1 第５回刃物検定 はもけん 解答＆解説文 【問題１ 答え】 ④ １１月８日 全国的に「ふいご祭り（鍛冶屋祭り等）」が行われていることと「イイハ」の語呂合わせがよ いことから１１月８日は「刃物の日」として、日本記念日協会に登録されています。毎年１１月 ８日には使い古されて捨てられる刃物に、感謝の意を込めて手厚く供養する「刃物供養祭」 がとり行われています。供養された刃物は、大手鉄鋼メーカーのご協力により、新たな鋼材 へとリサイクルされています。 １月２日は「関伝古式日本刀鍛錬打ち初め式及び刀剣研磨外装技術仕事始め式の 日」、７月１２日は「（ナイフ）洋食器の日」、８月３日は「ハサミの日」です。 【問題２ 答え】 ④ イギリス シェフィールド（Sheffield）は、イギリスのイングランド中部にある工業都市です。主要産業は 金属加工業でナイフやフォーク等の刃物産業が盛んであり、関市（Seki）、ドイツのゾーリンゲ ン（Solingen）と並んで「刃物の３Ｓ」と呼ばれています。 【問題３ 答え】 ② ３００人以上 関鍛冶は室町時代の中期から末期にかけて全盛期をむかえ、３００人以上の刀鍛冶を 抱え、全国一の数を誇りました。関の刀は「折れず、曲がらず、よく切れる」と全国で評判に なり、戦国時代の武士に愛用されました。 【問題４ 答え】 ③ ウル得マン いけや賢二 ２０１７年９月１日、ウル得マンで有名な料理芸人のいけや賢二さんが包丁大使に任命さ れました。第５０回刃物まつりでは、包丁大使いけや賢二さんによる包丁さばきが披露され、 たいへん盛り上がりました。 【問題５ 答え】 ③ 北条政子 はさみは大きく２種類あり、真ん中をＵ字形に曲げて刃と刃を合わせたＵ字形の「ギリシア型 はさみ」と、二枚の金属の刃を組み、鋲で留めたＸ字形の「ローマ型はさみ」の２種類があり ます。鎌倉の鶴岡八幡宮には北条政子の化粧具が収められ、その中には菊花を彫りこんだ 立派なはさみがあり、ギリシア型はさみの遺品として残っています。
2 【問題６ 答え】 ④ 明智光秀 二代兼定は和泉守を名乗り、定の字を“之”と銘切りをしていたので、“之定”(のさだ)と呼 ばれました。「之定」は、切れ味が非常に優れていたため、武田信虎や明智光秀などに愛 用されていました。 【問題７ 答え】 ③ ６ｃｍ 銃砲刀剣類所持等取締法（略称：銃刀法）第２２条によると、「何人も、業務その他正 当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが６セン チメートルをこえる刃物を携帯してはならない。」と規定しています。 【問題１０ 答え】 ③ 新潟県 平成２６年工業統計調査結果によると、包丁、ナイフ類、ハサミ（理髪用を除く）、理髪用 刃物（カミソリ、ハサミ等）、その他の利器工匠具は岐阜県がシェアでトップを占めています が、食卓用ナイフ・フォーク・スプーンにおいては、新潟県がシェア９６％でトップを占めていま す。 【問題１１ 答え】 ① 約１１％ 平成２６年工業統計調査結果によると、全体の出荷額約３３１８億円のうち、金属関係 が約５１％（約１７０２億円）でいちばん多く、金属以外が約３８％（約１２４７億円）、刃物関 係は約１１％（約３６９億円）となっています。 【問題８ 答え】 ① 潜水士 潜水士は業務中、ロープや海藻の絡まりなどを除去したり、救助活動で使用する目的に より必ず携帯しなければなりません。（高気圧作業安全衛生規則第３７条第２項） 【問題９ 答え】 ② 理髪用刃物（カミソリ、ハサミ等） 平成２６年工業統計調査結果によると、包丁、ナイフ類、ハサミ（理髪用を除く）、その他 の利器工匠具（ツメキリ、缶切、栓抜等）も刃物出荷額の全国シェアの多くを占めています が、特に、理髪用刃物（カミソリ、ハサミ等）については、全国の約７５％を占める出荷額を 誇っています。
