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都市緑地における草本植生の特徴 ‐ 東京都立農業高等学校神代農場の植生解析 -

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Academic year: 2021

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1. 研究論文. 都市緑地における草本植生の特徴. ‐東京都立農業高等学校神代農場の植生解析‐. 塩見正衞 1)・小作明則 2)・柴田千晶 3)・紺野由佳 4)・齋藤義弘 5). 1) 茨城大学・名誉教授 2) 財団法人・進化生物学研究所 3) 社団法人・食虫植物研究会 4) 明和技術コンサル株式会社. 5) 東京都立農業高等学校 . (受付日 2019/9/27; 受理日 2020/4/14). 要旨. 人工構造物が密集する大都市の緑地は、都市気候の緩和、自然な状態での動植物の生息地、市民の憩いの場の. 提供などの空間として活用されている。2016 年、2017 年に、さまざまな観点から、東京都調布市に所在する都市緑 地・東京都立農業高等学校神代農場(約 2.5 ha)および隣接する草地の調査を行った。本稿はその中、農場内と草地 に区分して維持されている6つの景観(森林由来の3植生群:① 放置してある森林、② 下草刈りと落ち葉掻きを行っ ている森林、③ 伐採・耕作後、放棄された放棄畑;野草の 2 植生群:④ 水田脇畦畔、⑤ 市民が散歩や運動に利用 している草地;および ⑥ 孟宗竹林)の孟宗竹林を除く 5 つの景観における幼樹を含む草本植生の調査を行った。調 査の目的は、出現種と植生特性の記載と解析である。調査では、いずれの植生においても、50  50 cm のコドラート を 80 個(合計面積 20 m2)置き、コドラートごとに出現した種名を記録した。出現種数は、森林由来植生で各約 50 種、 野草植生の水田畦畔で約 40 種、草地で約 20 種であった。本調査の植生で、出現した植物種ごとの出現量と空間分 布特性を、べき乗則に従って解析できることを確認した。各植生間の 20 m2 当り種構成の不均一性(相異度)は、森林 由来植生群内の 3 つの植生間および、野草植生群内の 2 つの植生間では比較的小さかったが、森林由来植生群と 野草植生群の間では非常に大きく、観察した 5 つの植生は森林由来植生群と野草植生群に大別できた。. キーワード 植生調査法、森林下層植生、水田畦畔植生、半自然草地植生、べき乗則、放棄畑植生. 1. まえがき. 我が国の都市緑地はさまざまな形で公園、庭園、遊. 園地や遊歩道などとして造成・維持・管理されてきてい. る。都市緑地とは、 都市にある樹林地・草地・水辺など の緑地の総称(松村 2015)で、これら緑地がもつ都市と 1) 〒310-0851 水戸市千波町 168-35 2) 〒158-0098 東京都世田谷区上用賀 2-4-28 3) 〒136-0071 東京都江東区亀戸 1-11-5-502 4) 〒311-3414 茨城県小美玉市外之内 398-1 5) 〒183-0056 東京都府中市寿町 1 丁目 10-2 (Correspondence: [email protected]) . 住民に与える効果が、造園学や気象学、 経済学等さま ざまな分野の専門家によって研究されてきている。その. 中で最も多くみられるテーマは、次の 4 種類に分類でき るだろう。① 緑地が都市に及ぼすヒートアイランドなど の気象を緩和する作用についての研究(例えば、本條・. 高倉 1984; 山田・丸太 1990);② 都市住民にとって、 普段触れることができない特殊な条件下の森林、草地、. 淡水域とそこに生息する鳥類や昆虫類、水生動物など、. 植物や植生の研究(例えば、渋谷ほか 1986;香川 1986;本條・高倉 1988;加藤 1995; 村上・ 森本 1999); ③ 緑地と都市住民のふれあいに関する研究(例えば、 中島ほか 2007;丸山ほか 1995;和多 1996); ④ 緑地 造成や管理に関する研究(例えば、李 ほか 1984;権ほ. システム農学 (J. JASS), 36(2) : 17 ~ 26, 2020 17. 2. か 1990)などである。 私たちが調査を行った緑地は、調布市に所在する東. 京都立農業高等学校神代農場(www.nogyo-h.metro. tokyo.jp/zen/jinndai/jinndai.htm)で、農場は 1948 年に 東京都調布市の丘陵地に開設され、高校生の農場実. 習と市民の憩いの場として利用されてきた。現在、周囲. は住宅地として開発が進んだ市街地になっているが、. 農場は樹高 15 m 以上もある落葉広葉樹の高木が鬱蒼 と茂り、周囲の市街地とは全く異なった景観を形成して. いる。総面積約 2.5 ha の農場の中央部は周囲の丘陵地 から急峻な坂と崖を経て、深さが 30 m くらいの小規模な 渓谷地形の低湿地を形成し、この小渓谷はその地形と. 周囲の高木林のせいで日照時間がかなり制限されてい. る。丘陵地から小渓谷の中心部に、16ºC 前後の地下水 が湧出しており、小渓谷の一部に造成された実習用の. 谷地(ヤチ)水田はこの水を使っている。農場内は、南. 面する林齢 70 年以上と考えられる里山的森林、この森 林を伐採して耕地化した後、耕作放棄した畑、小渓谷. の水田わきで土壌水分が高い畦畔農道、孟宗竹林など. と、農場の外側に隣接して市民の散歩等に使われてい. る約 1 ha の短草型半自然草地の公園に区切られてい て、それぞれの規模は小さいけれども異なった植生の. 