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日附貨幣の批判的研究-香川大学学術情報リポジトリ

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(1)

︻ はしが き

○︶ 筆者は轟きに﹁口附貨幣の理論的根藻﹂と越しジルゲイオ・ゲゼルの自由貨懲諭の璧張を詳述した。然るに此の 鵬、は し が き 二、簡保背き自由貨幣論 三、貨 幣 慣値 四、対内的佃値、封外的佃値 五、貨幣僻偶の安定 六、金本僚制度の不安定、 七、指 数 制 度 車 内 日附貨幣の批判的研究

日野貨幣の批列的研究

八、権勢的豊愕制度 九、指数創疫批列 山○、日附貨幣の欝例 一て科挙的貨幣制度 〓て自由党解と科挙的貨幣の比較∵1︵A︶強制的流通 〓ニ、自由貨幣と科挙的箆衛の比較−︵Rト琉泡敦の調節 一四、貨幣代用手段!消耗僚機 論 脚五、結

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ゲゼルの主張は綻爽猫逸や瑞西の自由経済同盟︵Freiw芝snhafguコd︺により蟹展普及せしめられつ1漆る。而して. 筆者は瑞酉に於ける該同盟の指導者が、自由貸簡思想の普及意俸の講演禽を閃くに常り、その杷衆に配布する自 由貨幣論の要項審を入手した。之は﹁箇備蓄き自由貸髄鞘﹂︵口許Frei山e室ehre iコTheseコ︶と越し自由貸簡の主張の 大網をlニ十筒條に質的したものである。之は第ヤに瑞由自由経済同盟の意見を公式に表明したものであり、叉第 二には多くの自由貨幣論者の朗論の中には互に矛盾する意見の宿するものがあるのを通常に取持して比較的明確 ︵二︶ にその思想を云ひ現はしてゐるので、今自由貨幣論批判の材料とするのに適切なりと考へられる。夫故に本稿の︰ 故初に雷り先以てこの﹁箇催告きの自由貨幣論﹂を謂載し、次いで之を土姦とし更にゲゼル或はその他の同志の思 想を参酌し、錦他の類似の思想を顧みつ1批判的研究の歩を進めたいと思ふものである。 ︵こ 商工繹済研究 第九巻骨押二新及鹿二番

︵二︶ く○ココ吉行コ置s︶望bert⋮NurKritik der Fre茸e訂w彗ru⊃g﹀St.Gal訂コこ治山・くOrbeヨe−kuコ苧S∴γか象鱒

〓 簡條書き自由貨幣論

一、需質と供給とが倍格を決定する。この需要は貨幣経済並に信用経済の下にあつては貨幣畳によつて由はされ

るものにして、叉この需要は貸衛の流通速度によつて増減するものである。之を公式にて示せぼ次の如くであ

る︵Gは貨幣盤、Ⅴは流通速度、Wは商品の供給、Pは物憤Preis∼taコd︶。

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用謂現金なしの取引も草×eを増大せんとするものに外ならない。 二、.如何なる物憤攣勤にてもそれは凡べての変梯契約を欺瞞する。 三、其上、物偶の下落は不景束や失業や商品貯絨鼠の消滅を訝らす。 四.、物偵欒動は、支彿契約を間違なく履行する鶉め仇採譜たるべき貸簡制度︵W賢uコ氾︶をば惨けるものである。 五、物偶の欒動は貨幣敷から起ることもあり、貨幣の流通速虚から起ることもあり、或は商品暴から起ることも ある。吾人は凡べての物慣騰貴をインフレーションと名付け、凡べての物情低落薮デフレーションと名付け る〇 六、ご旦傷けられたる貨幣制度を供給の方面から再興するには、生産の増加によるか︵インフレーションの時︶或 は生塵制限及び商品の満城を固ること︵デフレーションの時︶によつてのみ達成される。併し第一の方法は何時 も出来るわけではなく、叉第二の方法は失意と従って生する貧困を伴ふことによつてのみなし得る。 ヤ・失政に物偶の安定は貨幣側から之を因らねぼならぬ。而してGとⅤとの骨を統制すれぼPの大いさを安定す るk足る。 八、従来物偶の安定を固るには本位金魔たる金の憤格︵銀本位並に複本位にあつては鋏も︶について行ったもので 日附貨幣の批判的研究 ¢ × q ノく ‖吋

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高聡高等商業拳校閲校十周年記念論文集 こ入 あるノ本位金属の慣格が上下すれぼ後に之に應する杖動が起って訓峯され、金憤格︵又は銀情痴︶が安定を保っ たのである。 九、従来はこの金銀の頂格についてのみ揺られた方策が、将来は多数商品の慣終につきて拭用さるべきものであ り、且つ之は物慣指数を用ひることによつて達成されるのであるL。 山○、即発物慣は比較的容易に安定を得たり叉感動し得るものであつて、貨幣の流通を統制することによつて之 が安定の閣らるべきものである。而Lて釦安物慣の安髭は塊て亦小安物惜をも安定せしめ名ものである。 −叫、生産は山鰐に増加する傾向を有し従ってこの生産物む買ひ取る焉めの貨幣を茶々多く調達することを必要 ならしめるので、之に應する様な貨幣政策は流通貨幣を増加せLめ、益々生倭の増加を来たせ、かくて失業を 減少せしむるに至る。 一二、失業の減少と生産の増大が生すれぼそれにより貯蓄敷金の増加を来たし、叉その他の貯蓄財の増大を氷た すに至る。 一三、流通貨幣や貯蓄財︵家屋、仕事場、エ婁、鋳造等︶の増加を乗たせぼそれにより利子や配富金の引下げとな る。利子が三%以下にも下がれぼ︵物偵は叫定してゐるものとして︶、貨幣は退赦されそれによつて不景束や失 柴を生じ又商品は消滅する。 一周、かゝる場合に貨幣の供給は停滞する。何となれば貸愕の供給は商品の供給より持久力が強いからである。

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物憤の下落を来たし従って貨幣偵値の騰貴することを覚悟Lなければならなかつたといふ事嘗にもよるのであ るC 劇五、依って易損品や嵩高な商品の供給が強制的に行はる1と全く同様に、背鰭の供給をも誠制約ならしめねば ならぬ。 ∵六、此の貸篠が強制的に流通されてもその馬跡に、現時の貨幣が膨脹した時に還る様な侶値の下落を起さす、 それでゐて貨幣の膨脹が翳らす財界への刺戟は何時までも残存するのである。 血七、貨幣の強制的流通により仕事は不断に存⊥、利率は叫膳引下げられ、此の制度が図際的に採用される様に なれば、利率は危隆保険料の程度になつ七しまふだらう。 叫八、物憤の安定は閣内的に︵コatぎ﹂aこ之を達成することができる。 二九、物慣の進行程度の等しい関々には相互に仙窟した馬替相場む保つ、只その焉替相場は有情許容が頻繁に安 男されたり或は投資の行はれるとき血時的に影響を蒙るだけである。 二U、外囲にデフレーションの僻するときは物偶の安定した琉酉の馬替相場は比較的安く、外聞にインフレーシ ョンの存するときは瑞酉の焉替相場は比較的高い。併しこの為替相場の高低二つ乍ら之を避けることができ る○ 即ちそれは貸簡素材が他の商品より耐久力が大であるのノに由るのみならず、叉せ人が碓釆か1る時期た何時 臼附貨酵の批判的研究

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高松高等蘭栄拳校開校十周年記念論文集 ≡〇 二て資金屠は、その分量が常に必ずしも充分ないのと、資金魔の不滅性が商品よりも優つてゐるのとで貨幣素 材として邁普ではない相即ち資金屠は容易に退蔵され得るのである。 二二、天敵に資金屠は、吾が紆臍的餞展の根底をなす商品の交換を阻害し、仕事を奪ひ、貯蓄財の紋乏を来たさ せ、かくして貸簡に利息を生ぜしめるのである。︵利息経済=資本主義=紋乏経済︶ 二三、軟乏経済は閑寂をして経済に干渉せしむるに至り︵配合草葉︶、かくて問家祀倉主義︵ポルシェゲイズムや コムミュニズム︶の土姦を設けてやること1なる。 二囚、特に貸飴の妖乏は凡ゆる種類の輸入制限を設けしめるやうにし、又自由貿易を不可能ならしめる。 二五、瑞西にとづては資金展を本位貨幣とすることは命一骨の不利益を伴ふ。それは瑞西には資金厨が慶しない ので之を外囲から入手しなけれぼならず、かくて瑞酉をして外囲に依存せしめるやうにし、叉瑞酉の問際収支 を悪化させるからである。 二六、玉顧の真珠をなすための金を調達することも、紙幣本位制度をうまく遊行して行けぼ非常に容易なものと なる。この事はゲゼルの投薬に基いて設遷されたアルゼンチンの換労金塵制度︵K。コくnrS血。コSk琵e︶の潜らした 偉大なる効果によつても立詮された。 二七、内閣市場は外観市場に比し舎人にとつて二三倍重要なものである。そこで自問と若干の国々との為替を安 定せしめることを念鵬せす︵確榊たる本位制庶を維轟してもそれで為替の安定が得られるものではない︶、闘内

