NII-Electronic Library Service
家具
の
標 準
化 (
レ
ビ
ュー
)
Standardization
ofFurniture
Design
(Review
)岩
井一
幸
東 京 家 政学 院 大 学
lWAI
Kazuyuki
Tokyo Kaseigakuin University
1.
家 具 標 準化の国 際 状 況 家 具の市 場は、
次のような特徴をもつ とされ ている。
家具 産 業は、
高度に機 械 化 された工場での生 産 か らハ ンドクラフトに よる小 規模な作 業場での生産までの多様な生 産単位による複雑 な構 造を持っ ている
。
家 具 材 料は、
木、
金属、
プ ラスチック等 と幅 広 く、
付加 的にソ フト部 品やテ キスタイル製品 を組み合 わ せている。家 具 市場は、たいてい の国で消
費
者 市場 と公的セクタ
ー
市場に分け られ、
そ れ ぞ れ が 異 な る関連 製 品、
流 通チャネル、
質 的 要求 条件を持っている。
家具貿 易は、
家 具 部 品と家 具 製 品の両 方で拡大 している。 家 具 標 準 化が、市場との関係で重 要 に なっ てきたの は、WTO
(世 界 貿 易機 構 )の前身であ るガット(GATT ) (関税と貿 易に関 する一
般 協定)のスタンダー
ドコー
ド (貿 易の技 術 的 障 害に関する協 定 )が1980
年に発 効し て か らで、
以 後 国際 規 格を取り入 れ た家 具JIS
規 格の改 正 が 行 わ れ るように なっ た。
さらに1995 年に、WTO
の 協 定の一
部としてTBT 協 定(貿 易の 技 術 的 障 害 に 関 す る 協定)が 締結され、
「国 家 規格は国際 規 格 と原 則 として 統一
する 」条 件が 加 え られ た。
関 税 以外の貿 易障 壁 (非関税 障 壁 )の発 生をい か に防止する かが課 題とな り、
各 国 規格 や認 証 制度が、
自 由貿 易の 障壁 とし て取 り上 げ られ た か らで あ る。
そ れ まで家具のよ うな 生活や 文 化 や歴史と関わ る標 準化は、国内問題 として消費者 と生 産者がバ ラ ンス を 取る形で制 定 されていれ ば 良 かっ たのが、
諸 外 国との貿 易にお ける技 術的障 害とし て捉え られ るようになり、
生 活 とグロー
バル スタンダー
ド であ るISO
規格が直 結 することになっ た わ け で ある。
世 界共 通の 製品 としての 家具 を 対 象 にした 国 際 規 格 (ISO規 格 )は、
1972年 設 置の国際標 準 化 機 構136技 術 委 員会(ISO /TC136 )で審 議が行 なわれ る。
その 目 的は、
家具 分 野 で、
とくに 用 語、
要求 条 件、
試 験 法に 焦 点 を合 わ せ た 規格を 用意することで、
貿 易上の 障 壁 を避 けるた めにグロー
バ ルな調和、
とくに安 全の 観 点と 試 験 方 法の 統一
性に焦 点 をあわ せてい る。 現 在 家具 規格 として22の 国際 規 格 (IS)が制 定されて い る。
こ の
TC136
は、1972
年 にストックホルム で12力国が参 加し、
作 業が始まった。
そこ では家 具 標 準化の基 本 原 理 と審 議組織の構 成が決められ、
べ一
スとし て多 数の国が もつ 家具 研 究 所の蓄
積を利 用 す ることとした。一
般に こ れらの家 具研 究所は、
消 費者にとっ て重要とな る家
具の 特 性を決 定するため にあり、
完成品の家具 を試験 してい た。
こ の蓄 積が、
使 用 段 階で求められる家 具の個々 の 性 能 プロフ ィー
ル に 対 す る個々 の要求 条件を満たす一
般 的な試験方 法 を開発す ることに 役 立つもの となっ た。
EC
の発 展に伴い、
ヨー
ロッパ 地域の規 格 化 作 業を実施していた
CEN
(The
European
Committee
for
Standardization :ヨー
ロッ パ 諸国の標準化 団体に よ り1961
年に設立)が、
国際標準化の作 業に参 加 することと な り、ISO
との 間のウィー
ン協 定 に より、
規 格 原案 作 成 作 業の一
部をCEN
で行い、
ヨー
ロッパ 地域 規 格 (EN
)とし て先 行 的に定めた規 格 をISO
規 格とし て制 定 する ことが 認められ るようになっ た。
1992 年オス ロに おい て、
そ の 作業 プログラム の実 行プ ランとし てISO /TC136 とCEN /TC207
(家
具 は1989 年 に 活 動 開始)の2
つ の 家具 標準 化委 員会間で協力 す る原 則が 承認され た。現在、
CEN
規格は、16
規 格、
検 討 中は、12
規 格、
批 准 中が1
規 格 である。
家具JIS
規 格 と家 具ISO
規 格は、
TBT
協 定により一
致 す る必 要があ り、
そ れ に家
具EN 規 格が深 く関 わっ ているとい う意 味で家具 標 準 化の動 向 は、
今後CEN の 動 きを注視して行 うことが 必 要 となっ ている。2 .
