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クレーム対応力の強化法

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Academic year: 2021

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(1)

事例から学ぶクレーム対応強化研修

(施設・デイサービス)

-徹底した事例研修で応用力を身に付けよう-

株式会社

安全な介護

www.anzen-kaigo.com

(2)

keyword 2:クレーム受付で全てが決まる

お客さまがクレームを申し立てる 2 つの条件

①自分の主張が100%正しいと思っている。

②直面している問題があり困っている。

クレーム受付では相手が正しいものとして一旦受け入れる

クレーム受付時の最重要ポイント

①お客様の主張の正当性を認める。

②直面している問題を解決する姿勢を示す。

クレーム申立時のお客の感情

自分のクレームを申し立てている時は自分が正しいと思っている

お客様がクレーム申立という行動に出る条件は何か?

お客様は事業所に対して不満があるからといって、必ずクレームを申し立ててくるわけではありません。多くの

場合我慢して済ませてしまいます。ではお客様はどのような時にわざわざクレームを申し立てるという行動に出

るのでしょうか。

クレーム受付時にこんな対応はNG

・お客様のクレームの主張に疑義をはさむ…「ほんとうに~だったのですか?」

・クレームの原因の真偽を探る…「なぜそうなったのですか?」

・お客様にも非があると暗に言う…「お客様は気付かれなかったのですか?」

(3)

【3】クレーム対応の実践

ある特養のクレーム対応事例

◆次のクレーム対応について、問題点と改善策を討議して下さい。

ある日、特養の事務室の電話が鳴り、事務員の石川さんがとりました。昨日ショートステイか

らご自宅に戻られたご利用者川村さんの息子さんからの電話でした。

「昨日の午後そちらから戻ってきた母の足に傷があったんですが・・・。

」慌てた事務員の石

川さんは、

「相談員の山田がおりますので代わります。

」と答え、

「山田さん、きのうショート

を退所された利用者から電話ですが・・・。

」と電話を生活相談員の山田さんに代わりました。

山田さんが電話に出て、

「相談員の山田ですが、どのようなご用件でしょうか?」と聞くと、

「昨

日そちらから戻ってきた母の足を見たら、足の皮膚が裂けて出血し血が固まっていました。そ

ちらでできた傷だと思うんです。医者に見せたほうが良いかどうかと思って…」と川村さんの

息子さんが答えました。

山田さんは「ショートの事情が分かる者に代わります。責任者の関を呼びますので少々お待ち

ください。」と言って、ショートステイの責任者関さんを呼びました。

【関さん】「お電話代わりました。川村さんの足に傷があったそうで。どんな傷ですか?」

【川村さん】

「右腿の外側の膝の近くが 2 センチくらい切れて、血が出て固まっていました。

どこでどうやってできた傷でしょうか?医者に診せたほうが良いかどうか迷ってるんです。」

【関さん】

「川村さんは昨日午前中お帰りになる前に、入浴させましたが、その時は足の傷は

無かったと思いますよ。そんな傷ができていれば職員が気付くはずです。今はその職員はおり

ませんので、確かなことは判りませんが。

【川村さん】

「帰ってきてからできた傷ではないですよ。家に帰ってきてすぐ気がついたのに、

その時はもう既に血が固まっていたのですから。」

【関さん】

「ご本人にもお聞きになりましたか?ご自分でどこかにぶつけることもありますよ。

明日は入浴を担当した職員が出てきますから、一応聞いてみますけど。」

【川村さん】

(急に大きな声で)

「“誰が傷をつけたか”なんて言っているんじゃない。もうい

いです。あなたじゃ話にならない。施設長と話をします。施設長に電話を代わって下さい。」

事例討議解答欄

■クレーム対応の問題点

■改善策

(4)

【練習問題2】デイサービスでの補聴器の紛失

◆次のクレーム対応について、問題点と改善策を討議して下さい。

●利用者の状況

88歳、女性、要介護5、既往症:平成 5 年パーキンソン病、子宮全摘出、このころより寝たきり状態、平成 9 年よりレビー小体型認知症、ADL:拘縮も強まり自力で動くことはなく生活全般に全介助、歩行不可、立位の際 は二人介助、食事ミキサー食にて全介助、発語なし、コミュニケーションはこちらの問いかけにうなずく程度、デ イでは座位で過ごす、補聴器使用、送迎にはリフターを使用し、自宅前の階段は運転手と助手で抱えて移動、玄関 で自宅用の車椅子へ移乗しヘルパーに引き継ぐ。 デイサービスは週 1 回利用、他に訪問看護週 1 回、訪問介護週 5 日利用している。

