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目次 Ⅰ. 平成 27 年度新宿駅周辺防災対策協議会図上演習訓練 1. 目的 日時 場所 訓練想定... 2 (1) 地震の想定... 2 (2) 地震発生時の被害想定... 2 (3) 建物の状況 訓練方針 訓練手法.

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(1)

平成27年度

新宿駅周辺防災対策協議会

東口地域地震防災訓練

報告書

平成

28 年 3 月

特定非営利活動法人

危機管理対策機構

CMPO)

(2)

1

Ⅰ. 平成27年度新宿駅周辺防災対策協議会 図上演習訓練

1.目的 ... 2 2.日時 ... 2 3.場所 ... 2 4.訓練想定 ... 2 (1) 地震の想定 ... 2 (2) 地震発生時の被害想定 ... 2 (3) 建物の状況 ... 2 5.訓練方針 ... 3 6.訓練手法 ... 3 7.スケジュール ... 3 8.参加者・当日のレイアウト図 ... 3 9.大規模地震発生直後における施設管理者等による建物の緊急点検に係る指針(内閣府)について 4 10.図上訓練内容 ... 5 (1) 建物応急使用可否判定結果(3 つパターン) ... 6 (2) 各班の検討結果 ... 7 11.訓練のまとめ ... 10

Ⅱ. 平成27年度新宿駅周辺防災対策協議会 実動訓練概要

1.目的 ... 11 2.日時 ... 11 3.場所 ... 11 4.訓練想定 ... 11 5.訓練内容 ... 11 (1) 建物簡易判定訓練 ... 12 (2) 東口現地本部情報共有訓練 ... 13 (3) 負傷者対応訓練 ... 17 6.まとめ ... 24

Ⅲ. 平成 27 年度新宿駅周辺防災対策協議会 東口訓練検証会

1.日時 ... 26 2.場所 ... 26 3.プログラム ... 26 (1) 開会あいさつ ... 27 (2) 新宿駅周辺防災対策協議会東口訓練報告・意見交換 ... 27 ① 図上演習訓練について ... 27 ② 建物簡易判定訓練・東口現地本部情報共有訓練について ... 28 ③ 負傷者対応訓練について ... 28 (3) 新宿区役所本庁舎免震改修工事完了に伴う報告 ... 29 (4) 閉会あいさつ ... 29

目次

(3)

2 1.目的 大規模店舗、中小商店、飲食店、駅等のそれぞれの立場で一連の初動対応をする中で共通する「来 店しているお客様をどうするか?」という視点にフォーカスする。お客様を留める、むやみに出さな いために「大規模地震発生直後における施設管理者等による建物の緊急点検に係る指針」(内閣府) のチェックリストを用いて、建物の安全性を早期確認する。そして、「安全」・「危険」の被害状況の 違いに応じたお客様への対処方法、手順を確認するとともに、お客様に対してどのような情報を提供 する必要があるか、また、そのために現地本部でどのような情報共有をすることが有効かを確認する。 2.日時 平成27 年 10 月 29 日(木) 13 時 15 分~16 時 3.場所 新宿区役所本庁舎5 階大会議室(新宿区歌舞伎町 1 丁目 4 番 1 号) 4.訓練想定 (1)地震の想定 ・日時:平成27 年 10 月 29 日(木) 13 時発災 ・震源地:緯度35 度 38 分 経度139 度 26 分(東京湾北部、区部直下) ・震源の深さ:21Km ・マグニチュード:7.3 ・震度:6 強■ 新宿/渋谷区/中野区/豊島区/文京区 千代田区/港区 (2)地震発生時の被害想定 【新宿区の被害想定】 (東京都の被害想定(H24.4.18)を参考に作成) ・規 模:東京湾北部地震 M7.3 ・時期及び時刻: 秋の昼間 ・風 速: 8m/秒 ・新宿区: ■死 者:293 人 ■重傷者:887 人 ■軽傷者:5,905 人 新宿駅周辺滞留者数:36 万 5575 人 (3)建物の状況 ・停電に見舞われている。 ・ガスの供給が停止している。 ・断水している。 ・停電により、固定電話はかかりません。携帯電話は混線しており、時々、かかる。

Ⅰ.

平成27年度新宿駅周辺防災対策協議会

図上演習訓練

(4)

3 状況シナリオ 意思決定 プレーヤー ファシリテータ 状況付与 状況付与 状況付与 対応記入票 対応記入票 対応記入票 前提 設定 ・負傷者確認中 ・お客様の状況確認中 ・自社の建物には、チェックリストに基づき確認する。 5.訓練方針 【図上演習訓練】 ファシリテータより、訓練想定に基づき被害状況を付与する。どのように建物の安全性を早期確認 するか、東口エリアに来店している多くのお客様にどのように対処したらよいか、より現実に近い形 での図上演習訓練によりイメージする。 6.訓練手法:テーブルトップエクササイズ テーブルトップエクササイズは、シミュレーシ ョンを取り入れるが、比較的ストレスが少ない環 境の中で実施する手法。基本的にはワークショッ プ形式やブレーンストーミングなどで問題を洗 い出すのが目的である。 7.スケジュール 13 時 15 分~13 時 30 分 オリエンテーション 13 時 30 分~14 時 10 分 平日 13 時発災 図上演習開始 チェックリストに基づき建物の緊急点検 14 時 10 分~14 時 40 分 課題整理 14 時 40 分~15 時 00 分 反省会 15 時 10 分~15 時 50 分 訓練説明会、質疑応答 15 時 50 分~16 時 00 分 新宿区役所第一分庁舎 1 階のボード等が保管してある倉庫等の確認 8.参加者・当日のレイアウト図 新宿大通商店街振興組合 新宿東口商店街振興組合 新宿駅前商店街振興組合 歌舞伎町商店街振興組合 株式会社三越伊勢丹ホールディングス 株式会社ルミネ 新宿サブナード株式会社 東日本旅客鉄道株式会社 西武鉄道株式会社 東京電力株式会社 環境省自然環境局新宿御苑管理事務所 歌舞伎町タウン・マネージメント 株式会社スタジオアルタ 株式会社ユニカ 株式会社ハイジア 大久保病院 日本赤十字社