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三 貨 幣 偵 鹿

上記の魔により吾人は自由貨幣の根本主張の要項を窺ひ知ることを得るが、その主張の根底をなす考は貨幣低 値の不安定を排除する上いふことである。此の思想は結局﹁安定通貨﹂︵S︷蔓e⋮。コey︶ゐ主張とその揆を一にす ︵こ るものであり、又従つてせ界に於ける最も有力なる安定通貨論者の仙人なるフィッシャーがこの自由貨幣諭を支 持する朗以ともなるのである。 ︵こ フィッシャーは↓hestab訂ヨ○コ2yaSSO︵致iOコのfO亡コ旨rsの一人である。 二八、園内に於ても叉外囲に於ても吾人の論断を基とし之をよ︿珊解して、本位制度の安定に虎鞭をつけるなら ば、忽ち諸外国も吾々に追随してくるであらう。 二九、かゝる方法ほより、閣内物偶の安定と諸外国︵まことの健全な本位制庶を有する囲︶に封する焉替相場の安 定との二つながら達成され、其の上貨幣利子や物財利子︵配営金︶も除かれるのである。 三〇、この貨幣の強制的流通を件へる安間なる貸幣制虔により、吾人は︵自由土地の制度と相関蓮して︶賃循利子 ヽ や物財利子︵舵雷金を含む︶による凡ゆる搾取を排除し、かくて労働仝牧横の賛現を蹴ることができるの る。 ○ 物憤を安定して国内市場を健全にしておいた方が得策である。 日附貨幣の批列的研究 ニ〓

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さて仙般に貨幣憤値の安定といふが、その貨幣低値には劉内的貸悔恨値と封外的貸悔憤値とが区別せられる。 而して自由貨幣諭者は封内的貸簡低値は物偵指数によりその高低が知り得るものであり、封外的貨幣慣借は馬替 相場によりその高低を覚り得るものとしてゐる。 然し乍ら世上貨幣慣値又はその封内的・封外的慣備につき必すし軋二致した見解が行はれてゐない。従つで多 くの思想的混乱と的を外れたる諦寧とが繰返へされてゐる。されば鼓に於て簡翠乍らこ鱒之が概念を明確に規定 しておくの必要に迫まられるのである。 元来貨幣憤値観は貨幣本質観と密接なる関係を宥する い。併し概して貨幣貨物訟︵又は貨幣繭品詮Ware己he。riedesGe己es︶は貨幣は之と引換へられる他の諸の商品と 同性質のものであることを主張し、従ってその貨幣偵隠は此の貨粕と他柾の商品との交楔比率であると考へてゐ る。而して貨幣は他の諸の商品との交換比率を表示する手段となり、帆謂低値測ハ宍WertヨeSSuコ山︶の職能を果た すものなるが政に、それ自ら憤櫨の安髭せるもの、即ち金銀の如き資金屠が貨幣素材と⊥て涜切なるものなりと される。 併し此の見解に立つて考ふれば、億簡と商品との関係は㈹別的であり、貨幣が個々の商品に封Lて窮する踊係 が主として考へられる。故にこの貨幣が数種の商品に封する交換比率︵貨幣の二単位を以て云ひ表はした︶が下落 して庵只l種の商品に封する交換比率が増大すれぼ、その二郎の商品に勘する囲係に於ては畢循横倍は増大した / 高舷高等蘭染畢校開校十周年記念論文托

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ないのが普通である。而Lて今日普人が賛際上又拳間上貨幣慣値といつてゐるのはかゝる個別的藩昧に於ける貸

衛偵借ではなくしてもつと叫般的なるものである。即ち個々の慣格に於てその道数的関係が知られる如きもので

はなくして、剛般物慣︵ざ。。S㌔re訂staコn又は物債平準Pr首eteくe√Pre−Sコive2︶に於てその道数的開係が知られる 如き貨幣偵値である。吾人は之を通常、貨幣憤値︵Ge−旨ert−くa︼ue。巾∃。コey︶といひ叉貨幣の仙般的購買力︵⊇官・ ヨeぎeKau芳r計desGe−desニeコera;urchas豆pOWerOfヨ○コey︶といつてゐる。

此の彼の意味に於ける貸簡横倍を叫般的貨幣偵櫨と名付けるてとが出来るならば、綿の意味に於ける貨幣低値

を掴別的貸簡憤値といふことが出来やう。而して叫般的貨幣慣借は一般物偶に於て、個別的貨幣慣値は個々の憤

格に於て各その高低が逆数的に示されるものであるといへる。併し韮に於て主として問題になるのは叫般的貨幣

慣借であり、従つて以下単に貨鰭慣倍といふときは此の意味に解さるべきである。叉安定通貨論者は此の意味の

格︵米債、糖偵等︶の騰貴又は下落とはいふが之轟各々の商品に封する貨幣憤他の増大又は減少といふことを云は

が下り、之に封する貸健の偵値は増したといはねばならぬ。併し吾人の日常の言葉の用法に於てかゝる場合に惜

拾戌になり、小豆が叫升参拾五鑓より巷拾鏡になつたとすれぼ、その場合吾人は顆粒や小叫且の償格︵Pr房P﹁作訂︶

け減少したのに米の偵格はそれ丈け騰資し、托といひ得るのである。叉著し他方に於て砂糖が一斤式拾五鑓より試

ある。例へぼ登園で五升買ひ得た米︵仙升武拾錦︶が後に掴升︵仰升式拾五鏡這なつたとすれぼ貨幣償値はそれだ

といはなければならぬ。即ち此の場合の貨幣慣恰は偶々の倍額によつてその高低が逆数的に示される盛のもの

日附貨幣の批列殉研究 一一︼山叩⋮

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貨幣慣値の安定を希求してゐるものにして決して個別的貸簡憤値の安定をも望むものではない。否むしろこの後 ﹁︰一′し 者の欒動は巳むなしとして放任せんとするものである。 ︵二︶ Fishジーr<iコ望S︷abiニNき揖theロ○=ar−2・Y●︼篭〇・PPJO︼−岩山・参照 田 封内的侶位、封外的慣慮 上記の鹿によつて、吾人の朗謂貸鰭慣値とは貨幣の叫般的購買力なる所以を知り得た。此の一般的購買力は之 を別言すれぼ貨幣が劇般的に財を支配し得る力、即ち叫般的財支配力である。而して此の一般的といふ形容詞は 文法的にほ支配力を修飾するもの上解さるべきであらうが、此の際特に財刷般人G旨r賢rh。。Pt︶霊。く支配する の意に解することを許さるれぼ極めて好都合である。叉此の場合に於ける支配といふ青葉の内容揉財の拉得を可 能ならしめることである。 ′ −、 ヽヽ 此の仙般的購買力又は山般的財支配力が主に城内の財に向けられたとき封内的貨幣慣値の概念が成立し主に外 ︵岬︶ 囲の財に向けられたとき封外的貨幣憤他の概念が成立する。併し何を閣内の財といひ、何を外囲の財とれふか。 此の雨着の区別は地域的の置別か或は財朗有者の図柄による院別か。物によりては閣内に存してゐて外国人の朋 有に屈する財もあり叉内図人の所有に屠すれども外閲に存するものもある。されば賓は地域的意味の濃厚なる団 円とか外商とかの用語は未だ不充分不明確たるを免れない。放に筆者は此の場合﹁主に﹂といふ眼哀詞を附加して 高松高等商薬拳校閲校十周年記念論文集

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おいたのである。 ○︶ 例へば牧野博士は次の如き定義を設けて偽る。﹁貨幣の封内債値といふのは山国の党幣の自国属忙於ける購買力 である。叉党幣の封外債億といふのは、剛囲の貨幣の他擁に於ける購買力である。﹂︵牧野輝智 豊常襲の質詮的研究 昭和四年 二ハ六貫︶ 然らば判内的貨幣慣値と渕外的貨幣慣倍を慣別する根本的の徴表︵君rkヨal︶は何であをか。抑々か11る徴表が あるか。筆者は在りと考へる。それは何か、円く﹁貨幣箪位﹂︵Gei計iコhe一t或は慣借畢位Werte喜e吉である。囲、 ポンド、ドル、フラン等の夫れである。自問の貸簡単位によつて褒賞取引の行はるゝ財に劃する貨幣憤値は封内 的貨幣債値であり、外囲の貨幣単位によりて取引さる1財に封するものは封外的貨幣慣倍である。而して自園内 、 にある財は主に自国の貸鞄廃位にて取引され、外囲に於ける財は卓に外囲の貨幣軍使佗よりて取引されるであら ぅから、此望息昧に於いて先きに掲げたる詮明が是認せられるであらう。 上述の鮎を念頭に竃き厳に進んで考ふるとき、封内的貨幣慣値は園内の物憤平準に於てその高低の関係を知り 得る。而して統計的には物慣指数などにより之を知り得るのである。此の鮎は後に詳論するところあるべきも、と に角封内的貨幣慣値が図内に於ける物慣平準又は物偵指数にて知り得ることは両應是認せられてよいであらう。 然るに封外的貸簡憤値に就いては多少の異論が存する。 ︵ニ︶ 通常貨幣の封外横倍︵ぎsseコWer什desGe︼des︶といふとき直ちに馬琴相場が考へられる。而して自由貸簡論は概 日附貨幣の批列的研究 三五

