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1. 経済産業省の CCS 政策について 1

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(1)

我が国のCCS政策について

(2)

1.経済産業省のCCS政策について

(3)

CCS (Carbon dioxide Capture and Storage) について

 CCS(二酸化炭素回収貯留)とは、工場や発電所等から排出される二酸化炭素(

C

arbon dioxide)を大

気放散する前に回収し(

C

apture)、地下へ貯留(

S

torage)する技術。

 IEA(国際エネルギー機関)や、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)等において、CCSは地球温暖

化対策に効果的な技術として評価。

CO

2

排出源

CO

2

回収

回収設備

CO

2

貯留

CO2圧入 製油所 発電所 化学プラント など

遮へい層

CO2を通さない泥岩などの層。

CCSの流れ

貯留層

すき間の多い砂岩などの層。 岩石のすき間にCO を貯留。

圧入方式

① 陸上からの圧入 ※ 二酸化炭素削減技術実証試験事業 ② 海上抗口からの圧入 ③ 海底抗口からの圧入

CO

2

 2050年時点までに求められる温室効果ガス削減量の13%(2050年時点で年間約60億トン)を CCSによ

り達成することが必要 (IEA)

 CCSの導入がなければ、2100年に温度上昇を2℃以内に抑えることは困難であることを示唆 (IPCC)

2

(4)

3

出典:IEA (“エネルギー技術展望2015”)

再生可能エネ(Renewables):30%

CCS:13%

発電改善(Power generation efficiency and fuel switching):1%

CCS:13

%

再生可能エネ:30%

エネ効率向上:38%

原子力:8%

 全世界のCCSの技術ポテンシャルは約2兆トン(現在の排出量の63年分相当)

(IPCC「 CCSに関する特別報告書」)

 2050年における排出削減量の13%はCCSにより達成すると評価

(IEA「エネルギー技術展望2015」)

※単位のGtは 10億トンの意

気候変動対策とCCS

燃料転換:10%

燃料転換(End-use fuel switching):10%

エネ効率向上(End-use fuel and electricity):38%

原子力(Nuclear):8%

2012年:340億t

2050年:560億t→140億t 420億t削減

(5)

4

2014年に公表されたIPCC第5次評価報告書では、

 『CCS技術は、化石燃料発電プラントの温室効果ガス排出を削減できる可能性

がある』と評価。

 IPCC報告書のシミュレーション結果によれば、2100年に温度上昇を2℃に抑える

と仮定した場合、CCS有り (下中図)では発電部門からの大規模削減が見込め

るが、CCS無しの場合(下右図)に大規模植林などの「土地利用(AFOLU)」部門

にて相当量の削減を行わなければならないことが示唆。

特段の温暖化対策無し

CCS

有り

で2℃を目指す

CCS

無し

で2℃を目指す

気候変動対策とCCS

(6)

世界のCCSプロジェクト

5

出典:Global CCS Institute, “The Global Status of CCS 2015” に基づいて作成

※大規模:年間

80万t以上(石炭火力)

年間

40万t以上(その他の排出源)

運転中:

15件

建設中:

7件

精査中:

11件

評価中:

9件

構想:

3件

北米:

19件

欧州:

8件

中東:

2件

アフリカ:

1件

南米: 1件

オセアニア:

3件

アジア:

11件

大規模プロジェクト

45件(2015年11月)

(7)

世界のCCSプロジェクト

出典:Global CCS Institute, “The Global Status of CCS 2015”

運転中15件

建設中7件

操業(Operate)・建設(Execute)・精査(Define)段階にある業種別および貯留形態別の大規模CCSプロジェクト

の実際の操業時期および予想操業時期

(8)

● 攻めの温暖化外交戦略(ACE)(平成25年11月15日)

(『イノベーション』項にて、2050年世界半減に必要な技術として位置づけ)

CCS(CO2回収・貯留技術):火力発電等から排出されるCO2を回収し地

下に貯留。日本はCCS普及の鍵となる分離回収技術の高効率化で世界

に貢献。

● エネルギー基本計画(平成26年4月11日閣議決定)

