2018年7月改訂(第6版) 日本標準商品分類番号 87625
医薬品インタビューフォーム
日本病院薬剤師会のIF記載要領(2013年)に準拠して作成抗ウイルス化学療法剤
剤 形 フィルムコーティング錠 製 剤 の 規 制 区 分 劇薬 処方箋医薬品注) 注)注意-医師等の処方箋により使用すること 規 格 ・ 含 量 1錠中 オムビタスビル水和物13.6mg(オムビタスビルとして12.5mg) パリタプレビル水和物78.5mg(パリタプレビルとして75mg) リトナビル50mg 一 般 名 和名:オムビタスビル水和物[JAN],パリタプレビル水和物[JAN], リトナビル[JAN]洋名:Ombitasvir Hydrate[JAN],Paritaprevir Hydrate[JAN], Ritonavir[JAN,INN] 製 造 販 売 承 認 年 月 日 薬 価 基 準 収 載 ・ 発 売 年 月 日 製造販売承認年月日:2015年 9月28日 薬価基準収載年月日:2015年11月26日 発 売 年 月 日:2015年11月26日 開発・製造販売(輸入)・ 提 携 ・ 販 売 会 社 名 製造販売元: 医薬情報担当者の連絡先 問 い 合 わ せ 窓 口 アッヴィ合同会社 くすり相談室 〒108-6302 東京都港区三田3-5-27 フリーダイヤル 0120-587-874 医療関係者向けホームページ http://www.abbvie.co.jp/ 本IFは2017年3月改訂(第7版)の添付文書の記載に基づき改訂した. 最新の添付文書情報は,PMDAホームページ「医薬品に関する情報」 http://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/0001.html にてご確認ください.
IF 利用の手引きの概要
―日本病院薬剤師会―
1.医薬品インタビューフォーム作成の経緯 医療用医薬品の基本的な要約情報として医療用医薬品添付文書(以下,添付文書と略す)がある.医療現場 で医師・薬剤師等の医療従事者が日常業務に必要な医薬品の適正使用情報を活用する際には,添付文書に記 載された情報を裏付ける更に詳細な情報が必要な場合がある. 医療現場では,当該医薬品について製薬企業の医薬情報担当者等に情報の追加請求や質疑をして情報を補完 して対処してきている.この際に必要な情報を網羅的に入手するための情報リストとしてインタビュー フォームが誕生した. 昭和 63 年に日本病院薬剤師会(以下,日病薬と略す)学術第 2 小委員会が「医薬品インタビューフォーム」 (以下,IF と略す)の位置付け並びに IF 記載様式を策定した.その後,医療従事者向け並びに患者向け医 薬品情報ニーズの変化を受けて,平成 10 年 9 月に日病薬学術第 3 小委員会において IF 記載要領の改訂が行 われた. 更に 10 年が経過し,医薬品情報の創り手である製薬企業,使い手である医療現場の薬剤師,双方にとって 薬事・医療環境は大きく変化したことを受けて,平成 20 年 9 月に日病薬医薬情報委員会において IF 記載要 領 2008 が策定された. IF 記載要領 2008 では,IF を紙媒体の冊子として提供する方式から,PDF 等の電磁的データとして提供する こと(e-IF)が原則となった.この変更にあわせて,添付文書において「効能・効果の追加」,「警告・禁 忌・重要な基本的注意の改訂」などの改訂があった場合に,改訂の根拠データを追加した最新版の e-IF が提 供されることとなった. 最新版の e-IF は,(独)医薬品医療機器総合機構の医薬品情報提供ホームページ(http://www.pmda.info.go.jp/) から一括して入手可能となっている.日本病院薬剤師会では,e-IF を掲載する医薬品情報提供ホームページ が公的サイトであることに配慮して,薬価基準収載にあわせて e-IF の情報を検討する組織を設置して,個々 の IF が添付文書を補完する適正使用情報として適切か審査・検討することとした. 2008 年より年 4 回のインタビューフォーム検討会を開催した中で指摘してきた事項を再評価し,製薬企業に とっても,医師・薬剤師等にとっても,効率の良い情報源とすることを考えた.そこで今般,IF 記載要領の一 部改訂を行い IF 記載要領 2013 として公表する運びとなった. 2.IF とは IF は「添付文書等の情報を補完し,薬剤師等の医療従事者にとって日常業務に必要な,医薬品の品質管理のた めの情報,処方設計のための情報,調剤のための情報,医薬品の適正使用のための情報,薬学的な患者ケアの ための情報等が集約された総合的な個別の医薬品解説書として,日病薬が記載要領を策定し,薬剤師等のため に当該医薬品の製薬企業に作成及び提供を依頼している学術資料」と位置付けられる. ただし,薬事法・製薬企業機密等に関わるもの,製薬企業の製剤努力を無効にするもの及び薬剤師自らが評 価・判断・提供すべき事項等は IF の記載事項とはならない.言い換えると,製薬企業から提供された IF は, 薬剤師自らが評価・判断・臨床適応するとともに,必要な補完をするものという認識を持つことを前提とし ている. [IF の様式] ①規格は A4 版,横書きとし,原則として 9 ポイント以上の字体(図表は除く)で記載し,一色刷りとする. ただし,添付文書で赤枠・赤字を用いた場合には,電子媒体ではこれに従うものとする. ②IF 記載要領に基づき作成し,各項目名はゴシック体で記載する. ③表紙の記載は統一し,表紙に続けて日病薬作成の「IF 利用の手引きの概要」の全文を記載するものとし, 2 頁にまとめる.[IF の作成] ①IF は原則として製剤の投与経路別(内用剤,注射剤,外用剤)に作成される. ②IF に記載する項目及び配列は日病薬が策定した IF 記載要領に準拠する. ③添付文書の内容を補完するとの IF の主旨に沿って必要な情報が記載される. ④製薬企業の機密等に関するもの,製薬企業の製剤努力を無効にするもの及び薬剤師をはじめ医療従事者自 らが評価・判断・提供すべき事項については記載されない. ⑤「医薬品インタビューフォーム記載要領 2013」(以下,「IF 記載要領 2013」と略す)により作成された IF は,電子媒体での提供を基本とし,必要に応じて薬剤師が電子媒体(PDF)から印刷して使用する.企 業での製本は必須ではない. [IF の発行] ①「IF 記載要領 2013」は,平成 25 年 10 月以降に承認された新医薬品から適用となる. ②上記以外の医薬品については,「IF 記載要領 2013」による作成・提供は強制されるものではない. ③使用上の注意の改訂,再審査結果又は再評価結果(臨床再評価)が公表された時点並びに適応症の拡大等 がなされ,記載すべき内容が大きく変わった場合には IF が改訂される. 3.IF の利用にあたって 「IF 記載要領 2013」においては,PDF ファイルによる電子媒体での提供を基本としている.情報を利用す る薬剤師は,電子媒体から印刷して利用することが原則である. 電子媒体の IF については,医薬品医療機器総合機構の医薬品医療機器情報提供ホームページに掲載場所が 設定されている. 製薬企業は「医薬品インタビューフォーム作成の手引き」に従って作成・提供するが,IF の原点を踏まえ, 医療現場に不足している情報や IF 作成時に記載し難い情報等については製薬企業の MR 等へのインタ ビューにより薬剤師等自らが内容を充実させ,IF の利用性を高める必要がある.また,随時改訂される使用 上の注意等に関する事項に関しては,IF が改訂されるまでの間は,当該医薬品の製薬企業が提供する添付文 書やお知らせ文書等,あるいは医薬品医療機器情報配信サービス等により薬剤師等自らが整備するととも に,IF の使用にあたっては,最新の添付文書を医薬品医療機器情報提供ホームページで確認する. なお,適正使用や安全性の確保の点から記載されている「臨床成績」や「主な外国での発売状況」に関する 項目等は承認事項に関わることがあり,その取扱いには十分留意すべきである. 4.利用に際しての留意点 IF を薬剤師等の日常業務において欠かすことができない医薬品情報源として活用して頂きたい.しかし,薬 事法や医療用医薬品プロモーションコード等による規制により,製薬企業が医薬品情報として提供できる範 囲には自ずと限界がある.IF は日病薬の記載要領を受けて,当該医薬品の製薬企業が作成・提供するもので あることから,記載・表現には制約を受けざるを得ないことを認識しておかなければならない. また製薬企業は,IF があくまでも添付文書を補完する情報資材であり,インターネットでの公開等も踏まえ, 薬事法上の広告規制に抵触しないよう留意し作成されていることを理解して情報を活用する必要がある. (2013 年 4 月改訂)
目 次
