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資源開発環境調査 フィリピン共和国 Republic of the Philippines

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資源開発環境調査

フィリピン共和国

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目 次 第1部 資源開発環境調査 1. 一般事情 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 2. 政治・経済概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 3. 鉱業概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 4. 鉱業行政 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 5. 鉱業関係機関 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 6. 投資環境 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 7. 地質・鉱床概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 8. 鉱山概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25 9. 新規鉱山開発状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32 10. 探査状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37 11. 製錬所概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42 12. わが国のこれまでの鉱業関係プロジェクト実施状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44 第2部 地質解析 1. 地質・地質構造 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45 2. 鉱床 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54 2-1. 鉱床生成区 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 54 2-2. タイプ別・時代別分布の特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・59 3. 鉱床胚胎有望地域・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70 資料(統計、法律、文献名、URLなど)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・73

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1.一般事情 1-1. 面積 299,404km2。7,109 の島がある。 1-2. 人口 7,650 万人(2000 年 5 月 国勢調査値) 1-3. 首都 マニラ 1-4. 人種 マレイ系が主体。 他に中国系、スペイン系、及びこれらとの混血、更に少数民族等がいる。 1-5. 公用語 国語はフィリピノ語、公用語はフィリピノ語と英語。 80 前後の言語があると言われているが、国語であるフィリピノ語をより広い範囲で使用 できるようにすべく、タガログ語をはじめとする主要言語(セブアノ語,イロカノ語,ヒ リガイノン語,ビコール語,ワライ語,パンパンゴ語,パンガシナン語等)の単語のフィ リピン語への導入作業が少しずつ進められている。 1-6. 宗教 国民の 83%がカトリック。 その他のキリスト教が 10%、イスラム教は 5%。 1-7. 地勢等 フィリピンは、アジア大陸の東南、マレー諸島の東北部に南北1,851km にわたって散在 する7,109 の島々から構成なる。そのうち 3km2以上の島は500 にも満たず、大多数は無 名の小島である。主要な島はルソン、ミンダナオの2 大島、ピサヤ諸島の 7 島(サマール、 レイテ、マスバテ、ボホール、セブ、ネグロス、パナイ)とミンドロ、パラワンの 11 島で、 これだけで総面積の92.5%、全人口の 96%を占める。 Manila Davao 11 5 12 0 12 5 13 0 9 14 14 19 19 21 21 PHILIPPINE SEA SULU SEA SOUTH CHINA SEA

SULAWESI SEA LUZON PALAWAN MINDANAO MINDORO PANAY NEGROS BOHOL SAMAR

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2. 政治・経済概要 2-1. 政体 立憲共和制 2-2. 元首 大統領(直接選挙により選出。任期6年) 現大統領フィデル・ラモス(1992 年6月 30 日就任) 現副大統領ジョセフ・エストラーダ(1992 年6月 30 日就任) 2-3. 議会 2院制 ・上院:任期6年で定員24 名。すべて単一の全国区から選出される。 (構成)議長 ネプタリ・ゴンザレス LDP 16 議席 NPC 5 議席 Lakas-NUCD(与党) 2 議席 LP・PDP ラバン 2 議席 ・下院:任期3年で定員200 名。 200 の選挙区より選出される(小選挙区制)。 (構成)議長 ホセ・デ・ベネシア LDP 87 議席 NPC 48 議席 Lakas-NUCD(与党) 46 議席 LP・PDP ラバン 13 議席 NP 3 議席 KBL 3 議席 2-4. 政治概況 1521 年 マジェランのフィリピン到着。1571 年 スペインの統治開始。 1898 年 米西戦争中 6 月 12 日 アギナルド将軍が独立を宣言。米製パリ講和条約調印に より、米の統治開始。 1935 年 独立準備政府(コモンウェルス)発足。1942 年 日本軍政開始。 1946 年 7 月 4 日 フィリピン共和国独立 1965 年マルコス大統領就任(1972 年戒厳令 布告) 1986 年 2 月革命によりアキの大統領就任、マルコス大統領が亡命。 1992 年 ラモス大統領就任 1998 年エストラーダ大統領就任 2001 年アロヨ大統領就 任。 2-5. 主要産業 農林水産業(全就業人口の約37%が従事)と労働集約型軽工業が主要である。米、ココ ナッツ、サトウキビ、バナナ、パイナップル等の農産物を産する。繊維、化学、木材製品、

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食品加工、加えて近年は電気・電子産業の発展が目覚ましい。製品は大半が輸出されてい る。 2-6. GNP 第2-1 表 フィリピン共和国の GDP(単位:億ドル) 年 1998 年 1999 年 2000 年 2001 年 2002 年 2003 年 億米$ 685 802 790 757 820 864 2-7. 通貨 1米$=54.60 ペソ(2005/02/ 現在) 2-8. 為替レート 年末 1999 年 2000 年 2001 2002 年 2003 年 1US$= 40.313 49.998 51.404 53.096 55.569

(International Financial Statistics 2004) 2-9. 貿易 フィリピンは資本財および石油を含む中間財をほぼ全面的に輸入に依存しているため、 80 年代から 90 年代末までは輸入が輸出を大きく上回る構造が定着して、貿易収支は恒常 的に赤字を記録した。しかし、1999 年と 2000 年では、貿易収支は小幅ながら黒字に転換 している。これはエレクトロニクスを中心に輸出が堅調に推移したことがその要因である。 従来からの貿易収支の動向を辿ると、貿易赤字がピークを記録した 96 年では、赤字幅は GDP の 13%に相当する 141.58 億ドルとなり、輸入は輸出の 3 分の 2 程度の規模に過ぎな かった。2000 年では、輸出は前年に対して 8.7%伸びたのに対し、輸入の伸びはさらに小 幅な5.9%に留まったため、貿易収支は 35.9 億ドルの黒字となった。2001 年でも、輸出が 15.6%減少したのに対し、輸入は 4.2%の減少に過ぎなかったため、9.1 億ドルの赤字とな った。2002 年では輸出、輸入ともに伸びたため、貿易赤字は 2.3 億ドルに減少している。 (ARC レポート 2003) 第2-2 表 フィリピン共和国の貿易(億米ドル) 99 年 00 年 01 年 02 年 03 年 輸 出 350.4 380.8 321.5 352.0 357.5 貿易品 電子・電気機器、輸送用機器等 輸 入 307.4 344.9 330.6 354.3 374.5 貿易品 半導体、電気機器・部品、ワイヤーハーネス

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第2-3 表 フィリピンの対日主要商品別輸出入(百万ドル) 輸出 輸入 2002 年 2003 年 2002 年 2003 年 金額 金額 金額 金額 工業製品 4,048 4,413 6,808 7,278 エレクトロニクス製品 3,393 3,642 3,238 3,458 機械・輸送機器 479 563 1,184 1,220 消費財 268 266 96 94 衣類 71 62 - - 家具 20 16 11 5 食品・同調製品 381 369 8 9 天然資源製品 260 297 176 176 合計(その他含む) 5,295 5,769 7,233 7,641 2-10. 経済概況 フィリピン経済は、2000 年の IT ブームの際に電子部品産業の生産・輸出拡大に牽引さ れて6%の高成長率を記録したが、2001 年には IT 不況により経済成長率は 3%と落ち込ん だ。2002 年は、規制緩和を受けての小売業の出店拡大、携帯電話の普及拡大による通信部 門の伸びといったサービス部門の高成長を受け4.4%の伸びを示した。 製品輸出は、半導体の回復等により、前年比4.8%増の 350 億 6 千万 US ドル、輸入は、 電子機器等の増加により、前年比6.2%増の 334 億 7 千万 US ドルとなった。一方、イン フレ率は10%台で推移、2002 年の平均為替レートは 1US ドルに対し 51.66 ペソ(P)で推 移した。 工業部門は、製造業、鉱業、採石業等が堅調であり、特に鉱業(原油)が 49.2%の伸びを示 した。 原油を除く鉱物輸出額は、輸出総額の約 1.7%を占め、前年比 12.4%増の 5 億 9,600 万 US ドル、鉱物の売上総額は 373 億 2 千万 P と 2001 年の 269 億 2 千万 P から 40%の大幅 増となった。 3. 鉱業概要 フィリピンは鉱物資源(銅・金・ニッケル・クロム等)に恵まれた国で、かつては東南ア ジア最大の鉱産国として君臨していた。しかしながら、フィリピンの鉱業は1980 年代か ら衰退し始め、例えば、銅の生産量は1980 年の 304.5 千 t をピークに落ち込みが続き、 2003 年には 21.0 千 t しか生産されず、この 20 年間で銅生産量は 10 分の 1 以上にまで落 ち込んでいる。これは、生産コストの上昇、金属価格の低迷によって引き起こされ、さら に 86 年に起こったマルコス元大統領の亡命に見られるような政治的、社会的不安が鉱業 の衰退に拍車を掛けた。1994 年の鉱産税の減税、1995 年の新鉱業法制定により、鉱業の 再生が進むものと見られたのにも拘らず、その後も鉱業は冷え込んでいる。

