我が国の大学の国際化に向けて
2020年10月19日 教育再生実行会議 高等教育ワーキング・グループ 立命館アジア太平洋大学(APU) 学長 出口 治明 資料2(出口委員提出資料)本日お話しすること
1. 新型コロナウイルスへのAPUの対応 2. コロナ後の世界における将来の大学 3. 「大学=成長産業」、日本の国益から考える (ダイバーシティ=国際化と高学歴化) 4. 必要な施策や規制緩和の方向性1.新型コロナウイルスへの
APUの対応
時系列
2020年2月 オンライン授業・入試の決断、ZOOM契約 入学式・卒業式の中止 3月 教職員の子連れ出勤やテレワークの開始 4月 オンライン授業の開始 卒業生とAPU教職員「APUハンズ」の寄付活動 →教職員や卒業生の寄付、県内外から現物寄付 5月 APU学生への緊急支援金の給付 在学生に対する政府の特別給付金対応など2018年度から世界標準の入試改革を掲げ、留学生入試のオン ライン化に挑戦 ①オンラインでの出願・決済(ウエスタン・ユニオン社) ②ビデオ面接(HireVue)、オンライン試験(Pearson社)導入 ③留学ビザ取得に必要な証明書(COE)のオンライン対応 新型コロナ下での往来制限、ストップする海外郵便事情などに 対して、さらに下記の取組も推進し、問題なく対応 ④合格後の手続き書類のデジタル署名対応(Adobe社) ⑤オンラインでの学籍簿や合格通知書対応、など
1.新型コロナウイルスへの
APUの対応
留学生入試オンライン化
100%
1.新型コロナウイルスへの
APUの対応
開学から
20年
「民官学」の地域発展モデル
① 「民」の支え 「APU HANDS」の立ち上げ - 別府在住の卒業生が設置 - バイトがなくなり、困窮する学生を支援(延べ約3,900名) - 卒業生だけでなく、別府市内外の一般市民の方々や 企業からの膨大な現物寄付と支援 米(4トン)、小麦粉(600Kg)、レトルト食品、カップ麺、 パン、野菜、うどん、菓子、手作りマスク・・・ 現金寄付も(750万円)1.新型コロナウイルスへの
APUの対応
開学から
20年
「民官学」の地域発展モデル
市内企業より 別府冷麺の ご寄付 香川からは讃岐うどん のご寄付 メッセージ付きも多く、 市民の方々や 企業の方も 配布ボランティア にご協力1.新型コロナウイルスへの
APUの対応
開学から
20年
「民官学」の地域発展モデル
② 「官」の支え - 大分県: 私費留学生緊急経済支援策の制度化 3万円/月 × 6ヶ月× 160名 - 別府市: ほぼ全学生対象の国の特別定額給付金(10万円) につき、日本に入国できない留学生への手続き支援 - 別府市: 雇用を失った学生の臨時雇用 - 県・市 : 留学生への差別や偏見に対する啓発活動 - 日本学生支援機構(JASSO)の学びの継続給付金別府市役所のFacebookより APU学生が感染した時(8月)、 市内のごく一部の店舗等が、 「APU学生お断り」のような掲示を。 すぐに市役所が啓発活動を推進。 当該店舗に市役所職員が足を運び、 丁寧に説明して、理解を求める。
1.新型コロナウイルスへの
APUの対応
開学から
20年
「民官学」の地域発展モデル
1.新型コロナウイルスへの
APUの対応
開学から
20年
「民官学」の地域発展モデル
③ 「学」(APU)の学生支援 (春セメスター) - 一律3万円の支給 → 全学生(5,144名) - 3万円 × 3ヶ月 × 831名 - 授業料減免 70万円/人 × 100人総計
11億円以上の支援(国・県:8.3億円、APU:3億円)
地域の支援、自治体・国の支援のお陰で
2020春セメスターの授業料未納学生は例年以下の水準に
立命館学園全体で 総額25億円の 対コロナ・学生 支援策を推進中日本でもっともグローバル化を進めてきたAPUへの影響 学生数約6000人の半分が世界92ヵ国・地域の留学生 →「小さな地球」「若者の国連」 新型コロナウイルスによる最大の影響は • 一時帰国中の留学生(在学生)700名が再入国できない • 20年春・秋留学生(新入生)600名弱のビザ取得見込みが たたない
1.新型コロナウイルスへの
APUの対応
APUへの影響
1.新型コロナウイルスへの
APUの対応
政府の受入れ方針
①留学生や教職員の再入国 8月5日~ 在留資格を持つ留学生の再入国を、条件付き認可 ②新規留学生の入国条件の緩和 10月~ 原則、全世界を対象に入国制限措置を緩和し、 留学生についても入国を順次、認可。 政府が定める待機・隔離期間中の適切な留学生支援 留学生への補講配慮など、大学の本気度が問われる 主要空港から離れる地方大学に大きな人的・経済的な負担も〇 2020年春・全授業・双方向オンライン化の実施 - いつでも受講可能なオンデマンド、課題のみアップという 知識の教授を目的とするオンラインではなく、 - その時間帯に、一緒に授業を(オンラインで)受け、 - 教員-学生間の質疑応答、学生-学生間のディスカッション を可能にする 「いつもの授業」をオンラインで実現。 - Zoomのチャット機能で大規模講義でも質疑応答が 活性化するという副産物も・・・(教員は大変) APUの強みは、人と人のリアルなやり取りという原点 を忘れず、「リアル・オンライン」を徹底。