(5)

4 9. 大規模地震発生直後における施設管理者等による建物の緊急点検に係る指針(内閣府)について (1)指針のポイント ・首都直下地震や南海トラフ地震等の大規模地震が発生した際には、建物の所有者等は、早急に建物 の安全を確認し、建物内での待機・建物からの退避を判断する必要がある。 ・都市部では、多数の帰宅困難者が発生し、一時滞在施設へ受け入れる状況が想定される。 ・ただし、応急危険度判定士等の専門家がすぐに点検できないケースが想定される。 ・このため、建物の管理者等の建築に関する専門知識を有さない者が、緊急・応急的に建物の安全確 認を行う際の具体的な方法等についてとりまとめたものが本指針である。 ・本指針の活用が想定される施設 企業等の施設(従業員等の施設内への待機) 一時滞在施設 大規模な集客施設や駅等(利用者の保護等)

(6)

5 (2)鉄筋及び鉄骨鉄筋コンクリート造用チェックシートの例(低層・ラーメン構造) 10. 図上訓練内容 スクリーンに地震の概要及び3 つのパターンに整理した建物被害(写真による模擬情報)を表示、「大 規模地震発生直後における施設管理者等による建物の緊急点検に係る指針」(内閣府)のチェックリス トを用いて、建物が安全であるか、危険なのかを判定した。 建物の判定に続いて、想定の地震に基づき、状況設定等を行い、その状況下において具体的な対応策・ 必要となる情報・課題をワークショップ形式で洗い出し、整理した。 模擬建物の被害を チェックリストに基づき 確認した写真 判定【安全】【危険】

(7)

6 (1)建物応急使用可否判定結果(3 つパターン) A ビル 規模:地上 7 階建 構造:鉄骨造コンクリート造 竣工: 2014 年 4 月 30 日 耐震: 新耐震基準 A ビルの簡易判定結果⇒「安全」 <「安全」と判定した要素> 避難建物全体、又は一部が崩壊し ていない。1層、又は2層以上の 階層がつぶれていない。 B ビル 規模 :地上 10 階地下 2 階 構造 :鉄骨鉄筋コンクリート 竣工 : 1974 年 9 月 耐震 :耐震補強工事済 B ビルの簡易判定結果⇒「危険」 <「危険」と判定した要素> 柱は鉄筋が曲がり内部コンクリ ートも崩れ落ちている 床に穴が開いている C ビル 規模:地上 9 階 地下 2 階 構造:鉄骨鉄筋コンクリート 竣工:1961 年 12 月 耐震:旧耐震基準 C ビルの簡易判定結果⇒「危険」 <「危険」と判定した要素> 床に置いたゴルフボールが転が る

(8)

7 (2)各班の検討結果 ①新宿御苑 状況設定 想定 対応策 必要な情報 課題 外周林の倒 木・折れ枝 来場者数 5,000 人 安全確保 交通機関の 運行状況 建物の判断に迷いが生じるようなら、一時滞在 施設への誘導がベターではないか。 床のチエック項目が欲しい。 日本庭園の 灯篭が倒れ る 避難者受入 10,000 人 留める (芝生広場 へ) 一時滞在施 設の開設状 況 火災に対するチエックがほしい。全体の何%は わかりづらい。 外国人への情報提供 断水(トイ レ使用不 可) 食糧なし 苑内のお客 様を安全な 場に移動す る 建物自体の基準も必要だが、お客様がいた場合 はもっとシビアになる(建物の見た目など) 情報共有のタイミング(無線の活用、情報統括) お客様の誘導と建物確認を同時進行する必要 がある。 停電 全避難門を 開放 ガス漏れの確認がない(台所、調理場)有毒ガ スの発生? 休憩所の安 全確認 新宿御苑内 に災害対策 本部立ち上 げ 苑内だとしたら雨天時の対応(テントなどはな いため)夜間の電気設備もない。 ②鉄道、ライフライン、警察 状況設定 想定 対応策 必要な情報 課題 駅ビルの内 外装の剥離 等はある が、構造体 は大丈夫 お客様 約 3,000 名 駅構内被害 状況確認の 為、一旦、 外に誘導す る 鉄道各社の 運行状況 壁の崩落、天井の落下があった場合は危険と判 断する。 駅構内の落 下物による 飛散あり 駅係員数 約 130 名 駅間停車中 の電車内の お客様の救 済 避難場所や 受入個所ま でのルート 情報 建物付近はガラス等が落ちてくる危険がある ため、公園等の広い場所へ誘導する。 駅構内は停 電中 駅構内一時 滞在場所へ の誘導 運転再開見 込み情報 お客様の安全を最優先とするので、100%安全 が保障されなければ滞在させることはできな い。 建物チエッ クに時間を 要する ホーム上へ の進入禁止 措置 死傷者の搬 送先情報 構造体の基礎が大丈夫でも内装物の落下等、危 険な状態が多いのが駅構内の状況である。お客 様の安全を考えると、駅外へ誘導する。 全列車運転 見合わせ中 停電中でどれだけの情報が得られるか(情報ボ ードの活用)

(9)

