第13回 東京都輸血療法研究会報告書
目 次
1
開会の挨拶
笹井 敬子 東京都福祉保健局保健政策部長2
献血功労者厚生労働大臣感謝状伝達式
東京都知事感謝状贈呈式
3
献血セミナー
~献血は命と笑顔をつなぐ愛~
「献血の現状と課題について」
田口 淳一 東京都赤十字血液センター4
基調講演
血液製剤の管理
~医療機関における血液製剤の取り扱いの注意点~
座長 阿部 敦子 東京都福祉保健局保健政策部疾病対策課 講師 松﨑 浩史 東京都赤十字血液センター5
輸血療法Q&A
座長 半田 誠 慶應義塾大学 輸血・細胞療法センター 奥山 美樹 東京都立駒込病院 輸血・細胞治療科 (1) 赤血球型検査(赤血球系検査)ガイドライン改訂のポイントについて教えてください。 奥田 誠 東邦大学医療センター大森病院 輸血部 (2) 輸血後の副作用監視について、どのように管理したらよいでしょうか? 田崎 哲典 東京慈恵会医科大学附属病院 輸血部6
輸血療法シンポジウム
テーマ:血液製剤の適正使用の推進
座長 今井 康文 青梅市立総合病院 臨床検査科 牧野 茂義 虎の門病院 輸血部 イントロダクション:血液製剤の適正使用の推進 藤田 浩 東京都立墨東病院 輸血科 (1) 東京大学病院における適正使用の取り組み 岡崎 仁 東京大学医学部附属病院 輸血部 (2) 多摩北部医療センターにおける適正使用の取り組み 星野 真理 多摩北部医療センター 検査科 (3) 大久保病院における適正使用の取り組み 上杉 正好 大久保病院 検査科 ディスカッション3
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第13回 東京都輸血療法研究会報告書
目 次
1
開会の挨拶
笹井 敬子 東京都福祉保健局保健政策部長2
献血功労者厚生労働大臣感謝状伝達式
東京都知事感謝状贈呈式
3
献血セミナー
~献血は命と笑顔をつなぐ愛~
「献血の現状と課題について」
田口 淳一 東京都赤十字血液センター4
基調講演
血液製剤の管理
~医療機関における血液製剤の取り扱いの注意点~
座長 阿部 敦子 東京都福祉保健局保健政策部疾病対策課 講師 松﨑 浩史 東京都赤十字血液センター5
輸血療法Q&A
座長 半田 誠 慶應義塾大学 輸血・細胞療法センター 奥山 美樹 東京都立駒込病院 輸血・細胞治療科 (1) 赤血球型検査(赤血球系検査)ガイドライン改訂のポイントについて教えてください。 奥田 誠 東邦大学医療センター大森病院 輸血部 (2) 輸血後の副作用監視について、どのように管理したらよいでしょうか? 田崎 哲典 東京慈恵会医科大学附属病院 輸血部6
輸血療法シンポジウム
テーマ:血液製剤の適正使用の推進
座長 今井 康文 青梅市立総合病院 臨床検査科 牧野 茂義 虎の門病院 輸血部 イントロダクション:血液製剤の適正使用の推進 藤田 浩 東京都立墨東病院 輸血科 (1) 東京大学病院における適正使用の取り組み 岡崎 仁 東京大学医学部附属病院 輸血部 (2) 多摩北部医療センターにおける適正使用の取り組み 星野 真理 多摩北部医療センター 検査科 (3) 大久保病院における適正使用の取り組み 上杉 正好 大久保病院 検査科 ディスカッション7
閉会の挨拶
藤田 浩 東京都輸血療法研究会 世話人代表第 1 3 回 東 京 都 輸 血 療 法 研 究 会 報 告 書 本日はお忙しいところ、東京都輸血療法研究会にご出席をいただきまして誠にありがとうご ざいます。 この研究会は、毎年、東京都と東京都赤十字血液センターとの共同開催により実施しており、 今回で13 回目となります。毎回、輸血療法に関して各医療機関からご要望をいただきまして、 その課題の中からテーマを設定して、多くの医療関係者の方々にご参加をいただいています。 さて、近年、輸血を必要とする高齢者や、医療技術の進歩に伴う血液製剤の需要が増加する 一方、少子高齢化の急激な進展により、国内では若年世代の献血が減少し、血液確保対策や輸 血療法における血液製剤の安定供給と適正使用を中心にする対策がますます重要な課題とな っています。 東京都では、趣向を凝らした献血キャンペーンを実施するなど、普及啓発に努めており、昨 年は都内で約58 万人の方々に献血にご協力をいただきました。 こうした中から、本日の研究会の第1 部の初めに、今年度の献血功労者の皆さま方の表彰式 を行います。本年度は、厚生労働大臣感謝状を2 団体、東京都知事感謝状を 4 団体が受賞さ れており、受賞される皆さま方のこれまでの功績に対しまして、あらためて敬意を表しますと ともに、日ごろから献血にご協力をいただいている方々、関係者の方々のご尽力に対しまして、 東京都として心から感謝を申し上げます。 