Ⅰ.概要に関する項目 ··· 1 1.開発の経緯 ··· 1 2.製品の治療学的・製剤学的特性 ··· 1 Ⅱ.名称に関する項目 ··· 2 1.販売名 ··· 2 2.一般名 ··· 2 3.構造式又は示性式 ··· 2 4.分子式及び分子量 ··· 3 5.化学名(命名法) ··· 3 6.慣用名,別名,略号,記号番号 ··· 4 7.CAS登録番号 ··· 4 Ⅲ.有効成分に関する項目 ··· 5 1.物理化学的性質 ··· 5 2.有効成分の各種条件下における安定性 ··· 7 3.有効成分の確認試験法 ··· 9 4.有効成分の定量法 ··· 9 Ⅳ.製剤に関する項目 ···10 1.剤形 ···10 2.製剤の組成 ···10 3.懸濁剤,乳剤の分散性に対する注意 ···10 4.製剤の各種条件下における安定性 ···11 5.調製法及び溶解後の安定性 ···11 6.他剤との配合変化(物理化学的変化) ···11 7.溶出性 ···11 8.生物学的試験法 ···11 9.製剤中の有効成分の確認試験法 ···11 10.製剤中の有効成分の定量法 ···11 11.力価 ···11 12.混入する可能性のある夾雑物 ···11 13.注意が必要な容器・外観が特殊な容器に 関する情報 ···11 14.その他 ···11 Ⅴ.治療に関する項目 ···12 1.効能又は効果 ···12 2.用法及び用量 ···13 3.臨床成績 ···14 Ⅵ.薬効薬理に関する項目 ···33 1.薬理学的に関連ある化合物又は化合物群 ····33 2.薬理作用 ···33 Ⅶ.薬物動態に関する項目 ···38 1.血中濃度の推移・測定法 ···38 2.薬物速度論的パラメータ ···46 3.吸収 ···47 4.分布 ···48 5.代謝 ···49 6.排泄 ···51 7.トランスポーターに関する情報 ···52 8.透析等による除去率 ···52 Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 ·· 53 1.警告内容とその理由 ··· 53 2.禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む) ···· 53 3.効能又は効果に関連する使用上の注意と その理由 ··· 54 4.用法及び用量に関連する使用上の注意と その理由 ··· 54 5.慎重投与内容とその理由 ··· 54 6.重要な基本的注意とその理由及び処置方法 ·· 54 7.相互作用 ··· 55 8.副作用 ··· 67 9.高齢者への投与 ··· 75 10.妊婦,産婦,授乳婦等への投与 ··· 76 11.小児等への投与 ··· 76 12.臨床検査結果に及ぼす影響 ··· 76 13.過量投与 ··· 76 14.適用上の注意 ··· 77 15.その他の注意 ··· 77 16.その他 ··· 77 Ⅸ.非臨床試験に関する項目 ··· 78 1.薬理試験 ··· 7878 2.毒性試験 ··· 80 Ⅹ.管理的事項に関する項目 ··· 82 1.規制区分 ··· 82 2.有効期間又は使用期限 ··· 82 3.貯法・保存条件 ··· 82 4.薬剤取扱い上の注意点 ··· 82 5.承認条件等 ··· 82 6.包装 ··· 82 7.容器の材質 ··· 82 8.同一成分・同効薬 ··· 82 9.国際誕生年月日 ··· 82 10.製造販売承認年月日及び承認番号 ··· 83 11.薬価基準収載年月日 ··· 83 12.効能又は効果追加,用法及び用量変更追加 等の年月日及びその内容 ··· 83 13.再審査結果,再評価結果公表年月日及び その内容 ··· 83 14.再審査期間 ··· 83 15.投薬期間制限医薬品に関する情報 ··· 83 16.各種コード ··· 83 17.保険給付上の注意 ··· 83 ⅩⅠ.文献 ··· 84 1.引用文献 ··· 84 2.その他の参考文献 ··· 84 ⅩⅡ.参考資料 ··· 86 1.主な外国での発売状況 ··· 86 2.海外における臨床支援情報 ··· 90 ⅩⅢ.備考 ··· 91 その他の関連資料 ··· 91略語表
ADME absorption distribution metabolism excretion 吸収,分布,代謝及び排泄
ALT alanine aminotransferase アラニンアミノトランスフェラーゼ AST aspartate aminotransferase アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ AUC area under the concentration-time curve 濃度–時間曲線下面積
BCRP breast cancer resistance protein -
BID twice daily 1 日 2 回投与
CL/F apparent total clearance 見かけのクリアランス CLcr creatinine clearance クレアチニンクリアランス Cmax maximum plasma concentration 最高血漿中濃度
CYP cytochrome P450 チトクロム P450 DAA direct acting antiviral agent 直接作用型抗ウイルス薬 EC50 concentration required for 50% effect 50%有効濃度
GCR glycyrrhizin グリチルリチン酸
HBV hepatitis B virus B 型肝炎ウイルス HCV hepatitis C virus C 型肝炎ウイルス HIV human immunodeficiency virus ヒト免疫不全ウイルス IC50 concentration required for 50% inhibition 50%阻害濃度
ICH International Conference on Harmonisation 日米 EU 医薬品ハーモナイゼーション国際会議
IFN interferon インターフェロン
INR international normalized ratio (プロトロンビン時間の)国際標準化比 ITT intent to treat -
LLOQ lower limit of quantification 定量限界下限 MedDRA Medical Dictionary for Regulatory Activities ICH 国際医薬用語集 MRP multidrug resistance-associated protein -
NS3/4A nonstructural protein 3/NS4A 非構造タンパク質 3/4A NS5A nonstructural protein 5A 非構造タンパク質 5A
OATP organic anion transporting polypeptide 有機アニオン輸送ポリペプチド PegIFN pegylated interferon ペグインターフェロン
P-gp P-glycoprotein P 糖タンパク質
QD once a day 1 日 1 回投与
QPM quaque die post meridiem 1 日 1 回午後投与 QTc QT interval corrected for heart rate 心拍数補正 QT 間隔
RBV ribavirin リバビリン
RNA ribonucleic acid リボ核酸
SVR sustained virologic response 持続性ウイルス学的著効 t1/2 terminal phase elimination half-life 終末相の消失半減期
TID three times a day 1 日 3 回投与
Tmax time to maximum plasma concentration 最高血漿中濃度到達時間
UDCA ursodeoxycholic acid ウルソデオキシコール酸
UGT uridine 5'-diphospho-glucuronosyltransferase ウリジン 5'-ジフォスホ-グルクロノシルトランスフェラーゼ Vd/F apparent volume of distribution 見かけの分布容積
VF Virologic failure ウイルス学的不成功 VR virologic response ウイルス学的著効
Ⅰ.概要に関する項目
1.開発の経緯ヴィキラックス配合錠は,オムビタスビル,パリタプレビル及びパリタプレビルの薬物動態学的ブースターであるリト ナビルを配合し,IFN を使用しない C 型慢性肝炎治療薬として米国 AbbVie Inc.が開発した薬剤である.
オムビタスビルは HCV NS5A 阻害剤で,ジェノタイプ 1a 及び 1b レプリコン複製をピコモル濃度で阻害する.パリタプ レビルは HCV NS3/4A プロテアーゼ阻害剤で,ジェノタイプ 1a 及び 1b レプリコン複製をナノモル濃度で阻害する.パ リタプレビルは主としてチトクロム P450 3A4(CYP3A4)により代謝されることから,許容できる投与頻度で有効な曝 露量を得るために,CYP3A4 の強力な阻害剤であるリトナビルと併用する.オムビタスビル及びパリタプレビルの併用 は,短期レプリコンアッセイで HCV の複製に対して相加的ないし相乗的な複製阻害作用を示す. 感染症の治療では,服薬アドヒアランス不良がウイルス耐性変異の出現につながる場合があることから,製剤化におい ては服薬が簡便な 1 剤の配合錠を開発した.