景観を呈している。これらの景観は、正に上記の都市緑. 地の条件に適合していると考えられる。 同高等学校では毎週 1 日農場を市民に開放して、市. 民が自由に見学や散策できるようにしている。東京の中. 心地に近く人口密度の高い市街地に、このような半自. 然緑地の景観と植生を維持することは、都市住民に多. 様で豊かな生活環境を提供できる重要な施設であると. 考え、その植生の実態を明らかにするために調査を行. った。わたしたちはデータの解析を通じて、次の 2 点を 研究課題として明らかにする:① 森林、水田畦畔、草 地などの異なった利用・管理方式の下で、出現種、種. 数、種構成の特性にどのような差が存在するか?およ. び、② 本調査で得られたデータは著者らが提案してき たべき乗則(Chen and Shiyomi 2019)に従うかどうか? . 2. 材料および方法. 2.1 調査地と調査区. 前述の東京都調布市に所在する東京都立農業高等. 学校神代農場内および近隣の次の 5 種類の異なった 景観において植生調査を行った: (1) 約 10 a のコナラ・シデ類・カエデ類の落葉広葉樹林. (樹齢 70 年以上、樹高約 15 m)で、掃除刈りや落ち 葉掻き「管理」の行われていない傾斜した林内で、草. 本植物種と幼樹で構成される林床植生(以下では. 「不管理森林」と呼ぶ)。 (2) 隣接する約 10 a の同類の森林で、毎年掃除刈りや. 落ち葉掻き(以下「管理」という)が行われてきた。主. に草本植物種と幼樹で構成されている傾斜した林床. 植生(「管理森林」)。 (3) かつては上記の不管理森林に含まれていたが、一. 時期林木を伐採・耕地化し、その後数年前から耕作. 放棄した約 5 a の草本と幼樹からなる平坦な土地の 植生で、現在森林へ回帰途上の植生(「放棄畑」)。. (4) 低温水の流れる小渓谷にある低湿地で、日照時間 の短い水田脇の幅 2~3 m、約 3 a の平坦な畦畔の植 生(「水田畦畔」)。. (5) 農場外の南側の広場に所在し、日常、市民が散策 や軽い運動などを行っている約 1 ha の平坦な短草型 半自然草地の植生(「草地」)。 以下では、上記(1)~(3)をまとめて「森林由来植生」、. (4)と(5) をまとめて「野草植生」と呼ぶ。 2.2 調査方法. 植生の調査方法および解析方法には、2000 年以降 茨城大学理学部生態学研究室で研究してきた新しい. 手法を用いた(Shiyomi et al. 2001;塩見・安田 2003; Chen and Shiyomi 2019)。この方法を用いると、植生内 におけるそれぞれの種の存在量、それらの種の空間分. 布、種数、植生内の種構成の分布と複数の植生間の種. 構成の違いを数量として把握することができる。 調査は、上記 5 つの植生で共通の方法を用いて行っ. た。各場所の代表的な位置にほぼ 5  5 m の区画を設 け、区画内に 50  50 cm の鉄製枠(Large の頭文字をと って「L コドラート」と呼ぶ)を相接した地点に 80 個置き 調査を行った。L コドラートは 4 個の 25  25 cm の小さ な枠(Small の頭文字から「S コドラート」)に区切ってあり (図 1)、植生調査では、各 S コドラート内に出現したす べての種名を S コドラートごとに野帳に記録した。. 図 1 調査に使った L コドラートと S コドラートの模型. 18 システム農学 (J. JASS), 36(2), 2020. 3. 2017 年 10 月上旬に、不管理森林、管理森林および 放棄畑の 3 つの植生のバイオマスの測定を行った。植 生内のランダムな地点に L コドラートを 7 個おいて、各コ ドラート内の植物地上部を地際で刈取り、電熱乾燥機. で乾燥(80oC で 2 日間以上)後、絶乾重を測定し、それ ぞれの平均と分散を計算した。. 3. 解析方法. 3.1 べき乗則と種ごとのS コドラートへの出現率p と出現. の空間的不均一性 δ の解析. 調査した N 個の L コドラートそれぞれは、等面積を持 つ n 個の S コドラートに分割されている。よって、全 S コ ドラート数は nN 個である。今、種 i を考える(i = 1, 2, …, s;s は出現した全種数)。種 i が出現した S コドラートの 数から、種 i の S コドラート当り出現率 pi は: . pi = (種 i が出現した S コドラート数)/(nN) (1). であり(本調査では、n = 4、 N = 80)、実際の調査で観 察した L コドラート当り出現数の分散を vi で表し、「観察 分散」と呼ぶことにする。. ここで種 i が、もし nN 個中のランダムな S コドラート に出現していたと仮定すると、L コドラート内の S コドラー ト間における出現数は、出現率 pi の 2 項分布にしたが う:nCi pi(1–p)n–i.。したがって、この条件下における種 i の 出現数の L コドラート間分散は 4pi(1–pi)で、以下では、 この分散を「ランダム分散」と呼ぶ。. ここで「べき乗則」を定義する。この法則は経験則で. あるが、log[vi]と log[4pi(1–pi)]の間に、次のような直線関 係が統計的に成り立つことを意味する(底は任意である. が、以下では 10 を用いる):. log(vi) = a + blog[4pi(1–pi)] (i = 1, 2, …, s). (2). 式 2 の係数 a と b は最小二乗法ないし、pi の重み付き 単回帰式から推定する(Chen and Shiyomi 2019)。