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ね此の見解を放つ七ゐる如くである。少くとも物慣平準の安定と為替相場の安定とを封比し、両者を同時に期待

︵≡︶ し得ざる時は後者を犠牲にして前者をとるべきことを提言するe之より推論して彼等が対外的貨幣債倍は馬琴相 場であることを明言せずとも之に近い見解を宿するものといひ得るであらうq ︵二︶ 例へば Kerscha箪R昏arm︰The。rie計sGe一desuコdderGe左wiユsnhaぷLeコ㌢−拾︺.S.︼u.参照 ︵三︶ 前抱の﹁簡條背き自由貨幣論﹂第二七項象謂 \然るに普人は兜きに貸簡偶像は貸簡の表的購買力なることを明かにし、その封内的慣借は自国の貨幣圏位に

ょり取引される財に封するものであり、封外的偶倍は外囲の貨幣罷他により取引される財に封するものであるこ

とをも知った。此の見解を以って進めぼ、封外的貸簡償値は直ちに馬替相場そのものを指すとは云ひ得ない。菰

釆為替相場は仙柑の貨幣と他観の貨簡との交換比率である。換言すれば﹁財の貨幣単位が他国の貨幣単位を拉得

する割合である?地図の貨簡は勿諭その他鯛の貨幣革位にて表示されるが併しその貨幣は財ではない。貨幣は財

を儲裾する手段に過ぎ凌い。失政に焉替相場が他圃の貨幣単位にて取引される財を支配する力をその儀反映する

ものとは云ひ待ない。全然之を反映しないめではないが、そ扮反映の仕方が間接的である。そは馬替相場は閣内

物憤平準の攣動に鷹じて欒動をすることも偽るが、只それのみならず、馬懲相場は他の諸の要田例へば投資、貿

易又は馬替の裁定取引、金の移動等によつて欒勤する。されば焉替相場が直ちに判外的貸簡偶倍を示すとなす詮

に於ては﹂馬琴相場の攣勤が直ちにそれだけ判外的貨幣慣倍の攣瓢を爽すこと\なるペきであるが、賓際に於て 高噂高等商欒畢校閲校十周年観念論文集

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は外囲貸衛の封内的憤値の攣動により之が相殺されて論者の考ふる如き錆英の生ぜぬこともあり、文鳥替相琴は 何等欒勤せすとも勤外的貨幣憤佑の攣勤を釆虎すことも有り得る。天敵に為替相場そのものが封外的貨循概倍を 表現するものではなく、只常に焉替相場を通じて封外的貨幣憤備は渕建されるといひ得るのみである。而して只 外囲貨幣の判内的慨備に挙動なしとの恨定の下に於てのみ馬替相婁は山国貨幣の封外的慣倍を表現すると云ひ得 るのである。併し為替相婁の欒勤と弼宜して常に貨幣の封内的慣倍が欒勤するが故に、焉替相場を以て封外的貨幣 慣値を衷掬すると考ふることは賛際上に於ても危険多き寄柄である。併し今日に於てはいまだ為替相場と相手国 ︵四︶ ︰ の物憤平準を共に掛酌して算出せる統計が存せぎるが故に馬替相場を雷面の棟華となすより他訂き状態である。 ︵四︶ 牧野博士は封外的崖伴侶借の算出に次あ算式を考案された。︵牧野博士 上梅香一山七七貢︶ 憎、×国小出、=舛 ︻ 吋・T舛‖舛、 吋=為朝詔︵藩ノゝ涛囲︶\昏滴桝億 で=華辛通商守登抑止ヾサ封、て鵬番\藷相国\昏嘉蒜浮 出=好漁帥備弼禰\諭増益覇 巧=遼寧諭画博愛斡舟Yサリこて弼詔\歯嘲謡覇 舛=泌嘲姦斬守宮靭ヾさで暑溺\昏滴芯浮へ≠顎鍾せⅧ匝≠挙国\昏璃凝滞︶ 舛、=顎掩\璧学諭爵

温 票醇慣他の安定

甘附賛解の批列的研究 三七

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以上述ぶる魔によつて貨幣慣倍の何たるかを大腰明かになし得たと信する。依って次に之が安定の間琶に入り たいと思ふ。貨循憤備即ち貨幣の劇般的購買力の不安定は取りも直さす麿溶生満会鰭の不安定を意味する。夫故 に普々の経腐生満が安定して屠り平和である馬妙には貨幣慣借の安定はその先決変件である。ゲゼルは此の鮎を 常に強調してゐるが翻貨幣偶値安定の必要を詩々として倦ます詭いてゐるのはフィシヤー教授である。彼は近年 ︵一︶ 出版せる数酢の著書に於て巧妙なる比喩又は驚例を以て之を詳細に論述してゐる。 ︵こ フィッシャーの左記の古参照 The三〇コe叱≡usiOコー2ew YO−kJ迫田 B00ヨS aコdロepressiOコS,New YOrk.−おN. −コHatiOコり.コew YOrk−1u山u. ⊇−erRef訂已○コ︸Whatり NewYOrk.︼豊山.〇r苫asteriコぬ︷heCris卦﹁○コdOコ●︼将卒 さて叫舵に貨幣低値の安定といふもをの貨幣慣備は現膏には封内的貨幣憤低か封外的鴛循償低かどちらかであ る。此の各々が安定することなくして貨幣憤値の安定はない。理想としては此の封内的並に封外的貸簡償値の二 つ共安定することが望ましい。併し若し或時期に於て此の二者を同時に安定せしめることが困難である場合には 先づ第∴により重要なる∵方の安定を閉り次いで他の安定に及ぶべきは常然の埋である。而して二者の申何れが 霊嬰なりやは囲の躍臍情勢により多少異るであらうが多くの図にとりては封内的貸簡償倍の安定がその閣粧臍尭 高松高等南光襲校開校十周年記念論文集

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︵三︶ より重要なりとも考へられるし、叉英国の金本位締着は此の鮎を強く宅張するのであるが、それにも拘らず、一 九三叫年九月に再度金本位制庶を停止せざる可からざるに至らしめた諸事情を考察すれば恩牛に過ぐるものがあ らう0 ︵こ︶ ﹁簡保背き自由党幣論﹂第二七項象照 久リンデンタールは次の如く云ってゐる

↓he fOrei篭e宍haコ笥邑at6.コS O︻ヨ○コey Wi芳○旨er nOuコtries caコbe qui芥prOでeュy based Oコ笥ざas

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30コey Syste∃﹀BOS︻○コ●︼豊山●Ppぉ・−u●︶

︵ニこ 例へばベンハムの如きも其の仙人にして、彼は終に次の如き富をなす。

へ▲lコヨyくiew一there訂re−Grea叶BritaiコWs departure frOヨ瓜○ざhasコOt O王y retarded wOrid recOVeryこt

has a−sO讐彗e−y weakeコed her OWコeCOコ0∃ic pOS≡○コaコd prOSpeC訂・て

︵Beコha∃,F﹁∴Br迂sh30コetary P01芹y,﹁○⊃旨コ.︼ⅦuN.p●盟.︶ かくして吾人は封外的貨幣憤倍の安定を等閑に附するものでは決してないが、近きより遠きに及ぼすの現に従 ひ、先づ以て到内的貨簡偵鯖の安定を確保し猫立自主の雀臍を潜み得る楼忙し、然る後封外的貸簡横倍の安定を に及ぼす影響がより犬である。英幽の如き所謂閲際金融の中心市場にありては戎 日附貨幣の批判的研究 ︵二︶ 三九

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大 金本位制度の不安定 さて貨幣の封内債値の安定を問箇とするとして、此の目的の焉めに如何なる貨幣制度が最上であるかゞ次の研 究題目となる。 十九世紀の中英以後二十世紀の初頭迄の問は金本位制度の黄金時代にして、世界中の主要閲が唐金本位制庶を 採用してゐた。然るに欧洲天職により叫度会般的に金木穐制度の停止が行はれてからは最早暫時の全盛を謳歌す ることができなくなつた。而して今日に於ては剛般に封外的償簡償値の安定の馬めには金水位制度は︵所謂金の 自動的調節作用により︶或程度迄有数であらうが、封内的償幣償値〓般物憤︶の安定の馬めには金本位制皮の職 ︵四︶ も希求する様にしなけれぼならぬ。ケゼルも亦その著苔に於て貨幣偵値の封外関係につき考旛を彿つてはゐる ︵五︶ がその論述の分盈に於て、又その主張の熱意に於て到底封内的貨簡償値の安定に於けるものと比すべきではな い。 ︵四︶ 此の鮎につき興味ある討論が左記の申に於て展開されてゐる。 ﹁席替を犠牲に供して幽内物慣の安定を期し得るか﹂通貨制度研究曾我督 第劇輯 昭和九年刊 咄九二見以下

︵五︶ GeseニーS〓くす⋮ロ訂コat蔓符h川W烹snha芳Ordコuコ仏durch Freiiaコ﹂uコd Frei笥一d−可.コuf﹁〓Onhheぎ.︼農−.

