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金融資産運用設計関連 主な改正事項

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Academic year: 2021

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(1)

金融資産運用設計関連

主な改正事項

1.ゆうちょ銀行の預入限度額の引上げ

ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の1人当たり限度額は政令で定められているが、平成28(2016) 年3月25日に政令が改正され、4月1日から限度額が次のように引き上げられた。 ① ゆうちょ銀行の預入限度額を1,000万円から1,300万円に引き上げ。 ② かんぽ生命保険については、1,000万円の基本契約の限度額は変更しないが、加入から4 年経過した契約において追加加入が可能な金額を300万円から1,000万円に引き上げ、合わ せた加入限度額を1,300万円から2,000万円に引き上げた。

2.債券の経過利子の見直し

利付債を売買する場合、従来は、20.315%の税相当額を控除した金額を経過利子(経過利息) として受渡ししていたが、利払い日が平成28(2016)年1月1日以後となる利付債の経過利子か ら税相当額の控除を行わず、100%の金額が受け渡しされることになった。

3.新会計基準におけるROEとBPS

(1株当たり純資産)

純資産の部の「少数株主持分」は、平成27(2015)年4月1日以降に開始する連結会計年度か ら「非支配株主持分」に名称が変更された。 ■連結貸借対照表 負 債 資 産 純 資 産 ■「純資産の部」の内容 Ⅰ 株主資本 Ⅱ その他の包括利益累計額(評価・換算差額等) 1.資本金 1.その他有価証券評価差額金 2.資本剰余金 2.繰延ヘッジ損益 3.利益剰余金 3.土地再評価差額金 4.自己株式(控除) 4.為替換算調整勘定 Ⅲ 新株予約権 Ⅳ 非支配株主持分(少数株主持分) ※自己資本=株主資本+その他の包括利益累計額=純資産-新株予約権-非支配株主持分 ※純 資 産≠株主資本≠自己資本 ■ROE(Return On Equity=株主資本利益率) ■ROE(自己資本利益率) 純利益 純利益 純利益 = = = 株主資本(=純資産=自己資本) 自己資本 純資産-新株予約権-非支配株主持分 ■BPS(Book-value Per Share=1株当たり純資産) ■BPS(1株当たり純資産)

純資産(=株主資本=自己資本) 自己資本 純資産-新株予約権-非支配株主持分

= = =

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4.確定拠出年金改正法

(平成28年6月3日公布) 厚生年金と公務員等の共済年金の一元化や公的年金制度の財政悪化に伴う自助努力の必要性 の高まりなどの影響を受け、確定拠出年金制度の拡充が図られる。主な改正内容は次のとおり で2017年1月から順次施行される。 (1)個人型年金への小規模事業主掛金納付制度の創設(公布日から2年以内の施行) 企業型年金の実施が困難な小規模事業主(従業員100人以下)について、従業員が加入する 個人型年金について、拠出限度額の範囲内で事業主による追加拠出を可能とする。 事業主拠出金は損金または必要経費とし、従業員への給与課税は行われない。 (2)個人型年金の加入可能範囲の拡大(2017年1月施行) 企業型年金加入者、公務員等の共済加入者、国民年金第3号被保険者について個人型への 加入を可能とする。ただし、企業型年金加入者の個人型への加入は、マッチング拠出を行っ ていないことや個人型年金への加入を可能とする旨を規約で定める企業の従業員に限られる。 加入者の区分 年間拠出限度額 他に企業年金がない場合 24.0万円 企業型年金加入者 他の企業年金がある場合 14.4万円 確定給付型年金のみ加入者及び公務員等共済加入者 14.4万円 国民年金第3号被保険者 27.6万円 なお、個人型年金への加入を可能とする旨を規約で定めた場合の企業型年金の拠出限度額 については次の取扱いとなる。 ・他の企業年金がない場合 … 年間42.0万円(現行66.0万円) ・他の企業年金がある場合 … 年間18.6万円(現行33.0万円) (3)拠出限度額を年単位化(2018年1月施行) 月単位で設定されている拠出限度額を年単位とする。これにより、ボーナス時加算などが 可能となり、拠出限度額の使い残しをなくすことができる。 (4)企業年金等のポータビリティの拡充(公布日から2年以内に施行) 一定要件の下で、確定拠出年金制度(企業型、個人型)から確定給付企業年金制度への資 産移換が可能となる。また、確定拠出年金企業型および確定給付企業年金から中小企業退職 金共済への資産移換が可能となる。 制度間のポータビリティの拡充(○:移換可能、×:移換不可、×→○:改正により移換可能) 移管先の制度 確 定 給 付 確 定 拠 出 確 定 拠 出 中 小 企 業 企 業 年 金 年 金企 業型 年金 個 人型 退職 金共 済 確定給付企業年金 ○ ○ ○ ×→○ 移管前 確定拠出企業型年金 ×→○ ○ ○ ×→○ の制度 確定拠出個人型年金 ×→○ ○ × 中小企業退職金共済 ○ ×→○ × ○

