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旋回噴流による堆積粒子巻き上がり特性に関する

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 藤 川 俊 秀

学 位 論 文 題 名

旋回噴流による堆積粒子巻き上がり特性に関する      実験的研究

学位論文内容の要旨

  鉄鋼精錬プロセスにおける溶融金属のおもを攪拌法として、ガス吹き込み攪拌、機械式攪拌、電 磁攪拌が挙げられる。このうちガス吹き込み攪拌は、他の攪拌操作に比べて溶融金属の汚染が少を く、また設備投資が比較的少をいことから最も多く使用されている。近年ではこの攪拌操作を応用 し、熱および物質移動の促進、温度や成分の均一化などを目的とした気泡噴流による円筒容器内の 旋回現象が幅広い工学分野で使用されつっある。

  円筒容器内の旋回現象は、容器内の所定の深さまで液体を満たし、例えば容器内底部中央に取り 付けた単孔ノズルから鉛直上方に気泡を噴出させることにより発生する。その際、浴底部および噴 流をとりまく液体は、角運動量保存則によって気泡噴流の回転方向とは逆方向に回転をしつつ、上 下方向 に移動 する。こ の旋回 現象は 、浴深LNを容器 直径Dで 除した アスベ クト比(LNノD)が0.30 を境に、浅水波型旋回現象(LN /D与0.1〜0.3)と深水波型旋回現象(LN /D与013〜1.0)に大別され る。深水波型旋回現象は浅水波型旋回現象に比べて噴流の半径方向への広がりが大きく、非常に効 率的顔攪拌が可能である。

  筆者の属する研究室では、上記諸特性を有する底吹きノズルによる円筒容器内の旋回現象の代わ りに、J字型ランスによる底板の無い円筒容器内の旋回現象に着目し、閉鎖性水域における環境修 復技術の開発を検討している。すをわち、旋回気泡噴流の攪拌効果によって水底に堆積した汚染物 質および汚泥を浮上させておき、気泡内に微量のオゾンを混入することにより迅速を有機物の分解 を目指している。この研究が成功すれば低コスト、省工ネルギーで閉鎖性水域の環境浄化が期待で きる。

  本学位論文は、一連の研究の初期段階として、小型モデルを用いて旋回気泡噴流による堆積粒子 巻き上がり特性に関する実験的研究を行った結果について述べている。以下に本学位論文の詳細を 示す。

    一 第1章緒論

  閉鎖性水域の現状と課題について述べるとともに、海洋環境修復の基本概念と社会的意義をらび に本学位論文の内容を示した。

第2章底板のある円筒容器内のJ字型ランスによる旋回気泡噴流の特性

  底板の ある円簡容器内にJ字型ランスを設置し、ランスの支柱の存在が定常的を旋回現象に及ば す影響 について調査した。測定項目は(1)旋回発生領域、(2)旋回周期、(3)振幅、(4)旋回開始時 間、(5)旋 回終了時間である。また測定値を既存の底吹き込みで提案された実験式および理論式と 比較しつつ、これら諸量の特徴について検討した。

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第3章底板の無い円筒容器内のJ字型ランスによる旋回気泡噴流の特性

  従来の円筒容器 とは異をる、底板の無い円筒容器を用いることから、底板の有無が旋回現象に及 ばす影響について、上記(1)〜(5)の特性を既存の底吹き込みで提案された実験式およぴ理論式と比 較しつつ明確にした。

第4章底 板の あ る円 筒容器内の 底吹きノズルおよびJ字型ラ ンスによる粒子浮上を伴う旋 回現象 の特性

  底板のある円筒 容器内に固体粒子を堆積させ、粒子浮上を伴う定常的を深水波型旋回現象が発生 する領域を明らか にし、ガス吹き込み方法蘊らぴにランスの支柱の設置位置が粒子の巻き上がりを 伴う旋回現象に及ばす影響について調査した。

