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成長著しいベトナム・プラスチックの最新状況

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チャイナプラス2007と華南プラスチック状況

長谷川国際技術士事務所 長谷川 正(Tadashi Hasegawa) 「ポリマーダイジェスト」Web 版、2007 年 7 月 (1) はじめに 2007 年 5 月 21 日~24 日に広州の国際展覧センターでチャイナプラス 2007 が開催され た。チャイナプラス2006 は上海で開催されたが、広州では 2 年前の 2005 年以来 2 年ぶり に開催された。(写真1、2) 中国におけるプラスチック需要は世界第2 位の 4000 万トンを超えており、毎年 10%以 上の急成長を続けている。 今回の展覧面積も前回の広州展と比較すると約 30%拡張され、10 万㎡となり、11 ホー ルで展示が行なわれた。 チャイナプラスの特長は、世界の最新技術が紹介され、特にドイツ、イタリア、オース トリアなど欧州からの企業群が各国別に集中して出展しており、アメリカからは大手原料 メーカーを中心に、機能的コンパウンドメーカーなどの出展が注目されていた。海外から の出展が約60%を占める国際見本市である。 今回、日本からの出展企業としては、射出機メーカーが全電動式機種を前面に出して、 東芝機械、住友重機械、東洋機械金属などが積極的にPR していたが、ドイツ、イタリア、 オーストリアなどの機械メーカーの展示と比較するとスケールが小さくて出展メーカーも 少なくなったと感じられた。 一方、日本からの原料メーカーの出展数は非常に増加しているのが目立った。特に、三 井化学、三井物産、住友化学、デンカ、テクノポリマー、三菱化成、帝人化成、東洋紡、 日本合成、旭化成、信越化学などの主原料メーカーだけでなく、安定剤メーカーの堺化学、 理研ビタミンなども出展していた。 原料メーカーにとって、これから期待できる市場は世界最大のプラスチック使用国であ 写真 1 オープニングセレモニー 写真2 会場内

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る中国に焦点がしぼられている方針が明らかとなっている。 筆者が注目した欧米からの出展で目立った点は、大手原料メーカーであるDOW、Du Pont、 BAYER、BASF 以外にも、機能的コンパウンドメーカーとして世界的に原料供給している RTP、GLS、Multibase、KRATON、EXXON などが、中国にも工場進出して、中国市場 に対する積極姿勢が見られた。 一方、中国国内からの出展も射出機、押出機、ブロー成形機などを中心に行なわれ、こ れら機械メーカーの機械生産台数は日本と比較しても 4 倍以上に達し、これまでコストの 安さだけが注目されていたが、性能、品質、デザイン面でも毎年ごとに急改善されてきて おり、全電動式射出成形機の出展も5社以上になっており、中国国内需要だけでなく、欧 米、南米、中近東に対する積極的輸出実績が伸びているとのことであった。これからは輸 出市場において、日本の機械メーカーとの価格、性能競争が激化するものと思われる。 今回のプラスチック加工研究会のメンバー17 名による広州視察団では、チャイナプラス 見学後、東莞の大同機械、番禺区のレンシン金型、TOPCO、佛山の飯田産業、中山の KATECS、 および三郷地区政府役人や共産党書記との合同会議を持った。 深圳では金型・成形加工の長津金安精密汪塑、金型大手企業の亜州機、リサイクル加工 の大手DADU 社など 9 社を訪問してきた。 華南地区の急速な発展と、技術レベルの高さ、生活水準の高さには筆者は毎年中国を訪 問しているが、1年前と比較しても大きな変化が明らかに認められる。 広州地区に置ける自動車産業は、中国のデトロイトと呼ばれているように、世界各自動 車メーカーの進出が積極的であった。街を走っている自動車もトヨタ、ホンダなどの 400 万円台の日本車も非常に多く見られ、国産車の40 から 60 万円ぐらいの軽自動車(1000CC) も売れているとのことであった。 (2) 華南工業地帯(珠江デルタ工業地域)の現状 広州を中心とする華南地域には深圳、東莞、中山、珠海、佛山など、今回の視察団で訪 問した工業地帯が代表的地域である。図1に都市別管理職・ワーカーの年間平均賃金(2004) を示す。現在の水準はこれらの数値50%アップと思われる。 広東省にはフォーチュン 500 に 含 ま れ る P2G 、 PEPSI 、 Siemen、NOKIA、LG 電子など の大企業166 社が 544 拠点を展 開している。最新の情報による と、中国外資系企業500 ランキ ングの中で、126 社が広東省に 立地している。上海の94 社を上 回り、全国31 省、市、自治区の 図 1 都市別管理職・ワーカーの年間平均賃金

