contentscontents contents 〈テーマ展紹介〉「新収蔵品展 岩野平三郎和紙関係資料 絵絹から画紙へ」 それゆけ!ブブ広報部隊「岩野製紙工場見学の巻」 〈イベント報告〉「シャガール展」 平成 27 年度新収蔵品紹介 〈連載〉福井画人列伝 芳崖門下の学者画家・岡不崩【其の壱】 〈お知らせ〉休館日・貸館情報 表紙:小杉放菴「秋渓」(部分)紙本着色、一幅、56.9 × 66.5㎝ 福井県立美術館蔵 [2 〜 3] [4] [5] [6 〜 7] [8] [8]
福 井 県 立 美 術 館
2 0 1 6
MUSEUM
NEWS
Vol.149
岩野平三郎
和紙関係資料
― 絵絹から画紙へ ―
平成28年
5
月
20
日㈮
∼
6
月
19
日㈰
●休 館 日/ 6月6日㈪ ●開館時間/午前9時∼午後5時(入館は閉館30分前まで) ●観 覧 料/一般・大学生100円(20名以上の団体は2割引) ※高校生以下、70歳以上、障害者手帳等を お持ちの方は無料。 ※毎月第3日曜日「家庭の日」6月19日㈰は 入場無料。 「麻紙の放菴か放アンの麻紙かとまことに毎年離れぬ仲に」のくだりに、理想の紙を得た放菴の喜びが伝わってくる。 放菴が愛用した「麻紙」は、もとは奈良から平安の始めまで漉かれていたものであったが、楮や雁皮を原料とする紙にとって代わられ、 その技術も長く失われていたのを、初代岩野平三郎が試行の上に復興させたものである。放菴は麻紙のなかでも極薄のものを好み、 そこに乾いた筆による味わい深い絵を描いた。(表紙図版は、麻紙による放菴作品) 岩野家の書簡や新聞の切り抜き、岩野家の人々からの聞き書きによって元大谷大学教授で真宗大谷派善慶寺住職・ 高橋正隆氏による『絵絹から畫紙へ ―岩野平三郎伝―』(限定350部)が出版される。 福井県立美術館20周年記念「岩野平三郎と近代日本画の巨匠たち」開催。高橋正隆氏の研究を基に岩野家の書簡 85点、絵画約50点が紹介され、全国に資料の存在が知られるようになる。 岩野家所蔵書簡集刊行会による『史料繪絹から畫紙へ ―岩野家所蔵近代日本畫家・學者等の書簡集―』が出版 される。高橋正隆氏が刊行会の中心となり、書簡約800通が翻刻・紹介された。 福井県立美術館に書簡を中心とする資料約850点が寄託※され、当館の常設展を中心に展示される。以後、書簡を中心 にテレビや展覧会で取り上げられるようになった。 ※寄託(ものを預かり保管を委託されること) 当館寄託の書簡と、岩野家所蔵の絵画や和紙関係資料がまとめて寄贈された。 昭和51年 (1976) 平成 9 年 (1997) 平成13年 (2001) 平成16年 (2004) 平成27年度 (2015) 横山大観「朝陽」43.5×55.0㎝ 紙本着色 よこやまたいかん ちょうよう こ すぎ みせい ほうあん ろうぎゅうぞう 小杉未醒(放菴)「老牛像」92.9×130.0㎝ 紙本墨画淡彩 たけうちせいほう りゅうごうせいしょ 竹内栖鳳「柳郷清暑」46.4×59.5㎝ 紙本墨画❖
岩野平三郎和紙関係資料の概要
