【論 文】
UDC :624
.
012.
451624.
078日本建 築 学会 構造系論文 報告集 第429号
・
1991年 ll 月Journal oi Struct
、
Constr.
Engng,
AIJ,
No.
429、
Nov.
,
199190
°折
り
曲
げ
鉄 筋
の
定
着
耐 力
の
再 評
価
RE
−
EVALUATION
OF
TEST
DATA
ON
90
DEGREE
BENT
BAR
ANCHORAGE
藤 井
栄
* ,森 田 司 郎
** ,川
上
修
司
** * ,山
田
稔 明
* * **Shigeru
F
乱毋
Shiro
MORITA
,
S
)・teji
KAIVAKAMI
andToshiaki
Y
4MADA
An
equation isdeveloped
for
calculating strellgth ofgO−degree
hooked
bar
anchorage.
The
equation
is
derived
from the analysis of authors’
test results.
It reflects the effects of si不factors;
(1 )concrete strength
,
(2}geo皿 etrical detailings ofhook
(radius ofbend
and thelength
of tailextension )
,
(3
)side cover thickness and spacings of anchoredbars,
(4)geometricallocation
and direction of thebend,
〔5)the projecteddevelopment
length
and (6)confinement of trans・
verse reinforcement oll the anchorage strength
.
The
proposed equation was compared wi 出 otherproposals
,
and was verifiedfrom
the applications to many previous testdata,
From this compara−
tive study the authors’
proposa且gives thebest
prediction.
Keymorrls
:rai’
nforced’
concrete ,
haok
, bent
・
bar
anchOrage,
deZAeloPment length,
beam・
columnfoint
,
siip鉄 筋コン ク リ
ー
ト,
フ ック,
折り曲 げ定 着,
延長 長さ,
柱・
梁 接 合 部, 滑り1.
緒 言 90°
折り曲.
げ 定 着は, 鉄 筋 端の定 着 手 法と して最 も常 用 されて い る方 法である。 現 行の 建 築 学会の RC 規 準 で は,
部 材 内の主 筋の場 合,
90°折 り曲 げはフ ッ ク と し て み な さず,
折 り曲げ部も含め た 全長を定着 長さと して 規定す る方式であ る1〕 。 しか し な が ら, 既往の研 究か ら も 明 ら か な よ うに,
折り曲 げ定 着の場 合に は直線 定 着の 場合と は応 力伝 達機構が異な り, 現行の設計思 想は合理 的で ない ことが指 摘さ れ てい る。一
方, ACI で は折 り 曲 げ部 を一
種の 定 着 具とみ な し た設 計 法を確 立 してお りZ 〕,
こ こ で設 計 値と して規 定さ れて い るのは,
水平 投 影 定 着 長さ (1
.,)で あ る。 水 平 投 影 定 着 長 さ とは 図一
1 に示す,
応 力算定 断面か ら折り曲 げ起 点ま での直 線 長さ,
折り曲げ 内 法半 径,
鉄 筋径を和し た 長 さ で ある。
こ の長 さが定 着部の耐力 を決定 的に支 配する という考え方であ る。
こ の設 計 法はよ り合 理 的なもの とい え るが,
設 計 式 のバ ック デー
タは非 常に少なく各 種の影 響 因 子の評価に つ いて も 必ずしも十 分な もの で は な い。
また,
近 年 刊 行 さ れ た建築学会終 局強度型耐震 設 計 指 針3〕では , こ の考 え 方に基づ くこと が 合 理 的 で ある と して い る もの の,
十 分 な資料が不足 してい る ことか ら, 諸 外 国の規 準を参 照 し た投 影 定 着 長 さの推 奨 式 を示 すに とど まっ て い る。 著 者ら は,
以 前,
既 往の研 究 成果の範 囲で主に外 柱・
梁 接 合 部で の梁 主 筋の goe折り曲 げ定 着 耐 力 を評 価す る 算 定式を提案し た% こ の算定式は,
接合部タイ プの実 験で得ら れ た定着 耐 力 を比 較 的 良 好に推定す ること がで き るもの であ る が,
式の構 成が複 雑であり接 合 部 以 外の 種々 の応 力状態下で の折り曲げ定 着につ い ては適 用 範 囲 外で あっ た。
本研究は, 上 記の問 題 点に対 処す る た め行っ た最近の 実 験か ら得た新 し い知 見を取 り入 れ,
定 着 耐 力 を再 評 価 し た もの であ る。
本 稿で提案す る耐力算定式 は一
般の外 余長 投 影 定 着 長 さldh
曲 げ 内 法 直径D
・2r
図一
1 水平投影 定 着 長さの定 義 ゜ 京 都 大 学工学部 建 築 第2学科 助 手・
工修 * * 京 都 大 学 工 学 部 建 築 第2学科 教 授・
工 博 零 # 川 上 建 築 事 務所・
工修 榊 榊 鹿 爲建 設・
工修Research Assoc
.