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て金が物債の安宝を保護しなかったこと。換言すれば従来金本位制度の下躍於て物偶の欒動常なく、その痛め ︵二︶ 屡々経済恐慌を誘覆したこと。此の鮎はゲゼルヤフイツシヤーの常に主張するところである。 二、欺洲戦寧常時の経験に一より金本使停止下に於ても通眉統制により山岡貨幣の流通を園滑になし得ることを党 つたこと。 二こし 三、金の偏在により金紋乏園に於ては嘗際上金本位制庶の維持困難な囲が循出したこと。 ︵こ 左記の題目による討論会照 ﹁園内好漁に於ける金本位の機能﹂ 通貨制度研究曾報告 第i柵 二五五菜以下殊にこ九九貫 ︵二︶ Gesel√Sニv6川D叫eコat賢l首he W仙﹁tscha房○−dコuコ甲

Fish彗二r<iコ甲↓he Sta茎iNiコ∽the D茎ar・並に↓heヌ○⊃ey≡us訂コ.

︵三︶ 金を多く保有しっゝも金本位制度の停止を行へるアメリカの如きは他の理由例へぼ外国資金の引上、駒内資金の 逃避が及ぼす諒影響、或は金本位維持に.よる薦替相婁の不雷なる高さを除く秀めに之を断行したのであらう。叉猫逸 が山九≡四年六月末現在の金準備率2%といふ低率を以って今筒金本位制度を維持しっゝあるのは、国民の平慣切下 に対する極度の反感弘に多額の外資排︵↓raコSfer︶債務の存する褒めであらう。 以上本稿に於て述ぶる魔並に本稿に鴻げたるゲゼルやフィッシャーの著書に於て述べられてゐる魔により知ら れる如く、従釆の金本位制度は封内的貨幣低値の安定の薦め決して良好なる制度ではなかった。而して従釆の金本 ︵一︶ 能は寧ろ影の蒔いものといへやう。其の珊由として今左の郵を蓼げるととができる。 日附貨幣の批列的研究 四仰

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位制度と雉も資は朗謂金の自動的調節作用に信頼して自然に放任されたものではなく、幾多の人馬の第が加へら れて初めて今迄の金本位制皮の遜らかの功績が収められたのである。さればこそ管理通貨︵家。。山監。。rr。宍y︶諭 ︵四︶ 者は金そのものが既に管理通貨なりと詮くのである。 ︵四︶ G01竺−s芸hasbenOヨeaミヨaコa笥dこcu−−eコCy∴KeyコeSこ・芦這↓−aCtOコ芽コ2taryRe首ヨト○コdOコ・ ︼冶γp.︼笥・︶ 併したとへ従来の金本位制慶の下に於ける金が管理通貨であり叉従って金本位制虔そのものが劇種の管準通貨 制度にして、貨幣の自動的調節作用のみに依探せす政府並に中央銀行の通貨統制が相常に行はれてゐるとしても その統制の目標はあまり明瞭ではなかった。若し通貨統制の目標が明かであり、その自梗に向つての貨幣憐情の 安定が眞剣に努力せられてゐたならば、たとへ金本位制慶の下に於ける金準備の束縛がありとしても、今少Lく 貸衛債佑の安定を望み得たであらうと思はれる。然るに此の目標なき焉め金本位制の胎︵その終日餞が不完全で あることは別として︶は進むペき方向を定かに知り得なかったのである。

七 指 数 制 度

さて此の貸簡統制、換言せぼ貨幣政繋の目標として示されたものに物憤指数がある。菟釆物憤指数は﹁物情雫 ︵一︶ 準の変動へcトaコ笥iコートe12<e妄pric2S︶﹂、﹁携言すれぼ物偶の平均的欒勤︵aくera笥∃○くeヨentOf昔es︶を示す﹂こ 高松高等商鞄螢校開校十周年記念論文集 四〓

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とを任務とせるものにして、従ってその中に於て貨幣慣備︵封内的︶の膵動が大腰に於て誤りなく表現されるので ある。併しせに所謂物憤指数は卸寅物慣指数を指すが、貨幣が支配する財は却密商品のみならす小安商品や労働 の如き人的サーヴィスや或は仕宅、鋳造、水道等の物的サーヴスにも及ぶが敵に之等の財の一.部たる卸賛商品の 指数のみを以てしては封内的貨幣低値のiE確なる表現となすことはできない。とはいへ卸撃物慣指数の轡動によ ㊥封内的慣佗攣勤の大様埠之を知り得るのである。尚此の鮎につきては後に多少細論する横合があるであらう が、′今箇所の目的の鴇には物慣指敬が物慣平準を示すものであり、叉従って封内的貨幣伺倍の表現であるとして 諭を進めたい。 ︵こ 郡萄之助 物慣指数論 昭和三年刊 六九貫 かくて物偵指数を得たることにより此の指数を目標にして通貨の統制︵貸簡慨値の安定︶をなすことができる。 ヽヽ かくの如く物償指数︵その他のより完全なる指数︶を日楔として貨幣慣倍の安定を固る貨幣制度を物慣指数制度 ︵二︶ ︵又は指数榊壁コ針xw賢uコ已といふことを得る。而して此の場合の貨幣慣借の・安定は人馬的方策によりて達成さ れるものなるが故に、指数制度は管理通貨制慶︵3aコa仏edcurreコCySySteヨ︶の仙であるといふことができやう。 ︵二︶ 指数制度の説明又は定義につき適切なりと考へられるものは従来その例に乏しい。最近ダイスマンが次の如く説 いたものがある。 ロiederK彗∼eWe駕コ笥W賢一teBeNeichコuコnエコ計xw賢−uコq.be﹁亡hta亡〓hreヨr2讐ニe−eコden Pri⊃Nip− 日附豊衛の批列的研究 四三

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元来物偶の攣動は財の側に於ける原因︵例へば財の生床消費の増減︶に基く場合と、貨幣の側に於ける原因︵例 へば貨幣流導⋮嵐の増減︶に基ぐ場合とある。メンガーは前者の蕩合に於ける賃簡伯惜を在外間借︵der賢ssere ︵三︶ We丘といひ後者の場合に於ける慨値を耗内債値︵dつriコ⊃ereWert︶と呼んでゐる。此のi一つの貨幣憤倍は﹁別個に ︵四︶ 猥立して存する低値ではなく、仙つの購買慣偵を謂はゞ表芸即ち内外から、分けて観たる直別に止まる﹂といふ 見解も存するが、併し仔細に考察すれば、在外慣値の欒勤は個別的であるのに在内慣借の攣動は山般的であると いふ著しい相違がある。換言すれば財の側に於ける原因による物慣撃勤は或特定財の慣格が欒勤するのに基因す るむのにして、只砦しその欒動が大なるときそれと閲聯せる他種の財の慣格にも影留を及ぼすのである。然るに 貸塵側の原因によるものは貸簡盈の増減により、その貨幣が支配し得る関係にある凡べての勧︵Kaufm盲er昏。r・ haupt︶との交換比率に全般的に欒勤を及ぼすものである。されば在外的慣値の欒動は原則として個別的であり践 行的であるのに、耗内的低値の奨動は庶如上劇般的であり普遍的であるといひ得るであらう。

eぎeヨ Nu山ru⊃dニegeコ計コdesa∃tぎdex・EiコeeXakte UebereiコStぎ∃亡コ旧計こコdexw旨ru⊃gヨit d芯seきlコdex

藍weder erNie一barコOCh beabs芹h什茸叶.ロeエコdeXdieコ〓ed直方h ais Richこi≡ef寧﹁ニゴe ヨaコ首uニeruコ也いdie

a訂Nu SChwerf巴茸<erヨie計コe Beコe弓uコ仏ミコanh l⊃dexN≡erコヨaコ古u︼訂まわW誓ruコ山︸−w響e瓜eコauer●︵く竿

Wiss∃aヨー〓eニヨuth⋮Or笥⊃ische W聾ruコ追S−efO−∃こコdexw写ruコ∽u己守be済bes︵haぎコ仏−Stutt笥rL l豊山・

(21)

