第二期検索として、医学書院 標準小児外科学に記載されている小児固形腫瘍(リンパ腫 を除く)関して、第一期検索と同様に、Scopus で文献検索を行い、同様の基準をクリアし た9 論文(以下、No.16~24)をセレクトし要約した(平成 23 年 3 月)。
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A double-blind randomized placebo-controlled study of oral glutamine in the prevention of mucositis in children undergoing hematopoietic stem cell transplantation: a pediatric blood and marrow transplant consortium study
Aquino VM, Harvey AR, Garvin JH, et al
Bone Marrow Transplantation 36: 611-616, 2005.
【背景】造血幹細胞移植(HSCT)のレシピエントにおいて粘膜炎は頻度の高い 重篤な合併症である。その対処法は、主に経静脈的な麻薬鎮痛剤の投与、TPN を用いた支持療法となる。粘膜炎を予防する様々な試みがあるが、効果はまち まちである。グルタミンは化学療法を受けている小児の粘膜炎発症を予防する 効果があるとされ、成人 HSCT レシピエント対象の RCT では様々な結果が出て いる。
【方法】1998 年 4 月から 2002 年 12 月に pediatric blood and marrow transplant consortium 参加施設で HSCT を受けた 21 歳以下、NCI 基準で gradeⅢ~Ⅳの粘 膜炎を起こすリスクが 50%以上の移植前処置レジメンを使用する患者が対象。 二重盲検法の手法でグルタミンとプラセボとしてグリシンの2群にランダムに わけ、入院日から移植 28 日後までもしくはそれより退院が早ければ退院までの 期間、用量を 1 日 2 回 2g/m2 /dose(最大 4g)、500mg/ml で溶解して投与した。バ ンコマイシンや他の非吸収抗生物質入り軟膏は使用しないこととしたがそれ以 外の口腔ケアは各施設基準に準じた。麻薬鎮痛剤の投与、TPN の使用も各施設 基準に準じた。粘膜炎は修正 Walsh スケールを用いて評価した。 【結果】120 人が本研究の対象となり、57 人がグルタミン、63 人がグリシンの 投与を受けた。HSV 陽性患者がグリシン群で高い以外は性別や年齢、原疾患、 TBI、移植の形式や幹細胞の供給源などに関しては両群間で有意な差はなかった。 なお、HSV 陽性患者には発症予防のためにアシクロビルが投与されている。平 均の粘膜炎スコアはグルタミン投与群とグリシン投与群で 3.0±0.3 対 3.9±0.4 (P = 0.07)となった。経静脈的な麻薬鎮痛剤の使用日数はグルタミン群では 12.1±1.5 日、グリシン群では 19.3±2.8 日であり、有意に減少した(P = 0.03)。TPN の日 数もグルタミン群では 17.3±1.7 日、グリシン群では 27.3±3.6 日であり、有意に 減少した(P = 0.01)。一方で病院滞在日数や菌血症のエピソードの有無、さらに 考えうる副作用(腎不全や静脈閉塞性疾患、アンモニアの上昇など)に関して
は両群間に統計的有意差はなかった。
【結論】グルタミン投与は粘膜炎の予防に安全で有益であり、経口でのグルタ ミン補充は幹細胞移植患者に対する支持療法ではルーチンに行う必要があると 考えてよいのではないか。
17.
