DBのガバナンス(資産運用ルール等)について
(パブリックコメント)
平成29年9月
日本生命保険相互会社
本資料は、作成時点における信頼できる情報にもとづいて作成されたものですが、その情報の確実性を保証するものではありません。 本資料に含まれる会計・税務・法律等の取扱いについては、公認会計士・税理士・弁護士等にご確認のうえ、貴団体自らご判断ください。 ホームページアドレス http://www.nenkin.nissay.co.jp/info/report.htm ◇H29.9.22 日本生命保険相互会社 団体年金コンサルティングG 発行(日本-年基-201709-170-0515- D)DBのガバナンス(資産運用ルール等)の概要
運用の基本方針
省令・通知改正
2
政策的資産構成割合
省令・通知改正
2
資
産
運
用
ガ
イ
ド
ラ
イ
ン
資産運用委員会
通知改正
3
分散投資
通知改正
4
オルタナティブ投資
通知改正
5
運用受託機関の選任・契約締結、スチュワードシップ責任
通知改正
6
運用コンサルタント
通知改正
10
代議員会・加入者への報告・周知事項
通知改正
11
○DBの「資産運用におけるガバナンスの見直し」は、平成27年1月に取りまとめられた、厚生労働省
社会保障審議会企業年金部会の「議論の整理」に盛り込まれました。
○厚生労働省は、その具体策として、「運用の基本方針・政策的資産構成割合策定の全DB義務化」
や、厚年基金の運用ルールを参考とした「資産運用ガイドラインの見直し」を提案しました。
○施行日は、
平成30年4月1日予定
とされています。
論点
省令・通知
ページ
○一定の予定運用利回りを確保する必要のあるDB制度においては、運用の基本方針や政策的資産
構成割合なしに安定的な運営は困難であるとして、原則
※1全てのDBにおいて、運用の基本方針・
政策的資産構成割合の策定が義務付けられます。
現 行
省令・通知(案)の内容
運用の基本方針
・運用の基本方針を作成し、当該基本方針に沿って 運用しなければならない。 ・但し、以下のDBを除く。 -加入者の数が300人未満 かつ 資産の額が3億円未満の規約型DB※2 -受託保証型DB ・原則※1全てのDBにおいて策定を義務化。政策的
資産構成割合
・(策定が義務付けられていない事業主等において も)政策的資産構成割合を定めるよう努めなけれ ばならない。 ・原則※1全てのDBにおいて策定を義務化。1.「運用の基本方針」「政策的資産構成割合」の策定
2
一定の予定利率を確保する必要のあるDB制度においては、運用の基本方針や政策的資産構成割合なしに安定的な運営は困難と 考えられるため、運用の基本方針・政策的資産割合の策定を全DBに義務化※1。 ※1 運用の方法が生命保険一般勘定に限定され、その旨規約に定めて承認を受けている受託保証型DBについては除外する ※2 リスク分担型企業年金および運用実績連動型※3の キャッシュバランスプラン制度を除く ※3 「積立金の運用利回りの実績」を再評価率とするキャッシュバランスプラン制度現 行
通知(案)の内容
資産運用委員会
・資産運用委員会を設置することが望ましい。 * 資産運用委員の設置については、現行でも「厚年 基金ガイドライン」と同様の内容 ・運用に係る資産の額が100億円以上のDBに、資産 運用委員会の設置を義務化。 【資産運用委員会】 ○理事長等を補佐するため、資産運用委員会を設置することが望ましい。<ご参考:厚年基金ガイドライン>
厚年基金 より強化○受託者責任の明確化、資産運用管理体制の強化、外部専門家による支援体制の強化等の観点か
ら平成24年に改訂された厚年基金の資産運用ガイドラインを参考に、DBの資産運用ガイドライン
が見直されます。
2.資産運用ガイドライン(DBガイドライン)の見直し
現 行
通知(案)の内容
分散投資
・資産の運用に当たっては、分散投資に努めなければ ならない。 ・ただし、分散投資を行わないことにつき合理的な理由 がある場合は、この限りではない。 ・分散投資を行わないことについて合理的な理由があ る場合は、合理的理由を運用の基本方針に定めると ともに、加入者等への周知を義務化。 ・運用の基本方針に、運用委託先が特定の運用機関に 過度に集中しないための方針を定めることとする(受 託保証型DBは対象外)。<ご参考:厚年基金ガイドライン>
4
* 「DBガイドライン」に追記される内容に下線 厚年基金と 同様 【分散投資義務】 ○基金に係る資産の運用に当たっては、分散投資に努めなければならない。分散投資を行わないことにつき合理的な理由がある 場合はこの限りでないが、合理的理由を運用の基本方針に定めるとともに、加入員・事業主に周知しなければならない。 【運用の基本方針に定める内容】 ○特定の運用受託機関に対する資産の運用の委託が、基金の資産全体から見て過度に集中しないよう、運用の基本方針 に、集中投資に関する方針を定めなければならない。 ○次のような合理的理由がある場合は、特定の運用受託機関に資産の運用を委託できる旨定めることができるが、信用 リスク等に留意しなければならない。 ①当該機関の複数の資産で構成される商品等に投資する場合 ②生命保険一般勘定契約等の元本確保型の資産に投資する場合 ③その他合理的理由がある場合現 行
通知(案)の内容
オルタナティブ
投資