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中で最大となっている。 日系企業では、中国で1,546 社が 4,116 の現地法人を展開している中で 614 法人が広東 省に立地している。広東省内では広州と深圳で50%以上を占めている。 代表的企業としては、ホンダ、日立、三洋、キヤノン、オリンパス、などで近年の傾向 としては、自動車関連企業の進出が加速している。華南におけるトヨタ、日産の進出、ホ ンダの増産により、広州、仏山、中山などの珠江デルタ西側を中心として進出している。 図2に華南地域における2010 年での 150 万台自動車生産体制を示す。 広州における自動車生産量は全国シェアは 14%で、上海に次いで第 2 位であり、日系 3 社に加え、韓国現代自動車が生産を開始する。自動車部品メーカーも多く進出しており、 日産系部品メーカーは花都地区、トヨタ系は南沙地区に進出が相次いでいる。 図2 華南の自動車生産体制(2010 年:150 万台) 表1に広東省への直接投資流入の推移を示す。 表1 広東省への直接投資流入の推移 直接投資1/ うち日本からの直接投資 契約件数 契約金額 実行金額 契約件数 契約金額 実行金額 (件) (億米ドル) (億米ドル) (件) (億米ドル) (億米ドル) 2000 年 4,245 86.8 122.4 51 1.9 3.1 2003 年 7,306 217.9 155.7 132 7.3 4.7 2004 年 8,322 193.6 100.1 220 8.7 5.3 2005 年 8,384 237.4 123.6 191 9.9 9.4 図3では広東省への進出日系企業現地法人の業種別内訳を示す。 広東省には大学も多く、特に理工大学のレベルも高く、日本企業からの求人も非常に多 いとのことであった。表2、表3に卒業生数のシェアおよび主要な大学名を示す。 表4では中国とアジア主要都市・地域の賃金比較を示すが、最近では深圳を中心とする 技術者の賃金は急ピッチで上昇しており、優れた人材確保が困難になってきている。 現在、広東地域における進出企業が困っている問題点としては、特に製品の輸出加工型

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図3 広東省進出日系企業現地法人の業種別内訳 企業では用地制約の高まりや、環境規制、 賃金上昇、労働力不足、電力不足などに直 面している。 今回訪問した企業でも週2 日の停電があ るそうで、突然の連絡による停電で困って いた。精密成形の企業では自家発電装置を 有していた。広東省でのプラスチック原料 生産高も5 大併用樹脂だけで 2000 万トン が見込まれている。 表2 広東省の大学種類別卒業生数のシェア(2004 年) 大学種類 シェア、% 大学種類 シェア、% 総合大学 39.8 経済大学 6.4 理工大学 20.1 法律・政治大学 1.2 農業大学 6.0 体育大学 0.9 医学大学 3.4 芸術大学 0.8 教育大学 9.3 その他 10.1 語学大学 1.9 合計 100.0 (出所)『広東統計年鑑 2005』 表3 広東省の主要な大学 肇慶教育学院 広東工業大学 五邑大学 汕頭大学 中山大学 広州美術学院 広東外語外貿大学 湛江師範大学 華南理工大学 広州師範学院 中山医科大学 深圳大学 華南農業大学 曁南大学 仏山科学技術大学 広州中医薬大学 西江大学 華南師範大学 嘉応大学 (出所)人民日報ホームページ 表4 中国とアジア主要都市・地域の賃金比較(月給) (単位:米ドル) 北京 上海 深圳 香港 台北 ジャカルタ バンコク ワーカー 79~139 109~218 86~335 888~1,966 975~1,311 130 179 エンジニア 122~266 269~601 179~494 1,885~2,683 1,311~1,676 252 400 中間管理職 314~1,382 567~1,574 408~1,193 2,139~5,231 2,838~3,776 619 579 最低賃金 59.80/月 68.87/月 72.49/月 なし 482.78/月 75.03/月 126.30/月 (資料)ジェトロ『アジア主要都市・地域の投資関連コスト比較』(2004 年 11 月)

