名古屋市域における新幹線鉄道騒音振動に対する住民反応
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-久野和宏*
成 瀬 治 興
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林健太郎
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服部憲明
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N.Hat
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Abstract: Quality standa.rds for Shinka.n日enrailwa.y noise wa呂田巴ttledin 197.5. Several kinds of tech -niqu巴ha.sbeen applied to control noise.nd va ibra.tion problems. The nois百levelha.s been considera.bly reduced. The reduction of vibra.tion !evelうhow日ver
,
h部 b巴enlimI七ed. VVe confirmecl severe reacもionof Inhabita.nt呂toSHinka.l1sen ra.ilvila.y vibration in N a.goya City.
1
はじめに
1964年に東海道新幹線が開業し、以来都市開の 大量高速輸送機関として社会に多大な貢献を果たし ている。しかしながら、新幹線は騒音・振動を発生 し、沿線住民に被害を与えてきた。新幹線騒音に対 し 1975年には環境基準が、振動に対し 1976年に指 針が示され、以降、騒音。振動の低減対策が実施さ れてきた。名古屋市は、環境基準の達成状況等を把 握する目的で定期的に騒音・振動の監視2)を行っ ている。その報告によると、騒音の環境基準の達成 率は平成 17年度の時点で、軌道から 12.5mの位置 において 89%にまで改善されている。一方、振動 については、対策が困難であることから、振動レベ ルの低減は騒音ほど認められていない。 名古屋市域において、道路や在来線を対象とした アンケート調査(生活環境調査)が実施されている 1)。しかしながら、この地域の新幹線沿線において の調査結果は、近年報告されていない。 本研究は、名古屋市が実施した新幹線騒音・振動 市愛知工業大学工学部電気学科 T愛知工業大学工学部都市環境学科 + (株)アクト音響振動調査事務所 の測定点周辺を対象にアンケート調査を行ってお り、本稿では、その結果についての報告を行う。2
調査方法
名古屋市が平成 17年度に新幹線沿線において、 騒音・振動調査を実施2)した。本研究では、この測 定点周辺においてアンケート調査を実施し、岡市の 調査結果を活用し騒音・振動レベルの暴露状況と住 民の反応について検討を行うものとする。 アンケートの調査票は、騒音に関する質問は、日 本音響学会方式の調査票3)を用い、振動に関する 質問は、感覚の有無、感じ方、睡眠影響、物的影響、 低周波音の有無に関する5
項目としている。 岡市が実施した調査地点を図1に示す。アンケー ト調査の対象は、1
8
以上の戸建て住宅の居住者と している。調査範囲は、新幹線の近接側軌道中心か ら 100m以内の範囲とし、軌道延長方向について は、測線と同じ軌道構造、環境対策であり、騒音の 減衰状況が同じと見なせる範囲としている。 各住戸の騒音・振動レベルについては、両市が実 施した 12.5m~50111 の範囲の測定結果を距離補間 し求めている。なお、アンケート調査の対象として いる住戸は、新幹線の軌道が見通せない場合もある-60 76ー 図2 騒音レベル(LAM)の分布 図3等価騒音レベル(LAeq)の分布 40 61-65 66-70 71-75 LAM[dB]
。
100 60 40 20 品 類 総 回 名古屋市は、「新幹線に係る環境基準(環境省)Jに 定める方法により測定を行った騒音レベル(LAM)
、 列車通過時の単発騒音暴露レベル(
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から求め た等価騒音レベノレ(
L
Aeq)、「環境保全上緊急を要す る新幹線鉄道対策について(環境省)Jに定める方 法により測定を行った振動レベル(
L
V M)を公表し ている。本報告では、これらの値を全てについて住 民との対応(dose-responce)について検討を行うも のとする。 56-46-50 51-55 L A'q (D)[dB] -45 80 60 40 20。
100 80 60 [ 誼 議 総 回 [ 湿 議 総 回 66 46-50 51-55 56-60 61-65 LVM [dB]。
ついては、木造が61%と最も多く、ついで鉄筋コ ンクリート造が24%、プレハブ造が7%、その他の 構造が6%となっている。用途地域の割合は、工業 系が 50%を占め、住居系が 40%、商業系が10%と なっている。図 11に示す回答者宅と軌道との距離 の割合は、 50m以遠が57%と最も多く、ついでお ~50m が 24% 、 25m 以内が 19% を占め、 25m 以 内に住宅が少ない結果となっている。 3.3 音源別の反応 音源種類別にその音が聞こえるかについての質問 を行っている。その回答の上位5
項目の騒音源につ 図4 振動レベノレの分布(LVM)調査結果
騒音レベルz振動レベル ア ン ケ ー ト 調 査 の 対 象 と し た 住 戸 に お け る 騒 音 レベル(LAM)