・運用の基本方針にオルタナティブ投資の位置付け等 を記載し、運用機関の選任、商品選択等についての 留意事項を示す。 【オルタナティブ投資を行う場合の留意事項】 ○オルタナティブ投資を行う場合は、運用の基本方針に以下を定めなければならない。 「オルタナティブ投資を行う目的」、「政策的資産構成割合におけるオルタナティブ投資の位置付け・割合」 「オルタナティブ投資に固有のリスクに関する留意事項」 ○運用受託機関の選任に当たっては、以下の事項に留意しなければならない。 「当該運用受託機関の組織体制に関する事項」、「当該運用受託機関の財務状況等に関する事項」 ○以下の事項を参考に、運用受託機関に対し運用戦略等についての説明を求める。 (共通事項) 「リターンの源泉」、「リスク」、「時価の算出根拠と報告方法」、「情報開示に対する態勢」、「運用コスト」 (個別運用戦略) 「海外のファンドを用いた投資を行う場合」、「デリバティブ(金融派生商品)を用いた投資を行う場合」 「証券化を用いた投資を行う場合」、「ファンド・オブ・ヘッジファンズに投資する場合」 「未公開株式や不動産等に投資する場合」<ご参考:厚年基金ガイドライン>
厚年基金と 同様 (オルタナティブ投資に関する規定なし) * 「DBガイドライン」に追記される内容に下線6
現 行
通知(案)の内容
運用受託機関の
選任・契約締結
・運用受託機関の得意とする運用手法を考慮する。 ・定量評価だけでなく、定性評価を加えて総合評価をす ることにより行うことが望ましい。 ・運用受託機関の選任・契約締結における定性評価・ 定量評価の基準について具体的事例を追加する。 ・上記に加え、 -定性評価項目として、運用受託機関が「受託業務 に係る内部統制の保証報告書」等の保証業務の 提供を受けていることが望ましいこと -定量評価項目として、運用受託機関から提示を受 ける収益率やリスクは、(GIPSに馴染まな い運用商品を除き)GIPSに準拠し検証を受 けたものその他一定の合理的な方法に基づいて 計算され管理されたものが望ましいこと を追加する。 ・さらに、「スチュワードシップ責任・ESG」を定 性評価項目とすることを検討することが望ましい。スチュワード
シップ責任
・「スチュワードシップ責任」を定性評価項目として 採用する場合、運用受託機関に以下の取組みを求 めることが望ましい。 -利益相反についての明確な方針の策定と公表 -投資先企業の状況の的確な把握と、その状況の公表 -投資先企業との間で、建設的な対話を通じ事業環境の 認識を共有し、認識した課題について改善取組を促進 -議決権の行使の方針の提示と行使結果の公表 -目的を持った対話の状況や議決権行使状況の報告 * 「厚年基金ガイドライン」の該当箇所はP.7 厚年基金と 同様 厚年基金 より追加新
た
に
提
示
* 各項目の解説はP.8【選任の基準】 ○運用受託機関の得意とする運用手法を考慮する。 ○定量評価だけでなく、定性評価を加えて総合評価をすることにより行うことが望ましい。 ○選任の際に行うヒアリングは、定性評価の基準の例に掲げる事項について行う。 その場合、投資判断を行うファンドマネジャー等に対するヒアリング、及び運用コンサルタントや資産運用委員会等に対するヒアリ ングを含めることが望ましい。 【定量評価の基準】 ○一般的に適正と認められる合理的な基準により行う。 ・時価による収益率及びリスクを基準とし、資産種類ごとに適切な市場ベンチマーク等を設定 ・同様の運用を行う他の運用受託機関の収益率及びリスクとの相対比較 等 ○アクティブ運用においては、シャープレシオやインフォメーションレシオ(リターンを得るために、どのくらいリスクが取られたかを計 測する指標)等の指標にも留意。 なお、短期の収益率に著しく問題のある場合等を除き、一定の期間の実績等を評価することが望ましい。 【定性評価の基準】 ○以下を総合的に考慮して行う。 ・運用についての基本的な考え方 ・運用責任者及び運用担当者の体制及び能力 ・調査分析等運用支援の体制 等 ○具体的には、以下のような点に留意。 ・投資方針(内容の明確性、合理性、一貫性など) ・組織及び人材(意思決定の流れや責任の所在の明確性、十分な専門性・経験を有する人材の配置、人材の定着度と運用の継続性・再現性の確保) ・運用プロセス(投資方針との整合性、運用の再現性、リターンの追求方法の合理性・有効性、リスク管理指標の合理性・有効性) ・事務処理体制(売買・決済等の事務処理の効率性・正確性、運用実績の報告の迅速性・正確性・透明性) ・リスク管理体制(実効性及び適切性など) ・コンプライアンス(法令や運用ガイドライン遵守体制の整備状況、過去における法令違反の有無、事故発生時における対応体制、 監査の状況)
<ご参考:厚年基金ガイドライン (「運用受託機関の選任・契約締結」に関する部分)>
* 「DBガイドライン」に追記される内容に下線 機関投資家が、投資先の日本企業やその事業環境等に関する深い理解に基づく建設的な「目的を持った対話(エンゲージメント)」 などを通じて、当該企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことにより、顧客・受益者の中長期的な投資リターンの拡大を図る 責任のこと。 金融庁が平成26年2月に公表した「責任ある機関投資家の諸原則((日本版)スチュワードシップ・コード)」にその責任を果たすに あたり有用と考えられる諸原則が定められている。