式 2 を「べき乗則」と呼ぶ所以は、式 2 はべき乗の式 vi = A [4pi(1–pi)]bと書くことができるためである(ただ し A = loga)。ここで、y = log(vi)、x = log[4pi(1–pi)] とおき、式 2 に εを加えて、. y = a + bx + ε (2'). が得られる(εは後で説明する)。ランダム分散 4p(1–p) は、p = 1/2 のときに最大値 1、p = 0 または 1 のとき最小. 値 0 をとる。その結果、その対数値 x は [–∞, 0] の範囲 にある。ここで、式 2'の εは、x を独立変数、y を従属 変数とし、単回帰式として取り扱う場合の残差で、. 平均 0、分散 σ2の正規分布に従うと仮定する。べき 乗則の直線の勾配 b は、ランダム分散の増加量に対 する観察分散の増加具合を表していて、① b = 1、 ② b < 1、③ b > 1 はそれぞれ、① ランダム分散の 増加と観察分散の増加が比例的な植生、② 観察分散 の増加がランダム分散の増加より小さい植生、③ 逆 に大きい植生であることを表している。. 次に、種 i の空間的不均一性(S コドラート間における 出現が、ランダム分布しているか、固まって分布してい. るか、均等に分布しているかの性質)δi を定義する (Chen and Shiyomi 2019):. δi = log[vi]–log[4pi(1–pi)] (i = 1, 2, …, s). (3). 式 3 は、実際の分散(種 i の L コドラート間におけるバ ラツキ:log[vi])から、その種がランダム分布している場 合のバラツキ(ランダム分散の対数:log[4pi(1–pi)])を引 いた合理的な値である。. ここで、① δi > 0 なら、種 i の空間分布はランダム分 布より高い空間的不均一性(集中傾向に分布してい. る);② δi = 0 なら、ランダム分布;③ δi < 0 なら、ランダ ム分布より低い空間的不均一性(均等傾向に分布して. いる)を表していると判定する。以上が、種ごとの性質を. 理解するための解析である。 さらに、種ごとの空間的不均一性i の出現率で重み. づけをした平均を植生全体の空間的不均一性C を定 義する:. C =   s. i. s. i iii pp. 1 1 / . (4). C の判定基準は、式 3 の δi と同一である。. 平面座標に、(log[ランダム分散], log[観察分散]) を プロットするとべき乗則の図が得られ、(pi, δi)をプロット するとそれぞれの種の S コドラートへの出現率 pi および 空間的不均一性 δi が理解できる。後で、神代農場のデ ータにより、主に(pi, δi)プロットを具体的に示す。. 3.2 2 つの L コドラート間の種構成の非類似性解析. 3.2.1 異なる 2 つの植生間の解析. 5 つの植生間の種構成の違いを検討するため、以下 のような指数の計算を行った。異なった 2 つの植生 A と B の間で L コドラート間のペアを作り、ペア内における種 構成の違い(非類似性; 図 2)を Bray and Curtis(1957). 塩見正衛ほか : 都市緑地における草本植生 19. 4. の指数を用いて、次式で表わす: s 種が 2 つの植生 A と B に共通に、またはどちらかに出現し、種 i が植生 A の L コドラート h に存在する量を zAhi、植生 B の L コドラ ート k に存在する量を zBki と表すとき、植生 A の L コドラ ート h と植生 B の L コドラート k の間の種構成の非類似 性 TAhBk を次式で定義する: . )(/ B1 A1 BABA ki s. i hi s. i kihikh zzzzT    . (5). 式 5 の T 値は、① 2 つの L コドラート間で種構成が完. 全に一致しているとき 0、② まったく異なっているとき 1 をとり、③ その中間のときは 0 と 1 の間の値をとる。 植生 A 内と B 内の L コドラート数をそれぞれ a、b と すると、植生 A と B の L コドラートのペア数 NAB は a  b である。植生 A と B の L コドラートのあらゆるペアに対す. る T 値の合計 DAB は、式 5 から  . a. h. b. k kh. T 1 1. BA である。DAB. はペア数に依存するから、ペア数に独立な平均. MAB = DAB/NAB (6). を定義し、これを植生 A と B の間の「種構成の非類似 性」と呼ぶ。MAB 値は、① 2 つの植生間で種構成が完 全に一致しているとき 0、② まったく異なっているとき 1 をとり、③ その中間のときは 0 と 1 の間の値をとる。以上 が植生間の種構成の違いの解析方法である。. 3.2.2 1 植生内の L コドラート間における種構成の非類. 似性解析. 5 つの植生それぞれの中は、本来同質の種構成の L コドラートで成り立っているが、2 つの L コドラート間を見 ても、たいてい種構成は全く同じにはならない。植生 A 内の 2 個の L コドラート間の種構成の非類似性を表す T 値は、式 5 において A = B とおいて表される:. )(/ A1 A1 AAAA ki s. i hi s. i kihikh zzzzT    . (7). 植生 A 内の L コドラートのペア数 NAA は aC2 = a(a–1)/2 で、式 7 のすべてのペアにわたる合計 DAA は.  .  . a. h. b. hh k. kh T. 1 1 AA. であるから、その平均 MAA は. MAA=DAA/NAA. (8). 