Serial controlled N-of-1 trials of topical vitamin E as prophylaxis for chemotherapy-induced oral mucositis in paediatric patients
Sung L, Tomlinson GA, Greenberg ML, et al. Eur J Cancer 43: 1269-1275, 2007 【背景】口内炎は抗癌剤治療における一般的な合併症の一つであるものの、小 児では効果的な予防方法がない。動物実験や成人の研究ではビタミン E の局所 投与によるドキソルビシンを含んだ抗癌剤治療に伴う口内炎の予防効果が認め られた。今回我々は①ドキソルビシンを含んだ抗癌剤治療を受けている小児に おいてビタミン E の局所投与によって口内炎が予防できるか、②ベイズ式メタ アナリシスと N-of-1 試験を用いた新しい試験方法が有効であるかどうかを検証 した。 【方法】試験はベイズ式メタアナリシスと N-of-1 試験にて二重盲目化無作為試 験にて行った。6 歳から 18 歳の 16 人の患者に対し施行した 45 サイクルをラン ダムにそれぞれビタミン E 局所投与群 22 サイクル、プラセボ 23 サイクルに振 り分けた。ビタミン E およびプラセボの投薬は 1 日 2 回、2 週間行なった。プラ イマリーアウトカムは投与後 7 日目、10 日目、14 日目、および 17 日目に行っ た口内炎の客観的評価、セカンダリーアウトカムは投与後 5 日目から 20 日目ま でに記載された口内炎の主観的評価および鎮痛薬の投与量や補液の期間等試験 中に要した治療とした。 【結果】結果としては口内炎の客観的評価のスコアはビタミン E 群で 0.2、プラ セボ群で 0.3 と有意差は認められなかった。また、主観的評価として痛みや飲み 込みにくさの評価および WHO のスコアではビタミン E の効果は認められなか った。またその他の評価項目でも差は認めなかった。 【結論】ビタミン E の局所投与に口内炎の予防効果は認めなかった。またもう 一つの検証項目としてこのような比較的サンプル数が少なく、特殊な状況下で はベイズ式メタアナリシスと N-of-1 試験を用いた試験方法は有用であると考え られた。
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Long-term results for children with high-risk neuroblastoma treated on a randomized trial of myeloablative therapy followed by 13-cis-retinoic acid: a children’s oncology group study
Matthay KK, Reynolds CP, Seeger RC, et al. J Clin Oncol 27: 1007-1013, 2009 【目的】高リスク神経芽腫の治療に関して、骨髄機能廃絶後の自家骨髄移植と 化学療法継続に無作為に割り付け、その後の 13-cis-レチノイン酸治療に無作為 に割り付けた CCG-3891 登録患者の長期成績を評価した。 【方法】同じ導入化学療法を受けた 379 例の患者に対して、骨髄機能廃絶大量 化学療法と全身放射線照射後の自家骨髄移植と、3 サイクルの強化化学療法に無 作為に割り付けた。疾患の進行なく強化治療(自家骨髄移植または強化化学療 法)を完了した患者を、追加治療なし群と 6 ヶ月間の 13-cis-レチノイン酸治療 群に無作為に割り付けた。 【結果】5 年の無イベント生存率(EFS:平均±SE)は、自家骨髄移植に割り付 けられた患者が 30%±4%で、化学療法に割り付けられた患者の 19%±3%より有意 に高かった(p=0.04)。2 回目の無作為化から 5 年の EFS は、13-cis-レチノイン酸 治療が 42%±5%で、無治療の 31%±5%より高かったが、有意差はなかった。全生 存率(OS)は 5 年生存予想の log 変換検定によると p<0.01 と有意に高かった。2 回目の無作為化からの 5 年 OS は、自家骨髄移植/cis-RA(+)が 59%±8%、自家骨 髄移植/cis-RA(-)が 41%±7%、強力化学療法/cis-RA(+)が 38%±7%、強力化学療 法/cis-RA(-)が 36%±7%であった。 【結論】骨髄機能廃絶治療と自家造血細胞救出は、骨髄機能廃絶処理を行わな い化学療法より、5 年無イベント生存率と 5 年全生存率のいずれもかなり良い結 果である。強化治療後に投与された cis レチノイン酸は、全生存率を単独で大幅 に改善させている。 19.