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(3) チャイナプラス2007展示内容 (ⅰ)射出成形機 ◇ 海天 中国を代表する最大射出機生産企業で、年間 1 万台以上を生産する海天では、全電動式 射出成形機から、型締力 5,000 トンまでの各種射出機を大量に安価に生産し、国内だけで なく、海外でも60 カ国以上の国へ 25 万台以上の機械を輸出している。特にアメリカおよ び中・東ヨーロッパへの輸出が多い。最近では、ブラジル、トルコにもサービスセンター を設立して、輸出に力を入れている。従業員は2,800 人でそのうち 500 人は技術系大学よ り採用しているとのことであった。写真3に海天の本社工場を示す。

◇ 震雄集団(Chen Hsong Group) 写真 3 海天の本社工場 この会社は香港株式市場にも上場している優良企業のひとつで、射出成形機も、震徳も 含めやはり1.5 万台以上を生産している。この会社の特長は鋳造工場も自社で有しており、 全電動式射出成形機種から 4,000 トンまでの各種機種を生産している。国内でも性能技術 力が優秀であることが認められている。 筆者も同社の深圳工場や、順徳の震徳工場を数回訪問したが、工場内整理整頓管理が徹 底しており、工作機械も最先端機種を並べていた。 写真 4 震雄集団の全電動式射出機

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写真4に同社の全電動式射出機を示す。型締力としては55 トン、100 トン、140 トンの 3 機種を生産している。

表5に同社精密射出機種の型締力3,680 トンまでのグレードとその仕様を示す。

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◇ 大同機械集団 今回の展示会では大同グループがまとまってコーナーを持ち、東華機械、コスモス、UBE コスモス、華大機械、などの大同系 4 社の射出機械およびドイツとの合併によるブロー成 形機の DEKUMA‐大同、ゴム射出成形機、パイプ押出機など大同グループのプラスチッ ク関連機械類が出展されていた。 東華機械では型締力4,000 トンまでの大型機種や、全電動式の ZEUS シリーズも 50 トン から200 トンまでに限定していた。 PET 用の立型専用射出機と多数個取りホットランナー金型が展示されていた。 写真5に東華機械の新デザインF5V 型を示す。50 トンから 600 トンまでの各種機種を 発表していた。 ◇ 百科機械 写真 5 東華機械の F5V 型 直立式射出成形機専用メーカーで、IT 部品の組立用として、熱硬化性樹脂の成形、シリ コーン LSR/HTV 用成形、2 色・異材質成形、自動化インサート成形用など多方面で使用 されている。サイズ的には35 トンから 500 トンまでの各種機種を有している。 写真6に同社立型射出機を示す。 写真 6 百科機械の立型射出機 ◇ 広東泓利機械(オンリー) 技術力の高い中堅企業として認められている射出 機メーカーで、複数の特許も取得してメディカル用や 精密整形用、光学用部品用の射出成形機としてPR し ていた。 写真7、8に同社のメディカル用H シリーズの外観 と用途を示す。 ◇ 広州博創機械(BORCHE) 今回発表した2 色、2 材質、3 色成形機種の中で、 写真9に示すように金型内でPOM と PBT の 30%GF グレード、および黄色の PBT・30%GF とを成形加工

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し、金型内組立てしたソロバンを生産するデモが行なわれていた。(写真 10) 写真 7 広東泓利機械の H シリーズ 写真 8 広東泓利機械の H シリーズの用途 写真 9 金型用組立をしたソロバン このほか、LK機械、HUARONG PLASTIC 機械、などのコーナーで説明を受けた。 ◇ 東芝機械 東芝機械では中国で生産した全電動式射出 成形機EC-C シリーズとして EC40C、EC60C、 EC75C 、 EC100C 、 EC160C 、 EC220C 、 EC350C の 7 機種を発表していた。中国で生 産することにより、国内と同性能の機械を30 ‐40%安く生産できるとのことであった。 写真 10 広州博創機械の 3 色注塑機 写真 11 東芝機械の EC100C 写真11にEC100C の外観を示す。 ◇ 東洋機械金属 東 洋 機 械 金 属 で は 全 電 動 式 射 出 成 形 機 Si-1V 新機種と高速、高品質の異材質射出成形 機Si-ⅢRW 系列を発表した。展示機としては Si-230ⅢRWD150φ28/D150φ28 を使用して ABS とエラストマーの異材質成形を行なって いた。 ◇ 住友重機械 住友重機械では全電動式射出機の各種グレ