3 【問題１２ 答え】 ② 【問題１３ 答え】 ① 肉、魚、野菜を切るのに使える 三徳包丁は野菜を切るほか、肉や魚にも使用できる便利な万能タイプの包丁をいいま す。菜切包丁、牛刀と出刃包丁の良さを兼ね備えています。 【問題１４ 答え】 ③ 羊の毛を刈るため 紀元前１０世紀頃のギリシア時代から使われ始めたといわれている、Ｕ字形のギリシア型 はさみの最初の用途は、羊の毛を刈るためでした。人間の毛ならばカミソリ等で剃ることもで きますが、羊はそういうわけにはいかず、毛を刈るためのはさみが考え出されたといわれていま す。 【問題１５ 答え】 ② こじれた物事を非常に鮮やかに処理し、解決すること 「快刀乱麻」という言葉の由来は中国の故事から来ており、鋭利な刃物でもつれた麻糸 を断ち切ることから、こじれた物事を非常に鮮やかに処理し、解決するたとえを意味するように なりました。 【問題１６ 答え】 ② Ａ．折り返し鍛錬 Ｂ．素延べ Ｃ. 土置き・土取り Ｄ．荒研ぎ（鍛冶押し） 日本刀ができるまでの主な製造工程は、砂鉄と炭を熱してできた玉鋼が材料となり、まず その玉鋼のうち同質鋼板のものを約１３００度で加熱（積み沸し）し、大槌でたたいては折り返 す作業を繰り返します。次に、様々な硬さの鋼を組み合わせて固め（造込み）、熱して小槌 でたたいて刀の形に伸ばします（素延べ）。素延べしたものを熱し、刃と峰になる部分の形を 打ち出す火造りを経て、やすりやせんで荒仕上げし、焼刃土を刀に塗って刃文を作る土置 き・土取りを行います。その後、焼き入れ（加熱後、急冷する）を行い、刀匠自らが荒研ぎを した後、茎（なかご）を仕立てて次の技能師に渡します。 鎬（しのぎ） 横手（よこて） 棟区（むねまち） 中心尻（なかごじり）
4 【問題１７ 答え】 ② 室町時代 二代兼元は孫六と呼ばれ、室町時代に活躍しました。独特な三本杉の刃文と切れ味の 素晴らしさで有名な刀匠です。 【問題１８ 答え】 ④ つかのま ④「つかのま」のつかとは、手を握った時の４本の指の幅などの長さの事であり、（一束程 の短い間の意）ちょっとの間という意味であり、刃物には由来していません。 ①「どすのきいたこえ」のどすとは短刀・あいくちなど懐中に隠して持つ短刀の事。②「かま をかける」のかまは、草・柴（芝）などを刈るために用いた道具の鎌の事。③「なたをふるう」の なたは、薪など割るのに用いる鉈の事であり、これらは刃物に由来しています。 【問題１９ 答え】 ① マルテンサイト系ステンレス １３％クロム鋼はマルテンサイト系ステンレス（クロム系）と呼ばれ、焼き入れ後の硬さが高 いステンレス鋼材です。刃物やノズル、バルブなどに使われます。 【問題２０ 答え】 ① 焼きが回る 焼き入れをする際に、火が回りすぎるとかえって切れ味が悪くなることから転じて、年をとる などして頭の働きや腕前などの能力が衰えて鈍くなることをいいます。 【問題２１ 答え】 ① 刃を下にして腰に吊るす 太刀は刃を下にして腰に吊るし、刀は刃を上にして帯に差します。 大相撲の横綱の土俵入りでは、「太刀持ち」が登場しますが、昨年３月、第７２代横綱稀 勢の里の土俵入りの太刀を関市の刀匠が制作して納めたことが話題となりました。 【問題２２ 答え】 ③ 日本刀を構えた時の刀身のバランスを取るため 鍔（つば）の目的は、刀を握った手を護るため、突いた際に自分の手が滑らないようにする ため、また刀全体のバランスを保つ役割をしていたと考えられています。 【問題２３ 答え】 ① 割れたり欠けたりしにくい セラミック包丁は、食材に鉄味がつく心配がなく、材質上錆びませんが、陶磁器のお皿な どと同じように割れたり欠けたりしやすいので、扱いには注意が必要です。硬いので、専用の 砥石が必要になります。