家 具標 準 化の国 内状況 日本の 工業 製品 を 対象に した規 格、
日本工業 規 格 (JIS
)の家具に関 する規 格 (家 具JIS
規 格 )は、
国 際規 格 (家 具ISO
規 格 )との整合 性が問題になるまで、
材 料 別 に木 製、
鋼 製、
ま た用 途 別にオフ ィス用、
学 校用、家 庭 用に大別され、
大 部 分が「製品規 格」とし て制定 されてデ ザ イ ン学研 究 特 集号 SPECIAL ISSUE OF JSSD Vol
.
11 NQ.
4 2004 7 N工 工一
Eleotronio LibraryNII-Electronic Library Service きた
。
これ らの 製品規 格は、
社 会の 要 請 に 応 じて個々 に 規 格 が 制 定 され た経 緯も あ り、
同じ用 途 に分 類 され て い ても必ずしもその 個々 の製品 分野 である家具の試 験 方 法が同じで あ る とはい え ず、
生 産者 中心の規 格と して 消費者 が購入に当って品 質の比較を難しくしてい た。この 家 具亅IS
規格は、
製品仕様 を (1
)適用範 囲、
(2
) 種 類、
(3
)性 能、
(4)形状及 び 寸法、
(5
)材 料、
(6
)試 験 方 法、
(7 )表 示 等の規定 項 目 につ い て記 述し ているの に 対 して家 具ISO
規格で は、
基 本 規 格である用 語 ある い は試 験 方 法に問題 を しぼり、
規 定 してい る。
すな わち 従 来まで家
具の質は、
JIS
規 格で は材 料 別、
用 途別 に、
予 め能 力が解っ て いる材 料の種 類や使い方の 模範回 答 を示し、
これ に より、
家具 をつ くる「(製品)仕 様 規定」 として 「製品 規 格」に 定 めてきた。 これに対し て 【SO
規 格 では、
ユー
ザの 要 求 をも とに完 成した家具が、
提 供で きる能 力 を 実現 することを条 件として規 定 する「性能(仕 様 )規 定」の考え方を もとに「性 能規格」として規 定 して いる。
求め る家具の 質 は、
消費者要求によっ て決めら れ るようにな る わ けで、 要 求条 件は、
要 求 性 能として性 能項 目 に 分解され、
性 能 項 目を 具体化した指標で ある 試 験 項 目 に対応する試験を行 うことに より、
その 家具の もつ能 力、
す なわち性 能が検証 され る。
現 在
、
家 具亅IS
規格の構成は、
1999年の改 正作 業によ り、
ISO 規 格 に整 合 した 性 能規格 と亅IS
規格 固 有であっ た 製 品 規 格 との 組合せによる構 成となっ て いる。
す なわち
、
家具JIS
規 格のISO
整 合化は、
(1
)ISO
規 格とし て規定している試験方法の新 家 具亅IS 規格化と(2 )その適用 対 象となる関連 する多くの家具
JIS
規格に定め られ た製品 仕様を新 家具亅IS 製品 規 格 改 訂 として同 時 に見直し、
整 合 化 を 図 ることとした。 3 年間にわ たる家 具 試 験 方 法に つ いてISO規 格 を 新家具JIS
規 格とし て制 定 することやそ の試 験 方 法 規 格 を用いて現 在までのJlS
規 格の継 続 性 を考慮した新 家 具亅IS
製 品規 格に改訂 をするという2本立 の 作 業を行っ てい る。
これは国 際 規 格から団 体 規 格 まで を含む家 具 規格 体 系に位 置づけ られ た従来の家具JIS
規 格 を 製 品 規 格から性 能規 格へ 変 換 することで あ り、
家 具JIS
規 格の考 え 方 を 基本から変 更 するものであっ た。
3 .
