日本語とスペイン語の会話文における目的語の省略
宮島 敦子
【キーワード】・ 主語、目的語、省略の条件、命題、指示タイプ
1.はじめに
初級スペイン語の習得において・lo,・la といった直接目的格人称代名詞は欠かせ ない文法項目である。しかし、(1a,b)の第二番目の文のように下線で示された直 接目的格人称代名詞を含むスペイン語文に対応する日本語文では、(2)が示すよ うに直接目的格人称代名詞に対応する目的語が明示されると不自然、あるいは不 適切な文となる。
(1)・a.・¿Tiene・Ud.el・pasaporte?・ Sí,・lo・tengo.
b. ¿Compras・estas・flores? No,・no・las・compro.
(新世代のスペイン語・入門編 p40)
(2)・a.・パスポートを持っていますか。 ?・はい、それをもっています。
b. これらの花を買うの。 ?・ううん、それらを買わない。
目的語についての問いへの答えとしては、目的語が省略されている(3a,・b)の ような文が、適切かつ、自然な文であろう。つまり、このような状況では、日本 語では目的語を省略するのが義務的である、と考えられる。
(3)・a.・パスポートを持っていますか。 はい、もっています。
b. これらの花を買うの。 ううん、買わない。
それでは、日本語では目的語はどのような場合に義務的に省略されるのか。
宮島(2018)は日本語の主語の省略について調査したが、久野(1978)は「日本語 に於いては、主語も目的語も、与格目的語も、位置詞も、動詞も、文のどんな自 立構成素も、省略できる。」と述べている。そうであるなら日本語に於いて主語
東京外国語大学
留学生日本語教育センター論集 45:143~153,2019
と目的語の省略、あるいは明示の条件は同じであるのか。
又、スペイン語は主語名詞の人称とそれに一致する動詞の活用形とが細かく分 かれていることから、主語代名詞が省略されやすいいわゆる pro・drop・言語であ る。宮島(2018)の調査では会話におけるスペイン語の主語の省略は日本語会話 における主語の省略よりも圧倒的に多かった。それにもかかわらず、上記(1)が 示す様にスペイン語では目的語は常に普通名詞、あるいは代名詞で明示され、省 略されることはないのであろうか。
本稿では以上の点について観察を行いたい。
観察には会話における日本語の主語の省略について観察を行った宮島(2018)・
同様、東京外国語大学留学生日本語教育センター提供のインターネット日本語学 習教材、JPLANG の会話部分を使用した。
2.目的語の省略 : 主語の省略との比較
JPLANG・ではⅠ課から 28 課の各課に 10 程度のパートにわかれた「会話」が・つ いている。宮島(2018)では、これらの会話を成す 1030 文から文(述語とそれが 指定する項を持つ)とは考えられない相槌など 84 例を除き 946 文を観察対象とし た。
この 946 文中、(4)の二番目の文のように主語が省略されている、と考えられ る文は 527 例であった。(省略されていると考えられる部分は下線で示した)・
(4)・いいえ、私はマレーシアの学生ではありません。 タイの学生です。1
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ (JPLANG 1-2)
946 文中、527 文で主語が省略されているので、日本語では「会話」を示してい る文の 56 %(約 6 割)で主語が省略されていることになる。
これに対し、946 文中、目的語を持つ文は 243 文であったがそのうちの 182 文 で(5)のように目的語が明示され、2
1・ JPLANG は初級者対象のインターネット日本語教材であるため、漢字の使用は最低限に とどめられているが 紙面の節約と見やすさの為に本稿では日本人読者向けのレベルで 漢字を使用して書き直している。
(5)・山田さん、コーヒーを飲みますか。紅茶を飲みますか。・ (JPLANG・3-3)
61 文で、・(6)の答えの文の様に目的語が省略されていた。
(6)・・鎌倉の地図をもってきましたか。 はい、 持ってきました。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ (JPLANG・11-2)
つまり、目的語を有する文のうち約 7 割 5 分で目的語が明示され、2 割 5 分の みで目的語が省略されている、ということになる。上述のように主語を持つ文の うち約 6 割で主語は省略されているので、直接目的語は主語よりも省略されにく いということになる。
宮島・(2018)は日本語の会話における主語省略の条件として・(7)を提案した。
(7)・日本語の会話における主語省略の条件
a.・前文の主語と同一文法役割、同一指示、同一意味的役割であり、かつ、
・ その指示物が前文の主語の指示物と同一時空間にある。・
b.・以下の場合、a・に違反して主語を省略してもよい。・
・ 主語の指示対象が話し手、聞き手、近称の指示詞で表される事物である。
日本語文の主語の省略は常に文外の要素(前文の先行詞あるいは発話の場3)と の関係に依っている。
2・ 高橋・(2016)が説明するように生成文法では・下記(ia)の様な目的語が文の主題となり文 頭に置かれている文では、本来の目的語の位置は空所(省略)である、と分析されている が、本稿ではこれに対応する(1b)の様な日本語文で目的語が省略されている、とは考え なかった。
・ (i)・ a.・This・book,・Harry・read.