2020年頃の二酸化炭素回収貯留(CCS)技術の実用化を目指した研究

開発や、CCSの商用化の目処等も考慮しつつできるだけ早期のCCS

Ready導入に向けた検討を行うなど、環境負荷の一層の低減に配慮した

石炭火力発電の導入を進める。

日本の政策的位置付け

7

(9)

● 東京電力の火力電源入札に関する関係局長級会議取りまとめ

(平成25年4月25日)

(2) 2050 年目標との関係

日本の政策的位置付け

(ア) 国は、当面は、火力発電設備の一層の高効率化、2020年

頃のCCS商用化を目指したCCS等の技術開発の加速化を図ると

ともに、CCS導入の前提となる貯留適地調査等についても早期

に結果が得られるよう取り組む。

● 地球温暖化対策計画(平成28年5月13日閣議決定)

2030年以降を見据えて、CCSについては、「東京電力の火力電源入

札に関する関係局長会議取りまとめ」や「エネルギー基本計画」等を踏ま

えて取り組む。

(10)

2015年(平成27年) 4月に、経済産業省と米国エネルギー省との間で、 「二酸化炭素回収・貯留分野に係る協力文書(MOC)」を署名し、日米 間の研究協力を推進。 二国間での取組:経済産業省と米国エネルギー省との研究協力 2015年(平成27年)11月、CSLF閣僚級会合がサウジアラビアの リヤドにて開催。 クリーンエネルギー技術の1つにCCSを位置づ けるべき等、CCSの重要性に言及した共同声明を発出。 A A 事業名\年度

2015

2016

2017

2018

2019

2020~

A

設備

建設

CO

2

圧入

10~20万トン/年

モニタリング

研究開発

② CO

2

分離回収技術

実証試験

(苫小牧)

CCS技術

実用化

調査井掘削 (複数地点)

貯留ポテ

ンシャル

調査

地質調査

我が国のCCS政策

A

① 安全性評価技術

コスト低減 貯留適地の選定 操業能力の獲得 安全性の確立

 我が国初となる大規模実証試験や要素技術の開発等を推進するとともに、潜在的なCO

2

貯留適地

の選定を実施。

※ 二酸化炭素貯留ポテンシャル調査事業

国際的な取組()

※ 二酸化炭素削減技術実証試験事業 安全性評価技術の検証 多国間の取組:炭素隔離リーダーシップフォーラム(CSLF)

国際協力

9

(11)

 平成23年10月、実施調査結果のとりまとめ

・「苫小牧における貯留層総合評価」

・「苫小牧地点における実証試験計画(案)」

 平成23年10月~12月、専門検討会の実施

・「CCS実証試験実施に向けた

専門検討会」の開催

→実施調査結果について、

専門的知見を有する第三者により、

技術的な観点から確認及び評価を実施

 平成24年2月、北海道苫小牧市での実施を決定

苫小牧に決定した経緯

(12)

産業技術環境局 環境調和産業・技術室 03-3501-9271 事業イメージ <実証試験設備の位置関係>

二酸化炭素削減技術実証試験事業

 経済性・実現可能性の観点から、沿岸の海底下に圧入できる地点(北海道苫小牧市)を試験地に選定し、

我が国で初となる大規模CCSの実証試験を実施。

 具体的には、製油所の排出ガスから分離回収したCO

2

を年間約10万トン規模で地中へ貯留するとともに、

貯留したCO

2

のモニタリング技術等の実証を行う。

経済産業省

日本CCS調査株式会社

委託 事業実施体制 ※ 2016年度(平成28年度)4月より圧入開始 <実証事業スケジュール> 技 術 の 実 用 化 へ CO2圧入 (10万トン規模/年) 貯留モニタリング等 苫 小 牧 実 施 決 定 実 地 調 査 終 了 設備の設計・建設、 坑井の掘削、 操業の準備等 調査 建設 圧入・モニタリング

~2011fy 2012fy 2015fy 2016fy 2020fy~

(13)

