はじめに 皆 様 は 相 続 について 考 えたことはあるでしょうか? 相 続 というと まだまだ 先 の 話 だし 相 続 税 がかかるほどの 財 産 はないし うちは 兄 弟 みんな 仲 がいいから と なかなか 本 腰 を 入 れて 考 えていないのが 実 情 ではないでしょうか しかし 相

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相続税の

相続税の

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はじめに

皆様は相続について考えたことはあるでしょうか?

相続というと、

「まだまだ先の話だし・・・」

「相続税がかかるほどの財産はないし・・・」

「うちは兄弟みんな仲がいいから・・・」

と、なかなか本腰を入れて考えていないのが実情ではないでしょうか。

しかし、相続が実際に起こってみると、思わぬトラブルが発生するものです。

そんなとき、

「あのとき対策をしておけば・・・」

と思っても間に合いません。

本冊子では、相続の基本をQ&A方式で簡潔に解説しています。

本冊子が皆様の相続対策のお役にたてば幸いです。

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目次

相続ってどんな税金?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Q 相続税のかかる財産は? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Q 財産の評価方法は? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Q 小規模宅地の特例とは? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Q 相続税の申告期限は? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Q 相続放棄とは? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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Q 準確定申告とは? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Q 相続税の納付方法は? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Q 法定相続人・法定相続分とは?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Q 遺産分割とは? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Q 遺言の作成方法は? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(参考)非上場株式の納税猶予制度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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相続税の計算方法

相続税はどのような税金ですか? 亡くなられた人から受け継いだ遺産にかけられる税金です。 相続税は、遺産から葬式費用、墓地などの非課税財産、借入金などの債務を差し引いた額をもとに計 算されます。 遺産額に加算します。 遺産額 相続開始前3年以内 みなし相続財産 の贈与財産など 遺産総額から控除されます。 課税遺産額 非課税 財産 葬式 費用 債務 相続税ってどんな税金? 課税対象額 基礎控除額 5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数) 相続税の総額 配偶者 子 子 各人の実際の相続割合に応じて、相続税を按分します。 法定相続分通りに分けたと仮定して、相続税の総額を計算します。 ゼロ 納税額 納税額 各人の相続税額に控除や加算を行い、納税額を計算します。 配偶者の 税額軽減

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例:課税遺産額が1億8,000万円、法定相続人が妻と子2人の場合

妻(1/2)

5,000万円

税率

20%

控除額

200万円

800万円

×

子B(1/4)

2,500万円

税率

15%

控除額

50万円

325万円

×

1億円

(課税対象額)

子A(1/4)

2,500万円

税率

15%

控除額

50万円

325万円

×

相続税

の総額

1,450万円

課税対象額の計算

相続税の総額の計算

各人の納税額の計算

1億8,000万円 -(5,000万円+1,000万円×3人)= 1億円(課税対象額)

実際に計算してみましょう! ※法定相続分で ※相続したと仮定 妻が9,000万円(50%)、子Aが5,400万円(30%)、子Bが3,600万円(20%)を実際に相続すると・・・ 相続税額速算表 各法定相続人の取得金額 税率 控除額 1,000万円以下 10% ― 1,000万円超~3,000万円以下 15% 50万円 3,000万円超~5,000万円以下 20% 200万円 5,000万円超~1億円以下 30% 700万円 1億円超~3億円以下 40% 1,700万円 3億円超 50% 4,700万円

妻:1,450万円×

=725万円

配偶者の税額軽減

▲725万円

0円

子B:1,450万円×

=290万円

290万円

相続税の総額

1,450万円

子A:1,450万円×

=435万円

435万円

9,000万円

1億8,000万円

5,400万円

1億8,000万円

3,600万円

1億8,000万円

納税額 税額控除・税額加算 配偶者の 税額軽減 配偶者は、 法定相続分か1億6000万円以下のどちらかまでは無税 未成年者 控除 未成年者は、 60,000円×(20歳-相続開始時の相続人の年齢)を控除 障害者 控除 障害者は、 60,000円×(85歳-相続開始時の相続人の年齢)を控除 特別障害者 控除 特別障害者は、 120,000円×(20歳-相続開始時の相続人の年齢)を控除 相次相続 控除 10年内に相次いで相続があった場合は、 前回の相続税の一定割合を控除 2割加算 配偶者や一親等血族(代襲相続人含み、孫養子は含まな い)以外は、相続税が2割加算