平成27年度の新収蔵品に岩野平三郎和紙関係資料約1150点がある。 これは福井を代表する紙漉き職人のひとり、三代岩野平三郎氏宅に初代 から代々伝わっていたもので、画家や学者たちから送られた書簡や絵画、 レプリカや書籍を含む和紙関係資料等となる。 初代岩野平三郎(1878 1960)は日本画家の多くが描く画面には絹を用い ていた大正時代中ごろから、学者や画家たちの助言を求めながら理想の画紙 を試行錯誤の末に作り出し、やがてそれが日本画を描く画面の材料を絹から 和紙へと大きく変えることとなった。技は二代、三代へと引き継がれ、現在の 日本画家たちの90%以上が和紙に描く基礎が築かれることとなるが、その変遷は今回寄贈の資料によって俯瞰することが可能となる。 三代岩野平三郎氏は生前から資料の寄贈を希望され、当館が資料調査に入っていたが、手続き完了前の今年1月20日に亡くなられて しまわれた。そのため、岩野氏とともに資料を守り続けておられた実妹の岩野敬子氏が遺志を引き継ぎ当館に寄贈された。 書簡の大部分は『史料繪絹から畫紙へ ―岩野家所蔵近代日本畫家・學者等の書簡集―』(岩野家所蔵書簡集刊行会発行 平成13年) で書籍化されていることから内容はよく知られているが、絵画を含めた全貌が明らかになったのは初めてのことである。 本テーマ展では資料の中から代表的な絵画や書簡等によって、大正から昭和にかけての近代日本画とその表現の変遷を紹介する。 いわ の へい ざぶ ろう いわ の けい こ 資料の内訳 [書 簡]約900通。横山大観(87通)、小杉放庵(100通以上)ら近代日本画の巨匠と交わされたものを含む。 [絵画類]約100点。提供した紙に、画家たちは礼として試筆し作品を贈った。岩野の紙を愛用した小杉放庵(12点)、横山大観(5点)らの絵が含まれる。 [和紙関係資料]約150点。特許証や、感謝状、レプリカ類、和紙関係の限定本書籍など。新収蔵品展
岩野平三郎
〈初代〉
1878(明治11)年∼1960(昭和35)年岩野平三郎
〈二代〉
1901(明治34)年∼1974(昭和49)年岩野平三郎
〈三代〉
1930(昭和5)年∼2016(平成28)年 昭和50年越前和紙技術うちぐも・とびくも・ 水玉の製法により福井県無形民俗文化財の 指定を受ける。昭和51年法相宗大本山薬 師寺の百万巻写経用紙調達。昭和57年桂 離宮御殿昭和の大修理の貢献に対し第七 回吉田五十八賞特別賞受賞。昭和60年法 隆寺昭和大修理に協力。麻紙への謝辞
「麻紙の放菴か
放アンの麻紙か」
発信日:二月六日(※消印:昭和十六・三・七)小杉放菴書簡
❖
寄贈までの経緯
左は横山大観、中央は初代岩野平三郎 とみ た けいせん 初代平三郎の子。本名敬三。父平三郎を 助け、「岡大紙」等の抄紙に関わっている。 初代没後も技をよく守り、麻紙にこだわり続 けた小杉放庵らの注文にこたえ続けた。福 井県指定無形文化財うちぐも、とびぐも、水 玉の製法の越前和紙技術保持者。法隆寺 金堂壁画復元のための壁画用紙、薬師寺 復興写経紙を抄造。昭和42年吉川英治文 化賞受賞。 こ すぎほうあん 大正4年頃から学者・牧野信之助、島連 太郎(三秀舎社主)の勧めで美術紙の開発 を試みる。冨田渓仙の知遇を得、京都画壇 や日本美術院の作家たちとのやり取りを通し て日本画用画紙の開発にも取り組む。大正 14年発行の商品案内『新製日本画紙案内』 で全国に販路を広げ、大正15年には天平時 代の麻紙の再現に成功、同年早稲田大学 壁画用の世界最大の紙「岡大紙」を漉きあ げる。昭和天皇即位のための悠紀主其屏風 のための料紙で名をあげた。昭和期に作り 出された「雲肌麻紙」は現在でも愛用者が 多い。 まき の し ん の す け しまれ ん た ろう おかだい し くもはだ ま し岩野平三郎
和紙関係資料
― 絵絹から画紙へ ―
平成28年
5
月
20
日㈮
∼
6
月
19
日㈰