苫小牧実証試験設備の全体概要

圧入

貯留

圧縮

ガス供給基地

CO2含有ガス 10万トン/年以上 ※排出源の操業状況等による 圧入井(2坑) 送出 PSA下流ガス送出 排出装置

分離・回収

《新設》

CO

2

分離・回収/圧入基地

《新設》 昇圧・分離 【貯留層】萌別層砂岩層 海底下・深度1,100~1,200m 【貯留層】滝ノ上層T1部層 海底下・深度2,400~3,000m 《新設》 送出配管

PSA(Pressure Swing Adsorption、圧力スイング吸着):

水素製造装置の生成ガスから高純度水素ガスを得る装置。 PSA装置(排出装置)からの下流ガスには高濃度CO2が含まれる。

商業運転中の製油所の水素製造装置を排出源として、CO

を分離・回収、圧入に必要な圧力

まで昇圧(最大23MPa)し、10万トン/年以上のCO

を苫小牧沖の2つの貯留層に圧入する。

・2012~2015年度は、これら地上設備の設計・建設、圧入井掘削、およびモニタリングシス

テムの構築とベースライン観測等のCO

圧入に向けた準備を行い、2016年4月より、海底

下の地層へのCO

圧入を開始した。

(設備仕様: 最大20万トン/年のCOに対応)

(14)

苫小牧実証試験 設備の位置関係

三次元弾性波探査 作業範囲

• OBC (Ocean Bottom Cable: 海底受振ケーブル) 微小振動、自然地震観測、二次元弾性波探査に使用。 • OBS (Ocean Bottom Seismometer: 海底地震計) 微小振動、自然地震観測に使用。 OBS OBS OBS OBS 滝ノ上層観測井 OB-3 (鉛直) 高感度陸上地震計 萌別層観測井OB-2 (鉛直) 圧入井 2坑 (坑口) 滝ノ上層観測井OB-1 調査井を改修(坑口) ガス供給設備 《出光興産製油所内》 CO分離・回収/圧入設備 《製油所に隣接》

© Google Image © 2013 DigitalGlobe Data SIO, NOAA, U.S. Navy, NGA, GEBCO Image © 2013 TerraMetrics

(15)

地上設備完成イメージ図

CO2分離・回収/圧入設備の鳥瞰写真図

冷却塔 純水タンク 工業用水受水槽 排水処理水槽 管理棟 蒸気タービン発電機 第1低圧CO2圧縮機 第2低圧CO2圧縮機 高圧CO2圧縮機 計装空気設備 窒素設備 圧入井 アミンタンク

高純度

CO

2

の流れ

PSAオフガスの流れ

PSAオフガス圧縮機 低圧ボイラー 高圧ボイラー 燃料油タンク 純水製造設備 CO2吸収塔 フレア・ベントスタック CO2放散塔 低圧フラッシュ塔

(16)

15

地上設備完成イメージ図

CO2分離・回収設備及び圧縮設備

CO

2

分離・

回収設備

:PSAオフガス

中のCO

2

分離回収

PSA

オフガス

圧縮設備

:PSAオフガス

(CO

2

含有ガス)

をCO

2

吸収

塔の運転圧力

(0.81MPaG)

まで昇圧

CO

2

圧縮設備

:分離回収した

CO

2

を圧入

圧力まで昇圧

分離・回収法におけるエネルギー消費量(溶液再生熱量+溶液循環動力)は、2011年

経済産業省「CCS実証試験実施に向けた専門検討会」において2.5GJ/トン-CO2以下を

目標とされており、本実証試験では1.5 GJ/トン-CO

2

以下にすることが期待される。

(17)

抗井掘削イメージ図

滝ノ上層T1部層(火山岩類) 滝ノ上層泥岩層 振老層(泥岩) 平取+軽舞層(泥岩) 荷菜層(泥岩) 萌別層(砂岩) 萌別層(泥岩) 鵡川層(礫岩、砂岩、泥岩) 第四系 貯留層 貯留層 遮蔽層 遮蔽層 ※この断面図は、滝ノ上層圧入井坑跡における断面図 萌別層観測井 m m m m

