20.多
胎 児 の 親 が 必 要 とす る
保健施 策情報 の提供方法
札幌 医科 大学 医学部 附属病 院 ○松 谷 涼 子 Iは じ め に 高 度 医 療 技 術 の 進 歩 に よ り多 胎 児 の 出 産 が 増 加 し て い る 。 石 村 は 「多 く の 施 設 で は 単 胎 妊 娠 の 指 導 内 容 を 参 考 に し て 保 健 指 導 が 行 わ れ て い る の が 現 状 で あ り、 多 胎 妊 娠 の 実 状 に 即 し た 情 報 提 供 の 必 要 性 が 高 ま っ て い る 」1)と 述 べ て い る。 多 胎 を 妊 娠 し 、 出 産 ・育 児 す る母 親 や 家 族 は 様 々 な 不 安 を 訴 え て い る 。 そ こ で 当 科 で 品 胎 を 出 産 した 初 産 婦 に行 っ た 援 助 を 分 析 し、 ど の よ う な 保 健 施 策 情 報 を 必 要 と して い て 、 どの よ うな 時 期 に 情 報 を 提 供 す る こ と で 活 用 しや す い の か 調 査 し 、 示 唆 が 得 られ た 。 今 後 の 多 胎 妊 婦 へ の 指 導 に 役 立 て た い 。 II.研 究 期 間 お よ び 方 法 当科 で 平 成11年1月11日 に 品 胎 を 出 産 した 一 事 例 へ の 援 助 の 分 析 を行 っ た。 さ ら に イ ン タ ビ ュ ー を 実 施 しそ の 結 果 を分 析 し た 。 III.事 例 の 紹 介 A氏:36歳 の 初 産 婦 で 元 看 護 婦 で あ る 。 夫 は33歳 で 放 射 線 技 師 。 今 回 の 妊 娠 ・分 娩 経 過:不 妊 症 の 治 療 後 に 品 胎 を 妊 娠 す る 。 妊 娠35週+1日 で 、 帝 王 切 開 術 施 行 と な る 。 第 一 子 は 、 男 児1960g、 第 二 子 は 、 女 児21 90g、 第 三 子 は 、 女 児1520gで 右 手 指 に 欠 損 を 伴 う外 表 奇 形 あ り。 産 褥 経 過:A氏 の 術 後 経 過 は 順 調 で 、 産 後11目 に 第 二 子 と と も に 退 院 とな る 。 第 一 子 と第 三 子 は 経 過 順 調 で 、 生 後1カ 月 目 に 退 院 とな る。 支 援 に つ い て:退 院 後 は 、A氏 の 実 家 の2階 に 親 子 五 人 で 居 住 し、 階 下 に はA氏 の 実 母 が 居 住 して い る 。 夫 は病 院 勤 務 で 日中 勤 務 だ が 、 夜 間 、 休 日 等 に 時 々 呼 び 出 し が あ り臨 時 出 勤 す る こ と が あ る。 家 事 ・育 児 全 般 に つ い て 協 力 的 で あ る。 実 母 は 体 調 不 良 にて 毎年2∼3か 月 程 度入 院 して い る。A 氏 が 実母 の看 病 をす る時 も あ る。 実妹 が 一人 遠 方 に住 んで い る。 IV.保 健 施策 情 報 の 提供 の実 際 妊 娠8週 時 に品胎 と診 断 され 、母 子健 康 手 帳 の 交付 につ いて 説 明す る。A氏 は 、説 明 当 日に3冊 も らって い る。 そ の 際保 健 セ ン ター で 双胎 の育児 サー クル を紹 介 され 、す ぐに紹 介 され たサ ー クル に電 話 で 問い 合 わせ をす るが 、妊 婦 か らの相 談 は 受 け付 けて い な い 、ま た 、対 象 は 双胎 で あ るこ と、 入 会 は 出産 後 で あ る こ とな どを説 明 され 、A氏 は 落 胆 してい た。 妊 娠11週 で切 迫 流産 の た め入 院 した 時 に、4年 前 に 当科 で品 胎 を 出産 したB氏 を 双方 の 了解 の元 に紹 介 した。A氏 は、 す ぐにB氏 と連 絡 を取 り、妊 娠 中か ら不 安等 の相 談 を して い て 「精 神 的 に とて も助 け られ た」 と言 っ てい た。 また 、母 子健 康 手 帳 に添 付 され て い る妊 産婦 健 康 診査 票 は外 来通 院 時 に使 用 可能 な た め 、 多胎 妊婦 は合 併 症 な どの た め入 院 期 間 が長 くな る傾 向 にあ るの で 、 出来 るだ け早 い 時期 の使 用 を促 して い て、 A氏 も妊娠 初 期 に使 用 出 来 て いた 。 母親 学 級 に つ いて は 、A氏 は 、 単胎 妊 婦 の た めの 母親 学級 で あ れば ほ とん ど役 に 立た な い だ ろ う との こ とで 希 望 して い な か った た め、 外 来通 院 や 入 院 を利 用 して 個 別 指 導 した こ とで 当科 の母 親 学 級 の 内 容 は網 羅 され た。 そ の 他 に1度 目の入 院 時 に 、多 胎 児 の 育 児 サ ー クル の 紹 介 ・品 胎 を持 つ 母 親 の 紹 介 を行 っ た。 さ らに2回 目の入 院 の際 に児 童 手 当 、 出産 手 当金 ホ ー ムヘ ルパ ー 、育児 で 困難 が 予想 され る事 とを 中 心 に保 健指 導 した。 出産 後 は 乳幼 児 医 療助 成 制 度 ・乳 児健 診 ・予 防接 種 な ど児 の健 康診 査 な どの 予 定 につ い て指 導 した。 また 、 退 院後 電 話訪 問 と家 庭訪 問 を実施 した 。V考 察 A氏 は 、提 供 され た情 報 を活 用 しよ う とす る意 識 が高 か った 。 しか し、提供 され た情 報 が提 供 時 期 と活 用 した い時 期 にず れ があ る場 合 、逆 にA氏 に混乱 を与 えて いた。 初 め て紹 介 され た育 児 サー クル を、利 用 す るた め に連絡 を取 った 時期 が 早す ぎた等 が あ り落胆 して い る。 これ は、 そ の後 に社 会 資源 の利 用 を進 めよ うとす る時 に、 時 々 この時 の体験 談 が 出て きて い る こ とか ら第一 印象 と して 悪 く、 他 の資源 を活用 す る時の た め らい にな って いった。 その た め、情 報 を提 供 す る場 合 、事 前 に そ の情 報 につ い て調 査 し、 た とえばそ の サー クル の特徴 な どを十分 に把握 して 、対 象 の妊娠 時 期 、 さらに利用 で き る距 離 に ある か、対 象 が必 要 と し てい る情 報 であ る か等 を査 定 して 提供 す る必 要 が あ る。 育児 サ ー クル につ い て は、 多胎 児 の場 合 、 流 産や 死産 の割合 も単胎 に比べ て 多い こ とか ら、 早期 に紹介 す る ことで児 の 出生 に期待 を持 ち、流 産や死 産 の様 に 不幸 な結 末 に な った場 合 の悲 嘆が 大 きくな る ので は ない か と懸念 してい たが 、A氏 に よる と仲 間か らのサ ポー トが ある ので早 くか ら 入会 して い た方 が 良い ので は ない か と言 って いた, また 、多胎 で も双 胎 と品胎 で はサ ー クル よ って対 象 を限 定 して い る場 合 が あ るので 十分 内容 を把 握 しな いで紹 介 す る と混乱 を発 生 させ る事 が ある こ とが分 か った。 