策大綱』(平成17年10月11日 原子力委員会)

国、研究開発機関及びNUMOは、それぞれの役割分担を踏

まえつつ、密接な連携の下で、高レベル放射性廃棄物の地層処

分に係る研究開発を着実に進めていくことを期待する。NUMOに

は、高レベル放射性廃棄物の最終処分事業の安全な実施、経済

性及び効率性の向上等を目的とする技術開発を計画的に実施し

ていくことを期待する。また、日本原子力研究開発機構を中心と

した研究開発機関は、深地層の研究施設等を活用して、深地層

の科学的研究、地層処分技術の信頼性向上や安全評価手法の

高度化等に向けた基盤的な研究開発、安全規制のための研究

開発を引き続き着実に進めるべきである。

『特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針』(平成20

年3月14日閣議決定)

特定放射性廃棄物の最終処分に係る技術の開発のうち、

機構(NUMO)は、最終処分事業の安全な実施、経済性及び

効率性の向上等を目的とする技術開発を担当するものとし、

国及び関係研究機関は、最終処分の安全規制・安全評価の

ために必要な研究開発、深地層の科学的研究等の基盤的な

研究開発及び地層処分技術の信頼性の向上に関する技術開

発等を積極的に進めていくものとする。

24

高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する研究開発の分担

(26)

文部科学省

(日本原子力研究開発機構:JAEA)

○深地層の研究施設等を活用し、深地層の科学的研究や安全評価手法の開発などの 基盤的・体系的研究を実施。 ○原子力機構が実施している深地層の研究施設等を活用した研究例 ・瑞浪及び幌延の地下研究施設を利用した、結晶質岩と堆積岩に関する総合的な調査 技術/モデル化手法の適用性評価/体系的整備(地質構造モデルの開発など) ・地質環境の長期安定性を評価するためのマグマの検出技術や隆起量の測定技術の 開発 ・放射性物質の溶解や移動(吸着・拡散など)に関わるデータなどの安全評価の基礎と なるデータベースの開発

資源エネルギー庁

(地層処分技術調査等事業)

○人工バリア等の工学技術などに関する要素技術の開発を実施。 ○資源エネルギー庁が実施している要素技術の開発例 ・人工バリアの製作や施工等の工学技術の開発 ・TRU廃棄物の処理・処分技術の開発 ・高水圧湧水に対応したグラウト注入技術の開発 ●地層処分基盤研究施設 (バリア性能試験/解析評価) 東海研究開発センター ●地層処分放射化学研究施設 (放射性物質を用いた試験) 瑞浪超深地層研究所 (結晶質岩)

※研究開発全体の効果的かつ効率的な推進を図ることを目的に、「地層処分基盤研究開発調整会議」を設置(H17.7~)

幌延深地層研究所 (堆積岩) (イメージ図) (イメージ図) 幌延深地層研究センター 東濃地科学センター 人工バリアの製作技術 (溶接技術の適用性確認) TRU廃棄物の処理技術の開発 (ヨウ素固化体の開発)

原子力発電環境整備機構(NUMO)

○最終処分事業の安全な実施、経済性及び効率性の向上等を目的とする技術開発を実施 ○NUMOが実施している研究開発例 ・地質環境の調査・評価技術(火山・断層、地下水の流れ、岩盤の強さ等の調査・票技術) ・処分場の設計、建設・操業・閉鎖技術 ・安全評価技術(天然バリアや人工バリアの性能、地下の放射性物質の動き等の安全評価) ・事業管理技術(事業運営や品質保証に関わる技術等) 交差部では応力が集中する 地下施設の耐震性評価技術の開発 (周辺岩盤せん断応力分布(例)) ボーリング孔間の調査 硬さ ボーリング孔 岩盤物性の空間分布の把握 (弾性波速度の例)

25

高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する研究開発の実施体制

(27)

これまでの主な取組 ●全体計画書を策定(H18.12) ●総合資源エネルギー調査会の放射 性廃棄物処分技術WGにおいて 研究開発の取組について検討 (H21.5中間とりまとめ) ●改訂版計画書を策定(H21.7版) ●改訂版計画書を策定(H22.3版)

