水道は、生活、都市活動に欠かせない大切なライフラインです。大地震の際には 太田市の水道は大丈夫なのでしょうか、また、上下水道局ではどのような備えを行 っているのでしょうか。 こうしたご心配や疑問にお応えするため、上 下水道局における震災対策・防災対策の取組み の現状、今後の震災対策の取組みについて紹介 します。
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太田市の水道施設の概要
太田市の主な水道施設は、渡良瀬浄水場・利 根浄水場の2浄水施設と新田受水場・藪塚受水 場・牛沢受水場の3受水施設からなり、平成 23 年度では年間 30,134,040 ㎥の水道水を給水 しています。また、浄水場でつくった水道水を じゃ口までお届けする管路(水道管)の延長は 1,413km です。2
水道施設の耐震化の必要性
太田市の水道普及率は99%を超え社会生活 に不可欠となっています。また、昭和 30 年代 から昭和 40 年代に整備した施設が更新の時期 を迎えています。 近年、国内において大地震が相次いで発生し ていますが、水道施設も甚大な被害を受け、多 数の世帯で断水が発生するなど大きな影響が生 じています。水道の機能を失うことは社会に大 きな影響を与えることから、水道施設の耐震性 の確保や重要施設等への給水の確保、さらに、 被災した場合でも速やかに復旧できる体制の確 保等が必要とされています。 最近の地震と水道の被害状況 水道施設の概要 東日本大震災での被害状況 管路 水管橋(添架管) 配水池 地震名等 発生日 最大震度 断水戸数 断水日数 阪神・淡路大震災 H7.1.17 7 約1,300,000戸 約90日 新潟県中越地震 H16.10.23 7 約130,000戸 約30日 新潟県中越沖地震 H19.7.16 6強 約59,000戸 20日 岩手・宮城内陸地震 H20.6.14 6強 約5,500戸 60日 東日本大震災 H23.3.11 7 約2,300,000戸 約5ヶ月 ※東日本大震災の断水日数は、津波被災地区等を除く。 出典)厚生労働省・日本水道協会、東日本大震災水道施設被害等現地調査団報告書太田市上下水道局
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太田市の水道施設の耐震化計画について(概要)
「水道の耐震化計画等策定指針、厚生労働省」に基づき、 平成 22 年度に水道施設の既存資料や現状調査により、主 要施設、管路の耐震化の簡易診断を実施しました。その結 果を踏まえ、平成 23 年度から施設及び管路被害予測等の 科学的な分析に基づいて耐震化及び応急対策の検討を行い ました。1)想定する地震
群馬県地震被害想定調査において、3 つの震源による想 定地震を設定している中で、太田市に最も震源が近く、震 度が最も大きい地震である「群馬県南東部地震(マグニチ ュード 7.0)」の直下型を想定地震として、耐震化を検討し ました。また、本想定地震は「太田市地域防災計画」「太田 市地震防災マップ」作成時にも採用されています。 ※ 本市においては、発生が懸念される大地震の中で、東南 海地震等の海溝型地震より、阪神・淡路大震災と同じ直 下型地震の方が揺れが大きいと想定されています。2)構造物の被害想定
水道施設の耐震性の簡易診断結果を踏まえて、二次災害 の危険性、機能維持の可能性、復旧の容易性、運転停止期 間等の観点から、被害想定を行いました。想定結果より、 以下の施設で耐震化の優先度が高いと考えられます。 構造物 優先度 水源・浄配水場名 土木 施設 高 第 5 水源地(調整塔)、西部配水場(配水塔) 中 強戸配水場(配水池)、新田受水場(受水池)、 利根浄水場(着水井ほか)、 渡良瀬浄水場(浄水池ほか) 建物 高 上下水道局(庁舎)、利根浄水場(管理棟) 水管橋 中 石田川水管橋(φ700mm)、 上強戸町の水管橋(φ600mm)3)水道管の被害想定