1.新型コロナウイルスへの
APUの対応
APUの授業「迅速な
全授業双方向オンライン化
」
〇 2020年秋セメスター - 秋セメスタ-からハイブリッド授業にチャレンジ - まだ入国できない学生がいるので、 APUでは、全授業「オンライン化」 は必須 (持病を持つ学生など、新型コロナに不安を持つ学生も) - 基本原則 「全ての学生に、全ての授業を提供」 → APUは多文化以外のダイバーシティを包摂し、 可能な限り、インクルーシブな環境の実現に努力。
1.新型コロナウイルスへの
APUの対応
APUの授業 「
ハイブリッド授業
への進化」
〇 2020年秋セメスター - 授業がオンラインになると、キャンパスでの学生同士の リアルな接点が減少 → 日本人・留学生双方にとって、魅力の低下 - 秋からは、リアル・オンライン&対面併用の「ハイブリッド」 - 時差の関係で海外在住&3時間以上時差のみ、 オンデマンドも導入へ(春セメスターの反省)
1.新型コロナウイルスへの
APUの対応
APUの授業 「
ハイブリッド授業
への進化」
withコロナ
afterコロナ
2.コロナ後の世界における将来の大学
withコロナ/afterコロナ
ステイホーム ニューノーマル 蔓延 沈静化 検温、マスク、手洗い、 ソーシャルディスタンス、 テレワーク、オンライン会議 ・・・など コロナはインフルエンザ並み に ニューノーマルは原則不要 ただし、元(ビフォーコロナ)には戻 らない → ハイブリッド型社会へ ワクチン・薬の開発 感染予防がDXを促進、 デジタルテクノロジーはすでに環境にチャット・ゴシップ の重要性 - 大学は、教育と研究の場所 オンライン授業で代替できる部分は教育の一部 オンライン授業の延長線上 → 放送大学 通学制大学が全て放送大学化して、我が国の教育・研究の 知的基盤が守れるか? 放送大学と通学制大学は、別のビジネス
2.コロナ後の世界における将来の大学
放送大学とは異なる通学制
大学の役割
研究 教育 社会との共有知の創造 学びの価値の提供オンラインのメリット - 非同期性(場所や時間など制約から自由) - 教室の収容定員、1人の教員のキャパシティに縛られない 人数への対応が可能 - 「地方が不利」 「世界との距離」 「貧富の差」 「障がいなどのバリア」 ・・・ などの克服の可能性 活用例 : リカレント教育や高大接続教育 - 知識伝達系科目はオンラインで - 高校在学中に大学科目を早期履修 など
2.コロナ後の世界における将来の大学
オンラインの可能性
2.コロナ後の世界における将来の大学
オンラインの可能性
APUの社会人向けリカレントプログラム -GCEP-- 2・4カ月、短期などの社会人向け実践的「逆インターン」 - APUで文化・多言語・寛容性を徹底的に磨くプログラム - マイノリティ環境をポジティブに実体験できる学びの場所 - 2011年以来57社323名が受講 2020年春オンラインGCEP、今後のリカレントで大きな可能性 大学の究極の理想型は「アズハルの3信条」 入学随時、受講随時、卒業随時3.「大学=成長産業」、 日本の国益から
考える
3.「大学=成長産業」、 日本の国益から考える
経済に与える影響
米国における教育の位置づけ - 留学生は「最高の移民であり経済政策としても有効」と いう発想が大切(米国には約110万人、全世界の20%の留学生) - 留学生の経済効果は4.3兆円 (2018-19 NAFSA調べ)GAFAやユニコーンに代表される成長企業育成
→ グローバルなサービス産業の従業員の大卒比率は
90パーセント超。
→ ベンチャーの半数は留学生絡み
→ そうしたサービス産業は大学院修了生が圧倒的に多い
3.「大学=成長産業」、 日本の国益から考える
経済に与える影響
そもそも留学生には、 ① 国・自治体や民間(奨学金財団や大学自身)が奨学金を支給し、 ② 英語による授業、学生生活サポートなど、 お金と手間暇をかけて教育・研究をサポートしている。 ・・・しかし学部30%、修士40%、博士60%は卒業後、日本に残らない (2017年・JASSO 外国人留学生進路状況・学位授与状況調査) 身元も確かで、日本のコミュニティにもなじみ、高学歴で、 一般的に向上心も強い →留学生は、労働人口減少対策としての労働力ではなく、
3.「大学=成長産業」、 日本の国益から考える
日本に与える影響
3.「大学=成長産業」 、日本の国益から考える
3.「大学=成長産業」 、日本の国益から考える
3.「大学=成長産業」 、日本の国益から考える