植生 B 内 の L コドラート間非類似性も植生 A の場合 と同じように A を B と書きかえるだけで得られる。MAA 値 は、① すべてのコドラート間で種構成が完全に一致し ているとき 0、② まったく異なっているとき 1 をとり、③ その中間のときは0と1の間の値をとる。以上が、植生内 の種構成の解析方法である。一般に、同質の植生内の. L コドラート間における種構成の非類似性(式 8)は異な った植生間の種構成の非類似性(式 6)より小さい。. 4. 結果と考察. 4.1 種ごとの出現率 p と空間的不均一性 δ の解析. べき乗則の定義に従って、log[ランダム分散] = x を横軸に、log[観察分散] = y を縦軸にとって種ごとに x と y で表すと、経験的に、x と y の関係は図 3a に示すよ うに常に直線になる(Chen and Shiyomi 2019)ので、こ の直線式を単回帰式として推定した(表 1)。. 不管理森林の場合には、y = 0.236 + 1.113x, R2(寄与 率) = 0.992 であった(図 3a)。管理森林、放棄畑、水田 畦畔、草地でもべき乗則が高い寄与率で成立した(表. 1)。ほとんどの種は y = x の直線より上に現れた。 植生を問わず、直線の勾配 b は 1.1 を多少超える. 値となったが、「野草植生」の方が「森林由来植生」より. わずかに大きい傾向が見られた。このことは、「野草植. 生」は「森林由来植生」に比べて、ランダム分散が一定. 量増加したときに、観察分散がより大きく増加する. ことを意味している。これが、本調査から得られた第 1 の特徴である。ここで b > 1 は、植生全体の傾向としては、 出現率が 1/2 に近づくほど観察分散がランダム分散より 大きくなること、すなわち p が 1/2 に近い種ほど植生全体 としては、空間的不均一性が高いことを意味している。. また、「大きい b」は「小さい b」よりも、「一定のラ ンダム分散の増加に対して、観察分散の増加がより. 大きい」ことを意味している。 個々の種の特徴をよりよく見るために、図 3b を読む。. 横軸に S コドラートへの出現率 pi、縦軸に出現の空間的. 図 2 植生 A と B においた n 個ずつのコ ドラート間の種構成の相異を測る. 20 システム農学 (J. JASS), 36(2), 2020. 5. 図 3 べき乗則と(p, δ)-プロットの表示 a 不管理森林に出現した 46 種の種ごとの(x, y) = (log[p(1–p)/4], log[v/16])プロット:プロットの中心を通る直線は、回. 帰式として最小二乗法で推定した:y = 0.236 + 1.113x. b–f 各植生における種ごとの (出現率 p, 空間的不均一性)プロット;C はの種ごとの出現率 p で重みづけした δの. 平均;(例)図 3b のスゲは高い出現率 p で、平均的な空間的不均一性、ミツバツチグリは小さい出現率 p で、高い空. 間的不均一性. -2. -1.5. -1. -0.5. 0. 0.5. -2 -1.5 -1 -0.5 0. a 不管理森林:べき乗則. lo g[. 観 察. 分 散. ], y. log[ランダム分散], x. y = x y = 0.236 + 1.113x, R2 = 0.992. -0.1. 0. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1. b 不管理森林. 空 間. 的 不. 均 一. 性 , δ. Sコドラートへの出現率,p. δ C =0.180. スゲ. コナラ. タチツボスミレ. ミツバツチグリ. イネ科. チヂミザサ. アズマネザサ ヘクソカズラ. ムラサキシキブ イヌツゲ. エゴ シオデ. ジャノヒゲ. スイカズラガマズミ. ヤマノイモ. ゴヨウアビケ. ミツバアケビ イヌシデ. ヤブラン. エノキ. ニガナ. イロハカ エデ. -0.1. 0. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1. シュンラン. ヤブラン. タチツボスミレ. スゲ. コナスビ フジ. コナラ. アズマネザサ. ハナバチ. イヌシデ. サルトリイバラ. チヂミザサ. ツタウルシ. ニシキギ. ナンテン. ジャノヒゲ. ゴヨウアケビ. ヒサカキ. マンリョウ ウメモドキ. スイカズラ. キンミズヒキ. エノキ ヘクソカズラ. ミツバアケビ. ヤマノイモ ピラカンサ. ボケ. イヌツゲ. シオデ. ムラサキシキブ. ウワミズザクラ ヤツデ. ニガナ. イロハカエデ. ガマズミ. δC=0.1662. c 管理森林. Sコドラートへの出現率,p. 空 間. 的 不. 均 一. 性 , δ. -0.1. 0. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. 0.6. 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1. d 放棄畑. δC = 0.293. コナラ. イヌタデ. アズマネザサ. エノキ. キツネノマゴ. スゲ. タチツボ スミレ. チヂミザサ. ツユクサ. ドクダミ. ヘクソカズラ. アカメ. オニタビラコ. メヒシバ ヒメジョン. カタバミ. イヌシデ. チヂミザサ. キズタ. ヒメムカシヨモギ. ネコハギ. Sコドラートへの出現率,p. 0. