研 究
報
告
地
域 医
療
に お け
る
メ
デ
ィ
カ
ル
フ
ィ
ッ
ト
ネ
ス の
選 好 条件
の
検 討
*八
木
麻 衣 子
1)#根 本 祐
二 2) 要 旨本研 究
は,
「
理学 療 法
上が メ デ ィ カ ルフ ィ ッ トネスを提 供
で きる」
という 仮 想 市場
におけ
る,
客 観 的
な市場
の選 好 条 件 を
,
コ ンジョイ
ン ト分 析 を用
いて検 討 す
る こ とを 凵的
とした
。対 象
は東 京 都 内
3
ヶ所
の シ ル バー
人 材セ ンター
に 登 録 さ れ てい る 計113
名
(男性
97
名
,
女性
16
名
,
平 均年
齢68,
9
± 10.
3
歳 )であっ た。
方
法
はア ンケー
ト調査
を 用いて,
理学
療
法
士コ ン ジ ョ イン トカー
ドの順位 付
け によ る メディ カ ルフ ィ ッ ト ネス の選好
条 件の検
討 を行
っ た。
メディ カ ルフ ィッ トネスに対 す
る 属性
の重
要度
が高
かっ たの は価 格
で あっ た。
価 格の部 分 効 用 値 は5
,
00
「「j
と50
,
000
円 が 正 の評価
とな り,
高 価 格 帯と低 仙 格
帯 を 好 む2
極 化 が見
ら れ た。
こ の よう
な 傾 向 は,現 代
の消 費
傾向
と 同様
の 結 果であっ た。
メディ カ ル フィ ッ ト ネス を 提 供 す る 際 に は,
価
格 設定
に重 点
を 置 き,
サー
ビ スの対象者 を
明確
にす
る必
要性
が 示唆
さ れ た。
キー
ワー
ド メデ ィ カル フ ィ ッ ト ネス,
選 好 条 件,
経 営モ デル はじ め
に平 成
17
年
に ま と め られ た医 療
制 度改 革
大綱
で は安
心・
信
頼の医 療の確 保 と予 防の重 視,
医 療 費 適 正 化の
総 合 的 な推 進
,
超
高 齢 化 社 会
を展
望 した新
た な医療 保
険体 系 制 度
の実 現,
を挙
げてい る。
特に安
心・
信
頼の医 療の確 保
と予
防の重 視に関
して は,
地 域 医療
の連 携 体 制 の構 築
,
生活 習 慣
病r
・
防の た めの取
り組 み体
制の促 進, 生活 習慣 病 予
防 を 国民
運動
と して展 開 する こと,
な ど が挙
げ ら れている1〕。
こ の よ
う な現 状
に際
して,
地 域医療
に おい て医 療 機 関
もしく
は医療 従 事 者
が なん ら かの形で関 与
し,
医 学
的 知識
を 基 盤 とした 適 切な身体 機 能 評 価
,
運動
処方
及 び 運動
習 慣
の教 育
な ど を 目的
とす
る「
メ デ ィカル フ ィッ ト ネス」
という医 療
サー
ビ スを提 供
する こと は,
理学 療 法
士の職 能 を活
か す もの であ る と考
え ら れ る。
先 行 研 究 に おいて も適 切 な 運 動 指 導
に よ る健 康 増
進効 果
は も ち ろ んの こ と,
医療 費
・
介 護 保 険費抑
制 効 果につ いて の報 告 も散
見 *The
Stated
Preference
Appreach
about the
MedLcal Fitness
Servicte in Lhe
Community
Heallh1〕聖マ リ アンナ医 科 大 学 東 横 病 院 リ
ハ
ビリテー
ション室 (〒211−
0063 神 奈 川 県 )rua市 中 原 区 小杉H]3−
435)Maiko Yagi
.
RPT :Depar亡ment of Rehabititation,
St.
MariannaUniverslty
,
School of Medicinc,
Toyoko Ilospital2)東洋 大 学 大学 院 経 済 学研究 科 公 民 連 携 專 攻
Yuji Nemoto
.