(18)

17

モニタリングシステムの概要

萌別層砂岩層 滝ノ上層T1部層 陸上設置 地震観測点 観測データ → 萌別層 圧入井 滝ノ上層 圧入井 :温度・圧力センサー :3成分地震計 :CO2流量センサー ←観測データ 観測データ → 観 測 デ ー タ 観 測 デ ー タ CO 2圧入 CO 2圧入 OBS OBS 常設型OBC 観 測 デ ー タ ←観測データ 観 測 デ ー タ OBS OBS Hi-netデータ (自然地震) ←観測データ 滝ノ上層 観測井OB-1 (調査井CCS-1を改修) 萌別層 観測井 OB-2 滝ノ上層 観測井 OB-3 圧入基地管理棟 ・二/三次元弾性波探査による CO2の拡がりの定期的確認。 ・モニタリング結果に基づき事前 のCO2挙動予測シミュレーション の再現性を評価。 ・評価結果に応じて地質モデルの 改善と予測シミュレーションの高 精度化

(19)

情報公開

苫小牧市役所及び日本CCS調

査(株)のWebsiteにて、二酸化

炭素の圧入量の実績を表示。

 http://www.jccs-tomakomai-monitoring.com/JCCS/index.php/top/

監視(モニタリング)により、圧

入地点周辺の自然地震や微小

振動を観測し結果を表示。

二酸化炭素圧入以前の観測

により、圧入に関係なく、微小

振動の発生が確認されていま

す。

(20)

CCSの社会的認知度向上のためには、PA活動が重要

 パネル展示: 札幌市、苫小牧市など北海道内で開催

 国内大学における講演会 : 東京大学、京都大学などで開催

 現場見学会 : 大学、研究会、他県県議会などを対象に開催

 イベント参加: 札幌や首都圏で開催された環境関係の展示会などに参加

 子供向け実験教室 : 苫小牧市科学センター、児童館などで開催

PA(Public Acceptance)活動

19

(21)

(平成25年度) パナソニック㈱ 山田由佳博士 講演 (平成24年度) 森田正光氏 講演 (平成25年度) 北海道大学名誉教授 池田隆司先生 講演 (平成26年度) 動物写真家 伊藤健次氏 講演

PA(Public Acceptance)活動 苫小牧講演会

(平成27年度) 海洋研究開発機構 平 朝彦氏 講演

(22)

二酸化炭素分離膜モジュール研究開発

CO2 CO2分子ゲート膜 H2 集ガス管 非透過ガス 透過ガ ス 原ガス 原ガススペーサー 原ガス 透過ガススペーサー 分子ゲート膜 (0.1~5㎛) 膜断面 高分子支持膜(30㎛) 不織布(100㎛) 分子ゲート膜 膜エレメントの構造 CO2 CO2分子ゲート膜 H2 CO2 CO2分子ゲート膜 H2 集ガス管 非透過ガス 透過ガ ス 原ガス 原ガススペーサー 原ガス 透過ガススペーサー 集ガス管 非透過ガス 透過ガ ス 原ガス 原ガススペーサー 原ガス 透過ガススペーサー 分子ゲート膜 (0.1~5㎛) 膜断面 高分子支持膜(30㎛) 不織布(100㎛) 分子ゲート膜 (0.1~5㎛) 膜断面 高分子支持膜(30㎛) 不織布(100㎛) 分子ゲート膜 膜エレメントの構造

・高圧ガスより分子量の大きな

CO

2

を選択的に回収

実機型膜モジュール

二酸化炭素固体吸収材等研究開発

坑井間弾性波トモグラフィ から検出されたCO2分布図 IW-1 OB-2 OB-3 IW-1 CO2挙動シミュレーションの結果 シミュレーション範囲 ⇒CO2長期挙動予測解析へ 圧入井 クランプで光ファイバーを ケーシングに固定 ケーシング 光ファイバー 光 フ ァ イ バ ー 1 CO2圧入 坑井へ 坑井へCO2CO2圧入圧入 ↓ ↓ 温度・圧力・ 温度・圧力・地盤変形を地盤変形を 光ファイバーにより計測 光ファイバーにより計測 圧力上昇圧力上昇 遮蔽層 貯留層