本剤は Abbott Laboratories(現 AbbVie Inc.)により 2007 年から米国で開発され,2013 年に分社化により AbbVie Inc.が開 発を引き継いだ.本邦においては,アボットジャパン株式会社が開発を開始し,Abbott Laboratories の分社化以降アッヴィ 合同会社が引き継いでいる.国内第Ⅱ相試験及び国内第Ⅲ相試験において,セログループ 1(ジェノタイプ 1)の日本人 C 型慢性肝炎患者及び C 型代償性肝硬変患者に対する本剤の有効性及び安全性が示されたことから,製造販売承認申請 を行い,2015 年 9 月に承認された.また,国内第Ⅱ相試験及び国内第Ⅲ相試験において,セログループ 2(ジェノタイ プ 2)の日本人 C 型慢性肝炎患者に対するリバビリン併用下での本剤の有効性及び安全性が示されたことから,効能追 加の申請を行い,2016 年 9 月に承認された. 2.製品の治療学的・製剤学的特性 1.本剤は,NS5A 阻害剤のオムビタスビル,NS3/4A プロテアーゼ阻害剤のパリタプレビル,パリタプレビルのブース ターであるリトナビルを有効成分とし,速やかかつ強力な抗ウイルス作用を発揮する配合剤である. (「Ⅴ.3.(2) 臨床効果」及び「Ⅵ.2.(2) 薬効を裏付ける試験成績」の項参照) 2.本剤は,国内第Ⅲ相臨床試験(GIFT-Ⅰ試験)においてジェノタイプ 1 の C 型慢性肝炎及び C 型代償性肝硬変に投与 され,1 日 1 回 2 錠,12 週間の治療で有効性と安全性が確認された. (「Ⅴ.3.(2) 臨床効果」の項参照) 3.本剤は,国内第Ⅲ相臨床試験(GIFT-Ⅰ試験)において年齢,性別,前治療歴,代償性肝硬変の有無,IL28B の遺伝 子型,ベースラインにおける HCV RNA の量などの背景因子に関わらず,良好な有効性が確認された. (「Ⅴ.3.(5) 2) 比較試験」の項参照) 4.本剤は,国内第Ⅲ相臨床試験(GIFT-Ⅱ試験)においてジェノタイプ 2 の C 型慢性肝炎に投与され, 1 日 1 回 2 錠, 16 週間の治療(リバビリンと併用)で有効性と安全性が確認された. (「Ⅴ.3.(5) 2) 比較試験」の項参照) 5.ジェノタイプ 1: 本剤を投与した国内第Ⅲ相臨床試験(GIFT-Ⅰ試験)において副作用[臨床検査値異常 30 例(8.3%)を含む]は 363 例中 105 例(28.9%)に認められた.主な副作用として末梢性浮腫 15 例(4.1%),頭痛 12 例(3.3%),悪心 10 例(2.8%)が認められた(承認時). 重大な副作用として体液貯留,肝機能障害,肝不全,急性腎不全があらわれることがある. ジェノタイプ 2(リバビリンと併用): 本剤を投与した国内第Ⅲ相臨床試験(GIFT-Ⅱ試験)において副作用[臨床検査値異常 47 例(29.4%)を含む]は 160 例中 98 例(61.3%)に認められた.主な副作用として貧血 36 例(22.5%),血中ビリルビン増加 29 例(18.1%),そ う痒 14 例(8.8%)が認められた.(承認時) 重大な副作用として体液貯留,肝機能障害,肝不全,急性腎不全,貧血があらわれることがある. (「Ⅷ.8.副作用」の項参照)
Ⅱ.名称に関する項目
1.販売名 (1)和名 ヴィキラックス配合錠 (2)洋名 VIEKIRAX® (3)名称の由来Viekirax(ヴィキラックス)の Vie は life を意味し,Kira(cure)は治癒,ax は斧を意味する.
2.一般名 (1)和名(命名法) オムビタスビル水和物(JAN) パリタプレビル水和物(JAN) リトナビル(JAN) (2)洋名(命名法) Ombitasvir(INN),Ombitasvir Hydrate(JAN) Paritaprevir(INN),Paritaprevir Hydrate(JAN) Ritonavir(INN,JAN) (3)ステム オムビタスビル水和物:抗ウイルス剤:-vir パリタプレビル水和物:抗ウイルス剤:-vir リトナビル:HIV プロテアーゼ阻害剤:-navir 3.構造式又は示性式 オムビタスビル水和物
パリタプレビル水和物 リトナビル 4.分子式及び分子量 オムビタスビル水和物:C50H67N7O8・4½H2O,分子量:975.18 パリタプレビル水和物:C40H43N7O7S•2H2O,分子量:801.91 リトナビル:C37H48N6O5S2,分子量:720.94 5.化学名(命名法) オムビタスビル水和物 日本名: N,N'-{(2S,5S)-1-[4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル]ピロリジン-2,5-ジイル}ビス{[(4,1- フェニレンアザンジイル)カルボニ ル][(2S)-ピロリジン-2,1-ジイル][(2S)-3-メチル-1-オキソブタン- 1,2-ジイル]}ビスカルバミン酸ジメチルヘミノナ水和物 英名: Dimethyl N,N'-{(2S,5S)-1-[4-(1,1-dimethylethyl)phenyl]pyrrolidine-2,5-diyl}bis{[(4,1-phenyleneazanediyl) carbonyl][(2S)-pyrrolidine-2,1-diyl][(2S)-3-methyl-1-oxobutane-1,2-diyl]}biscarbamate heminonahydrate
パリタプレビル水和物 日本名: (2R,6S,12Z,13aS,14aR,16aS)-N-(シクロプロピルスルホニル)- 6-(5-メチルピラジン-2-カルボキサミド)-5,16- ジオキソ-2-(フェナントリジン- 6-イルオキシ)-1,2,3,6,7,8,9,10,11,13a,14,15,16,16a-テトラデカヒドロシクロプロパ[e] ピロロ[1,2-a][1,4]ジアザシクロペンタデシン- 14a(5H)-カルボキサミド二水和物 英名: (2R,6S,12Z,13aS,14aR,16aS)-N-(Cyclopropylsulfonyl)-6-(5-methylpyrazine-2-carboxamido)-5,16- dioxo-2-(phenanthridin-6-yloxy)-1,2,3,6,7,8,9,10,11,13a,14,15,16,16a-tetradecahydrocyclopropa[e] pyrrolo[1,2-a][1,4]diazacyclopentadecine-14a(5H)-carboxamide dihydrate リトナビル 日本名: (+)-5-[(αS)-α-[(1S,3S)-1-ヒドロキシ-3-[(2S)-2-[3-[(2-イソプロピル-4-チアゾリル)メチル]-3-メチルウレイド]-3- メチルブチラミド]-4-フェニルブチル]フェネチル]カルバミン酸 5-チアゾリルメチルエステル 英名: (+)-5-thiazolylmethyl[(αS)-α-[(1S,3S)-1-hydroxy-3-[(2S)-2-[3-[(2-isopropyl-4-thiazolyl)methyl]-3-methylureido]-3- methylbutyramido]-4-phenylbutyl]phenethyl]carbamate 6.慣用名,別名,略号,記号番号 オムビタスビル:ABT-267(治験番号),OBV(略号) パリタプレビル:ABT-450(治験番号),PTV(略号) リトナビル:ABT-538(治験番号),RTV(略号) 7.CAS 登録番号 オムビタスビル:1258226-87-7(無水物) 1456607-70-7(水和物) パリタプレビル:1216941-48-8(無水物) 1456607-71-8(水和物) リトナビル:155213-67-5
Ⅲ.有効成分に関する項目