家 具の標 準 化 を 促 した 要 因 以 下で は学 校用家具 を ケー
ス に 標 準 化の歴 史 を 通 して家 具 標 準化 に 影 響 した諸 要 因につ い て見て行くこ とにする。
(慣 習 条 件 )家 具 標 準化の基本 とな るの は、 生 活様
式である
。
生活の 椅 座化へ の動 きは 、明治維 新に学 校が椅 座 化を 目指 すところか ら始 まって い る
。
1869
年 (明 治2
年)、
木戸孝 允は、
新 政 府に「普通教育の振興を急 務とすべ き建言書」を 提 出
、
欧 米風の 学 校 制 度を全国 に 実 施 す るよう主張した 。 そ
れ ま での 寺子 屋での座 机による教 育からの脱出 で
ある
。
教 育 史に よれ ば、
初 期に は机腰掛けが準 備 できないた めに、
各 自宅から、
座 机を持ちこむ という指示や
、
腰掛け に よ る教 育は 疲 れ るの で、
座 式の 教 育を 認 め て 欲 しい との 嘆願 書 も出て い るもの の
、
1872
年(明治5
年 )の学制 改 革以来、
学校で今日の 机 腰 掛 けという家 具の 標 準 化の 基 礎 が作られ
た
。1991
年 (明治24
年 )小 学 校 設 備 準則の 中で机腰 掛 けにっ い て規 定され
、
学校 用家具標 準 化が始まっ た
。
その 中 心 は、
寸 法に表現され た規 範で あ り、一
定の 寸 法 に よ る質の同一
性で、
同じもの を あ る一
定 量つ くることを 目指 す もの であっ た。
(材 料 及 び 加工条 件 )こ の 明治期 以 来の 基 本 的 な流 れは
、
第2
次大戦 後の 家 具JIS
規 格化 が、
1951 年 (昭 和26
年 )大 戦 後の 混乱 期の 粗悪 品 防 止 を 目的とした「
JIS・
S1023 木 製 事 務 用家具(机、
卓子及び いす )」の制 定、翌1952
年の普 通 教室用 木 製 机・
い す を 対 象 に、寸 法、
材 料、
および作り方に よる 品質を確 保しようとした規 格「
JIS
・
SIO21
学校 用家
具 (普 通教室 用机・
い す )」にも続いた。
1960 年に は、
スチ
ー
ル家 具の普及に伴い 「JIS ・
S1031 鋼 製事務用机」の他
、
「い す」、
「ファイリング キャビネット」等 の亅IS が制 定 され る。 材料及 び 加工技 術 条 件の均質化が課 題 とな り
、
材 料 別の 製品単 純 化を 目指し た。こ こ では規 格 化イコー
ル 単 純 化 とな り、
今 日標 準 化 が疎ま れる要因をつ くっ ている。
(機 能 条 件 )1966
年、 「亅IS・
SlO21
普通教室 用机・
い す」の規 格 改 訂が行 わ れ、
机・
い すの 段 階と児 童生徒 個人の 身長 を適 合 させ
、
2
人用を1
人 用机(机幅
60cm
×奥 行 40cm )に、
机・
い すの高さを11段階に改め た
。
これ は、
1893 年 (明 治26年 )の三島 通 良 の 調査に も とつ く 「小学 校机 腰 掛 け構 造 法」、
さらに8SPECIAL
iSSUEOF
JSSD Vol
.