Vincristine, Actinomycin, and Cyclophosphamide compared with Vincristine, Actinomycin, and Cyclophosphamide alternating with Vincristine, Topotecan, and Cyclophosphamide for intermediate-risk Rhabdomyosarcoma: Children’s
Oncology Group Study D9803
Arndt CAS, Stoner JA, Hawkins DS, et al. J Clin Oncol 27: 5182-5188, 2009
【目的】この研究の目的は、中間リスク群の横紋筋肉腫に対する VAC 療法(ビ ンクリスチン、ダクチノマイシン、シクロフォスファミド)と、VAC と VTC(ビ ンクリスチン、トポテカン、シクロフォスファミド)交替療法の治療成績を比 較する事である。 【方法】患者は、39 週間の VAC 療法と VAC/VTC 療法に無作為に割り付けられ、 12 週目に局所治療が開始された。頭蓋内拡張を伴う傍髄膜横紋筋肉腫(PME)の 患者は VAC 療法と即座の放射線療法の治療を受けた。主要エンドポイントは治 療奏効維持生存とした。VAC/VTC 療法で 64%から 75%までの 5 年治療奏効維持 生存率を想定し、80%まで増加する事を見込み、α エラーは 5%として設定され た。 【結果】合計 617 例の適格例が登録された。264 例が VAC 療法に 252 例が VAC/VTC 療法に無作為に割り付けられ、101 例の PME 患者は無作為化されず VAC 療法を受けた。胎児性横紋筋肉腫の stage2 と stage3 の group III は 33%、胎 児性横紋筋肉腫の group IV で 10 歳以下は 7%、胞巣状横紋筋肉腫または未分化 肉腫の stage1 または group I は 17%、他の胞巣状横紋筋肉腫または未分化肉腫は 27%、頭蓋内拡張を伴う傍髄膜横紋筋肉腫が 16%であった。4.3 年の追跡後の中 間解析値は、4 年治療奏効維持生存率が VAC 療法で 73%、VAC/VTC 療法で 68% であった(p=0.3)。リスクグループ全体で VAC 療法と VAC/VTA 療法の違いは なかった。2 次癌の発生頻度は両群間で同程度だった。 【結論】中間リスク群の横紋筋肉腫に対して、VAC と VTC の交替療法は、VAC 療法と比べて治療奏効維持生存率の有意な改善は見られない。 20.
Comparison study of a traditional pulsed dye laser versus a long-pulsed dye laser in the treatment of early childhood hemangiomas
Kono T, Sakurai H, Groff WF, et al.
Lasers in Surgery and Medicine 38: 112-115, 2005
【背景と目的】小児血管腫の治療におけるパルス色素レーザー(PDL)の役割は、 その副作用や血管腫ごとに固有の特性があることなどから、未だに議論の余地 がある。 近年、いちご状血管腫や毛細血管拡張症の治療において、低温スプレー冷却 (CSC)を用いた長パルス色素レーザー(LPDL)が PDL より有効で安全であると言 われつつある
本研究では、小児血管腫における PDL と LPDL の有効性と合併症率につき比較 する。 【対象と方法】初期血管腫の月齢 1-3 のアジア人 52 人を対象とした。PDL およ び LPDL を各々26 人に施行し、1 歳まで観察した。PDL は波長 585nm で照射サ イズは 7mm、LPDL は波長 595nm で照射サイズは7mm とした。PDL 群は 6〜 7J/cm2の energy fluence、パルス持続時間 0.45ms で、表皮の冷却は行わなかった。 LPDL 群は 9〜15J/cm2 の energy fluence、パルス持続時間 10〜20ms で、CSC を 用いて表皮を保護した。両群とも 4 週間毎に血管腫が消失するまで治療を行っ た。両群患児が 1 歳になった時点でクリアランス比、最増大期に達するまでの 時間、合併症を比較した。 【結果】1 歳時に完全消失またはそれに近い状態であった患児は PDL 群で 14 人 (54%)で、LPDL 群で 17 人(65%)であった。LPDL 群と比較すると、PDL 群は色 素沈着減少者が多く(3 人 12%対 8 人 31%; P=0.001)、色素沈着増加者も多く (2 人 8%対 4 人 15%; P=0.005)、外観の変化も多かった(1 人 4%対 6 人 23%; P=0.001)。最増大期に達する時間は LPDL 群が優位に短かった(106 日対 177 日; P=0.01)。 【結論】LPDL を用いた小児血管腫の治療は PDL に比し、より安全で効果的で あった。 21.
The prognostic relevance of preoperative transcatheter arterial chemoembolization (TACE) and PCNA/VEGF expression in patients with Wilms’ tumour
Liu WG, Gu WZ, Zhou YB, et al. Eur J Clin Invest 38: 931-938, 2008
【背景】Wilms 腫瘍は小児で最多の腎腫瘍である。SIOP では Wilms 腫瘍患児に 対して術前化学療法を推奨しているが、術前の経動脈的化学塞栓療法(TACE) の有効性を唱える論文も散見する。本研究の目的は、Wilms 腫瘍患児の腫瘍切除 前の TACE、増殖性細胞核抗原(PCNA)および血管内皮細胞成長因子(VEGF)の発 現と予後との関連性を明らかにすることである。 【対象と方法】Wilms 腫瘍患児 44 例を腫瘍切除のみの群と TACE 後腫瘍切除を 施行した群に分け、コホート研究を行った。臨床症状と追跡データを分析した。 Wilms 腫瘍における PCNA と VEGF を発現するため免疫組織化学染色を用いた。 【結果】TACE 群の 2 年間の無再発生存率は対照群に比し有意に高く(P<0.001)、 再発および 1 年以内の死亡例も著しく低かった(P<0.001)。対照群患児の 55%は
PCNA 陽性であるのに対し、TACE 群は 4.7%であった(P<0.001)。対照群患児の 50%は VECF 陽性であるのに対し、TACE 群は 29.17%であった(P>0.05)。 【結論】Wilms 腫瘍患児の術前 TACE 療法は有益である。PCNA の発現は対照群 に比し TACE 群で有意に低下していた。VEGF の発現については両群で有意差を 認めなかった。
22.