Prof Graduate School of Business Administratkm,
Toyo LTniversity
#
E
.
mail /maimaigoat @mariallna.
u、
ac・
.
jp
〔受 付日 2007年3月26日 /受 理 日 2008年6月2日} さ れ る2
−
4)。
ま た,
理 学 療法
上の存
在 を 活 用 して も ら う こ と は,
理 学療 法
十の職種
と し ての地位 向
上のみ な らず
,
杜 会 的責
任 を 果 た すことに もつ な がる と考
え ら れる。
現 在,
日 本 に おい ては 昭 和4
年 に 施 行 さ れ た 「理 学療 法
十 及 び作業
療 法
±法
」
に 基づき
,
名
称 独
占資格
と し て扱 わ れ,
公 的 医 療 保 険 を 用い た 開 業 権 を 有 して いないtt し か し,
理 学 療 法 士の 開 業 が 認 め ら れて いる 諸 外 国 との 相 違 は あ る と はい え, 仙 波 は 現 行の法 制 ドに おい て も,
医学
のみ な らず 起 業
の知 識
・
技 術
が あ り,
顧 客
の獲 得
が )r∫能であ り,
高い意 欲 が あ れ ば,
現 行の医 療 制 度 ドに お いて も 理学 療 法
十 と して の開 業
が 叮能
で あ る,
と してい る 5〕、
、
ま た,
近年
は 「医 療諞
保険 」
とい う考
え方
か らの 脱 却6}や,
医療
サー
ビスにお ける親 制 緩 和 も 提 言7) さ れてい るこ と より
,
個々の理 学 療法
晋:の ア イデ ィ ア と 意 欲に よっ て,
様
々な 独 、k
例 が 出て くるこ とが 予想
さ れる。
新 しい サー
ビス を 提 供 す る 際 に は,
その コ ンセプ トを具 体
化 し, そのサー
ビスの価 値 を 決 定 す る 要 因 は 何 か,
そ してその要
因 を どの よう
に 設定
す る か が重
要であ り,
般 的 に その要 因 を 選 好 条 件 とい う。
理 学 療 法 士 に よ る メ デ ィカル フ ィッ トネスサー
ビスは現 在
の ところ仮 想 市
場
に位 置 する もの で あ り,
実 現 化 を提
言 する た めには,
客 観
的 な市 場
の選 好 条 件
の検 討
が 必要
で ある と考
え ら れ る。よっ て
,
本 研 究
に お いて は「
理学 療 法
上が単独
で メ デ ィ カル フ ィッ ト ネスを提 供
で きる」
とい う仮 想 市 場
に お い て,
客 観 的
な市 場
の選 好 条 件
を,
ア ン ケー
ト調
査の結
果 を も
とに,
検 討 す
る こと を目的
と し た,.
対
象
対
象
は東 京 都 内
3
ケ所
の シル バー
人材
セ ン ター
に 登 録 さ れてい る計 ll3名
(男 性97
名
,
女 性 ユ6
名
,
平 均年
齢68.
9
土10.
3
歳
,
最 年 少
62
歳
,
最 年 長
87
歳 )
で あっ た。
対 象
にシ ルバー
人 材
セ ン ター
に登 録
してい る高 齢 者 を選
択 し た 理由
とし て は,
自
発 的な行 動
が ロ∫能
で,
比較
的健
康 状 態
が良 好 な 高 齢 者
であ り
,
かつ,
ア ンケー
ト調 査
の内 容
を認 識 す
る こ とに関 し
ても
,
比 較 的 問 題 が な
い と摎
えら れた ため である。
また,
今 後
メ デ ィカル フ ィ ッ トネ ス の よう な
サー
ビ スを展 開 す
る こと を考 え
た場 合
,
こ の よう
な 比較 的健 康 な 高齢 者
が サー
ビス の乖要 な 買
い手
とな
る可 能 性
が高
い と考
え た ため である。
方 法メ デ ィカ ルフ ィッ ト
ネ
ス の選 好 条件
の検 討
に は,
コ ン ジ ョイ
ン ト分析 を 用
い た,、
コ ンジョイ
ント分 析
とは,
新
しい商 品
や サー
ビス の コ ン セ プトを 具体 化 し
,
広 く
は需
要 を 予 測す
る ことに用い られる分 析 法
であ
る 8’
]。
こ の分
析 方 法
は,
経 済 学
に お け る消 費 者
理論
,
効 率 効
用 理論
,
心
理学
や行 動 科 学
にお け
る意 思 決 定理 論 な
ど により枠 紅
み を 形成
さ れ たも
の であ り,
消 費者
が 必要
な購 買 行 動
の 11iで直 感 的
に判 断
してい る内 容 を
,
集
団の平 均 的
な考 え
方
と して評 価
し たも
の であ
る。近 年
,
医 療 経 済
におい ても
,
井 伊
らや,
金子
らに よっ て用
い ら れてい る9n叫
,
コ ン ジョ
イ
ント分 析
の手 順
は以 ド
の通 り
であ
る ll.
