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Eucharis grandiflora の新栽培法と開花向上に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

Eucharis grandiflora の新栽培法と開花向上に関する研究( 内

容の要旨 )

Author(s)

北川, 勉

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第044号

Issue Date

1995-09-14

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2385

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏 名(本籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及 び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 貞 北 川 勉 (岐阜県) 博士(農学) 農博甲第44号 平成7年9月14日 学位規則第4条第1項該当 連合農学研究科 生物資源科学専攻 岐阜大学 血d∽血卵ゆ用の新栽培法と開花向上 に関する研究 主査 副査 副査 副査 副査 授 授 授 授 授 教 教 教 教 教 学 学 学 学 学 大 大 大 大 大 阜 阜 阜 州 岡 岐 岐 岐 信 静 曾 井 田 王 原 木 松 柴 仁 徹 夫 眞 躊一郎 久 夫 以智夫 論 文 の 内 容 の 要 旨 ヒガンバナ科の開花球根植物であるユーチャリス(BhLCharisgnnd≠陶nplanch)は、ア ンデス山脈の原産で、芳香を有する純白の大輪を一つの茎に4∼5輪つける。ユーチャリ スの栽培については種々報告され、基本的には適正な温室内の温度、光照度、湿度及び土 壌温度調節が必要であるが、その栽培方法が確立されているとはいえない。一般に、この 植物は温室内で栽培される。温室栽培では、暖房に温風機が使用されているが、開花した 花は温風により乾燥が進み、花弁が弱り、商品価値が低下することが多い。そのため、こ の研究では、温室内の環境をいかに適正に保ち、また開花向上につながる栽培方法をどの ようにすれば良いのかを検討した。 球根内に花芽を形成させるには高温処理が必要であり、ガラス室内に設置された栽培ベ ッドに温風を送るダクト方式と温水を還流する鉄パイプ方式により土壌温度を一定期間高 温にする方法を考え、その効果を比較した。鉄パイプ方式では、鉄パイプを10c皿ピッチ で苗床の土壌中に球根の根を痛めない程度の深さに敷設することにより、開花時期を人工 的に調節し、計画的に収穫することができ、ダクト方式より優れていた。鉄パイプ方式に より土壌温度を21から27℃に上げて4週間高温処理すると、処理後5∼20日目に球 根の生長点が栄養生長から生殖生長に転換し、その2週間後には肉眼的に花芽形成が確認 された。また、高温処理期間は4∼5週間において開花率が最も高く、球根の直径が大き

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くなるにしたがい開花率が向上することを明らかにした。 球根を高温処理すると、球根底盤部のN、P含有率が低下するため、これらの要素が花 芽形成に利用されていると考えられた。球根底盤部の全糖(主要構成糖はsucrose)は高温 処理後10日目でピークになり、この時点で球根内の生長点が栄養生長から生殖生長への 転換が始まったと推測され、29日目にかけては低下し、この時期には花芽形成に糖が消 費されたと考えられた。球根底盤部の全糖含有率とN含有率の比(Sugar/N)は、花芽の 付いた場合は、付かない場合よりも高く、高温処理後29日目にピークになるため、この 時期が花芽形成に適した栄養状態になっていると考えられた。 ポットあるいは栽培ベッドでN、P、Kの施肥量を変えて球根植物を栽培した場合、3 要素のバランスのとれた適量施肥区が花芽形成が良く、無施肥区や過剰施肥区では花芽形 成が悪くなり、この結果より、最適施肥畳を決定した。また、球根及び植物体の種々の定 植法を検討した結果、子球付き球根や徒長葉を有する球根を定植すると花芽形成が阻害さ れることを明らかにした。徒長している植物群落では照度が低く、徒長葉と子球との間に 養分競合がおこり、花芽形成が悪くなることを指摘した。さらに、栽培土壌を分析した結 果、徒長植物下の土壌は、非徒長(健全)植物下の土壌に比較して、表層部と下層部との 間で電気伝導度の差が大きく、表層部に未利用の肥料成分が残存し、徒長植物群落では肥 料の利用率が低下していことを明らかにした。 ユーチャリスの開花と出荷は6月と10月に集中し、ユーチャリスの市場性を検討した 結果、高収益を得るためには、顧客の拡大、開花調整、品質向上などが必要であることを 指摘した。 以上の結果を総合的に評価し、ユーチャリスの開花を向上するためには、子球及び徒長 葉を除去した球根を用い、鉄パイプ方式により高温処理を行い、処理後に急激に土壌温度 を下げ、1m空当たり20∼30gNの施肥を行い、厳格な湿度及び温度管理を行う栽培法 を適用する必要があることなどを提唱した。さらに、この栽培法を用いることにより、ユ ーチャリスの周年栽培と収穫が可能となり、効率的な出荷が行えることを示した。 審 査 結 果 の 要 旨 本論文は、ヒガンバナ科の開花球根植物であるユーチャリス(Eucharis grandiflora planch)の開花向上を目指して、その開花生理を明らかにするとともに、種々の栽培法、 定植法、施肥法などを比較検討し、効率的な新栽培法を確立した研究成果をまとめたもの である。 本論文は、第1∼7章から構成され、各章で得られた結果は以下のように要約される。 第1及び2章では、球根内に花芽を形成させるには高温処理が必要であり、栽培ベッド に温風を送るダクト方式と温水を還流する鉄パイプ方式により土壌温度を一定期間高温に する方法を考え、その効果を比較した。鉄パイプ方式では、ダクト方式に比較し、土壌温 度の調節が容易であり、土壌温度を21から27℃に上げて高温処理すると、処理後5∼ 20日目に球根の生長点が栄養生長から生殖生長に転換し、その2週間後には花芽形成が