研究開発の役割分担については、国、日本原子力研究開発機構(JAEA)及びその他の研究機関等

※1

からなる

「地層処分基盤研究開発調整会議」

※2

(H17.7設置)で調整を行い、重複が生じないようにしている。

※1:平成23年度:原子力環境整備促進・資金管理センター、電力中央研究所、産業技術総合研究所、放射線医学総合研究所、原子力発電環境整備機構(NUMO)。 ※2:平成17年に、原子力委員会の「高レベル放射性廃棄物に係る研究開発は全体を俯瞰して計画的かつ効率的に進められることが重要である。国、関係機関等はそのた めに効果的な仕組みを検討するべき。」との提言を受け、同年に資源エネルギー庁及び日本原子力研究開発機構等により「地層処分基盤研究開発調整会議」を設置。 文部科学省(日本原子力研究開発機構)及び資源エネルギー庁(地層処分技術調査等事業)の事業に重複が無いように地層処分基盤研究開発の全体計画を策定し、公開 している。(http://www.enecho.meti.go.jp/rw/docs/library/rprt3/rprt05.pdf)

26

資源エネルギー庁調査等

事業実施機関※

(独)日本原子力

研究開発機構

(JAEA)

経済産業省

資源エネルギー庁

総合資源エネルギー調査会

原子力部会:放射性廃棄物小委員会

情報発信

原子力委員会等

情報発信

大学等有識者意見

地層処分基盤研究開発調整会議

① 研究開発全体計画の策定 ② 研究開発の連携に関する調整 ③ 成果の体系化に向けた調整 ④ 研究開発の重複排除の調整 運営会議 地質環境WG 工学技術WG 性能評価WG TRU廃棄物WG 分野別SWG 統合WG

原子力発電環境整備機構

(NUMO)

※:平成24年度事業の実施機関 (公財)原子力環境整備促進・資金管理センター (独)日本原子力研究開発機構 (一財)電力中央研究所 (独)産業技術総合研究所 (独)放射線医学総合研究所

地層処分基盤研究開発調整会議

(28)

○昭和59年 8月:貯蔵工学センター計画の公表。北海道知事や周辺自 治体等の反対により十数年間膠着状態 ○平成10年 9月:同計画の白紙撤回を北海道知事が確認 ○平成12年10月:北海道における持ち込み禁止条例の制定 ○平成12年11月:北海道、幌延町及びサイクル機構で、放射性廃棄物 を持ち込まないことなどを定めた3者協定を締結 ○平成13年 3月:幌延深地層研究センター開所、調査開始 ○平成17年11月:立坑の掘削を開始 ○平成19年 6月:PR施設『ゆめ地創館』を開館 ○平成21年10月:国際交流施設を開館 ○平成24年 5月:深度350m調査坑道(東立坑~換気立坑間)貫通

超深地層研究所計画(岐阜県瑞浪市)

花崗岩

(結晶質岩)

硬岩

淡水系

地上施設(研究所) 研究坑道

立坑掘削

深度約500m

(H25.3.11現在)

泥 岩

(堆積岩)

軟岩

塩水系

立坑坑内

立坑掘削

深度約350m

(H25.3.11現在)

幌延深地層研究計画(北海道幌延町)

(イメージ図)