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税制改正抜粋-金融証券税制関係

1.特定公社債等の税金の扱い

(1) 国内債券の税金

1) 平成28(2016)年からの税金の扱い 平成25(2013)年度の税制改正により、平成28(2016)年1月から債券の税制が大きく変更さ れた。まず、債券は特定公社債と一般公社債に区分される。特定公社債には国債、地方債、 公募公社債、上場公社債などが区分される(外国債券で同様のものも含まれる)。これ以外 の債券(私募債など)は一般公社債に区分された。 このうち、一般の投資家が自由に購入できるのは特定公社債だが、特定公社債の課税方式 は、上場株式等と同じように申告分離課税に変更され、特定公社債と上場株式等との間で損 益が通算できるようになった。また、特定公社債を特定口座に受け入れることが可能となっ た。 この税制改正により、特定公社債の税金の扱いは上場株式等とほとんど同じになった。上 場株式等と異なるのは、総合課税による配当控除の適用が受けられない点だけである。具体 的な税金の扱いは以下のとおり。 2) 利付債の税金の扱い 利付債から得られる収益としては、毎年の利息収入、償還差益、売買益(譲渡益)の3つ がある。 ① 特定公社債の利息については、利子所得として20.315%(所得税および復興特別所得税15. 315%+住民税5%)の税金が源泉徴収される。 確定申告は不要なので、確定申告しない場合は20.315%の源泉徴収で課税関係は終了する。 確定申告した方が有利になる場合は、確定申告することも認められている。確定申告した 場合は、他の所得と分けて、20%(+復興特別所得税)の税金が課せられる(20%の申告 分離課税)。 ② 償還差益、売買益(譲渡益)は譲渡所得として、税率20%の申告分離課税の扱い。 ③ 一般公社債の利子所得は20.315%源泉分離課税、譲渡所得は20%の申告分離課税の扱い。 ④ 障害者等がマル優、特別マル優(利付国債、公募地方債のみ適用可)扱いで利付債を購入 した場合は、利息は非課税になるが、譲渡所得は20%の申告分離課税の扱い。 3) 割引債の税金の扱い 割引債に利息の支払いはないので、その収益源は償還差益と売買益(譲渡益)の2つにな る。 ① 償還差益と売買益(譲渡益)は譲渡所得として、税率20%の申告分離課税の扱い。 ② 源泉徴収ありの特定口座で割引債が償還された場合の償還差益は、譲渡所得として20.315% の税金が源泉徴収される。源泉徴収なしの特定口座で割引債が償還された場合の償還差益 は、譲渡所得として本人が確定申告で納税するため源泉徴収は行われない。 ③一般口座で割引債が償還された場合は、みなし償還差益(発行日から償還日まで1年以内の ものは償還金額の0.2%、1年超のものは償還金額の25%)に対して20.315%の税金が源 泉徴収される。 4) 損益通算の扱い 平成28(2016)年から、上場株式等(公募株式投資信託も含まれる)に係る譲渡所得等と、 非上場株式等に係る譲渡所得等は別々の分離課税制度になった。