何のために大学を国際化するか。 - これからは、経済も、文化も、社会も 「国内だけで完結する」 時代は終焉 (資源の制約も大きい) ※ 2020年度学部卒業生→キャリアは2060年くらいまで続く → 2060年まで、日本国内だけで仕事が完結する
「幸せな時代」
が続くと思いますか? 大学の役割 : 世界で活躍できる人材 の育成 ある学生の言葉。「先生は戦後の日本社会の遺産で逃げ切れる3.「大学=成長産業」 、日本の国益から考える
大学の進むべき国際化の方向性
「世界で活躍できる人材」 を育成するために(APUの経験から) 大学の環境 → ほぼ日本人学生、日本人教員だけの環境で、文化・社会な ど多くの共通基盤が共有される安全なコミュニティ(コンフォ ートゾーン)で、世界で活躍できる人材を育成できますか? → 言語(英語)だけの問題ではない現実 → 大学の環境を、卒業後の舞台になる「世界」 に創り変える しかないのでは? → 日本人だけの環境にならないためには、日本人以外の 学生比率を、一定の閾値以上に高める必要がある。 → 例えば、次のSGU事業で
3.「大学=成長産業」 、日本の国益から考える
世界で活躍できる人材
3. 「大学=成長産業」、日本の国益から考える
THE世界大学ランキング2021から考える
日本の大学の競争力がない訳ではない! THE上位200位の内、ランクインした日本の大学 → 東京大学、京都大学のみ。 THE上位1,000位の内、ランクインした日本の大学 → 116校(国立57、公立12、私立47)アメリカの
181大学についで、日本は2位
コロナ被害の小さい日本は
世界中から留学生を呼び込むチャンス
新型コロナ感染者・死者数データ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 国名・地域名 アメリカ インド ブラジル ロシア コロンビア ペルー スペイン メキシコ アルゼンチン 南アフリカ 感染者 7,190,230 6,145,291 4,777,522 1,162,428 824,042 808,714 748,266 738,163 736,609 672,572 死者 205,986 96,318 142,921 20,456 25,828 32,324 31,411 77,163 16,519 16,667 11 12 13 14 15 国名・地域名 フランス チリ イラン 連合王国 バングラデシュ 日本 感染者 564,690 461,300 453,637 446,156 362,043 84,875 死者 31,711 12,725 25,986 42,072 5,219 1,594 米国や連合王国など これまでの留学生受 入れ主要国における 影響 出典: https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data-widget/
3. 「大学=成長産業」、日本の国益から考える
新型コロナの影響
香港における政情不安などを踏まえると、優秀なアジア志向の 留学生受入れのチャンス(香港にはアジアトップ10大学が3校)
3. 「大学=成長産業」、日本の国益から考える
- 高度知識基盤社会、情報化社会にあって、 なぜ、日本だけ修士号、博士号取得者数が少ないのか? - 日本の労働人口減少を背景とした学部卒業生の青田買い? - ビッグデータ、AI、IoT、ブロックチェーン、量子コンピュータ など、次々に現れてくる先端技術、新知識等の重要性を、 スキル、知識だけでなく、「解のない課題・問題」にどう アプローチするかという、「リサーチスキル」の重要性を、 企業等の経営陣、官公庁は真に理解していない? - 今の日本のエグゼクティブは、「日本社会における自身の 成功体験」に、囚われすぎではないか? ・・・大学院、学位なんて不要
3.「大学=成長産業」 、日本の国益から考える
世界で活躍できる人材
- 持続可能な開発には、科学技術の発展と、それを人の 視点から制御する人文科学の両輪が必要 - 技術開発、イノベーション、社会課題解決を実践しうる 人材にふさわしい専門性としての学位 - 民間企業、公務員など指導的立場かつ国際ステージにある 人材に不可欠なリベラルアーツとしての学位 - 教育立国として、初等、中等、高等教育で 教育する立場にある人材が備えるべき知としての学位 - 博士学位の取得奨励により、国際的な低学歴状態から 脱却し、教育立国を実現
3.「大学=成長産業」 、日本の国益から考える
世界で活躍できる人材
- 日本の大学も反省を - 大学院教育において、研究者育成を目的とした、 狭い専門テーマの知見を積み上げた「論文」作成の 研究指導に終始していないか? → 「論文」作成の基盤として、骨太のリサーチスキルを 体系的に教育できているか? → 専門領域を支える広範な教養を、体系的に教育 できているか? → 研究者以外のキャリアを想定して、カリキュラムを 構築しているか?
