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現場発泡ウレタン軽量盛土によるポンツーン補修

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Academic year: 2022

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(1)

現場発泡ウレタン軽量盛土によるポンツーン補修 

○イノアック特材㈱ 加藤 敦則 イノアック特材㈱ 遠藤 大輔 イノアック特材㈱ 三田部 均

1. はじめに 

現場発泡ウレタン軽量盛土(以下R-PUR)工法は,その軽量性と施工性を活かし,主に山岳地を中心として施工され ている。近年では軽量性や施工性に加え現場形状への追従性を活かして狭隘部などの充填にも専用原料が開発され,補修 工事などに利用されている。今回,老朽化した浮き桟橋(ポンツーン)の防錆,内部充填による浸水防止を目的として補 修工事を行った。(図-1,写真-1 )

現 場 発 泡 ウ レ タ ン 充 填 現 場 発 泡 ウ レ タ ン 充 填

図-1 断面図       

        図-2 施工状況

2. 施工状況 

  今回補修を行った浮き桟橋は桟橋空洞内にクラック等が発生しており,放置すれば浸水による沈没の可能性もあるため,

軽量かつ隅々まで充填でき,さらに施工も容易な現場発泡ウレタンが採用された。補修に使用された現場発泡ウレタンは 40kg/m3と軽量の上,吸水性も低く,また反応時間を長めにすることで隅々へ充填できるよう専用に開発された原料であ る。施工は岸壁に設置した専用プラントにて行われ,3施工日にて完了した。施工日毎に施工前密度の確認を行ったうえ で施工をおこなった。また端部等注入が困難な箇所はあらかじめ穴を開け,そこから注入し充填した。 

 

3.現場発泡ウレタンの特性と環境への影響 

  今回浮き桟橋の内部充填に使用し,密度は40kg/m3と軽量であり化学的な性質は,盛土材とほぼ同じで反応時間が異な っている。また,周辺環境の汚染が無いよう,溶出試験,ガス試験を行って有害物質が発生しないことが確認されている

1)

  充填材として使用したR-PURは、基本骨格にポリエーテルを使用しており水が存在しても分解しない。

一方基本的骨格としてポリエステルを用いたものは、以下の化学式でも明らかな様に水が存在すると可逆的に酸とアル コールに分解する。

− OCH

2

O− +  H

2

O       

ポリエ−テル         水  反応し難い

 

− COO− +  H

2

O        −COOH + − OH

ポリエステル    水      酸      アルコール

土木学会中部支部研究発表会 (2010.3) II-035

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  このことから,今回のようなポリエーテル系現場発泡ウレタンの注入による浮き桟橋補修では,単に延命化だけではな く何らかの原因による損傷が発生し,水の侵入があったとしても,分解はしない。またウレタンは吸水量も小さいため,

そのまま浮力を得ることが出来る。

  上記より,周囲への環境影響がないと確認されたポリエーテル系現場発泡ウレタンであれば港湾施設の技術指針2)によ り暫定的に使用を控えることとされているが注入材料として使用することは問題ない。

4.浮き桟橋の延命化と環境コスト 

現場発泡ウレタンを使用した浮き桟橋補修による延命化と新設する場合の環境面への影響を確認するためCO2排出量 をそれぞれ試算する。原単位は公表されている環境省のデータ3)に基づいて算出された資料4)により行う。

今回補修を行った浮き桟橋は鉄筋コンクリート製でコンクリート体積約70m3,ウレタン注入容積は224m3であった。

表-1にCO2排出量原単位および排出量の算定結果を示す

表-1

CO2排出量原単位

(t-CO2/m3)

体積 ( m3 )

CO2排出量 ( t-CO2)

浮き桟橋(コンクリート) 6.441×10-1 70 45.09 R-PUR 7.575×10-2 224 16.97

算定結果によれば,現場発泡ウレタンにて補修する場合,同等の浮き桟橋を新たに製造することに比べ,CO2排出量は 約1/3程度であった。このことは今回の補修方法が廃棄物を押さえる以外にも環境面に寄与できることを示している。

5.まとめ 

  今回の施工では既設浮き桟橋の内部を超軽量な現場発泡ウレタンによる充填補修を行った。海を汚すことなく社会資本 の利便性を維持できる技術は海洋国家であり漁業国でもあるわが国では非常に有効な工法だと思われる。また社会は新た な構造物の構築よりも補修して維持していく方向へ流れて行っており,短期間で比較的容易に施工が可能な上,CO2排 出量も軽減でき軽量で現場充填が可能な現場発泡ウレタンは浮き桟橋だけでなく様々な充填補修工事に期待が出来る。

参考文献

1)現場発泡ウレタン軽量盛土材料「フォームライトW」材料審査照明報告書, pp.60 - 67,財団法人 土木研究センター,2001.12

2)国土交通省港湾局監修:港湾の施設の技術上の規準・同解説(上) pp.472、社団法人日本港湾協会,2007.7

3)南齋 規介,森口 祐一,東野 達:産業連関表による環境負荷原単位デ−タブック -LCAのインベントリデ−タとして,

独立行政法人 国立環境研究所 地球環境センタ−,2002.3

4)中村 和弘,三田部 均,古橋 健:現場発泡ウレタン軽量盛土(R-PUR)工法のリサイクル,土木学会第14回技術研究発表会講演概要集,

2008.5

土木学会中部支部研究発表会 (2010.3) II-035

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参照

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