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くなるにしたがい開花率が向上することを明らかにした。 球根を高温処理すると、球根底盤部のN、P含有率が低下するため、これらの要素が花 芽形成に利用されていると考えられた。球根底盤部の全糖(主要構成糖はsucrose)は高温 処理後10日目でピークになり、この時点で球根内の生長点が栄養生長から生殖生長への 転換が始まったと推測され、29日目にかけては低下し、この時期には花芽形成に糖が消 費されたと考えられた。球根底盤部の全糖含有率とN含有率の比(Sugar/N)は、花芽の 付いた場合は、付かない場合よりも高く、高温処理後29日目にピークになるため、この 時期が花芽形成に適した栄養状態になっていると考えられた。 ポットあるいは栽培ベッドでN、P、Kの施肥量を変えて球根植物を栽培した場合、3 要素のバランスのとれた適量施肥区が花芽形成が良く、無施肥区や過剰施肥区では花芽形 成が悪くなり、この結果より、最適施肥畳を決定した。また、球根及び植物体の種々の定 植法を検討した結果、子球付き球根や徒長葉を有する球根を定植すると花芽形成が阻害さ れることを明らかにした。徒長している植物群落では照度が低く、徒長葉と子球との間に 養分競合がおこり、花芽形成が悪くなることを指摘した。さらに、栽培土壌を分析した結 果、徒長植物下の土壌は、非徒長(健全)植物下の土壌に比較して、表層部と下層部との 間で電気伝導度の差が大きく、表層部に未利用の肥料成分が残存し、徒長植物群落では肥 料の利用率が低下していことを明らかにした。 ユーチャリスの開花と出荷は6月と10月に集中し、ユーチャリスの市場性を検討した 結果、高収益を得るためには、顧客の拡大、開花調整、品質向上などが必要であることを 指摘した。 以上の結果を総合的に評価し、ユーチャリスの開花を向上するためには、子球及び徒長 葉を除去した球根を用い、鉄パイプ方式により高温処理を行い、処理後に急激に土壌温度 を下げ、1m空当たり20∼30gNの施肥を行い、厳格な湿度及び温度管理を行う栽培法 を適用する必要があることなどを提唱した。さらに、この栽培法を用いることにより、ユ ーチャリスの周年栽培と収穫が可能となり、効率的な出荷が行えることを示した。 審 査 結 果 の 要 旨 本論文は、ヒガンバナ科の開花球根植物であるユーチャリス(Eucharis grandiflora planch)の開花向上を目指して、その開花生理を明らかにするとともに、種々の栽培法、 定植法、施肥法などを比較検討し、効率的な新栽培法を確立した研究成果をまとめたもの である。 本論文は、第1∼7章から構成され、各章で得られた結果は以下のように要約される。 第1及び2章では、球根内に花芽を形成させるには高温処理が必要であり、栽培ベッド に温風を送るダクト方式と温水を還流する鉄パイプ方式により土壌温度を一定期間高温に する方法を考え、その効果を比較した。鉄パイプ方式では、ダクト方式に比較し、土壌温 度の調節が容易であり、土壌温度を21から27℃に上げて高温処理すると、処理後5∼ 20日目に球根の生長点が栄養生長から生殖生長に転換し、その2週間後には花芽形成が

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肉眼的に確認された。また、高温処理期間は4∼5週間において開花率が高く、球根の直 径が大きくなるにしたがい開花率が向上することを明らかにした。 第3章では、球根を高温処理すると、球根底盤部のN、P含有率が低下するため、これ らの要素が花芽形成に利用され、また全糖(主要構成糖はsucrose)は高温処理後10日目 でピークになり、この時点で球根内の生長点が栄養生長から生殖生長への転換が始まった ことを推測した。また、球根底盤部の全糖含有率とN含有率の比(Sugar/N)は、花芽 の付いた場合は、付かない場合よりも高く、高温処理後29日目にピークになるため、こ の時期が花芽形成に適した栄養状態になっていることを明らかにした。 第4及び5章では、ポットあるいは栽培ベッドでN、P、Kの施肥量を変えて球根植物 を栽培した場合、3要素のバランスのとれた適量施肥区が花芽形成が良く、無施肥区や過 剰施肥区では花芽形成が悪くなり、子球付き球根や徒長葉を有する球根を定植すると花芽 形成が阻害されることなどを明らかにした。とくに、徒長している植物群落では照度が低 く、徒長葉と子球との間に養分競合がおこり、肥料成分の利用率も低下し、花芽形成が悪 くなることを指摘した。 第6章では、ユーチャリスの流通と市場性に触れ、この花は商品価値が高いが、高収益 を得るためには、顧客の拡大、開花調整、品質向上などが必要であることを示した。 第7章では、以上の結果を基に、ユーチャリスの開花を向上するためには、子球及び徒 長葉を除去した球根を用い、鉄パイプ方式により高温処理を行い、処理後に急激に土壌温 度を下げ、1m2当たり20∼30gNの施肥を行い、厳格な湿度及び温度管理を行う栽 培法を適用する必要があることなどについて総括した。 以上の論文構成や内容について慎重審議した結果、得られた知見はユーチャリスの高い 花芽形成の栽培法を理論的に示したもので、将来の周年栽培に向けての基礎を築くもので あり、学術的にも価値があると評価された。その結果、審査委負全員一致で本論文が岐阜 大学大学院連合農学研究科の学位論文として十分価値あるものと認めた。

参照

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