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第1章 I 1 乳牛の基本知識 乳牛の平均的な体形 第2章 体長 肩から尾のつけ根まで 約170cm 第3章 体高 cm前後 第4章 体重 kg 第5章 乳牛の種類 1日の食事量 1日に出る乳 生乳 の量 日本では 北海道を中心におよそ 青草の場合 50 60kg 牛の大

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Academic year: 2021

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 牛から搾った乳を「生乳(せいにゅう)」といいます。この章では、乳牛 と生乳に関する基礎的知識やデータを取り上げます。  日本で飼育されている乳牛のほとんどは、寒さに強く、乳量の多いホ ルスタイン種です。哺乳動物である乳牛は子牛を産んで初めて乳を出し ます。母牛が作る乳の量は、毎日20〜30Lになります。  乳牛の健康を守り、高品質な生乳を生産するのが牧場(酪農家)です。 日本には約2.1万戸の酪農家があり、 地域や飼育環境により異なる飼育 方法で生乳を生産しています。良い生乳を生産するため、酪農家は搾乳 から出荷までの衛生管理や温度管理を厳しく行っています。  国産生乳の生産量は、年々少しずつ減少してきています。国産生乳は、 生産量の約半分が飲料用に、約半分が乳製品などの加工品向けに使われ ています。

せ い に ゅ う

乳のはなし

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体長:(肩から尾のつけ根まで)約170cm 体高:135∼145cm前後 体重:600∼700kg

乳牛の種類

 日本では、北海道を中心におよそ 146万頭の乳牛が飼育されており、そ の約99%は白黒模様のホルスタイン種 です。体が大きく乳量が多く、性格は 温和でやさしく、寒さに強く暑さに弱 いのが特徴です。ホルスタイン種の他、 乳脂肪分の多いジャージー種や、バ ターやチーズ作りに適したブラウンスイ ス種、エアシャー種なども、わずかで すが飼育されています。

1日の食事量

・青草の場合:50〜60kg ・乾燥した草の場合:約15kg

4つの胃袋

 牛の胃袋は、第1胃〜第4胃の4つ です。第1胃には微生物が住んでいる ため、人間には消化しにくい牧草や穀 類などの固い餌でも時間をかけて消化 することができます。

1日に出る乳(生乳)の量

 牛の大きな乳房は4つの分房に分か れ、乳頭が4つあります。搾乳量は1日に 20〜30L(200mLの牛乳容器で100 〜150本)になります。

糞と尿の量

・糞:1日に20〜40kg ・尿:1日に6〜12L  糞や尿は、米や野菜などの堆肥とし て利用されています。

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乳牛の平均的な体形

乳牛の基本知識

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1回り12∼15ヶ月を4回程度繰り返す 約40日 授乳する期間300∼330日 妊娠 約280日 乾乳 2∼3ヶ月 人工 授精 人工 授精 育成 雌牛誕生 妊娠 出産 離乳 約10ヶ月 14∼16ヶ月 2ヶ月

子牛を産まないと乳は出ない

 牛は人間と同じ哺乳動物の仲間で す。子牛を産まなければ、乳(生乳) は出ません。  雌牛誕生から出産までの流れは次の ようになっています。 雌牛誕生 体重は約40kg (生まれて約30分で、自分 で立つ) 離  乳 約2ヶ月 育  成 14〜16ヶ月 人工授精 最初は、生後約1年半 妊娠期間 280日前後 出  産 初産は、生後約2年半 搾乳期間 300〜330日 乾乳期間 2〜3ヶ月 (次の出産のため乳を搾ら ず、体を休ませる) 次の人工授精 出産から約40日後 廃用牛 乳を搾らなくなった牛で、 食肉などに利用される 雄子牛 食肉に利用される  出産から次の出産までのサイクルは 12〜15ヶ月で、これを1頭につき4回程 度繰り返します。