また、続いての献血セミナーでは、「献血の現状と課題」について、東京都赤十字血液セン ターからのご報告をお願いしています。 続いて第2 部では、血液製剤の管理について、東京都赤十字血液センターからの基調講演と、 輸血療法に関する2 つの質問に対して、専門医の先生方からお答えをいただきます。 その後の輸血療法シンポジウムでは、「血液製剤の適正使用の推進」をテーマとして、ご講 演などを予定しており、ディスカッションの時間を設けておりますので、ご参加の皆さま方か ら活発なご議論を賜りたいと思っています。 最後になりますが、本日の研究会が実り多いものとなりますよう祈念をいたしまして、私か らの開会の挨拶とさせていただきます。本日は最後まで、どうぞよろしくお願いいたします。
開会の挨拶
1
東京都福祉保健局保健政策部長笹
井 敬 子
献血功労者厚生労働大臣感謝状伝達式
東京都知事感謝状贈呈式
2
厚生労働大臣感謝状受賞者(2団体)
(敬称略)法政大学 市ケ谷キャンパス ボランティアセンター
江戸川区赤十字奉仕団 松江北分団
東京都知事感謝状受賞者(4団体)
(敬称略)西濃運輸労働組合 足立東分会
足立区立第十三中学校PTA
東京ガス株式会社 北部導管ネットワークセンター
江戸川区赤十字奉仕団 西小松川分団
献血セミナー
~献血は命と笑顔をつなぐ愛~
献血の現状と課題について
3
東京都赤十字血液センター田
口 淳 一
【スライド1】 東京都赤十字血液センターの田口でござい ます。 日ごろより皆さま方には、血液事業に深い ご理解とご協力を賜りまして誠にありがとう ございます。また、本日受賞されました皆さ ま方には、あらためまして心からお祝いを申 し上げます。今後とも献血運動につきまして、 温かいご支援ご協力を賜りますようお願い申 し上げます。 それでは、本日の私のテーマであります「献 血の現状と課題について」、お話を進めさせていただきます。 【スライド2】 このスライドは、全国の献血者数の推移で あり、棒グラフが献血者の推移を示したもの でございます。一番右の棒グラフが、昨年 (2013 年)の献血者でございます。約 520 万 人、ここ数年はほぼ横ばいでございます。 一方、折れ線グラフは、それを年代別に表 したものでございます。特に20 代で、右肩下 がりが非常に顕著に表れているところです。 これが血液事業にとって、1 つの大きな課題と なっているところでございます。 また、10 代につきましても、右肩下がりは 20 代とほぼ同じところですけれども、一昨年、昨年 1 つ明るい材料を得第 1 3 回 東 京 都 輸 血 療 法 研 究 会 報 告 書 第 1 3 回 東 京 都 輸 血 療 法 研 究 会 報 告 書 【スライド6】 これは、都内で輸血を受けた患者さんの疾 病の分布でございます。一番多いところは悪 性新生物、続いて血液・造血器の疾患で、合 わせると約5 割を超えているところでござい ます。 【スライド7】 これは先ほどの供給量の分布ですが、先ほ どの疾病に対して製剤別に見ますと、その半 分が血小板製剤で占められていることがわか ります。 【スライド8】 それでは次に、今年の主なトピックスを 3 点ばかりお話しいたします。 まず、今年の5 月から新しいシステムの運 用を開始いたしました。これにより、従前は 紙ベースだった献血申込みや問診などが全て タブレットを使用したシステムへ変更され、 電子カルテ化されたところでございます。 【スライド3】 これは全国の輸血用血液の供給量です。 2013 年の供給量は、200mL 換算本数で約 1,850 万本、昨年より約 30 万本減少しており ます。赤血球製剤、血漿製剤、いずれもほぼ 横ばいか、若干減少傾向であります。 その一方で、血小板製剤につきましては若 干上向き傾向が続いているところでございま す。 【スライド4】 これは、全国および東京都の採血数・供給 数をまとめたものでございます。上段の表は 2013 年の採血数で、全国が 520 万人、東京 都は 58 万 5,000 人ほどですから、東京都は 全国に占める割合が11%ぐらいございます。 一方、下段の表は全国の供給数でございま す。東京都の占める割合は12%ほどと、若干 供給数の割合が多くなっているところでござ います。 【スライド5】 これは、都内での献血者と輸血を受けた方 を年代別に示したものです。献血者の年代は、 50 歳以下で 80%を占めております。一方、 輸血を受けた患者さんは、50 歳以上で約 85% を占めているということで、このように若い 世代の献血者が高齢者の輸血医療を支えてい ることがよくわかります。少子高齢化の中で、 今後、厳しい現実が続くことが予想されてい るところでございます。