11 No,
4 2004 デ ザ イ ン学研究特 集 号NII-Electronic Library Service
1919
年 (大正8
年 )以 降の豊 田 順爾の研究に よる 「座 高 三 角 法」、
あ るいは戦 前期1943
年 (昭 和18
年 )の剣持 勇 に よる「規格 家具」
、
戦 後期1953
年の 豊口克平 に よる「椅子の研 究ノー
ト」から続 く、1960
年 以 降の小原二 郎 ら に よる精力的 な「人 間工学研 究」に よる成 果 を規 格に導入 したものであ る。 1979年
、
ISO /TC136
設 立 以来の成果とし て、
国 際規格「
ISO
5970
教育
施設 用いす及 び テー
ブルー
機能サ イズ 」が制 定 される。 これに合わ せて、1980 年に は「
JISSIO21
」につ いて種類の色彩表示、
机・
い すの種 類 と身長 との適 合を 見直し、
11 段階のうち偶数 号を 選 択 使 用できるよう改 訂 した
。
児 童と家 具が適 合し て使 用されるように表示 段階まで機 能条 件を 考 慮して規 格を考え ることが明 確になっ てきた 。
(空間条 件 )1974
・
76 年に は、
学 校用家 具とし て、
新たに講 義室用連 結 机・
いす「JIS・
S1015 ・
1016 」が
、1980 ・
81
年に は 特 別 教 室 用「JIS
・
SlO71 −
1085
」が制 定され、
学 校用家具 を体 系的 に選 択 す る基 礎が確立され る。
これらは、
建築モデュー
ル と 対 応 し、
1971年、
建 築モデュー
ルとの結び付 きを考えた「
JIS
・
SlOlO 事 務用机の 寸法」等の 寸法 規格化の動 きの 中で制定され た もの である
。
建築 分野では
1999
年 に整 合され たISO・
1006 「建築
一
ベー
シックモデュー
ル 」であ る10CM
モ デュー
ルも家 具JIS
規 格で は早い段 階で採用 してい た が、 今日 で は、
家 具に対するニー
ズ は多様化し、
外 形 寸 法 を規 定 するの が適 切であるか が課題 とな り、
家 具 外 形 サ イ ズ は、
性 能 条 件 として扱い、
家 具に適 用 す る外形モ デュー
ル サ イズ を定めない方 向が適 切であ ると判 断 され るよ うに なっ てい る。
規 格に お ける主役が 寸法 条 件か ら性 能 条 件へ と転 換が行な われ たわけ である。
教 室 サイズとい う空 間 条 件との 関 係から定め られ た机 甲 板 サ イズ が、
1981年、2
人 用机が教 室の使い方 や 学習活 動のあ り方の 変化 か ら
、
「Jis・
S
lO86
学 校 用 家 具 (普 通 教室 用2
人 用机 )」として復活、さらに1991年 「
JIS
・
S lO21 」改 訂で、
従 来の規格の適 合 範 囲 を超 え る生 徒の 割 合が多くなっ たことから、
特 号 (机 面 高76cm、
い す座面高46cm )を定め、
「JIS・
SIO86
」の 改 訂では、
「ISO・
5970」規 格を考 慮して、
机 幅120cm
×奥 行40cm
を、より広い 140cm ×40cm へ と変 え るとい う対応をした。
これ ら の数 次にわ たる 改 訂 は、
机・
い すの 使いや す さを児童 生徒 個々 人 に 当ては め ることを 中 心 に進め て きた。
(性 能 条 件 )1968
年「家具の規 格 体 系整備 に 関す る調査」が、
家 具 分野で始めて実施 され、材 料別単体 別の
家
具 規格か ら、
家 具人間工学による機 能寸 法 や 建 築モ デュ
ー
ル を結び 付 け た家
具規 格へ の 変化 を多 角 的に検 討し、
性 能 規 格 化の方 向 を提 案した。
さらに1981 年に は、
国際 的に議 論されて いた 建築空間の性 能規格の 考え方と対応して
、
「家 具の性 能 試 験 方 法に関 する調査」を行い 、空 間 にお ける家 具の製品規 格 とし て性 能 項目に対する共 通の試 験 項 目 を定める 必 要 を 報告し てい る