●休 館 日/ 6月6日㈪ ●開館時間/午前9時∼午後5時(入館は閉館30分前まで) ●観 覧 料/一般・大学生100円(20名以上の団体は2割引) ※高校生以下、70歳以上、障害者手帳等を お持ちの方は無料。 ※毎月第3日曜日「家庭の日」6月19日㈰は 入場無料。 「麻紙の放菴か放アンの麻紙かとまことに毎年離れぬ仲に」のくだりに、理想の紙を得た放菴の喜びが伝わってくる。 放菴が愛用した「麻紙」は、もとは奈良から平安の始めまで漉かれていたものであったが、楮や雁皮を原料とする紙にとって代わられ、 その技術も長く失われていたのを、初代岩野平三郎が試行の上に復興させたものである。放菴は麻紙のなかでも極薄のものを好み、 そこに乾いた筆による味わい深い絵を描いた。(表紙図版は、麻紙による放菴作品) 岩野家の書簡や新聞の切り抜き、岩野家の人々からの聞き書きによって元大谷大学教授で真宗大谷派善慶寺住職・ 高橋正隆氏による『絵絹から畫紙へ ―岩野平三郎伝―』(限定350部)が出版される。 福井県立美術館20周年記念「岩野平三郎と近代日本画の巨匠たち」開催。高橋正隆氏の研究を基に岩野家の書簡 85点、絵画約50点が紹介され、全国に資料の存在が知られるようになる。 岩野家所蔵書簡集刊行会による『史料繪絹から畫紙へ ―岩野家所蔵近代日本畫家・學者等の書簡集―』が出版 される。高橋正隆氏が刊行会の中心となり、書簡約800通が翻刻・紹介された。 福井県立美術館に書簡を中心とする資料約850点が寄託※され、当館の常設展を中心に展示される。以後、書簡を中心 にテレビや展覧会で取り上げられるようになった。 ※寄託(ものを預かり保管を委託されること) 当館寄託の書簡と、岩野家所蔵の絵画や和紙関係資料がまとめて寄贈された。 昭和51年 (1976) 平成 9 年 (1997) 平成13年 (2001) 平成16年 (2004) 平成27年度 (2015) 横山大観「朝陽」43.5×55.0㎝ 紙本着色 よこやまたいかん ちょうよう こ すぎ みせい ほうあん ろうぎゅうぞう 小杉未醒(放菴)「老牛像」92.9×130.0㎝ 紙本墨画淡彩 たけうちせいほう りゅうごうせいしょ 竹内栖鳳「柳郷清暑」46.4×59.5㎝ 紙本墨画❖
岩野平三郎和紙関係資料の概要
平成27年度の新収蔵品に岩野平三郎和紙関係資料約1150点がある。 これは福井を代表する紙漉き職人のひとり、三代岩野平三郎氏宅に初代 から代々伝わっていたもので、画家や学者たちから送られた書簡や絵画、 レプリカや書籍を含む和紙関係資料等となる。 初代岩野平三郎(1878 1960)は日本画家の多くが描く画面には絹を用い ていた大正時代中ごろから、学者や画家たちの助言を求めながら理想の画紙 を試行錯誤の末に作り出し、やがてそれが日本画を描く画面の材料を絹から 和紙へと大きく変えることとなった。技は二代、三代へと引き継がれ、現在の 日本画家たちの90%以上が和紙に描く基礎が築かれることとなるが、その変遷は今回寄贈の資料によって俯瞰することが可能となる。 三代岩野平三郎氏は生前から資料の寄贈を希望され、当館が資料調査に入っていたが、手続き完了前の今年1月20日に亡くなられて しまわれた。そのため、岩野氏とともに資料を守り続けておられた実妹の岩野敬子氏が遺志を引き継ぎ当館に寄贈された。 書簡の大部分は『史料繪絹から畫紙へ ―岩野家所蔵近代日本畫家・學者等の書簡集―』(岩野家所蔵書簡集刊行会発行 平成13年) で書籍化されていることから内容はよく知られているが、絵画を含めた全貌が明らかになったのは初めてのことである。 