High dose melphalan in the treatment of advanced neuroblastoma: results of a randomized trial (ENSG-1) by the European Neuroblastoma Study Group
Pritchard J, Cotterill SJ, Germond SM, et al. Pediatr Blood Cancer 44: 348-357, 2005
【背景】造血幹細胞移植を伴った大量化学療法(超大量化学療法)は、進行神 経芽腫患者の寛解導入療法後の地固め療法として導入されている。
【方法】本研究(European Neuroblastoma Study Group, ENSG1)では、メルファラン を含む超大量化学療法が、無作為多施設研究で検討された。1982 年から 1985 年 に、167 人の stageⅣ,Ⅲの神経芽腫患者(123 例は診断時に 1 歳以上の stageⅣ 症例で、44 例は診断時に半年から 1 歳の stageⅢ、Ⅳ症例)に、オンコビン、シ スプラチン、エトポシド、サイクロフォスファミドによる OPEC 導入療法が 3 週毎に施行された。原発巣切除後、CR または good partial response (GPR)であっ た 90 人の患者(69%)が、自家骨髄移植を伴った大量メルファラン群(180mg/m2 ) と無治療群の2群へ無作為割り付けされた。 【結果】90 人のうち、65 人(72%)が無作為試験に登録され、そのうち 21 人が解 析時に生存していた。試験開始からのフォローアップは、中央値 14.3 年であっ た。5 年無病生存率は、メルファラン治療群 38%、無治療群 27%で有意差は認め なかった(P=0.08)ものの、診断時に 1 歳以上の stageⅣの 48 例では、メルファ ラン治療群で 5 年無病生存率が 33%(無治療群では 17%)と有意差を持って良 好であった(P=0.01)。 【結論】本研究により、大量メルファラン投与により、OPEC 導入治療と外科療法後に CR またはGPR となった、1 歳以上の stageⅣ患児の無病生存率と全生存率が改善したことが、 明らかになった。現在、多剤使用超大量化学療法レジメンは、stageⅣや、腫瘍の MYCN 遺 伝子コピー数が増幅している他の stage の神経芽腫患児に対する地固め治療として広く行 われている。しかし、このレジメンは、有害性があり、複雑で、コストがかかるため、多 剤併用超大量化学療法とメルファラン単剤の効果とは、RCT で比較されるべきである。
23.
Myeloablative megatherapy with autologous stem-cell rescue versus oral
maintenance chemotherapy as consolidation treatment in patients with high-risk neuroblastoma: a randomized controlled trial
Berthold F, Boos J, Burdach S, et al. Lancet Oncol 6: 649-658, 2005 【背景】進行神経芽腫患児の予後を改善するために超大量化学療法が行われる が、その役割は定かではない。本研究の目的は、自家幹細胞移植併用の超大量 化学療法が維持療法に比べて、無再発生存率と全生存率を向上させるかを評価 することである。 【方法】295 例の進行神経芽腫(1 歳以上の stageⅣ、1歳以上で MYCN 増幅の ある stageⅠ,Ⅱ,Ⅲ,ⅣS、または、1 歳以下でも MYCN 増幅のある stageⅣ) を無作為に次の 2 群に振り分けられた。自家幹細胞移植併用のメルファラン、 エトポシド、カルボプラチンによる超大量化学療法群(n=149)と、サイクロフォ スファマイドの経口による維持療法群である(n=146)。Primary endpoint は、無病 生存率で、Secondary endpoint は、全生存率と治療関連死亡率とした。治療を受 けた症例と、無作為割り付けで治療を受けた症例で ITT 解析を行った。 【結果】ITT 解析の結果では、超大量化学療法群では、維持療法群に比べて、3 年無再発生存率が有意に高かった(47% vs 31%, p=0.0221)。しかし、3 年全生存 率に有意差は無かった(62% vs 53%, p=0.0875)。3 年無病生存率と 3 年全生存率 の改善は、超大量化学療法の治療を受けた症例群(n=212)や、無作為割り付け で超大量化学療法を受けた症例群(n=145)でも、改善がみられた。寛解導入療 法中の治療関連死は2例認められた。維持療法中に治療関連死は認められなか った。超大量化学療法を受けた患児のうち5例が急性合併症で死亡した。 【結論】自家幹細胞移植併用の超大量化学療法を行うことで、治療関連死亡発 生率が高くなるが、進行神経芽腫の予後は改善する。 24.