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相続税は全ての財産にかかるのですか? 一部の非課税財産を除いて、ほとんどの財産が相続税の対象となります。 故人名義の遺産は、ほとんどすべてが相続税の対象になります。また、相続人の財産のうち、死亡保 険金など一部の財産も対象になります。 相続税のかかる財産 相続税のかからない財産(非課税財産)  現金・預貯金  土地(田、畑、宅地、山林など)  建物(家屋、構築物など)  有価証券(株式、国債、社債など)  事業用財産(機械、商品、原材料、売掛金など)  家庭用財産(家具、自動車、美術品、宝石など)  その他(ゴルフ会員権、貸付金、借地権など)  生命保険金・死亡退職金の一部 (500万円×法定相続人の数を限度)  墓所や仏壇、仏像等 (骨董品や投資目的で所有しているものを除く)  相続税の申告期限までに国等に贈与した財産  香典・花輪代等

相続税のかかる財産・かからない財産の例

相続税のかかる財産は? 相続税の対象となる財産は、故人が生前に所有していたものだけではありません。下記のような財産も 相続税の対象となります。  死亡退職金  故人が負担していた死亡保険金  死亡前3年以内に贈与された財産  相続時精算課税の適用をうけて贈与された財産  家族名義で作成された預貯金等で実質的に被相続人に係るもの(名義預金)

みなし相続財産など

※特に名義預金は、税務調査で申告漏れを指摘されることが多い財産です。実際の申告にあたっては、 ※相続財産から漏らさないように注意しましょう。

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相続財産はどうやって評価するのですか? 相続財産は相続開始時の時価によって評価されます。 相続財産は、額面や帳簿価額ではなく、相続開始時の時価で評価されます。また、時価の評価方法 は税法で財産ごとに定められています。 財産の種類 評価方法 現金・預貯金 相続開始時の残高 土地 路線価方式または倍率方式 建物 固定資産税評価額 有価証券(上場株式) 相続開始日等の終値 自社株式等 純資産価額方式、類似業種比準方式または配当還元方式 生命保険・死亡退職金 受取金額

主な相続財産の評価方法

財産の評価方法は? その他の財産 相続開始時の時価 ※路線価や倍率については、「路線価図」や「評価倍率表」で確認できます(国税庁ホームページ(http://www.nta.go.jp)。 ※また、固定資産税評価額については、市町村の税務課(東京23区は都税事務所)で調べることができます。 国税庁が定めた路線価(道路に面する標準的な土地の1㎡当たりの価格)に宅地の面積を乗じて評価 額を計算する方法

路線価方式

路線価が定められていない土地について、その土地の固定資産税評価額に国税局長等が一定の地域 ごとに定めた倍率を乗じて計算する方法

倍率方式

<路線価図の例> 左記の路線価図の場合、東京タワーの路線価は、1㎡当たり 118万円となります(路線価図の金額単位は千円)。 この路線価に東京タワーの敷地面積を乗じた金額が、東京タ ワーの土地の相続税評価額になります。 上記のうち、相続財産に占める割合が大きい土地の評価方法について詳しく見てみましょう!