の分布を図 2に 、 等 価 騒 音 レ ベ ル(
L
Aeq)の分布を図3
に、振動レベル(
L
V M)を図4
に示す。3
3.1 回答者の個人属性 回答者の個人属性は、性別については、男性が約 40%で女性が約60%となっている。年齢について は、 60歳以上の割合が全体の 63%を占め、年配者 の回答者が多い結果となっている。居住年数につい ては、 10年以上住んでいる住民が全体の85%を占 め、居住年数が長い結果となっている。住宅構造に3
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口全て臼 25JT 以向田 25~50m 図 50m 以遠
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刊E E 4 都市 羊 {! -野 H 図6悩まされている騒音源の種類 ロ全て図 25m 以内回 25~50m 図 50m 以遠 ~W
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霊 事 器 還 請
爆 者 士 読 耳障 o¥!-佃 ~ H 音凶振動に対する反応 屑りの音全体及び振動全体に対し、悩まされたり 気になったりするかの質問に対しての回答を図8に 示す。なお振動に対する反応の全く気にならないに は、振動を感じることが無い人を含めている。 騒音と振動に対する反応で非常にあるとだいぶあ るの合計を比較すると、騒音は13%、振動は23%と なり、振動に対する不快感の方が多い結果が得られ 度数が少ない参考データである。 口全て臼 25m 以内回目 ~50m 臼 50m 以遠d
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3.4 その他 (3 位以下)の騒音に対しては、 25~50m が最も多く、次いで25m以内、 50m以遠の順で少 なくなっている。 25~50m が最も大きいのは一部 の調査地域において、軌道から 25~50m 付近に道 路があり、回答者宅が道路近くに建っていることが 可能性として考えられる。 音源を種類別にその音が気になるか、悩まされる か、についての質問を行っている。悩まされると回 答した上位5項目の騒音源について距離別に分類 した結果を図 6に示す。全体の度数に着目すると、 1位は新幹線の音で33%、2位は鉄道の音で18%、 3位は自動車走行音で 16%、4位はサイレンの音で 15%、5位は工場の音で12%となっている。 最も悩まされる音源について質問を行っている。 その回答の上位5項目の騒音源について、距離別に 分類した結果を図7
に示す。 全体の度数に着目すると、 1位は新幹線の音で 約20%、2イ立は自動車走行音と工場や作業所の音で 3%、3位は暴走族の音と鉄道の音で 2%となって いる。距離別に比較すると、 25m以内が 24%、25 ~50m が 21%、 50m 以遠が 17% となり、軌道か らの距離が遠くなると、少なくなる結果が得られて ている。 し、る。 なお、 2位以下の騒音源の種類に対する回答は、40-59歳 振動 18-39歳 騒 音 100 40 60 回答数[姐 図10新幹線の音に対する反応(年齢) 80 20 100 80 40 60 回答数回] 20 3封振動の全くないには振動を感LJJ:い人も吉まれる 口問こえない 2気にならない 田悩まされている 図日新幹線の音に対する反応(居住年数) 100 一τL
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認-;;-.-.~,コ騒騒選議 80 40 60 回答数[目] 20。
10年 以 上 10年 未 満 口聞こえない口気にならない図悩まされている 図12新幹線の音に対する反応(住居構造) 口聞こえない口気にならない国悩まされている 工 業 商 業 住 居 100 80 40 60 回答数[弘] 20。
3
.5 新幹線の音に対する反応と個人属性の関係 新幹線の音に対して、聞こえない、気にならない、 悩まされているの 3項目の質問に対する反応と個 人属性の関係を図 9~ 図 14 に示す。図 9 に示す性 別については、悩まされている人の割合が女性では 37%、男性では27%となり、女性の方が多い結果 が得られている。図1
0
に示す年齢については、大 きな差が認められていない。図 11に示す居住年数 については、居住年数が長い方が騒音に対して慣れ が生じ、割合が少なくなる結果が得られている。図1
2
に示す、住居構造については、鉄筋コンクリート 造の悩まされている人の割合が、他の住居構造と比 べ少なくなっている結果が得られている。これは、 鉄筋コンクリート造が他の構造と比べ遮音性能が高 いためであると考えられる。図 13に示す用途地域 については、大きな差が認められていない。図 14 に示す軌道からの距離については、悩まされている 人の割合で最も大きな割合は 25~50m の 48% で、 25m以下、 50m以遠の割合で約 30%となってい る。軌道中心から離れた場所でも、悩まされている 人がいる結果となっている。 図8悩 ま さ れ た り 気 に な っ た り す る 度 合 その他 木 造 鉄筋コン クリート造 プレJ、フ 100 80 40 60 回答数[出] 20。