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1981 年には、58 鉱山が稼行していたが、現在は、大規模な 2 鉱山(Victoria Gold Mine、 Padcal Copper Mine)、中規模ニッケル 4 鉱山(Rio Tuba、Cagdianao、Sigbanog、Taganito)、 中規模クロム 3 鉱山(Masinoloc、Omasdang、Homonhon)、中規模金鉱山(Canatuan、 Acupan、Diwalwal、Paracale)が稼行している状況となっている。この他、多数の石灰石 や採石・砂利採取等の非鉄金属鉱山が操業しているほか、2 千以上にのぼる小規模鉱業が 活動している。 輸出額については80 年の 21.3%から 1.5%にまで落ち込んでおり、GDP の 1.6%を占め るに過ぎない。 外資によるフィリピンの鉱業資産所有を認めている鉱業法(RA 7942、Philippine Mining Act 1995 年 3 月)の資金又は技術支援協定(FTAA)条項の違憲性が最高裁判所で争 われていたことや、先住民族権法(IPRA)との不整合性の問題、さらに、1996 年の Marcopper 鉱山鉱滓流出事故を契機とした地域住民・環境 NGO 等の強い反鉱業運動等を 背景に、近年鉱業は低迷しているといえる。 2004 年 6 月末現在の鉱業権認可状況は、探査許可(EP)12 件、鉱物生産分配協定 (MPSA)206 件、資金又は技術支援協定(FTAA)2 件、鉱物処理許可(MPP)4 件となっている。 生産量については、ニッケルが着実な伸びを示してきており、金が近年増加しているほか は、減少傾向にある。 (JOGME カレント・トッピクス 2001 年 24 号、フィリピン鉱業の現状) (JOGMEC カレント・トピックス 2002 年 23 号、フィリピンの鉱山開発環境) (金属資源レポート Vol.34 No.3 2004.09 フィリピンの鉱業政策動向) 3-1. 鉱物資源埋蔵量 フィリピンは世界第6 位のセレン、世界第 10 位のニッケルの埋蔵量を有する。 第3-1 表 フィリピン共和国の鉱物資源埋蔵量(2005 年) 鉱 種 インドネシア(A) 世 界(B) (A)/(B)(%) ランク ニッケル(千トン) 5,200 140,000 3.7 10 セレン(トン) 3,000 180,000 1.7 6

出典:Mineral Commodity Summaries 2005

3-2. 非鉄金属の生産量 主要な非鉄金属の生産は、ニッケル、銅、金、クロムで生産量はそれほど多くはないが、 ニッケルは第13 位である。 3-2-1. 銅 過去 10 年間の銅生産は、産業界が被った技術的、経済および環境的要因によって一貫 して減少してきた。1997 年以前には、セブ島のアトラス鉱山、ミンダナオの北ダバオ鉱山 およびマリンドゥケ島のマーカッパー鉱山のようなこの国最大の鉱業プロジェクトが操業

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を停止したため、生産量が1993 年に比較して 51%も下落した。1998 年には、他の 2 つの 主要な銅鉱山、すなわちベンゲット州にあるLepanto Consolidated Mining 社の硫砒銅鉱 プロジェクトおよびディソン銅オペレーションが、生産量において10%のさらなる低下を 引き起こした。1999 年および 2000 年に、それぞれ Manila Mining 社(銅プロジェクト) およびLepanto Consolidated Mining 社 (銅プロジェクト)が参入したため、生産額の 低下は小規模に止まった。ただしこれら2社の参入も 1996 年以来の減少傾向を逆転させ るには十分ではなかった。 (JMEC 平成 14 年度資源開発協力調査プロジェクト選定調査報告書 平成15年3月) 3-2-2. 金 金は、銅生産の低下にもかかわらず、鉱業投資家たちが再び興味を示してきたために、 金の生産は一貫して増加した。4つの新規プロジェ クト、すなわち Philex Mining 社の Bulawan 鉱山および Subutad 鉱山、Lepanto Consolidated Mining 社のビクトリア鉱山、 Manila Mining 社の砂鉱銅プロジェクトが金の分野に参入したこと、および小規模鉱山が 増加に貢献したことにより、25.95 MT に過ぎなかった 1991 年と比較して 2000 年 には 36.51 MT へと大幅に生産量が増加した。 (JMEC 平成 14 年度資源開発協力調査プロジェクト選定調査報告書 平成15年3月) 3-2-3. ニッケル ニッケル生産量は、また2000 年に前例のない増加を示した。それは 1993 年の 16,000MT から2000 年の約 7.9 千 MT までの 6 年間に2倍以上の飛躍的な増加を示した。長い乾季 によりSurigao におけるニッケル生産者にとって操業日数の増加したことによる。さらに、 CagdianaoMining 社が 2000 年に参入したことによって、ニッケル生産量の増加に貢献し た。 2002 年のニッケル鉱生産量は Taganito 社が生産減となったものの、RioTuba 及び Cagdianao 鉱山が生産を伸ばしたことから、前年比 16%増の 116 万 t となった。 パラワン州RioTuba 鉱山においては、高圧硫酸浸出法により、年間ニッケル約 1 万 t、コ バルト約700t を生産する新たなニッケル精錬施設の建設が進展しており、2004 年半ばの 生産開始を目指している。 (JMEC 平成 14 年度資源開発協力調査プロジェクト選定調査報告書 平成15年3月) 3-2-4. クロム クロム鉄鉱は過去10 年以上にわたって非常に不規則な挙動を示した。1993 年から 1996 年の間,生産量は年平均 22%で一貫して増加していた。ところが、1997 年までに Visayas およびMindanao 地域におけるいくつかの小規模な金属クロム鉄鉱鉱山の縮小によって生 産量が16.7%低下した。1998 年には、生産量はさらに 58%まで低下した。2000 年 4 月に おけるベンゲット社 Masinloc クロム鉄鉱プロジェクトの操業再開はクロム鉄鉱分野への 最後の一呼吸だった。フィリピンにおける唯一の耐火クロム鉄鉱の生産者であるベンゲッ ト社は1999 年にその操業を一時中断していた。

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第3-2 表 フィリピンの主要鉱産物の生産量 年 1998 1999 2000 2001 2002 2003 銅 (t) 48,600 34,600 30,644 20,322 18,364 20,400 金 (kg) 36,513 31,031 36,540 33,840 40,000 38,000 銀 (kg) 18,220 18,000 17,000 17,000 9,000 9,000 ニッケル (t) 12,840 20,689 17,388 27,359 26,532 21,150 クロム (t) 87,000 19,566 26,361 26,932 23,703 24,000

(出典: USGS Mineral Commodity Summaries)

4. 鉱業行政 4-1. 法律 ・新鉱業法:「1995 年フィリピン鉱業法実施規則」第 7942 号 ・1995 年スモールスケールマイニング計画等を実現するための法律及び施行細則 1987 年にアキノ政権の下で新憲法が制定されて以来、かねてより懸案となっていたフィ リピンの「新鉱業法」が、1995 年 2 月 20 日に、上・下院の両院において可決され、同年 3 月 3 日、ラモス大統領の署名を得て、共和国法第 7942 号(新鉱業法 95)として発効した。 この新鉱業法95 は、従来マルコス政権下で制定された「1974 年鉱物資源開発令(大統領令 第463 号)に代わるものであり、法律としては、1936 年 11 月 7 日に制定された鉱業法(共 和国法CA 第 137 号)以来 59 年ぶりの改定となる。なお、新鉱業法 95 の運用ガイドライ ンとして、実施細則(IRR: Implementing Rules and Regulations)が 95 年 8 月 15 日にラ モス環境天然資源省長官により署名された(AO 第 23 号)。