⊇一︶ 3eコ笥r︸C∴空t芳e−;Ge己こ・i∃〓aコdw賢terb宍h der S︷a監sw蒜房eコSnha芹eコuU・コuf二V一dd■−S.ひ$声弓P D2rS川−訂⋮G−亡コds賢Ⅶder<。−ksw芝snha房−ehr♪N・ぎ芦Wieコ﹂町田S・N溜こf・参照 ︵四︶ 竹島寧二郎 ﹁化見解慣値﹂ 大阪博大経済研究所編 霹臍畢辞典 第副審四﹁入貢 更に貨幣の在外低値の攣動が個別的、践行的なるが蔑めに、之が変動を統制調離して貨幣の仙般的婿貫力の銃 制を図ることは極めて国雄であるといはねばならぬ。然るに在内債値の欒動は剛般的なるが故に之を統制Lて馴 ︵五︶ 般的購買力の調節を図ることは比較的容易である。 ︵五︶ 此の鮎に鏑してフィッシャーの﹁日光節約﹂︵ロay・〓号ts彗iコ巴の引例は巧妙を極め七ゐる。即ちそれは個々の慣 格統制︵prinenOコtrOCを行ふのは、恰かも春夏の日永の季節忙工坊や商店や撃校や教合等にて従前より山時間早く始 業する様に命じてもその苦行は凶難にして、徒らに違犯者を出すのみに終るのと同様である。それよりは国民全髄が 時計の針を†踵間進めることにより所期の‖的が極めて容易に達成される様に、貨鮪の統制により豊作僻値の安定が 得られるものであるといふのである。︵F資erこ∴Stab≡Ntコg theロ○ニ革N・Y﹂儒〇.p甘−10Nl岩山参照︶

八 紹射的貨幣制度

指数︵本位︶制度の意味を上述の如く僻するときは、命本位制慶の下に於ても指数御慶はあり得べく、叉金本位 以外の貨幣制度殊に紙幣本位︵Pap替w賢uコ巴に於ても指数制度はあり得べきである。併し之に反し指数制度な らざる紙篠本位もあるペく又金本位制度もあるべきである。夫故に指数制度は本位制虔の〓鱒裾ではなくして或 日附貨幣の批判的研究

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高松高等商染襲校開校十周年記念論文集 四六 本位制慶の下に於ける貨幣政策遊行上の叫主義と解すべきものであらう。されば筆者も之を指数本位といはすし て指数制度といふ名科を以て呼ぼんとしてゐるのである。只指数制度にありては貨幣慣値安定の胃懐が指数に存 する馬め金木位制度に於ける如く金の素材憤備に依存することが少くなり、叉従って指数制度の主義を徹底する ︵こ ときは金準備の如きは反って妨げとなることさへあるであらう。 ︵一︶ ダイスマンの次の晋を象照

口許−⊃計xNah−eコb=deコdieW2ぬWeiserf年d訂ヨaコipuニ2﹁uコ伯J21W賢1uコ9 3当kaココau︵h eぎeW賢T

uコ旧・Welc訂a⊃eiコ2コS什○︻﹃wi2GO己Od2−Sニb2r笥b∃deコist−コaCトぎdexNahleコヨaコipuニereコーWieヨaコ

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i署e叫訂コf筆写re ロurchha蒜uコ9d訂−eNteコEコ計s eiコヨal s首hコichtヨehr彗erwiコdeコーasseコ亡コd zuヨW旨7

uコ笥NuSaヨヨeコb三Ch f彗reコ・Bei eぎ川ニコ冷×W彗ruコ伯bes什eh2コkei⊃eWertbiコduコ笥コaコd訂ロeck弓笥uコter・

−age”St竿uコ笥コdurch eiコSei茸e Shwaコk亡コ笥コiヨWertederロeck弓笥S告staコNSぎd h誉ヨ蒜aus笥SCha〓et・

︵WissヨaココーH.⋮P P〇.S−会・︶ 次に指数制度による貨幣制度にして、従来の金本位制鹿又は紙幣本位制慶と其の趣を異正したものを求むれぼ ︵二︶ ゲゼルの自由貨幣案と、フィッシャーの補正ドル案とが得られる。然るに補正ドル実に難似の忠恕が自由曙幣論 ︵三︶ 老中に於ても有力なるクブステンに依り主張されてゐることは興味深き事といはねぼならぬ。 ︵二︶ との両者の比較封照につきては左記参照

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拙稿 ﹁商品ドル案と日附貨伴奏﹂ 席済徒衆 昭和九年二月ボ 三五九賞以下 ⊇︶ Ch﹁訂訂コー↓h・⋮○−dコuコ∽亡コはGesuコ旨コ山d2SScトw2iN2r.Gei旨eseコS−N¶ど声Beヨ﹂冨●S一ご1︼U・参照 クリステンは次の如く詮いてゐる。 メートル協定に於ては、地球子午線の四千萬分の血を軍位にとり以て絶封的な、即ち人間の悪意を加へざる叫 の単位を採用したのである。 かくの如く故人が全地球の周囲︵子午線︶を長さの尺度として採用した紋ならば、貨幣の絶封的尺度を得る馬め 鱒全地球の償値を棟準となすべきである。又蓋し之新二〓閣内の問題に限るならばその昔凝固の慣値を楔準とすべ きである。併し乍ら貨幣の任路は商品の交換にあるが故に、戯にいふ憤値は商品市場の傾借金腰と解すべきもの であるり 而して世人が全地球の周尉を由千萬分してブートルとなしたと同様に、常人は商品甫坂た於ける慣借金鰐を 仮設的な部分︵即ちその各部分は同性質にして叉同量−叫キログラムーなるもの︶に分割して、絶射的な貨幣畢位 を索めるのである。従つて吾人は之れを定義して次の如く云ふ。 ﹁貨幣の絶封的範位は仙キログラムの平均商品の慣値である﹂︵ロieabsO宣eE喜e蒜nesGeidesist詠﹁Wer;○コ ︼Kニ○ロurchscぎi叶tsware.︶ この・平均商品は叫の仮設的な商品の混合腰であり、その構成内容は金市場の構成内容と同様である。 日附貸借の批判的研究 四七

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而して従来金本位制慶が金の憤格を安定︵金一キログラム=三国囚閲・凹丘フラン︶せしむべきものであつたと ︵四︶ するならば、絶封的貨幣制度︵abs。一u什eW賢uコ巴の下に於ては平均商品の慣格を安定せしむべきものである。 失政に国家の貨幣行政の最高原理は次の如くである。 ﹁圃立銀行︵中央銀行の意︶は、絶封的貨幣制度の確資性を保諾し、即ち血キログラムの平均商品の慣砥が絶封 的貨簡単位と不断に等しいことを強要する凡ゆる方策をとらねぼならぬ﹂。 ︵四︶ 此の場合の各s01uteW答−uコ瓜は絶醍的貨幣常任の確保を目的とした貨幣制度と解すぺきであらうが、ゲゼルが クリステンの思想なりとして説・いてゐる虚は、貨幣の供給と商品の供給との均衡状態なりとしてゐ説。 ⊇s、−きsO亘eW賢ruコ仏こ、Br。Neichコ2tロr・↓h・︹hニs訂コiコSeiコ2コSch−i芳コd2コNustaコdd2SG訂き笥・ wichtsNWischeコく○コ彗讐bUtく○コG監uコd誉笥bOtVOコW雪2コゝ2−S告a訂FO膏eぎer dah≡N鼓eコ計コ aktiくeコW罫ruコ山SPO≡宗e5steニL︵G2SeニーS・︰ロieコat宣icheWirtschaftsOrdコuコ曾S・u−pF亡SSコOteし 筆者の女献渉猟未だ不充分kしてクリステンがかくの如豊還を以て絶封的貨幣制度を説明せると。ろを見出し待 ないが、砲封的庶酵盟位の安定、即ち平均商品の侶格の安定を保つ食めには党幣の供給と商品の供給との均衡を保た しめるととが必要なる倦め、此の均衡状態から紹潮的斑幣制度を説明するとともできるであらう。 筆者は今此のクリステンの思想とフィッシャーの商品ドル紆思想との思想史的探究を行ふ暇を有しないが、併 しこの雨着を比紋して如何にもその構想の酷似せるのに寧ろ驚くものである℃此の一例を以てしてもフィッシャ ーが自由貨幣論に興味を持つことの故なきに非ざるを知ることができる。 高松高等商薬聾校開校十周年記念論文集

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鬼 指数制度批判

次に吾人は指数制度に執する反劉論並忙之に封する私見を述べたいと思ふ。 上述せる如く自由貸簡諭は指数制度の仙であるが、此の指数制度房物偶の安定を保諾するものに非すとして次 へこ の如き戊封諭が掲げられる。之は特に自由貨幣論の批評として蓮ペられたものではあるが亦以て一般指敬制度の 批判とすることもできるであらう。 〓︶ く○コ三芳leコ訂F⊇ber叶⋮NurKュこk計r Fre茸eimw琴ruコぬ一S什.Gaニeコ.1豊山. ︵イ︶、所謂物偵平準は革質上存するものでなく只傾基的な大さである。即ち或る代表的な著干数の商品の平均 慣格に過ぎないのに、白山貨幣論者は物債指数は硯茸に存在する物偵であるとして取扱つてゐる。叉自由貨簡論 者吟﹁若干の具鰻的な市場偵播から何等規資性のないせ界市場の平均偵格を計算することは無憤値だ﹂︵↓heseE ︵二︶ ︼N︶といつてゐることが正に関内の∵駁物偵平準に鳩首飲まる.のである。諸憤格の牛分が暴騰し、他の年分が暴 蕗しても園内物偵の平均は攣らない。か1る婁合に平均物慣には攣りはなく叉貨幣制度に何等の影窄もないとい ふ者は叫人もなからう。叉物慣平準に欒化がなければ貨幣の判外慣値︵馬替相場︶に影響を及ぼさぬといふ︵購買 叉此のクリステンの構想と同様の韮傷よ抄十樫の月附貨幣の提案佗列適せる米問の越試技師サ あるが、之は後に顧みること∼したい。 日附貨幣の批判的研究 四九 ンヂンクー