High-dose rapid and standard induction chemotherapy for patients aged over 1 year with stage 4 neuroblastoma: a randomised trial
Pearson ADJ, Pinkerton CR, Lewis IJ, et al. Lancet Oncol 9: 247-256, 2008
ンターバルをおく寛解導入療法が含まれている。この研究の目的は、治療間隔 に 10 日間のインターバルをおく化学療法が 1 歳以上の進行神経芽腫の無病生存 率を改善するかを検討する事にある。 【方法】1990 年 10 月 30 日から 1999 年 3 月 18 日までの間に、無治療の stageⅣ 神経芽腫症例がヨーロッパの 29 施設から登録された。患者は無作為に 2 つの治 療群、すなわち、急速治療群(シスプラチン、ビンクリスチン、カルボプラチ ン、エトポシド、サイクロフォスファマイド;COJEC)と、標準治療群(ビン クリスチン、シスプラチン、エトポシド、サイクロフォスファマイド;OJEC) に振り分けられた。両レジメンともに、ビンクリスチンを除く薬剤の総投与量 は同じであった。しかし、急速治療群の治療期間は標準治療群より短いため、 急速治療群の治療強度は、標準治療群の 1.8 倍であった。標準治療群では、血液 学的回復が見られた場合、21 日間隔で治療されるが、急速治療群では、血液学 的回復とは無関係に、10 日間隔で治療が行われた。化学療法への反応性は、INRC で評価された。治療に反応した症例では、原発巣の外科的摘出が試みられ、そ の後、造血幹細胞移植を併用した超大量化学療法(200mg/m2のメルファラン)
が行われた。Primary endpoint は、3,5,10 年無病生存率とした。データは ITT 解析がなされた。この試験は、US National Cancer Institute のウェブサイトに臨床 試験として登録された。 【結果】年齢中央値 2.95 歳、262 症例が無作為に割り振られ、132 症例が標準治 療群に、130 症例が急速治療群となった。標準治療群では 111 症例が、急速治療 群では 109 症例が化学療法を完遂した。化学療法投与量は、標準治療群で 123 症例、急速治療群で 126 症例において記録された。標準治療群の 123 症例中 97 例(79%)と、急速治療群 126 症例のうち 84 例(67%)が、予定された化学療 法の 90%を受け、急速療法の相対的治療強度は、標準治療群の 1.94 倍であった。 3 年無病生存率は、標準治療群 24.2%、急速治療群 31.0%で有意差なかった (p=0.30)。5 年無病生存率は、標準治療群 18.2%、急速治療群 30.2%で有意差を 認めた(p=0.022)。10 年無病再発率は、標準治療群 18.2%、急速治療群 27.1% で有意差を認めなかった(p=0.085)。急速治療群の方が、標準治療群より平均 56 日早く超大量化学療法を施行できた。感染合併症関連事項(好中球減少性発 熱や敗血症を発症した患者数、抗生物質・抗真菌剤投与期間)や、入院期間は、 急速治療群で上回っていた。真菌感染発生率は、両群で同等であった。 【結論】進行神経芽腫の治療で、急速療法群で薬剤投与濃度は高くなる。急速 治療群と標準治療群において、5,10 年後全生存率に差は認めなかった。しかし ながら、3 年無病生存率に有意な差がみられる事は、標準治療に比べて急速治療 の有用性を示していると思われた。急速療法群では標準治療群に比べ、早期に 超大量化学療法を投与できた。この事がより良好な成績に寄与していたのかも