8 ③医療機関、アルタ他 状況設定 想定 対応策 必要な情報 課題 大久保病院 ~花道通り ~区役所通 り~現地対 策本部まで 大きな道路 被害なし 大きな建物 被害なし ハイジア、 大久保病院 1,000 人 ハイジア、 病院 ガラス面多 く、構造は OK ↓ 1 階、吹き 抜け=危 険? ハイジア、 病院 ハイジア前 に救護所設 置 新宿東口エリアにて、負傷者の搬送先がわかり づらい↓ 代々木、JR 病院が近いが渋谷区である↓ 大久保、救護所までいけるか?いかれない? 大久保地区の在留外国人は? 新宿全体の人の動きが見えない。 避難所がわからない 建物チェッ クリストに 基づき確認 中 歌舞伎町(ヨ シモト本社) 300 人 ヨシモト(小学 校) 戦前の建 物、耐震済 み、構造は OK ガラスは× 大久保小学 校に救護所 チエックシートについては、難しいと思った が、できるところから始めて行かざるを得ない とも感じた。 救護所の場所や数が少ないのでは。 停電・断水 重傷者なし 軽傷者 2 名 アルタ 500 人 アルタ 耐震済み、 構造は OK ビジョン軽 量 ①大きなひび割れの判断が難しい ②柱の損傷(表面のハガレ等)の判定 ③看板、機器の傾斜をどのように考えるか 負傷者の行き場が少ない。 救護所が少ない。 自社で火災 発生なし 大きな建物 被害なし ユニカ 300 人 ユニカ 2010 年建築 耐震 OK ④大型商業施設 状況設定 想定 対応策 必要な情報 課題 火災なし 5,000 人 (内、外国 人 1,000 人) 建物安全確 認 負傷者状況 建物の安全性 顧客誘導→帰宅、入館、在館 けが人対応(搬送、応急処置) ライフライ ン停止 従業員 7,000 人 閉店判断 館内状況 外国人の扱い 負傷者管理 建物の継続使用可否 天候 在館希望者 の確認 避難場所ま での道路状 況 道路、鉄道状況のお客様への伝達方法 ・建物判断の難しさ、建物知識なし ・百貨店-お客様、従業員人数多い ・必要な情報が不明 鉄道の運行 状況 建物安全確認の素人判断の難しさ 行政の対応 外国人対応 建物の安全性と事業継続は別問題だと思う。 昔、話題になった CS 値は無関係ですか?

(10)

9 ⑤商店街-1 状況設定 想定 対応策 必要な情報 課題 事務所内 のキャビ ネットな ど倒壊 食器が散 乱 顧客数 約 1,000 人 余震のおそ れあり 館外に避難 道路、周辺 建物の状況 店外の道路状況(危険個所) 火災発生状況 交通状況 ↓ 一時避難場所までのルート(ビルの責任者がつ かむ) 前もってのカルテの必要性。病気で言えば、治 療の予防か。 災害がおこった時の行動も重要だが、被害をよ り軽くする対策も有効だと信じて取り組む。 必要な情報 鉄道運行×と同じようにダメな ものの情報。電話、食べ物。 隣接して いるビル から火災 発生 停電した 従業員 約 250 人 火災の有無 倒壊してい る建物 外国人の扱い 負傷者管理 どういう被害が致命的でどういう被害がそう でないのか、判断することが難しい。 水道が止 まってい る 給水管破 裂、スプリ ンクラー 破裂、水浸 し 交通機関の 状況 安全か危険かは、誰の感覚を基準にするかで大 きく変わってしまうこと 情報の共有手段 建物チエックはお客様の安全を第一に考える という前提であれば退出。 しかしながら、外の状況がわからないし、どち らが安全かという判断が出来ない。内と外の状 況確認が重要。状況確認方法。 一部外壁 が落ちて いる 安全な避難 ルート 商店街-2 状況付与 想定 対応策 必要な情報 課題 建物チェッ クリストに 基づき確認 中 事務局 2 人 自分の建物 を確認。外 の安全を確 認し、人を 外へ避難さ せる 鉄道等、公 共機関の運 行状況 建物の安全確認の判断が難しい。 ① チェックリストの「○」と「×」を入れ替 えたらどうか。 大きな建物 被害なし セントラル ホテル東京 80 人 建物の安全 確認 正確な情報の取得方法 ②「床」を柱の項目(3 ページの⑤に入れた方 が良い。 建物周りの 道路被害な し、火災な し、重傷書 なし 車屋 50 人 建物のまわ りを確認 チェックリスト ○:はい/×:いいえ ○をつけるだけにして欲しい。 「○の時」 建物が安全なら、人の安全が確保できるのか? 大きな建物 被害なし 停電、断水 ドアを開け る 火の元のス イッチを切 る チエック機能 行動方法などをシンプルにまとめた 1 枚紙で 示して欲しい。 「×の時」 どう行動するのか、明確にして欲しい。

(11)