1.物理化学的性質 (1)外観・性状 オムビタスビル水和物 白色~淡黄色又は淡赤色の粉末又は塊である. パリタプレビル水和物 白色~淡黄色の粉末又は塊である. リトナビル 白色~淡黄褐色の粉末で,柔らかい塊を含むこともある. (2)溶解性 オムビタスビル水和物 オムビタスビル水和物の溶解性 溶媒 溶解濃度 0.1mol/L 塩酸,25℃ 0.47±0.02μg/mL 50mmol/L リン酸ナトリウム緩衝液,pH6.8,25℃ 0.016±0.005μg/mL エタノール,25℃ 46.0±0.2mg/mL 1-ビニル-2-ピロリドン二量体,室温 >193.87mg/g コポビドン(K 値 28) モデル (6:4 ビニルピロリドン二量体:ビニルアセテート 二量体,重量比 3:2) >210mg/g オムビタスビル水和物の pH 溶解特性パリタプレビル水和物 パリタプレビル水和物の溶解性 溶媒 溶解濃度 0.01mol/L 塩酸,25℃ <0.09μg/mL 50mmol/L リン酸ナトリウム緩衝液,pH6.8,25℃ 1.19±0.05μg/mL エタノール,室温 5.7~10.6mg/mL 1-ビニル-2-ピロリドン二量体,室温 >260mg/mL コポビドン(K 値 28) モデル (6:4 ビニルピロリドン二量体:ビニルアセテート 二量体,重量比 3:2) >300mg/mL pH 溶解特性はパリタプレビル水和物が非常に溶けにくい(<0.09μg/mL)ため,測定できなかった. リトナビル1) メタノール,エタノールに溶けやすく,アセトニトリルにやや溶けにくく,水にほとんど溶けない. リトナビルの溶解性(室温) 溶媒 溶解濃度(mg/mL) 水 <0.001 アセトニトリル 18.9 アセトニトリル/水(1:1) 66.4 ジメチルホルムアミド 593 メタノール 573 エタノール 165 イソプロパノール 41.7 ジクロロメタン 602 テトラヒドロフラン 456 酢酸エチル 1.5 クロロホルム 675 トルエン 2.2 ヘプタン 0.1 リトナビルの各種 pH 溶液に対する溶解性(室温) pH 溶解濃度(w/v%) pH3.0 0.05mol/L KH2PO4 <0.001 pH6.0 0.05mol/L K2HPO4 <0.001 pH9.1 0.05mol/L K2HPO4 <0.001 (3)吸湿性 オムビタスビル水和物:2%以下(25℃,30~90%RH) パリタプレビル水和物:1.3%(25℃,20~90%RH) リトナビル1):1 ヵ月間,25℃,75%RH の加湿条件では吸湿しない. (4)融点(分解点),沸点,凝固点 オムビタスビル水和物:熱分析を測定した結果,69.1℃で脱水による吸熱ピークを示し,156.8℃で融解した. パリタプレビル水和物:熱分析を測定した結果,脱水したのち,非晶質化し 156℃でガラス転移点を示した. リトナビル1):123℃付近(融点)
(5)酸塩基解離定数 オムビタスビル水和物:pKa=2.5(25℃) パリタプレビル水和物:pKa=4.6(25℃) リトナビル1):pK1=pK2=2.8±0.2(吸光法:268~278nm) (6)分配係数 オムビタスビル水和物:オクタノールと pH7.4 緩衝液間の分配係数(log D)は 7.4 パリタプレビル水和物:オクタノールと pH6.8 リン酸緩衝液間の分配係数(log D)は 3.1 リトナビル1):1-オクタノール-リン酸緩衝液(0.05mol/L,pH7.4)系での分配係数は 4.7×104 (7)その他の主な示性値 オムビタスビル水和物:6 個の光学中心を有する. パリタプレビル水和物:5 個の光学中心を有する.旋光度は-0.369~1.279°であった. リトナビル1):旋光度:[α]25 D :+8.8°(2.5%(w/v)メタノール溶液中) 2.有効成分の各種条件下における安定性 オムビタスビル水和物 オムビタスビル水和物の安定性試験における保存条件,保存形態,保存期間及び試験結果 試験 温度 湿度 光 保存形態 保存期間 結果 長期保存試験 25℃ 60%RH 暗所 二 重 ポ リ エ チ レ ン 袋 / プラスティック製ドラム 開始時,3,6,9, 12,18,24 a,36, 48 ヵ月 変化なし 加速試験 40℃ 75%RH 暗所 0,1,3,6 ヵ月 変化なし 苛 酷 試 験 熱 80℃ ― 暗所 ガラス製容器 0,10 日 変化なし 熱/湿度 80℃ 75%RH 暗所 ガラス製容器 0,10 日 変化なし 光 25℃ 60%RH 総照度: 120 万 lux・hr 以上, 総近紫外放射 エネルギー: 200W・h/m2 以上 シャーレ(開放) 0,5 日 (120 万 lux・hr) 不純物の増加 が認められた 二重のポリエチレン袋に 入れて結束 変化なし a:24 ヵ月まで終了
パリタプレビル水和物 パリタプレビル水和物の安定性試験における保存条件,保存形態,保存期間及び試験結果 試験 温度 湿度 光 保存形態 保存期間 結果 長期保存試験 25℃ 60%RH 暗所 二 重 ポ リ エ チ レ ン 袋 / プラスティック製ドラム 開始時,3,6,9, 12,18,24 a,36, 48 ヵ月 変化なし 加速試験 40℃ 75%RH 暗所 0,1,3,6 ヵ月 変化なし 苛 酷 試 験 熱 80℃ ― 暗所 ガラス製容器 0,5 日 不純物総量の 増加が認めら れた 熱/湿度 80℃ 75%RH 暗所 ガラス製容器 0,11 日 変化なし 光 25℃ 60%RH 総照度: 120 万 lux・hr 以上, 総近紫外放射 エネルギー: 200W・h/m2 以上 シャーレ(開放) 0,5 日 (120 万 lux・hr) 不純物総量の 増加が認めら れた 二重のポリエチレン袋に 入れて結束 変化なし a:24 ヵ月まで終了 リトナビル1) リトナビルの安定性試験における保存条件,保存形態,保存期間及び試験結果 試験 温度 湿度 光 保存形態 保存期間 結果 特記事項 長期保存 試験 30℃ ― ― 二重ポリエチレン袋に 入れファイバードラム 又は ふた付きプラスティッ ク瓶 12 ヵ月 ○ 加速試験 40℃ ― ― 二重ポリエチレン袋に 入れファイバードラム 又は ふた付きプラスティッ ク瓶 6 ヵ月 ○ 60℃ 1 ヵ月 苛酷試験 40℃ ― ― 褐色バイアル テフロン被覆したゴム 栓 アルミシール 52 週 ○ 50℃ 26 週 ○ 60℃ 13 週 ○ 80℃ 13 週 △ 4 週以降わずかに分解 105℃ 6 週 × 6 週で含量 10%以下 室温 ― 自然光下 ふた付きシャーレ上に 散布 6 週 × 6 週で規格値以下* 蛍光灯下 (10760lux)# 1 週 × 1 週で規格値以下 * 25℃ 75%RH ― 開放バイアル 31 週 ○ 25℃ 60%RH 二重ポリエチレン袋に 入れファイバードラム 又は ふた付きプラスティッ ク瓶 3 ヵ月 ○ 5℃ ― 12 ヵ月 ○ *:原液は遮光を要する. #:10760lux=1000fc
強制分解による生成物:通常実験室条件下,加湿条件下,80℃までの加温条件下では 13 週間安定 苛酷条件下:水中での還流条件下では酸加水分解生成物と塩基環化物,光照射あるいは過酸化物への曝露により酸化生 成物と酸加水分解生成物,105℃の加熱条件下では塩基環化物が生じた. リトナビルの分解経路 3.有効成分の確認試験法 オムビタスビル水和物:赤外吸収スペクトル測定法 パリタプレビル水和物:赤外吸収スペクトル測定法 リトナビル1):赤外吸収スペクトル測定法 4.有効成分の定量法 オムビタスビル水和物:液体クロマトグラフィー パリタプレビル水和物:液体クロマトグラフィー リトナビル1):液体クロマトグラフィー
Ⅳ.製剤に関する項目
1.剤形 (1)剤形の区別,外観及び性状 桃色の楕円形のフィルムコーティング錠 販 売 名 ヴィキラックス配合錠 外 形 上面 下面 側面 大 き さ 長径(mm) 短径(mm) 厚さ(mm) 重さ(g) 18.8 10.0 7.7 1.116 識 別 コ ー ド AV1 (2)製剤の物性 溶出性:「Ⅳ.7.溶出性」の項参照 (3)識別コード AV1 (4)pH,浸透圧比,粘度,比重,無菌の旨及び安定な pH 域等 該当しない 2.製剤の組成 (1)有効成分(活性成分)の含量 1 錠中オムビタスビル水和物 13.6mg(オムビタスビルとして 12.5mg),パリタプレビル水和物 78.5mg(パリタプレビル として 75mg),リトナビル 50mg 含有 (2)添加物 コポリビドン,コハク酸 d-α-トコフェロールポリエチレングリコール,軽質無水ケイ酸,モノラウリン酸プロピレ ングリコール,モノラウリン酸ソルビタン,フマル酸ステアリルナトリウム,ポリビニルアルコール(部分けん化物), マクロゴール 4000,タルク,酸化チタン,三二酸化鉄 (3)その他 該当しない 3.懸濁剤,乳剤の分散性に対する注意 該当しない4.製剤の各種条件下における安定性 ヴィキラックス配合錠の安定性試験における保存条件,保存形態,保存期間及び試験結果 試験 温度 湿度 光 保存形態 保存期間 結果 長期保存試験 30℃ 75%RH 暗所 PTP 包装 開始時,3,6,9,12, 18,24 a,36 ヵ月 変化なし 加速試験 40℃ 75%RH 暗所 0,1,2,3,6 ヵ月 変化なし 苛 酷 試 験 熱 65℃ ― 暗所 ガラス製容器 0,24 日 変化なし 熱/湿度 65℃ 75%RH 暗所 ガラス製容器 (開放) 0,24 日 リトナビルに分 解生成物の増加 が認められた 光 25℃ 60%RH 総照度: 120 万 lux・hr 以上, 総近紫外放射 エネルギー: 200W・h/m2 以上 シャーレ 0,5 日 (120 万 lux・hr) 変化なし a:24 ヵ月まで終了 5.調製法及び溶解後の安定性 該当しない 6.他剤との配合変化(物理化学的変化) 該当資料なし 7.溶出性 溶出試験法 第 2 法(パドル法) 8.生物学的試験法 該当しない 9.製剤中の有効成分の確認試験法 薄層クロマトグラフィー 10.製剤中の有効成分の定量法 液体クロマトグラフィー 11.力価 該当しない 12.混入する可能性のある夾雑物 該当しない 13.注意が必要な容器・外観が特殊な容器に関する情報 該当しない 14.その他 該当資料なし