●クレームの申立内容

デイサービスからの送迎帰宅後、1 時間後くらいに家族より電話があり事務職が電話を取る。「デイサービスから 帰ってきたら補聴器が無くなっている」とクレームを言われる。すぐに相談員に電話を代わり詳しくお聞きすると、 「朝デイサービスに行く時には装着していたはずだ。難聴がかなり進んでいるので困る」と言われる。

●クレームへの対応状況

「自宅の前などを捜して下さい」とお願いして電話を切るが、10 分後に「自宅付近を捜したが見つからない」と 再び電話が入る。デイルームと送迎車を捜すが発見できず、家族にその旨連絡する。職員に確認すると、送迎の 15 分前にトイレに行った時は確かに補聴器を着けていたと確認が取れるが、お送りした時には確認はしていない とのこと。帰宅時の様子を確認するため、訪問介護のヘルパーの連絡先をお聞きする。訪問介護のヘルパーに電話 して帰宅時の様子を聞くと、「玄関でデイサービスの職員と交替し、居室まで車椅子でお連れして、ベッドに横に なって初めて補聴器がないことに気付いた」とのこと。ヘルパーにベッドの周りを捜して欲しいと伝えると、少し ムッとして「玄関からベッドまでの廊下と車椅子、ベッド周りも良く捜したが見つからなかった。」と答える。ヘ ルパーに確認を取った後家族に電話を入れ、「こちらも職員で捜してみるのでご自宅や付近を、もう一度捜しても らえませんか?」と電話で依頼すると家族は了解してくれた。 翌日、ケアマネジャーに報告し相談するが、「もう少し念入りに捜して欲しい」とのことであった。3 日後に所長 が家族に電話を入れて、「職員でデイサービス内を捜したが発見できない。補聴器の価格を教えて欲しい」とお願 いすると、価格は 12 万程度とのこと。保険会社に連絡すると、保険金請求には警察への紛失届けが必要で、すぐ には支払いにはならず一定期間発見を待つとのこと。その後もデイを利用するが補聴器は発見できなかった。2 ヵ 月後家族から「市に相談したら100%市の補助で補聴器を新調でき自己負担はなかった」と報告があった。翌日 所長が自宅を訪問し補聴器の紛失について謝罪し、家族も納得してもらった。

事例討議解答欄

■クレーム対応の問題点

■改善策

(5)

【第 2 部】クレーム対応スキルの応用編(グループ討議)

クレームはその内容・要求・申立者も様々です。場合によっては、真摯な態度で対応してはいけないケースもあります。様々なクレーム

事例を参考にして、対応方法の標準化・ルール化を行っていく必要があります。特に下記のような特殊なケースの場合は、通常の対応で

は解決しません。

(下記のケースは家族または認知症のない利用者のクレームの場合です)