10 11.訓練のまとめ 細坪 信二/特定非営利活動法人危機管理対策機構 理事・事務局長 発災後、施設管理者が独自で建物の安全性を早期確認し、 滞留者の受け入れ可否を判断するということは、非常に難し い判断が伴います。また、受け入れた滞留者に対して事業者 として支援が出来ることと、出来ないことを明確にし、お互 いが確認し合うことが重要です。できるだけ事業所内に一時 的に滞留者を受け入れることができればという考え方がある ものの、現実に受け入れるとなるとギャップが存在します。 一方、行政機関の支援施設、一時滞在施設等の受入施設を増やしても、オーバーフローしてしまうと いうことが新宿の現実だと思われます。今後は、その現実を踏まえて新宿としてどうしていくか考えて いかなければなりません。 発災後だけでなく、翌日も負傷者が発生している中で、当日受け入れた滞留者の方々や、翌日以降の 滞留者の食事・トイレ問題といった様々なニーズが出てくる中、明らかに必要とするものが不足する状 況下でどのように新宿の治安を維持し、地域を安全に守っていくのかは、地元の皆様の仕事ではないか と思います。 今回、6 万人の滞留者という想定で訓練をしましたが、あくまでも訓練上で把握した人数が 6 万人だ ったという前提です。現在の被害想定では、30 万人の規模が滞留者として想定されている状況下では、 どのように負傷者対応をしながら、翌日まで滞留していただくかという問題を考えて行かなくてはなり ません。また、ここに居る皆様が全体の滞留者に対して知り得た情報を提供することにマンパワーの限 界が出てきますので、他の方々に協力を得る「アクションカード」の発想が新宿の大きな力にはなるの ではないかと思われます。 また、現地本部の機能が非常に重要な位置付であると思われますので、“現地本部に行ったら誰もい なかったので帰った”、または、“区の職員が来るのを待っている”というようにならないよう、駆け つけた人で力を合わせて現地本部での情報共有、情報の提供を進めて行くことが出来ればと思います。

(12)

11 1.目的 大規模店舗、中小商店、飲食店、駅等のそれぞれの立場で一連の初動対応をする中で共通する「来 店しているお客様をどうするか?」という視点にフォーカスする。お客様を留める、むやみに出さな いために「大規模地震発生直後における施設管理者等による建物の緊急点検に係る指針」(内閣府)の チェックリストを用いて、建物の安全性を早期確認する。そして、「安全」・「危険」の被害状況の違 いに応じたお客様への対処方法、手順を確認するとともに、お客様に対してどのような情報を提供す る必要があるか、また、そのために現地本部でどのような情報共有をすることが有効かを確認する。 2.日時:平成27 年 11 月 5 日(木) 13 時~16 時 3.場所: (1)新宿区役所第一分庁舎 1 階(新宿区歌舞伎町 1 丁目 5 番 1 号)に次のスペースを用意する。 ①東口現地本部 ②各事業所と仮想した場所(傷病者の選別等) (2)ハイジア 1 階(新宿区歌舞伎町 2 丁目 44 番 1 号)に次のスペースを用意する。 ①応急救護所(トリアージポスト)、応急手当所(軽傷者のみ) ②医療機関(重傷者のみ):大久保病院(新宿区歌舞伎町2 丁目 44 番 1 号)であると仮想したスペ ース 4.訓練想定 ・日時:平成27 年 11 月 5 日(木) 13 時発災 ・震度:都内で震度6 強以上の地震が発生 ・規模:M7.3 ・震源地:東京湾北部 (平成24年4月「首都直下地震等による東京の被害想定報告書」より) 5.訓練内容 (1) 建物簡易判定訓練(事前に自組織で実施)【詳細は P.12 を参照】 (2) 東口現地本部情報共有訓練(訓練会場で実施)【詳細は P.13~を参照】 (3) 負傷者対応訓練(訓練会場で実施)【詳細は P.17~を参照】

Ⅱ.

平成27年度新宿駅周辺防災対策協議会

実動訓練概要

(13)

12 1.訓練日程:平成 27 年 11 月 5 日(木) 2.訓練場所:事前に自組織にて実施 3.訓練内容:10 月 29 日の訓練説明会で配布した状況シナリオに基づき、事前に自組織の「建物応 急使用可否判定」を実施した。 ↓ ★【安全】お客様を留める または、★【危険】お客様を避難誘導 建物管理者等が、チェックシートを用いて点検を行った。

(1)平成27年度新宿駅周辺防災対策協議会

実動訓練概要【建物簡易判定訓練】

○建物が安全と判断 ・滞在者の建物内での待機 ・帰宅困難者等の受け入れ ↓

お客様を留める

○建物が危険と判断 ・滞在者の建物内からの退避 ・帰宅困難者等の受け入れ断念 ↓

お客様を避難誘導

(14)

13 1.訓練時間:平成 27 年 11 月 5 日(木) 13 時発災後 2.訓練場所:新宿区役所第一分庁舎 1 階(新宿区歌舞伎町 1 丁目 5 番 1 号) 3.訓練内容:現地本部が立ち上がり 72 時間経過したという前提で、協議会メンバーが現地本部へ 情報を持ち寄り、必要事項をルールに基づいてボードに記載、必要な情報をシートに 書き写して持ち帰るという、情報共有・情報伝達の一連の流れの確認を全員が行った。 4. 東口現地本部:最初に参集した構成員の手順と、倉庫の位置

(2)平成27年度新宿駅周辺防災対策協議会

実動訓練概要【東口現地本部情報共有訓練】

(15)

14 5.「現地本部」新宿区役所第一分庁舎 1 階のレイアウト 6.訓練の流れ (1) 協議会メンバーが現地本部へ情報を持ち寄り、必要事項をルールに基づいてボードに記載。 駅混乱防止共有ボードに記入 人命安全共有ボートに記入 駅混乱防止報告ボードに報告シートを貼る 人命安全休養ボードに貼る

(16)

15 (2)ボードに記載後、協議会メンバーは、報告シートをもとに、「新宿駅周辺地図」に、次の印のルー ルに基づいて記入。

内容 報告シート ● (ピンク色シール) 火災 5.火災の状況 ● (赤色シール) 重傷者 6.重傷者の状況(重傷者) ● (青色シール) 生き埋め(救出必要) 6.重傷者の状況(生埋者) (赤色マーカー) 鉄道不通区間 1.鉄道の状況 (赤色マーカー) 鉄道被害個所(脱線等) 1.鉄道の状況 (黒色マーカー) 道路交通規制路線 2.誘導先までの道路の状況 (黒色マーカー) 道路通行不可(陥没、段差、亀裂等) 2.誘導先までの道路の状況 (青色マーカー) 誘導先までのルート通行可 2.誘導先までの道路の状況 印のルール