図13新幹線の音に対する反応(用途地域) 国悩まされている 臼聞こえる 口聞こえない 50m以遠 25~50m 越 国 E S A Y 唱 捌 語 時 ﹂ r 班 判 明 口聞こえない 口気にならない 困悩まされている 女 性 男性 25m以内 100 80 40 60 回答数[出] 20 100 図14新幹線の音に対する反応(軌道からの距離) 80 40 60 回答数[幻 20 函9新幹線の音に対する反応(性別)3.6 睡自民妨害と軌道からの距離との関係 種々ある騒音源の中で新幹線の音が最も悩まされ ると答えた人の中で睡眠妨害の有無の割合(軌道か らの距離別)を図15に示す。睡眠妨害がある人は、 25m以内で50%の人が答えている。 50m以遠でも 24%の人があると答え、軌道中心から離れた場所で も、睡眠妨害が発生している結果が得られている。 振動を感じる人の睡眠妨害の割合(軌道からの距 離別)を、図16に示す。時々あるとよくあるに回答 した人の割合を比較すると、 50m未満で約25%を 示し、 50m以遠では 19%を示している。このよう に、距離の延長とともに振動レベルが小さくなり、 睡眠への妨害が少なくなる結果が得られている。 海5日m以 遠 山 H
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長 25.--.._.5日m "_' 号室
25m以内 口なし 盟あり 2日 4目 白日 日日 1日日 回答散[泊 図15騒音に対する睡眠妨害と軌道からの距離の関係 回殆どない口あまりない回時々ある口よくある書
50m以 遠 e ,-" 225 5加 藤 総 滋 丑 捌 語 25m以内 20 40 60 80 100 回 答 数r%l 図16振動に対する睡眠妨害と軌道からの距離の関係4
騒音レベル園振動レベルと反応、
4.1 新幹線鉄道騒音に対する反応との関係 図17に示す騒音レベルの評価値(
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との関係 に着目すると、悩まされている人の割合は、66dB以 上で約 35% 、 61~65dB で 29% 、 60dB 以下で 9% と なり、騒音レベルの上昇と共に増加する結果が得ら れている。図 18に示す等価騒音レベル(
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との関係に着目すると、悩まされている人の割合は、 55dB以下において、騒音レベルの上昇と共に増加 する結果が得られている。 56dB 以上と 51~55dB の悩まされている人の割合を比較すると、 56dB以 上が約20%少なくなっている。 口聞こえない ロ気にならない 国悩まされている 71-I I 逼 言 、」 日 刊 日u
61-65 I I 60 I 強議選章可、蕊蕊義塾 総選議総総議h
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20 40 60 80 100 回答数[刊] 図17新幹線騒音に対する反応(
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口聞こえない 口気にならない 図悩まされている 56-塁口、〈マ[ 51-55 叶 46-50 45 20 40 60 80 100 回答数[幻 図18新幹線騒音に対する反応(
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4.2 音全体に対する反応との関係 音全体に対する被害感と騒音レベノレの関係を図 19、図20に示す。図19に示す騒音レベルの評価値(
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との関係に着目すると、非常にある、だいぶ ある、多少あるに回答した人の割合を比較すると、 60dB 以下で 18% 、 61~70dB で 33% 、 71dB以上 で38%となり、騒音レベルの上昇と共に被害感が 増加する結果が得られている。図 27に示す騒音レ ベルとの関係に着目すると、非常にある、だいぶ ある、多少あるに回答した人の割合を比較すると、 45dB以下で 19%、46-50dBで33%、51-55dBで 35%、56dB以上で37%となり、騒音暴レベルの上 昇と共に被害感が増加する結果が得られている。 4.3 振動全体に対する反応との関係 振動全体に対する被害感と振動レベルの関係を 図21に示す。なお振動に対する反応の全く気にな らないには、振動を感じることが無い人を含んでい るp 図21に示す振動レベルの評価値(
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VM)との0 5 7 6 6 1 6 6 [ 田 万 ] 三 ︿ 叶 60 20 40 60 80 100 回答数[弘] 図19 音全体に対する住民の反応と騒音レベルLAMと の関係 ロ全くない ロそれほどない図多少ある 四だいぶある 固非常にある 「一一 56- [ 二長室主玄蚤醸 ~ 51-55 己 す46-50 、」 与i鐙3必遜援護霊 三三登丞さ蜂議選 -45 協務懇談 20 40 60 80 100 回答数r%l 図20 音全体に対する住民の反応と等価騒音レベル (LAeq(D))との関係 関係に着目すると、常にある、だいぶある、多少あ るに回答した人の割合は、 61dB 以上で 72% 、 50~ 60dBで約 50%、50dB以下で 31%となり、振動レ ベルの上昇と共に被害感が増加する結果が得られて いる。 口全〈気にならない 臼それほど気にならない 白書少気になる 図だいぶ気になる 図非常に気になる 61 0 5 ︽ b 民 υ n b イ 1 5 5 [国力]室﹀叫 ドユ減免税F誘拐移括綴選議 fミミ、母翠務務怒警察 τ~計嘱癒 50 20 40 日o 80 1日D 回答数[則 図21新幹線振動に対する反応(LV M)