Ⅴ.治療に関する項目
1.効能又は効果 1.セログループ 1(ジェノタイプ 1)の C 型慢性肝炎又は C 型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善 2.セログループ 2(ジェノタイプ 2)の C 型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善 (解説) 国内第Ⅲ相臨床試験において本剤の有効性,安全性が確認されたため,設定した. セログループ 1(ジェノタイプ 1): 主要評価項目として,本剤の投与終了 12 週後に HCV RNA レベルが定量限界値未満であった患者の割合(SVR12 率)は C 型慢性肝炎患者で 94.9%(二重盲検群:204/215 例),C 型代償性肝硬変患者で 90.5%(非盲検群:38/42 例)であった. セログループ 2(ジェノタイプ 2): 本剤とリバビリンと併用した C 型慢性肝炎患者において,主要評価項目として,投与終了後 12 週間に HCV RNA レベル が定量限界値未満であった患者の割合(SVR12 率)は未治療患者で 91.5%(43 例/47 例),前治療のある患者で 75.8%(25 例/33 例)であった. <効能・効果に関連する使用上の注意> (1)本剤の使用に際しては,HCV RNA が陽性であることを確認すること. (2)セログループ 1(ジェノタイプ 1)においては,肝予備能,臨床症状等により非代償性肝硬変でないことを確認す ること.また,セログループ 2(ジェノタイプ 2)においては,組織像又は肝予備能,血小板数等により肝硬変で ないことを確認すること. (3)セログループ 2(ジェノタイプ 2)においては,IFN 製剤による治療経験の有無等により,有効性が異なるため, 本剤によるベネフィット・リスクを考慮したうえで,投与の可否を判断すること.(「臨床成績」の項参照) (4)本剤を HIV/HCV 重複感染患者に使用する場合,抗 HIV 療法によって HIV のウイルス学的抑制が得られている患者にのみ投与すること.(本剤に含まれるリトナビルにより,HIV プロテアーゼ阻害剤に対する耐性を生じるおそ れがある.) (解説) (1)本剤の開始前に,HCV RNA が陽性であることを確認すること. (2)本剤の開始前に,セログループ 1(ジェノタイプ 1)においては,C 型慢性肝炎(C 型代償性肝硬変を含む)であ り,非代償性肝硬変でないことを確認すること.セログループ 2(ジェノタイプ 2)においては,肝硬変でないこ とを確認すること. (3)国内第Ⅲ相臨床試験におけるセログループ 2(ジェノタイプ 2)の HCV サブタイプ別の SVR12 率は下記のとおり であった. 薬物相互作用臨床試験データ(社内資料) 背景因子 HCV サブタイプ SVR12 率(例数) 未治療患者 ジェノタイプ 2a 93.9%(31/33) ジェノタイプ 2b 85.7%(12/14) 前治療のある患者 ジェノタイプ 2a 93.8%(15/16) ジェノタイプ 2b 56.3%(9/16) 特に前治療(IFN 製剤又は IFN 製剤とリバビリンとの併用)歴のあるジェノタイプ 2b の SVR12 率が他のサブタイ プより低かったため,前治療歴のあるセログループ 2(ジェノタイプ 2)に対しては本剤によるベネフィット・リ スクを考慮したうえで,投与の可否を判断すること. (4)本剤含有のリトナビルは HIV プロテアーゼ阻害剤※としても使用されている(本剤のリトナビル配合量は少なく,
発現するおそれがある.HIV との重複感染患者においては抗 HIV 療法によって HIV の抑制が得られている患者に おいてのみ本剤を使用すること. ※製品名:ノービア錠 100mg,ノービア内用液 8% 2.用法及び用量 1.セログループ 1(ジェノタイプ 1)の C 型慢性肝炎又は C 型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善の場合 通常,成人には 1 日 1 回 2 錠(オムビタスビルとして 25mg,パリタプレビルとして 150mg 及びリトナビルとして 100mg) を食後に経口投与し,投与期間は 12 週間とする. 2.セログループ 2(ジェノタイプ 2)の C 型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善の場合 リバビリンとの併用において,通常,成人には 1 日 1 回 2 錠(オムビタスビルとして 25mg,パリタプレビルとして 150mg 及びリトナビルとして 100mg)を食後に経口投与し,投与期間は 16 週間とする. (解説) 本剤は 1 日 1 回,2 錠を食後に投与すること.投与期間はセログループ 1(ジェノタイプ 1)においては 12 週間,セロ グループ 2(ジェノタイプ 2)においてはリバビリンと併用しながら 16 週間である.空腹時投与に比べ,食後投与が本 剤のバイオアベイラビリティを良好に保つことがわかっているため,食後に投与すること.なお,食事のカロリーや脂 肪含量は本剤の吸収に影響しない. <用法・用量に関連する使用上の注意> セログループ 2(ジェノタイプ 2)において,本剤と併用するリバビリンの投与量は,リバビリンの添付文書に定めら れた用法・用量に従うこと.併用にあたっては,投与開始前にヘモグロビン量が 12g/dL 以上であることを確認すること. また,投与中にリバビリンの用量調節や投与中止を必要とする副作用が発現した場合には,リバビリンの添付文書を参 照すること. (解説) セログループ 2(ジェノタイプ 2)においてはリバビリンと併用するため,リバビリンの投与量はリバビリンの添付文書 に定められた用法・用量に従うこと.リバビリンとの併用においては貧血の副作用が認められているので,投与開始前 にヘモグロビン量を測定し,12g/dL 以上であることを確認すること.リバビリンによるものと考えられる副作用があら われた場合にはリバビリンの添付文書を参照し,適切な措置を行うこと.
3.臨床成績 (1)臨床データパッケージ ジェノタイプ 1 相 対象 例数 試験目的 評 価 資 料 海 外 Ⅰ 健康成人(日本人) 48 オムビタスビルの薬物動態,安全性,忍容性 日本人を含む民族間比較 Ⅰ 健康成人(日本人) 90 オムビタスビル及びパリタプレビル/リトナビルと dasabuvir (国内未承認)*の併用及び非併用の薬物動態,安全性 日本人を含む民族間比較 Ⅰ 健康成人(日本人) 30 パリタプレビル/リトナビルの薬物動態,安全性,忍容性 日本人を含む民族間比較 Ⅰ 健康成人(日本人) 48 薬物動態の比較,忍容性,オムビタスビル,パリタプレビル, リトナビル及び配合剤の安全性 Ⅰ 健康成人 60 オムビタスビル,パリタプレビル/リトナビル及び dasabuvir (国内未承認)*における QT/QTc 間隔への影響 国 内 Ⅰ 健康成人男性 54 パリタプレビル/リトナビルの薬物動態,安全性,忍容性 Ⅰ 健康成人 20 食事の影響 Ⅰ 健康成人 24 薬物相互作用(グリチルリチン酸,UDCA**) Ⅱ HCV ジェノタイプ 1b, ジェノタイプ 2 感染患者 (PegIFN 既治療,肝硬変を除く) 110 オムビタスビル及びパリタプレビル(100mg 及び 150mg),リ トナビルの併用における 12 週及び 24 週の薬物動態,安全性, 有効性 Ⅲ HCV ジェノタイプ 1b 感染患者 (未治療,IFN 既治療, 代償性肝硬変,非肝硬変) 363 本剤における 12 週の薬物動態,安全性,有効性
* HCV RNA 依存性 RNA ポリメラーゼ(NS5B)に対する非ヌクレオシド系 palm1 阻害剤.オムビタスビル, パリタプレビル,リトナビルとの併用で使用される.