,
.
Dept.
of Architectural Engineering、
Faculty of En.
glneering
,
Kyoto Univ.
,
M.
Eng.
Prof
.
,
Dept.
of Architecヒural Eng正neeτing,
Facuhy of Ehgineering,
Kyoto Univ
.
,
Dr.
Eng.
Kawakami Architects LTD
.
,
M.
Eng.
Kaiima Corporation, M Eng
.
柱
・
梁 接 合 部での梁 筋の定 着だけでな く,
種々 の ケー
ス に適用できる もの であり,
従 来の評 価で は十分で な かっ た複 数 鉄 筋の定 着や,
かぶ り厚さ 効 果,
横 補 強 筋 効果の 上 限,
高 強 度 鉄 筋, 高 強 度コ ンク リー
トの 効果につ いて も評 価し て い る。
すで に提案さ れて い る諸 算 定 式 と併わ せて本 提 案 式 を 既往の内外の実験結果に 適 用 し,
本提案 式が最も 良 好な適合性を有す ることを 示す。 2.
折り曲 げ定 着 機 構と破 壊モー
ド 図一2
は, 既 往の実 験か ら得 られ た折り曲げ定着筋の 載荷端位置,
折り曲 げ起 点,
折 り曲 げ終点位置で の引張 力P 、
,P2,
Ps
と載 荷 端滑 りSi
の関 係 を 示 して い る4 ] 。 この図よ り折り曲げ定着で は終局 時に は,一
般に全 定 着 力の80
%程 度が折り曲 げ起 点 以降で の 応 力 伝達に よっ てい ること が わか る。
折 り曲げ部 直下の コ ン クリー
トに は非常に大きい支 圧 応 力が生じ て お り, 定着機構はこ の 支 圧 抵 抗に よる もの で ある。 し た がっ て 定 着 性 能の 評 価 は,
主に折り曲げ部 以 降の性 能で評 価する こと が妥 当と いえ る。 図一
3は折り曲げ定 着法に関 係す る破 壊モー
ドを示 し て いる。
余長部の付着が確保さ れて いれ ば,
支圧力の た めに折り曲 げ 部 直 下の コ ン クリー
トが割り裂かれ 定 着 破 壊に至るのが一
般 的で あ る。 側 面か ぶ り が大き く な けれ ば同 図 (a)の よ うに,
側面か ぶりの割 り裂きに よる破 壊モー
ドとな り,
さ らに投 影 定 着 長さ が短い場合に は側 150言
二10D (鰐
c5 」o o tO 20 so 嶋 SUP S量 ‘m 餓 , 図一
2 定 着 筋 各位置の引 張 力 と載 荷 端 滑り曲 線 の割 裂 図一
3 (b
}せん断 破壊§
→ せん断ひびわ れ の開口 破 壊モー
ド 面か ぶ り か ら前 面に わた る割り裂きを生 じ る。 また,
側 面か ぶ りが十 分 に大きい場 合に は ア ン カー
ボル トが引抜 か れ る場 合の よ うに折 り曲げ部 手 前の コ ン ク リー
トが コー
ン状に抜 け出 す よ うに破 壊す る。一
方,
支圧力に よ る破 壊と は別に,
折り曲げ部内 側の領 域が せ ん断破 壊す る ケー
スが あ り同 図 (b
)に示 す。
こ の モー
ドは,
定 着 筋が多く配さ れ 入力せ ん断 力が大きい場 合に生 じ る。
い ずれの モー
ド も定 着 方 法の差 異に関 係した破 壊 形 式 であ り,
定着 される 部材の本 来発揮 し得る性 能 以 下の性 能 し か発揮し ない こ と で共 通し ている。
し か し,
(b
) の破 壊モー
ドにっ い ては,
終 局強度型 耐 震 設 計 指 針の接 合 部せ ん断 設 計で規定 さ れ る よ うに投 影定着 長 さ を考 慮 した 「せ ん断破 壊 」と して評 価す るこ と が妥 当と 思 わ れ る3 〕。
本稿で は,
上 記 (a)の 支圧 破 壊に か か わ る耐 力 評 価を行うこ と と す る。
3.
定 着 耐 力 算 定 式の導 出 3.