5 【問題２５ 答え】 ② コスプレイヤーが見栄えをよく見せるために、本物に近い形をした金属 製の模造刀を身に着けて路上で写真撮影をしている 銃刀法第２２条の４ 「何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、模造刀剣 類（金属で作られ、かつ、刀剣類に著しく類似する形態を有する物で内閣府令で定めるも のをいう。）を携帯してはならない。」とあり、②は本物に近い形をし、身に着けていることから 違法になる可能性があります。 【問題２６ 答え】 ④ Ａ. 警察署 Ｂ. 教育委員会 登録がされていない日本刀を発見した場合、新規登録の手続きを取る必要があります。 まず、発見した所轄の警察署へ銃砲刀剣類発見届を提出し、「銃砲刀剣類届出済証」を 発行してもらいます。その後、日本刀を所持したい場合は、銃砲刀剣類登録審査会に提出 し、日本刀として美術的に価値があるかどうかといった登録基準を満たした場合、教育委員 会より登録証が交付されることで、所持することができます。 （銃刀法第１４条、第１５条参考） 【問題２７ 答え】 ① フッ素加工 はさみの刃の両面にフッ素樹脂でコーティングされていると、セロハンテープ、ガムテープ などののりが刃につきにくくなります。 【問題２８ 答え】 ① Ａ．焼き入れ Ｂ．研削 Ｃ．水研ぎ Ｄ．柄付け 包丁ができるまでの主な工程は、始めに鋼板を、プレス機により包丁の型に打ち抜きま す。次に焼き入れ（加熱後、急冷する）によって鋼を硬くします。その後、鋼にねばりを持たせ るため、焼き戻しも行います。 次に一定の厚さに整えるため研削機により削ります。水研ぎ、羽布研磨の後、柄を鋲で 取り付けます。水砥石を使って本刃を付けたら、手入れ、検査を経て完成となります。 【問題２９ 答え】 ③ ダマスカス鋼 ダマスカス鋼は、異なる鋼材を何層にも組み合わせ鍛錬することで、複雑で美しい縞模 様を生み出す鋼材の総称です。デザイン性が高いことから、特に海外で人気があります。 【問題２４ 答え】 ④ へこんだままだと研ぎにくいので、平らに修正する 砥石は、しばらく使っていると凹型にすり減ってしまい、上手に研げなくなってきます。別の 砥石などを使って平らに修正するとよいです。
6 【問題３０ 答え】 ① フランスの会社の名前から バリカンは、アメリカ人によって開発されました。その後、明治時代にフランスから日本に輸 入され、理髪師が最初に使用して普及したといわれています。バリカンの語源は、フランス から日本に初めて持ち込まれたものがフランスの「バリカン・エ・マール製作所」製だったこと にちなんでいます。 【問題３１ 答え】 ② ちょうな 釿（ちょうな）は、主に柱や梁などの用材の荒削道具として使われてきました。近年では、 製材機の登場や洋風の建築の普及などもあり、使われることが少なくなっています。 なお、①「かんな」は「鉋」、②「のみ」は「鑿」、④「のこぎり」は「鋸」と書きます。 【問題３２ 答え】 ① とんちんかん 「とんちんかん」とは、鍛冶屋の相槌を交互に打ち、音が揃わない様が由来といわれてい ます。音が揃わないことから、ちぐはぐなことを意味するようになり、さらに間抜けな様を意味す るようになりました。 【問題３３ 答え】 ① 熱湯をかけ、すばやく水気を拭く 熱湯をかけ、すばやく水気を拭いてから切ると、材料の生クリームなどが温められ、柔らか くなることにより、切りやすくなります。短時間の温度変化であれば、金属組織が変化すること はありません。コンロの直火であぶると、金属組織が変化し、硬度が落ちることがあります。 【問題３４ 答え】 ④ 日本 刃に折れ目が付いており、切れなくなった先端を折り取れば新品同様の切れ味を取り戻 すカッターナイフは、日本のオルファ株式会社創業者である岡田良男氏によって発明されま した。 【問題３５ 答え】 ② フォールディングナイフ 折りたたんで持つところに格納するタイプはフォールディングナイフ、鞘に入れるタイプはシー スナイフと呼ばれています。ブーツの中のシースに格納するタイプは、ブーツナイフです。