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1. e 水田畦畔. Sコドラートへの出現率,p. オオバコ. カヤツリグサ. イヌビエ ヒメジョン. カヤツリグサ. カラスウリ. チヂミザサ. アキノメヒシバ. チドメ. カントウヨメナ. ヘビイチゴ. ツルゲイトウ. ムラサキシキブ クサイ. コナスビ スギナ. ススキ. オニタビラコ タンポポ. コケオトギリ. BB. ジャノヒゲ. 空 間. 的 不. 均 一. 性 , δ. AA. タチツボスミレ. ドクダミ. セリ・ミゾソバ. AA:カタバミ・セキショウ・スイカズラ・ニシキソウ スズメノヒエ・イヌタデ・ハイヌメリ・ツメクサ・ アキノメヒシバ・ニガナ・サギゴケ・カタバミ・ヌカボ. BB:タカサブロウ・タデ. δC =0.2979. 0. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4. 0.5. 0.6. 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1. f 草地. アキメヒシバ. カゼクサ. オオバコ. ムラサキ. チドメグサ. シロツメクサ. ハルジオン. タンポポ. ヘビイチゴ. ススキ. カタバミ. ヒメジョン. スズメヒエ. ツメクサ. ヌカボ. コナスビ スゲ. カヤツリグサ. ジャノヒゲ. δC =0.265. ネジバナ. Sコドラートへの出現率,p. 塩見正衛ほか : 都市緑地における草本植生 21. 6. 表 1 最小 2 乗法で推定した植生ごとのべき乗則の式. x = log[ランダム分散], y = log[観測値の分散]. 不均一性程度iをプロットし(i = 1, 2,… , s)、種名はカタ カナで書きこんである。このような図によって、この時期. に、特定の環境において植生を構成している種それぞ. れの量と分布様式の両方を知ることができる。 不管理森林の植生(図 3b)について、若干の説明を. 加えると以下のとおりである:① スゲ(類)の S コドラート への出現率 p はかなり大きい 0.7 程度である。その空間 的不均一性 δ は 0.24 くらいで、全種の中庸の位置を占 めている。スゲの株は房状になり、大きい株は直径 10 cm 以上に成長しているが、すべての株がそのように大 きくなっているわけではない。このことが、中庸の δ 値を 示した理由づけである。② コナラの幼樹の出現率 p も スゲと同様に高い値を示した。しかし、空間的不均一性. δは低く 0.1 であった。この森林には非常に多くコナラの 高木が存在し、その種子は林床のほぼランダムな地点. にばらまかれ、それらから発芽、幼樹が成長している。よ. って、ランダムな不均一性を有することが理解できる。③. 日陰に生育するタチツボスミレも出現率 p は比較的高 い。また、その空間的不均一性 δは完全にランダム分布 を示している。スミレ属植物の種子は莢に包まれている. が、完熟すると莢が反ってはじけ種子はかなり遠方まで. 飛ばされる。このような現象が、この種のランダムな分布. を決めているのであろう。④ ミツバツチグリは匍匐性の. バラ科草本植物で、匍匐枝を長くのばして繁殖する。こ. こでは、この種の出現率は低いけれども、このような繁. 殖用式のために、ところどころに大きな面積を占め、密. な集団を作っていたため、高い δ になったと考えられる (実際、野帳を見ると、Lコドラート当り出現数が 0, 1, 2, 3, 4 である L コドラート数はそれぞれ、68, 6, 3, 1, 2 で、2 つの L コドラートでは 4 つすべての S コドラートに出現し ていた。このように、固まって出現する傾向が見られた)。. ⑤ ニガナも出現率は低いけれども、ミツバツチグリとは. 違って、低い δ をとっている。ニガナの繁殖子は冠毛で、 その繁殖はランダムな地点への飛散に依存しているとこ. ろが大きい。したがって、ランダムに近い分布を示して. いたと解釈できる(実際、野帳を見ると、出現数 0 の L コ ドラートが 62、1 の L コドラート数が 12、2 の L コドラート. 数が 6(合計 80)で、ランダム分布に近い出現が見られ た);⑥ 他の植物についてもこのような解釈をしていくと、. 空間的不均一性は種ごとの特性として、よく説明できる。. 種それぞれの出現率と空間的不均一性の問題は、それ. ぞれの種の繁殖や成長特性と環境条件との相互作用. によって決まると考えられるから、それぞれの種が(p, δ)- プロットにおいて占める位置は生育環境によって異なっ. ている可能性がある。スペースの関係で、他の 4 つの植 生についての説明は割愛するが、それぞれの種がその. 環境でどのような地位を占めているかを図 3 ではっきり 見ることができる。これが第 2 の結果である。. 「植生を群集全体として見たときの空間的不均一性」. (式 4)は、図 3 に記入してあるCで見ることができる。不 管理森林と管理森林の植生では 0.17 近辺の値で、他 の景観(放棄畑・畦畔・草地)における値 0.265 ~ 0.289 より小さかった。前者のグループは日射量の少な い景観に、後者のグループは日射量が相対的に多い. 景観に属しているから、受光量と何らかの関係がある可. 能性があるが、その因果関係を明らかにするには、別途、. 実験的研究が必要だろう。. 4.2 異なる植生間の「種数」と「種構成の違い」. 5 つの植生間の「種数」と「種構成の違い」を検討する ため以下のような2つの表を作った。表 2aは調査した植 生の面積(80 個の L コドラート合計:20 m2)に出現した 種数の解析である。結果は次のとおりである:① 森林. 