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そのうえで、①特定公社債等(公募公社債投資信託も含まれる)および上場株式等に係る 譲渡所得等の分離課税と、②一般公社債等および非上場株式等に係る譲渡所得等の分離課税 に改組された。この①と②のグループの中で、それぞれ損益通算ができる。違うグループと の損益通算は認められない。 一般の投資家が自由に購入できる特定公社債等については、特定公社債等の利子所得と譲 渡所得、上場株式等の配当所得と譲渡所得は、申告分離課税により確定申告することで、こ れら全ての損益が通算できる。 5) 特定口座の扱い 平成28(2016)年から特定公社債が特定口座の対象となった(一般公社債は特定口座の対象 外)。「源泉徴収ありの特定口座」で特定公社債に投資をした場合は、金融機関が口座内の上 場株式等や特定公社債等の損益通算を計算し、税金を源泉徴収・納付してくれるので、投資 家による確定申告は不要。譲渡損失のほうが多かった場合は、確定申告することによって、 翌年以降最長3年間、損失を繰り越すことができ、その年の利益から差し引くことができる。 なお、一般口座や他の金融機関の特定口座との損益を通算したい場合は、「源泉徴収あり の特定口座」についても確定申告が必要とされる。

(2)外国債券の税金

一般の投資家が購入できる外国債券は、外国の国債、公募の公社債などであり、これらは 特定公社債として、以下のような税金の扱いになる。 1) 利子課税 利付債の利息については、利子所得として20.315%(所得税および復興特別所得税15.315 %+住民税5%)の税金が源泉徴収される。確定申告は不要なので、確定申告しない場合は2 0.315%の源泉徴収で課税関係は終了する。確定申告した方が有利になる場合は、確定申告す ることも認められている。確定申告した場合は、他の所得と分けて、20%(+復興特別所得 税)の税金が課せられる(20%の申告分離課税)。 なお、外国で源泉徴収された場合は、その源泉徴収額を差し引いた残りの金額に対して国 内で20.315%の課税がされる(平成27(2015)年までの差額徴収方式は廃止された)。確定申 告をした場合は、外国税額控除の適用を受けることができ、外国で源泉徴収された分は、一 定の範囲内で所得税や住民税から差し引くことができる。 2) 償還差益、売買益に対する課税 利付債・割引債の償還差益、売買益(譲渡益)は譲渡所得として、税率20%の申告分離課 税の扱いになる。損益通算や特定口座の扱いも国内債券と同じ。

(3)公募公社債投資信託の税金

一般の投資家が購入できる公社債投資信託は、公募の公社債投資信託であり、公募公社債 投資信託は特定公社債と同じ税金の扱いになる。 ① 決算時の収益分配金については、利子所得として20.315%(所得税および復興特別所得税 15.315%+住民税5%)の税金が源泉徴収される。確定申告は不要なので、確定申告しな い場合は20.315%の源泉徴収で課税関係は終了する。確定申告した方が有利になる場合は、 確定申告することも認められている。確定申告した場合は、他の所得と分けて、20%(+ 復興特別所得税)の税金が課せられる(20%の申告分離課税)。株式投資信託と違って、 総合課税扱いにして配当控除の適用を受けるといったことはできない。