本テーマ展では資料の中から代表的な絵画や書簡等によって、大正から昭和にかけての近代日本画とその表現の変遷を紹介する。 いわ の へい ざぶ ろう いわ の けい こ 資料の内訳 [書 簡]約900通。横山大観(87通)、小杉放庵(100通以上)ら近代日本画の巨匠と交わされたものを含む。 [絵画類]約100点。提供した紙に、画家たちは礼として試筆し作品を贈った。岩野の紙を愛用した小杉放庵(12点)、横山大観(5点)らの絵が含まれる。 [和紙関係資料]約150点。特許証や、感謝状、レプリカ類、和紙関係の限定本書籍など。新収蔵品展
岩野平三郎
〈初代〉
1878(明治11)年∼1960(昭和35)年岩野平三郎
〈二代〉
1901(明治34)年∼1974(昭和49)年岩野平三郎
〈三代〉
1930(昭和5)年∼2016(平成28)年 昭和50年越前和紙技術うちぐも・とびくも・ 水玉の製法により福井県無形民俗文化財の 指定を受ける。昭和51年法相宗大本山薬 師寺の百万巻写経用紙調達。昭和57年桂 離宮御殿昭和の大修理の貢献に対し第七 回吉田五十八賞特別賞受賞。昭和60年法 隆寺昭和大修理に協力。麻紙への謝辞
「麻紙の放菴か
放アンの麻紙か」
発信日:二月六日(※消印:昭和十六・三・七)小杉放菴書簡
❖
寄贈までの経緯
左は横山大観、中央は初代岩野平三郎 とみ た けいせん 初代平三郎の子。本名敬三。父平三郎を 助け、「岡大紙」等の抄紙に関わっている。 初代没後も技をよく守り、麻紙にこだわり続 けた小杉放庵らの注文にこたえ続けた。福 井県指定無形文化財うちぐも、とびぐも、水 玉の製法の越前和紙技術保持者。法隆寺 金堂壁画復元のための壁画用紙、薬師寺 復興写経紙を抄造。昭和42年吉川英治文 化賞受賞。 こ すぎほうあん 大正4年頃から学者・牧野信之助、島連 太郎(三秀舎社主)の勧めで美術紙の開発 を試みる。冨田渓仙の知遇を得、京都画壇 や日本美術院の作家たちとのやり取りを通し て日本画用画紙の開発にも取り組む。大正 14年発行の商品案内『新製日本画紙案内』 で全国に販路を広げ、大正15年には天平時 代の麻紙の再現に成功、同年早稲田大学 壁画用の世界最大の紙「岡大紙」を漉きあ げる。昭和天皇即位のための悠紀主其屏風 のための料紙で名をあげた。昭和期に作り 出された「雲肌麻紙」は現在でも愛用者が 多い。 まき の し ん の す け しまれ ん た ろう おかだい し くもはだ ま しそういえば ブブ部長は福井 県 民 で あ り な が ら 美大生のときは 高知麻紙を使 っ て いたんだ っ て? 教授のお勧めは 岩野さんとこの 雲肌麻紙だった けど、 高知麻紙は 安 く て 皆 で ま と め て 買うと送料無料 だ っ たんだブ
でもこの
間
、
米谷清和先生に
岩野平三郎製紙所の手漉きの
雲肌麻紙がどれだけ手が込ん
でいて、
昔ながらのやり方で
作っているかを
聞
いて、
現
場
を
是
非
見
たいと
思
っ
たブ
岩野さんのところは手漉き なのはもちろん、乾燥板も 節目のないイチョウの 板に手作業で貼ったり 昔ながらのやり方 なんですよ。 それで自然な 風合いや繊細な 地肌が出来るの ですね。学生時代は値段で
し
か
見
てなか
っ
たから
機
械漉きか手漉きか
なんて知りも
し
ない
し
、
誰も教えて
くれなかったブ
でも地肌が 全然違う ケロ?機械漉きの高知麻紙
は分厚くてフェルト
みたいな感じ