由来植生における種数は 46~54、野草植生における 出現種数は水田畦畔が 38、草地が 21 で、森林由来植 生における種数が野草植生よりも圧倒的に多かった;② 森林由来の 3 植生間において共通に出現した種数は 23~32 で、野草植生の水田畦畔と草地の共通種数 16 より大きかった;③ この表には示せなかったけれども、3 つ以上の植生で共通に出現した種数をカウントした結. 果、不管理森林、管理森林、放棄畑の 3 つの植生間で 共通に出現した種数は 21 にのぼったが、その他の 3~ 5 つの植生間で共通に出現した種数は 5 未満であった。 ④ 森林由来植生と野草植生間で共通に出現した種数. は 3~10 で非常に小さい値であったが、皆無ではなか った。このことは、環境が大きく異なる森林由来植生と野. 草植生の植生間においても、種の交換が多少は起こっ. ていることを意味している。⑤ 以上、種数の観点からは、. 神代農場の景観は、大きくは森林由来植生と野草植生. に 2 分類できることが明らかである。 表 2a の植生間に共通する種数の記載は、種の「あ. る・なし」をカウントしたもので、それぞれの種の. 存在量を反映したものではない。そこで、種ごとに. 植生名 べき乗則の式 寄与率 R2. 不管理森林 y = 0.236 + 1.113x 0.992. 管理森林 y = 0.337 + 1.102x 0.972. 放棄畑 y = 0.466 + 1.142x 0.967. 水田畦畔 y = 0.518 + 1.163x 0.980. 草地 y = 0.568 + 1.163x 0.967. 22 システム農学 (J. JASS), 36(2), 2020. 7. Lコドラート内の Sコドラートへの出現数 0~4の量 として測定したデータにより、5 つの植生間におけ る種構成の非類似性を、より精密・数量的に式 6 と 式 8 の M 値で評価した結果を表 2b 示す。表 2a と共 通する点は多いけれども、もちろん完全に一致する. ものではない(表 2a と表 2b の相関係数は–0.75)。 表 2 から得られる、明確な特徴は次のとおりであ. る: ① 野草植生における植生内コドラート間の種構成 の非類似性は森林由来の 3 植生の場合よりも低い(す なわち、植生の類似性が高い)。特に、草地内の植生の. 非類似性は非常に低い(0.164);② 森林由来植生と 野草植生の間の非類似性は非常に高い(ほぼ 1.0);③ 不管理森林と管理森林の植生の間では非類似性は比. 較的低いけれども放棄畑と両森林の植生間(0.734 と 0.803)では非類似性は低くない。これは、放棄畑の日 照条件が森林内よりも良好で、かつ、かつて施肥した影. 響が残っていたためと考えられる。 不管理森林、管理森林および放棄畑の間では共通. 種が多く、非類似性平均 M 値は小さい値を取った。 この 3 つの植生間で景観上大きく違っているのは、 バイオマスである(表 3)。放棄畑のバイオマスが非 常に高いのに比べて、森林下層植生は種数では遜色. がない(表 2a)にもかわらず、バイオマスは極めて小さい。 これは、放棄畑植生は高木に覆われていないため受光. 量が多く、かつ放棄前には施肥を行って畑として利用さ. れていたためと考えられる。また、 「管理森林のバイオ マス < 不管理森林のバイオマス」の関係は、管理森林 では、下層植生の掃除刈りが行われているためと解釈. できる(表3では、無作為化検定でP < 0.01)。放棄畑に おけるバイオマスの分散は他に比べて非常に大きいが、. 平均を使って変動係数に変換すると、他の 2 つの植生 に比べて大きな差はなかった。. 5. まとめとあとがき. 神代農場の景観には不管理森林、管理森林、放棄. 畑、水田畦畔、草地、竹林の 6 種類の植生が存在する。 このうち、下層草本植生がほとんど存在しない竹林を除. いた 5 つの植生の草本植生の調査を行った。その結果、 植生・生態学的に、大別して 2 つの植生グループが確 認できた。一つは、① 森林由来植生群で、不管理森. 林、管理森林、 森林を伐採後耕作地に転換後耕作放 棄した放棄畑の 3 植生(森林由来植生)を含み、他は水 田畦畔と草地の 2 つの野草植生からなる;② 野草地の 両植生には種構成や種数に大きな差異がみられた。植. 生を構成している種数は、森林由来の 3植生では 50種 前後、水田畦畔で約 40 種、草地は 20 種レベルで、野. 表 3 不管理森林、管理森林および放棄畑における地. 上部バイオマス (乾物重 g(0.25 m2)-1). 項 目 不管理森林 管理森林 放棄畑. 平 均† 15.5 9.8 47.1. 分 散† 62.0 39.1 188.6. 変動係数 0.349 0.580 0.480. †ランダムな地点においた 7 個の L コドラートで測定;3 平均間. には P < 0.01 で有意差有り. 表 2 5 つの植生間における出現種数と種構成の非類似性. aa 出現種数(対角線上セル)と植生間で共通に出現した種数(非対角線のセル). 植 生 不管理森林 管理森林 放棄畑 水田畦畔 草 地. 不管理森林 46 . 管理森林 32 50 . 放棄畑 25 23 54 . 水田畦畔 5 6 10 38 . 草 地 3 4 6 16 21. bb コドラート間種構成の非類似性平均 M 値. 植 生 不管理森林 管理森林 放棄畑 水田畦畔 草 地. 不管理森林 0.489 . 管理森林 0.598 0.535 . 放棄畑 0.734 0.803 0.446 . 水田畦畔 0.949 0.959 0.846 0.365 . 草 地 0.991 0.989 0.993 0.696 0.164. 