]tt.
コ ンジョ イン ト
分 析
の目的
を明 確
にす
る属 性
を決
める水 準
を決
める / /ll
デー
タの収 集 方 法
と提 示 対 象
を決
めるコ ン ジ ョ イン トカ
ー
ドを作 成 す
るコ ン ジョ イン トカ
ー
ドを
同答 者
に見
せ,
提 示 対 象 を 評
価 し
ても
らう
回
答者
の結 果を入力
し て 部 分効
川値
を推 定 す
る測 定 結 果
につ い て考 察 す
るコ ンジョ イン トカ
ー
ド と は,
コ ンジョ イン ト分 析 用
に使
われる ア ン ケー
ト調
査表
であ
るvこ の
手 順
に則 り
,
本 研 究
で は紙 面
に よ る ア ンケー
ト調
企 を行 う
こと を前 提
に,
新 規
の仮 想 商 品
を具 体 的 な
コ ン セ プ ト と して被 検 者
に提 示 す
る全概 念 法
を用
い,
以 下の よう
にコ ンジョイ
ン トカー
ドを作 成
し た,、
【
コ ンジョイン トカー
ドの作 成f’
順 (図1
)】
D
メデ ィ カル フ ィッ ト ネス サー
ビス を,
筆 者
の考 え
に基
づ き,
「
医 療 機 関 も
しく
は医療 従 事 者
がな
ん ら かの形
で関 与
し,
体 力
づく
り,
生活 習 慣 病
をは じ めとした
疾 病 予 防
のた めの運 動
,
有 疾 患 患 者
に対 す
る運 動
療 法
を行 う
こ と」
と定 義 し
た。2
) 仮 想
の メディ カ ル フ ィッ トネ
スサー
ビス はカ ウン
セ リン グ
身
休 機
能 評価
,
結
果 説 明
・
ア ドバ イス目
標
設定
・
運 動 プロ グラムの作 成運 動の実 施
効 果 判 定 とい う
一
連の流 れとし た。
3
)
2
) を踏
ま え,
身体 機
能 評価
・
ア ドバ イス コー
ス(
〜
を実 施 )
,
運動
プロ グラム作 成
コー
ス(
〜
を
実
施
),
トー
タ ルフ ィッ トネス コー
ス 〔〜
を 実 施 )
とい
う
3
つ のサ
ー
ビスコー
スを設 定
し た。4
> 選 考 条 件
とし
て,
コー
ス,
価 格
,
施 行 時
間,
立
地条
件
,
指 導 方 法
の5
つ の要 因 を 属性
と して採
用 し,
それ ぞ
れに下記
の よう
に水 準 を設 定
し た。属 性
1
:コー
ス水 準
:身 体 機 能 評 価
・
ア ドバイ
スコー
ス,
運 動
プログラムコ
ー
ス,
トー
タルフ ィ ットネ
ス コー
ス属 性
2
:価 格
水 準
:1
ヶ月
(身 体 機 能
評価
・
ア ドバ イス コー
ス につ いて は
1
回)
につき
5,
000
円・10.
0001iJ・30,
000
円・
50
.
000
円
属
性
3
:施 行 時
間水 準
:1
回施 行 時
間30
分,
60
分,
90
分,
120
分属 性
4
:立 地 条 件
水 準
:徒 歩
圏内
,
交
通機
関 利 用属 性
5
:指 導 方 法
水 準
: マ ン ツー
マ ン指 導
,
グ ルー
プ指 導
これ らの
属性
を採 用
したの は,
メ デ ィカ ルフ ィ ッ トネ
スサー
ビスを消 費 者 が 選 択 す
る とき
に選 択 基 準
にな りえ
る と考
え ら れ,
かつ客 観 的 な選 好 を 表 し易
いも
のであ
る と考
え ら れ た ため であ
っ た。
5
)
5
つ の属 性
の各 水 準
が相 関 を持
たな
い よう
に,
直 交
表 を 用
い て16
通 り
のプロ フ ァイ
ルを 選 択 し
,
コ ン ジョ イン トカ
ー
ド を作 成
した。
(例 :【
カー
ド1】
身
体機 能 評 価
・
ア ドバ イス コー
ス,価 格
:1
回IO
,
OOO
円.