また 、市 内 にい くつ か の育 児 サー クルが 存在 して いた が 、徒歩 圏 内 、ま たは 、母 親 が 一人 で三 人 の子 を乳 母 車 な どで移 動 で き る程 度 の 距離 で な けれ ば利用 しに くい と言 ってい た。A 氏 の場 合 、 近 隣に サー クル が無 く、全 国の 三つ 子 を持 っ親 を対象 者 に してい る育 児 サー クル に加 入 してい た。 電話 やFAX、 手 紙 を利 用 して サ ポー トしあ って い た。 そ こで 同 じ立 場 の人 た ちに会 え、 い ろい ろな 情報 を得 る こ とが出 来 、気 分転 換 にな る育 児 サー クル が 欲 しい 、 と希 望 して 地域 の保 健 セ ンター に働 きか けて 、 現在 そ のサ ー クル が発 足 しつつ あ る。 小 池 らは 「多胎 児 を持 つ 母親 が どの よ うな情 報 が あっ た ら よいか につ い て は、 多胎児 の育児 経 験者 の 体験 談 」2)と してい る こ とか ら も B氏 の様 な先 輩 の母 親 はA氏 に とって心 強 い精神 的 支援 者 と して求 め られ てい る とい え る。 また 、 小池 らは 「医 療職 に精 神 面 で のサ ポー トを求 め る 声 もあ っ た」2)と い う事か らもい つ で も相 談 に対 応 し、 三人 の成 長 を共 に喜 び合 える 医療従 事 者 が 存 在 す る こ とで母 親 の安 心感 につ なが る。 多 胎妊 娠 の 場合 、切迫 流 早産 ま た は、合 併 症 に よ り入 院期 間 が長 期 にな る妊 婦 が多 い。 行 政 サ ー ビス等 は 申請 しない とサー ビス を受け られ な い も の もあ り、 児 童 手 当 ・出産 手 当金 ・乳幼 児 医 療助 成 制 度 ・養 育 医療 に つい て は早 期 か ら知 って お き たい 内容 で あ る、 と して い た。 事 務 上 の手続 き な どが ス ムー ズ に進 む よ うに妊 娠 初 期 か ら、 いっ ど の よ うな書 類 が必 要 で、 ど こに行 か な けれ ば な ら ない か等 を本 人や 夫 を 中心に 説 明 して お くこ とが 必要 で あ る。 また 、 育児 ・家 事 協 力 が必 須 で あ る 多 胎児 の父親 に対 しては 父親 学 級等 の紹 介 も必 要 もあ る。 ホ ー ムヘル パ ー につ い て は、A氏 は 利 用 して い なか っ たが 、急 に利 用 しな くて は な ら ない 事態 が発 生 す る場 合 があ るので 一 覧表 等 は常 に 用 意 して置 い た方 が 良 く、 育児 指 導 の時 の紹 介 で役 立て られ る と して い た。 次 に保 健 セ ンタ ーで の 健 康 診 査や 予 防接 種 につ い ては 、 出生 前や 児 の 退 院 前 に説 明 され て も混 乱 して しま うので 、1か 月健 診 等 の時 に情 報 を提 供 され る こ とで今後 の予 定 を 立てや す い。 多 胎妊 娠 と診 断 され 時 か ら対 象 が 必 要 とす る各種 保健 施 策情 報 を妊 娠 時 期 を考 慮 して、 的確 に提供 す る こ とが 必要 で あ る。 現 在 、 各妊 娠 時期 に合 わせ た情 報 情報 が出 来 る よ うに保健 施 策 の一 覧表 を作成 し、 外来 初 診 時 か らの情 報提 供 を開始 して い る。 VIま とめ 1.妊 娠初 期 か ら、 各種 保 健施 策 の活 用 方法 、利 用可 能 な多 胎児 の育児 サ ー クル を紹 介 、希 望が あれ ば多 胎 を持 つ 先輩 母 親 の紹 介等 の 情 報提 供 が必 要 で あ る。 2.出 産後 には 、ヘル パ ー の存 在 、児 の 健康 診 査 や 予 防接 種 につ い て の情 報提 供 が必 要 で あ る。 3.各 種保 健 施策 や サー クル等 は そ の特 色等 を把 握 して情 報 提供 す る。 【引用 ・参考文 献】 1)石 村 由利 子: 多胎 妊娠 に対す る周産期 母子保 健指 導, 周産 期 医学, 30(2), 186-190, 20 00 2)小 池和世 他: 多胎 児 を持つ母 親の 育児 の現状 と 必要 と されて い る入 り医療職 か らのサポー ト 母性衛 生40(3), 181, 1999 3)松 谷 涼子: 双 子 を持 っ家族 へ の援助 看護 の コツ と落 と し穴 小島操子編 女性 母性 看護 中 山書店 110-111, 2000
21.双
胎 妊 娠 ・育 児 を助 け る夫 の 実 態 調 査
京都 第二赤 十字 看護専 門学 校 ○宮 田 隆 子 京都 第二赤 十字病 院 天 谷 眞 紀 1.は じめに 近 年 、不妊 治療 に おい て排 卵誘発 剤 の使 用や 体 外受精 等の 生殖 医療 技術 を実 施す る機 会 が増 え、 双胎 妊娠 が増 加 の傾 向 にあ る。 双胎 妊娠 は一回 の 妊娠 、 分娩 で2人 の子 どもを得 られ る喜び が あ る 反 面、妊 娠 中毒症 、早産 、低 出生 体重児 等 の危 険 が 高い。 現在 、双 胎妊 婦 に対 して安 産 教室や 家 族 を含 めた 育児教 室 、地域 で の育児 サー クル の試 み が報告 され てい るが、 まだ双胎 研 究 は少 な く母 親 や 家族 の様 々 な要望 に応 じ られ て い ないの が現 状 であ る。 この ほ ど私 た ちは双胎 を もつ 家族 を援 助 す る視 点 か ら、妊娠 を知 らされた 時 の夫 の 気持 ち と、妊娠 や 育児 に際 し妻 に とって 最 も重要 なサ ポ ー ト提 供者 で あ る夫 を支 援 した者 とその 内容 を知 る ことは、 これ か らの医 療職 の保健 指導 に生 かせ る意 味 が大 きい と考 え この研究 に 取 り組 んだ。 II.研 究 ・分 析 方法 1998年11月 ∼1999年9月 にN病 院 で単胎 出 産 を した妻 を もつ夫71名(全 員 初産 婦 の夫)と 双胎 出産 した妻 を もつ夫39名 、M病 院 にて 双胎 出産 を した妻 を もつ 夫24名(双 胎 初 産婦 の夫29 名 、双胎 経産 婦 の夫34名)の 総数134名 を対象 に 、郵送 によ る留置 法 にて 、独 自に作成 した 質問 紙 を用 いて調 査 した。 郵 送 に際 して は、予 め電 話 にて夫婦 にア ンケー ト依 頼 の許可 を得た。 分析 方 法 は χ2検定 を使用 した。 III.結 果 1)年 齢 構成 夫 と妻 の年 齢 は 単胎 の 夫30.1 ±3.8歳(21∼37歳)単 胎 の妻231±33歳(22 ∼36歳) 、双胎の夫33.1±4.2歳(25∼44歳) 双胎 の妻30.1±3.7歳(18歳 ∼37歳)で あ った。 2)妻 が妊娠 して いる と知 った時 の夫 の気 持 ち 単 胎 の 夫 は 嬉 しか っ た90.1%不 思議 な気 持 ち だ っ た31.0%に 対 し 、 双 胎 の 夫 は 嬉 し か っ た 57.1%で 喜 び の気 持 ちが少 な く、驚 い た57.1%不 安 心配 だ った33.3%不 思議 だ っ た31.7%戸 惑 っ た23.8%と 複 雑 な 気 持 ち を抱 い て い た 。 