×

×

(3) 情報を共有し、必要な情報をシートに書き写す。もしくは写メールで撮影して持ち帰る。 情報を共有する 情報を共有する 情報を持ち帰る(携帯電話で撮影) 情報を持ち帰る(情報シート)

(17)

16 (4) その他情報伝達に関する訓練 新宿駅東口駅前のアルタビジョン、フラッグスビジョンを活用して、帰宅困難者に向けた情報発信 の放映訓練を実施した。 東口地域地震防災訓練のお知らせの放映① 東口地域地震防災訓練のお知らせの放映② 災害医療支援(優先順位づけ)についての情報提供 災害医療支援(搬送)ついての情報提供 医師によるトリアージについての情報提供

(18)

17 1.訓練時間:平成 27 年 11 月 5 日(木) 13 時発災後 2.訓練場所:新宿区役所第一分庁舎 1 階(新宿区歌舞伎町 1 丁目 5 番 1 号) ・各事業所と仮想した場所(傷病者の選別等) ハイジア 1 階(新宿区歌舞伎町 2 丁目 44 番 1 号) ・応急救護所(トリアージポスト)、応急手当所(軽傷者のみ) ・大久保病院(新宿区歌舞伎町 2 丁目 44 番 1 号)であると仮想したスペース 3.訓練内容: (1)各事業所(新宿区役所第一分庁舎1階に各事業所と仮想した場所を用意) ↓★アクションカードを用いて傷病者の選別・応急救護等への協力 ↓★車付き担架・ブルーシートで「赤」重傷者のみを応急救護所(ハイジア 1 階ホール)まで搬送 ↓※事前のブルーシートのレクチャーに基づく (2)応急救護所(ハイジア) ↓◆ハイジアで、トリアージポスト、応急救護所設置 ↓◆傷病者の到着後、医師会によるトリアージ 「赤」は大久保病院へ ↓★アクションカードを用いて災害医療(医師会)への協力 (3)医療機関(ハイジア 1 階に大久保病院と仮想したスペースを用意) ↓●大久保病院で「赤」重傷者に対する医療処置 ↓★アクションカードを用いて災害医療(大久保病院)への協力 4.搬送ルートと、現地本部「負傷者対応訓練」のレイアウト

(3)平成27年度新宿駅周辺防災対策協議会

実動訓練概要【負傷者対応訓練】

※重傷者のみを大久保病院に搬送するルールのため、傷病者の選別をして各事業所の現場レベルで 傷病者の搬送優先順位付けをする必要がある。 ※★、◆、●マークは、次のとおり、訓練実施主体を表す。 ★協議会メンバー ◆医師会の医師 ●大久保病院の医師、看護師 【区役所第一分庁舎からハイジアへ搬送】 【区役所第一分庁舎 1階】

(19)

18 5.訓練の流れ (1)「模擬負傷者メイクアップ準備」(※P.23 負傷者一覧参照) 新宿区役所第一分庁舎にて、模擬負傷者に対してメイクアップを施し、けがの状態と演技内容につ いて指導を実施。 (2)「搬送優先順位付け」(重症者を見つけるための傷病者の選別) それぞれの組織内で複数の傷病者が発生したことを想定して、新宿区役所第一分庁舎1階ロビーを 各事業所の災害現場に見立て、アクションカードを用いて応急救護所・病院に運ぶべき傷病者の確 認を行った。 傷病者多数発生 傷病者の選別 傷病者の選別

(20)

19 (3)ブルーシート、及び担架についての搬送方法を指導 大規模災害や危険が切迫し一刻の猶予も許されない状況の中で、安全に傷病者を医療機関へ搬送す るためのブルーシート等を活用した搬送方法を学んだ。 ブルーシートによる搬送方法の指導 続いて、担架による搬送方法についても学んだ。 担架による搬送方法の指導 (4)ブルーシート、担架、車付き担架で重傷者「赤」のみを新宿区役所第一分庁舎ロビーから、応 急救護所(ハイジア 1 階ホール)まで搬送した。 ブルーシートによる搬送

(21)

20 担架による搬送 車付き担架による搬送 傷病者が応急救護所に到着 (5)応急救護所にて医師会の先生によるトリアージを実施後、重症者のみ大久保病院へ搬送。 医師会の先生によるトリアージ

(22)

21

大久保病院へ搬送

大久保病院の医師、看護師による診断・処置

(23)

22 (6)軽症者に対しては、ハイジア1階の応急手当所で、日本赤十字社の指導により必要な応急手当 ての訓練を行った。 日本赤十字社の指導 日本赤十字社の指導 続いて、参加者は日本赤十字社の指導に基づき、アクションカードを用いて応急手当てを実施した。 参加者による応急手当の実施

(24)