モニタリング技術研究開発

CCS技術開発

21

(23)

実際のCO2分離回収設備導入・拡大に至るには低コスト化が大きな課題。分離回収設

備の設置・稼働はコストを大きく押し上げるとともに、設備稼働に伴う電力消費によ

り、全体の発電効率が大幅に低下する。

この点、石炭火力の分野を中心にCO2の分離回収に係る技術開発が進められており、

今後、次世代技術が実用化していくことで、2020年~2030年頃にかけて大幅なコス

ト低減の可能性。

化学吸収法

約4200円/t-CO2

2030年頃

現在

2000円台/t-CO2

1000円台/t-CO2

2020年頃

物理吸収法

固体吸収材

膜分離法

※ 上図中の試算は様々な仮定を基に行われており、将来の分離回収コストを予断するものでは無い

約3000円台/t-CO2

酸素燃焼法

次世代技術によるCO2回収コスト低減の見通し

出典:「次世代火力発電に係る技術ロードマップ 技術参考資料集」 に基づいて作成

(24)

2030年頃

現在

2020年頃

CO2分離・回収コスト 膜分離法 CO2 が選択的に透過する膜 を用いて分離する方法 分離回収コスト:1000円台/t-CO2 1000円台 2000円台 3000円台 4000円台 アミン等の溶剤を用いて化学的に CO2 を吸収液に吸収させ分離する方法 分離回収コスト:4200円台/t-CO2 化学吸収法 物理吸収法 高圧下でCO2 を物理吸収液に 吸収させて分離する方法 分離回収コスト: 2000円台/t-CO2 酸素燃焼法 高濃度の酸素をボイラーで再循環 させることで、排ガスのCO2濃度 を高くする方法 分離回収コスト: 3000円台/t-CO2 CO2貯留 分離回収したCO2を地中に貯留する技術。 2020年頃のCCS技術の実用化を目指し、研究 開発・実証試験を実施中。 2012年より苫小牧において、年間約10万トン規模 のCO2を分離回収・貯留する実証事業を開始。現在 プラント建設中、2016年より貯留開始予定。 CO2利用 回収したCO2を利用し、石油代替燃料や化学原料 などの有価物を生産する技術。 微細藻由来バイオ燃料や人工光合成、環境配慮 型コンクリート等の技術を開発中。 固体吸収材 アミン等を溶媒では無く固体と組み合 わせることで、必要エネルギーを低減 させ分離する方法 分離回収コスト: 2000円台/t-CO2

2030年頃までに技術確立が見込まれるCO2回収技術

出典:「次世代火力発電に係る技術ロードマップ 技術参考資料集」 に基づいて作成 23

(25)

二酸化炭素回収・貯蔵安全性評価技術開発

● CCSの実用化に向け、CCSの安全な実施に必要な基盤技術として、地下深部

に圧入されたCO2の挙動解析やCO2貯留時の挙動モニタリング技術の開発。

● CO2長期挙動予測シミュレーション技術、光ファイバーを使用したモニタリング

技術など、現在主流の弾性波探査を補完する低コストで高精度のモニタリング

技術を開発。

● 本事業で確立した技術は、苫小牧で実施している実証事業で活用し、その有

用性を確認。

事業イメージ

地中埋設型光ファイバーモニタリングシステムの開発等 光ファイバー 光 フ ァ イ バ ー CO2圧入 坑井へ 坑井へCO2CO2圧入圧入 ↓ ↓ 温度・圧力・ 温度・圧力・地盤変形を地盤変形を 光ファイバーにより計測 光ファイバーにより計測 圧力上昇圧力上昇 遮蔽層 24

(26)