時 間
: ユ回 ユ20
分
.
立 地 条 件
:徒 歩 圏 内
,
指 導 方
法
:グ ルー
プ指導
)【
コ ンジョイ
ント
カー
ド
の順 位 付 け 方 法 】
ア ン ケ
ー
ト調 査 表 を作 成 す
る段
階で行
っ た 予 備 テス ト に おい て,一
.
渡
に1
位
か ら16
位 ま
での順 位 付
け を行 う
こ と が困 難
であ
る場 合
が多
かっ た,、
その た め,
同答 者
の負 担
を軽 減 す
る こ と を [1
的
に,
視 覚 的
ア ナ ロ グ尺度
(
Visual
anatog scale :以 ドVAS
と略
記)
を 用いた。
具体 的
には.
10cm
の水 平 方
ifiJ
へ の直 線
上に,
どの程 度
そ の内容
の サー
ビス を利 用
したい か,
という選 好
尺度
に合
わ せて印 を
つけ
ても
らっ た(
図
2
)
、、そ
の後
.
直 線 左 端
の「ま
っ たく
こ のサー
ビスを受 け
たくな
い」
か ら,
右 端
の「絶 対
に こ の サー
ビスを受
けたい」
の方
へ,
回答 者
に よっ て記
さ れた 線 上 ま
での長
さを
,
mm単 位
で筆
者
が 測《ア ンケ
ー
ト調 査 項 目》 (1 ) 仮想メディカル フィットネスサー
ビス選 好条件の検討の た め のコ ンジョイン トカー
ドの 順位付 け⇒
図1 コ ンジョ イント カー
ド作成手順 図2 VAS を用いた 順位 付け方 法定
し,
後 方 視 的
に順 位 付 け
を行
っ た。 ア ンケー
ト調
査表
を 図3
に 示す
。ア ンケ
ー
ト調
査に おい て は,
コ ンジョイン ト カー
ドの順 位 付 け
の ほか
,
対 象 者
の属性
に対 し
て,
年 齢
,
性 別 を
質
問 した。
ア ンケー
ト調 査 実 施 期 間
は平 成
17
年
9
月
〜
平 成
ユ7
年
ll
月で あっ た。
ア ン ケー
ト調 査 実 施方 法
は,各
シル バー
人材
セ ンター
におい て,
ある.・
定
以 上の参
加 者
が 見 込 ま れる役 員
会や 会 議の席
に筆 者
が伺
い,
その場
で回答
方法 を 説 明 し
た 上で,
回 答
して い た だく
こ と に同意
を得
ら れた対 象 者
に の み実 施 し,
回収
した、
回収
で き な かっ た対 象
者につ い ては,
後 日 回 収 を 行っ た。
得
ら れ たデー
タ は,SPSS13.
OJ
を用
い て統 計 処
理 を行
これらを組み合わせ た条件で
、
各サー
ビスをど の程 度利 用 した い と思 うか を教 え て く だ さ い。
1)身 体機能評 価・
アドバ イ スコー
ス 価di
i tOOOO円、
時 間:120分、
0 立地条 件:徒 歩圏 内、
指導方 法.
グルー
プ指導 5 10 2)身体 機能評価・
アドバ イスコー
ス 価格: 円、
時間:90分、
D 立地条件;交通機 関利 用、
指 導方法:ワ ン ツー
マ ン指導 5 10 3 )身体機 能評価・
アドバ イスコー
ス 価格150000 円、
時間:30分、
0 立 地条件:徒歩圏 内、
指導方法:グルー
プ指導 5 10 図3
アンケー
ト調 査 票 っ た。 メディ カル フィッ ト ネスサー
ビス の選 好 条 件
の検
定
は コ ン ジョイン ト分 析 を 行い,
全て の属
性の各 水 準
の部 分 効
用値
と各 属 性
の 重要 度
を推 定
し た。
各 水 準
の部 分 効 用 値 は, 選 好 順 位の逆 順の数値 (
1
位 は16
点
,
2
位 は15
点…
,
16
位 は1
点)
を 従 属 変 数 とし
,
属 性
ご とに行
わ れ た回帰 分析
の非 標 準 化 係 数 (
同
帰 係 数 )
であ
る。部 分 効 用 値
が 正であ
る とき
に,
そ
の水
準
へ の選 好
が高 く
,
反 対
に負
であ
る とき
は,
選 好
が低
い と判 断
で き る。
部 分効
用値
の絶 対値
は効
用の大 き さ を 反映
す るも
の であ
る。結
果
表
1
各
属性
の重要 度 重 要 度 (% )理 学 療 法
士による メ デ ィカ ル フ ィッ トネスという新
し い医 療
サー
ビ ス にお ける各属
性の重 要 度 はコー
ス 内容
が18
.