この新鉱業法の特徴は以下のとおり。

・鉱物生産分配契約:MPSA(Mineral Production Sharing Agreement) ・鉱山の開発及び加工分野への100%外国企業の参入:FTAA ・追加投資の奨励:損失の所得税繰越、特別償却、鉱害防止装置の税額控除 (1) 鉱物生産分配契約(MPSA) MPSA に関する憲法の規定を実行するため 1987 年7月 25 日に行政令第 279 号が大統 領によって署名され、環境天然資源省(DENR)長官がかかる契約を取り決め、締結する ことを承認した。同令の実行ガイドラインは、DENR 省令第 57 号、第 06 号、第 32 号、 第82 号および 82-A 号として発令されている。 MPSA では、「政府が契約者に契約鉱区内の採掘専有権を与えるが、その所有権を与え るものではなく、政府が鉱物資源の所有者として、その生産分配を現物でも金銭でも取得 する契約」と規定している。 従って、企業が鉱山開発を行う場合は、DENR を通じて必ず政府と契約を締結しなけれ ばならないこととなっている。

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MPSA の主な特徴の一つは、鉱業の各段階を 3 段階に区分し、明確に定義したことであ る。契約期間を探鉱-最大4年、建設及び開発-最大3 年、商業生産-25 年(さらに 25 年更新可能)としている。 他の特徴としては、鉱業による生産物から政府への分け前を決めた点で、この分配は純 所得のみならず、生産量も含めて計算することとなっている。企業の利益が少ない時には 政府への分配が少ないが、企業の利益が上がればそれに応じて政府への分配も多くするた め、生産量より純所得にウエイトを置いた分配方式を採用している。 (2) 財政あるいは技術援助契約(FTAA) 鉱業はリスクの大きい、投資の必要な事業であるが、投資を目的とする国内資本はどち らかといえば不足しているか、あるいはない状態にある。この点に関しては、外国投資家 は、必要な資本の1 0 0 % を投資すれば、それに応じて鉱業活動を支配できる計画に関心 が深い。残念ながら、憲法は、鉱物を含めた天然資源の開発には、国内所有権には 60%、 外国の所有権には40%の制限を設けている。 しかし、大規模な鉱業には、FTAAと呼ばれているサービス契約が、100%の外国所有 権と経営を規定している。この大規模とは、単一の鉱業単位に600 万米ドル以上の資本投 資を行うことを意味する。 FTAA は大統領とその契約を締結した外国企業に、探鉱期間から鉱山の開発までの資本 投資がすべて償却される原価の回収期間を認めている。この原価の回収期間を過ぎると、 政府はその企業の純所得にシェアを課す。次に、最初の 25 年間が終了する前に、企業は 徐々に60%をフィリピン所有権の割合に転換していかねばならない。 このFTAA 取決め実行のガイドライン及び細則が、現在、立法化される最終段階にあり、 豪州Arimco 社の Didipio 金・銅プロジェクトが、近々FTAA の適用第一号となりそうで ある。 4-2. 政策 新規探鉱・開発に向けた外国投資は低迷している。この背景には、憲法上「国有地及び同 地に含まれる鉱物は全て国家の所有物である。」との規定にも拘わらず、新鉱業法(1995 年 3 月)の資金又は技術支援協定(FTAA)条項が外資によるフィリピンの鉱業資産所有を認め ている点について最高裁判所で審理が行われていたことや、先住民人権法(IPRA)との不整 合性の問題が膠着状態であること、さらに、地域住民・環境NGO 等の強い反鉱業運動が 挙げられる。 このような状況下、環境天然資源省(DENR)は、2003 年に入り、鉱業の再活性化・持続 的な鉱業の発展のため、許認可手続きの簡素化やMining Invest Assistance Center の設 置等を図ったほか、かねてから検討されていた国家鉱業政策(National Mineral Policy)の 策定作業を開始、2004 年 1 月には、National Mining Policy を承認する大統領令 270 号 が発布された。

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同大統領令は、フィリピンの経済発展に資する、信頼性ある鉱物資源探査・開発及び利 用の促進を目的とし、National Mining Conference 等の一連のコンサルテーションで得ら れた以下の原則を強調したうえで、現行鉱業法(MiningAct1995)の的確な運用により、鉱 業の再活性化を図るものとしている。 ・鉱業への投資促進 ・透明性、安定性及び予見性を有する投資・規制政策の策定 ・鉱物及び鉱産品の高付加価値化 ・鉱業界の正式な一員として、小規模採掘の推進 ・鉱物資源の開発・利用への高効率技術の利用 ・リハビリテーションまでを含めた鉱業活動の統合的な環境保全 ・生物多様性や小規模島嶼における生態系の保護 ・多角的な土地利用や鉱床地域の持続的利用の促進 ・休廃止鉱山対策の推進 ・鉱業活動による経済・社会的利益配分の均等化 ・鉱業に対する社会的認識向上の促進 ・産業と利害関係者の効果的な対話スキームの構築 また、環境天然資源省(DENR)に対し、今後の探査、開発活動の方向付けや許認可手続 きの簡素化、他省庁間の連携等に係る活動計画Draft Mineral Action Plan(MAP)の策定を 指示した。

しかしながら、憲法上「国有地及び同地に含まれる鉱物は全て国家の所有物である」との 規定にも拘わらず、新鉱業法(1995 年 3 月)の資金又は技術支援協定(FTAA)条項が外資に よるフィリピンの鉱業資産所有を認めている点の裁判については、最高裁判所が、1 月 29 日に、憲法に抵触するとの判断を下した。

これに対し、DENR は再審請求を提出するとともに、Mineral Action Plan やロードマ ップの策定、有望プロジェクトの選定等、鉱業再活性化に向けた取り組みを進めている。 4-3. 税制

フィリピンの税務法規は、1987 年内国歳入法(NationalInternalRevenueCodeof1987) と関税法(Tariff and Custom Code)を基本とする。

税務法規の解釈及び執行は、内国歳入庁(Bureau of Internal Revenue)および関税庁 Bureau of Customs が担い、彼らの裁量のみならず判例を踏まえつつ、実際の税務行政が 執行されている。 日本と同じく自主納税申告制度のため、記帳義務が明記されており、会計帳簿の保存期 間は3年となっている。 フィリピンにおける税体系は、直接税、間接税、その他に分類されている。 直接税には、個人所得税、法人所得税、関税がある。 間接税には、付加価値税、百分率事業税(定率税)、物品税、印紙税などがあり、そのほか

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のものとして、地方税、固定資産税、輸出税(丸太の輸出)がある。 フィリピンにおける鉱業税は、従来金属鉱物については総生産高の5%を、非金属鉱物 については総生産高の3%をロイヤルティとして課税していた。 しかし、1989 年7月に鉱物生産分配契約(MPSA)が政府によって発令されて以来、M PSA締結下では次の鉱業税に変更されることとなった。 ・金属鉱物 総収入の2%課税プラス経常収益の10%課税。 ・非金属鉱物 総収入の2%課税プラス経常収益の5%課税。 その他、フィリピン政府は、大統領令1251 号及び 1720 号を発令し、鉱山操業によって 生じる採鉱ズリ及び選鉱廃さいに対し、「鉱さい料」を徴収する法令を制定した。 そして、1990 年の環境天然資源省(DENR)の省令によって、「鉱さい料」の細則が規 定された。 この省令により、各鉱山会社は「鉱さい料」として、鉱山から廃棄される採鉱ズリに対 し1t当たり0.50 ペソ、またパイプや坑道等を通じて廃さいダム或いは海・河川に直接投 棄される選鉱廃さいに対し1t当たり0.10 ペソの支払い義務が課されることとなった。 「鉱さい料」として徴収された金は、新設の鉱害阻止積立基金に資され、鉱害防止事業や 鉱害損害賠償に当てられることとなっている。 5. 鉱業関係機関 5-1. 政府機関

鉱山地球科学局:(MGB:Mines and Geosciences Bureau)

鉱山地球科学局は、環境天然資源省(DENR)の系列局として位置づけられ、本部と 14 支 所を有している。鉱物資源を含む土地と鉱物資源の運営と処分を直接取りまとめる任があ り、地質調査および鉱物資源探査と同様に地質的、採掘的、冶金的、化学的およびその他 の調査を行う。局長は、正式な資格取得者に対する鉱物協定の授与を長官に勧告し、契約 者が鉱物協定の条件に従う事を監視する。局は、局長によって発布された命令を通して提 示された抵当、履行保証および担保証書を押収する権限を持つ。局長は、必要に応じ、フ ィリピン国家警察の一員または団体バランガイ(最小行政区)の一員または団体、正式に 登録された非政府組織(NGO)の一員または団体あるいはその他誰でも適任であると見な した者に、全ての鉱業活動の監視の代理を命ずる権限を持つ。

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環境天然資源省は、保護地、分水界流域および国有地を含む国家の鉱物資源の節約、管 理、開発および適切な取扱いに関して責任を負う主要官庁である。長官は、局長の勧告に 基づき政府を代表して鉱物協定を結び、この法令の目的と条項を実行するために必要な規 定を制定する権限を持つ。 第5-1 図鉱山地球科学局の組織図 5-2 公営機関