 2014年度(平成26年度)より、環境省との共同事業として二酸化炭素貯留ポテンシャル調査事業

を開始。

 2021年(平成33年)頃までに、CO

2

を貯留可能な地点を3ヶ所程度選定することを目指す。

二酸化炭素貯留ポテンシャル調査事業

貯留地の選定

(3地点程度)

2D弾性波探査 及び データ解析

15地点程度

3D弾性波探査 及び データ解析

9地点程度

調査井掘削、貯留層総合評価

5地点程度

<調査井掘削>

南北断面 東西断面位置 N S 0 2.0 1.0 3.0 T w o -w a y T im e ( se c ) 0.5 1.5 2.5 3.5 0 2.0 1.0 3.0 T w o -w a y T im e (s e c ) 0.5 1.5 2.5 3.5 萌別層砂岩層 (貯留対象層) 萌別層泥岩層 萌別層 振老層 平取+軽舞層 荷菜層 鵡川層 第四系 滝ノ上層 滝ノ上層T1部層 (貯留対象層) 1 Km By Google 2km 南 北 断面位 置 坑井A 貯留対象層 遮蔽層 <2D弾性波探査データ> <3D弾性波探査データ>

年度

2014

2015

2016

2017

2018

2019

2020

2021

エアガン発振で生じた水泡

25

(27)

 CO2の分離・回収、輸送、地下貯留、地下モニタリング等の技術分野に関する協力

を実施。

 協力活動として、研究成果の共有、実験材料・装置等の交換、ワークショップの開催、

両国専門家のプロジェクトへの相互派遣等を実施。

 「安全性評価手法」に係る共同研究等を実施予定。詳細は今後、実務者間で協議。

• 地下のCO2挙動シミュレーション技術の高度化

• リスク評価手法の改良 等

 昨年4月の安倍総理訪米にあわせ、経済産業省(石黒経済産業審議官)と米国エネ

ルギー省(ランデル副長官)との間で、「二酸化炭素回収・貯留分野に係る協力文書

(MOC)」に署名。

<MOC概要>

<具体的協力内容>

米国とのCCS協力

(28)

2.環境省のCCS政策について

(29)

背景・目的

事業概要

事業スキーム

(1)委託対象:民間団体等 実施期間:8年間(H26~33) (2)委託対象:民間団体等 実施期間:7年間(H26~32)  二酸化炭素排出量を大幅に削減し、低炭素社会を実現するためには、 石炭火力発電所等への二酸化炭素回収・貯留(CCS)導入が求めら れる。  CCSの円滑な導入のためには、環境の保全や地元理解等に配慮し つつ、調査・検討を進める必要がある。 (1)二酸化炭素貯留適地調査事業 2,400百万円) 【経済産業省連携事業】 我が国周辺水域で、海底下地質の広域調査に加えて、範囲を絞った詳 細調査を実施し、貯留性能、遮蔽性能、地質構造の安定性、海洋環境保 全等の観点から、二酸化炭素の海底下貯留に適した地点の抽出を進め る。

期待される効果

平成25年度予算 ○○百万円

CCSによるカーボンマイナス社会推進事業(一部経済産業省連携事業

事業目的・概要等

イメージ

<年次計画> H26~28:広域調査 H27~30:詳細調査 H30~33:ボーリング調査 総合評価 H26~27:技術検討 H28~32:二酸化炭素分離回収 に係る技術実証、 制度検討等 二酸化炭素の貯留に 適した地層の調査 有害化学物質の放出を抑制可能な 二酸化炭素分離回収設備 (2)環境配慮型CCS実証事業(3,600百万円) H27年度までの成果を活用して、環境配慮型の二酸化炭素分離回収 設備を建設し、石炭火力発電排ガスから二酸化炭素の大半を分離回収 する場合のコスト、発電効率の低下、環境影響等の評価を行う。 また、海底下でのハイドレート形成による二酸化炭素漏洩抑制、漏洩時 の海底下貯留サイトの修復等、海底下に二酸化炭素を安定的に貯留す るに当たって重要となる事項について、課題抽出、対策検討・整理を行う。 さらに、制度・施策検討等を通して、我が国に適したCCSの円滑な導入 手法を取りまとめる。 2021年までに二酸化炭素貯留適地を3ヶ所程度選定する。 また、2020年までの技術の実用化を目指し、石炭火力発電における 二酸化炭素分離回収に伴うコスト、発電効率の低下、環境影響等に 関する知見を得る。 平成28年度予算 6,000百万円(2,500百万円)