な か に は嫌 だっ た、 シ ョッ クだ った と否 定 的感 情 を もつ 夫 もいた(図1)。 図1.妻 が妊娠 して い ると知 ら され た時 の夫 の気 持 ち 3)夫 は妻 の妊 娠 中、 出産 後 どこか らサ ポー トを 得 た の か 妊 娠 中 、身 近 な妻 の 両親 か らサ ポ ー トを得 た と 答 えた の は単胎 の夫90.1%双 胎 初 産婦 の 夫86.2% 双 胎 経 産 婦 の 夫73.5%で あ っ た 。 出産 後 、 単 胎 の 夫 は93.0%双 胎 初 産 婦 の 夫 は93.1%が 妻 の両 親 か らサ ポー トを得 て いた が 、双 胎経 産 婦 の夫 は 76.5%で あ った(p<0.05)。 夫 の両 親 か ら妊 娠 中 サ ポ ー トを 得 た と答 えた の は 、単 胎 の夫71.8% 双 胎初 産 婦 の 夫69.0%双 胎 経 産 婦 の 夫47.1%で あ り(P<0.05%)、 出 産後 は単 胎 の 夫77.5%双 胎 初 産 婦 の 夫82.8%双 胎 経 産 婦 の 夫61.8%が 得 て い た。兄弟 ・姉 妹 か ら妊 娠 中 サ ポー トを得 た の は、 単 胎 の 夫52.1%双 胎 初 産 婦 の 夫31.0%双 胎 経 産 婦 の 夫41.2%で あ り、 出産 後 は 単 胎 の 夫62.0% 双 胎 初 産婦 の夫51.7%双 胎 経 産婦 の夫50.0%が サ ポ ー トを得 て い た。 友 人 ・隣 人 か らは妊 娠 中サ ポー トを得 られ た 人 は30%と 少 なか った が 、 出 産後 は単 胎 の 夫59.2%双 胎 初 産 婦 の 夫44.8%双 胎 経 産 婦 の 夫47.1%が サ ポー トを得 て い た 。 医師 か ら妊 娠 中サ ポー トを得 られ たの は、 単胎 の 夫 45.1%双 胎 初 産 婦 の 夫51.7%双 胎 経 産 婦 の 夫 17.6%で あ り(p<0.01)、 助 産 婦・ 看 護 婦 か らサ ポ ー トを得 られ た の は 単胎 の夫46.5%双 胎 初 産 婦 の 夫65.5%双 胎 経産 婦 の夫50.0%で あ っ た。 出産後 医 師 か らの サ ポ ー トは単 胎 の 夫47.9%で あっ た が 、双 胎 初 産 婦 の夫24.1%双 胎 経 産 婦 の 夫17.6%と 少 な か っ た。 助 産 婦 ・看 護 婦 か らサ ポー トは、単胎 の夫45.1%双 胎 初 産婦 の 夫72.4% 双胎 経 産婦 の 夫47.1%で あっ た(図2)。 図2.妊 娠 中、出 産後 に医師 、助 産婦か らのサ ポー トを得 られた と答 えた夫 サ ポー ト内容 は 身近 な 両親 か らは、精神 的 ・金 銭 的 ・物 質的 支援 、家 事 の負 担 が多 か った が、 単胎 に比べ 双胎 の 夫 は支 援 して も らった と答 えた の が 少 なか っ た。 医療職 か らは、精神 的支援 、 情報 提 供 、相 談相 手 、 具体 的 ア ドバ イス が得 られ た と答 えたの は 、単胎 に比 べ双 胎 の夫 が少 な か った。 IV.考 察 双 胎 の 夫 は 妻 が 妊 娠 して い る と知 ら され た と き、嬉 しさよ りも不安 や 戸惑 い の気 持 ちが 大 き く、 これ か らの育児 へ の 心配 を してい た。墨1)は 自ら の体 験 よ り、妻 が妊 娠 、育児 期 に重 要 なサ ポー ト 提 供者 で あ る夫 へ の 多胎 育 児 の情報 不 足 をあ げ て い る。 医療職 は双 胎 の夫 に 情報 を提 供 し、 育児 書 や イ ンター ネ ッ ト、セ ル フヘ ル プ グルー プ を積 極 的 に紹介 す るこ とが必 要 で あ る。 双 胎 の夫 は妻 の 妊 娠 中 、精神 的 ・金銭 的 ・物 質 的支 援 、家 事 の支 援 を身近 な両親 や 兄弟 ・姉妹 か ら得 てい た。 しか し、 単胎 の 夫 に比 べ双 胎 の 夫が 、 その 中で も初 産 婦 よ りも経 産婦 の夫 がサ ポ ー トを得 られ なか った と答 え た。 ま た 医療 職 に精神 的 支援 、情 報 提 供 、 相 談相 手 、 具体 的 ア ドバ イ ス を得 られ た と答 え た のは 双胎 初 産婦 の夫 が高 か った。 しか し、 双胎 経 産婦 の 夫 は助産 婦 ・看護 婦 か らは半数 がサ ポー ト を得 られ た と答 えた が 、医 師 か らは8割 以 上 が 得 られ な かっ た と答 えた。小 此木2)が言 うよ うに、 米 国 ほ ど夫婦 中心主 義 が確 立 してい ない我 が 国 で は、そ れぞ れ の実家 との濃厚 な 関わ りの 中 で両親 や兄 弟 か ら支援 を受 け てい る状況 がみ られ た。 し か し、 双胎 の経 産婦 の夫 は家族 の関 わ りや 医療 職 か らの サポ ー トが少 な いた め、 医療職 は今 以上 に 保健指 導 の 充実 が必 要 であ る。 出産後 の育 児 にお い て も、双胎 経 産婦 の夫 は双 方 の両親 か らサ ポー トを得 ては い る もの の単胎 、 双胎 の初 産婦 に比 べ て少 な く、医療職 か らのサ ポー トも少 なか った 。 妊娠 中積 極 的に 関わ っ た夫 は、父親 にな ってか ら も育 児 への 関心 と関 与 は多 くな り、妊娠 時 か ら夫 が母 子 に関 心 を よせ るよ うにな る。 医療 職 は双 胎 の夫 の保健 指 導 に意識 的 に取 り組 む こ とが重 要 で あ るが 、特 に双胎 経産 婦 の夫へ の関 わ りを重 視 し、 妻 の健診 時 か ら夫が 同伴 し保健 指導 を共 に受 けや す い環境 を整 えてい くこ とが必 要 であ る。 V.結 論 1.双 胎 の 夫は 、妻 の妊娠 判 明時喜 び よ りも驚 き や 不安 心配 とい った複 雑 な気持 ちを持 つの で、 早 期 か ら情 報提 供 をす る必要 が あ る。 2.双 胎 の 夫 は 、妊娠 中や 出産 後 の 育児 を妻 の 両親 に一番 サポ ー トを得 てい た。次 い で 自分 の 両 親 、兄弟 ・姉 妹 であ った。 家族 か らは精神 的 ・金 銭 的 ・物 質 的支援 、家 事 の負担 の サポ ー トを得 て お り、医療職 か らば 情報提 供 、具体 的ア ドバ イ ス、 精神 的支援 、相 談 相手 のサ ポー トを得 てい た。 3.妻 の妊娠 中 、特 に双胎 経産 婦 の夫 が身近 な 家 族 か ら と医療職 か らのサ ポー トが少 な いの で保健 指導 の 充実 が必要 で あ る。 4.出 産 後 も双胎 経産 婦 の夫 が、家 族 と医療 職 か らのサ ポー トが少 な い。夫 の育 児へ の 関心 は妻 の 妊娠 期 か ら始 ま るの で、双 胎 と判 明 した経産 婦 の 夫 には一 緒 に保 健 指導 が受 け られ る よ うにす る こ とが、 大切 であ る。 引用 文献 1)墨 威 宏 ツイ ンズMLパ パの 会:ふ た ご ・ み つ このお 父 さんへ,208,ビ ネバ ル 出版,2000. 2)小 此木啓 吾:周 産期 の臨床 と父親 の役割,周 産期 医 学,18(1):555,1988.