第 1 3 回 東 京 都 輸 血 療 法 研 究 会 報 告 書 第 1 3 回 東 京 都 輸 血 療 法 研 究 会 報 告 書 【スライド9】 次にこちらの赤帯のお知らせ(輸血用血液 製剤の更なる安全対策の実施について)は、 皆さんご存じのことと思います。NAT に関す るお知らせでございます。先ほど、わがセン ターの所長からも若干お話がございましたけ れども、日本赤十字社では平成 11 年から、 HBV・HCV・HIV の 3 種のウイルスに対す る500 検体プールスクリーニングを導入して おります。 そして、平成 12 年に検体のプールサイズ を50 検体に、また平成 16 年には 20 検体に変更したところでございます。そして、さらなる安 全性の向上を目的に、本年8 月 1 日から個別検体による NAT スクリーニングを開始しました。 【スライド10】 NAT は、このパンサーという名前の装置で 検査を行っております。大変コンパクトなも のでございます。試薬と検体をセットし、ス タートボタンを押すだけで、あとはフルオー トで全ての検査を行ってしまうという非常に 便利なものでございます。 これまでの20 検体プール NAT に比べて、 ウインドウ期の短縮が期待されますけれども、 ウインドウ期がまったくゼロとなるわけでは ございません。日本赤十字社としましては、 これからもより安全な血液をお届けできるよう努力していく所存ですが、皆さまにおかれまして も、さらなる適正使用の推進をお願いいたします。 【スライド11】 次は、皆さまもよくご承知のデング熱のこ とでございます。日本赤十字社では、8 月の 末より感染防止対策を行っております。具体 的には、献血の制限や献血後の熱発等につい て確認させていただいているところですが、 これによる献血者からの問い合わせや献血後 の自己申告について、特に大きな問題はござ いませんでした。しかしながら、このスライ ドのような看板や、また連日のメディア報道 などで、都内における献血者数の減少は避け られないところでございました。 【スライド12】 こちらが献血をご遠慮いただく訪問先の場 所です。最後に行かれてから4 週間は献血を ご遠慮いただいておりますが、当センターの 主要ルームがある渋谷、新宿に非常に隣接し た地域ですので、献血者数に少なからず影響 があったと考えられます。 【スライド13】 最後に、新しくなった献血ルームの紹介を させていただきます。ここから一番近い献血 ルームであります都庁献血ルームが、去年12 月にリニューアルされました。
第 1 3 回 東 京 都 輸 血 療 法 研 究 会 報 告 書 第 1 3 回 東 京 都 輸 血 療 法 研 究 会 報 告 書 【スライド14】 続いて、新宿西口の献血ルームも本年9 月 にリニューアルされました。 【スライド15】 これは、今の新宿西口献血ルームの中の様 子でございます。 両ルームとも、ここから非常に近い所にご ざいます。ぜひ今日いらしている方も含めて、 都庁の職員の方々、皆さん一度お立ち寄りい ただければと思っております。 【スライド16】 最後になりますけれども、本年 12 月に新 宿に都内 15 番目の献血ルームが開設されま す。どうぞお近くをお通りの際は、ぜひ一度 お立ち寄りいただければと思います。 【スライド17】 以上、「献血の現状と課題について」を報告 させていただきました。 終わりに当たり、日ごろから献血にご協力 いただいています方々、輸血医療に携わって おられます先生方に深く御礼を申し上げると ともに、今後とも引き続きご支援ご協力を心 からお願い申し上げます。 ご清聴ありがとうございました。
基調講演
血液製剤の管理
~医療機関における血液製剤の取り扱いの注意点~
4
〔座長〕 東京都福祉保健局保健政策部疾病対策課阿
部 敦 子
〔講師〕 東京都赤十字血液センター松
﨑 浩 史
(座長:阿部先生) 引き続き第2 部の冒頭、座長を務めさせていただきます。 第 2 部の開催に当たりまして、一番最初に基調講演ということで、東京都赤十字血液センター 副所長の松﨑先生からご講演をいただきます。 先ほど笹井部長のご挨拶でありましたように、この輸血療法研究会のプログラムにおきましては、 医療機関の皆さまから最も関心が高いと思われるテーマを検討いたしまして、その中から毎年テー マを決めております。今年は「血液製剤の管理 ~医療機関における血液製剤の取り扱いの注意点 ~」ということで、実際の皆さまの職場で役立つようなことを想定したお話をしていただけると思 います。 では松﨑先生、早速お願いいたします。 【スライド1】 (講師:松﨑先生) ご紹介いただきました松﨑です。