・フィリピン鉱業協会:(COMP:Chamber of Mines of the Philippines)

http://www.chamberofminesphilippines.com

・Philippine Society of Mining Engineers

http://www.psem.ph/Officers_Directors.htm

・鉱業投資支援センター(MIAC:Mining Investment Assistance Center)

支援センターは環境天然資源省傘下の鉱山地球科学局(MGB)と貿易産業省が運営し、投 資に当たっての法務相談や技術指導、環境適合のためのコンサルティング、地質調査結果 等に関する情報提供を行っていくこととしている。 MGB は、支援センターが関係機関への提出書類の記入方法についての助言も行うとし た上で、今後は申請の審査が短縮できると強調、また、各地域にOne-Stop-Shop Clearance Center を設け、複数の政府機関にまたがる鉱山事業認定を一括する方針を示している。

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5-3 民間会社

第5-1 表 フィリピンで活動中の主な鉱業会社

会社名 業務内容 対象鉱物 ウェブサイト

ALTAI RESOURCES INC. Exploration http://www.altairesou

rces.com/ ANGLO AMERICAN PLC Production,

Exploration Gold and base metals http://www.angloamerican.co.uk/ ANGLOGOLD ASHANTI

LIMITED Exploration Gold http://www.anglogold.com/default.htm

APOLLO GOLD CORPORATION Exploration http://www.apollogold.

com/

BACTECH MINING CORP Production Gold and base metals http://www.bactech.co m/s/Home.asp CONSTELLATION COPPER

CORPORATION Exploration Base metals http://www.constellationcopper.com/ CREW GOLD CORP Investment Gold and base metals http://www.crewdev.co

m/ GEOSTAR METALS INC. Production,

Exploration Gold and base metals http://www.geostarmetals.com/ GOLDEN CYCLE GOLD CORP Production,

Exploration Gold http://www.goldencycle.com/ LAFAYETTE MINING LIMITED Exploration Gold and base metals http://www.lafayettem

ining.com/ MBMI RESOURCES INC. Exploration Gold and base metals

MINDORO RESOURCES LTD. Exploration Gold and base metals http://www.mindoro.c om/s/Home.asp

ODESSA GOLD CORP. Exploration Gold

PANORO MINERALS LTD. Exploration Gold and base metals http://www.panoro.co m/s/Home.asp PHILEX GOLD INC. Production,

Exploration Gold http://www.philexgold.com/

RED 5 LIMITED Exploration Gold http://www.red5limite

d.com/ SUR AMERICAN GOLD

CORPORATION Exploration Gold http://www.surgold.com/

THISTLE MINING INC. Exploration Gold http://www.thistlemin ing.com/

TIGER INTERNATIONAL

RESOURCES INC Exploration Gold http://www.tigerresources.com/ TVI PACIFIC INC Exploration Gold and base metals http://www.tvipacific.c

(15)

6. 投資環境 フィリピンにおける鉱業投資環境については、前述した様にハワイ、East-WestCenter の鉱物資源政策に関する調査結果(1990)によると、政情安定性の面では良い投資環境と は言えないが、地質学的資源ポテンシャルの面では最適投資環境を有しており、総合的に は世界における有望鉱業投資国の一つに位置付けられるとされている。 その一方で、フィリピン鉱業の現状を鑑みると同国鉱業が将来において発展するには、 外国資本を国内への鉱業投資に導入することが必要不可欠となっている。そのため、同国 政府及び鉱業界は、古くから関係の深い日本やオーストラリア等の近隣諸国からの鉱業投 資に、大きな期待を抱いており、官民一体となって外国資本導入のための努力を行ってい る。 このような状況において、フィリピン政府は外国投資法を改正し(「1991 年外国投資法」 の制定)、外国資本の投資規制を大幅に緩和する政策を行った。しかしながら、鉱業投資分 野においては、依然として投資環境に問題を残した内容となっており、国内外の投資家か ら政府に対して、投資環境のより一層の整備・改善を求めた要望が出されている。 6-1. 外資法 (1) 1987 年オムニバス投資法(共和国法第 226 号) 優遇措置を伴う外国及び内国の投資に関する基本的な法律で奨励措置を規定している。 (2) 1991 年外国投資法(共和国法第 7042 号) 優遇措置を伴わない外国投資に関する基本的な法律で、ネガティブリストに記載された 分野以外への外資は100%認められる。 (3) 1995 年特別経済区法(共和国法第 7916 号)

輸出加工区及び特別経済区(Special Economic Zones: ECOZONES)に関する総括的な法 律で最も多くの奨励措置を規定している。 フィリピン政府は、1991 年6月に「1991 年外国投資法」(共和国法7042 号)を制定し、 同年11 月にその施行細則を発令した。 「1991 年外国投資法」は、外国資本の投資規制を大幅に緩和するもので、従来の全ての 産業分野における外資比率を40%以下とする規制を緩め、外国投資ネガティブ・リスト(規 制業種のリスト)にない産業分野であれば、100%までの外国投資を認めることに改正した。 しかし、鉱業投資分野は、外国投資ネガティブ・リストに含まれており、規制の対象に取 り上げられている。経過ネガティブ・リスト中の鉱業関連項目は次の通りであり、憲法第 12 条第2節の国内天然資源の保護規制、共和国法 7076 号の小規模鉱業法による規制及び 本法共和国法7042 号の中小企業保護規制によるものである。

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リストA 〔外資の参入が許可されない分野〕 小規模鉱業(共和国法7076 号) ※小規模鉱業(SmallScaleMining)とは、年間粗鉱生産量5万t以下、資本金 300 万ペ ソ以下の業者によって営まれる鉱業。 〔外資比率が40%以下に制限されている分野〕 天然資源の探査、開発及び利用 注:財政或いは技術援助契約を大統領との間に締結することにより全額外国資本による参 加が可能となる。 (憲法第12 条第2節) ※憲法第12 条第2節(本憲法は、アキノ政権誕生後の 1987 年に制定された新憲法。関連 項目だけを抜粋。) 全ての公有地、水、鉱物、石炭、石油及びその他の鉱油、全ての賦存エネルギー資源、水 産、森林、野生動物、動物及び植物は、国によって所有される。農耕地を除いた全ての他 の天然資源は、譲渡されない。天然資源の探査、開発及び利用は、国の完全な管理、監督 の元に行われる。国は直接これらの活動を実施するか、或いは少なくとも60%の資本の所 有権を有するフィリピンの国民、会社、協会と共同生産、合弁事業もしくは生産分配に関 する契約を行うことができる。これらの契約は、25 年間を越えない期間とし、法律で決め られた規定や条件のもとで行われる。 議会は、法律を制定し、フィリピン国民による天然資源の小規模利用を認める。 大統領は、当国の経済成長及び一般的繁栄に合致する鉱物、石油及びその他の鉱油の大規 模な探査、開発及び利用に関して、外国所有法人と財政或いは技術援助を含む契約を締結 することができる。 大統領は、この条項に関して締結された全ての契約について、その実行から 30 日以内に 議会に対して通知することとする。 リストB 〔外資比率が40%以下に制限されている分野〕 第6項払込資本額が 50 万米ドル相当未満の輸出企業で、枯渇する天然資源を原材料とし て使用する場合。 (憲法第12 条第2節・共和国法 7042 号) なお、財政或いは技術援助契約(FTAA)は、政府が鉱物資源及び石油資源に限定して、 総投資額が5,000 万米ドル以上の大規模鉱業プロジェクトに対し 100%の外国所有権を認 めるサービス契約である。 以上、「1991 年外国投資法」制定後のフィリピンにおける鉱業投資の外資比率については 次のように解釈される。

