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加齢が意思決定に与える影響 ―神経経済学と金融ジェロントロジーの視点から―

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Academic year: 2021

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(1)人生100年時代の個人金融資産. 加齢が意思決定に与える影響. ―神経経済学と金融ジェロントロジーの視点から― 駒 村 康 平 目 1.問題意識―認知機能低下社会の到来 2.神経経済学の動向 3.神経経済学の研究蓄積. 次 4.金融ジェロントロジーへのインプリケーショ ン. 神経経済学は加齢による脳機能等の変化が経済活動に関する意思決定に与える影響を明らかにしつつある。本 稿では神経経済学の研究動向をレビューし、その知見を金融ジェロントロジーに生かすことを提案する。. 1.問題意識―認知機能低下社会の到来. 現在、日本が直面している超高齢社会とは、認 知機能が低下した人が増える社会と言い換えるこ. 神経経済学と金融ジェロントロジー. とができる。また同時に超高齢社会の一因である. 米国発の金融ジェロントロジーは、 狭義には 「高. 長寿化社会とは、誰もが人生の最晩年で一定の期. 齢者向けの資産形成支援サービスと商品開発」と. 間、認知機能の低下を経験する社会でもある。. いう意味合いで使われることが多い。しかし、学. 脳神経科学の経済活動への応用である神経経済. 問的にとらえると、金融ジェロントロジーとは老. 学は、加齢が経済行動に与える影響について多く. 年学や脳神経科学などの研究分野の知見を生か. の知見を有している。本稿では、神経経済学の最. し、高齢者の心身の変化・特性に対応した経済活. 近の研究動向を紹介し、これらの知見を金融ジェ. 動の支援、特に金融サービスや商品開発という学. ロントロジーにどのように生かすのか考えてみた. 際的かつ実務的な研究領域であると考えることが. い。. できる。. 駒村 康平(こまむら こうへい) 慶應義塾大学経済学部教授、ファイナンシャル・ジェロントロジー研究センター長。博士 (経済学)。慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学、国立社会保障・人口 問題研究所、東洋大学を経て現職。厚生労働省顧問、社会保障改革国民会議議員、社会保 障審議会委員、金融審議会委員などを歴任。現在、日本金融ジェロントロジー学会会長、 日本経済政策学会副会長、生活経済学会副会長。主な著書に、『エッセンシャル金融ジェ ロントロジー』(慶應義塾大学出版会、2019年) 、 『日本の年金』 (岩波書店、2014年) 、 『み んなの金融―良い人生と善い社会のための金融論─』 (新泉社、2021年)など。. ©日本証券アナリスト協会 2021. 35.

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