よろしくお 願いいたします。 本題に入る前に、皆さんの資料の中にパンフ レ ッ ト を 入 れ さ せ て い た だ い て お り ま す 。 HBIG(抗 HBs 人免疫グロブリン)という薬が あります。B 型肝炎の母子感染予防、あるいは 針刺し事故の治療、肝移植時の再燃予防に使わ れる薬です。国内自給率が非常に低いというこ とで、2.2%しかありません。 【スライド2】 国が、ワクチン接種をすでにされている方、 日本では医療従事者の方になると思いますが、 そういう方に追加ワクチン接種をして、抗体 価を上げて原料血漿を確保するということを 始めることになり、血液センターがそれに協 力するということになっております。 先ず隗より始めよということで、血液セン ターの職員にワクチン接種をしております。 私もワクチン接種をいたしまして、今度、献 血に行くことになっておりますが、日赤病院 あるいは医療従事者の方、献血に来てくださっている医療従事者の方に、今後、広げてまいりた いと思っております。ワクチン接種、あるいは献血にご協力くださいというお手紙が行く、ある いはアナウンスいたしますので、どうぞご協力をお願いいたします。 【スライド3】 【スライド4】 本題に入ります。血液は社会の財産である と思っています。適正使用、無駄のない供給 をしていかなければなりません。院内の血液 関連について、本日は赤血球については温度 管理、手術用血液の管理、FFP については融 解方法と融解後の製剤管理、血小板について は混入細菌と使用時の注意点というところで第 1 3 回 東 京 都 輸 血 療 法 研 究 会 報 告 書 第 1 3 回 東 京 都 輸 血 療 法 研 究 会 報 告 書 【スライド5】 これは赤血球製剤です。皆さんよくご存じ のとおりで、2~6℃で保存しまして、21 日間 の使用期限ということになっております。 【スライド6】 赤血球製剤には、ほかに3 種類の二次製剤 というものがあります。二次製剤というのは、 先ほどの赤血球製剤から加工してつくられた ものです。洗浄赤血球、解凍赤血球、合成血 の3 種類です。赤血球ですので保存温度は同 じです。製造後の使用期限が以前は12 時間、 あるいは 24 時間だったものが、このように 延長されています。これは閉鎖回路で処理が できるようになったことで、使用期限を延長 できるようになりました。皆さんの利便性の 向上、あるいは供給の利便性の向上になると考えております。 【スライド7】 これは関東甲信越ブロック血液センター (辰巳)の中です。献血していただいた血液 は、このように白血球除去をします。 【スライド8】 供給に際しては温度を上げないように、供 給作業中もこのような下から冷風が出てくる コールドベンチといわれる作業台上で作業を するようにしております。 【スライド9】 病院の中では、30 分ルールというのがあろ うかと思います。輸血部から病棟などに出て、 戻ってきて 30 分以内であれば、ほかの患者 さんに転用できるといわれております。30 分 ルールというのは、海外でもいろいろなこと が言われているわけですが、AABB(アメリ カ血液銀行協会)の抄録の中に、FDA(アメ リカ食品医薬品局)が「院内で出庫した未使 用の血液を再利用できるのは 1~6℃であっ たものである」と回答したとあります。 従来の 30 分ルールとやや話が違うということで、これに従うとどうなるかが検討されていま す。戻ってきた血液温度は出庫して 10~15 分で 7℃を超えているということが、この研究で分 かりました。赤血球の2011 年と 2012 年、30 分ルールであったときと、7℃以上になったときの 廃棄の具合を見ますと、廃棄量が2 倍になったということです。30 分が 10~15 分になり、期限 が半分になったので廃棄が倍になったということです。結論は、数として大したことはなく、経 営にも影響がないので、この病院では 7℃以上のルールで今後もやっていくというお話でありま した。