23 ※負傷者一覧 No 分類 外傷 歩行 呼吸 状況 1 黒 1 左側頭部挫創あ り 不可 なし 左耳から出血、顔面蒼白、四肢末端冷感あり 2 赤 1 腸出出血あり 不可 9 腹部を損傷し、内臓が飛び出しています。歩くことが できず、痛みと恐怖で声も出ない。周りの人が大声で 声をかけると、目をあける。顔色が悪く腹部を抑えて いる。何か聞かれても答えず「うっ、うっ、」と苦し そうにして下さい。 3 赤 2 多量出血あり 不可 9 痛みが強く切断された脚を探している。 4 赤 3 明らかな外傷な し 不可 10 全身痙攣あり 5 赤 4 右大腿部発赤・腫 脹 不可 20 右大腿から末梢は瓦礫の下敷きになり、救出されたが 大腿部痛みあり、動けません。お名前は?などと尋ね られても「うっ、うっ、」としか答えることができま せん。 6 黄 1 明らかな外傷な し 不可 18 地震の揺れでプリンターが移動し、首のあたりを強打 したようです。意識ははっきりとしているのですが、 手足がしびれて感覚がありません。「手も足も動かな いんです」と訴えて下さい。 7 黄 2 多量出血あり 不可 20 右下腿の骨が折れて飛び出しているので、痛くてたま りません。痛い、助けて、と大声で叫び続ける演技を 続けて下さい。医師などが右足に触れたら、痛がって 下さい。 8 黄 3 軽い擦傷 不可 28 地震の揺れが続く中、意識が混乱していて、興奮状態 で落ち着きがなく、手足を良く動かし、本人は意味不 明な言葉を発しています。 9 緑 1 右前腕開放創 可 20 右前腕部の骨が折れて飛び出しているので、痛くてた まりません。右腕を支えながら、痛い、助けて、と叫 び続けて痛みを訴えて下さい。 10 緑 2 左ほほ挫創 可 20 頭を壁にぶつけ、頭を抱えてうずくまる。「頭が痛 い・・・」と、訴えて下さい。 11 緑 3 左前腕ガラス刺 さっている 可 20 腕にガラスが刺さっており、出血しています。痛くて たまらないので、早くガラスを抜いてほしいと訴え、 真っ先に病院へ連れて行ってほしいとわがままを言い 続けて下さい。 12 緑 4 右ほほ挫創 可 20 顔面から出血しており、首から胸にも血が流れていま す。顔に傷が残るのではないかと心配で泣いています。 早く治療してほしいと顔を押さえて泣きながら訴えま す。

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24 6.まとめ ○細坪 信二/特定非営利活動法人危機管理対策機構 理事・事務局長(全体コーディネイト) 皆様本日は、一日大変お疲れ様でした。 今日は、様々な情報共有、およびそれぞれ対応する中で、こ こはもっとこんな風にしないといけないな、というのを是非持 ちよった反省会にしたいと思います。それを次回につなげたい と思っていますのでよろしくお願いいたします。 本日、私たちは、事業所で多数のけが人が発生したという想 定で、アクションカードを用いて 12 名の模擬傷病者の方々の 選別を行いました。重傷者のみを大久保病院に搬送するルール のため、傷病者の選別をして各事業所の現場レベルで傷病者の 搬送優先順位付けをしました。ブルーシートや担架を用いて、 医療救護所に運び、医師会の先生にトリアージをして頂きました。それでは、トリアージをしていただ いた先生にコメントをいただいてよろしいでしょうか。 ○高島 正樹氏/医師会 高島クリニック 院長 はじめまして、本日はお疲れ様でした。医師会の評価委員、 高島と申します。 医師会は、医療救護所に運ばれてくる傷病者の方を重症度に 応じて見分けるということをメインで担うわけですが、本日来 られた中で、4 名が重傷者ということでした。 まずは、下半身が瓦礫の下に埋まって下肢の挫滅ということ で、救出された方で骨折、血管、動脈の損傷等があって出血に よる死亡率が高いということで赤に振り分けしました。 2 番目の方は、見ての通り、内臓が飛び出している損傷の方 で緊急に手術をして対処する必要があるとうことでトリアージ は赤になっています。 次の方は、全身性の痙攣があって、外見上は目立った損傷はないのですが、おそらく頭部を強く打っ て、脳挫傷というか、頭の中に緊急を要する状態があるのではないかという判断で赤にしました。 最後の方は、下肢が途中から切断して血圧も低くて出血死に至る可能性が高いという判断で赤にしまし た。こういった根拠で判断して振り分けた次第でございます。 1 人、右腕に開放骨折があって大量出血があるのですが、この方は黄色にしたのですが、今まさに処 置をしなければならないという状況ではないという判断で振り分けを行いました。 ○続いて、12 名の模擬傷病者の中で、軽傷者役の方よりコメン トを頂いた。 騒がしくして申し訳ありません。ずっと声を出して、自分は 大変な状況なんだということを伝えよう、伝えようとしていた のですが、「あなた大丈夫だよ。」そういった言葉をたくさん掛 けられたので、そうではなくて少し優しい言葉をかけていただ けると嬉しかったかなと思いました。ありがとうございました。