2
%,
価格
が30
.
9
%,施 行 時 間
が18
,
2
%,
立 地条 件
が23
.
9
%,
指導
方法
が8
.
7
% で あっ た (表
1
)
。
ま た,
各 属
性 にお け る水 準
の 部 分 効 用 値 を表
2
に示 した。
重 要 度 がも
っ と も高
い属 性
であ
る価 格
に おい て は,
5
,
000
円
・
コー
ス 価 格 時 間 立地 条 件 指 導 方 法 18.
230.
918.
224
.
08.
7
50
,
000
円 が相 対 的
に 正の評 価
と なり
,
10
,
000
円
・
30
,
000
円 は負
の評価
であっ た。
その次に重 要 度の高 かっ たの は 立地条
件であ り,
交 通 機 関 利 用 が 正の 評 価,
徒 歩 圏 内 が負
の評価
で あっ た。
その次 に 重 要 度 が 高 かっ たのはコー
ス内 容
と施 行 時 間
であ
っ た。 コー
ス内 容
に おいては 運動
プロ グ ラ ム作
成コー
ス とトー
タ ルフ ィッ トネス コー
ス が 正の評 価
,
身体 機 能 評 価
・
ア ドバ イス コー
ス は負
の評 価
であっ た。
施 行 時 間
におい ては,
60
分
・
9
分
・
120
分
が 正の評 価
,
30
分
が負
の評 価
で あっ た。
属 性
の重要 度
が最 も低 か
っ たのは指 導 方 法
であ り
,
マ ン ツー
マ ン指 導
表2 各属 性の水 準の部 分 効 用 値 部 分効用値 コ
ー
ス 価 格 時 問 立 地条 件 指 導 方 法 評 価・
ア ドバ イス 運動プロ グラム作 成 卜一
タル フ ィッ トネス5000
円 10000円30000
円 50000 円 30分 60分 90分 120分 徒 歩 圏 交 通 機 関 利 用 マ ン ツー
マ ン指 導 グルー
プ指導
一
〇.
ユ38e
.
Ol6
D
.
039
0
.
031
−
O
.
048
−
0
.
lll
O
.
189
−
0
.
360
0
.
200
0.
023 0.
ユ38−
0
.
ユ17
0
.
117
0.
043−
0.
043 が 正の評 価,
グルー
プ 指 導 が 負の 評 価で あっ た。
コ ンジ ョ イン ト分 析
に お け る 重相 関
はR
=
:
O
.
65
,
R2
≡
0
,
43
で あっ た。
考
察
本
ア ンケー
ト調 査において は,
回答
者の メデ ィカル フ ィッ ト ネスに対 す る 選 好 条 件 を 解 析 す る に あ たっ て,
以「
の点
を留 意 す
る 必要
があ
る。
1
)高 齢 者
に とっ て,
メ デ ィカル フ ィッ ト ネス を内
容 別に
1
位
か ら16
位 まで順位 付
け す ること は,
回 答 方 法を 簡 便
にす
る た め にVAS
を用
い る 工夫
を行
っ た と して
も
,
課
題の難 易
度 と して は高
い もの であっ た。
2
)属 性
と水 準
を 選 択 す る際
,
時 間 と 価 格 が そ れ ぞ れ 同じ
4
つ の水 準
の数
で あっ た た め,
2
つ の属 性
の間
で連 動 す
る部 分
があっ た。
3
)木 研
究 にお け る 対象
者 は,
あ く まで 「東 京 都 内の シルバ
ー
人材
セン ター
に 登録
してい て,
自 発 的 にア ンケ
ー
トに協
力 して く れ た 集 団」
とい う条 件 伺
き対 象
群であっ た.
これ らの
点
を考 慮
した ヒで の傾 向
を考 察
す る。
回答 者
の選 好 条 件
において,
最
も重要 度
が高
かっ たのは 価 格であ
っ た。 その水 準
と して は,
5
.