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・鉱物資源の探査、開発及び利用に関する投資については、外資比率が従来通り40%以下 に制限される。 ・但し、総投資額が 5,000 万米ドル以上の大規模鉱業プロジェクトについては、100%の 外国所有権が認められる。 小規模鉱業への外資の参入は許可されない。 6-2. 通関 輸入品の課税価格は、以下の優先順位に基づき決定される。 (1) 取引価格を用いる方法 輸入品に対して実際に支払われた、または支払われるべき価格に、輸出港から輸入港ま での輸送費、保険料など、関税法により定められた加算要素を加えた価格を用いる方法。 (2) 同一品の取引価格を用いる方法 輸入品と同時かほぼ同時期に輸出された同一品の取引価格に基づき計算する方法。同一 品とは、物理的特長、品質などすべての点において、その輸入品と同一のものを言う。 (3) 類似品の取引価格を用いる方法 輸入品と同時かほぼ同時期に輸出された類似品の取引価格に基づき計算する方法。類似 品とは、輸入品とはすべての点においては同一ではないが、同様の特徴を有し、かつ、同 様の材料から成っており、輸入品と同じような使用が可能で、商業上の交換も可能なもの を言う。 (4) 推定価格を用いる方法 輸入品またはそれと同一あるいは類似する商品の、フィリピン国内での販売価格に基づ き計算する方法。 (5) 計算価格を用いる方法 輸入品の製造にかかった材料や加工の費用に、利益、輸入に関連する運賃、保険料など を積み上げて計算する方法。 (6) 代替価格を用いる方法 上記以外の合理的な方法を用いて、またフィリピン国内で入手可能なデータに基づいて、 決定する方法。 なお、(4)と(5)の優先順位は、輸入者の要請により、逆にすることが可能である 6-3. 金融 (1) 国内からの借入に関する規定 ・外資40%以上の場合 事前にIAC(Inter-Agency Committee:中央銀行、投資委員会、国家経済開発庁及び財務 省の代表により構成され、外国企業による国内借入に関する政策及び細則を監理し実施す る組織)に申請し、許可を取得する必要あり。 借り入れ枠についての制限は資本金との関係で以下の比率を維持することが義務づけら れている。

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BOI 及び PEZA に登録された輸出指向型企業 自己資本30:借入金 70 その他の製造業 自己資本35:借入金 65 非製造業自己資本40:借入金 60 ・外資40%以下の場合 フィリピンの地場企業と同様の条件で借り入れ可能。 (2) 海外からの借り入れに関する規定 外貨の借入は原則として自由だが、将来、元本返済及び利子の支払いにあたり銀行を経 由した外国為替を利用する場合、中央銀行の事前許可(中長期借入の場合)または登録(短 期借入の場合)が必要。(承認なしで借入も可。ただし、元本及び利子の返済にあたり外貨 を銀行以外から調達しなければならない。) 6-4. 労働 フィリピンにおける労働基準については、1974 年に制定された労働法典が基本となって いる。 最低賃金制については、1989 年に大きな改正が行われ、それまでほぼ全国一律に決めら れていた最低賃金は、都市部と地方の生活費格差、賃金面からの企業の地方誘致へのイン センティブ付与の必要性などから地方ごとに決定されることとなった。この改正に伴い労 働雇用省の付属機関として国家賃金生産性委員会(以下、「国家委員会」と呼ぶ)及び13 の地方三者賃金生産性委員会(以下、「地方委員会」と呼ぶ)が設置された。 この国家委員会は、政府からは労働大臣、国家経済開発庁長官及び国家委員会の事務局 長の3名、労使の代表としては、労働者側と使用者側が提出する候補者名簿に基づき労働 雇用大臣が推薦し、大統領が指名したそれぞれ2名の委員によって構成される。また、地 方委員会は労働雇用省、国家経済開発庁、貿易産業省の各々の地方事務所長3名の政府代 表者及びそれぞれ2名の労働者側及び使用者側からの委員によって構成される。 地方委員会は、国家経済開発プログラムの枠組の範囲内で経済的に実行可能であるとと もに労働者の健康、能率、福祉全般に必要な最低限の生活水準を維持するのに十分な最低 賃金を決定し、賃金命令を発布する。この賃金命令はその地域における有力な新聞のうち 少なくとも一紙に全文が発表されてから15 日後に発効する。 労働者の労働時間は通常1日8時間を超えてはならないと規定されており、ここでいう 労働時間には、(ア)労働者が職務を課されているか、または規定の場所にいるように要求さ れている全時間、(イ)労働者が労働することを黙認されている、または許可されている全時 間が含まれている。 なお、労働時間中の短時間の休憩時間は労働した時間とみなされる。 また、ある日の規定労働時間に満たない労働時間を他の日の時間外労働と相殺すること はできないと規定しており、変形労働時間制は認められていない。 フィリピンにおいては、食事休憩制度が規定されており、原則として使用者は60 分以

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上の食事のための休憩時間を与えなければならない。 週休日・法定祝祭休日・年次有給休暇については、使用者は、6日間の連続した労働日 ごとに24 時間以上の連続した休憩を与えなければならない。週休日を何曜日とするかは、 使用者が決定できるが、その際従業員が宗教的信念に基づき特別な曜日を週休日として選 好する場合には、それを尊重しなければならない。 6-5. 治安 外務省は、ミンダナオ地域への渡航の延期を勧告している。 アロヨ大統領主導の下、種々治安維持対策が講じられているが、フィリピン情勢は、引 き続き高いレベルの警戒が必要である。特に全国的に活動する反政府共産勢力の軍事部門 である新人民軍(NPA)及びミンダナオ地域を中心に活動する反政府イスラム勢力(モロ・ イスラム解放戦線:MILF)の存在に加え、アル・カーイダ、イスラム過激派のアブ・サ ヤフ・グループ(ASG)及びジュマ・イスラミーヤ(JI)等の国際テロ組織あるいはその 関連分子がテロを敢行する脅威は依然として排除されていない。また、2004 年 5 月に行 われた国政選挙は、比較的平穏裡に実施されたが、その後も政治的緊張は完全に解消され たとは言い難く、引き続き安全対策には万全を期す必要がある。同国へ渡航を予定される 方及び滞在されている方は、政治的な集会やデモ等には近寄らない、外国人や不特定多数 が集まる場所等(公共施設、レストラン、ショッピングモール、デパート、カフェ、ナイ トクラブ等)においては絶えず警戒する、夜間や裏通りの単独行動は避ける等、一般犯罪、 テロや誘拐の標的にならないよう注意する必要がある。 6-6. 交通 道路を含め輸送インフラの建設はまだ不十分である。長年にわたって投資が不足するま ま推移したため、インフラの整備は需要に追いつかない状況に置かれており、今後も継続 してインフラ整備を重視しなければならない。ラモス大統領時代からインフラへの投資を 見直す機運が高まっているが、投資はマニラ首都圏地域に集中する傾向にある。最も重要 な運輸手段である道路輸送は、貨物輸送の 60%、旅客輸送の 80%を賄い、水路は貨物の 40%、旅客の 10%を賄っている。遠隔地の島々への旅客の輸送は、空路の利用に依存する 傾向が強まっている。鉄道は、最小に留まっている。 6-6-1. 道路 道路網全長は16 万 1,000km である。うち、3 分の 2 が支線に相当するフィーダー・ロ ード(feeder road)と呼ばれる幹線道路に通じる 2 次的道路で、全天候型道路は半分以下で ある。舗装道路(コンクリートまたはアスファルト)は 17%のみである。フィーダー・ロー ドは概して貧弱であるが、その理由は①基準以下の工事で建設され、②保守が不十分なう え、③過剰に荷物を積んだ車の走行によって破損されやすいこと等である。橋梁も概して 貧弱であり、遠隔地の村では幹線道路に通じる支線がないところも少なくない。道路の建 設・改修プログラムが実施されており、ルソン島で①マニラのハイウエイの改修工事が行 われている他、②北部ルソン・ハイウエイのリハビリと近代化および③同ハイウエイのス