22.早
産 児 を出産 した母 親 の もつ 不 確 か さ
杏林 大学医 学部 付属 病院 ○木 下 千 鶴 は じめ に 不確 か さとは 、Mishelに よれ ば 「疾 患 に関 連 した 出 来 事 の 意 味 を 確 定 す る た め の 能 力 の 無 さ」で あ り、 「人 間 が 充分 な手 が か りの 欠如 に よ って あ る出来 事 を適 切 に 構 造 化 あ る い は カテ ゴ リー 化 で き な い 時 に 生 じ る認 知 的 な 状 態 で あ る」 と され て い る。 そ して 急性 期 疾 患 を持 つ 成 人 を対 象 と した研 究 は多 い が 早産 児 を もつ 母親 につ い て は殆 どな か っ た。 しか し既 存 の研 究 や 研 究 者 自身 の経 験 か ら、 MCUに お いて 、早産児 を もつ母親 は 、出産 に よ り生 じる様 々な もの ご とに、 自分 な りの意味 が見 い 出せ ず、子 ど もの将 来へ の不 安や親 として の 自 分へ の 無力感 を もって いた。 そ こで本研究 で は,概 念分 析 か ら、 不確 か さは 認知 的状 態 であ り、人 間が 生 きて い く上で 日常普 遍的 に存 在す る、持続す るプ ロセ スで あ り、様 々 な感 情 、例 えば不 安 、恐怖 といっ たネ ガテ ィブ な 感 情 や 、喜 び、楽 しみ といっ たポ ジテ ィブ な感 情 を もた らす契機 とな り、 さ らに行動 に も関わ って くる ことで あ る と捉 えた。 中で も、早産 児 を持 つ 母 親 の不確 か さを 「早産 児 出産 を契機 と して 母親 が出会 うさま ざまな内 的外 的 な ことが らにつ い て、 これ まで の経験 を用い て も、現在 生 じて い るこ と や 過 去 に生 じた状 況、 或は 将来 に 向けて の予 測 に 対 して、 自分 に とって の意 味が付 与で きない 状態 で あ る」 とい う意 味で 用い る こ と とした。 そ して 目的 として早 産児 を出産 した母親 が 、 ど の よ うな物 事 を不確 か さ"と 捉 えて い るのか を記 述 す る こ とと した。 1対 象 在 胎 週数26∼34以 前 に出 生 し、2週 間 以上保 育器 で保 育 され る と予 測 され る子 どもを 出産 し本研 究 の主 旨に 同意 を得 られ た母 親16名 。 分娩 様 式 は問 わ ない が 、産褥 期 の 合 併症 、過 去 にハ イ リス ク児 を出産 した経験 を もた な い もの と した。 また 、子 どもが 出生 時 か ら予 後不 良、 あ る い は後遺 症 を残 す こ とが 予測 され る場合 は除 いた。 2調 査 方 法 子 ど も と の 初 回 面 会 か ら退 院ま での 期 間,Grounded Theory Approachを 参 考 に 、参 加 観 察 法 とイ ン タ ビュ ー に よ っ てデ ー タ 収 集 を行 っ た。 参 加 観 察 ・面接 の 開 始 時 期 ・頻 度 は対 象 に よ っ て一 定 しな か っ た が 、 参 加 観 察 は初 回 ∼2回 目の面 会 時,イ ン タ ビ ュー は 出産 後4-5日 目に 開始 し、退 院 ま で 実 施 した。 初 回 面 会 か ら保 育 器 収 容 中 の 内 容 を 分 析 対 象 と し て継 続 比 較 分 析 を参 考 に 、研 究 目的 に そ って 質 的 に分 析 した 。 3倫 理 的 配 慮 研 究 者 の 在 学 して い た 大 学 倫 理 委 員 会 にお いて 承 認 され た 方 法 に則 り、施 設 及 び 職 員 、母 親 に 口頭 に て研 究 の 主 旨 ・内 容 等 を説 明 し承 諾 を得 た 。 III結 果 早 産 児 を 出 産 した母 親 の 不 確 か さに は 、'と り ま く環 境 に 関 連 す る不 確 か さ''自 分 自身 に 関 連 す る不 確 か さ'子 ど も に関 連 す る不 確 かさ'と い う3つ の側 面 が あ っ た。 各 々の 下 位 カテ ゴ リー に つ い て は 表 に 示 した と お りで あ る。 ' と りま く環 境 に 関 連 す る 不 確 か さ'と は 、 "NICUと い う場" 、 例 え ば 【NICUそ の もの 】 の規 則 や 【看 護 婦 との 関 わ り】 や 入 院 して い る 【他 の親 子 との 関 わ り】 な どに つ い て もつ不 確 か さ で あ っ た。 `自分 自身 に 関連 す る不 確 かさ'と は 、子 ど
もが生 ま れ る まで の 【母親 と して の これ まで の あ りかた 】や 、現 在 、母 親 と して の 【自分 自身 のお かれ た状 況 】。あ るい は子 ども を育 て て い く 『母親 と して の カ 』 な ど母 親 自身 に か か わ る も ので あ った。 ' 子 ど もに 関連 す る不確 か さ'は 、 見 た事 も ない よ うな小 さな 未 知 の 存 在 で あ り、特 別 な 医 療 や ケ ア を必 要 とす る"未 熟 児 で あ る こ ども"、 自分 の胎 内 で 育て 産 んだ 、 他 の 子 とは 取 り替 え の きか な い わ が子 と して の"自 分 の 産 ん だ 子 ど も"、両者 の重 な る部 分 で あ る"未 熟 児 であ る 自 分 の産 ん だ子 ども"と い う3つ の側 面 が あ った。 IV考 察 明 らか に され た 不確 か さは 時 間的 な経 過 や 看 護職 な ど他 者 との 関 わ りに よって 確 か に な る こ と といず れ に よっ て も確 か に しえ な い事 とい う 特性 が あ った。 例 え ば子 ど もに な され て い る ケ アや 医 学 的 な 処 置 ・検 査 につ い て の 不確 か さは 、看 護 職 等 の 情 報提 供 に よ りす ぐに 確 か に な っ た。 ま た、 子 ど も との 関わ りを重 ね る事 で 、子 ど もの行 為 の 意 味 や 、母 親 自身 の こ ど も と関 わ る力 を確 か な もの に してい った 。 