7 【問題３６ 答え】 ③ ③と○A は作用点であり、力点でもある 【問題３７ 答え】 ① やわらかい布で刃物を磨くこと 羽布（バフ）研磨とは、布製等で作られた研磨輪に研磨剤をつけて研磨をする方法で す。研磨の過程や工程によって、素地研磨、仕上げ研磨などに分けられます。 ＜左下：実際に使用する羽布（研磨剤なし） 右下：実際に使用する羽布（研磨剤あり）＞ ※縫い目の粗さにより、使用用途が異なります。 【問題３８ 答え】 ① 木柄が傷んで劣化するため 包丁を長く使うためにも、自分で手入れをしましょう。なお、最近は食器洗い機対応と表示 してある包丁もありますので、食器洗い機を使われる方はそちらを使うと良いでしょう。 【問題３９ 答え】 ④ はさみ（特に外科用はさみ） 「剪」には、はさんで切るという意味があります。剪刀は、二枚の刃ではさんで物を切る道 具で、主に外科用手術の際に用いる洋式のはさみをいいます。 【問題４０ 答え】 ① 表面に薄い防錆性（ぼうせいせい）被膜ができる ステンレス鋼は、空気中で酸素と結合して表面に不動態被膜を作ります。この被膜が防 錆性を有します。
8 【問題４１ 答え】 ③ 鉄・鋼（刃鉄）・鉄の三層のサンドイッチ構造 古来より伝わる軟鉄に鋼（刃鉄）を挟み込む刃物の構造を「割り込み」といいます。現代 では、鋼をステンレスで挟んだ素材も使われるようになりました。刃は切れ味鋭い鋼、側面はさ びにくいステンレスと素材のメリットを活かした作りになっています。 【問題４２ 答え】 ④ 鉞（まさかり）や斧（おの）にこのような断面の刃の形状はない 蛤刃とは、刃物の断面形状のひとつで、鎬（しのぎ）と刃との間に、あたかも蛤の貝殻のよ うなふくらみがある刃物のことをいいます。（別名コンベックスともいう） 強度を保つため、刃先を鈍角に研がなければならない場合でも、断面がカーブを描いて いるため対象物との摩擦を軽減でき、刀身に貼りつきにくく、深く食いこませることができます。 ただし、平らに研がれた刃よりも刃先は鈍角になるため、切れ味そのものは薄い刃より鈍くなる 傾向があります。 対極となるものに、ブレードの側面を凹状に削った、ナイフの刃のホローグラインドがありま す。 【問題４３ 答え】 ② 改札鋏 改札鋏（かいさつきょう）は、駅の改札口で入場する際に切符に使用済みであることを示 す印を入れるための道具です。改札鋏で開ける穴は、三角や四角、丸型など全国津々 浦々、実に１００種類以上もの形があります。しかし、１９９０年代以降、自動改札機の導入 などに伴い、改札スタンプへの変更が進み、現在では改札鋏はあまり使われなくなりました。 「パチンパチン」という改札鋏の音が懐かしく思われる方も多いのではないでしょうか。 【問題４５ 答え】 ② 牛乳瓶の紙蓋を取る 取りにくい牛乳瓶の紙蓋を、針で差して取ることができます。 【問題４６ 答え】 ④ ①は冷凍包丁、②はカステラ包丁、③は皮剥ぎ包丁です。和紙裁ち包丁は、和紙の四 方を断裁し、続いて規格の寸法に断裁します。和紙を何枚にも重ね、定規に当て柄を持ち 前後に押して切ります。 そのため刃は片刃で丸くカーブしています。 【問題４４ 答え】 ③ 肉のスジを切り、柔らかくする 彫刻刀によく似たＵ字形等の刃がついているため、肉の上から押すことで、肉のスジを切 り、柔らかくします。
9 【問題４７ 答え】 ② かかとの角質を削る 直径２ミリ穴のエッジ部分により、かかとに押し当て削ることで、不要な角質を削り取ること ができる道具です。 【問題４８ 答え】 ③ 陶芸作品を作る際に粘土に模様を付けるときに使う この道具は「飛び鉋（かんな）技法」という方法で、陶芸作品 に模様を付けるときに使われています。反発性の良い時計のゼ ンマイをのばして加工されており、ろくろで器を回転させながら工具 の刃先を軽く当てると、土を削って再度弾かれ、また削るという繰 り返しにより、連続した削り目をつけることができます。 【問題４９ 答え】 ② 革に糸を通すための穴を等間隔で開ける この道具は、「菱目（ひしめ）パンチ」といい、レザークラフト等で革に糸を通すための穴を 開けるために使います。 本来であれば、菱目打ちという道具と木槌で叩いて穴を開けますが、音が大きく力が必要 であるのに対し、菱目パンチを使うと握るだけで、音を立てずに等間隔に穴を開けることがで きます。 【問題５０ 答え】 ② ボウリング球のメンテナンスに使う これらの道具は、ボウリング球のメンテナンスを行う際に使用します。（下図参照）