遮蔽層

(泥岩など)

貯留層

(砂岩など)

(30)
(31)

低炭素社会の構築に向けたCCS国際シンポジウム

内容

講演者

開会挨拶

梶原 成元

(環境省 地球環境局)

基調講演

①日本の気候変動政策

関谷 毅史

(環境省 地球環境局 総務課低炭素社会推進室)

② 米 国 に お け る 化 石 燃 料 発 電 所 か ら の

炭素排出制限

Dr. Nick Hutson

(米国環境保護庁)

③世界のCCSの動向とCOP21

Ms. Clare Penrose

(グローバルCCSインスティテュート)

講演

①海域CO2輸送・貯留のための

政策イノベーション

Dr. Ward Goldthorpe

(The Crown Estate)

②海域CCSの環境影響評価技術

佐藤 徹

(東京大学)

③コミュニティとのコミュニケーション

– 世界の経験から学ぶことは何か

Ms. Jessica Morton

(グローバルCCSインスティテュート)

④科学技術についてのリスクコミュニケーション

土田 昭司

(関西大学)

パネルディスカッション

「CCSの導入に向けた障壁の解消」

モデレータ:平井 秀一郎

(東京工業大学)

パネラー:関谷 毅史

(環境省)

土田 昭司

(関西大学)

Dr. Nick Hutson

(米国環境保護庁)

Mr. Ian Havercroft

(グローバルCCSインスティテュート)

Ms. Jessica Morton

(グローバルCCSインスティテュート)

(敬称略)

日時:2016年1月26日(火) 10:00~17:00

(32)

パネルディスカッション「CCSの導入に向けた障壁の解消」

 GCCSIのMr. Ian Havercroftより、CCS導入に関する法制度面の課題が共有された。

 CCS導入のための課題解決の方策について、以下の議論が行われた。

• CCS導入の障壁

• 現状では民間企業がCCSを実施するインセンティブがなく、

政策面での支援

が必要。

• 太陽光や原子力と比較して、CCSに対する理解が政策担当者の中でも十分ではない。

• 日本のCO2削減目標において、CCSは具体的なオプションとして想定されていない。

• 今後取るべき方策

• 気候変動対策は将来に対する投資であり、中でも

CCSはコスト効率の高いCO2削減技術である

という点を、政策担当者や国民に広く理解してもらうことが重要

• CCSの推進を個々のプロジェクトに任せるのではなく、

複数の国が連携・協力

し、

社会インフラとしてCCSを実装するための取り組みを進めていくことが必要。

• CCSに

日本企業が参画できるような政策・制度

面の環境整備を行うことが求められる。

参照

関連したドキュメント

(出典)5G AMERICAS WHITE PAPER「TRANSITION TOWARD OPEN & INTEROPERABLE NETWORKS NOV 2020」、各種報道情報 14..

前項においては、最高裁平成17年6月9日決定の概要と意義を述べてき

■詳細については、『環境物品等 の調達に関する基本方針(平成 31年2月)』(P95~96)を参照する こと。

■詳細については、『環境物品等 の調達に関する基本方針(平成 27年2月)』(P90~91)を参照する こと。

笹川平和財団・海洋政策研究所では、持続可能な社会の実現に向けて必要な海洋政策に関する研究と して、2019 年度より

■詳細については、『環境物品等 の調達に関する基本方針(平成 30年2月)』(P93~94)を参照する こと。

第16回(2月17日 横浜)

平成 28 年度については、介助の必要な入居者 3 名が亡くなりました。三人について