・ ・ b.・この本は ハリーが読んだ。
・ その様に考えると、(ii)の様な主語が主題化されている文でも本来「が」でマークされる主 語が省略されていると考えなければいけなくなるからである。
・ (ii)・ハリーは この本を読んだ。
・ 上記目的語を持つ文 243 文のうち(iii)の様に目的語が主題化され文頭にある文は 17 例 あり、これらも目的語が省略された文であると考えた場合は、目的語が省略されている 文の割合は今回調べたコーパスの 3 割となる。
・ (iii)・a.・今日の授業は これで終わります。
・ ・ b.・どうもすみません。お金は後でかえします。
3・ 佐久間鼎(1983)に依っている。
では、「主語」を「目的語」と置き換えれば、目的語も(7)の条件によって省略さ れるのだろうか。
上述の様に目的語がある文の 1/4 にあたる 61 文で目的語が省略されている。
この 61 文のうちの 54 例で、(8)が示す様に前文の目的語(その指示物)と同一文 法役割(目的語)、同一指示、同一意味的役割(theme)、同じ時空間に存在するこ とがその省略を許可、あるいは義務化しているように見受けられる。
(8)・a.・マリアさんは 日曜日に寮で食事を作りますか。
・ ・ いいえ、 つくりません。・ ・ ・ ・ (JPLABG・3-6)
・ b.・(=4)・鎌倉の地図をもってきましたか。 はい、 持ってきました。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ (JPLABG・3-6)
つまり、(7a)の主語省略の条件はこれらの文の目的語の省略も許可、あるいは 義務化する条件である、と考えられる。
また、下記(9)の様に主語の省略条件(7b)((主語の)指示対象が話し手、聞き手、
近称の指示詞で表される事物である)により、目的語が省略されている、と考え られる例が 7 つあった。(9a)・の目的語は「私」(9b)の目的語は「あなた」であると 考えられる。
(9)・a.・では、部屋へ、カメラをとりに行きますから、玄関で 待って
・ ・ いて下さい。・ ・ ・ ・ ・ (JPLANG・11-8)
・ b.・それでは、会議が終わったら すぐ呼びます。・ (JPLANG・21-2)
上記から日本語では目的語を省略する条件は主語省略の条件と同じである、と 結論できる。
また、さらに主語では、下記(10)の様に意味的役割が違う場合、該当主語を 省略することはできなかった。(10)の下線部のお父さんの意味役割は・医者である 「主題(theme)」で前文の「お父さん」の意味的役割「経験者」であるので省略す ることはできない。
(10)・アメリが八歳の時、アメリのお母さんは事故で死んでしまった。さらにお 父さんも悲しさでふさぎ込んでしまった。お父さんは 医者なので定期的にアメ
リの健康検査をする。・ ・ ・ ・ ・ (宮島 2018)
しかし、(11)が示すように目的語は前文の同一指示の先行詞と意味的役割や文 法役割が違っていても省略することができる。
(11)・マリア:・アリさんから 新しい本が たくさん来たと ききました
・ ・ ・・ が、本当ですか。
・ ・ 田中:・ はい。おととい百冊 ぐらい きました。
・ ・ マリア:・どこにありますか。
・ ・ 田中:・ その本棚の中です。 ・ 中から出してください。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ (JPLANG12-12)
(11)の第 4 文目の目的語であると考えられる「新しい本」は第一文~第三文では 主語であるのにこの文では目的語として問題なく省略されている。
従って、目的語省略の為の条件は、主語省略の条件より緩やかなものであるのか もしれない。
しかしながら、上記にも述べたように日本語会話における主語の省略の割合は 6 割であったのに対し、目的語の省略の割合は 2 割五分と低い。これはなぜなの であろうか。