特別な対応を必要とするケース

対応のポイント

■具体的に何を要望しているか分からないケース

直面している問題がないのにクレームを言ってくる場合など。

「職員の言葉遣い悪い」「お辞儀の仕方が悪い」など、他人に余計なお世話を焼きた

がるタイプの人が多い。他人に認められたい、自分を誇示したいという欲求の現れ

と思われるので、職位の高い人が感謝の意を表し丁重に扱う。

■申立の意味が理解できないケース。

申立者の理解力や知的能力に問題がある場合など

老老介護の配偶者や精神疾患を抱えた家族などで、クレームを申し立てているが内

容が良くわからない場合がある。「お困りのことはありますか?」などと声を掛けて

あげることで、ニーズがハッキリする場合がある。

こちらの説明が理解されない場合も多いので、ていねいに繰り返し説明し、理解を

確認すると共に、説明した内容を文書で保管することも大切です。

■些細なことでクレーム申し立てるケース

通常クレームにならいような小さな問題を申し立てる場合な

ど。

通常クレームにならないように些細なことで、クレームを言ってくる人がいます。

このケースは、「他に不満があってその代償行為としてクレームを申し立てる」ケー

スと、

「日常的に小さな不満を溜めていて、些細なことで爆発するケースがあります。

本当のクレーム要因は違うところにありますので、これを見つけることが大切です。

■権利の主張が強い人のクレーム

正当な主張ではあるが一般慣行など考えず厳格な自己主張を

する。

小さな問題でも自分の権利を強く主張し、執拗に責任追され文書での謝罪などを要

求します。申し立て内容は正当であるため反論できません。不用意な発言をすると

かえって事が大きくなり、国保連などに苦情申し立てをします。管理者が丁重に謝

罪し、「相手に付け入る隙を与えない慎重な対応」が必要です。

■職員の不正が疑われているケース

虐待の嫌疑や盗難の嫌疑など職員の不正が疑われる場合

職員の不正が疑われた場合には、相手にその重要性を再認識させ、管理者が調査と

報告の約束をします。後日が管理者自ら調査結果を報告しますが、不正の確証がな

ければ、「不正はない」という結論を報告し調査状況なども説明し理解を得ます。ど

ちらとも答えを出さないで中途半端にしては絶対にいけません。

■明らかに要求が不当であると考えられるケース

悪意の金銭目的のクレーム。常習者をクレーマーという。

クレーム受付時または、交渉の経過で明らかに根拠のない不当な金銭要求があった

場合は犯罪性が問題となります。ですからその旨を相手に通知し、断固として要求

を受け入れないことが大切です。しかし、相手によっては交渉窓口を本部に切り替

え、顧問弁護士や警察などと連携して対応すること必要になります。

(6)

事例で学ぶクレーム対応3

■クレーム事例/認知症利用者の写真を広報誌に掲載した特養

利用者の状況

Uさん 85 歳 女性

要介護度/4 認知症/重度

歩行/車椅子 食事/半介助 排泄/誘導 入浴/全介助

既往症/脳梗塞後遺症・心不全・狭心症

■特養に入所して 10 年目。キーパーソンは長男だが、他に 3 人兄弟がおり時々意見

が異なるため、トラブルになることがある。

クレーム内容

特別養護老人ホームS苑では、「S苑便り」という施設の広報誌を月 1 回発行しています。家 族を中心に配布しており、できるだけ利用者の生活の様子が伝わるように、写真なども掲載 し生の情報が伝わるように努めています。また、「地域に開かれた施設を目指す」という施設 の方針から、地域の自治会や町会、在宅支援センター、地域包括支援センター、在宅ケアマ ネ、福祉センターなどにも送付しています。もちろん、利用者の写真や氏名の掲載について は、本人と家族の了解を得ることも忘れないようにしています。 ある月の「S苑便り」で、利用者のお気に入りの物を紹介することを企画し、Uさんが大切 にしている赤ちゃんの人形を紹介するため、人形を抱いて微笑んでいるUさんの写真を掲載 することになりました。家族の許可を得るために相談員の高本さんが、Uさんのキーパーソ ンである長男に電話で企画の内容を話し、Uさんの写真の掲載許可をいただきました。 ところが、翌月S苑便りが発行されてしばらく経って、Uさんの次男の方からUさんの写真 の掲載についてクレームがありました。 Uさんの次男はこう言いました。「近くの福祉センターに用事があって言ったら、パンフレッ ト立てにS苑便りが置いてあって、うちの母の写真が大写しで載っていた。しかも、赤ちゃ んの人形を抱いて薄笑いを浮かべていて、あれでは痴呆だと分かってしまう。一体誰の許可 を得て、掲載しているのか?」

対応状況

施設長は、「掲載の許可はキーパーソンのご長男にいただいているので問題ない」と、説明し ました。次男は納得して電話を切りました。 1 週間ほどして、キーパーソンの長男から電話がかかってきて、次のようにクレームを言われ ました。「弟から母の写真について文句を言われた。『母の写真を掲載するから許可が欲しい』 と言われたが、赤ちゃんの人形を抱いている大写りの写真だとは思わなかった。配慮が足り ない。それにN苑だよりが福祉センターのパンフレット立てに入っているとは思っていなか った。そんな誰の目にも触れるような場所に置くことは、ちょっと常識に欠けるのではない か?」 施設長は、「今後Uさんの写真は掲載しない、福祉センターにはパンフレット立てに置かない ように注意する」と約束して、次男の納得を得ました。

事例討議解答欄

■クレーム対応の問題点

■改善策

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