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ーゼック特別経済地域への延長工事も行われている。これらの道路建設拡張工事は、いず れもBOT 方式(build-operate-transfer)による民間資本の導入が予定されている。 6-6-2. 鉄道 鉄 道 網 は ル ソ ン 島 に 全 長 わ ず か に 740km の シ ン グ ル ・ ラ イ ン ・ ト ラ ッ ク が Bicol-Manila-Launion 間に施設されている。しかし、鉄道施設で利用されているのは、全 体のわずか5 分の 1 に過ぎず、早急な改善が必要である。マニラには近代的な鉄道が建設 されており、拡充工事が進められている。2000 年では同鉄道は、述べ 1.1 億人の旅客を輸 送している。 6-6-3. 海運 フィリピンの地勢からして船舶輸送と港湾サービスは極めて重要である。現在利用され ている港湾の数は、あわせて約1,500 にのぼる。うち、6 つの主要港、マニラ、セブ、イ ロイロ、カガヤンデオロ、サンボアンガおよびダバオで港湾利用の約80%を占める。内海 の島を巡る船舶輸送が旧式でかつ安全規制が貧弱、航行支援の設備が貧弱で特に灯台が不 足している。 6-6-4. 空港 国内に85 の空港があり、うち国際空港はマニラ、セブおよび General Santos の 3 つで ある。航空セクターの規制緩和によって空港サービスが改善されている。1998 年の Philippine Airlines (PAL)の民営化によって、資本が過剰に支出されたが、国内線が削減 されている。 6-7 電力 フィリピンはエネルギー需要の多くを海外に依存しており、石油価格が急騰した 1970 年代以来、海外のエネルギー資源に対する依存度を軽減させる努力を続けている。地熱発 電と水力発電の設備に対する投資が拡充しているため、国内のエネルギー資源の開発が進 み、国内資源への依存度がより高まっている。さらに、2001 年 10 月には、パラワン沖合 のマランパヤ・ガス田でのガス生産が開始され、国内資源の利用がさらに進んでいる。国 内の原油生産はごくわずかに過ぎず、エネルギー需要に重要な貢献をする見通しにはない。 また、国内の石炭は輸入需要を補足する役割を担っている。 発電事業はかつては、国家専有とされていたが、過去 10 年間では電力の供給不足に対 処し投資を進める必要性から、民間にも開放されている。1992 年にラモス大統領が登場し た折、マニラもその圏内に包括されるルソン発電網(grid)が 1,000MW の供給不足に直面し ていた。直接の原因は、1986 年から稼動が予定されていた 620MW の原子力発電計画が 挫折したことにある。新政権は電力拡充計画の早期着工に乗り出したため、1993 年からは 電力不足は軽減されている。1999 年末における発電能力は、1992 年末に対して 6,949MW 増に当る12,341MW である。増加分の多くは、BOT 契約によって建設されている。マラ ン パ ヤ ・ ガ ス 田 の 利 用 に つ い て も 、 設 備 の 建 設 は BOT 契 約 と と も に BOO(build-own-operate)契約が採用されている。地熱発電は今後最も長期間にわたって設

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備の拡充が期待される発電分野である。地熱発電の商業利用は1979 年から開始され、2000 年における能力は1,931MW の設備が建設されており、フィリピンはこの分野では世界で も米国に次ぐ第2 位である。エネルギー庁の電力開発計画によれば、2011 年までにさらに 990MW の設備の増設が見込まれている。

エネルギー分野の規制緩和が進められており、その最も重要な第一歩として、2001 年に は国営企業National Power Corporation (NAPOCOR)の民営化が予定されている。発電設 備と送電設備ともに25%のコンセッションで、資本の 51%が 2002 年後半以降の 5 年問で 売却される予定である。資本の所有比率または設備能力の支配権に対して制約が課せられ る。民営化後の経営は新たな立法機関に委ねられることになろう。ルソン島で頻繁に生じ ている停電は、発電設備でなく送電網のメンテナンスに問題があって生じているため、電 力の配送設備の早急な民営化が必要である。 7. 地質・鉱床概要 7-1. 地質概要 フィリピン群島は西太平洋にあり、ユーラシヤプレート、太平洋プレートおよびインド -ストラリヤプレートの三大プレート接合部のすぐ北に位置している。その北はBashi 海 峡、西は西Luzon 一 Manila Palawan 海溝、南は Sulu-Sabah リッジ複合帯および Cotabato 海溝、さらに東はPhilippine-東 Luzon 海溝によって境されている。

地質的にPalawan、西部、中央、および東部の 4 地域に区分される(第 7-1 図)。 第7-2 図に地質図を示す。

Palawan 地域は更に Palawan, Cuyo 陸棚、北西 Sulu 海盆および Cagayan de Sulu 海 嶺に分けられる。Palawan の北部には上部古生代から下部中生代の堆積物が分布し、早朝 ジュラ紀の広域変成・変形作用を受けている。中央~南部palawan は片岩類、チャート、 大理石および珪岩を伴う超苦鉄質岩を基盤とし、白亜紀~始新世の塩基性溶岩と砕屑岩が 被う。北西Sulu 海盆は厚い堆積岩を有する海底沈降部である。これは NE-SW 方向に伸 びる火山岩基盤をもつCagayan de Sulu 海嶺により南東 Sulu 海盆と隔てられている。

西部地域は間に海溝を挟む長く延び山脈を形成し、Philippine 変動帯の西側部分を占め、 北はIlcos から Zambales および Antiqu をとおり、Zamboanga-Sulu 区域にわたってい る。Ilcos 地域の最古の岩石は先第三紀の結晶片岩および珪岩で、これらは断層により白亜 紀-古第三紀の蛇紋石化かんらん岩と接し、所により始新世および中新世の堆積岩に被わ れている。Zambales 地域は、主にかんらん岩、ダンかんらん岩および斑れい岩からなる 超苦鉄質岩によって大部分を占められ、東部および北西部で輝緑岩岩脈複合岩体、枕状玄 武岩;上部始新世~下部漸新世の遠洋堆積物がこれを被って発達する。Antique 区域は中 新世の構造運動の結果生成されたと考えられるメランジュからなっている。Buruanga 半 島は二畳紀から上部三畳紀の変成岩からなる。Zamboanga 半島は Mindolo の基盤岩に類 似する変成した地向斜岩石が露出している。この基盤岩に衝上したオフィオライトが認め

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られる。これらを被って中新世堆積物及び火山岩類が発達し、さらに中性岩によって貫か れている。北東部は、第四紀火山岩により被れている。

中央部地域は、さらにBabuyan, Cageyan-Carabello、中央 Luzon, Bondoc-Sarangani、 中央Visaya、および Cotabato に区分される。Cagayan-Carabello 区域西部の中央 Luzon 山系は白亜紀~下部第三紀の変火山岩と変堆積岩類からなり、これらは石英閃緑岩と花崗 閃緑岩の底盤に貫かれ、さらに早期中部中新世の石灰岩と砕屑岩類に被われている。 Cagayan 堆積盆地は漸新世~更新世の浅海性砕屑物および炭酸塩岩で充たされている。中 央Luzon 堆積盆は中新世から鮮新世の堆積物により占められ、沈降と隆起を繰返した。中 新世およびそれ以降の中性~硅長質岩体がこれらの地層を貫いている。Minila 南方の地域 は第四紀火山岩類が卓越している。南部Botonga の古期岩類は弱変成の漸新世火山岩類、 砕屑性堆積岩および石灰岩からなり、中部中新世の閃緑岩およびトロニエム岩質の底盤よ り貫かれている。Bondoc-Sarangani 区域に入って、Bondoc 半島は SE 方向にプランジ する複背斜構造を有する中新世~更新世の堆積層からなる。Visaya 堆積盆は中央フィリピ ンの第三紀沈降部で、後期中新世から鮮新世のCubu 地背斜の隆起帯によりややさえぎら れている。Visaya 区域の基盤は主として白亜紀~下部第三紀の変火山岩類および変堆積岩 類で、これらは閃緑岩の岩株および底盤により貫かれている。

東部地域は、Sierra Madre, Bocol, Samar 高地および Diwata の区域に細分される。北 Sierra Madre は基本的にはオフィオライト・メランジュおよび島弧貫入岩の複合体で、一 部、安山岩質火山岩類と非変形の中部中新世石灰岩により被れている。南 Sierra Madre の基盤は上部白亜系および下部第三系からなり、これらは漸新世の閃緑岩質底盤により貫 かれる。西部Bocol 区域は緑色片岩、超苦鉄質岩、および変成火山岩類、白亜紀~下部第 三紀の砕屑岩類および石灰岩の衝上スライスからなり、この上を漸新世~中新世の堆積岩 および火山岩が被い、さらに中部中新世の閃緑岩に貫かれている。Samar の基盤は上部白 亜紀の変火山岩類および変堆積岩を主とし、チャートおよび超苦鉄質岩の衝上岩塊をとも なう。Diwata 区域は衝上とした苦鉄質-超苦鉄質岩、変成岩および堆積岩類からなり、 古第三紀の沈み込み帯であったと思われる。その北部は中新世の砕屑岩類および石灰岩に よって被れ、中部中新世の閃緑岩、安山岩および石英安山岩により貫かれている。 7-2. 鉱床概要 フィリピンでは、主として、金、銅およびラテライト質ニッケルの鉱化作用が顕著であ り、浅熱水性およびポーフィリーに関係した金鉱床および金に富む銅鉱床が広範囲に分布 しており、それに付随して金発見の高いポテンシャルを有している。Cu-Zn-Au を伴う黄 鉄鉱からなる別子型SEDEX 鉱床もまた見られ、初生 Ni、Cr および PGM は、広範な Ni ラテライトを伴ってオフィオライト中に認められる(Mining ProFile - Philippines, 11/1997)。