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土地は利用方法によって、評価額が変わってきます! 土地の上に他人が建物を建てている場合、一般的に建物の所有者に借地権が発生します。したがっ て、土地の評価にあたっては、借地権割合を差し引いて評価します。 借地権割合は、路線価図や倍率表によって地域ごとに定められており、路線価図では価額のうしろに アルファベット(A=90%、B=80%、C=70%、D=60%、E=50%、F=40%、G=30%)で表示されて います。 東京タワーの場合、Cですので、借地権割合は70%となります。

土地を他人に貸している場合(貸宅地)

貸宅地の評価額=自用地評価額×(1-借地権割合)

土地の上に自分の賃貸建物が建っている場合、土地の所有者は土地を自由に処分・利用できません。 したがって、土地の評価にあたっては、一定の金額を差し引いて評価します。 借家権割合は、都道府県ごとに定められ、国税庁から発表されています。 東京都の場合、借家権割合は30%となります。 ※賃貸割合とは、建物のうち賃貸にしている割合のことをいいます。

土地の上に自分の賃貸建物が建っている場合(貸家建付地)

貸家建付地の評価額=自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

<例> 土地の自用地評価額が1億円、借地権割合70%、借地権割合30%、賃貸割合90%の場合

自用地

1億円

貸宅地

3,000万円

貸家建付地

8,110万円

1億円×(1-0.7×0.3×0.9)=8110万円 1億円×(1-0.7)=3000万円 自分で使用している土地 賃貸アパートなどを建てている土地 他人の建物が建っている土地

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自宅の土地は評価が低くなる制度があるそうですが、どのような制度ですか? 小規模宅地等の特例といい、最大で評価額が80%減額されます。 故人の家族が居住していたり、事業に使用していた土地については、評価額を減額する小規模宅地 等の特例があります。ただし、特例の適用には条件があるので注意しましょう。

小規模宅地等の特例

土地の種類 相続する人 減額割合 特定居住用宅地等 配偶者 持ち家なしの別居親族 同居、または生計を一の親族 240㎡まで80%減額 小規模宅地等の特例とは? ※この特例は申告期限まで引き続き保有し、居住・事業の用に供している場合に限り適用されます。 ※遺産分割が成立していない場合、この特例の適用は受けられません。 特定事業用宅地等 親族 400㎡まで80%減額 貸付事業用宅地等 親族 200㎡まで50%減額

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相続税はいつまでに申告・納付しなければいけないんですか? 相続税の申告・納付は、相続開始の日の翌日から10ヶ月以内にしなければなりません。 相続手続きは相続税の申告以外にも相続放棄などがあります。相続開始から申告・納付期限までの スケジュールは以下のようになっています。

被相続人の死亡

死亡届の提出

7 日 以 内 3 ヶ 月 以 内 4 ヶ 月 以 内  法定相続人の確認  相続財産の確認  遺言書の確認 確認 作業 相続税の申告期限は?

相続放棄等の手続き

準確定申告

相続税の申告・納付

以 内 10 月 以 内  遺言書の確認  遺産分割協議  遺留分の確認  遺産分割協議書の作成  相続財産の名義変更手続き 遺産 分割

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相続放棄はどのような場合にするのでしょうか? 相続放棄は借金等を相続したくない場合などに行います。 相続放棄をした相続人は相続財産を相続する権利を失います。相続財産がマイナス(財産より借金の 方が多いなど)の場合、相続放棄することによって、借金などの相続をしないで済みます。

準確定申告とはなんでしょうか? 故人の所得税の申告を相続人が故人に代わって行うことをいいます。 確定申告をしなければならない人が確定申告をせずに亡くなった場合、その確定申告は相続人が行 わなければなりません。また、相続人が複数いる場合には連署にて提出することになります。

相続放棄の注意点

 相続放棄をすると、相続の権利は次の人に移ります。  生前に相続放棄をすることはできません。  家庭裁判所に申請が必要です(口頭や書面での放棄は無効)。 相続放棄とは? 準確定申告とは?

相続税はどのように納付すればよいのでしょうか? 相続税の納付は現金一括が原則となります。 相続税の納税は現金一括が原則となっています。しかし、現金一括納付が困難であると認められた場 合には、分割して納付する延納や相続財産そのもので納付する物納も可能となります。 延納 物納  税額が10万円を超えていること  金銭納付が困難なこと  担保を提供すること  申請書を提出すること  延納しても金銭納付が困難なこと  申請書を提出すること  金銭納付が困難な金額を限度とすること  国債・不動産などの物納できる財産であること

延納・物納の条件

(準)確定申告が必要な人

 2ヵ所以上から給与を受けていた人  給与収入が2000万円を超えていた人  給与所得や退職所得以外の所得が合計で20万円以上あった人 など 相続税の納付方法は?