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25 続いて、傷病者に対して、どう対応するのかも含めて専門的な立場でコメントを頂いた。 ○林 星舟氏/公益財団法人 東京都保健医療公社 大久保病院 副院長 本日はお疲れ様でした。 本日搬送して仮想大久保に搬送してきて頂いた方は十数人い ると思うのですが、重症患者さん4 人に対して大久保病院の今 日ここにいるスタッフ30 人位です。このスペース、実際はもう 少し大きいのですが、重傷患者さん4 人を受け入れている状況 を実際に認識していただけたと思います。 今後の受け入れ体制では、4 人を運んでいただいて 30 人のス タッフで対応してあれくらいだということをよく理解していた だけたと思います。 例えば、20 人の重症者が来られた場合でも、もっとしっかり対応したいと思っていますが、今回、私 どもでもいくつか課題がわかったので、来年のこの訓練では課題をしっかりと活かしたいと思います。 続いて、参加された方の感想を頂いた。 ○森 正弘氏/株式会社三越伊勢丹ホールディングス 森と申します。本日は訓練御苦労さまでした。 実は私、今回初めての参加ということで、事業者として今ま で考えていたことが、これで良かったのかと考えさせられる事 が非常に多く出ていました。皆さまもいろいろと感じた事があ ると思います。今度は12 月 4 日に検証会がございますので、次 に繋がる御意見や課題などをいただければと思っております。 本日はありがとうございました。 最後に、田中委員長より講評を頂いた。 ○田中 真人氏/東口訓練実行委員会 委員長 訓練に参加された全ての皆さま、どうもお疲れ様でございま した。 新宿東口のような訓練をしているところは他にないと認識し ていただきたいということと、12 月 4 日には検証会がございま す。今日感じていただいたことなどを、来年の訓練、今後の協 議会の活動内容に加えていきたいと考えております。 各自で対策をすることは非常に重要です。そして対策を進め るにあたっては、ぜひこうなったらどうなるのだろうと想像し ていただいて、今すぐ出来ることから進めていただいて、まず そこからやっていかないとなかなか進まないのではないかと考えています。 今日、いろいろなことをやっていただきました。是非これを活かし、職場にお持ち帰りいただいて、 今回の訓練に参加されていない方々にもお伝えいただきたいと思います。お疲れ様でした。

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26 1.日時: 平成27 年 12 月 4 日(金) 13 時 30 分~16 時 2.場所: 新宿区役所第1 分庁舎 6 階 研修室((新宿区歌舞伎町 1 丁目 5 番 1 号) 3.プログラム: (1)開会あいさつ 宮﨑 明浩氏/新宿駅周辺防災対策協議会座長 (2)新宿駅周辺防災対策協議会東口訓練報告・意見交換 細坪 信二/特定非営利活動法人危機管理対策機構理事・事務局長 ①図上演習訓練について ②東口現地本部情報共有訓練について ③負傷者対応訓練について (3)新宿区役所本庁舎免震改修工事完了に伴う報告 川島 純一氏/新宿区総務課庁舎耐震改修担当副参事 ①概要説明 ②現地見学 地下2 階鉄骨ブレース補強部位・免震ピット・屋上 (4)閉会あいさつ

Ⅲ. 平成 27 年度新宿駅周辺防災対策協議会

東口訓練検証会

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27 1.開会あいさつ ○宮﨑 明浩氏/新宿駅周辺防災対策協議会座長 宮﨑でございます。よろしくお願いをいたします。11 月 5 日 の訓練では、本当にお疲れさまでございました。また、本日は、 師走のお忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとう ございます。東西同日訓練ということもあり、全て拝見するこ とはできなかったのですが、途中から負傷者の搬送を含め、応 急手当の部分は拝見することができました。患者役の方の迫真 の演技に気おされてちゅうちょされている参加者に代わって 三角巾の手当をしてしまい、ご迷惑をお掛けしたのではないか と思います。皆さん、うまくできたこともたくさんあったかと 思います。それ以外にも、知っているつもりで臨んだのですが、思った状況ではなかったので対応がう まくできなかったことなども多かったのではないかというふうに思います。 申すまでもありませんが、普段していないことを、災害時にしようとすることはできないという話が ございますが、そのとおりです。今回の訓練も含めまして災害時に必要な対応ができるように備えると いう訓練の大きな目的のもと、実施をするところですが、うまくできるということだけではなく、むし ろ訓練の中で気付いた内容を改善して、再び試してみるということを通じて、対応力を上げていくとい うことが大事ではないかというふうに思っています。その意味でも、本日の検証会はとても重要な会だ と思っていますので、本日を有意義に過ごしていただければと思います。 普段、買い物や食事を、この東口でよく利用している 1 人として、こういう取り組みが少しでも広が りを見せ多くの方が参加をしていただき、安心、安全な町になっていくことを願っております。これか らもこういった取り組みに一生懸命取り組んでいただくよう、お願いして、開会のごあいさつとさせて いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 2.新宿駅周辺防災対策協議会東口訓練報告・意見交換 ○細坪 信二/特定非営利活動法人危機管理対策機構理事・事務局長 10 月 29 日の「図上演習訓練」と、11 月 5 日の実動訓練で実 施した「東口現地本部情報共有訓練」、「負傷者対応訓練」につ いて報告を致しました。 ①「図上演習訓練」報告(10 月 29 日実施) ・大規模地震発生直後、大規模店舗、中小商店、飲食店、駅 等のそれぞれの立場において来店しているお客様を建物 内に留める、むやみに出さないために「大規模地震発生直 後における施設管理者等による建物の緊急点検に係る指 針」(内閣府)のチェックリストを用いて、建物の安全性を早期確認するための訓練を実施いたしま した。 ・訓練想定に基づき 3 つのパターンの被害状況を付与し、建物の「安全」「危険」の被害状況の違い に応じたお客様への対処方法、手順を確認しました。また、お客様に対してどのような情報を提供 する必要があるか、また、そのために現地本部でどのような情報共有をすることが有効かを確認し、 課題を整理しました。