【深地層の研究施設の役割】

○地層処分の技術が実際の地質環境で機能することを確認/わが国固有の地質環境の理解

○深地層の環境を体験・理解

「深地層の研究施設は、学術的研究の場であるとともに、国民の地層処分に関する研究開発の理解を

深める場としての意義を有し、その計画は、処分施設の計画と明確に区分して進めることが必要。」

【原子力長期計画(平成12年11月24日:原子力委員会)より】

(イメージ図) ○平成 7年 8月:超深地層研究所計画を公表。一部住民から反対の動き ○平成 7年12月:岐阜県、瑞浪・土岐両市及び動燃で、放射性廃棄物を 持ち込まないことなどを定めた4者協定を締結 ○平成13年10月:建設予定地(月吉区)での研究坑道等設置を断念 ○平成14年 1月:瑞浪市有地の賃貸借契約を締結(建設地の変更) ○平成14年 4月:瑞浪超深地層研究所開所 ○平成15年 7月:立坑の掘削を開始 ○平成21年 1月:深度300mの研究用水平坑道を貫通 ○平成24年 7月:深度500mの予備ステージ貫通 深度300m 深度500m 地上施設(研究所) 換気立坑 主立坑 西立坑 換気立坑 東立坑 深度140m 深度250m 深度350m

27

2つの深地層研究施設計画(瑞浪・幌延)

(29)

最終処分制度の創設に至る経緯

③高レベル放射性廃棄物処分懇談会で示された

処分事業のあり方とそれを踏まえた制度

(30)

「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」概要②-1

原子力委員会高レベル放射性 廃棄物処分懇談会(1998年) 総合エネルギー調査会 原子力部会中間報告(1999年)(※) 措置状況 国民との意見交換 進展に応じて、国民各層から意見を聴取し 意見交換する場を設けることが重要。 国は、社会的信頼性の確保に向け、以下 のような役割を果たすべき。 ・国が前面に立った政策の説明及び情報提 供 ・法制度上の措置はなし ・基本方針、最終処分計画の改定にあたり、 パブリックコメントを実施 ・広聴・広報事業を実施 プロセスの明確化 処分地選定の手順、処分計画・事業申請・ 安全審査、処分場の建設・操業、埋め戻し、 埋め戻し終了後の対応など事業の過程を 明確化しておくことが必要。 国は以下のような制度を措置すべき。 ・基本計画の策定 ・事業主体の実施計画の承認 ・基本方針、最終処分計画の策定(法3条、 4条)、3段階の立地選定プロセス(法6~9 条)等により、処分プロセスを明確化。 ・閉鎖後の措置については、「機構の解散 は別に法律で定める」こととしている(法71 条)。 処分事業の第三者的監査 実施主体の事業活動について外部から確 認する仕組みを検討しておくことが必要。 ・処分地の選定経過や選定の理由につい て、公正な第三者がチェックを行う ・実施主体の活動内容や操業状況につい て、外部から安全性を含めて定期的に確 認し、評価する仕組み ・最終処分計画の改定にあたり、原子力委 員会、原子力規制委員会(旧 原子力安 全委員会)の意見を聴く。(法4条)) ・なお、総合資源エネルギー調査会(放射 性廃棄物小委員会)が事実上第三者的監 査組織としての役割を担っている。 情報公開の徹底 処分事業の各段階で、処分事業に関する 情報を公開するのが原則。 ・処分候補地や処分予定地の選定を行う際、 選定過程の科学的・社会経済的な情報を 公開 ・定期的にデータや報告書を公開 ・適切な情報公開について、機構の努力義 務を規定。(法60条) ・3段階の調査の各結果については、報告 書の公告・縦覧、説明会の開催、住民意 見の聴取等を規定(施行規則8~10条)

処分事業の透明性の確保

29

※処分懇談会報告書を受け、主に実施主体の要件や国との役割分担、処 分費用の確保の仕組み等について、制度の具体化に向けた検討を実施。

(31)

「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」概要②-2

原子力委員会高レベル放射性 廃棄物処分懇談会(1998年) 総合エネルギー調査会 原子力部会中間報告(1999年) 措置状況 技術進歩への柔軟な対応 廃棄物の減量化や有効利用に関する研究 について定期的に評価を行うとともに、こう した技術に飛躍的進歩があった場合に柔 軟に対応できるような仕組みが大切。 今後の研究開発の進展等により設計仕様 が一層最適化された場合にあっては、適宜 適切に処分費用の見積りに反映。 ・処分場閉鎖にあたり経産大臣の確認が必 要(法17条)。 ・処分場閉鎖までの間は、廃棄体の回収可 能性を維持することが必要(原子力安全・ 保安部会 2006)。 ・法律の見直し規定(法附則10条)。