第5章底板のある円 筒容器内のゾ字型ランスに よる粒子浮上を伴う旋回気泡 噴流の粒子攪拌挙動   底板のある円筒 容器内に汚泥を模擬した粒子を堆積させ、まず旋回運動の発生領域について調べ た。ついで粒子群 が浴内に均一に分散して攪拌される条件について、投入した粒子の体積に対する 巻き上がった粒子 の体積の割合、すをわち巻き上がり体積比を指標として明確にした。その際、旋 回気 泡 噴流 によ る粒 子の 攪 拌挙 動は アス ベ クト比LN/Dどと に異顔り、LN/D=0.5を境に2つのパ ターンに分類できることを明らかにした。

  粒 子 群が 巻き 上げ られ る とき 、浴 深LN/Dが0.5よりも小 さい条件下では孤立渦が生じ 、LN/D がO.5よりも大き い条件下では自走する一対の渦が生じた。これらの渦は大気中で発生する竜巻と 類似していることを可視化の結果に基づぃて述べた。

第6章 底 板 の 無 い 円 筒 容 器 内 のJ字 型 ラ ン ス に よ る 粒 子 浮 上 を 伴 う 旋 回 気 泡 噴 流 の 特 性   底板の無い円筒 容器とJ字型ランスを組み合 わせ、海水の密度と有機物の密度の差に比較的近い 沈殿粒子を浮上させることに成功した。

  粒子浮上を伴う定常的を深水波型旋回現象が発生する領域、をらぴに第2章で述べた(1)〜(5)の 特性は、底板のあ る円筒容器のJ字型ランスに よる粒子浮上を伴う旋回現象の測定値とほば同じで あったことから、 粒子巻き上がりの体積比も底板の有無に影響教く、ほば同じであることを示唆し た。また実用化に向けて必要とされる相似則について述べた。

第7章結論

  本章では、第2〜5章の成果を要約するとともに、実用化に向けての課題と展望について述べた。

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学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

旋回噴流による堆積粒子巻き上がり特性に関する      実験的研究

  気泡噴流による円筒容器内の 旋回現象は、円筒容器内の所定の深さまで液体を満たし、例えぱ容 器 内底部中央に設置した単孔ノ ズルから、鉛直上方に気泡を噴出させることによって発生する。こ の 旋 回現 象は 丿ズ ル出 口 から 浴表 面ま での距離LNを容器直径Dで除したアスベクト比がLN /D与 0.3を境に次の2つに大別される 。

(1)浅水波型旋回現象

  ノ ズル 出口 から 浴表 面 まで の距 離LNが 容器 直径Dの 約0.1〜0.3倍の範囲で発生し、気泡 噴流 は 容 器内 の中 心近 傍で 旋 回す るこ とか ら気泡噴流の半径方向 変位が小さく、旋回周期は短 い。

(2)深水波型旋回現象

  ノ ズル 出口 から 浴表 面 まで の距 離LNが 容器 直径Dの 約0.3〜1.0倍の範囲で発生し、気泡 噴流 の 半径方向変位は大きく、浴表 面の液体は大きを振幅で旋 回する。

  深水波型旋回現象の場合、容 器内の液体は気泡噴流に誘起される上下および周方向の流れによっ て 非常に激しく攪拌されるだけ でをく、他の攪拌手法に比べて設備投資が比較的少をいことから、

近 年では幅広い工学分野で使用 されつっある。

  筆者の属する研究室では、上 記特性を有する円筒容器内旋回気泡噴流の攪拌カに着目し、従来の 底 板のある円筒容器とは異をる 、底板の無い円筒容器内とJ字型ランスを組み合わせ、材料プロセ ス 排水貯水池や閉鎖性水域に堆 積した汚染物質および汚泥の浮上法を検討している。また気泡内に 微 量のオゾンを混入することに より迅速かつ、高効率に有機物の分解が可能であると考えられる。

こ の環境修復技術が成功すれば 低コスト、省工ネルギーで 閉鎖性水域の環境浄化が期待できる。

  本学位論文は、ー連の研究の 初期段階として、小型モデルを用いて円筒容器内旋回気泡噴流によ る 堆 積 粒 子 巻 き 上 が り 特 性 に 関 す る 実 験 的 研 究 を 行 っ た 結 果 に つ い て 述 べ て い る 。   以下に本学位論文の詳細を示 す。