。
こ の結 果
、
規 格 を製品 仕 様 か ら性 能仕様へ 変え るという国際 的な 動 きか ら
、1983
年、家
具の性能 試 験 方 法を共通規格とし て体 系 的に整 え ようとする「JIS
・
S
1017 家
具の 性能 試 験 方 法通 則」が定められ た。
この通則では
、家
具 全体の 規格を 見 た とき に、
試 験 方 法に統一
性のある共 通規格 とい う形 態 を整 え、
すで に 予想されていた
isO
規 格に試 験 法 を整 合し や すい ように家 具JIS
規 格を定 め た。
さらに1996
年ISO
規 格 完全 整合 化と関連して 「家 具 に 具 備すべ き性 能 項目・
要求 条 件に係る標 準 体 系 化調査 研 究」が 行 な わ れ た。これ らをも とに1998年
、家
具製品 規格に 規定され た家具試 験 方 法が、
性 能仕様の考 え 方 に もとつく
ISO
規 格 と一
致す る試 験 法 規格である 「亅IS・
S1200
か ら1206
」として制定 さ れ る。
収 納ユ ニットの 「強 度と耐久性の試験方法」、 「安 定 性の 試 験 方 法」、
テー
ブル の 「安 定性の試 験 方 法」、 「強度と耐 久 性の試 験 方 法 」、
いす およ びス ツー
ル の 「強度と耐 久 性の 試 験 方 法」、
「直立形いすお よびス ツ
ー
ル の安定 性 試 験 方 法」、家
具の 「常 温液 体に よる表面抵 抗 性の評 価」である。 これは貿 易の 完 全 自由化 を 目指 す国際 社 会及び 日本 社 会の 急 激 な変 化を 捉 え、ISO 規 格 を
J
【S規格と整 合さ せ た 性能 条 件に よる規 格化の 方向 を 明 らか に し、
将来の 家 具JIS
規 格を 示すもの であっ た。
(試 験 条件 )家 具 製品の性 能は、
そ れ らを構 成 する 家具部品の性 能から組み 立てられ る。
新 家 具JIS
規デ ザ イ ン学研究特 集 号 SPECIAL ISSUE OF JSSD Vol
.
11 No.
4 20049
NII-Electronic Library Service 格 (
JIS
SI200 等)は、
収 納ユ ニットの試験 方 法のよう に部品 別 を 基本に試験法 が考え られ、
その 家具に 組み 込 まれている部 品につ い て評 価を実 施 する。
例 え ばJIS
・
・
S1200
収納ユ ニ ットの安 定性試験 法 は、オフ ィス用 収納 家 具のみでは なく、
住宅用 収 納 家 具、
オ フ ィス 用 机、
学 校用家具等に も 関連す る 試 験 とし て実 施 されている。部品 を 軸 に して試 験 方 法 を総 合する ことにより、
用 途 が 別の家具等が 同じ 試 験 条 件で 比 較できることになり、
生産 者は 1つ の カ テ ゴリー
での み考えなくともよいという視 点が導入で きる と同 時 に 使 用 者 も
家
具 を 学 校 用 より家 庭用 は丁寧に扱 うといっ た異なるダ ブルスタンダー
ドに よる家 具の使い方の視 点ではなく、一
貫した扱い方の 中で求 め る
家
具の 質を 評価できることに な る。(行 動 条 件 )
1999
年「JIS
・
S
至021
学 校 用家具一
教室 用机・
いす」改 訂では、
学 習 指 導 要領 改 訂に伴 うグ ルー
プ学 習へ の 対応、
す な わ ち個々 人の 人間工 学 条 件の 適用 か らグルー
プ構成員の 行 動条 件も 考 慮し た規 格へ と展 開した。
こ の規 格 改 訂で は、
パ ソコンな ど多様 な 教 材 が日常的に使 用 されるように なっ てい ることや、
教 育 現場では、
一
斉 授業に よ り 整 然 と机 を並べ て行 なう学 習 形 態だけでな く、
多目 的ス ペー
ス を含む広い 教 室を利用 し た チー
ム ティー
チング、
グルー
プ学習、
個 別 学 習 な ど、一
人 ひとりの個性 を 生 か した多様 な学 習形 態がとられ る ことを ふ ま え、