おいらが美大生の頃は、 厚塗りとか盛り上げ表 現 が 流行って 、地肌にこだわら ない描き方が多かったから 安くて丈夫な高知麻紙を 学生は随分使ったんだブ でも最近高知は 超こだわりの手漉き 和紙 ﹁ 大 濵 紙 ﹂も作り 始めて 、日 本画紙も戦 国 時代突入の観があるブ 一方の雲肌麻紙。 大 き さ に 合 わ せ て 手漉きするので 厚さ も 自由自在。 簀 の 色 の 紙 の 透け具合で、 紙の濃さを 目測し 、あ ら ゆ る 薄厚の滑 ら かな 紙を生み出す。 雲肌麻紙が 薄厚 、描き心地、 あらゆる要求 に答える紙 なのは分 か っ たケロも
う一つの問題は、
私たちが本当に
良い紙を求めようとしているかだ。
それは七十七年
前
の座談会の話題
に
も
なっている。
国産原料の確保は越
前
和紙の
ために
も
解決しなけれ
ば
な
ら
ない
案件だ。
[注1]「現存古老の青年時代迄は全山楮樹を以て掩はれたと云ふ背後の山地は今は杉林に變はり、大正末年迄は今立郡農産統計の末尾に附せられた楮皮の産額も今は其の跡を 絶ってゐる。(略)縣内産の楮皮(大野郡)三椏皮(丹波郡・若狭三郡)すら、購入後に調理を要する黒皮の為、其の労賃關係上歡迎されず、既に精製したものを遠く縣外から移 入してゐる。」小葉田亮「五箇製紙立地考」『和紙研究』第2号 昭和14年 [注2]「和紙座談会記録」『和紙研究』第3号 昭和14年 出席者:壽岳文章、岡岩太郎(京都市墨光堂表具店主人)、初代岩野平三郎、三田村貢(越前市旧岡本村旧家)、平塚運 一(東京在住の版画家)、中山琇靜(史学者)、里見忠三郎(京都の古美術商)、後藤捷一(大阪の織物類の研究者)、宮本繁(大阪在住の古代紙収集家)、大澤忍、新村出 昔、 画 材 屋 で 見 か け た 妙 に 安 い 画 紙、 あ れ は 絶 対 機 械 漉 き & パ ル プ 入だろうな … 。 国 産原料や作り方にこだわる と割高になって買う人が減っ たり し ないかな 全部そうなると大変だけど、 国 産原料を使う枠は必要だ し おいらたちも高くても良いもの を積極的に買い、 推奨 し ていき たいと 思 うブ。 幸いなことに福井でも 最近原料になるコウゾを 作り始めたみたいだブ [注3]今回ブブ広報部隊が訪れた
のは日本画の巨匠
・
横山大観
も
愛用の和紙を生み出した
手漉き日本画紙の殿堂、
岩野平三郎製紙所である。
大正15年10月頃 岩野製紙場※を訪問した 横山大観と大智勝観(岩野家提供) ※現 岩野平三郎製紙所 大観 勝観 初代平三郎 明るい ニ ュ ー ス だブ 絵・文 ささきみほ 三・六判 これが噂の節目のない イチョウの乾燥板だ! 七・九判 十二尺五寸判 謝辞 本頁の作成にあたり、格別のご協力を賜りました岩野平三郎製紙所および岩野麻貴子様に心より感謝申し上げます。 於岩野平三郎製紙所和紙座談会記録
[注2]昭和14年4月29日
於龍谷大学図書館
最初の頃は
﹁どんなに高く
かかって
も
よいか
ら
﹂と言
われますが、
後で
﹁体裁は
その位で
も
っと安く﹂
と言
われます
値 段を下げなけれ ば な ら ぬ こ と に な れ ば 、ど う し て も 色 々 の も の を 混 ぜ ね ば な り ま せ ん。 極 端 に 言 え ば 需 要 者 が 品 質 を 悪 く せ よ と い う こ と に な り、 余 儀 な く 品 質 を 低 下 さ せ る と い う状 態 になっています。ごらんになって
この漉桁の
バリエーションを!