処分技術への理解

原子力委員会高レベル放射性 廃棄物処分懇談会(1998年) 総合エネルギー調査会 原子力部会中間報告(1999年) 措置状況 電気料金による費用確保 処分に直接要する費用は、受益者負担の 考え方から電気料金の原価に算入し電気 利用者が負担することが適当。 原子力発電を享受している現世代が当該 発電から発生する廃棄物の処分費用を負 担することは、世代間の負担の公平性から も必要かつ妥当。 ・拠出金は電気料金原価に参入(電気事業 法) 処分費用の範囲(閉鎖後管理) 処分場の埋戻し以降の管理費用は、管理 の実施を次世代の判断に委ねるかどうかと ともに議論することが適当。 手当てされるべき費用の範囲は、事業に伴 い必要とされる技術開発から、操業、閉鎖 後のモニタリング等の措置までの各費用項 目とすることが適切。 (約2.7~3.1兆円との費用見積りを提示) ・処分場閉鎖後の当該区域の管理を機構 の業務として規定。(法56条) ・300年間のモニタリング費用を処分費用に 含め、拠出金単価を算定。(法11条) 資金の積立てと確実な費用確保 事業資金を必要な時期に機動的かつ円滑 に支出することができる制度が必要。 資金が積み立てられる制度や必要に応じ 柔軟に確保額が変更できる制度が適当。 ・手当てすべき額を合理的見積りに基づき 確定し、拠出の方法を明確化する等、資 金確保制度を法的に担保することが適当。 ・資金は、独立した主体又は実施主体内部 で区分された資金管理とすることが適当。 ・将来の費用増減に対する調整メカニズム が法的に担保されることが重要。 ・処分費用を拠出金として回収。拠出金単 価は毎年改定(法11条) ・回収された資金は資金管理法人に積立て (法58条) ・積立金の取戻しにあたり、経産大臣の承 認が必要(法59条)

処分費用の確保

30

(32)

「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」概要②-3

原子力委員会高レベル放射性 廃棄物処分懇談会(1998年) 総合エネルギー調査会 原子力部会中間報告(1999年) 措置状況 実施主体が具備すべき能力(技術的能力・ 経理的基盤) 処分を安全に行うために技術的能力と経理 的基盤を十分に備えることが重要。 技術的能力 ・優秀な人材の定着に必要な処遇 ・サイクル機構等からの適切な技術移転 等 経理的基盤 ・長期に安定的に手当てされた資金から的 確な支弁を受けられる制度を法的に担保。 ・支出の適切性・効率性を確保するため、 内部及び外部からのチェック機能が重要。 ・設立認可にあたり、機構の経理的・技術 的基盤を経産大臣が確認。(法41条) ・毎年度、事業計画(予算含む)を経産大臣 が認可。(法64条) ・積立金の取戻しにあたり、経産大臣の承 認が必要。(法59条) ・資金管理法人による支出内容の確認(法 75条) 実施主体の運営・管理 内部でのチェック機能が十分働くと同時に、 外部(第三者)からのチェックが可能である ような実施主体の組織や体制を整備するこ とが必要。 ・経営責任の明確さ、経営判断の柔軟性、 社会に開かれた運営等が確保できる優れ た経営能力が求められる。 ・コスト意識が徹底され、民間の活力を維持 し得る組織であることも重要。 ・社外役員制度等の内部チェック機能、外 部委員会による第三者チェック機能等の 活用が重要。 ・事業の非営利性を明確化することが重要。 ・監事(役員)による監査(法46条) ・評議員会による重要事項の審議(法53 条) ・報告及び立入検査(法70条) ・役員の選任・解任にあたっての経産大臣 認可(法49条) ・役職員は、刑法等の罰則の適用について、 公務に従事する職員とみなす。(法55条) 長期安定性(解散の歯止め) 長期に安定して存続するためには、解散に 対する歯止めが必要。 処分施設閉鎖後所要の期間求められるモ ニタリング等の措置まで含めて長期に亘る 事業を遂行することが想定されており、法 人の解散に対する歯止めが必要。 ・機構の解散は別に法律で定める。(法71 条) 実施主体の性格(民間事業主体) 民間を主体とした事業とし、国は立法措置 など制度の整備を行い、事業に対して法律 と行政による監督と安全規制が行われるこ とが適当。 特別法に基づく国の関与が必要(例:特殊 法人、特別認可法人、特殊会社、指定公益 法人、指定会社、特定目的会社、協同組 合)。法人形態については、行財政改革を 踏まえつつ検討。 ・経産大臣の認可により設立(特別認可法 人)。(法40条)