ジェノタイプ 2 相 対象 例数 試験目的 評 価 資 料 国 内 Ⅰ 健康成人男性 54 パリタプレビル/リトナビルの薬物動態,安全性,忍容性 Ⅰ 健康成人 20 食事の影響 Ⅰ 健康成人 24 薬物相互作用(グリチルリチン酸,UDCA*) Ⅱ HCV ジェノタイプ 1b, ジェノタイプ 2 感染患者 (PegIFN 既治療,肝硬変を除く) 110 オムビタスビル及びパリタプレビル(100mg 及び 150mg),リ トナビルの併用における 12 週及び 24 週の薬物動態,安全性, 有効性 Ⅲ HCV ジェノタイプ 1b 感染患者 (未治療,IFN 既治療, 代償性肝硬変,非肝硬変) 363 本剤における 12 週の薬物動態,安全性,有効性 Ⅲ HCV ジェノタイプ 2 感染患者 (未治療,IFN 既治療, 代償性肝硬変,非肝硬変) 171 本剤及びリバビリンの併用における 12 週及び 16 週の有効 性,安全性 * ウルソデオキシコール酸 (2)臨床効果 国内第Ⅲ相臨床試験 ジェノタイプ 12) 未治療又は前治療(インターフェロン製剤(IFN)単独療法又はリバビリンとの併用療法)のあるジェノタイプ 1b の C 型慢性肝炎患者又は C 型代償性肝硬変患者を対象として,プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験(C 型慢性 肝炎患者)及び非盲検非対照試験(C 型代償性肝硬変患者)を実施した(12 週間投与). 本剤投与例で,投与終了 12 週後に HCV RNA 量が定量限界未満であった患者の割合(SVR12 率)を以下の表に示す. 全体及び部分集団解析における SVR12 率 背景因子 SVR12 率 未治療患者 全体 140/148(94.6) 代償性肝硬変* なし 131/139(94.2) あり 9/9(100) 年齢 65 歳未満 91/95(95.8) 65 歳以上 49/53(92.5) IFN 適格性 適格 112/118(94.9) 不適格 28/30(93.3) 前治療のある患者 全体 102/109(93.6) 代償性肝硬変* なし 73/76(96.1) あり 29/33(87.9) 年齢 65 歳未満 52/55(94.5) 65 歳以上 50/54(92.6) 前治療に対する反応性 無効 44/47(93.6) 再燃 28/30(93.3) IFN 不耐容 29/31(93.5) 不明 1/1(100) 例数(%) * 肝硬変は,肝生検による診断,若しくはフィブロテスト/APRI,フィブロスキャン又はγ-グロブリン値,ヒアル ロン酸値及び血小板数を用いた判別式3)により判定
ジェノタイプ 24) 未治療又は前治療(インターフェロン製剤(IFN)単独療法又はリバビリンとの併用療法)のあるジェノタイプ 2 の C 型慢性肝炎患者を対象として,本剤とリバビリンの併用投与時の有効性及び安全性を検討することを目的として,無作 為化非盲検並行群間比較試験を実施した. 本剤及びリバビリンの 16 週間投与例で,投与終了 12 週後に HCV RNA 量が定量限界未満であった患者の割合(SVR12 率)を下表に示す. 全体及び部分集団解析における SVR12 率 背景因子 SVR12 率 未治療患者 全体 43/47(91.5) 年齢 65 歳未満 36/39(92.3) 65 歳以上 7/8(87.5) IFN 適格性 適格 41/45(91.1) 不適格 2/2(100) HCV サブタイプ* ジェノタイプ 2a 31/33(93.9) ジェノタイプ 2b 12/14(85.7) 前治療のある患者 全体 25/33(75.8) 年齢 65 歳未満 13/18(72.2) 65 歳以上 12/15(80.0) 前治療に対する反応性 無効 3/6(50.0) 再燃 15/16(93.8) IFN 不耐容 7/11(63.6) HCV サブタイプ* ジェノタイプ 2a 15/16(93.8) ジェノタイプ 2b 9/16(56.3) 例数(%) *系統樹解析による決定 4)社内資料:日本人被験者における有効性試験(セログループ 2 を対象とした第Ⅲ相臨床試験)[承認時評価資料] 注意:本剤の承認されている用法・用量は,ジェノタイプ 1:オムビタスビルとして 25mg,パリタプレビルとして 150mg 及び リトナビルとして 100mg を含有する配合錠を食後に経口投与(1 日 1 回),投与期間は 12 週間,ジェノタイプ 2:リバ ビリンとの併用において,オムビタスビルとして 25mg,パリタプレビルとして 150mg 及びリトナビルとして 100mg を 含有する配合錠を食後に経口投与(1 日 1 回),投与期間は 16 週間である. (3)臨床薬理試験 1)忍容性試験 〈オムビタスビル用量漸増反復投与 海外第Ⅰ相単施設無作為化プラセボ対照盲検試験〉(日本人及び外国人データ)5) 日本人を含む健康成人 48 例に 7 日間,オムビタスビル(錠剤)25mg,200mg 又はプラセボを経口投与した. 治験薬との因果関係が「関連あるかもしれない」とされた有害事象は 25mg 投与の日本人 1 例の傾眠であった.「多分 関連あり」とされた有害事象は 200mg 投与の外国人 1 例の頭痛であった. いずれの用量グループ及び民族でも,臨床的に意義のあるバイタルサイン及び臨床検査値の変動は観察されなかった. 〈直接作用型抗ウイルス薬 2 剤/3 剤併用反復投与 海外第Ⅰ相単施設非盲検試験〉(日本人及び外国人データ)6) 日本人を含む健康成人 90 例を対象として,オムビタスビル(錠剤)25mg,パリタプレビル(錠剤)/リトナビル(カプ セル剤)250/100mg 又は 200/100mg 及び dasabuvir 400mg を,単独又は併用で,反復経口投与した(7~21 日間). 2 例以上に認められた主な有害事象は,オムビタスビル単独投与時:便秘,パリタプレビル/リトナビル単独投与時:歯 肉炎及び頭痛,オムビタスビルとパリタプレビル/リトナビルの併用投与時:黄疸眼,アフタ性口内炎,悪心及び頭痛, オムビタスビルとパリタプレビル/リトナビル及び dasabuvir(国内未承認)の併用投与時:便秘,浮動性めまい,味覚異 常及び頭痛であった.
最高用量のパリタプレビル/リトナビル(250/100mg 1 日 1 回)を投与すると,オムビタスビル 25mg 1 日 1 回の併用有無 を問わず 6 例にグレード 3 の総ビリルビン上昇が発現した.ビリルビン値の上昇はいずれも間接ビリルビン増加が主体 であり,治験薬の投与を継続していても改善した. 少数の被験者にグレード 1 の ALT 上昇が発現したが,いずれの ALT 上昇も,投与継続中又は投与完了後に消失した. 〈パリタプレビル/リトナビル単回投与 海外第Ⅰ相単施設非盲検試験〉(日本人及び外国人データ)7) 日本人を含む健康成人 30 例に対して,パリタプレビル(錠剤)250mg とリトナビル(カプセル剤)100mg を併用単回経 口投与した.試験投与下で発現した有害事象は,中等度であった頭痛を除いてすべて軽度であった. 〈オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル配合錠単回投与 海外第Ⅰ相無作為化単施設非盲検試験〉(日本人及び 外国人データ)8) 日本人を含む健康成人 48 例に対して,オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル配合錠(12.5/50/50mg 又は 12.5/75/50mg)を単回経口投与あるいはオムビタスビル(錠剤),パリタプレビル(錠剤),リトナビル(カプセル剤) を併用単回経口投与した.日本人で発現した主な有害事象の下痢,浮動性めまい及び頭痛は,重症度が軽度であると評 価され,治験薬との因果関係は「関連あり」,「関連なし」の両方があるとされた. 〈パリタプレビル/リトナビル単回又は反復投与 国内第Ⅰ相単施設無作為化プラセボ対照盲検試験〉(日本人データ)9) 日本人健康成人男性 54 例に対して,パリタプレビル(カプセル剤)/リトナビル(カプセル剤)50/100mg,100/100mg, 200/100mg 又はプラセボを単回及び反復(14 日間)投与した. 最高用量のパリタプレビル/リトナビル投与時に ALT 及び血中ビリルビンの上昇がみられた. いずれの有害事象も重症度は軽度であり,有害事象に起因する治験薬の投与中止はみられなかった.臨床的に意義のあ る異常はいずれの臨床検査項目又は ECG 変数でも観察されなかった. 5)社内資料:オムビタスビル用量漸増反復投与試験(ヒト)[承認時評価資料] 6)社内資料:直接作用型抗ウイルス薬 2 剤/3 剤併用反復投与試験(ヒト)[承認時評価資料] 7)社内資料:パリタプレビル/リトナビル単回投与試験(ヒト)[承認時評価資料] 8)社内資料:パリタプレビル/リトナビル/オムビタスビル配合錠単回投与試験(ヒト)[承認時評価資料] 9)社内資料:パリタプレビル/リトナビル単回・反復投与試験(ヒト)[承認時評価資料] 注意:本剤の承認されている用法・用量は,ジェノタイプ 1:オムビタスビルとして 25mg,パリタプレビルとして 150mg 及び リトナビルとして 100mg を含有する配合錠を食後に経口投与(1 日 1 回),投与期間は 12 週間,ジェノタイプ 2:リバ ビリンとの併用において,オムビタスビルとして 25mg,パリタプレビルとして 150mg 及びリトナビルとして 100mg を 含有する配合錠を食後に経口投与(1 日 1 回),投与期間は 16 週間である. 2)QT/QTc 評価試験 〈海外第Ⅰ相〉(外国人データ)10) 健康成人 60 例にオムビタスビル(錠剤),パリタプレビル(錠剤),リトナビル(カプセル剤),dasabuvir(国内未承 認)を併用投与し,QTc 間隔に及ぼす影響をプラセボ及び実薬対照クロスオーバー試験で検討した.対象をプラセボ群, 治療用量(オムビタスビル 25mg,パリタプレビル 200mg,リトナビル 150mg,dasabuvir 250mg)群,治療用量超過用量 (オムビタスビル 50mg,パリタプレビル 350mg,リトナビル 150mg,dasabuvir 500mg)群,実薬対照(モキシフロキサ シン 400mg)群の 4 群に無作為割付けした.その結果,治療用量群,治療用量超過用量群ともに臨床的な QTc 延長を示 さなかった. 10)社内資料:Thorough QT 試験(ヒト)[承認時評価資料] 注意:本剤の承認されている用法・用量は,ジェノタイプ 1:オムビタスビルとして 25mg,パリタプレビルとして 150mg 及び
ビリンとの併用において,オムビタスビルとして 25mg,パリタプレビルとして 150mg 及びリトナビルとして 100mg を 含有する配合錠を食後に経口投与(1 日 1 回),投与期間は 16 週間である. (4)探索的試験 〈国内前期第Ⅱ相〉(日本人データ)11),12) 【目 的】オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビルの安全性及び抗ウイルス活性の評価 【試験デザイン】多施設共同,無作為化,非盲検,並行群間,併用投与試験 【対 象】日本人の PegIFN/RBV 既治療の HCV ジェノタイプ 1b 又は 2 感染成人患者 110 例 【主要な組み入れ基準】HCV ジェノタイプ 1 又は 2 に慢性的に感染し,血漿中 HCV RNA 量がベースラインで 10,000IU/mL を上回る,肝硬変のない患者(肝生検により肝硬変がない,又はフィブロテスト®のスコアが 0.72 以下であり AST と血 小板の比の指標が 2 以下,フィブロスキャン®の結果が 9.6kPa 未満,「慢性肝炎と肝硬変の判別式」でのスコア(z)が 0 未満のいずれかに該当) 【試験方法】* コホート 1(HCV ジェノタイプ 1b) 投与群 1:オムビタスビル 25mg+パリタプレビル/リトナビル 100/100mg,1 日 1 回 12 週間投与 投与群 2:オムビタスビル 25mg+パリタプレビル/リトナビル 150/100mg,1 日 1 回 12 週間投与 投与群 3:オムビタスビル 25mg+パリタプレビル/リトナビル 100/100mg,1 日 1 回 24 週間投与 投与群 4:オムビタスビル 25mg+パリタプレビル/リトナビル 150/100mg,1 日 1 回 24 週間投与 コホート 2(HCV ジェノタイプ 2) 投与群 5:オムビタスビル 25mg+パリタプレビル/リトナビル 100/100mg,1 日 1 回 12 週間投与 投与群 6:オムビタスビル 25mg+パリタプレビル/リトナビル 150/100mg,1 日 1 回 12 週間投与 *:オムビタスビル(錠剤),パリタプレビル(錠剤),リトナビル(カプセル剤)として投与. 【評価項目】 有 効 性 主要評価項目:投与終了後 24 週時点で持続性ウイルス学的著効(SVR24)が認められた被験者の割合(%) 副次的評価項目:投与終了後 12 週時点で持続性ウイルス学的著効(SVR12)が認められた被験者の割合(%),投与 12 週 及び投与 24 週でウイルス学的反応が認められた被験者の割合
薬物動態 初回投与 1 日目の Cmax,Tmax及び AUC24(ノンコンパートメント解析により算出),パリタプレビル,オムビ
タスビル及びリトナビルの血漿中濃度 ウイルス耐性 ウイルス学的不成功となった被験者に対して,ポピュレーションシークエンス法により塩基配列をもと にアミノ酸配列を解析し,ベースライン及び標準のプロトタイプ配列と SVR 率を比較 安 全 性 有害事象(治験薬投与開始から投与終了後 30 日以内に発現又は重症度が悪化したいかなる事象)が発現した 被験者数及び割合 【結 果】 安全性解析対象 110 例の患者背景は,平均 59.2(24~74)歳,男性 46%,ベースラインの HCV RNA 量 6.64(5.12~7.59) log10IU/mL であった.