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財産は誰にどのくらい相続されるのですか? 相続できる人や財産の取得割合の目安は民法で決められています。 相続できる人のことを法定相続人といい、民法で順位が決められています。また、相続財産の取得割 合は法定相続分といい、民法で目安が決められています。

法定相続人とその順位

父母 祖父母 養祖父母 養父母 父母がともに死亡 養父母がともに死亡 義理の父母はダメ 第2順位 法定相続人・法定相続分とは? 兄弟姉妹 故人 配偶者 孫 子 養子の孫 養子 甥・姪 兄弟姉妹が死亡 子が死亡 養子が死亡 義理の父母はダメ 血縁のある子 (要認知) (胎児含む) 甥・姪の子はダメ 第3順位 第1順位 ※配偶者は常に相続人となります。 ※配偶者以外の相続人は、相続順位にしたがって相続人となります。たとえば、子や孫が一人でもいる場 ※合は、父母や兄弟姉妹は相続人になれません。

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法定相続分

配偶者がいる場合 配偶者がいない場合 子が いる場合 父母が いる場合 配偶者 2/3 父母 1/3 兄弟姉妹 全部 兄弟姉妹が いる場合 配偶者 1/2 子 1/2 配偶者 3/4 兄弟姉妹 1/4 子 全部 父母 全部 配偶者 全部 配偶者だけ の場合 ※子や父母、兄弟姉妹が複数いる場合はそれぞれ均等に分けます。たとえば、相続人が配偶者と子2人 ※の場合、配偶者は1/2、子はそれぞれ1/4ずつが法定相続分となります。 ◆遺産分割協議書は必ず作成しましょう!! 遺産配分が終わったら、遺産分割協議書を作成しましょう。正式な書面にすることで協議後のトラブルを 避けることができます。また、相続財産の名義変更や相続税の申告の際に必要になります。 書式等は、誰がどの財産を相続したのかを正確に明記し、相続人全員の自署、実印による捺印があれ ば、特に決まりはありません。 協議書の原本と印鑑証明書は相続人各人が保管します。

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相続人が妻と子供2人の場合、法定相続分は、妻が1/2、子がそれぞれ1/4ずつになりますが、長男 に事業を引き継いでもらうため、3/4を長男に、残りを妻と次男で1/8ずつ相続することも可能です。 このような場合には、遺言書を作成する方が良いでしょう。 妻 1/2 長男 1/4 次男 1/4 妻 1/8 長男 3/4 次男 1/8 ○法定相続分だと… ○遺言を活用すると… 1/4しか残せない 3/4を残すことができる

財産は法定相続分どおりに分割しなければいけないのでしょうか? 法定相続分はあくまでも目安ですので、法定相続分と違う遺産分割も可能です。 法定相続分は遺産分割の目安に過ぎませんので、これと異なる遺産分割を行うことは可能です。ただ し、配偶者と子、父母には民法で保護された遺留分があります。 妻 1/4 ただし、妻の遺留分を侵 害しているので、減殺請求 を起こされる可能性あり 遺産分割の方法は? ◆遺留分とは? 遺言による財産の遺贈は、法定相続分より優先します。しかし、相続人の利益を保護する観点から、一 定の遺留分が定められています。 したがって、相続人が遺贈によって財産を取得しようとしても、他の相続人が遺留分の権利を主張(遺留 分減殺請求)すれば、遺留分に相当する部分の遺贈は認められません。 遺留分の額は、法定相続分の2分の1となっています。 1/4しか残せない 3/4を残すことができる 相続人 遺留分 配偶者のみ 配偶者:1/2 配偶者と子(孫) 配偶者:1/4 子(孫):1/4 子(孫)のみ 子(孫):1/2 配偶者と父母(祖父母) 配偶者:1/3 父母(祖父母):1/6 父母(祖父母)のみ 父母(祖父母):1/3 ※兄弟姉妹には遺留分はありません。