000
円
と50
,
000
円 が 正 に評 価
さ れ る結 果
とな
っ た。井 原に よ ると
,
現在
の消 費 者 心
理 を動
かす 力
とし て は,
多 選 択 肢 傾 向
の増
大に よる選 択
基準
の多 様 化
,
社 会 的
相
互規 制
圧ノ
丿の緩 和
,
特 定
のも
のに対 す
る こだ わり
の 増 大,
という
3
つ を挙
げてい る。
そし て,
こ れ ら に よ る影響
とし て,
消 費 者
は周
囲 を気
に せず
,
個 性
的 なこだ わり
のあ
る消 費
の方 向 性 を 強 く
し,
価 値 が 高 け れ
ば,
高
価 格 で も 購 入 す る傾向
が ある と してい る 12!。
こ れ に加
え
F
.
田は,時
間・
予算
の制 約
上あ
ら ゆ るも
の に こだ わる こと
は困 難 な
ため,
個 人
ごと
に特 定
のも
のへ の こだ わり
が消 費 行 動
に 出 現 す る こ と と な る。
よっ て,
こだ わ りの ない もの には,
満
足の必 要最 低 水 準
をクリアす る もの に予 算
を配 分 す
ること と なり低 価 格
を選 択 す
る た め,
あ る一
定
の 品質
を備
え た低 価 格 品
が好
ま れ る と し ている 13〕。
ま た,
個
人 ご とに こだ わる分 野
・
範 囲
が異
なる こと を考
慮 す
る と,
多彩 な 製 品
で一
様
に高 品 質
・
高価 格
と,一・
定
の品 質 を備 え
た低 価 格 製 品
が売
れる よう
にな
る とし
てい る 14}。
以 上 よ り,
本
研究
にお ける回答 者
の価 格
に対
.
す
る選 好 条 件
に おいても
,
5,
000
円 と
50.
000
円
が正
の評 価
と さ れ,
その 中 間であ
る10,
000
円 と30
,
000
円 が負
の評
価となっ たの は,
先に述べ た 現 代の 消費
傾向
が反映
され たも
のと考 え
ら れ た。ま
た,
品 質 評 価
の難 易 度 を 軸
に考 え
る と,一
般 消 費 者
によっ て品質
評価
が 困難
な場
合,
その本質
的 な・
次 機 能
よ りも
二次 的
な機 能
が重 視
さ れ ること が多 く
,
イメー
ジ が売
れ行 きを左 右 す
る こと が多
いと
さ れている。 こ の よう
な 場 合,
価 格 が 品質
評価
の 決め手
とな り や す く,
ある 程 度 高い価 格
で ない と 買 わ れ ない こと が あ る と し,
これ を イメー
ジ・
プレ ミア ム原 理 と してい る15〕。
メディ カ ル フ ィ ッ トネス の み な ら ず,
医 療の 質の 評 価 は一
般 消費
者 に とっ て 困 難 な 場 合 が多
く あ る と 思 わ れ る。
よっ て,
本 研究
に お け る 回答 者
の価 格
に対 す
る選 好 条 件
に おい て,
50
.
000
円 が正の 評価
とさ れ たの は,
このイメー
ジ・
プ レ ミア ム原 理 が 働いた もの と考
え ら れ た。
メ デ ィ カ ル フ ィッ ト
ネ
ス の コー
ス内容
の 選択
に 関 して は,
評 価・
ア ドバ イス コー
ス の み が負
の 評価
となっ た。
こ れ はメディカル フ ィッ トネス の よう
な サー
ビ ス消 費 財
に おいては,
よ り包 括
的 な サー
ビスが好
ま れ ることを示
唆 してい る と 考 え ら れ た。
メデ ィカル フ ィ ッ ト ネス の施 行 時 間 に 関 し て は.