有 効 性 HCV ジェノタイプ 1b 感染患者において,パリタプレビル/リトナビル(100/100mg 又は 150/100mg)1 日 1 回及びオムビ タスビル 25mg1 日 1 回を 12 週間及び 24 週間併用投与したときの SVR24 の達成率は,投与群 1,投与群 3 及び投与群 4 で 100%,投与群 2 で 88.9%であった. SVR24 率にパリタプレビルの投与量(150mg 及び 100mg)との明らかな相関はなく,部分集団解析で臨床的に意味のある 差は認められなかった.HCV ジェノタイプ 1b 感染患者のうち,2 例が SVR24 を達成しなかった.このうち,1 例は投与終 了後の再燃であり,1 例は重篤な副作用(体液貯留)による治験薬の投与中止であった.HCV ジェノタイプ 1b 感染患者で は,SVR24 達成後の再燃は認められなかった.また,全例が投与終了時の反応でウイルス学的著効を達成した. HCV ジェノタイプ 2 感染患者において,パリタプレビル/リトナビル(100/100mg 又は 150/100mg)1 日 1 回及びオムビタ スビル 25mg1 日 1 回を 12 週間併用投与したときの SVR24 達成率は,投与群 6(72.2%)が投与群 5(57.9%)と比べ高かっ たが,統計学的に有意でなかった.SVR24 を達成しなかった主な理由は,投与期間中のウイルス学的不成功,次に後観察 期中の再燃であった.投与群 5 及び投与群 6 において,SVR24 を達成した HCV ジェノタイプ 2 感染患者のサブジェノタイ プ別の SVR24 達成率は,HCV ジェノタイプ 2a 感染患者(投与群 5:81.8%及び投与群 6:100%)が HCV ジェノタイプ 2b (投与群 5:14.3%及び投与群 6:37.5%)に比べて高かった.HCV ジェノタイプ 2 感染患者で SVR24 を達成しなかった 11/13 例が HCV ジェノタイプ 2b であった.HCV ジェノタイプ 2 感染患者では,SVR24 達成後に再燃した患者は認められ なかった. また,HCV ジェノタイプ 2 感染患者では,投与終了時におけるウイルス学的著効達成率は投与群 6 で 83.3%,投与群 5 で 63.2%,SVR12 達成率は投与群 6 で 72.2%,投与群 5 で 57.9%であった. 投与群 1-4(ジェノタイプ 1b 感染患者)でのウイルス学的反応(SVR24)(ITT 集団) 投与群 1 投与群 2 投与群 3 投与群 4 パリタプレビル投与量(mg) 100 150 100 150 投与期間(週) 12 12 24 24 SVR24 n/N(%) 18/18(100) 16/18(88.9) 19/19(100) 18/18(100) 95%信頼区間(%) 81.47,100.00 65.29,98.62 82.35,100.00 81.47,100.00 ウイルス学的不成功の理由,n 合計 0 2 0 0 治療中のウイルス学的不成功a 0 0 0 0 投与終了後 24 週時までの再燃 0 1 0 0 副作用による投与中止 0 1 0 0 SVR24 の欠測 0 0 0 0 a:治療中のリバウンド(ブレイクスルー)及び HCV RNA の定量限界値未満への低下が認められなかったもの 投与群 5,6(ジェノタイプ 2 感染患者)aでのウイルス学的反応(SVR24)(ITT 集団) 投与群 5 投与群 6 パリタプレビル投与量(mg) 100 150 投与期間(週) 12 12 SVR24 n/N(%) 11/19(57.9) 13/18(72.2) 95%信頼区間(%) 33.50,79.75 46.52,90.31 ウイルス学的不成功の理由,n 合計 8 5 治療中のウイルス学的不成功b 7 3 投与終了後 24 週時までの再燃 1 2 副作用による投与中止 0 0 SVR24 の欠測 0 0 a:LiPA アッセイに基づいて投与群 5 及び 6(HCV ジェノタイプ 2)に割付けられた 2 例の患者が,試験期間中の phylogenetic 法での解析により HCV ジェノタイプ 1b に感染していたことが明らかとなった. b:治療中のリバウンド(ブレイクスルー)及び HCV RNA の定量限界値未満への低下が認められなかったもの
HCV ジェノタイプ 2 サブタイプ別の SVR24 達成率(HCV ジェノタイプ 2 感染患者) 集団 投与群 5 投与群 6 全体 10/18(55.6) 12/17(70.6) HCV ジェノタイプ 2a 9/11(81.8) 9/9(100) HCV ジェノタイプ 2b 1/7(14.3) 3/8(37.5) n/N(%) 注: 本表に示したサブタイプは,各被験者から得られた NS3/4A,NS5A 又は NS5B の 1 つ以上の配列の系統樹解析 により同定した.「全体」の集計には,系統樹解析で HCV ジェノタイプ 2 と同定された被験者のみを含めた. ウイルス耐性 HCV ジェノタイプ 1b では,ベースライン時において,NS3 領域の 54,55,56,80,122 又は 168 位のアミノ酸変異を 持つ被験者の SVR 率は,各アミノ酸変異に対応した野生型の配列を持つ被験者の SVR 率とほぼ同程度であった.ベー スラインに D168E 変異を持つ被験者は,SVR を達成した.ベースライン時に,NS5A 領域の 28,30,54,58,62 又は 92 位のアミノ酸変異を持つ被験者の SVR 率は,各アミノ酸変異に対応する野生型の配列を持つ被験者の SVR 率とほぼ 同程度であった.ベースライン時に L31M,Y93H の変異を持つ被験者は,いずれも SVR を達成した. ベースライン時の NS3 及び NS5A 領域の変異とそれに対応する野生型における SVR 率の比較 ベースライン変異 SVR24 率(投与群 1,2,3,4) a 変異 野生型 n/N(%)b NS3 Y56F 24/25 (96.0) 47/48 (97.9) D168E 1/1 (100) 70/72 (97.2) NS5A L28M 4/5 (80.0) 68/69 (98.5) R30Q 7/9 (77.8) 65/65 (100) L31M 3/3 (100) 69/71 (97.2) P58A 1/1 (100) 71/73 (97.3) P58L 1/1 (100) 71/73 (97.3) P58Q 1/1 (100) 71/73 (97.3) P58S 3/3 (100) 69/71 (97.2) P58T 2/2 (100) 70/72 (97.2) Y93H 4/4 (100) 68/70 (97.1) NS3:非構造タンパク質 3,NS5A:非構造タンパク質 5A,SVR:持続性ウイルス学的著効,VF:プライマリーウイル ス学的不成功(投薬中のウイルス学的リバウンドとなった,少なくとも 6 週間の投薬を受けたが HCV RNA 量抑制を 達成しなかった,又は 77 日以上の投薬を受けたが投与終了後に再燃した場合) a. VF 及び非 VF の被験者を含む. 各投与群は, 投与群 1:HCV ジェノタイプ 1b 感染被験者にオムビタスビル 25mg+パリタプレビル/リトナビル 100/100mg を 12 週間 1 日 1 回経口投与 投与群 2:HCV ジェノタイプ 1b 感染被験者にオムビタスビル 25mg+パリタプレビル/リトナビル 150/100mg を 12 週間 1 日 1 回経口投与 投与群 3:HCV ジェノタイプ 1b 感染被験者にオムビタスビル 25mg+パリタプレビル/リトナビル 100/100mg を 24 週間 1 日 1 回経口投与 投与群 4:HCV ジェノタイプ 1b 感染被験者にオムビタスビル 25mg+パリタプレビル/リトナビル 150/100mg を 24 週間 1 日 1 回経口投与 投与群 5 及び 6 において各 1 例の被験者が HCV ジェノタイプ 1b 感染被験者であったため,ジェノタイプ 1b の解析に含めた. 投与群 5:HCV ジェノタイプ 2 感染被験者にオムビタスビル 25mg+パリタプレビル/リトナビル 100/100mg を 12 週間 1 日 1 回経口投与 投与群 6:HCV ジェノタイプ 2 感染被験者にオムビタスビル 25mg+パリタプレビル/リトナビル 150/100mg を 12 週間 1 日 1 回経口投与 b. SVR 率(%):SVR を達成した被験者(n)とベースライン変異を持つ又は持たない被験者(N)の比率