目的語省略の条件である先行詞との文法的、意味的、指示物の一致を満たしな がら目的語が省略されていない例が 14 例あった。この問題について考える為に これらの文について検証したい。
(12)・a.・ マリアさんは日曜日に寮で食事を作りますか。
・ いいえ、 作りません。
・ レストランで 食事をします。・ ・ ・ (JPLANG・3-6)
・ ・・b.・ マリアさんはお母さんに手紙を書きますか。
・ はい、毎週 書きます。
・ お母さんも手紙をくれますか。・ ・ ・ (JPLANG・8-1)
(12a)でも(12b)でも第一番目の文と述語が同じである第二番目の文では目的 語(各々「食事」、「手紙」)が省略されているのに対し、述語が変換している第三番
目の文では目的語が明示されている。(12b)・第三番目の文から目的語「手紙(を)」
が省略された場合、文意をとることは難しいが、文意を想像することは可能かも しれない。しかし(12a)第三番目の文から目的語「食事(を)」が省略された場合、「し ます」となり最早、文意を解釈することは不可能である。このことは目的語は文 意(命題)の決定におおきくかかわっている、ということを示している。このこ とが目的語が主語に比べて省略しにくい一つの原因であると思われる。主語の場 合、たとえ前文と述語がことなっていてもそれを省略することは可能である。
また、省略の条件を満たしていながら省略されない目的語には以下の様に指示 代名詞で表されているものがある。
(13)・a.・ 私は山田さんにプレゼントをもらいました。
・ どんなものをもらいましたか。
・ この人形をもらいました。
・ 明日、航空便でこれを姉に送ります。・ ・ (JPLANG・8-11)
・ (明日、航空便で姉に送ります。)
・・・・・・・b.・ 先週事務室で学生証を受け取りました。
・ 外出するとき、これをもっていかなければなりませんか。
・ (外出するとき、持っていかなければなりませんか。)・(JPLANG15-5)
(13a)、(13b)とも下線で示された指示代名詞で示された目的語が省略されても 文意は通じる。しかし、( )内の文が示すように、これらの指示代名詞で目的語 が明示されないと、会話としての臨場感、あるいは具体性に欠けてしまうようだ。
Jackendoff・(2002 10 章)は、「名詞句には 現実社会に存在している個々
(token)を指示するものと ある種(kind)・あるいはタイプ(type)を表し指示を もっていないものとがある。」と述べている。上述したように、目的語は述語と 組むことにより文の命題の決定に大きくかかわる。Jackendoff の考えに従えば、
目的語に使われる名詞は現実世界の存在を指示するより命題を決定するために名 詞の内容(種 / タイプ)を表すために明示される場合が多いのではないか。タイ プの実現である現実世界の実在を指示するためにはタイプを表す言葉を指示を 表すための言葉に置き換えなければならない。すなわち、(13b)の第二文では「こ れ」は 「受け取った学生証トイウモノ(総称)」を現実世界に存在する物(token)
として言い直すために明示され、(13a)の第四番目の文でも指示詞と総称の組み
合わせである「この人形」を現実世界に存在する物としてより明確に示すために 目的語の「これ」が明示されているように思える。このタイプ(総称)を現実世界 の token(実在)として指示する操作を行うために指示代名詞を使って目的語を示 す必要性が、目的語省略の比率を下げている大きな要因であるように思われる。
文の命題を実現する現実世界の個々(token)を指示する場合が多い主語名詞と違 い、文の意味(命題)決定に大きく関わる目的語の明示には総称と実在(指示)を 明確に区別する役割もあるようである。
本章では日本語の会話では目的語の省略は主語の省略条件と同じ条件(先行詞 と同一文法役割、同一指示、同一意味的役割であるか、指示物が話し手、聞き手 あるいは近称の指示詞で表されるものである)の基に行われることをみた。また、
目的語の省略の率が主語の省略の率より低いのは主語と目的語の性質の違い、す なわち 1)・目的語は文の命題の決定により深くかかわっていること、その為、2)