母牛の体内で乳が出る仕組み

 牛は反はんすう芻動物と呼ばれ、第1胃から 第2胃に入った餌を何度も反芻(口に戻 して噛み砕くこと)して消化しやすくして います。反芻を経て第3胃・第4胃に餌 を送り、小腸で消化・吸収しています。  消化吸収された栄養素は血液に流 れ込み、全身へ運ばれて利用されま す。乳房へ送られた血液中の成分を 利用して、乳房の中にある乳腺細胞に よって乳になります。牛の乳房を見る と、太い血管が何本もあるのを確認で きます。  1Lの牛乳を作るのに、400〜500L の血液が必要です。母牛は毎日、1万 Lもの血液を乳房に送り、20〜30L分 の乳を作っています。  本来、乳は子牛を育てるために出す もの。出産後、最初の5日間の「初乳」 は、たんぱく質・ビタミンなどの栄養 素や特に免疫グロブリン(たんぱく質) が多く含まれるため子牛に飲ませ、工 場には出荷されません。

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乳牛のライフサイクル

雌牛の誕生から出産までの流れ

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昼 食 12時00分 朝 食 8時00分 起 床 5時30分 17時30分 夕 食 19時30分 就 寝 22時00分 牛たちの健康チェック/ 牧草地や堆肥場の手入れ/ 牛舎の周りの手入れ/餌やり/ 休憩/子牛にお乳 餌やり/牛舎の掃除/ 搾乳/子牛にお乳 餌やり/牛舎の掃除/ 搾乳/子牛にお乳

餌やりは1日3回

 牛に良質な乳を出してもらうため、 栄養バランスを考えて、餌と水を決まっ た時間に与えます。人間と同じように1 日に3回、365日休みなく餌と水を与え 続けます。  子牛には乳を与えます。成長期の牛 には、健康な母牛に育てるため栄養を 考えて餌を与えます。

牛舎の掃除

 牛の寝床の清掃や、糞や尿の処理 をして毎日牛舎を清潔に保ちます。  牛の体を拭くなど、牛自身を清潔に することも大切な毎日の仕事です。

さくにゅう

 牛の乳を搾ることを「搾乳(さくにゅ う)」といい、朝と夕方の2回行います。  現在の搾乳は主にミルカーと呼ばれ る搾乳機で衛生的に行い、冷蔵タンク に貯乳します。  搾乳の前には乳房などを清潔にしま す。搾った生乳は、サンプリング検査 と計量の後、乳業工場に運ばれます。

牧草の育成と刈り取りなど

 牧草を育て、良い乳を出す餌を購 入・保管し、牛の餌の準備をします。 また、冬季の餌として牧草を刈り取り 干し草にしたり、刻んだトウモロコシな どをサイロに入れて発酵させた餌(サイ レージ)を作ったりもします。

酪農家の休日

 生きものの飼育は1日も休むことがで きません。牛は乳を毎日搾らなければ 病気になってしまいます。従来より酪 農は最も休みが取りづらい分野でした が、現在は「酪農ヘルパー制度」があ り、酪農家が病気になったときや休み を取るとき、酪農ヘルパーが酪農家に 代わって搾乳や餌やりなどの作業を行 います。これにより、酪農家も月に1日 程度は休めるようになりました。

牛の健康管理

 良い乳を牛に出してもらうには、一 頭一頭の健康管理がとても大切です。 牛は暑さに弱い動物なので、牛舎の温 度は厳しく管理されています。カゼをひ いたり、病気になったりした場合は獣 医を呼び、治療をします。人工授精や 出産、子牛に乳を与える作業、成長 期に合った給餌も重要な仕事です。  母牛は、子牛を生んで40日以降に に再び妊娠し、乳を出しながら、お腹 の中で次の子牛を育てています。酪農 家は、妊婦の状態である乳牛に対し、 餌の与え方や健康管理に昼夜を問わ ず細心の注意を払っています。