本当に昔と同じ
やり方だケロ
し か し 最近 全 国 の 和 紙 産 地 は 生 き 残 り を か け て 国 産 原 料 の 囲 い 込 み を し て い る の で 福 井は 苦 境 にあるブ 和紙 の 里 は 山 が ち で 畑 が 少 な く 、昔 か ら 原料 を 外 に 頼 る 傾向 が あ っ た か ら な お 不都合 だ [注 1 ]《イベント報告》 ふるさと知事ネットワークによる美術館交流事業
高知県立美術館コレクションによる
平成28年2月19日㈮~3月21日㈪
主催/福井県立美術館 協力/高知県立美術館
自立と分散で日本を変えるふるさと知事ネットワーク 地勢の異なる地方の13県(青森、山形、石川、福井、山梨、長野、 三重、奈良、鳥取、島根、高知、熊本、宮崎)が、新しい ふるさとの創造に向けて、「ローカル・アンド・ローカル」の発想 の下、人や地域の新しいネットワークをつくり、地方自治の 新しいモデルをつくるための活動を行っています。 2月19日㈮から3月21日㈪まで開催された「ふるさと知事ネットワーク による美術館交流事業 シャガール展 ―高知県立美術館コレクションよ り―」では高知県立美術館所蔵のシャガールに関する豊富なコレクションの 中から、油絵「花嫁の花束」のほか版画による挿画本の名品や、当館所蔵 のピカソやルオー、ミロなど、同時代に生きた作家たちの版画を併せてご 紹介しました。 会期中はコンサートやギャラリートークなどのイベントを開催し、多く の方にご来館いただきました。 ◎コンサート「シャガールと音楽」 [日 時]2月27日㈯ 午後2時〜 [場 所]当館エントランスホール [演 奏]ソプラノ 東 園氏、ピアノ 木津 美波氏 [参加者]150人 [曲 目]サティ作曲 ジムノペディ第1番 サティ作曲 ジュトゥヴ フォーレ作曲 レクイエムより ピエイエズ バッハ作曲 マタイ受難曲 より 第49曲ソプラノアリア 愛ゆえに モーツァルト作曲 オペラ「魔笛」より 夜の女王のアリア * ◎学芸員によるギャラリートーク ◆一般向け [日 時]2月20日㈯、27日㈯ 3月5日㈯、12日㈯、19日㈯ 午前11時〜 [場 所]展示室 [参加者]105人 * ◎トークサロン「シャガールと旧約聖書」 [日 時]3月6日㈰ 午後5時〜6時 [場 所]美術館喫茶室 ニホ [講 師]学芸員 佐々木美帆 [参加者]23人 * ◎シャガール展見どころ解説 in library 「画家の愛した女性たち」 [日 時]3月12日㈯ 午後3時〜3時30分 [場 所]福井市立図書館 [講 師]学芸員 佐々木美帆 [参加者]10人 ◆友の会会員向け [日 時]2月22日㈪ 午後2時〜 [場 所]展示室 [参加者]12人 会場風景 このコンサートでは20世紀を代表する巨匠シャガールの人生や、 手がけた絵画作品からイメージされる音楽をお届けしました。 美術館喫茶室ニホにて【寄贈】
野
の々村
の む ら仁
に ん せ い清 「色
い ろ絵
え牛
う し図
ず茶
ち ゃ つ ぼ壺」