目的語の名詞は指示を持たず、種あるいはタイプを表す場合が多いこと、また目 的語の明示は指示を持たない種あるいはタイプを表す名詞句に現実世界の存在へ の指示を持たせる役割も担っている からであることをみた。
3.日本語とスペイン語の目的語の省略
前章で、本稿がコーパスとした JPLANG 会話部分の(明示的、非明示的に)目 的語を持つ文 243 例の約 1/4 にあたる 61 文で目的語が省略されていることをみ た。これら 61 の日本語文のスペイン語訳の文のうち 54 文では、日本語では省略 されている目的語が直接目的格人称代名詞で表されている。
下記(14)は日本語では前文にある先行詞との文法役割、意味役割、指示対象 の一致により省略されている目的語がスペイン語では、・・・で示される直接目的格 人称代名詞で明示されている例を示している。(スペイン語との対応関係を明白 にするため、日本語の省略されている目的語は( )内に示した)
(14)=(6)・a.・ マリアさんは 日曜日に寮で食事を作りますか。
・ ・ María,・・ ・¿hace・la・comida・en・a・residencia・los・domingos?
・ ・ いいえ、(それを)・・・・・つくりません。
・ ・ ・ No,・no・・・・・・・la・・・・・・・・・・・・・・・・hago.
・ b.・(=4)鎌倉の地図をもってきましたか。はい(それを)持ってきました。
・ ・ ¿Tiene・el・mapa・de・Kamakura?・・・・・・・・・・・Sí・・・・・・・lo・・・・・・・・・・tengo.
宮島(2018)で述べた様に日本語の会話では話し手、聞き手である主語は談話 中に先行詞がなくてもしばしば省略される。(15)が示すように同様に、日本語で は話し手、聞き手である目的語も先行詞がない場合でもしばしば省略される。そ れに対し、スペイン語では、(15)が示す様に 1,・2 人称であっても目的語は省略で きない。1,・2 人称は明示しないことが基本であると論じられる(Real・Academia・
Española(2009))主語とは大きな違いである。
(15)・a・(=9a)・では、部屋へ、カメラをとりに行きますから、
・ ・ Pues,・como・voy・a・mi・habitación,・para・recoger・mi・cámara.・
・ ・ 玄関で・・(私を)・・待っていて下さい。
・ ・ Espéreme・a・la・entrada
・ B・(=9b).・それでは、会議が終わったら・・(あなたを)・・呼びます。
・ ・ Entonces,・cuando・termine・la・reunión・ ・la・・・・・・・・llamo.
つまり、これらの日本語文で働いている目的語省略の条件すなわち「先行詞と 同一文法役割(目的語)、同一指示、同一意味的役割であること」、「1,・2 人称であ ること」は、スペイン語では、目的語の省略条件にはならず、性別、単複人称を 示す直接目的格人称代名詞の使用条件になるようである。動詞の活用形と主語の 一致から主語の(少なくとも音声的)省略を許可、あるいは義務化するスペイン 語であるが、動詞の活用形との一致をもたない目的語の省略はたとえそれについ ての情報があっても許さないということである。項の省略という観点からは文外
(前文にある先行詞、あるいは発言の場)に省略の条件を置き、少なくとも主語 も目的語も省略できる日本語は、省略の条件を文内に持ち(主語と動詞の活用と の一致)主語しか省略できないスペイン語より、より自由な言語であるというこ とが出来るかもしれない。
しかしながら、目的語が省略されている日本語文に対応するいくつかのスペイ ン語文では(16)~(18)が示すように、他動詞の自動詞化((16)、(17))受動化(18)
などにより、何らかの方法で目的語を繰り返すことが避けられている。
(16)=・(8b)・マリアさんはお母さんに手紙を書きますか。
・・ María,・¿escribe・una・carta・a・su・madre?