30
分の みが負
に評価
さ れて い た。
これ は,
メデ ィ カル フィ ッ ト ネス を 行う
に あ たっ て,
30
分 という
時 聞 は短
い と 感 じ る 傾向
が あ る もの と考
え ら れ た。
立 地 条件
に関
しては,
徒 歩
圏内
が負
の評 価
,
交 通 機 関
の 利 用 が 正の 評 価 と なっ て お り,
必 ず し も 自 宅 か らの距離
が 選 好 条 件 に な ら ない こ と を 示 唆 し てい る と考
え ら れ た。
指 導 方 法 に 関 し て は
,
マ ン ツー
マ ン指導
が 正の 評価
,
グルー
プ指 導
が負
の評 価
とな り
,
個 別
で の指
導
を好
む 傾 向 が う か が わ れ た。
し か し,
頑:要 度 は 低 く,
今後 検
討 が 必 要であ る と考 え ら れ た。
サ
ー
ビス産業 も含
め,
市場
に て何
か し らの商 品 (
製
品 ) の売 買
を 成 立 さ せ るため に は,
その商 品 を購
買で きる潜 在 的 な 可 能 性の あ る 顧 客 を 集 めるこ と が 必 須で あ る。
そ の た めには,
マー
ケテ ィ ングの観 点
か らの分 析
が 必要
と なる。
マー
ケ ティ ン グ につ い てkotler
は「
製
品 と価値
を 生み出 して他者
と 交 換 す ることによっ て,
個 人 や 団 体 が 必要 な も
の や欲
しい ものを手
に入
れ る た め に利 用
す る 社会
.
ヒ・
経営
上の プロ セス。
」 と定 義
しているlti)。
マー
ケテ ィン グの一
つ の 手 法 と して,
マー
ケテ ィン グ ミッ クスが挙
げ ら れ る]7 )。
マー
ケテ ィ ング ミックス と は,
望 ま しい 反 応 を市 場
か ら 引 き出 す
た め に,
ッー
ルを
組 み 合 わ せ て く 手 法 で あ る。
その 中 で,MaCarthy
が 提 唱 し た,
Product
(製 品,
サー
ビ ス ),
Price
(価 格 ),Place
(立 地)
,
Promotion
(販 売 促 進,
広 告)
,
の4
種
類 の ツー
ルを 組み合 わ せ る,
4P
とい う 手 法 が 広 く 用い られ
て いる。 こ の考 え を本 研 究
にあ
ては めてみ る と,
メ デ ィカ ル フ ィ ッ トネ
ス という 医 療
サー
ビス を提 供 す
る際
に,
選好 条 件
の重 要 度 が最
も 高 かっ た 価格
の設 定におい て,
最 も配 慮
が 必要
であ
る と考
え ら れ た。
本研
究結 果
よ り,
メ ディ カル フ ィッ ト ネスに関
して の 価 格の部 分 効 用 は,
高 価 格 帯 と 低 価 格 帯の r 極 化 を 示 し ていた。
これ は.
メディカル フ ィッ ト ネス とい う サー
ビ ス に対
して,
高額
な出 費 を 拠 出
しう
る潜 在
顧客
の存 在 を
示 し た もの と考 え ら れ た。
こ の場 合,
他に部 分 効 用 値 が 正 を示
した よ う な 包 括 的 な サー
ビスを 提 供 す る と仮 定 し た 時,
メデ ィ カル フ ィッ ト ネス という
サー
ビス に 対 して 高 額 な 利 用 料 (本 研 究 に おい て は 月50
,
000
円)
を 払 っ て も, 充 分 な 便 益 が 得 ら れ る と考
え る集
団 に よ り,
この経 営
モ デ ルは成
り立つ 可能 性
が考 え
ら れ る。
し か し,
そ の対 象 者 は,一
部の高 所 得 者 層 や,
メディ カ ルフ ィッ ト ネスに高
い付 加 価 値
を持
っ てい る 人 な ど,
非 常
に 限定
的 で ある こ と は予
想 さ れる。
.
一
方,
後 者の場 合 は 必 要 最 低 限のtll
費 (本 研 究 に おい ては月
5
ρ00
「
1亅
)
で,
必要 最 低
限の水 準
のサー
ビスを保
証
する もの で ある。
こ の場
合 は,
健 康 増 進事
業 と しての 役 割 が 大 き く な り,
対 象 者 は 広 範 囲であ る と 考 え ら れ る。
.
一
一
ノ∫ , 経 営モ デル に おい て は, 人 件費
や その 他 諸 経費
な どを 考 慮 す
ると単 独
での運営
は 困難
であ
ると
予想
さ れ,
国 や自
治 体の政 策 的 な 助 成 が 必 要 で あ ると考 え ら れ た。
これ らの こ
と
よ り,
理学 療 法
士 が 現行
の制 度
下で,
そ の職 能 を 活 か し たメデ ィ カル フ ィッ ト ネス とい うビジ ネ スモ デルでの開 業
を考
え る 際 に は,
その顧客
の対 象 者
の設 定 を
明確
にす
る 必要
が あ る と考 え
ら れ た。
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