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ードを発表していたが、今回の展示の中で一番PR したい点を質問したところ、全電動式中 型成形機SE-HD220~450 トン 4 機種グレードは、型締精度を徹底追求することにより、 金型に均一な電圧を分布させるダブルセンタープレスプラテンの採用で無理な型締力が不 要となり 2 段階少ない圧縮力射出機種で成形することが可能になったと説明してくれた。 薄肉で高面積の成形や均一肉厚成形に適していると思う。 図4にダブルセンタープレスプラテンの機構を示す。 図4 ダブルセンタープレスプラテンの機構 (ⅱ)押出成形機、ブロー成形機など 中国の押出成形加工機は年間 1 万台以上の生産台数があり、中国国内のインフラの整備 費用が活発なため、PVC パイプ、PE パイプ、コルゲートパイプなどのほか、住宅用異型 押出PVC サッシ、および異型押出用、硬質プレート、シート需要、OPP、PP、PE、PVC フィルム用、などプラスチック需要の最大の用途を占めている。 ブロー成形機も、中空容器の需要が活発であり、ブロー成形機の輸出も活発である。 ◇ 金湖集団 中国No.1 の押出機械メーカーのグループで、傘下に 10 の会社を有している。主な最終 製品としてはパイプ類、プレート、フィルムなどがメインである。25 年前に設立され、現 在では、3,500 人の従業員が働いており、上海、浙江省、舟山などに工場があり、工場面積 は50 万㎡に達している。 パイプ押出では直径800mm までの大口径まで、フィルム、シートでは幅 3m までの大型 成形機を生産している。 写真12にABS シートの生産ラインを示す。

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写真 12 ABS シートの生産ライン

写真 13 JIANGSU LIANGUAN SCIENCE & TECHNOLOGY DEVELOPMENT Co.のラインと製品

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◇ 張家港市のJIANGSU LIANGUAN SCIENCE & TECHNOLOGY DEVELOPMENT Co. この会社では木粉‐PE、PVC 複合材用の押出機を PR していた。写真13に同社のライ ンと製品を示す。写真14に同社の木粉‐プラスチック複合ペレット製造ライン、異型押出 ラインを示す。 ◇ 泰川未来塑料機械 泰川未来塑料機械でも木粉‐プラ複合生産ラインを製造しているが、幅1220mm までの 中空や発泡板材の製造が可能であり、木粉、PE、回収リサイクル材料より合成木材(WPC) を製造することができる。(写真15) ◇ 宇波天佳塑料機械 写真 15 木粉-プラ複合生産ラインによる合成木材 幅3mまでのフィルム、シート、プレート 用押出機を生産。材質としてはPC、PMMA、 ABS、PS、PET、PVC、PE、PP など使用。 (写真16) 写真 16 宇波天佳塑料機械の押出機ライン ◇ このほか中国の代表的押出機メーカー としては大手企業の上海JWEEL 機械、ドイ ツ と の 合 併 に よ る LIANSU 、 山 東 省 の WEIFANG ZHUNGYUN は大学との共同研 究、ドイツとの合併のTECHWELL、四川省 の東泰集団などが出展されていた。 ◇ ブロー成形機としては泰川未来社のブ ロー成形機が展示されていた。 写真17 の200ℓブロー容器を製造できる。 写真18は6 層ブロー容器製造装置と各種ブ ロー製品例を示す。

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写真 17 泰川未来社の 200ℓブロー容器生産機 写真 18 泰川未来社の 6 層ブロー容器製造装置と各種ブロー製品例 (ⅲ)エラストマーコンパウンドなど 今回の展示では欧米のエラストマーコンパウンドメーカーの展示が大きなスペースで注 目されたが、中国のコンパウンドメーカーの出展も10 数社以上が出展しており、需要拡大 に対し、今後は競争が激化するものと思われる。 ◇ GLS アメリカに本社工場を有し、オランダ、中国、台湾に工場を有する大手TPE コンパウン ドメーカーで、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、動的架橋系、ポリエステル系と