処分実施主体の要件

31

(33)

「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」概要②-4

原子力委員会高レベル放射性 廃棄物処分懇談会(1998年) 総合エネルギー調査会 原子力部会中間報告(1999年) 措置状況 回収可能性の維持 処分坑道埋戻し後も、主坑を一定期間閉鎖 せずに維持する等の措置が必要との考え 方がある。主坑埋戻しまでの期間は安全と 安心のバランスを考慮し検討することが必要。 ・処分場閉鎖にあたり経産大臣の確認が必 要(法17条)。 ・処分場閉鎖までの間は、廃棄体の回収可 能性を維持することが必要(原子力安全・ 保安部会 2006)。 処分場閉鎖後の管理 処分場の閉鎖後も一定期間の管理体制を 維持することも検討する必要。モニタリング を継続し、一定期間毎にチェックアンドレビューを 行い、その結果に応じて管理方法を変える という考え方もある。 処分施設閉鎖後における安全確保につい ては、国は、モニタリング等の実施主体に よる措置を経て安全に処分が行われている ことを最終的に確認し、当該施設に係る事 業終了後の安全責任を継承することが適 当。 ・処分場閉鎖後の当該区域の管理を機構 の業務として規定。(法56条) ・300年間のモニタリング費用を処分費用に 含め、拠出金単価を算定。(法11条) ・機構の解散は別に法律で定める。(法71 条) 処分場地下空間の利用制限 法律に基づく処分場地下空間の利用制限 を検討することが必要。 記録の永続的な保存の方法と制度につい て検討することが必要。 国は以下のような制度を措置すべき。 ・地下利用制限等その他規制 ・記録の保持 ・経産大臣は、施設周辺及びその地下を保 護区域として指定できる。(法21条) (経産大臣の許可無く、掘削ができない) ・最終処分施設に関する記録の縦覧、経産 大臣による永久保存(法18条) 損害賠償制度 実施主体が存続しなくなった場合でも、万 一の事故に対する損害の賠償が必ずなさ れるよう制度を整えておく必要。 不測の事態における制度的対応について 国の責任を明確化することは極めて重要。 不測の事態が発生した場合の経済的負担 も、原子力損害賠償制度との整合性に配 慮しつつ、制度的に担保することが適当。 ・原子炉等規制法の許可を受けた段階で、 原賠法の対象。処分費用の対象。 ・天災等で業務困難になった場合の措置は 別に法律で定めることとし、それまでの間 は国が対処(法74条) 安全基準の策定 安全審査を行う際の安全基準の策定に向 けて、安全確保の基本的考え方とその体制 を策定しておくことが必要。 国は以下のような制度を措置すべき。 ・安全規制等に関する技術開発 ・安全審査・設置許可 ・安全管理監督 ・原子炉等規制法(51条の2 第一種廃棄物 埋設)で措置。具体的な安全基準は未定。 ・旧安全委員会が概要調査地区選定にあ たり明らかに排除すべき地点の要件を 「環境要件」として提示(平成14年)。

その他諸制度

32

(34)