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② 解約請求による損益、買取請求による損益、償還時の差益は、譲渡所得として税率20%の 申告分離課税の扱いになる。 ③ 障害者等がマル優扱いで投資した場合は、収益分配金は非課税になるが、譲渡所得は20%の 申告分離課税の扱いになる(なお、株式投資信託はマル優の対象にはなっていない)。 ④ 公社債投資信託の利子所得と譲渡所得は、申告分離課税により確定申告することで、特定 公社債等および上場株式等の損益と通算できる。譲渡損失のほうが多かった場合は、確定 申告することによって、翌年以降最長3年間、損失を繰り越すことができ、その年の利益 から差し引くことができる。 ⑤ 特定口座で投資できる。 ⑥ 株式投資信託はNISA、ジュニアNISAで投資できるが、公社債投資信託は対象外で ある。

(4)外国籍の公社債投資信託の税金

契約型の公社債投資信託(外貨建てMMFなど)の税金の扱いは、外国債券の利付債と同 じ。

2.少額投資非課税制度(NISA・ジュニアNISA)

平成26(2014)年度の税制改正により、平成27(2015)年1月1日から、毎年(1年ごとに)、 NISA口座を開設する金融機関を変更できるようになった。NISA口座を廃止していた場 合は再開設できるようになった。ただし、その年(暦年)の非課税枠が未使用であること、 という条件がある。また、その年の前年10月1日から1年の間にNISA口座を開設していた 金融機関から廃止通知書を受け取り、新たにNISA口座を開く金融機関に提出することとい った手続きが必要とされる。また、平成28(2016)年度の税制改正により、平成30(2018)年以降 の2つの勘定設定期間は結合されることになった。 非課税期間等のイメージ図 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028(年) 投資開始 (年) 2014 100万円 2015 100万円 2016 120万円 2017 120万円 2018 120万円 2019 120万円 2020 120万円 2021 120万円 2022 120万円 2023 120万円 その年の 最大元本 100万円 200万円 320万円 440万円 560万円 580万円 600万円 600万円 600万円 600万円 480万円 360万円 240万円 120万円  10年  (NISA口座を   開設できる期間)  5年(非課税で運用できる期間) 5年間の非課税期間が終了する際、翌年 の非課税枠にロールオーバーできる

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NISAとジュニアNISAの概要 NISA ジュニアNISA その年1月1日において20歳以上 その年の1月1日において20歳未 口 座 を 開 設 の居住者等 満、またはその年に生まれた居住 で き る 人 者等 平成26(2014)年1月から 平成28(2016)年4月から 口座開設可能期間 平成35(2023)年12月までの10年間 平成35(2023)年12月までの8年間 (終了時期は成人NISAと同じ) 口 座 開 設 数 年間1人1口座 全期間を通して1人1口座のみ 金 融 機 関 の 変 更 1年ごとに変更可能 変更はできない 上場株式、株式投資信託等の配当金・分配金、譲渡益 非 課 税 対 象 新規で購入した商品に限られる(課税口座からの移管はできない) 公社債や公社債投資信託などは対象外 平成26年・27年:年間100万円 平成28年~35年:年間120万円 年間80万円 非 課 税 投 資 額 (年間投資上限額) 未使用枠は翌年以降に繰越しできない 購入時の手数料は非課税枠に含まれない 非課税管理勘 …最長5年間 (ロールオーバーも可能) 最長5年間 継続管理勘定(ロールオーバー専 非 課 税 運 用 期 間 (ロールオーバーも可能) 用勘定)… 平成36(2024)年から 平成40(2028)年までの各年に設定 され、口座開設者が20歳になるま で非課税で保有可能。新規投資は 不可。 平成28(2016)年以降は 非 課 税 投 資 総 額 最大600万円 400万円 (年間120万円×5年間分) (年間80万円×5年間分) 途中売却は自由(ただし売却部分の非課税枠は再利用不可) 商 品 の 売 却 譲渡代金は課税未成年者口座で管 ─ 理され、払出し制限がかかる その年の3月31日において18歳で 払 出 し 制 限 なし ある年(基準年)の前年12月31日 までは、原則として払出し不可 譲渡損はなかったものとみなされる 損 失 の 扱 い 課税口座との損益通算や損失の繰越控除はできない

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