3.「大学=成長産業」 、日本の国益から考える
世界で活躍できる人材
4.必要な施策や
規制緩和の方向性
- アフターコロナの新しい国際秩序のもと、流動性が高まる 外国人留学生の確保のため、設置基準における 遠隔授業の制限枠の再考(現行60単位上限) - オンライン教育実施のための抜本的なハード整備のための 財政的支援 - 学生の受講環境整備のための財政的支援
4.必要な施策や規制緩和の方向性
アフターコロナを考える
ー 留学生30万人計画の高度化 2019(令和元)年度外国人留学生在籍状況調査結果(日本学生支援機構) ー 資格外活動 28時間/1週間 = 平均4時間/1日 ※ 大学設置基準を用いると、1学期20単位を修得する場合、 授業+授業外で60時間/週の学修が必要 → 平均9時間弱/日
4.必要な施策や規制緩和の方向性
日本の大学の環境を変える
在学段階 留学生数(人) 前年度比(増減率) 大学院 53,089人 2,905人(5.8%)増 大学(学部) 89,602人 4,745人(5.6%)増 短期大学 2,844人 405人(16.6%)増 高等専門学校 506人 4人(0.8%)減 専修学校(専門課程) 78,844人 11,369人(16.8%)増 準備教育課程 3,518人 82人(2.4%)増 日本語教育機関 83,811人 6,268人(7.0%)減ー 留学生30万人計画の高度化 「量」→「質」の追求 → 日本人学生を世界で活躍する人材へ育成するためには、 大学の環境を、卒業後のキャリアの舞台となる「世界」に 創り変える必要 → 一定の教育組織単位(大学、学部)について、 ある「閾値」以上(例.30%)の留学生比率を基準とすることで、 そのコミュニティを「世界」へと創り変える。 「世界」を再現した大学へ、基盤整備のための支援を 想像してください。日本の大学の10%の学生(29万人)が、 そうした環境で鍛えられれば、継続的に毎年7万人以上の 世界に通用する人材の卵が社会に輩出される。
4.必要な施策や規制緩和の方向性
大学の環境を変える・ポスト
SGU事業
(2023終了)- これからの考え方は年齢フリーで - 柔軟化・開放化を進める大学へのインセンティブ → 秋入学の導入や、社会人を受入れる大学への財政支援 - 他人と違って早く大学に入学したり、早く進学・就職することを 嫌う、横並び意識や同調性が強い日本社会の課題 → 水平的画一化、硬直した年齢主義の弊害 → 修業年限の考え方を柔軟化し、能力主義を進める 例:高校生が大学科目を早期履修し、その単位数によって 大学の修業年限を柔軟に変更できる法改正
4.必要な施策や規制緩和の方向性
高学歴化の推進(社会における課題)
4.必要な施策や規制緩和の方向性
高学歴化の推進(社会における課題)
- 海外から日本の大学への入学資格の撤廃 例:外国において、12年の課程修了相当の学力認定試験に 合格かつ18歳以上←かつ18歳以上は不要! - 海外の大学との競争を阻害する規制の改正 → 国際バカロレア(約8万人)、アドバンスト・プレイスメント(300万人)で は高校生が大学レベル科目を早期履修、結果に応じて大学 が単位認定でき、大学入学後、初級レベルをスキップして 履修開始が可能 日本の大学ではIBやAP試験の単位認定は、法令上、不可能 規制強化ではなく、大学の自主性・判断に任せてほしい!4.必要な施策や規制緩和の方向性
高学歴化の推進(社会における課題)
- 社会人の学び直し促進のためのしかけ 課題: 企業で働く社会人の学位取得やキャリアアップのための 留学などは、日本の税務上、教育訓練費と認められない。 人材投資を促進する措置を! 企業の社員を大学に派遣する費用の全額につき税額控除を 500兆円を超える企業の内部留保を社会へ還元4.必要な施策や規制緩和の方向性