多様 な 教 材に対 応できるよ う机 甲 板 寸法を拡 大 するとともに、
多様 な 大 きさ、
組 み 合 わ せを選択できるように し、
学 習 形 態の変 化に対 応 可能にすること、
グルー
プ学 習の 場 合に机面高を一
定 にし、
座 面 高 さ調 整の 可 能 ないす に よっ て、
身長 差に適用できるようにすることな ど新 条 件に家 具標 準 化が 対 応 す るように 考 えている。 (消 費 者 条 件 )消 費 者 関 連 法が 整備される中、
1990 年、
製 造 物 責任法 (PL
法)が制定 され、
消 費 者 条 件に よ り家 具JIS
規 格の性格 も変 化した。JIS
規 格に則っ た製品 を 作 れ ば よい とされてきた家具で は、
評 価 基 準 を 自 らの 外 に 設 定 してきた が、
生 産 者 自 らが 製 品 に 責 任 を 持 た ね ば 成 らない となっ た た め、
規 格の 有 無に か か わらず主体 的に考えるよ うに変わり、
家 具 規 格が ある製品 を作る際の 基 準と なり、
生産 者の 責任に おい て製品の 多 様化 を は か ること が可 能となっ た。
す な わ ち、
規 格 は 消費者が 製品 を 理解す る 共 通の 知 識ベー
ス となっ た わ け で、
消費者 か らみ る と生 活 を取り囲む種々 の 製 品 を 自らの標 準に合わせ て構 成 することが可能となっ た とい っ て よい。 (社 会 環 境 条 件 )環 境共 生、
健 康 安全 と規 格に対 す る要求が社 会環境 条 件に シフトしてい ることから、
循 環型 社 会として の材 料リサ イクル、
健 康としての ホル ム アル デヒド等のVOC、
安全 としての火 災 や防犯 に 関心 が集まり、2004
年、
家 具JIS
製品規 格の改 訂で は、
材 料 規 定の重 要 性が増し、
有 害 な物 質 (ホル ム アル デヒド等の発散の 恐 れの あ る材 料の使 用 )を規 制す る等、環 境や 健康 安全に特に影 響を 与 える規 定 を 対象に表示を 明確にする ようになって き てい る。
さらに少 子高 齢 社 会で は、
高 齢 者 や 障 害者 も同 じ条 件で使 用でき る家 具を志 向 するユ ニ バー
サル 化が要求され るように なっ て きた。
成 長 期 に あ る児 童 に 適 合 す る家具 につ いては、
学 校 用家具 あ るいは、そ れ と対 応 させ た「
家
庭 用 学 習 机・
椅子 」規 格 が あっ た が、
高齢者 や障 害者 に とっ て現 在の家具規 格で 対応できるように配 慮した規 格はない。2001
年、
ISO
/IEC
ガ イド「規格 作 成に お ける高 齢者、
障 害 者 のニー
ズへ の 配慮ガ イドラインー
ニー
ズ明 確 化の ための指 針」が刊 行 され
、
そ れ を支援 す る形で、
2003 年、
「バ リア フリー
住宅設 備の 設計 指 針原案」が作 成され るな ど
家
具 亅IS 規 格 も社 会 環 境 条 件 を考慮 した 規格が求め られるようになって い る。 4.
今後の家 具 標 準 化の方 向 以 上 見てきた ように家具 標 準 化 は、
時代 や生活や文 化 を反 映 して種々 の要 因 を 取 りこん でいる。
しか し、
各 国とも家具標 準 化を 強 力 に 進 め、
多くの家具規格 が存 在 する。生 産 者 が 自 ら生 産 する製品につ いて責 任をも ち、 その 質を 判 定 する方 法 をオー
プンな 形で定めてお け ば よいわ けで質の 悪い 製品 は、
市場では存 在が許 さ れ ない とい う原 理 に 則っ てい る。
家具 は、
消費 者要求 に 基づい て作 られ、
その製品 仕 様 は 生 産者が 団 体 規 格とし て規 定し、
試 験 方 法が国 際 規 格に用 意 され、
評 価 基 準は ランキング化され、
決 定は消 費 者が行 な うとい10 sPEcIAL IssuE oF JssD vol
.