「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」概要②-5

原子力委員会高レベル放射性 廃棄物処分懇談会(1998年) 総合エネルギー調査会 原子力部会中間報告(1999年) 措置状況 実施主体の役割 実施主体は、地域との共生を進める中核的 機関として、立地地域に本拠を置き、地域 住民の雇用や地域住民との交流を進める 必要。電気事業者は、廃棄物の発生者とし て、実施主体と一体となって総合的に取り 組む必要。 事業規模との関係で一般的に推定できる 地域共生費用を一般管理費の一部として 計上することとし、立地地域において地域 共生の具体的な方策が決定された時点に おいて、これに係る費用を適切に処分費用 に含めることが適当。 ・処分費用に含めることとなっているが、現 時点では必要額が未定であるため、当面 はプロジェクト管理費で対応する方針。 ・立地地点に本拠を移すことは、公募書類 にて明記。 地域の意向の反映 地域共生に向けた取組は、地域の意向を 十分に反映し、地域の社会・経済的特性に 応じたものでなければならない。 ・企画段階から地域住民が参加する場にお いて、地域が主体となって共生方策の策 定を進める等の方法 ・実施主体が提示するいくつかの計画案の 中から関係地域の自治体が地元にとって 最適と考えられるものを選択する方法 ・NUMOの地域支援策の具体的な策定プロ セスは未定。 持続可能性 共生方策は地域にとって一時的に利益とな るようなものではなく、長期にわたって自立 的に地域の発展に貢献するようなものであ ることが重要。 ・NUMOの地域支援策は、100年以上を想 定。(公募書類) ・国の地域支援策は、電源三法交付金の みであり、現時点では概要調査段階まで 具体化。

地域共生策

33

(35)

「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」概要②-6

原子力委員会高レベル放射性 廃棄物処分懇談会(1998年) 総合エネルギー調査会 原子力部会中間報告(1999年) 措置状況 プロセスの明確化 処分地選定のプロセスと役割を法律などに よって明確化しておくこととする。 ・実施主体は、処分候補地選定に入る前に、 予め処分事業の全体構想、安全確保の 基本的考え方、地域共生方策などを作成 し公表。 ・予備的調査、詳細な調査(サイト特性調査) を経て処分地を選定。その後、事業申請 を行い、国の安全審査を実施。 国は以下のような制度を措置すべき。 ・基本計画の策定 ・事業主体の実施計画の承認 ・基本方針、最終処分計画の策定(法3条、 4条)、3段階の立地選定プロセス(法6~9 条)等により、処分プロセスを明確化。 ・NUMOは、処分事業の構想や地域共生方 策等について、公募資料としてとりまとめ、 公表。 処分候補地選定(公募/申入れ) 実施主体は、公募方式とともに申入方式も 検討する必要。 ・国による申入制度はあるが、実施主体は 公募のみ。 プロセスの透明性確保 国は、選定の各段階において、事業計画や 選定過程の妥当性などについて、技術的 観点及び社会的・経済的観点から確認する。 その際、公正な第三者によるレビューの仕 組みを考えておく必要。 国は以下のような制度を措置すべき。 ・基本計画の策定 ・事業主体の実施計画の承認 ・機構が概要調査地区等を選定した時は、 実施計画を変更し、経産大臣の承認を受 ける必要。(法6~8条) ・最終処分計画の改定にあたり、原子力委 員会、原子力規制委員会(旧原子力安全 委員会)の意見を聴く。(法4条)) 関係自治体や関係住民の意見の反映 選定の各段階において地元の意見を反映 するため、関係自治体や関係住民の意見 を聴く機会を設けることとする。 実施主体や関係住民など当事者が参加し て検討する場を設けることが重要。 国は、社会的信頼性の確保に向け、以下 のような役割を果たすべき。 ・事業推進に係る立地自治体との緊密な連 絡調整 ・最終処分計画の改定にあたり、都道府県 知事、市町村長の意見を聴き、これを尊 重。(法4条) ・3段階の調査の各結果については、報告 書の公告・縦覧、説明会の開催、住民意 見の聴取、住民意見書の首長への送付 等を規定(施行規則8~10条)

処分地選定プロセス

34

(36)