第1章緒論

  閉鎖性水域の現状と課題につ いて述べるとともに、海洋環境修復の基本概念と社会的意義をらび に 本学位論文の内容を示した。

第 2章 底 板 の あ る 円 筒 容 器 内 の ゾ 字 型 ラ ン ス に よ る 旋 回 気 泡 噴 流 の 特 性   底板のある円筒容器内にJ字 型ランスを設置し、ランスの 支柱の存在が定常的を旋回現象に及ば     ―624ー

学 彦

   

   

正 達

口 井

井 荒

授 授

   

   

教 教

査 査

主 副

(4)

す影響について調査した 。測定項目は(1)旋回発生領 域、(2)旋回周期、(3)振幅、(4)旋回開始時 間、(5)旋回終了時間で ある。また測定値を既存の底 吹き込みで提案された実験式および理論式と 比較しつつ、これら諸量の特徴について検討した。

第3章底板の無い円筒容器内のJ字型ランスによる旋回気泡噴流の特性

  従来の円筒容器とは異 をる、底板の無い円筒容器を用いることから、底板の有無が旋回現象に及 ばす影響について、上記(1)〜(5)の特性を既存の底吹き込みで提案された実験式および理論式と比 較しつつ明確にした。

第4章底 板の ある 円筒 容 器内 の底吹きノズルおよびJ字型ランスによる粒子浮上を 伴う旋回現象 の特性

  底板のある円簡容器内 に固体粒子を堆積させ、粒子浮上を伴う定常的款深水波型旋回現象が発生 する領域を明らかにし、 ガス吹き込み方法をらびにランスの支柱の設置位置が粒子の巻き上がりを 伴う旋回現象に及ばす影響について調査した。

第5章底 板の ある 円筒 容 器内 のJ字型ランスによる粒 子浮上を伴う旋回気泡噴流の 粒子攪拌挙動   底板のある円筒容器内 に海水の密度と有機物の密度の差に比較的近い粒子を堆積させ、まず旋回 運動の発生領域について 調べた。ついで粒子群が浴内に均ーに分散して攪拌される条件について、

投入した粒子の体積に対 する巻き上がった粒子の体 積の割合、すをわち巻き上がり体積比を指標 として明確にした。その 際、旋回気泡噴流による粒 子の攪拌挙動はアスベクト比Lw /Dどとに異橡 り、LN /D=0.5を境に2つのパターンに分類できることを明らかにした。

  粒 子群が巻き上げられ るとき、浴深LN /Dが0.5より も小さい条件下では孤立渦 が生じ、LN /D が0.5よりも大きい条件 下では自走する一対の渦が 生じた。これらの渦は大気中で発生する2種類 の竜巻に類似した現象であることを可視化の結果に基づぃて述べた。

第6章 底 板 の 無 い 円 筒 容 器 内 のJ字 型 ラ ン ス に よ る 粒 子 浮 上 を 伴 う 旋 回 気 泡 噴 流 の 特 性   底板の無い円筒容器とJ字型ランスを組み合わせ、 海水の密度と有機物の密度の差に比較的近い 堆積粒子を浮上させることに成功した。

  粒子浮上を伴う定常的を深水波型旋回現象が発生する領域、をらびに第2章で述べた(1)〜(5)の 特性は、底板のある円筒 容器のJ字型ランスによる粒 子浮上を伴う旋回現象の測定値とほば同じで あったことから、粒子巻 き上がりの体積比も底板の有無に影響教く、ほば同じであることを示唆し た。また実用化に向けて必要とされる相似則について述べた。

第7章結論

  本章では、第2〜6章の 成果を要約するとともに、実用化に向けての課題と展望について述べた。

  これを要するに、著者 は、旋回気泡噴流を用いて材料プロセス排水貯水池や閉鎖性水域に堆積し た汚染物質および汚泥を 処理容器内ヘ効果的に浮上させる方法を見出し、汚染物質や汚泥の新しい 処理方法開発の可能性を 明らかにしており、材料科学をらびに環境工学に寄与するところ大をるも のが ある 。よ っ て著 者は 、北 海 道大 学( 工学 )の 学 位を 授与 され る資 格 あるも のと認める。

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参照

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