高学歴化の推進(社会における課題)
- 社会人の学び直し促進のためのしかけ 課題: 企業・大学の立地により、働きながら学ぶことが困難 教育DXを加速させ、 社会人の教育へのアクセスビリティを飛躍的に向上 (教育DXに対するインセンティブ政策) 500兆円を超える企業の内部留保を社会へ還元ー 社会から必要とされる大学教育を ① 研究者育成以外の大学院教育のあり方 - 研究者/研究者以外を同じ土俵で議論・検討しない。 → 研究者/研究者以外では修士課程のあり方は 大きく異なるはずでは? - 教育課程、定員などの設置基準を分ける制度改正も - 研究者以外の教育課程には、外部の意見も反映
4.必要な施策や規制緩和の方向性
高学歴化の推進(大学における課題)
② 修業年限、標準修業年限、履修上限の柔軟化 1) 1年修士課程の拡大 社会人:修士課程2年間のキャリア中断は困難 学部生:学部3年+修士1年により、学部4年卒業と 同じ年数で社会へ → 昼夜開講以外に、長期休暇期間の履修やオンライン活用、 入学前単位認定(前述)なども組み合わせ 2) 長期履修の促進 ‐働きながら数年で修士課程を修了しやすい制度へ → オンラインの活用 → 通学は短期集中(論文指導、フィールドワークなど)
4.必要な施策や規制緩和の方向性
高学歴化の推進(大学における課題)
② 修業年限、標準修業年限、履修上限の柔軟化 3) 大学院(2年+3年)の短縮 海外に流出するトップクラスの高校生に、日本の 大学院課程が魅力的に見せる仕組みの制度化 ③ 学部教育の見直し 学修時間の問題 学ぶ大学、という国際標準で当たり前のことを・・・ - 大学生の1週間当たり授業外学習 (1年生2.3時間→2年生2.6時間→3年生4.1時間→4年生4.7時間) *大学生の学習実態に関する調査研究について(2016年・国立教育政策研究所)
4.必要な施策や規制緩和の方向性
高学歴化の推進(大学における課題)
4.必要な施策や規制緩和の方向性
知識を問う教育からの脱却 - 教育における指標は、国際水準で。 入学はできるが卒業が厳しい大学、勉強しないと進級 できない大学、ペーパーテスト以外も成績評価に組み 入れる大学を評価する仕組み - 厳しくて良い、卒業させなくて良い、という大学の在り方を 文科省が発信を! → 質の保証は定員管理ではなく、事後調査を基本に(後述) → 定員管理の弾力化
4.必要な施策や規制緩和の方向性
高学歴化の推進(大学における課題)
大学の成績や高学歴を重視した採用基準を - GPAなど成績重視採用を行うのがグローバルな常識 - 勉強した学生や大学院生をリスペクトする社会へ * 労働生産性とその社会の博士号取得者比率は正比例 ( 関西学院大学・村田学長) 学びを評価しない企業が日本をダメにする - 高学歴やダイバーシティにあふれる学生に選んでもらえる 企業や社会になるべき
4.必要な施策や規制緩和の方向性
高学歴化の推進(企業における課題)
学修成果は卒業後に現れる ー 教育版:国勢調査 標本調査で十分 卒業生がどの程度、海外でキャリアを積んでいるか 大学院進学者数(卒業直後でなくてよい)、大学での学び と社会におけるキャリアの関係性などを調査 → この調査結果を運営交付金、私学補助の基礎とすべき → 事後チェックとPDCAサイクルによる厳格な定員管理の緩和 → 収容定員管理・私学助成・設置認可の連動の再考
4.必要な施策や規制緩和の方向性
エピソードでなくエビデンスによる教育行政を
ー 教育にお金をかけよう (最終的に負担と給付の問題) 質保証の基本=教員組織(設置基準における教員数/ST比) → 現行のST比は世界で戦っていける基準ですか? → 特に人社系はこれで良いでしょうか?