第 1 3 回 東 京 都 輸 血 療 法 研 究 会 報 告 書 第 1 3 回 東 京 都 輸 血 療 法 研 究 会 報 告 書 【スライド10】 RBC を室温に置いたとき、血液の温度はど のように変化するのかですが、辰巳の製剤課 の方に検査をお願いしました。4℃に保存し た赤血球(LR-2)が 6℃を超えるまでの時間 はどれぐらいか、室温に1 時間放置したら何 度になるのかということで、血液バッグに針 を刺して血液温度と、バッグ表面の温度の推 移を見ていただきました。 【スライド11】 6℃を超えるまでの時間は、室温が 25℃で あると 10 分 50 秒ということで、先ほどの 10~15 分で 7℃を超えると、アメリカでもそ うであったように同じような結果でありまし た。バッグ表面温度はもっと早く上がってし まいます。それから室温1 時間放置のときの 温度は何度になるのか。25℃で見ますと、1 時間放置で 13.2℃になるということであり ました。 では何℃に、血液を置いておけばよいのか ということになります。問題は、たぶんバクテリアかなと。バクテリアはどれぐらい増えるのか というのは、実はデータはないわけですけれども、30 分でバクテリアが増えるとも思えませんの で 30 分ルールでもいいのかなと思いますが、事実はこういうことですので、これを基に今後お 話がされていくかもしれないと思っております。 【スライド12】 そういう事態を防ぐために、今は温度管理 のできる移動可能な血液保管装置があります。 この装置は、持ち運びでき、2~6℃に血液を 保管できます。バッテリーが付いております ので、移動中も外に出ている間も、あるいは コンセントを差せば固定用の保冷庫になりま あるいは廃棄を少なくしたいということであれば、このような道具も利用するとよいかと思いま す。 【スライド13】 手術用血液の準備については、いろいろ方 法がありますが、今からお話しするのは準備 血液量について外科医と話し合う方法です。 輸血部の先生は内科の先生が多いと思います し、かつ技師さんが外科医とやりとりをする のは非常に難しいと思われます。 【スライド14】 Type and Screen(T&S:血液型不規則抗
体スクリーニング法)というのは、1977 年に 言われ出した 50 年前のお話であります。こ れは輸血する可能性がほとんどない手術に対 してのことであって、内容は皆さんよくご存 じで教科書にもあります。 【スライド15】 MSBOS(Maximal Surgical Blood Order
Schedule:最大手術血液準備量)というのは、 輸血をすることが予想される待機手術での血 液の準備方法で、従来の出血量の1.5 倍の準 備をしましょうというものです。しかし、こ れも50 年前に提唱されたものです。
第 1 3 回 東 京 都 輸 血 療 法 研 究 会 報 告 書 第 1 3 回 東 京 都 輸 血 療 法 研 究 会 報 告 書
【スライド16】 SBOE(Surgical Blood Order Equation:
手術血液準備量計算法)は、前の2 つよりも 新しいわけですが、同じ手術でも、患者さん ごとにヘモグロビン値が違えば準備する血液 量が違うでしょうということで、それを加味 したものです。 【スライド17】 MSBOS は平均的輸血量の 1.5 倍、SBOE については、患者さんのヘモグロビン値によ って体内にある出血許容量が違いますという ことで、同じ出血量でも準備する血液量が違 います。これはデータを取ったり計算したり、 なかなか面倒なお話でございます。 【スライド18】 私が提案しているのは、外科医に実際に使 用する量と予備の量を別々にオーダーしても らう方法です。外科医はそれぞれを合算して オーダーします。頭の中でざっくり計算して オーダーしますが、それをきちんと2 つに分 けて、使用する量と予備の量を分けてくださ いと。それで、SBOE や MSBOS をカバーで きると思います。 これは外科医の経験だったり、患者さんの 状態を外科医は知っておりますので、出血量 使用量が少ないのに予備量だけ頼んでくる先生には、ちょっとこれはどういうことですかという お話ができるだろうということで、先ほど申しましたように外科医と話をするための情報収集だ と考えますと、こういう方法でも手術用血液の準備に対してはディスカッションができるのでは ないかと思います。 【スライド19】 新鮮凍結血漿については、このように- 20℃以下で保存して、1 年間の使用期限があ りますが、6 カ月間は血液センターで貯留保 管をしていますので、病院に届いたときは 6 カ月以下の使用期限であることは皆さんご存 知のとおりです。 【スライド20】 病院では融解の仕方を注意していただきた いと思います。熱湯をかける、電子レンジを 使うことはやめてください。図のように温度 計を使って温度が管理できたところで、解凍 します。 血液はタンパク質なので、熱い温度ですと 変性します。例えば皆さんがお湯に手をつけ られないような熱いものであれば、その血液 は変性するということです。やけどをするわ けです。ですから、凍結血漿は手をつけられ るような温度の中で解凍しないといけないということになります。そうなりますと、だいたいお 風呂の温度ということになりますので、42℃ぐらいまででしょうか。冷たいと感じると 37℃以下 です。