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自筆で作成するだけです 作成の手間は? 証人を集めるなど煩雑です かかりません 費用は? 公証人手数料等がかかります

主な遺言の種類とメリット・デメリット

遺言はどのように作成すればよいのでしょうか? 遺言は法律上の要件を満たして作成しなければなりません。 遺言には民法で要件が定められており、その要件を満たしていない遺言は無効となります。また、遺 言は自筆で書く以外にも、公証人役場で作成する方法もあります。

自筆証書遺言

遺言者が自筆で作成する遺言書です。 遺言者が、全文・日付・署名を自筆で書き (ワープロ不可)、押印(認印可)をして作成し ます。

公正証書遺言

公証人が作成する遺言書です。 遺言をする人の話した遺言内容を公証人が筆 記したものに署名押印(実印のみ)して作成し ます。 証人が2人必要です。 遺言の作成方法は? かかりません 費用は? 公証人手数料等がかかります 誰にも知られずに 作成できます 内容は秘密? 公証人と証人に 内容が知られてしまいます 遺言者しか存在を知らない 場合があります 紛失の心配は? 公証役場で管理されているので ありません 要件を満たしていないと、 無効になります 無効になる可能性は? ありません 必要です 裁判所の検認は? 不要です ◆遺言の注意点 • 遺言は何回も書き直すことができます。ただし、日付の一番新しいものが有効となります。 • 遺言書は勝手に開封してはいけません。 • 共同名義の遺言書は無効になります。

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非上場株式の納税猶予制度

<例> 配偶者はおらず、子ども一人のみ(経営承継相続人) 子供は自社株式(非上場、評価額6億円)とその他財産1億円を相続する。 子供は自社株式を全く保有していないとする。

全体の相続税額 2億7,300万円

参考

非上場株式の納税猶予制度とはどのような制度ですか? 一定の要件を満たした場合、後継者の相続する自社株式の相続税の納税が猶予される制度です。 認定承継会社(経済産業大臣から認定を受けた非上場会社で一定の要件を満たす会社のこと)の代 表権を持っていた先代経営者から、相続又は遺贈によってその株式を取得した人が納付する相続税額 のうち、その認定承継会社の総株主等議決権数の3分の2に達するまでの部分にかかる金額の80%に 対応する部分が、その経営承継相続人(先代経営者から相続または遺贈により認定承継会社の非上 場株式を取得した個人で、一定の要件を満たす人のこと)の死亡する日まで猶予される制度です。この 制度は、平成20年10月1日以降の相続から適用されます。 (計算手順) ① 通常の相続税額を計算します 自社株式6億円+その他財産1億円=7億円 (7億円-基礎控除6,000万円)×税率50%-控除額4,700万円=2億7,300万円 ② 納税猶予適用対象株式(総株主等議決権数の2/3まで)のみ相続すると仮定した場合 ② の相続税額を計算します 6億円×2/3=4億円 (4億円-基礎控除6,000万円)×税率50%-控除額4,700万円=1億2,300万円 ③ 納税猶予適用対象株式の20%相当分のみを相続すると仮定した場合の相続税額を計算します 4億円×20%=8,000万円 (8,000万円-基礎控除6,000万円)×税率15%-控除額50万円=250万円 ④ (②-③)が納税猶予税額に、(①-納税猶予税額)が納付税額となります 納税猶予税額 : 1億2,300万円-250万円=1億2,050万円 納付税額 :2億7,300万円-1億2,050万円=1億5,250万円