そ れ に よ り母 親 は安 心 して 子 ど も との関 わ り を広 げ 、 子 ど もに関 す る様 々な 不確 か さを確 か な もの と し、 さ らに子 ど も と関 わ る力 を確 か に して い た。 ま た 、過 去 ・将 来 に渡 る不確 か さ、例 え ば母 親 と して の これ ま で の あ り方 の 是 非 や 、今 後 生 じ得 る障 害 等 の子 ど も の成 長発 達 に 関す る不 確 か さは確 か に しよ うの な い もの で あ っ た。 しか し、不 確 か さ に伴 っ て生 じ る感 情 は 、 時 間 経過 や 他 の 不 確 か さとの 関 連 に お い て 変化 し て い た。 例 え ば母 親 で あ る こ と、 わ が子 で あ る とい う実感 、子 ども 自身 の 生命 力 や 力 が確 か な もの に な る こ とで 、不 安 、 恐 怖 とい っ た 否 定 的 感 情 を伴 わず 不 確 か さ を不 確 か な ま ま抱 え続 け られ て い た。 以 上 の よ うに各 々 の不確 か さは お互 い に 関連 し、他 不 確 か さ を確 か な もの と した り、 不確 か さに よ っ て生 じる母 親 の感 情 に 変化 を もた ら し て い る こ とが 推 察 され た。 IV結 論 及 び 今 後 の課 題 母 親 が 不 確 か さ と捉 え て い る対 象 に は 、 「環 境 」 「自分 自身 」 「子 ど も」 とい う3側 面 が あ っ た。 不 確 か さ に はや が て確 か に な る もの と、確 か に しえ ない もの とい う特 性 が あ っ た。 ま た 、 各 々 の不 確 か さは 関連 しあ い,不 確 か さを確 か に変 化 させ た り、 不確 か さに よ り生 じる感 情 に 変 化 を も た ら して い る こ とが示 唆 され た 。 今 後 は対 象 を増 や し,母 親 の もつ 不確 か さ に つ い て よ り詳 細 に記 述 して ゆ き た い。 さ らに 母 親 自身 これ らの不 確 か さに どの よ うに 取 り組 ん で い るの か 、 看護 職 は どの よ うに 関 わ っ て い る の か を探 索す る こ とで 、 具 体 的 な ケ ア へ の 示 唆 を得 た い と考 え る。 引 用 文 献
1) Mishel M.H.,: Uncertainty in illness, Image, 20 (4),. 225-232,1988.
2) Mast, M. E.: Adult uncertainty in illness A critical review of research, Scholary
Inquiry for Nursing Practice, 9(1), 3-24,1995.
3)木 下 千 鶴:早 産 児 の 母 親 と看 護 婦 のNICU で の 相 互 作 用 場 面 に お け る 意 味 の 検 討,日 本 助 産 学 会 誌11(1)、33-43,1997. 早産児を出産 した母親の不確か さに関す るカテ ゴ リー一覧 1と りま く環 境 に関 連 す る不 確か さ 2)"NICUと い う場" (1)【NICUの あ る病院 】 (2)【NICUそ の もの 】 (3)【看護 婦 との関 わ り】 (4)【他 の親 子 との 関 わ り1 2)"状 況 を知 らな い周 囲 の人 々 との 関 わ り" (1)【 自分 と子 ど もの状 況 の伝 え方 】 (2)【退院 後 の 関わ りの広 げ方 】 2自 分 自身に関連する不確かさ 1)"生 ま れた 子 どもの 母 親 と しての 自分" (1)『母親 と しての あ り方 』 ① 【母親 と して の これ まで の あ り方 】 ② 【自分 自身 のお か れ た状 況 】 ③ 【母 親 と しての 今 後 のあ り方】 (2)『母親 と しての カ』 ① 【胎 内 で子 を育 て 産 む 力】 ② 【目の前 に い る子 どもの 母親 と して のカ 】 ③ 【将 来の 子 ど も を育 て る力 】 (3)『子 ど も との関 わ り方 』 ① 【目の 前の 子 ど も との 関わ り方 】 ② 【将 来 の子 ども との 関 わ り方 】 2)"生 まれ た子 ども の母 親 と して以 外 の 自分" (1)『上 の 子 ども の母 親 と して の 自分』 ① 【上 の子 ども との 現 在の 関 わ り】 ② 【上の子 ど もとの 退院 後 の 関 わ り】 (2)『仕事 を もつ 自分 の今 後 の あ り方』 3子 ど もに 関連 す る不 確 か さ 1)"未 熟児 で あ る子 ど も" (1)【人 間 であ る こ と (と して 存在 す る こ と)】 (2)【子 ど もの 生命 力 ・生 きる 力 】 (3)【子 ど もの 体調 】 (4)【疾 患 ・病 態 】 (5)【子 どもに な され て い るケ ア ・医 学的 処置 ・検 査 】 (6)【子 どもに 関連 した看 護 行 為 】 (7)【未 熟 児 のた ど る一 般的 経 過 】 2)"自 分 の産 ん だ子 ども" (1)【わ が 子 と しての 実感/存 在 】 (2)【わ が子 ら しさ 】 (3)【子 ど もの 特徴 の 変化 】 (4)【面 会 時間 外 の子 ども の生 活 】 (5)【NICUに お け る子 ど もの 居 場所 】 3)"自 分 の うん だ未 熟 児 で ある 子 ど も" (1)【子 ども の姿 】 (2)【子 ども の行 為 の意 味 】 (3)【子 ども の回 復 ・成 長 発達 】
23.妻
の 自然 流産 を経 験 した夫 の心 理