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牧場の1日

ある酪農家の1日のスケジュール

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高品質を支える日本の酪農家

 生乳は、牛や人間にとって栄養豊か な食品ですが、それは同時に細菌の 繁殖にも好条件となります。  良い生乳を生産するためには、乳牛 の品種改良・飼育環境・餌の内容・ 健康管理などの他に、生乳の栄養成 分内容や鮮度維持なども欠くことので きない条件です。そのため酪農家は、 搾乳から貯乳・出荷までの衛生管理 や温度管理を厳しく行っています。  現在の酪農家は、一戸当たりの平均 飼育頭数が69頭を越え(2011年)、多 くは専門の酪農家として品質の良い生 乳を生産しています。  全国の酪農家戸数は約2.1万戸です (2011年)。地域や飼育環境などによ り、飼育方法に特徴があります。  第1は、北海道に見られるような、 広い牧草地を持つ牧場の飼育方法で す。飼料の自給率を高め、放牧により 生産コストを低減し、糞尿も採草地に 利用しています。  第2は、都市と山間部の間に広がる 畑作地帯で行われている飼育方法で す。採草地や飼料畑をあまり持たない ため、飼料は主に購入しています。糞 尿は専用の処理施設を設けて堆肥化 し、周辺の農家や都市の利用者に供 給しています。  第3は、日本の酪農経営の原点的 な牧場です。農山村の中で、農作物 の生産と酪農を兼業経営しています。 糞尿を堆肥化して農家の稲ワラと交換 したり、稲作農家の休耕田を借りてト ウモロコシなどの飼料を栽培するなど、 地域農業と密接な関係を保っています。

牧場のその他の役割

 牧場(酪農家)は牛乳・乳製品の原 料である生乳を衛生的に生産している だけではなく、私たちの生活に必要な さまざまな役割を担っています。  雄の子牛や、生乳を搾らなくなった 牛は、食肉や革製品として生活に役 立っています。  乳牛が出す糞尿は、稲や麦、野菜 や果物などを作る堆肥として有機栽培 などに利用されています。  牧場が休耕田を牧草地やトウモロコ シ畑として利用することで、山間地など を荒れ地にすることなく、豊かな農村 風景が残されます。  また牧場は、きれいな空気や水の 保全だけでなく、牧場に棲む昆虫や小 鳥など生物の食物連鎖のバランスを保 ち、生態系の維持にも役立っています。  牧場見学は、見学者用トイレなどの設備や説明者の教育などが必要にな り、また、見学によって牛が乳を出さなくなることもあるため、すべての 牧場で可能なわけではありません。  そこで、牧場を教育の場として開放し、子どもたちが食やいのちの大切 さを学ぶことができる「酪農教育ファーム」の認証制度が設立されました。 現在、全国に309の認証牧場があります(2012年)。  酪農教育ファーム推進委員会事務局では、認証牧場の紹介を行ってい ますので、まずは以下の事務局へお問い合わせください。 〒101-0047 東京都千代田区内神田1-1-12 コープビル  (社)中央酪農会議内 酪農教育ファーム推進委員会事務局 TEL 03(3219)2624 FAX 03(3219)2622 中央酪農会議のサイトから認証牧場を検索できます。 http://www.dairy.co.jp/edf/

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国産生乳について

せ い に ゅ う

乳の基本知識

II

牧場見学について

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A

乳の国内

総消費量

約1,136万t

国産生乳

約763万t 約67%

在庫など

21万t 2%

乳製品輸入

(生乳換算)

約352万t 約31% (2010年度)

国産生乳

生産量

約763万t

飲用向け

約411万t 約54%

加工向け等

約352万t 約46% (2010年度) 1956 1961 1966 1971 1976 1981 1986 1991 1996 2001 2006 2010 0 200 400 600 800 1,000 (万t) (年度) 119.9 218.0 343.1 484.1 536.9 661.2 736.1 834.3 865.9 831.2 809.1 763.1

生乳生産量

 日本の生乳生産量は、北海道では 増加していますが、都府県で減少して いるため、全体ではやや減少傾向にあ ります。

牛乳・乳製品の

 年間国産生産量・消費量

 国産生乳の生産量(2010年度)は 約763万tで、このうち約54%の411 万tは飲用向けに、残りの約46%の 352万tは加工品向けなどに利用され ました。   国 内の 総 消 費 量(2010年 度)は 1,136万tで、そのうち国産生乳が約 67%、輸入乳製品(生乳換算)は約 31%となっています。

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日本の生乳生産量と消費量

日本の生乳生産量の年度別推移

国産生乳の生産量と消費量

出典:農林水産省「牛乳乳製品統計」 出典:財務省「貿易統計」、生乳換算は農林水産省 出典:農林水産省「牛乳乳製品統計」

参照

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