納税猶予税額

1億2,050万円

納付税額

1億5,250万円

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相続税の納税猶予を受けるための注意点

◆納税猶予の適用を受けるための前提条件 ①相続発生までに「経営承継の計画的な取り組みに関する確認」を経済産業大臣から受ける必要があ ります。ただし、以下の場合は大臣確認が不要となります。 • 施行直後の相続発生(平成20年10月1日から平成22年3月31日) • 被相続人(先代経営者)が60歳未満 • 先代経営者が残した公正証書遺言によって取得する株式と合わせて、後継者が総株主等議 決権数の過半数を有することとなること ②先代経営者に相続が発生すると、会社は地方経済産業局を通じて経済産業大臣の認定を受ける必 要があります。また、経営承継相続人は相続発生後5カ月を経過する日までに代表権を有しなけれ ばいけません。 ◆適用対象についての注意点 ①対象となる会社の注意点 認定承継会社(経済産業大臣の認定を受けた非上場会社で、主に以下の要件を満たす会社)であ る必要があります。 • その会社及びその会社の特別関係会社の株式が非上場株式であり、また中小企業者に該当 すること • 一定の資産保有型会社または資産運用型会社に該当しないこと • その会社及びその会社の特別関係会社が風俗営業会社(性風俗関連特殊営業に該当する営 • その会社及びその会社の特別関係会社が風俗営業会社(性風俗関連特殊営業に該当する営 業を営む会社に限る)に該当しないこと • 常時使用従業員の数が1人以上であること • 直前の事業年度の総収入金額が0でないこと • その会社の特別関係会社(その会社が株式等を有する場合に限る)が会社法に規定する外国 会社に該当する場合、その会社の常時使用従業員の数が5人以上であること ②株式についての注意点 先代経営者から相続した株式のうち、経営承継相続人が相続開始前から保有していた議決権株式 を含めて、その会社の総株主等議決権数の3分の2に達するまでの部分が対象です。 ③先代経営者についての注意点 認定承継会社の代表者であったこと、また、先代経営者及びその同族関係者で総株主等議決権数 の50%超を保有し、かつ、同族内(経営承継相続人を除く)で筆頭株主であること等が必要です。 ④後継者(経営承継相続人)の注意点 被相続人から相続または遺贈により認定承継会社の非上場株式を取得した者で、相続開始から 5ヶ月経過時において会社の代表者であること、先代経営者の親族であること、相続開始時に、総 株主等議決権数の50%超を保有し、かつ、同族内で筆頭株主であること等が必要です。 ⑤その他の注意点 納税猶予の適用を受けるためには、納税猶予分の相続税額に相当する担保を相続税の申告書の 提出期限までに提供する必要があります。

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◆納税猶予が決まったら 納税猶予適用後5年間は、経営承継相続人は税務署長に「継続届出書」を提出し、会社は地方経済産 業局に報告書を提出しなければなりません。 5年経過後は3年に1回「継続届出書」を税務署長に提出しなくてはいけません。 ◆納税猶予期間中に注意すること 猶予を受けると、相続税の申告期限の翌日から5年間は、経営承継相続人が代表者であること、会社 が雇用の8割を維持していること、経営承継相続人が特例適用株式を継続保有していること等の要件 を継続して満たさなければいけません。要件が一つでも外れてしまうと納税猶予が取り消され、猶予税 額の全額と、これにかかる利子税を納付しなくてはいけません。 ◆猶予税額が免除となる場合 納税猶予適用後5年経過後は、以下の場合に猶予税額が免除されます。 ① 死亡の時まで株式を継続して保有したとき ② 会社が倒産や解散したとき ③ 次の後継者へ株式を贈与し、贈与税の納税猶予の適用を受けるとき ④ 株式を一括して譲渡した場合、その譲渡対価の譲渡時の時価のいずれか高い額が猶予税額を 下回るときは、その差額分の猶予税額が免除

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本冊子は、平成23年7月1日現在の法令に基づいて作成しております。 本書の内容・相続についてのご相談は下記までご連絡下さい。 〒108-0075 東京都港区港南2-5-3 オリックス品川ビル4F TEL:03-5715-3316(代) FAX:03-5715-3318 URL:http://www.aiwa-tax.or.jp

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