広島 国際 大学保健 医療 学 部 ○ 佐 藤 珠 美 ミネソタ大学 在学 中 竹ノ上ケイ子 中村学 園大 学家政 学 部 松 山 敏 剛 1.緒 言 流 産 を経 験 した夫 婦 の精 神 的 な打 撃や 悲 嘆 回 復 へ の 援助 の必 要性 が 指 摘 され てい るが ,臨 床 では 流 産 した女性 の身 体 的側 面 の援 助 が 主で 精神 面 や 夫 を含 めた 家族 援 助 は 十 分 とは言 え な い。 これ に は,わ が国 の 自然 流 産 を経験 した 夫や 夫 婦 を対 象 に した研 究 が殆 ど無 い こ とが 影 響 して い る。 我 々 は,こ れ まで に流 産 を した女 性 の 目か らみ た夫 の 心 理 に つい て 報告1)し,夫 自身 の 表現 に よる男 性 心理 の把 握 の 必要 性 を感 じた 。 この度,3組 の夫 婦 に質 問 をす る機 会 を得 る こ とが で きた。 質 問 紙 調査,面 接 記録 の内 容 を合 わ せ て,夫 の 心理 につ いて 分析 し,得 られ た知 見 を報告 す る。 II.研 究方 法 と対 象 1999年8∼9月 に12週 未 満 の 自然 流産 を経 験 した 女性 とそ の夫 の3組 の夫 婦 を対 象 と した。 調 査 は流 産1週 間 後,1ヵ 月 後,2ヵ 月 後 の計3回 行 っ た。 デー タ収集 は 「自然 流産 後 の 女性 の心 理 (1)」 で使 用 した文 章 完成 法2)に よ る質問 紙 調査 を行 い,夫 には 男性 用 に修 正 した もの を使 用 した。 他 に,調 査終 了後 に夫 婦 の 希 望 で実施 した面 接や 手紙 の内 容 を加 えた。デ ー タ の分 析 は,Murphy3) やMiron4)の パ ー トナ ー 流産 を体 験 した男 性 の 心 理 に 関す る報 告 を参 考 に内 容 分析 を行 い,日 本 人 男性 の 心理 の特 徴や 欧 米 の 男性 との 共 通性 に つ い て検 討 した。 倫 理的 配 慮 と して研 究 目的 を妻 に 説 明 し,同 意 が 得 られ た後 に 質 問紙 を郵送 した 。 そ の際,研 究 協 力 の諾 否 が 診療 に影 響 しな い こ と, 研 究 参加 の 自由,プ ライ バ シー の保護,質 問 へ の 対応 等 につ い て 文章 と 口頭 で説 明 した。 夫 に は 妻 を介 す る形 で 承諾 を得 た。 III.結 果:自 然流 産 を経 験 した夫 の 心理(表1) IV.考 察 1.妻 の 流 産 後 に 体 験 す る 夫 の 感 情 流 産 を 告 げ ら れ た 夫 は,シ ョ ッ ク や 混 乱,否 認, 悲 しみ,心 配,無 気 力,空 虚 感,嫉 妬,申 し訳 な さ,自 責 感,落 胆,抑鬱 等 を 感 じ,Murphy3)が 報 告 し た 内 容 と ほ ぼ 一 致 して い た 。 夫 が 悲 しみ か ら回 復 した 時 期 を 事 例1と2は1∼2週 間 後 と し た が,事 例3は1カ 月 後 も シ ョ ッ ク が 続 き,夫 と し て の 自 信 を 失 っ て い た 。 男 性 は 女 性 に(妊 娠2 ∼3ヵ 月)比 べ て 悲 しみ か ら 回 復 す る 時 期 が 早 い と思 わ れ る が,個 人 差 を 考 慮 しな け れ ば な ら な い 。 2.流 産 を し た 妻 を 支 え る 夫 の 役 割 Miron4)は,流 産 を体 験 した 男性 は パ ー トナ ー を支 え る こ とが社 会 的 役 割 と して期 待 され,そ の こ とが 流 産 後 の 男性 の 心理 の 主要 な部 分 を 占 め る と述 べ て い る が,3人 の夫 は流 産 を知 ら され た 直 後 か ら妻 を慰 め,早 く立 ち 直 らせ よ うと努 力 して い た 。夫 の対 応 で の 共 通 点 は,流 産 の 話 題 を避 け, 悲 しみ の 期 間 を短 く しよ う とす る も ので あ った。 夫 は 悲 しむ妻 に ど う関 わ っ て よ いか 分 か らず,戸 惑 い や 苛 立 ち を覚 え た。 夫 が妻 や 自分 自身 に 起 こ る感 情 を 知 らな い ま ま,妻 を支 え る こ とは 事 例2 や3の よ うに 夫婦 の間 に感 情 の ズ レを生 じた り, 夫 自身 の 悲嘆 が停 滞 す る こ とも あ る。 夫 は妻 を支 え る 一方 で,自 分 自身 のサ ポー ト手 段 を持 た ず,支 援 を 必 要 と して いた 。 流 産 を経 験 した 夫 へ の 早 期 支援 は,夫 自身 の悲 しみ の克 服 に 役 立 ち,そ の こ とは妻 の支 え とな る こ とに も 良い 影 響 を与 え る と思 われ る。 V.ま と め 妻 の 自然流 産 を経 験 した 男性3名 の ケ ー ス を通 して,夫 の 心 理 の 一 部 が 明 らか に な っ た。 今 後, 対 象 者 を増や し,一 般 化 を は か っ て い きた い 。表1妻 の 自然流 産 を経験 した夫 の心 理 事例1:流 産 の喪 失 を乗 り越 え,妻 を支 えた 夫 妻:31歳 専業 主婦,既 往歴:な し,妊 娠歴:初 妊(妊 娠 は 自然 に任 せ てい た) 診 断名:妊 娠10週 稽留 流産,子 宮 内容 物 の遺残 家族 構成 二 人暮 ら し 妊娠を喜んで いた夫は,妻 か ら 「赤 ちゃんの 心臓 が動 いていない。育 ってい ないか らタメか も しれ ない。 ごめんね」 と流産 を知 らされた時,シ ョックを受 け,誤 診 であ った らとい う淡 い期待 を抱 いた。 しか し,流 産処置 前に胎児 の心音 が確認 でき ず落胆 した。夫 は流産の責任 を全て 自分で背負 い込む妻 を見て,ど う慰 めて よいのか途方 に暮れ,自 分 自身の悲 しみ には黙 って耐え,い つ まで もくよくよ して も何 も始 ま らない と思 い,ま た次 があ ります とい う医者の言葉 を信 じ前向 きに生 きよ う と思った。夫 自身が悲 しみの回復 に要 した 時間は1週 間で あった。夫 は,流 産 は妻のせ いでは ない。 またで きる よ。 と妻 を 慰めたが,あ りきた りの言 葉 しか言 えない 自分 に苛立ちを覚 えた。夫 が妻を慰 め,助 け るた めに行 った ことは,流 産の話題 を避け,忘 れ る ように努力 し,普 段 の生活 に戻 るよ うに した。普段 の生活 に戻 った後 も流産後 の出血 と腹痛 で1ヵ 月間苦 し んだ妻 のた めに,家 事一切 を引 き受 け,妻 がゆ っ くりで きる時 間や 妻 の話を聞 く時間を作 る ように した。夫 の献身 的な看護 と支えに よって,妻 は流 産の悲 しみ か ら回 復 して いった。妻は,流 産 を体 験 した後,妊 娠は素晴 らしい もので あ り,妊 娠 を したい と思 った。流 産か ら1年 後,自 然妊娠 し,男 児 を得た。妻 は,「流産 した ことで夫 があん なに もシ ョックを受け動揺 していた とは知 らず,私 一 人が悲 劇の ヒロインを していたか と思 うと恥ずか しく,ま た申 し訳 な く思い ます。」 