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オールラウンドのグレードを有する総合コンパウンダーNo.1 である。 中国では家庭用日用品、食品包装用、メディカル用、玩具用、自動車部品、工具用、ス ポーツ用、パッキング類など、多分野の用途に需要が急スピードで伸びている。最近の技 術的話題としては、硬度 3~5°A の超ソフトグレードや、硬質の PC、ABS、ナイロン、 PMMA と接着性の優れたエラストマーとを同時射出成形または押出成形可能グレード、耐 熱、耐油グレードの開発が注目されている。 ◇ Multibase(ダウコーニング系列) グレードとしてはTPA、SR、TPO を有している。表6にグレードと組織特長を示す。 表 6 Multibase の扱いグレードと特長 ◇ KRATON SBS、IR、SIS、SEBS、SEPS などのエラストマー原料およびコンパウンドを生産して いる。以前はシェル化学が生産して、商品名 が KRATON であったが、現在は独立してエ ラストマー専門の会社となっている。筆者も 30 年ほど前、シェルと一緒に日本で最初にス チレン系エラストマーの開発を担当していた ので、非常に関心が深い。今回当時新人でオ ランダ研究所で担当していた益子氏が現在ア ジア担当サービスセンター所長に出世されて おり、上本氏らとも昔話を楽しんだ。(写真19) 写真 19 KRATON にて ◇ TOPOLYMER(T・P・E) この会社はホンコン系で上海と東莞に工場を有する大手エラストマーコンパウンドメー カーで、SBS、SEBS、TPV、TPU、TPEE 系の各グレードを揃えている。一例として TOPOLYMER 9000 系シリーズの物性を示す。これは TPV 系と思われる。(表7) この中で9211‐351、9211‐451 のグレードは圧縮永久歪値が 15‐20 と非常に優れてい る。 ◇ FELIX 社 TPE エラストマー物性表(表8)を示す。 表 7 TOPOLYMER 9000 系シリーズの物性

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表 8 TPE エラストマー物性表

このほか、蘇州のNEW‐PreneTMもTPVグレードを展示していた。中国では動的架橋グレー

ドが一般的となり、自動車部品、工業用パッキング用途に耐油性、耐熱性を特長としてPR していた。

EXXON Mobil の展示会場でも SANTOPRENE の展示が行なわれていた。

◇ 機能性コンパウンダーとしては米国の RTP 社が、長繊維補強グレード、導電性、熱

伝導性、脱ハロゲン難燃グレードなどハイテクグレードをPR していた。

中国の三和化工も、コンパウンド、TPE、マスターバッチのほか水性塗料なども展示さ れていた。(写真20)

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写真 20 三和加工の外観 (4) 終わりに 今回のチャイナプラス2007 は広州で開催された。チャイナプラスの展示内容は、世界の プラスチック展の中でもドイツ・デュッセルドルフでのK 展、アメリカ・シカゴでの NPE に次ぐ第 3 位に位置づけることができる。プラスチック原料部門では、アメリカ、ドイツ が世界をリードし、射出成形機を主体とする成形加工機分野ではドイツが一歩先をリード している。中国のプラスチック生産量もアメリカの4,900 万トンに次ぐ、2,400 万トンの 2 位で、ドイツ1,800 万トン、日本の 1,400 万トンと続いている。 しかし中国のプラスチック消費量はすでに年間 4,000 万トンをオーバーしており、2010 年には5,000 万トンに達するものと予想されている。 一方、日本国内のプラスチック消費量は 1,000 万トン水準を続けている。これからの日 本のプラスチック産業は中国との競争ではなく高付加価値を得られる分野へ転換しなけれ ばコスト面でも競争にならない。今回、広東地域のプラスチック成形加工工場や、金型工 場、リサイクル工場を見学してきたが、日本の同業者と比較しても技術的、品質管理的、 生産性、などの各方面から見ても、すでに日本と同等以上の実力を確立しているメーカー があることが明白となった。 この巨大な中国を相手にして、日本が今後どのように対応するかが経営者の能力となろ う。日中の共存、共栄の道を真剣にスピーディに検討しなければならない。その実行のた めには、海外で自由にビジネスができる人材の確保であり、その対策がもっとも急務とい えよう。 〈本稿に関する問合せ先〉 長谷川国際技術士事務所 〒468-0042 名古屋市天白区海老山町 2603 TEL & FAX 052-802-5629 E-mail:h_ipec@pop21.odn.ne.jp

表 8    TPE エラストマー物性表

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