対角線上セル:それぞれの植生内コドラート間非類似性;非対角線のセル:異なった植生. 間のコドラート間非類似性. 塩見正衛ほか : 都市緑地における草本植生 23. 8. 草地の種数は森林由来の植生に比べ低かった。特に、. 草地の種数は他の 4 つの植生に比べて格段に少なか った。. 森林由来の 3植生は比較的類似した種で構成されて いた。一方、野草地の植生間には種構成に若干違いが. あるものの、森林由来の植生と野草地の植生間の種構. 成よりも近かった。森林由来の植生間では、不管理森. 林と管理森林の下層植生は非常に近い種構成であっ. た。しかし、管理森林の下層植生のバイオマスは不管. 理森林の下層植生のバイオマスより多少小さかった。ま. た、樹冠が鬱閉した森林内に比べて日射量が多く、か. つて施肥されていた放棄畑のバイオマスは両森林の下. 層植生よりも格段に多かった。 人工構造物である大都市内の緑地は、住民に憩い. の場を提供し、島状に孤立して存在する半自然植生中. で、さまざまな動植物の住居になり、都市の気候を緩和. する機能ももつ。神代農場も、かつては農村部の半自. 然植生であったが、東京都の人口膨張と、郊外への都. 市拡大の中で都市化していった(www.nogyo-h.metro. tokyo.jp/zen/jinndai/jinndai.htm)。里山の林地であっ たこの地方の森林は、薪炭林として利用されてきた。第. 2 次大戦中・後の 1940 年代の燃料欠乏期に住民によっ て乱伐され、森林は荒れ地と化したが、その後約 70 年 間に自然林が回復し、今につながっている。このような. 緑地が現在どのような状態におかれているかを学術的. に明らかにする目的で、本プロジェクトは実施された。そ. の中の本調査・記載は 2016 年時点における植生の一 端である。本研究の解析と考察においては、5 つの異 なった植生に維持されている種数および種構成の数. 量的現状を、最新の統計学的記述により用いて明ら. かにした。 本研究の調査方法と解析の主要な部分は、「べき乗. 則」に依存している。べき乗則は 2000 年ごろから、茨城 大学生態学研究室で精力的に開発・検討してきた、数. 理統計学に基礎をおく新しい方法で(Shiyomi et al. 2001; 陳ほか 2008; Chen and Shiyomi 2019)、すでに いくつも利用されてきた(たとえば、Tsuiki et al. 2003;烏 云娜ほか 2008; Xie et al. 2009; Islam et al. 2010)。従 来の植生調査法は、質的あるいは半量的なデータの取. 得と解析方法に依存していたのに対し、べき乗則では、. 取得されるデータと解析方法は完全に量的な方法であ. る。本研究では、わたしたちが課題にしている植生. 研究へのべき乗則の応用が可能で、種ごとの空間. 的・生態的な特性が詳細に記述できることを再確認. した。バイオマス、被度、個体数の調査においても、. べき乗則が利用できることを Chen and Shiyomi. (2019)は明らかにしている。 都市における比較的狭い公園でも、多様性のある. 半自然植生を維持していくことは重要で、そのため. には維持すべき植生・景観プランを設定して、その. プランが実現できる諸管理を継続していくことが肝. 要であると沼田 (1969)は述べている。本研究の 成果が、都市緑地の維持・管理にいくらかでも役立つこ. とを期待する。. 謝辞 本調査は公益法人 とうきゅう環境財団の資金により、. 「多摩川中流域に残存する谷(やと)地形(東京都立農. 業高等学校附属神代農場)の生物多様性に関する研. 究と谷地形を利用した環境教育(2016-19)」のテーマで 行った。調査に当たっては、同農場の先生方の協力を. いただいた。これらの団体および個人各位に厚く謝意を. 表したい。. 引用文献. Bray, J.R., and Curtis, J.T., 1957, An ordination of the upland forest communities of southern Wisconsin. Ecological Monographs, Vol. 27, pp. 325-349.. 陳 俊・堀 良通・山村靖夫・塩見正衛, 2008, 小面積当 たり二値出現数、被度、バイオマスで測った種数、種. 構成、空間的不均一性の関係, 日本草地学会誌, Vol. 54, pp. 115-122.. Chen, J., Shiyomi, M., Wuyunna, Hori, Y., and Yamamura, Y., 2015, Vegetation and its spatial pattern analysis on salinized grasslands in the semiarid Inner Mongolia steppe. Grassland Science, Vol. 61, pp. 121-130.. 