と述べ た。 事例2:妻 の悲 嘆 に ど う対 処 した らよい か分 か らず,妻 を支 え るこ とに 無力感 を感 じた 夫 妻:25歳 専業 主婦,既 往歴:な し,妊 娠歴:初 妊(計 画妊 娠) 診断名:妊 娠9週 稽 留 流産,家 族構 成 夫 の 父の 三人 暮 らし 流産を知 らされ た夫は,シ ョックを受 け,辛 さや 無気 力,空 虚感,健 康な妊婦 への嫉妬,申 し訳 な さを感 じたが,夫(男) としてき ちん と状況 を受 け止 めな けれ ばい けない と思 い,妻 にはそ の よ うな素振 りは一切見せず 「大丈 夫か。何 も心配 しな くていい よ」 と元気づ けた。妻は夫 の態度 に心強 さを感 じた。妻 は流産後 の処置 が終 り,少 し落 ち着い ったが,赤 ちゃんの ことを考 え ると涙 を流 して いた。夫 は,色 々心配 す る妻 の側にい るよ うに し,夫 の趣 味で あるジム に妻 を誘い一緒 に通 った。 夫 自身が悲 しみ か ら回復 したのは1∼2週 間の間 であった。流産か ら2カ 月後,妻 は仕事 探 しを始 めたが 上手 くいかず,妊 娠 への焦 りも強 くな り,家 に閉 じこも りがちにな った。 夫は,「なぜ流 産 したのか,こ の まま妊娠 で きな くなるので は」 と 毎 日くり返 し愚痴 る妻 を,何 とか前向 きに考え させ よ うと努力す るが,何 を ど うした らよいか分か らず,苛 立 ち,妻 を怒鳴 ることが度 々あった。妻 はその よ うな夫の言動 を見聞 き し,夫 に自分の気持 ちが分 かって も らえない と感 じ,ま す ます 落 ち 込んだ。調査 終 了後,夫 婦は研究者 に相談 を求 め,面 接 を行 った。面接 の結果,妻 が妊娠 を焦 る気持 ちの背景 に年老 いた両 親に孫を見せ たい,こ のまま妊娠 で きな くなるのでな いか とい う不安 を感 じて いた こ とが明 らかにな った。妻 は,ど うしよ うもない こと と思って いて も,夫 に気持 ちをぶ つけ る しか なかった。一 方夫 は,ど の よ うな励 ま しも妻 には無駄 に感 じ られ, どうする こともできない 自分に苛立 ち,無 力だ と思った。夫婦 は,面 接 の中 で初 めて互 いの気持 ちを理解す る ことがで きた。 夫は,流 産は残念 だ ったが,研 究者に色 々話 しを聞 いたこ とで,次 の妊娠 は準備 を して望む こ とがで きるので 良か った と話 した。 そ の後,妻 は仕 事や 趣 味 を始 め,夫 は夫婦旅 行 を計画 し,そ の よ うな 中で待 望の妊娠 し,無 事 女児 を出 産 した。 事 例3:流 産 の喪 失か ら回 復 で きない 夫 妻:33歳 専 業 主婦,既 往歴:虫 垂 炎,妊 娠歴:初 妊(妊 娠 は 自然 に任せ て いた) 診 断名:妊 娠6週 進 行 流産,家 族構 成 二 人暮 ら し 妻 か ら流 産 を知 らされた夫 は とて もシ ョックを受 け混乱 し,否 認 の感 情や 悲 しみ,辛 さ,落 胆,無 気 力,自 責感 を感 じた。 夫 は,妻 を責めては いけない と思 い,流 産 に関す る話題 を避 けた。流 産処置後,出 血 と腹痛 が落 ち着 いた妻 をみて,夫 は妻 が シ ョックを受 けてい るよ うに もみ えたが,流 産の苦 しみか ら解 放 され た よ うに もみ えた。夫 は,ま た子 どもが欲 しい と思 ったが,妻 の健 康を先 に考え,妻 をいた わ り早 く立 ち直 らせ たい と思 った。妻は 自分 の体の こ とを心配 して くれ る夫 の気持 ちを嬉 しい と思 った。夫 は妻の流産 後,妻 を支えな けれ ば とい う気持 ちが強 い一方で,自 らは精 神的な休 息を得 る ことがで きず,就 寝前 になる と色 々な ことが頭 に浮 かび眠れ な くな った。1ヵ 月後,妻 は流 産後の体調 もよく,悲 しみ か ら回復 し, かな り前 向 きにな り,映 画鑑賞や 読書等,自 分 のや りたい をこと した、流産 した ことをあま り尾 をひ くこともな く,元 気で 毎 日過 ごす妻の 姿を見て,夫 は立派だ と思 った,妻 は子 どもを1人 は欲 しいので早 めに作 りたい と思 う反 面また流 産 した ら とい う気持 ち もあった。夫 も次の妊娠 への希望 を持つ反面,ま た流産 をす るの ではな いか と不安 が強 か った が,妻 には それ を頑張 って乗 り越 えて欲 しい と思 った。 しか し,夫 は流産の シ ョックか ら立ち直 る ことがで きず,体 調 を崩 した。それ で も 妻の悲 しみを癒す のは,自 分の役割 だ と思 い努力 した。妻は,そ の よ うな夫 の様子 をみ て,仕 事が忙 しく大変 そ う,何 か力 にな りた い,い たわ りたい と思 った。夫 婦 ともに流産 した ことで,む しろ夫婦 の絆が強 くな り,う ま くいって い ると思 った。 夫 には心 理相 談 を受 け る こ とが必 要 と判 断 し,流 産 後の 男性 の悲 嘆 の資 料 を郵 送す る と同 時に 心理 相 談 を紹介 した。 引用文献 1)佐 藤 珠 美,竹 ノ 上 ケ イ 子,他:自 然 流 産 後 の 心 理 特 徴(3),日 本 助 産 学 会 誌Vol.13.,No3.,70-71,2000 2)竹 ノ上 ケ イ 子,佐 藤 珠 美,松 山 敏 剛:自 然 流 産 後 の 女 性 の 心 理 (1)年 一 流 産 直 後,3ヵ 月 後 、6ヵ 月 後 の 変 化-,日 本 助 産 学 会 誌,Vol.13,No.2,20-34,2000
3) Murphy, F. A. : The experience of early miscarriage from a male perspective, Journal of Clinical Nursing (7), 325-332, 1998.
4) Miron, J., & J. S. Chapman. Supporting: Men's experiences with the event of their partners' miscarriage. Canadian Journal of Nursing Research, 26(2), 61-72, 1994.