VF の被験者における NS3 及び NS5A 変異 投与群a NS3 NS5A ベースライン VF 時の発現変異b ベースライン VF 時の発現変異b 2 投与後 2 週に再燃 Nonec D168V L28M+R30Q L28M+R30Q+Y93H NS3:非構造タンパク質 3,NS5A:非構造タンパク質 5A,VF:ウイルス学的不成功 a. 投与群 2(無反応例及び部分反応例):オムビタスビル 25mg+パリタプレビル/リトナビル 150/100mg,1 日 1 回 12 週間投与 b. VF が確認された時点から最も近い HCV RNA 量 1,000IU/mL 以上となった時点のデータ c. None:耐性に関連したアミノ酸部位に耐性が検出されなかった. HCV ジェノタイプ 2 では,ジェノタイプ 2a の治療不成功例の 2 例において,NS3 の耐性関連変異としてそれぞれ,Y56H +D168V 及び D168Y が認められたが,NS5A の耐性関連変異は認められなかった.ジェノタイプ 2b の治療不成功例の 11 例において,多く認められた耐性関連変異は,NS3 領域の D168F,D168V 及び D168Y 並びに NS5A 領域の L28F であっ た. 安 全 性 本剤の承認用量(オムビタスビル(錠剤)25mg+パリタプレビル(錠剤)150mg+リトナビル(カプセル剤)100mg,1 日 1 回)を投与された患者のうち,12 週間投与群で発現率が 10%以上(4 例以上)であった有害事象は,鼻咽頭炎(36.1%, 13/36 例)及び頭痛(16.7%,6/36 例)であった.24 週間投与群で発現率が 10%以上(2 例以上)であった有害事象は, 鼻咽頭炎(50.0%,9/18 例),発疹(16.7%,3/18 例),胃腸炎,インフルエンザ及び背部痛(それぞれ 11.1%,2/18 例) であった.12 週間投与群及び 24 週間投与群で,治験薬との因果関係「関連あり」とされ,2 例以上でみられた有害事象 は,頭痛,そう痒症及び発疹であった. 治験薬との因果関係「関連あり」とされた重篤な有害事象として,本剤の承認用量(オムビタスビル 25mg+パリタプレ ビル(錠剤)/リトナビル 150/100mg,1 日 1 回)を投与された患者の 1 例に体液貯留が認められた.この患者は Ca 拮抗 薬を併用しており,直近にグリチルリチン酸の投与を中止し,慢性気管支炎の病歴があった.本事象は約 1 ヵ月後に消 失した. 11)社内資料:日本人被験者における探索的試験(第Ⅱ相臨床試験)[承認時評価資料] 12)Chayama K,et al:Hepatology,61,5:1523-1532(2015) 注意:本剤の承認されている用法・用量は,ジェノタイプ 1:オムビタスビルとして 25mg,パリタプレビルとして 150mg 及び リトナビルとして 100mg を含有する配合錠を食後に経口投与(1 日 1 回),投与期間は 12 週間,ジェノタイプ 2:リバ ビリンとの併用において,オムビタスビルとして 25mg,パリタプレビルとして 150mg 及びリトナビルとして 100mg を 含有する配合錠を食後に経口投与(1 日 1 回),投与期間は 16 週間である. (5)検証的試験 1)無作為化並行用量反応試験 該当資料なし 2)比較試験 ジェノタイプ 1〈国内第Ⅲ相〉(日本人データ)2) 【目 的】本剤の有効性及び安全性の評価 【試験デザイン】多施設共同,無作為化,二重盲検プラセボ対照[サブ試験 1(投与群 A 及び B;肝硬変の認められな い患者)]及び非盲検単群[サブ試験 2(投与群 C;代償性肝硬変の認められる患者)] 【対 象】日本人の HCV ジェノタイプ 1b 感染成人患者(肝硬変有又は無)の未治療例及び既治療例 363 例
【主要な組み入れ基準】
投与群 A 及び B 肝硬変の認められない患者(肝生検で明らかに肝硬変が認められない,フィブロテスト®スコアが 0.72
以下で Aspartate Aminotransferase to Platelet Ratio Index(APRI)が 2 以下,スクリーニング時の弾性画像化検査で肝硬度 12.5 kPa 未満,慢性肝炎と肝硬変の判別式のスコアが 0 未満のいずれかに該当) 投与群 C 代償性肝硬変の認められる患者(肝生検で明らかに肝硬変が認められる,フィブロテスト®スコアが 0.73 以上 で APRI が 2 を超えた,スクリーニング時の弾性画像化検査で肝硬度 14.6kPa 以上,慢性肝炎と肝硬変の判別式が 0 を上 回る,スクリーニング時に代償性肝硬変(Child-Pugh スコア≦6 と定義)が認められる) 【試験方法】 投与群 A 二重盲検下でオムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル 25/150/100mg を 1 日 1 回,12 週間投与 投与群 B 二重盲検下でオムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル 25/150/100mg 併用療法のプラセボを 1 日 1 回, 12 週間投与した後,非盲検下でオムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル 25/150/100mg を 1 日 1 回,12 週間 併用投与 投与群 C 非盲検下でオムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル 25/150/100mg を 1 日 1 回,12 週間併用投与 【評価項目】 有 効 性 主要評価項目:投与群 A の IFN 製剤による治療に適格であり,ベースラインで高ウイルス量(HCV RNA 量 が 100,000IU/mL 以上)を示した肝硬変の認められない未治療例(有効性主要解析対象集団) での SVR12 率に関し,臨床的に適切な閾値に対する優越性を検証した.投与群 A の SVR12 率の 95%信頼区間下限が 63%を上回った場合,優越性が示されたこととした. 副次的評価項目:治療中のウイルス学的不成功,再燃,部分集団内での SVR12 率(投与群 A 及び C) ウイルス耐性 すべての被験者について,ベースライン時に,ポピュレーションシークエンスにより確認されたアミノ 酸配列の変異を野生型の配列と比較した.また,SVR を達成しなかった被験者について,ベースライン 後の評価時点で,ポピュレーションシークエンス及び/又はクローンシークエンスにより確認された各ア ミノ酸配列の変異をベースライン時の配列及び野生型の配列と比較した. 安 全 性 有害事象,バイタルサイン,身体所見,心電図及び臨床検査の結果に基づき安全性及び忍容性を評価 【結 果】 安全性解析対象集団 365 例の患者背景 投与群 A 投与群 B 投与群 C 例数 215 106 42 男性(%) 37.2 44.3 47.6 年齢*(歳) 61.1(29.0~76.0) 61.5(27.0~75.0) 61.8(38.0~76.0) ベースラインの HCV RNA 量* (log10IU/mL) 6.74(4.61~7.72) 6.68(4.27~8.01) 6.64(4.48~7.72) * 平均値(最小値~最大値) 有 効 性 有効性主要解析対象集団であるベースラインで高ウイルス量(HCV RNA 量が 100,000IU/mL 以上)を示した未治療の C 型慢性肝炎患者における SVR12 率は 94.6%(106/112 例,95%信頼区間:90.5%,98.8%)であり,信頼区間下限は事前 に規定した優越性の閾値(63%)を上回っていた.従って,ヴィキラックスはテラプレビル,PegIFN 及びリバビリンの ヒストリカル SVR12 率に基づく臨床的に適切な閾値に対して優越性を示した.各投与群,部分集団別の SVR 率を下表 に示す.