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In the summers of 2016 and 2017, we surveyed Jindai Farm (ca. 2.5 ha), which is an urban green conservation zone belonging to the Tokyo Metropolitan Agriculture High School. The farm is located in Chofu City, a part of the Tokyo metropolis. Six different vegetation stands are maintained on the farm: (1) underlayer vegetation types derived from a forest stand (VOF), i.e., (i) a forest with no management, (ii) a forest in which the understory is cut and fallen leaves removed annually, (iii) an abandoned farm on previously cleared and cultivated land, and (2) vegetation types classified as semi-natural grassland (VNG), i.e., (v) a paddy field levee, and (iv) a semi-natural meadow of short grass used for walking and physical exercise by local inhabitants. Our survey was undertaken to (i) compile a list of plant species, and (ii) describe the vegetation. In each stand, we set 80 quadrats (each 50  50 cm) and recorded the species present in each. The numbers of species per 20 m2 of sampled area were as follows: ca. 50 in each of the sub-categories of the VOF, ca. 40 on the paddy field levee, and ca. 20 in the meadow. The total species compilations for the three stands in the VOF and the two stands in the VNG were closely similar. However the species compositions of two of the stands in the VOF were markedly different from those in the VNG. Thus, we recognize two distinct floristic entities on the farm comprising (i) three of the stands in the VNG, and (ii) two of the stands in the VOF. Using our survey procedure and the subsequent analysis based on the power law, we were able to determine clearly the abundance and spatial distributions of each of species in the different vegetation stands.. Key words Forest underlayer vegetation, New vegetation survey method, Old field vegetation, Paddy field levee vegetation, Power law, Semi-natural grassland vegetation. 1) 158-35, Senbacho, Mito, Ibaraki 310-0851, Japan 2) 2-4-28, Kamiyoga, Setagaya, Tokyo 158-0098, Japan 3) 1-11-5-502, Kameido, Koutou, Tokyo 136-0071, Japan 4) 398-1, Sotonouchi, Omitama, Ibaraki 311-3414, Japan 5) 1-10-2, Kotobukicho, Fuchu, Tokyo 183-0056, Japan (Correspondence: [email protected]). 26 システム農学 (J. JASS), 36(2), 2020

図 3  べき乗則と( p, δ ) - プロットの表示 a   不管理森林に出現した 46 種の種ごとの (x,  y) = (log[p(1–p)/4], log[v/16]) プロット:プロットの中心を通る直線は、回 帰式として最小二乗法で推定した: y = 0.236 + 1.113x  b–f   各植生における種ごとの (出現率 p,  空間的不均一性)プロット; C はの種ごとの出現率 p で重みづけした δ の 平均;(例)図 3b のスゲは高い出現率 p で、平均的な空間的不均一性
表 1  最小 2 乗法で推定した植生ごとのべき乗則の式  x  = log[ランダム分散],  y  = log[観測値の分散]  不均一性程度 i をプロットし( i = 1, 2,… , s )、種名はカタ カナで書きこんである。このような図によって、この時期 に、特定の環境において植生を構成している種それぞ れの量と分布様式の両方を知ることができる。 不管理森林の植生(図 3b )について、若干の説明を 加えると以下のとおりである:① スゲ(類)の S コドラート への出現率 p はかなり大きい

参照