24.妊
娠 ・出 産 に お け る父 親 の 意 識 の 変 化
防衛 医科大 学校病 院 ○橋 本 和 恵 熊 谷美 津江 晴 山 路 子 佐 藤 節 子 Iは じめ に 近 年,育 児 参 加 を 希 望 す る 父 親 が 多 くな っ て い る 。ま た,核 家 族 化 や 女 性 の 社 会 進 出 に よ って,母 親 の サ ポ ー ター として,父 親 は 重 要 な 存 在 とな って い る 。 当 院 で は 児 の 面 会 が 窓 越 し面 会 だ け に 限 られ て い た 。しか し,昨 年 か ら父 子 対 面 として, 出 生 直 後 か ら生 後1日 目 に 限 り,父 親 が 直 接 児 と接 触 す る 機 会 を設 けて い る。そ こで,当 院 の 父 子 対 面 の 充 実 を 図 る た め に 妊 娠 ・出 産 に お け る父 親 の 意 識 の 変 化 を 調 査 し,今 後 の 援 助 に つ い て 検 討 した 。 II研 究 方 法 1.研 究 期 間:平 成12年8月 ∼ 平 成12年9月 2.調 査 対 象:父 子 対 面 の 有 無 に か か わ らず 当 院 で 経 膣 分 娩 を した 産 婦 の 夫40人(初 産 婦 の 夫18人,経 産 婦 の 夫22人), 3.調 査 方 法:妊 娠 か ら児 の 出 生 ま で の 父 親 の 意 識 の 変 化 と父 子 対 面 で の 父 親 の 意 識 の 高 ま りに つ い て,そ れ ぞ れ 表1,2,3の 質 問 項 目 を 回 答 選 択 式 ア ン ケ ー トで 調 査 した 。ま た,父 親 の 意 識 を高 め る た め に 何 を 望 む か を 自 由 回 答 とした 。 ア ン ケ ー トは 産 後5日 目 に 直 接 手 渡 しに よ る 回 収 を した 。ア ン ケ ー トの 回 収 率 は,100%で あ った 。 父 親 の 意 識 の 定 義 は 「父 親 とな る ことを 意 識 し実 感 す る ととも に,子 供 を 養 育 す る とい う 責 任 」とした 。 III結 果 妊 娠 期 間 中 で の 父 親 の 意 識 の 変 化 は,妊 娠 初 期 で は 「うれ しい 」,妊 娠 中 期 で は 「楽 し み 」を,妊 娠 後 期 で は 「責 任 感 ・不 安 ・戸 惑 い 」 を意 識 す る 者 が 多 か った 。(表1) 父 親 の 意 識 の 高 ま りは 「妊 娠 を 知 っ た とき」 「胎 動 を 知 った とき 」「お 腹 が 大 き くな る に つ れ て 」「入 院 を した 時 」で あ った(表1) 父 親 の 意 識 が 最 も高 ま った 時 期 は 妻 が 入 院 した とき 」14人(35.0%)で あ った 。(表2) 「父 子 対 面 」を 体 験 した30人 の 父 親 の 調 査 で は 「子 供 を 抱 い た とき 」「子 供 の 全 身 を 見 た 時 」「子 供 の 様 子 を 聞 い て 」「お 父 さん と呼 ば れ て 」な ど に 多 く高 ま りが 見 られ た 。(表3) 自 由 回 答 か ら,父 親 の 意 識 を 高 め る 看 護 に つ い て 何 を 望 む か に つ い て,「 児 との スキ ン シ ップ 」「毎 日 児 と会 え る よ うに す る こと」とい う結 果 が 得 られ た 。 IV考 察 母 親 は,妊 娠 を 知 った とき や 胎 動 を き っか け に 妊 娠 を 受 け 入 れ,児 に 愛 着 を もつ とKula usら1)が 述 べ て い る 。しか し父 親 は 母 親 の よ うに 妊 娠 を 体 験 で き な い 。今 回 の 調 査 か ら, 父 親 は 自 分 の 妻 に 起 こ って い る 外 見 的 変 化 に よ り父 親 として の 意 識 を高 め て い る と考 え る 。 当 院 で は,母 親 を対 象 に 助 産 婦 外 来(妊 娠 中 期 に2回)と 母 親 学 級 を 行 って い る 。しか し父 親 に 対 して も これ らへ の 参 加 を 促 し,助 産 婦 外 来 で の 児 心 音 聴 取,母 親 学 級 で の 妊 娠 ・出 産 ・育 児 に つ い て 知 識 や 技 術 を 学 ぶ こと等 は, 父 親 の 意 識 を高 め る 援 助 にな ると考 え る 。 父 子 対 面 で は,ほ とん ど の 父 親 が 意 識 を 高 め て い た 。児 を 抱 か せ た り,児 の 全 身 を 裸 に し て 見 せ た り,児 の 様 子 を伝 え る 等 の 援 助 は 有 効 と考 える 。 Greenbergら2)は,父 親 と 児 と の 早 期 接 触 は父 親 の 児 へ のengrossment(没 入 感 情)を 触 発 す る の に 有 意 義 で あ る 証 拠 が 見 られ,こ の ような 父 親 は,子 供 の 成 長 発 達 とともに 関 わ り を 持 ち つ づ け,接 触 を 維 持 して い くた め 子 供 と 家 族 に 対 して 大 き な 影 響 を 及 ぼ す と述 べ て い る。この ことか らも父 子 対 面 の 援 助 は,父 親 の 意 識 を高 め る た め に 有 効 で あ る と明 らか に な った 。 父 親 は より多 く児 と接 触 す る 機 会 を求 め て い る 。当 院 は 母 児 同 室 で は な い た め,出 生 直 後 と1日 目 の 父 子 対 面 だ け でな く,児 と接 す る機 会 を よ り多 くとれ る 時 間 や 場 所 を検 討 して い く 必 要 が あ る。 V.結 論 1.父 親 の 意 識 は,妊 娠 後 期 に 高 ま る が,同 時 に 不 安 ・戸 惑 い が 見 られ る 。 2.父 親 の 意 識 を 高 め るた め に 児 との 接 触 の 機 会 を持 つ ことは 有 効 で あ る 。 3.父 親 は,入 院 中 か ら 、よ り多 く児 との 接 触 表1妊 娠 中 の 父 親 意 識 の 変 化n=40 表2妊 娠 中最 も父 親 意 識 が 高 まった時 期n=40 表3父 親 の 意 識 が高 まった父 子 接 触(父 子対面例n=30) の 機 会 を 望 ん で い る 。 VIお わ りに 母 児 を 取 り巻 く環 境 は 変 化 して い る 。児 童 虐 待 の 諸 相 をみ る と幼 児 期 の 環 境 に 起 因 して い る 。子 供 に とっ て の 両 親 の 存 在,家 庭 環 境 の 重 要 性 は 計 り知 れ な い 。助 産 婦 として,臨 床 の 場 で 父 親 た ち に ど の よ うに 働 き か け て 行 け ば 良 い の か を 真 剣 に 考 え て い か な け れ ば な ら な い 。 参 考 文 献 1)Klaus.M.Kennell.J,竹 内 徹 ほ か 訳; 母 と子 の きず な,医 学 書 院(1979)
2)Mrtin Greenberg, Norman Morris, 竹 内 徹 訳;エ ン グ ロス メン ト(没 入 感 情;の め り
こみ),ペ リネ イタル ケ ア13(11),P955-9