1口 江戸時代(17世紀)高24.4㎝ 陶器 米田實氏、千恵子氏、俊一氏寄贈 京焼色絵陶器の大成者で、江戸前期に活躍した名工・野々村仁清による色絵茶壺です。 仁清の代名詞ともいえる色絵茶壺は12点が現存し、そのうち7点が重要文化財に、1点が 国宝に指定されています。 本作はいわゆる金銀彩をふんだんに用いた煌びやかな「仁清的」色絵茶壺とは異なり、 アジア・ソサエティー所蔵の「色絵烏図茶壺」に近似し、余白は広く、色数が抑えられた落ち ついた作風です。柔らかく生い茂る草むらのなかを、親子と思われる黒色と飴色の成牛が2頭、 子牛が1頭歩みを進める、牧歌的な雰囲気が漂う作品です。 これまで図版でのみその存在が知られていた本作は、専門家の間でも「幻の壺」と称され、長らく 詳細は謎に包まれていました。今回の寄贈により仁清研究の進展が期待されます。 【購入】竹
た け な か中浩
こ う「白
は く磁
じ面
め ん と り取椿
つばき文
も ん へ い瓶」
1口 平成24年(2012)高43.9cm 磁器 私は柞ゆずはい灰を使って白磁を焼いております。 窯の中で変化をする陶器と違い、磁器は計算を必要とします。 故に風合いと言いますか肌の表情が単一と考えがちですが、 窯出しの度毎に異なる白磁の色を見ます。晴れた日の空の青や、 風に走る雲なぞを微妙に捉えて様々な“白”を見せてくれます。 (『竹中 浩 ―やきものの美―』茶道資料館、平成13年3月) 作者の竹中浩(1941~ )は、現代における代表的な白磁作家の一人。東京生まれですが、高校までの 多感な時期を福井で過ごし、その後京都で人間国宝の近こんどう藤悠ゆうぞう三に師事します。独立後は京都で白磁作品 を中心に制作し、その繊細かつ優美な作風は国内外で高く評価され ています。本作にみるシャープで均整の取れた器体や釉色は、作者の 特徴がよく表れており、椿 の文様も好んで用いられるモティーフです。 朝鮮の白磁や富とみもと本憲けんきち吉の影響を強く受けた作者ですが、本作はそれら を脱し、繊細で緊張感のある造形性には現代的な美意識が表れています。 【購入】岩
い わ佐
さ又
ま た兵
べ衛 「維
え ゆ い摩
ま図」
ず 1幅 江戸時代(17世紀) 113.4×51.9㎝ 紙本墨画淡彩 維摩は古代インドの在家信者(居士)であり、仏教真理に深く通じ、知恵の象徴として知られる 文殊菩薩と議論を戦わせたエピソードは有名です。中国禅宗界においても深く尊崇された人物で、 その姿は古くから絵画化されてきました。 本図は元時代の画像を、又兵衛が模写したものと考えられていますが、様々な表情をみせる線の 表現は巧みで、一種妖気漂う維摩の表情には又兵衛の個性を感じ取ることができます。絵師の岩 佐又兵衛(1578~1650)は39~60歳の約20年にわたって福井で活動していますが、福井時代に 制作された「金谷屏風」と作風において近似することが指摘されており、福井時代に制作された可 能性が考えられます。本図は「山中常盤物語絵巻」(MOA美術館蔵)を海外流失から救ったことで知 られる長谷川巳之吉の旧蔵品で、ながらく所在不明で、近年再出現した作品です。又兵衛の古典学習、 あるいは元時代の中国絵画の様相を知る資料としても重要な作品です。平 成 27 年 度 福 井 県 立 美 術 館 収 蔵 品 紹 介
【寄贈】