11 No.
4 2004 デ ザ イン学 研 究 特 集 号NII-Electronic Library Service うことに な る
。
消 費 者 も新し い生活 様式 を 整 え、 生 活 を 常に検 討し、 新た な標準 化 を 要求してゆ く心構え が求 められ る。
さ らに個別 自由 に 制 限なく用い る個人製 品 等の 規 格か らユ ニ バー
サル 化 が 課 題 となり、
コ ミュ ニ ティに よる評 価 軸 も問題となってきてい る。 今 後家具 以 外の分 野 で も、
性 能を軸とし て対 象 物 を規 定 するルー
ル 化が進 む と考え られ る。
また消費者も、
性 能 規定 を 理解する ことによっ て、
求め る家具の 質を的 確に 要求 することが 可能となる。
家具ISO 規格とし て家 具 表面試 験 法、
可燃 性 評 価試 験 等の未着手の課 題、
分 類 用 語等の 家具基 本 規 格の 制 定等 も残って い る。これ らの規格の見 直し、家具【SO
規 格へ の提 案 等、
消 費 者の 要 求 をすばや く直 接に家 具規格 に反映できる家 具 規 格 管理組 織を 整備する こと が 重 要になる。生 産者規格か ら消費 者 規 格へ、
製 品 規 格か ら性 能 規 格へ、
最低 性 能 保障規格か ら消費 者 自 由性 能 選 択 規 格へ と家 具 規 格は変わっ ていく。 注1
) 岩井一
幸:学校用家
具の亅IS改訂、
教 育と施設2000 年春68
号、
社 団 法 人 文 教 施 設 協 会、2000
2
) 岩 井一
幸:家具の標準化動 向、
標 準 化ジャー
ナル7
月号、1998
3
) 平 成8
年 度 通 産省工業 技 術 院 委 託「家具 に 具備す べ き性 能 項 目・
要求 条 件に係る標 準体 系化 調 査 研究」成 果 報告書、 社 団 法 人 日本オフ ィ ス協 会
、
1997 参 考 資 料 1)ISO4211:1979 家具一
常温液 体による表面抵 抗の評 価 2)ISo4211−
2:1993 家 具一
表 面仕上 げ 試験一
第2部湿潤加熱抵抗の評価 3)ISO4211−
3:1993 家 具一
表 面仕上 げ 試 験一
第3
部乾燥 加熱抵抗の試 験 4)ISO4211−
4:1988 家 具一
表面仕 上 げ試験一
第4部 衝 撃抵 抗の試 験 5>ISO5970:1979 家 具一
教 育施 設の いすと机一
機能 サ イズ 6)ISO7170:1993 家 具一
収 納ユ ニ ットー
強度と耐 久 性の測 定 7)ISO7171:1988 家 具一
収 納ユ ニ ットー
安 定性の測 定 8)ISO7172:1988 家 具一
テー
ブルー
安定性の測 定 9)ISO7173:1989 家 具一
いす とスツー
ルー
強度と耐 久 性の測定 10)ISO7174−
1:1988 家 具一
いす一
安 定性の測定一
第1部垂直いすとスツー
ル 11)ISO7174−
2:1992 家具一
いす一
安定 性の測定一
第2
部 揺りいす と充分もた れ た ときの傾 斜また は リクライニ ング機構の いす 12)ISO7175−
1:1997 幼 児用ベ ッドと家庭 用お りたたみベ ッドー
第1部安 全 要 求事 項 13)ISO7175−
2:1997 幼 児 用ベ ッドと家庭用 おりた たみベ ッドー
第2部試験法 14)ISO8191−
1:1987 家 具一
布 張 り家具の可 燃 性の評 価一
第1部 発 火 源一 燻 るタバコ15
)ISO8191
− 2
:1988 家 具一
布 張り家 具の可燃 性の評 価一
第1部発 火 源一
マ ッチ 等の火 災 16)ISO9098−
1:1994 家 庭 用バ ンクベッドー
安全要 求事 項と試験 法一
第1部安全要求 事 項 17)ISO9098−
2:1994 家庭 用バンクベ ッドー
安 全 要 求 事 項 と試 験 法一
第2部 試 験 法 18)ISO9221−
1:1992 家 具一
子供用ハ イ いす一
第1部 安全要求 事項 19)【SO9221−
2:1992 家 具一
子供用ハ イいす一
第2部試験 法 20)ISOIO131−
1:1997 お りた た みベ ッドー
安全要求事 項 と試 験一
第1部 安 全要求 条件 21)ISOIO131−
2:1997おりた た みベ ッドー
安全 要 求事 項と試 験一
第2部 試 験 法 22)ISO15717:1998 キッチン設備一
キッチンキャ ビネットと作 業 甲板の安全要 求 条件と試験 法 現在検 討中 の規格は、
1)ISO/DIS 7170:家 具一
収納ユ ニ ットー
強度と耐 久性の測 定 2)ISO/CD 21015 :家具一
オフィス用いす一
試験 法 3)ISO/CD 21016:家具一
オフィ ス用 作 業 テー
ブル 及 び 机一
試 験 法 4>ISO/FDIS 22879:キャスター
及 び車 輪一
家 具用キャ スター
のための要求 条 件 5)ISO/FDIS 22880:キャスター
及 び 車輪一
回 転いす 用 キャ スター
のた めの要求条件デ ザ イ ン学 研究特 集 号 sPEclAL IssuE oF JssD voLll No