(26)

力平慣設の︶主張は正しくない。蓋し輸出商品の騰貴と輸入商品の下落とにより一問内の物憤平準が均衡を得る

様な場合があり得るので、平均指数は同じでも外囲貿易や支彿差額に欒化を生することがある。就中貸簡政策

︵之は又同時に景気欒勤を除いたり之を綬和したりする︶にとつては物慣平準は不適常なる道案内である。︵上端

替劇五−六貢︶

︵二︶ かくの即き詑兢は瑞典自由経済同盟の蟹表にかゝるミBesprech亡コn罫erdie Bek師mpどコ山 der Krise d弓︹h

コeuO−旨uコ色d設Ge亭焉SeコS。の提案項目の番班を示す病めヱ∴、、ユーレンフエルスがその苛薄に於て挨用せるもの である。 玄にミふ1レンフエルスの詮く反封論は大鰐に於て正しい。即ち馬替相傷を貨幣の封外慣値と考ふる限り、物 慣平準の安好が残額相場の安定を快諾するものではない。併し之は発きにも述べたるが如く勤外的貨幣低価の概 念瀾定が不充分なことより生するものにして、若し吾人の如く封外的貨幣偶倍は馬軍畑魔のみならヰ相手困の劇 般物憤を考慮に入れたものと解するときは、、ニーレンフエルスの此の非難は的を失ふこと1なる。 次に物惜平準は硯資性を看せすとの非難であるが、之は現資性の意味の理解によりても意見の相違することで あり、かくて単なる﹁言薬の寧﹂︵W。r琴eit︶に過ぎぎること∼なる。要は吾人が物情平準を云馬するのは、貨幣 の憤値特に封内的偶惜を示すものと⊥て之を問題にするのである。貨幣の血般的購買力が或視角からは硯質的に 見え又或他の祓角からは恨容的に見えるであらう。それが如何に考へられ様とも物憤平準が貨魔の仙般的購買力 高松高等商染聾校開校十周年詔念論文集 五〇

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般的購買力を反映するや否や、之は算出されたる指数の資質的慣値忙よつて立謹されるっ然るに叢に物僻指数そ

のものについての疑問がぁる。即ちミふーレンフエルスは次の如くいふ。

︵こ、自由貨幣紹は部分的慣格攣動と叫般的物憤変動とを根本的に区別して円く、

㈲ 部分的慣格欒動は二三の商昂について行はれるもので、之はその商品の供給により自動的に調重され

る○

㈲ 剛般的物填攣勤は商品全般即ち物偵指数に踊はるものであり、且之は貨幣政先により何等の弊害なく調

節され得るものである。︵↓hese F.Ⅵ︶

併し卓ミふーレンフエルスはつゞけて云ふ貞他の偵格が欒勤しなくても二三の慨格が攣動すれぼ、すべて

の商品物憤の平均、即ち物慣指数は雷然攣動するに達ひない。夫故に指数に影響する物債攣動は﹁般的のものも

ぁれぼ部分的のものもある。而して部分的の攣勤が﹁自動的に調盤﹂することは常に必ずしも生するものとは限ら

ぬので、此の部分的攣動により物債指数も亦常に攣勤するだらう。そこで或商品が下落したとき、貨幣側から行

ふ物慣安定政策︵貨幣の増加︶により、物偵指数が従前通りに維持されたならば、之によりその他の商品の惰格が

高められることゝなる。又その反封の場合もある。そこで之等の偶格攣動の飴波を蒙る商品にとつては、この一

般物偵の安定が寧ろ﹁秩序ある経済と闊民の隔利といふ前提﹂の妨擬となるのである〇叉二三の自由貨幣論者は、

を示すものであればその名柄の如きは間ふ鹿ではない。 日附貨件の批判的研究 併し数字的に示された物横平準即ち物倍指数が貨幣の一

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部分的偵格欒動が物偶指数に及ぼす影響は極めて便々たるものとし、例へぼ物偶指数に含まれてゐる囲○%の商 品につき偵格攣動が起つたときにも之は部分的肇動たりと詮かねばならぬとした場合には、之は明かに見濫造の 議論である。︵上施苔〓デ⊥四賞︶ 此の攻撃の中、二tニの自由貨幣論者が部分的欒勤を軽祀する云々の⋮鮎は、若し之が眞なりとすれば︵今は之 が穿整の飴裕なし︶明かに見常連ひである。併しそは自由貸髄論金牌並に指数制度全般についていへることでは ない。寧ろ指数制度は朗謂部分的欒動が仙般的貨幣購買力︵物慣指数にて知る︶の欒化を来たすことを認め、且つ その弊賓を熟知して、後者の安定を躍る馬めに物償指数の安定を問らんとするのである。 此の際物偵指数の安定忙は商品の裔給の調節による部分的礎勤の調整を期待する方南と貸簡の増減による調整 との二法があるのいはゞ前者は貨幣の在外偶億の銅盤により後者はその案内慣他の嗣穏によるものである。指数 制度の賛成者は多く此の前者に期待を有してゐないやうである。此の意味に於て部分的轡勤を醇親するとはいひ ヽヽ 得るかも知れないが、併し多くの論者が部分的攣動が物慣指数に及ぼす影響をも軽祓するとはい払得ない。 併し此の鮎に闘し聾者は所謂部分的欒動そのものゝ調伽をも相常なすべき故地もあら必要もあると考へてゐ る。蓋し指数制度に於‡般物偶の安定を固り得たとするも、それは或郁の商品憫格の騰貴が他の商品憤格の下 落によりて慣はれたことに由るのはミューレンフエルスの設く魔の如くにして、その矯め購買愴の興った商品が 影車を蒙ることもあるべく、をれによつて期待又は消費力と臓格の騰落との相関々係に欒勤を氷たすこと1なる 甘同埜日岡等商量聾校開校十周年記念論文集 五二

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併し佃々の憤格の安定よりもで般物情の安定は庸重要である。昨年の二凰の購買力︵〓嘩耳異ひ盛る商品の分 最︶と今年の一園の購景刀と相違すれば貸借の負塘に不公ヰを来たすのは思然である。此の影響は部分的慣格変 動よりもその影響の及ぶ範園が購いのを原則とする。夫故に若し個々の憤格の安定も劇股物偶の安淀も共に之を 達成することを縛れぼ車であるが、裳し然らざるときは兜づ以って叫般物偵の安定を閣るべきである。此の叫般 物偵の安定の例としてはフィッシャーの商品ドル︵C。ヨヨUd茸dOニ彗、ヨ彗ke叶b餌Sket宣larこヨa号arycOヨPOS話 ︵三︶ 宣訂r︶の思想が適切である。即ち血の市場範に各種の商品合せて一ドルだけ入るものとLて此の苗場麗の内容む 常に仙窟して置く様な貨幣政策を試するのである。指数制度の目標は正に茹にあるべきであらう。 ︵三︶ F訂herこ・⋮St註≡N≡瓜theロ○︼訂rl●でP●望−00メ 只此の目的を述する馬めに蜂眞によく貨幣の傾値殊に封内偵値を表示する様な指数を得ることが必要である。 ︵四︶ 此の馬めに如何なる指数を採用すべきやにつきては種々の異論がある。自由貨幣論は卸療指数を可なりとするが ﹁ 五 し ケインズの如きは滑費指数を用ふペきことを主張する。併し之を得ることの苦際上の困難に顧みて、彼は﹁努働 者階級わ生活費指数﹂を次善のものとしてゐる。之が評論は本稿の目的とあまりに・距たるが故に之を割愛するも、 要望典に貸簡約購買力か嘉すペき指数の得らるゝ様、関係諸単著の協力を必要とする。併しそれの得られざる問 は次善のものを以て満足するより他ない。即ち生活費指数の得られる園に於ては夫れを、卸賛指数より得られざ こともあるからである。之は重大なる赦合間題にして 日附貨幣の批判的研究 劃般物偶の安定と共忙考慮すべきことを怠つてはな

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る観に於ては夫れを以て満足すべきであらう。而して奄分なる満足を典ふる指数ならすとも、之を目標とする貸 簡政策は之を用ひざる盲目的なる貨幣政策に優ることは云ふ迄もない。 ︵四︶ ﹁筋條酋尊自由党酵論﹂第十項 ︵五︶ Key⊃叩Sこ.声⋮ロゴeatise。コ苫。コey−く。ニ・﹁。コ計コ・︼豊〇・PP・笥1声 鬼頭仁三郎謬 ケインズ貨幣論 弟仙分炒 昭和七年 七〇−七l一貫