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金鉱床はフィリピン諸島内の随所に分布しているが、大規模な金鉱床の大半はフィリピ ン諸島を縦断するフィリピン断層沿いに見られる。金鉱床が断層とほぼ平行に配列してい ることから、Wisser(1952)はこの主要な断層と成因的に関係していると考えたが、この関 係は含金熱水溶液のための導管として、および含金石英脈形成の場として役立つ構造の形 成に限られている。稼行鉱山数、鉱床規模、および鉱山・探鉱地の分類に基づいて、5つ の 金 鉱 床 区 、 す な わ ち 、1) ルソン中央山岳地帯の西麓に沿う Baguio 金地区、2) CamarinesNorte の太平洋岸に沿う Paracale 金地区、3) Masbate 北西部の Masbate 金地 区、4) ミンダナオ北東部において、おそらく北方はレイテ南部、南方は AgusandelNorte まで延長するSurigao 金地区、および 5) ミンダナオ南東部の Masara 金地区が認められ る。 ポーフィリー銅鉱床は 1955 年にアトラス鉱山で生産開始後、国の総銅生産量への貢献 は、35%から 1982 年の 94%以上まで着実に増加してきた。この数十年間の銅生産量はフ ィリピンにおける年間総生産量の平均 90%を占める。1953 年以来、このタイプの鉱床は 100 以上発見され、そのうち、約 35 が成功し、開発あるいは生産に入っている。ポーフ ィリー銅鉱床は一般に白亜紀から鮮新世に貫入した閃緑岩-花崗閃緑岩ストックおよびプ ルトンと共生している。これらの貫入岩類から得られた最近のデータによると、貫入時期 は造山運動と関係しての3つの主要なエピソード(例えば、セブ島のLutopan 石英閃緑岩 のような白亜紀後期、ネグロスおよびボホールあるいは北シエラマドレ山脈における閃緑 岩類ストックのような始新世-漸新世、およびバギオ、バタンガス、マリンデュケ、ララ ップ半島およびダバオ地域におけるような中新世-鮮新世)を示す傾向がある。 (JMEC 平成14年度資源開発協力調査基礎調査プロジェクト選定調査報告書)

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第7-1 図 フィリピンの地質構造図

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第7-2 図 フィリピンの地質図 (200 万分の一東・東南アジアの数値地図(2004)から作成) 11 6.5 11 6 .5 12 1.5 12 1 .5 12 6.5 12 6 .5 128 12 8 4.5 4.5 9.5 9.5 14.5 14.5 19.5 19.5 Legend of Geology

Quaternary sedimentary rocks

Neogene to Quaternary sedimentary rocks Paleogene sedimentary rocks

Cretaceous to Paleogene sedimentary rocks Jurassic to Cretaceous sedimentary rocks

Paleozoic to Mesozoic sedimentary rocks Quaternary felsic volanic rocks Cretaceous felsic plutonic rocks Ultramafic rocks

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第7-3 図 フィリピンの鉱床位置図

(GSC Selected world mineral deposits database etc.から作成)

115 11 5 120 12 0 125 12 5 130 13 0 4 9 14 14 19 19 21 21 PHILIPPINE SEA SULU SEA SOUTH CHINA SEA

SULAWESI SEA LUZON PALAWAN MINDANAO MINDORO PANAY NEGROS BOHOL SAMAR Legend of Minerals Au Cr Cu Mo Ni PGE

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8. 鉱山概要 8.1 Nonoc 国名/地域 :Philippines/Dinagat 名前 :Nonoc 位置 :Dinagat 島の南端近くの Nonoc 島。 緯度・経度 :北緯 10 度 12 分、 東経 125 度 38 分 鉱床 鉱種 :Ni Fe 埋蔵鉱量 :75 百万 t 品位 :1.24%Ni 住鉱コンサルタント株式会社(2001): 世界のニッケル -資源の実態とその問題点― 鉱床タイプ :ラテライト 地質概要 :橄欖岩を母岩とする。ルソン島の東 Bicol から Mindanao 島東に続くオ フィオライト帯に位置する。本鉱床は褐鉄鉱型であり、サプロライト型 と比較してFe の含有量が高く、Ni の含有量が低い。 鉱化作用の年代:第四紀 11 5 11 5 12 0 12 0 12 5 12 5 13 0 13 0 4 9 14 14 19 19 21 21 Boyongan Carmen Dinkidi Far Southeast Hinatuan Mankayan Nonoc Rapu Rapu Rio Tuba Santo Tomas II Sipalay Taganito Tampakan Victoria Legend of Minerals Au Cu Ni

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8.2 Lepanto(Mankayan)

国名/地域 :Philippines/ Baguio 地区、Lepanto 名前 :Lepanto

位置 :Baguio 地区、Lepanto

会社名(権益比率):Lepanto Consolidated Mining 鉱床 鉱種 :Cu Au 鉱床タイプ :高硫化浅熱水性。鉱脈型鉱床。 地質概要 :古くから硫砒銅鉱およびテルル金を産する鉱脈型鉱床として知られて きたが、1987 年頃には酸化硫黄型熱水鉱床の典型例とされている。鉱床 は基盤岩の変火山岩類と石英安山岩質火山砕屑岩の間の不整合面と WNW 方向の断層との交差部に発達する断層破砕鉱化帯とこれから派生 する多数の平行脈からなっている。主要鉱石鉱物は硫砒銅鉱、ルソン銅 鉱である。金および銀はテルル化合物として産す。鉱床の南東端深部に、 金に富む斑岩銅鉱床(Far Southeast 鉱床)が、更にその南約 1Km に Victoria 金鉱床が発見されている。 鉱化作用の年代: 第四紀更新世(1.51±0.07Ma) 採鉱法 :坑内掘り 選鉱法 :浮遊選鉱。 副産物等 :Au

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8.3 Santo Tomas(Padcal)

国名/地域 :Philippines/Luzon

名前 :Santo Tomas (Padcal) Copper/Gold Mine 位置 :Luzon 島 Baguio 地域 Padcal

会社名(権益比率):Philex

鉱床 鉱種 :Cu Au 埋蔵鉱量 :108.44 百万 t

品位 :0.30%Cu Raw Materials Data August 2004 鉱床タイプ :ポーフィリーカッパー 地質概要 :変安山岩、玄武岩質溶岩と少量の堆積岩および凝灰岩からなる Pugo 層 に後期中部中新世に斑岩類が貫入して鉱床を生成した。鉱体は断面の大 きさが 400mx500m、急傾斜のパイプ状を示す。鉱化されている岩石 は主に角閃石英閃緑斑岩および変火山岩類である。銅鉱物は石英網状脈 や小脈に、あるいは鉱染状に産する。鉱石鉱物は黄銅鉱、斑銅鉱、磁鉄 鉱、金および銀鉱物である。 鉱化作用の年代: 後期中部中新世 発見の経緯 : 生産量 (直近 5 ヵ年) 生産開始年:1958 年 1999 2000 2001 2002 2003 粗鉱生産量Mt - 8 e 5 e 6 e 5 e 金属量t 20,900 21,100 15,500 18,400 21,000 e Raw Materials Data August 2004 採鉱法 :坑内掘り

(30)

8.4 Victoria

国名/地域 :Philippines/ Baguio 地区、Lepanto 名前 :Victoria

位置 :Baguio 地区、Lepanto

会社名(権益比率):Lepanto Consolidated Mining 鉱床 鉱種 :Cu Au 埋蔵鉱量・品位: 確定鉱量 4.17 百万 t、0.37%Cu, 6.68g/tAu 推定鉱量 2.68 百万 t、0.32%Cu, 6.89g/tAu 推定埋蔵量 2.45 百万 t、0.51%Cu, 7.66g/tAu 予想埋蔵量 9.56 百万 t、0.33%Cu, 8.03g/tAu (財)国際鉱物資源開発協力協会(2002) 鉱床タイプ :低硫化型浅熱水性鉱床。 地質概要 :この地域の基盤は、白亜紀~中新世の火山岩、堆積岩からなり、これを 母岩としてFar Southeast 鉱床(開発・別ファイル)がある。これを不 整合に覆ってLepanto(別ファイルあり)及び本鉱床の主要な母岩とな る鮮新世の石英安山岩が広く分布している。本鉱床は鉱脈型の含金石英 脈からなり、脈幅2-8m、水平延長 600mおよび垂直延長 300mの規模 を有する。走向はENE から NS 方向で、75-80 度南に傾斜している。 主な鉱石鉱物は方鉛鉱、閃亜鉛鉱、黄鉄鉱、黄銅鉱であり、四面銅鉱、 濃紅銀鉱、輝銀鉱、エレクトラムを伴う。鉱脈の一部には少量の硫砒銅 鉱が産する。鉱床の北約1Km には北西-南東方向に Lepanto 鉱床、お よびFar Southeast 鉱床が位置する。 鉱化作用の年代: 第四紀更新世(1.51±0.07Ma) 発見の経緯 : 生産量 (直近 3 ヵ年) 生産開始年:1997 年 2000 2001 2002 金属量Cu(t) 700 1,300 金属量Au(t) 5.177 4.654 3.6 Raw Materials Data August 2004