地域によって差はありますが、市内全域では水道管の被害件数が約 800~900 件になると想定されます。 現在、上下水道局では耐震性の低い管種を耐震性の高いダクタイル鋳鉄管に布設替を実施しており、導・ 送水管や配水本管(口径 300 ㎜以上)などの基幹管路の耐震適合率は約 48%(平成 23 年度末)となっ ています。しかし、想定地震の震源から近いことや、口径150㎜未満の配水管として石綿セメント管など の耐震性の低い管種が存在することが要因となり、被害件数が多い結果となっています。 想定する地震 出典)群馬県、群馬県地震被害想定調査 構造物の被害想定 西部配水場(配水塔) 利根浄水場(管理棟) 早川水管橋 群馬県 南東部地震4)水道利用者の被害想定
想定地震が発生した場合の被害は、太田市内ほぼ全域で断水 になると想定されます。 現在の復旧動員可能人数から復旧班を組織した場合、応急復 旧までには時間を要すと想定されます。 なお、上下水道局では、応急給水に必要な 6 日分の水量を確 保しています。(別図 上下水道だより「水音」非常時の飲料水 供給マップ 参照)5)耐震化の基本方針
被害想定を踏まえ、復旧の目標期間や応急給水量等、地震対策の目標を以下のように定めました。 1.応急復旧を4週間以内に行います。 断水等の被害が生じた場合には、4週間(28 日)以内に応急復旧ができるよう応急復旧体制の 整備をします。 2.応急給水の目標水量を確保します。 地震発生からの日数 目標水量 (一人/日) 市民の水の 運搬距離 主な給水の方法 3日まで 3リットル 概ね1km 以内 緊急貯水槽、給水車 10日 20リットル 概ね 250m以内 配水本管付近の仮設給水栓 21日 100リットル 概ね 100m以内 配水支管付近の仮設給水栓 28日 被災前給水量約390リットル 概ね 100m以内 仮設配管からの各戸給水、共有栓 3.水道施設の機能の維持を図ります。 耐震性が劣る重要な水道施設においては耐震化を行い、軽微な被害が生じても、一定の機能を 保持することを目標とします。6)耐震化対策の検討
太田市では、平成 20 年度に策定した「太田市水道ビジョン」に基づき耐震化対策を進めてきましたが、 被害想定結果等を踏まえて耐震化対策の優先順位を見直し、必要な事業を優先度 1(短期的)及び優先度 2(長 期的)に区分し、計画的に耐震化を進めることにしました。 出典))日本水道協会、地震対応等特別調査委員会「水道施設耐震化の課題と方策」資料 耐震性を有する継手の例 太田市保有の給水車 NS 形耐震継手 耐震継手 ゴム輪 ロックリング 挿し口突部 挿し口突部が ロックリングに あ た り 、 抜 け 出しを防止4
太田市上下水道局の防災対策
1)非常用保存飲料水について
上下水道局では、平成7年1月の阪 神淡路大震災を教訓に「非常用保存飲 料水」21万本を市内小中学校および 太田市防災倉庫などに分散配備し、災 害時の初期対策の整備を図っています。2)緊急用浄水装置について
プール、井戸、河川の水を手動ポンプ(小型エンジン付)で汲み 上げ、ろ過・滅菌処理し、飲料水を毎時2,000リットルつくる ことができます。これは、1人1日の必要量3リットルとすると、 1台で660人分/時間、16台では10,560人分/時間の飲 料水を作ることができます。 ◎緊急用浄水装置 : 16台 太田区域 各地区行政センター 9台 新田区域 各地区行政センター 3台 尾島区域 各地区行政センター 2台 藪塚区域 南小・中央公民館 2台3)近隣市町村との応援活動
全国的にもいちはやく広域体制に目を向け、両毛6市および周辺 の町と水道災害相互応援に関する協定を締結し配水管の接続を行 いました。 また、水道局と太田市管工事協同組合並びに(株)アドバンストビジネスサービスの3団体は、地震、 風水害その他の災害の発生時における水道施設等の応急復旧に関する協定を締結しました。この締結によ り太田市水道事業給水区域内で発生した災害や、他市町村で起きた大規模災害でも応援要請を受けた場合、 水道施設を早急に復旧し、市民に欠くことのできない水道水の供給に協力できる体制が整いました。 ◎両毛6市水道災害相互応援協定(平成18年7月11日締結) 【桐生市・太田市・館林市・足利市・佐野市・みどり市】 ◎災害時における水道施設の応急復旧協力に関する協定(平成19年4月1日締結) 【太田市水道局・太田市管工事協同組合・(株)アドバンストビジネスサービス】太田市上下水道局
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非常用保存飲料水 緊急用浄水装置みずね みずね