叫0 日間貨幣の賓例

次に吾人は日附賀幣の各終につき考究したい。

先づ第仙に撃ぐペきものはゲゼルの捉案に基き、且つ中央ヨーPツ。ハに於て仙二の賛例を見るところの自由貨

幣である。之は他柾の日附貨幣と区別する馬め本来の日附貨幣といつてもよい。

この自由貨喘が畢なる机上論より功歩進んで、賛際に用ひやうとされるに至つたのは叫九山九年である。此年

澗逸に所謂自由紐解運動が起り、その運動の進行中、ゲゼルの仙友人ティム︵エaコSゴヨヨ︶なる八が自由貨幣論の

原坪を資際化せんとして一の取引例を設け、此の取引朗よりヴエーラと柄する二間の認容を饗行することゝした。

而してこの取引所の細粒を﹁ヴエーフ取引組合﹂と名付けた。菟に朋謂ヴエ糞ラ︵W冨︶とは弼逸語のW。re︵商 ︵こ 品︶とW賢uコ貫通巽︶の両方の意味を兼ねたるものである。而して此の組合にて牛ヴ工−ラから仙、二、五ヴエ 廿同船粍等商業聾校開校十周年記念論文集 五四

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ーラの語券を饗行すること1し、劇ライヒス・マークにつせ副ヴエーラ詑穿が得みれ、そのヴエ㌻エフ密葬を以て ︵二︶ 糾合点間の取引をなtたのである。尚此の場合のヴエーラには毎月一〆の印紙豪貼ることゝなつてゐた。 ︵こ Bunh産此のW竿aをW賢﹁e⊃︵eコduriコn−持績︶の意味に解してゐるが、之は速切ではないやうに思はれる。︵Bu・ nh仙u L●Heコry⋮F−eeヨ○コey−E致コbur昔・︼提u−P﹂望・象照︶ ︵二︶ Fisト2﹁二∴ フィッシャーは日附貨幣につき、政府静行のものと、地方自給鰭又は私的囲醍蟹缶のものとを区別して前者をStaヨP ∃○コey といひ後者をStam甘scripと呼び恨はしてゐるやうである。 此のヴエーラ運動が摘靡く行はれること1なつたのは仙九三一年にして、同年に弼逸バグアリア州のシヴァネ ︵三︶ ンキルヘンに於て相富市故に賛施された。 ︵三︶ 左記参照 ○

nOhrsseコu HaコS R■﹁⋮空t首−e.Wara。こコ。↓heコew Repubニc。−コu甲−○こ拐N.pp.山川00−uいp

Buch叫−﹁H●∵Freeヨ○コey−PPこ望−芯u・ Fishe﹁二・⋮StaヨP Snrip−PP−︼∞−NN, 拙稿 ﹁貨幣の使命﹂ 高埜向商聾友食詰﹁自選﹂ 男十入兢 九−叫二貰 拙稿 ﹁経済機構の心棒を探る﹂ ﹁昭和﹂.昭和九年一月銭 二五−二八貰 ︵四︶ ○ 自由貨幣の第二の膀著なる資例はオースL﹁いリアのヴエルグル︵W居Cに於て見出される。 甘附定形の批列的研究

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Gai︻skeニu〓・↓.N.⋮FO已−三〇コetary〓eretics∵コ■毒hatEくerybOdyWaコ什s岬O Kコ○ノV abOu付言〇コey㌔ed●by G.ロ.エ.nOざ﹁○コdOコ﹂拐u.pp●ぃりり1ハ○︼● グエルグルは人口囚三〇〇︵一九ニ〓1二年度︶を有する叩であるが、その中山嵐〇〇人が先発し疲弊困憑の極 にあつた。そこで町長のウンテルグッゲンベルゲル︵Uコte﹁習∽geコber甥﹁︶は之が救臍に自由貨幣案を採用し、労働 者や多くの商人やその地方の貯蓄銀行の同意を得て日附貨幣を畿行すること1し 金座或はその地方の銀行にて允換きれること1はなつてゐたが、之に払允換手数料として二勿を徴収することゝ した。而して之には毎月叫〆の印紙を貼ること1なつてゐたので、二〆の允換手数料よりもー〆の印紙を貼つて 之を流通する方が有利であつたので、兜換はあまり請求されなかったのである。 呵の吏員は町長を初めとして皆その俸給の五〇〆をこの日附貨幣にて受取り、臨時匡敷革柴の雇人等はその叫 00〆迄之で賃銀の文沸を受けた。 此の計意により山九三二年八月血日に三高二千シりングの日附貨幣︵繊面はて二、五シリング︶が磯行された が後に之が多額に失することがわかり再費行の時にはその約享分の叫に減少した。叉之によりその日附貨幣がオ ーストリアの本位貨たるシリングと平慣を恍つことができた。此の日附貨幣は特佗﹁ヴエルグル匡数寄菜労務捉 _ 高松高等商業畢校開校十周年記念論文集 ︵四︶ 左記参照 F訂he﹁こトSta∃P Sn﹁ざpp.NN−Np

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供二シリング︶券﹂︵20thニ訂W学監B2∼t賀色erコrbe訝we−tllSch≡iコ巴と呼び之忙貼付する印紙を.﹁匡救啓発緋 金切手﹂︵ZO付各山a訂iコK−ebeコヨa−keコ︶と呼んだ。 此のヴエルグル貨幣は最初は之を受取らぬ商人もあつたが漸次その事怖がわかり、叉之を受取らぬ商人は淋れ るので終にはどの商人も之を受取るやうになつた。只最後迄之を拒絶したのは郵便局と鋳造︵共に政府事業︶とだ けであつた。 ヴエルグルは数年来和税の滞納に囚・り果て1ゐたのであるが、此の日附貨幣の制度を採用Lて以来、其の期の 租税は勿論、滞納租税も漸次納入せられる様になり、叫九二三年の後年朔には十萬シリングの公共事柴を潜むこ とができた。以て失業救済、事業活動への影響を知ることができる。叉之は銀行預金にも好影せを輿へ、一銀行 の如き二九三Ⅷ年八月には預金引出超過額血涙、三六二シリングなりしものが、山九三二年八月︵日附貨簡を採 用した最初の月︶には封入超過観が六、九九二シリングであつたっ ∴ナ スクムブ貨幣の第三例はアメリカに存する。併し之はゲゼルの挽く自由貸幣とは梢主趣を異にするが故に、ス クムプ貸健の第三例は自由貨幣の第三例であるとは云ひ得ない。 ︵五︶ Fisherこ∴S︷aヨPSnrip︶PP∴肖丁山−■参照 このアメリカの驚例はアイオワ川ハワーヂン︵エawardeコこ。Wa︶に於て現はれた。此の町は人口三〇〇〇を有 し、町の財政状態は相常良好であつたが、失巣窟が樺山あり且つ貨幣の退蔵をなす者が可成あつた。そこで山九 日附貴簡の批列的研究 五七

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三二年十月、同町は額面叫ドルのスタムプ詮賛S訂∃PSn昔︶を三石ドル複行することゝした。之は戎方南よりの

嘆願に基いてなしたのであるが、之により失業者に仕事を輿へ道路の建設をしやうとしたのである。

此のスタムプ発券に・は允換が認められてゐたが、特に允換基金があつたわけではなく、此のスタムプ許容に封

する印紙の資上代金がその基金となつたのである。此の印紙竺ドルのスタムプ許券につきこ盲ソトのものを三

十六枚︵∵〇八ドル︶貼付する様になつてゐて、之が全部貼り春されたとき允換亘られることゝされ宅尤も此

の印紙貼付の日附竺週間目とか㌻竺月日といふ様に像め定められてゐるわけではなく、此のスタムプ澄穿を以

て取引する都度仙赦宛の印紙を貼付することゝなつてゐた。

此の計墓は失業者は勿論多くの商人や叉成一銀行の支持を得、そして失業者達はその質銀の六〇%迄はこのス

タムプ誇券にて支排を受けることを同意したのである。

此の計宣は政初は多少園滑に行かないところもあつたが、今は順調に行きつ1あり、且新に言ドル畿和する

乙とが許可された。

今このハワーヂンにて採用されたる様式とシヴァネンキルヘン並にヴエルグルにて採用されたる様式とを比較

するに、後者は印紙貼付の日附を預め一定し置くのであるが、前者は之を行はす只取引毎に之豪貼付することゝ

した虚に根本的の相違がある。此の相違に着眼して吾人はフィッシャーと共に日附式と無日附式︵ロatedtypeaコd ︵六︶ da邑esstype︶の二緋を匿別することができる。此の直別は極めて肝要にして吾人は之を軽々に扱ってはならぬ。 高兼高等商染拳校開校十周年記念論文某