・ ・ はい、毎週 書きます。
・ ・ Si,・le・escribe・todas・semanas.・・
・ ・ (「書く(escribir)」の自動詞版の使用)
(17)・食事も自分で作らなくてはなりませんか。
・ ¿Tiene・que・hacerse・la・comida?
・ いいえ、食事は作らなくてもいいです。
・ No,・no・tengo・que・hacérmela.
・ 毎日、食堂で 食べています。
・ Como・en・el・comedor・todos・los・días.
・ (「食べる(comer)」の自動詞版の使用)
(18)・それは花入れですよ。
・ Eso・es・florero.
・ 花を飾るのに 使うのです。
・ Se・usa・para・decorar・flores.・(「使う(usar)」の受動化)
各言語は不要な繰り返しを避ける何らかの手段をもっているのかもしれない。
4.結語
宮島(2018)ではどちらも主語の省略が可能、あるいは義務である日本語とス ペイン語について、日本語では省略の条件は 文外要素である前文主語との(文 法的役割、意味的役割、指示対象の)一致か発言の場で近称の指示詞で示せるこ とが出来ることであり、スペイン語では主語の省略を許す条件は、主に文内要素 である主語代名詞と動詞の活用形との一致であることをみた。本稿ではさらに日 本語では主語と同じ省略条件が目的語にも適用され、目的語も省略されることを 見た。省略の条件が主語の人称と動詞の活用形との一致という文内要素であるス ペイン語では目的語の省略は許されず、日本語で主語、目的語省略の条件となる 要素は、(目的格)代名詞使用の条件となっている。
日本語の主語 / 目的語、あるいは項の省略条件として「先行詞の指示タイプと 同じ指示タイプである」を付け加えるべきであるかもしれないが、その点につい ては今少し検証を重ねたい。
参考文献
(1)・久野暲(1978) 『談話の文法』大修館書店
(2)・佐久間鼎(1983)『日本語の言語理論』恒星社厚生閣
(3)・高橋大厚・(2016) 「項省略」村杉恵子、他(編)「日本語文法ハンドブック 言語 理論と言語獲得の観点から」・開拓社
(4)・福嶌教隆(2009)・『新世代のスペイン語-入門編』くろしお出版
(5)・宮島敦子(2018)・「文章表現と会話における日本語の主語の省略」『東京外国語大学 留学生日本語教育センター論集 44 号』85-96・
(6)・Jackendoff,・Ray・(1990)・Foundations・of・Language,・Oxford・University・Press,・
New・York.
(7)・Real・ Academia・ Española・(2009)・Nueva・ gramática・ de・ la・ lengua・ espanola・
Sintaxis・II,・Madrid,・Espasa・Libros
(8)・コーパス
東京外国語大学留学生日本語教育センター・E-learning・教材 JPLANG
Deletion of the Object Noun
in Japanese and Spanish Spoken Language
MIYAJIMA Atsuko Key Words: Subject, Object, Permission Factors, Indicational Type
In Miyajima (2018), I concluded that the factors that permit the deletion of the subject of a Japanese sentence in spoken language are as follows: (1) The subject noun in question has a co-grammatical role, co-semantic role and is co-referential with its antecedent, or (2) its referent is the speaker or the hearer or an item which can be expressed with “this one” or “here”
In this paper, I investigate the deletion of the object noun and determine that in Japanese, the object noun is deleted by the same factors that permit the deletion of the subject noun.
However, in many cases the object noun indicates a generic name (type), and if the object noun in question indicates a token (a real entity in the world) although its antecedent indicates a type, it cannot be deleted. The change of indexical type/feature does not permit the deletion of the object noun.
When the object noun of a Japanese sentence is deleted, it is expressed as a direct object pronoun in a corresponding Spanish sentence. Thus, we can assume that the factors that permit the deletion of the object noun in a Japanese sentence are the same ones that permit the appearance of a direct object pronoun in a Spanish sentence.
Both Japanese and Spanish permit the deletion of the subject noun. However, while in Japanese the factors that permit the deletion of the subject permit the deletion of the object as well, in Spanish the factor (agreement) doesn’t.