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28 ②実動訓練 「建物簡易判定訓練・東口現地本部情報共有訓練」報告(11 月 5 日実施) ・11 月 5 日(木)M7.3 震源地:東京湾北部、都内で震度 6 強以上の地震が発生という想定のもと、 事前に配布した状況シナリオに基づき、事前に自組織で「建物応急使用可否判断」を行ったうえで、 東口現地本部に知り得た情報を持ち寄りました。 ・状況シナリオには、施設使用不可によりお客様を外に誘導しなくてはならないパターンと、施設内 にとどめるパターンを用意していたため、それらの情報を共有するためのボードを新たに設置しま した。 ・現地本部での情報共有については、報告シートで情報を持ち寄り、共有ボードに記載、続いて、地 図に描いて頂き、最終的に報告ボードにシートを貼り付ける。新宿駅周辺における、火災・ガス漏 れ・重傷者の有無と場所・鉄道の状況・道路の状況・新宿御苑までのルート等が報告され、組織と して必要な情報をシートに書き写して持ち帰るという一連の流れを確認しました。 ○報告を受け意見が交わされた。主なご意見は以下の通り。 ・大規模なガス漏れについても想定に入れておくべきではないか。 ・現地本部にある程度の人数が来たら、役割を決めた方が混乱しないのではないか。 ・建物が使用できても、お客様の安全上では閉店させるということも考えた方が良いのではないか。 ・現地本部に寄せられる情報の信ぴょう性やセキュリティー対策はどうなっているのか。 ・現地本部の備品管理をきちんとするべき。 ・災害時の対応は事業所単位でレベルの違いがあるので、緊急時のフロー図のようなものがあると 良い。 ・情報ボードの時間軸ごとの整理はどうなっているのか。 ③実動訓練 「負傷者対応訓練」報告(11 月 5 日実施) ・11 月 5 日(木)午後1時発災、M7.3 震源地:東京湾北部、都内で震度 6 強以上の地震が発生し、 事業所内で複数の負傷者が発生したという想定のもと、重傷者のみを大久保病院に搬送するルール に基づき、アクションカードを用いて各事業所の現場レベルで傷病者の選別を行い、搬送優先順位 付けを行った。 ・ブルーシート・担架・車付き担架を用いて、「赤」重傷者のみを応急救護所と仮想したハイジア 1 階ホールまで搬送。 ・ハイジア1階の応急救護所にて、医師会の先生によるトリアージを実施。参加者は、アクションカ ードを用いて災害医療(医師会)への協力を行った。重症者「赤」は大久保病院へ搬送し、大久保病 院の医師、看護師による診断・処置が施された。 ・軽症者に対しては、ハイジア1階の応急手当所で、日本赤十字の指導により必要な応急手当ての訓 練を行い、参加者はアクションカードを用いて応急手当てを行った。 ○報告を受け意見が交わされた。主なご意見は以下の通り。 ・重傷者への対応について各事業者の考え方を伺いたい。 ・事業所が閉鎖している時間帯に発災したという想定の訓練はあるのか。 ・トリアージの役割を決めておいた方が良いのではないか。 ・様々な搬送の方法を訓練に取り入れたらどうか。

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29 ○すべてのご意見を受け、確認した内容は以下の通り。 ・現地本部は協議会メンバーが集まる仕組みで、一般には公表しないというルールである。 ・現地本部には帰宅困難者は入れない。協議会メンバーということを警備員に伝えて、現地本部に入 る。 ・災害時の対応や行動が具体的に示されているアクションカードの周知を図る。 ・間違った情報への対処策として、区役所の災害対策本部の情報と東口現地本部の情報とを照らし合 わせ、正確な情報に塗り替えていく。 ・事業所の営業時間外に発災した場合は、駆け付けた者で現地本部を立ち上げる。その為、協議会メ ンバーが誰でもできるよう、毎年の訓練が必要である。 ・傷病者の搬送優先順位付けをルールとして、事業者現場レベルでも共有する。 ・建物が使用できない場合の情報共有については、今後の議論とする。 3.新宿区役所本庁舎免震改修工事間完了に伴う報告 川島 純一氏/新宿区総務課庁舎耐震改修担当副参事 本庁舎の免震工事概要説明を受けた後、現地見学を行った 4.閉会あいさつ 田中 真人氏/東口訓練実行委員会 委員長 実行委員長を仰せつかっておりました、田中でございます。 皆さんの活発なご意見を頂戴しまして、非常に参考になりまし た。やはり感じることは、やってみないと分からないというこ とがいろいろ出てきていると、この協議会の訓練も、毎年やっ てきております。その中で、出てくるアイデアをいろいろ変え たりして、また元に戻ったり、これを繰り返しながら進めてい くというのが、あらためて重要なのだなというふうに感じたと ころです。 負傷者対応訓練についても、実際にやってみないと、ここか らハイジアまで運ぶという、たかが 450 メートルぐらいですが、どれだけ大変なのかというのを、体験 してみないと分からないということが分かりました。 そこで、考えていただいたのが、この大変なことをやらないで済むように、日頃からどういうふうな 形で、けが人が出ないような対策を取るのかというのが重要ではないかということで、日頃の、先ほど の建物の判定もそうですが、日頃のカルテが重要だというところで、練習等を進めていただければと思 います。

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30 応急手当については、この訓練の前に、今年も 10 月 15 日に、赤十字の東京都支部のほうで、応急救 護の訓練を 1 日かけてやっておりますので、ぜひ参加してください。また、先ほどご指摘がありました 搬送の方法も、担架だけではなく、徒手搬送ですとか、背負い搬送、2 人で椅子を使っていろんなもの があるのです。ですが、実際に、時間がないので、全てはやっていないので、もしそういうことを来年 度やるということであれば、それもノウハウとしてはありますので協力いたします。 さらに、最近山ブームでもありますので、大型の 60 リットルぐらいのリュックがあれば、中を出せ ば、いわゆる“おんぶひも”のような形で、体格が良い人ならば人も運べます。実際に山で遭難した方々 はそういうふうな形で、運んでいたりしますので、そういうノウハウもお伝えすることもいろんな団体 さんでやっていますので、こういう訓練の中で、やってみたらいかがでしょうか、というのをちょっと 感じたところです。

参照

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