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鵬 鵬 科学的貨幣制度

以上論じたる如く吾人は所謂日附式の制度を虚絶し無日附式は寧ろ之を軽祓するの熊虔に出たいのであるが、

綺偏に日附式にして然かも桝謂自由貨幣とは趣を異にせる一環案がある。それは発きにクリステンの思想に闘聯

︵こ

して二首せるけ/ンデンクールの例説である。今その朗給を顧みること1しやう。

︵こ ﹁ぎ旨コtha㌻Gustaく︰>SOuコd Scieコ≡∩ヨ○コey SysteヨーOr沓コa〓﹁eatisew﹁迂eコぎ︼冶N−reくisemぎ

Sep什emberこ豊山.BOStOコ.︼冶u. 附式︶の希求する如き貨簡辿赦の不利益、経って起る貨幣流通速度の増進を期待することを得ない。それ故に只 印紙の賛上代金により畿行紙幣の允換基金と多少の手数料とが得られるのみである。かくては眞の日附貨幣の目 的が達せられざるが故にその資質を伴はぎるのみならす叉他方名桝の上からいふも無日附式日附貨幣は結局形容 ︵七︶ の矛眉︵︹○コt﹁乳ictざiコadjen什○︶に経るが故に特にスタムプ発券と呼ぶこと1したのである。 ○ハ︶ F訂h川r L⋮StaヨPScr首、PP●uリふN.et︵● ︵七︶ 無日附にても印紙︵StaヨP︶を貼付するが故にそれにStaヨPヨ○コeyOrStaヨP SCripの名を冠し得るであらうが、

併しそれは最早 StaヨPed mOコey Or SCripとは云ひ得な一い。

即ち無日附式に於ては印紙納付日が像め定められす、叉従つてその流通期間の定めがない

日附貨幣の批列的研究

(36)

さてリンデンクールが理想とする貨幣制度は次の如き性質のものたるべく此の理想に過ふものとして、彼の朗

謂﹁健全なる科挙的貨幣制度﹂の提案があるものと解される。

ユ已0コeySyS︰2ヨCaコb2Caニeds︵訂コ蔓cOコーywh2コit︹aコdO;ef01訂wiコ£thiコ山S

︼︶.Preser<ethestab−epu﹁︹h墜コ仏POWerO二h2ヨ○コeyuコ蒜︵dO訂﹁︶withmc訂seニヨitsat茎tiヨeS・

N︶.nOコtr01aコd curb au什○ヨat山caニyexnessiくe SPeCu家6.コiコa〓iコくeSt∃eコ”s・

u︶.Pre<eコt au︹○ヨa芳aニy s2くer2g.エコeSS depress5コS aコd baコkrupk詠・

︵﹁仙⊃deコthal∵b弾p.ぬN■︶ 而して彼の所謂﹁健全なる料率的貨幣制度﹂の内容及論櫨は大様次に蓮ぶるが如くである。 先づ金本位制度に於て金準備率の規定︵例へぼ四〇〆︶があつても、尊瞥上は紙幣のみならすその他の信用貨幣 がその金の基礎の上に流通せる故に質際の準備率は二1四%に過ぎない。そこに金本位制度の不安と危険とが存 する。而して金の需要は益々増大する傾向にあるのにその供給が之に件はない。夫故に膵氷金本位の絆蹄が不可 能となり、金を用ひない貨幣制度が必要となる。 叉所謂金貨幣制度︵G。ldヨ。コeySySteヨ︶の最も危険なる二皿は、その貸特に基いて擬制資本が造出され、その 資本に封し貿銀や税金よりも兜きに利子や配常といふ不労所得が準へられることである。之は勿論貸職制慶に快 防があるからではあるが侍其の上銀行制度が惑いからでもある。 高松高等商巣畢校開校十周年記念論文集

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ける金融恐慌の災害も貨幣や銀行に踊し合理的な法制を施行するだけで救ひ得るものだと信するに空つ宅

而して魂今の文明閲にして政情の安定せる閲に於ては姦の條伸さへ僻へてゐれば紙幣で充分貨幣の役目は果

たせる。その傑件として六箇條を観げることができ、その各々が相互に紺辿してゐる。︵以上緒論七−三頁︶

今リンデンクールの述べる六箇の條件を掲げる前に橡め吾人の知つて置くことを必要とする毒がある。それ

はリンデンク←の提案に於ては二柾顆の貸喘が獲得される。その表はCred≡ur﹁買y。。t。S−︹。≡甘。。teS、 写eヨヨeコtコOteS等と呼ばれるものにして、し観の富を引営てに敢行される政府紙簡にして、その額面小さく寄 ら流通用に供せられるものであるり他の表はnredi︻ce−tifi邑2S一︵ur−eコりyCer芳a什es等と呼ぼれるものにして、

失狼ヱ由の富を婚保とするが、之は出場の流通用として恕宿されるものでなく、之を板紙富として常座借越を

なす馬めや大口取引の決嘩に用ひられるものである。従ってその繭面も大である。

今本稿にては用語茄蕗〓する鵠め、前者を流通碁と呼び後者を信用詑碁と呼びたいと思ふ。

さてリンデンクールの科挙的貨魔の傭ふべき六偶の條件の大様は左の如くである。

第州債件 誓紙︶幣の造州は政府の猫占とし、その紙幣は凶富金牌を引常にした無利息の流通余力至信用詮

券にして之は何等かの対偶を愛娘ってそれと引換にのみ蛮冒されるものとするっ

凡そ磐見や交換の封象となるものはみな憎値を宥する 而して偵借物の交凍には何等かの尺度︵3easure︶がな そこで自分︵ワンヂンタール︶は多年建設工事に囲係してゐて材料や質鉄の鵬落を研究し、給仕せ 日用崖幣の批判的研究

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ければならぬ。今その尺度を金鉄忙求めないで閥富仝鰹に求めやうとするのである。此の閥冨は金銀や土地や私 有財産のみならず、富造出の三嬰素たる資本と労働と総督とより成ってゐる。此の園富に封し政府は無制限に課 税し得るのであるから之を政府の夜行げる紙幣の括保とすれば、それに優った有力な且安全な槍保はないわけで ■ある0 又仙メートルの長さは地球子午線の四千萬分の一であると定義されてゐるが、それと同様に血ドルの低値は団 富の何分の剛であると定量することができる。尤も閉富は地球子牛挽の様に正確に測定することはできぬし、叉 囲々によつて事情を異にもするが、併し観富金牌は単仙の財よりも建勤の少いものであるから之む引常としたド ルの憤値は金や銀といふ畢則の財を引常としたものよりも攣勤が少いであらう。 科堕的貸幡と金とは特別な組係はないが乱国聞の貨幣低値を比較する尺度として金を畑ひることが便利であ る。而して政府は金に封し掛り詮︵Wa−ehOu∼eCert寿ates︶を復行すれば、之を拗際収支決済に用ひることができ やう。併し此の預り詮は蛍買を許さず只貸借のみ許すこと1する。︵二ハ1T九頁︺ 第二條件 流通琴の蛮行地顔は蜘富と仙窟の割合を保つ様にし、成虹人口仙人懲りに劉する敢行舶を決めて 置けば侮便利である。 アメリカに於て叫九二二年には人口血憶九百萬あり、その問富は三千二百十億ドルであつたから人口仙人常り 約三千ドルの富であつた。叉同年に銀行紙数二寓八千六百行あり、その資本組融四十億ドル、その間金紙額些ニ 高松高等蘭来襲校閲絞十周年記念論文箆 六二

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剖営てれば三百八十ドルになる。今之お二九叫三年の貨幣侶備に換算すれぼ二百八十五ドルに相常する。 そこで米園に於ける⋮入営りの貨幣朝は、顆税や負措の増加、・生計螢の騰貴などを掛酌すれぼ、軽目に之を計 算して仙九叫三午の病質力を有する貸簡三日ドルを婁する。︵之は二人雷りの流通券と信用詮券の合計額を意味する■ 岩井︶ 現在アメリカの人口約一倍二千五百萬あり、之に一人督り三百ドルの貨幣を聾するものとすれぼ紙攣二百七十 五倍ドルあれぼよい。 今椴りにその中の六十億ドルは過裁不能の祁助貸や流通券であり、躇りの三百十五倍ドルは大口取引用の信用 謹券とする1此の後者は銀行の支彿準備になつてゐるものであるが、要求次第聯邦準備銀行又は大歳省に於て退 蔵小能の通貨た引換へられるものとす。新貨幣は大赦省が大蔵省詭弁の文雄や経費の支出をなすのに應じて漸次 磯行される。大政省が懲紙幣や小切手を租税などの納入として受入れたときは之を戯粟してせの代りに新貨幣を 挙行すること1する。とに角新啓貨幣の特摸は漸次に行ふのがよい。 韮で銘記して置かねぼならぬことがある。それは、金録は例外であるが債樵や銀行偵金は鼻腔的の富ではなく 単に富を代表する紙片であるといふことである。文政府蔑行の流通赤も央張富む代表してゐるのである。故に之 等のものを巌薬しても⋮団の具鰻的富が減少したのではないといふことである。三〇−二四雪以下誉 育三十億ドル、 日鞘貨幣の批列的研究 それに通貨の凶十四倍ドルを加へて合計囚百十四倍ドルの貸僚があつたわけであサ、之を人口忙 大王

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