採鉱法 :坑内掘り

(31)

8.5 Rio Tuba 国名/地域 :Philippines/Palawan 州 名前 :Rio Tuba 位置 :Palawan 島南部 緯度・経度 :北緯 8 度 35 分、東経 117 度 24 分 会社名(権益比率):Rio Tuba 社 フィリピンと日本(1976 年当時、太平洋金属、日本鋼管、日新製鋼、日商岩井)の合弁企 業。 鉱床 鉱種 :Ni Fe 埋蔵鉱量 :9.6 百万 t 品位 :2.30%Ni 鉱床タイプ :橄欖岩を母岩とするラテライト。風化残留鉱床。 地質概要 :鉱床を伴う超塩基性岩は、北東ボルネオのオフィオライト帯の延長と推 定されるパラワンオフィオライト帯に属す。このオフィオライトは始新 世のチャート、スピライトを伴い、斑レイ岩、橄欖岩、ダナイトなどか ら構成される。それらは漸新世後期~中新世前期に定置したと考えられ ている。鉱床はこの超塩基性岩類の風化生成物であり、地表から20m付 近までが採掘の対象となっている。採掘対象の鉱石鉱物はサプロライト 中の珪ニッケル鉱(garnierite)である。 鉱化作用の年代:第四紀 生産量 (直近 5 ヵ年) 生産開始年:1976 年 年 1999 2000 2001 2002 2003 粗鉱生産量Mt 0.232 0.227 0.2 0.2 金属量 Ni t 5,000 e 6,000 e 5,000 e 10,000 e 10,000 e Raw Materials Data August 2004

2000 年の鉱石消費量:低品位鉱石 1.08 百万 t、 2mm鉱石 0.867 百万 t(1.26%Ni, 0.094%Co) 採鉱法 :OP 金属回収法 :加圧酸リーチング 副産物等 :Co(750t), 備 考 :住友金属鉱山など日系企業との合弁で、Palawan 島 Bataraza で高圧硫酸浸出 法により年間約1 万 t Ni,約 700t Co を生産する精錬施設の建設が進展している。 2004 年半ばの生産開始を目指している。既に環境適合証(ECC)を取得してい る。企業費US$150 百万。

(32)

8.6 Hinatuan 国名/地域 :Philippines/Mindanao 島北東端 名前 :Hinatuan 位置 :Mindanao 島北東端 会社名(権益比率): Hinatuan 鉱床 鉱種 :Ni

埋蔵鉱量 :資源量 1.744 百万 t 2.30%Ni, 11.50%Fe, 0.09%Co

住 鉱 コ ン サ ル タ ン ト 株 式 会 社(2001): 世界のニッケル -資源の実態とその問題点―より引用 (Philippine の Bureau of Mines and Geosciences 1986)

鉱床タイプ :ラテライト・ニッケル 地質概要 :オフィオライト帯 鉱化作用の年代:第四紀 生産量 (直近 5 ヵ年) 年 1999 2000 2001 2002 2003 粗鉱生産量Mt 0.075 0.2 e 0.2 e 0.2 e 金属量 Ni t 2,500 e 5,000 e 6,000 e 7,000 e 7,000 e Raw Materials Data August 2004

(33)

8.7 Surigao 国名/地域 :Philippines/Mindanao 名前 :Surigao 位置 :Mindanao 島北東部 緯度・経度 :北緯 9 度 51 分、東経 125 度 37 分 鉱床 鉱種 :Ni Fe 埋蔵鉱量・品位:66.6 百万 t 1.23%Ni(R1E) 2,694 百万 t 0.75%Ni(R2S) 住鉱コンサルタント株式会社(2001): 世界のニッケル -資源の実態とその問題点― 鉱床タイプ :ラテライト 地質概要 :ダナイトを母岩とする。 鉱化作用の年代:第四紀 採鉱法 :露天掘り 8.8 Taganito 国名/地域 :Philippines/Mindanao 島北東部 名前 :Taganito 位置 :Marinduque 島北部 会社名(権益比率): Taganito 鉱床 鉱種 :Ni 鉱床タイプ :ラテライト・ニッケル 地質概要 :オフィオライト帯 鉱化作用の年代:第四紀 発見の経緯 : 生産量 (直近 5 ヵ年) 年 1999 2000 2001 2002 2003 粗鉱生産量Mt 0.45 0.2 e 0.5 e 0.5 e 金属量 Ni t 12,000 e 5,000 e 11,000 e 10,000 e 10,000 e Raw Materials Data August 2004

(34)

9. 新規鉱山開発状況 9.1 Victoria II

国名/地域 :Philippines/Luzon 島北部 名前 :Victoria II

位置 :Luzon 島北部。Lepanto FSE プロジェクトの南約 1Km. 会社名(権益比率):Lepanto 社 鉱床 鉱種 :Au 埋蔵鉱量 :金130 万 oz 地質概要 :同鉱床は、VictoriaⅠ鉱体の南西に位置し、Nayak 地域に至る南方に 約900m 延びており、VictoriaⅠとは別系統の新たな銅・金鉱床とみら れる 発見の経緯 :1995 年

金属資源レポート 2004.05 Vol.34 No.1 特集号:世界の鉱業の趨勢 JOGMEC

9.2 Boyongan

国名/地域 :Philippines/Surigao del Norte, Mindanao 名前 :Boyongan

位置 :Surigao, Mindanao 島

緯度・経度 :北緯9 度 42 分 00 秒、 東経 125 度 34 分 00 秒 会社名(権益比率):Silangan Mindanao Mining Company Inc.

Philex Gold, Anglo American の J/V 鉱床 鉱種 :Cu Au 鉱床タイプ :ポーフィリーおよび鉱脈型 地質概要 :斑状閃緑岩を母岩とする。2002 年の試錐で 950mx500mの範囲で 0.5%Cu 換算の鉱化域を把握(内、500mx350mの範囲は 1%Cu 換算) した。また初生硫化物鉱化も把握している。試錐で339m、1.68%Cu,2.64 g/tAu(内、187m、2.58%Cu, 4.47g/tAu)に着鉱しており大規模鉱床 が期待されている。 発見の経緯 :2000 年 8 月に現在の J/V による探鉱で発見される。 備考 :1999 年 MPSA を得る。

(35)

9.3 Carmen (Toledo) 国名/地域 : Philippines/Cebu 島 名前 : Carmen (Toledo) 位置 : Cebu 島、Toledo 市 会社名(権益比率):Minoro 鉱床 鉱種 :Cu 埋蔵鉱量 :資源量 850 百万 t 品位 :0.41%Cu 鉱床タイプ :ポーフィリーカッパー 地質概要 :早期白亜紀の石英閃緑岩、斑岩の貫入に伴い2 つの断層の間に生成さ れたポーフィリーカッパー。Lutopan, Carmen, Biga の 3 鉱体よりなる。 鉱化に伴う変質作用は緑泥石化、珪化、絹雲母化および黒雲母化である。 Carmen 鉱体は NNE の方向に 1300m延長し、幅 400mを示す。鉱石鉱 物は主に黄鉄鉱、黄銅鉱よりなり、少量の斑銅鉱、輝水鉛鉱、磁鉄鉱を 伴う。 鉱化作用の年代:早期白亜紀末期 開発計画 :2001 年再開予定だったが未だ再開されず。 開発の概要:年間採掘量 12.20 百万 開発費 :US$124 百万 副産物等 :Au, Ag, Mo 備 考 :1955 年に生産を開始し 1982 年までに 170 万 t の銅を生産していた。 その後も生産を続け1992 年には 546 万 t の鉱石を採掘し 16,800tCu を生産している(infoMine)。現在は休山している。 9.4 Dinkidi

国名/地域 :Philippines/Kasib 州、Nueva Vizcaya 州 名前 :Dinkidi(Didipio)

位置 :Manila の北東 200Km。

緯度・経度 :北緯16 度 20 分 00 秒、東経 121 度 27 分 00 秒 会社名(権益比率):Climax Arimco Mining

鉱床 鉱種 :Cu, Au 埋蔵鉱量 : 1)1,770 万トン 0.67% Cu, 2.37g/t Au 金属鉱業事業団(2001. 5) 2)露天掘り対象 高品位鉱 0.577 百万 t、3.8g/tAu 低品位鉱 1.340 百万 t、1.34g/tAu

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