過去の地震等の履歴 活断層・火山の状態 地層の状態 鉱物資源の有無

調査項目

岩石の性質と状態 活断層の位置や性状 過去の地震等の履歴 破砕帯や地下水の概要

調査項目

調査項目

岩石の強度・性質 地層の化学的性質 地下水の詳細 (流速,化学組成等) 地下施設建設

文献調査

概要調査

精密献調査

古文書 地質図 学術論文 ボーリング調査 トレンチ調査(断層調査) 書籍 地下水の採取・調査 (スウェーデンSKBのHPより引用)

35

最終処分選定プロセスにおける調査方法の例

(37)

地元の意向に配慮した立地選定プロセス

36

各調査地区選定段階における地域の意見反映の仕組み(法施行規則第5条~12条にて規定)

(NUMOパンフレットより)

(38)

昭和51年

~58年

・当面の地層処分研究開発課題として「処分の可能性がある地層の調査」が挙げられ、動燃がその調査研究

及び評価を実施すると位置付け。

(原子力委員会放射性廃棄物対策専門部会報告書「高レベル放射性廃棄物処理に関する研究開発の推進について」(昭和55年)等)

・動燃は、15道県を対象に代表的な地層の特徴を把握するため、地質状況(自然条件)や土地の利用状況

(社会条件)等の知見を取りまとめ。(結果は非公開)

昭和59年

~62年

・処分予定地の選定は動燃が実施し、国が妥当性を確認すると位置付け。

(原子力委員会放射性廃棄物対策専門部会報告書「放射性廃棄物処理処分方策について」(昭和60年)等)

・動燃は、処分予定地選定のための「広域調査」として、28道府県を対象に地形情報の判読・解析や地質調査

データを収集。(結果は非公開)

・処分予定地の選定は、別途設立される処分事業の実施主体が実施し、動燃は地層処分技術の確立を目指し

た研究開発の中核推進機関として位置付け。

(原子力委員会「原子力開発利用長期計画」(昭和62年))

・動燃の役割が変更されたことから、処分地選定をすることなく広域調査は終了。

平成14年

・「独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律」が施行。

・市民団体が高レベル放射性廃棄物の処分予定地選定に関する報告書6点について開示請求 。

・サイクル機構(旧動燃)は「事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある」として、調査対象地域等を具体

的に示すことにつながりうる情報を一部不開示。

平成15年

~16年

・原告が名古屋地裁に提訴 。不開示部分の取消しを命令する判決。

・サイクル機構が名古屋高裁に控訴。同高裁は、名古屋地裁に審理を差戻し。

・名古屋地裁(差戻審)において、不開示部分の取消しの判決(H16.12.17)。

平成17年

・サイクル機構は、訴訟の対象となった調査報告書及びその他の関連する非公開だった調査報告書を公開。

<経 緯>

37

旧動燃が実施した地層処分予定選定調査について

(39)

原子力発電環境整備機構(NUMO)について

(40)

1. 名称

原子力発電環境整備機構(NUMO) [特別認可法人]

2. 設立(平成12年10月18日)

民間の発意により設立され、法に基づき設立された特別認可法人

なお、国からの出資及び予算交付はなく、電力会社等による拠出金で事業を実施

3. 設立根拠法令

特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(平成12年法律第117号)

第41条により設立認可

4. 法人の目的(同法第34条)

発電に関する原子力の適正な利用に資するため、発電用原子炉の運転に伴って生じた使用

済燃料の再処理等を行った後に生ずる特定放射性廃棄物の最終処分の実施等の業務を行うこ

とにより、発電に関する原子力に係る環境の整備を図ることを目的とする。

5. 組織

理事長1人、副理事長1人、理事6人(うち3人非常勤)

監事2人(うち1人非常勤)、常勤職員数 80名(H25.3.1現在)

39

原子力発電環境整備機構(NUMO)の概要

参照

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福島第二原子力発電所 2.放射性液体廃棄物の放出量(第3四半期) (単位:Bq)  全核種核  種  別