1 支 配 因子 と算 定 式の構成 折 り曲 げ部の支 圧 強 度から定 着 耐 力を評 価す る方 式を 採 用 する。折り曲 げ部まで の直線 部の伝達 力 は 無視す る。
図一
4に示す よ うに鉄筋 径d
。の幅を持ち折り曲 げ起 点 と 折り曲 げ終 点 を結ぶ辺 (V2
・r,
こ こで r は曲げ内法 半 径 }からな る領 域を支圧面 積と す る。 支圧強 度をfb
とする と,
定 着 鉄 筋 力Pu は,
P 。
=
fb
・
db
’
r・
………・
…………一 …・
・
……・
(1 ) と 表さ れ る。
折り曲 げ部 直 下で の合 力の向き は折り曲げ 起 点, 終 点で の鉄 筋 力が異な る ことか ら こ こ で定 義す る よ う な 45°
の方 向で は な いが,
簡 単の た めに上記のよ う に定 義す る。 支圧強 度は,
以 下の式で表さ れ る もの と す る。
丿「b= 鳶o’
h1’h2’
ks,
h
(.
k5,
丿〜o”・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(2) こ こで,ho
;コ ンクリー
ト強 度の 影 響を表す係 数kl
:折 り曲げ形 状の効果 を表す係数lS2
:側面か ぶ り厚さ, 鉄 筋 間の あき の効 果を表 す係数 島 :折り曲 げ部 位 置, 折 り曲 げ方 向の影 響を表 す係数h
‘ :投 影定着長さの効果を 表す係 数 図一
4 支 圧 強 度 と 定 着 耐 力属 :横 補強 筋の拘 束 効 果 を 表 す 係 数 であり,
fb
。は, 各係 数が1
と な る条件の と きの支 圧 強 度である。
し た がっ て折り曲げ部定着 耐 力P。 は,
Pu
=h。・
k,
・
h2・
h
ゴh
,・
た5・
fbO
・
db・
r・
・
………
(3) と な る。
こ こで仮定し た強 度 式で は,
定 着 強 度に及ぼ す 主 要な因子 を上記の 6 項目 と し,
各要因の効果は強度の 上昇率,
低 下率で評 価 す ること,
さ らに個々 の要 因の影 響は そ れ ぞ れ独 立 して評 価す ること を仮 定して い る。 定 着 耐 力の評 価は折り曲げ部 内 側の コ ン ク リー
トに作 用す る局 所 的な応 力 集 中 (支圧応 力)に よ る 三 次 元的な破 壊 に対す る拘 束 効果 を定量化す ること に帰着す る。 各影 響 因 子の 中に は相 互 作 用 も存 在す る可 能 性が考え ら れ る が 十 分な資 料がな い の が現 状で ある。
そこ で, 現段階で は これ らの効 果 を独 立 と仮 定して評 価す ること とし, その 妥当性につ い ては,
既 往の実 験 結 果に適 用し た上で検 討 する ことに し た。また,
上記の整 理 法を採用 するこ とは,
限 られ た実 験 資 料 を効 率 的に利 用 する意 味か ら も有 効で あ り,
今 後,
これ までの実 験 変 数の変 動 範 囲 外の新た な 資 料が得ら れ た時 点で,
関 連す る係 数の評価 式の みを 改 良 するこ とで容 易に式の修 正が で き る利 点も有して い る。 3.
2 各 影 響因子の評価以下に (2 )式 中の各 種の影 響 因子につ いて その特徴 を検 討す る と と も に定量的な評 価 を 下すことにする
。
い ずれも既 往の著 者らの実験結果を基に評 価する ことにす るが デー
タ の不足 しでい る場 合に は内 外の既 往の実 験資2.
0
巧bo
σ
5
8
可 巳 、 コ 住 帆 O 』’
・碼
イ/
’
’
”i
、”(
射
60
: [240
)
♂.
20
10
ノ
K
、4
。rlt
、il
,c.4 。。O
Q5
10
15
2.
0
25
30
f
・1400
図一
5 コ ン ク リー
ト強 度の影 響デ
ret.
5 ret.
7ど
0123456
r/
db
図一
6 折り曲 げ内 法 半 径 と定 着 耐 力2
.
5
篝
2D
ε
t5
=f
,.
6fo5
ユ
0
料も 加 えて検 討す る。
(1) コ ン ク リー
ト強 度の影 響 (ilo
) 著 者らの既 往の実 験4ト 6 〕 で,
コ ン ク リー
ト強 度の み異 な り他は すべ て等し い供試 体の組がい くつ かある。
これ らの供 試 体の そ れ ぞ れの組に おいて,
コ ンク リー
ト強 度fc
が ほ ぼ 400kgf
/cm2 前 後の 供 試体の耐力,
お よびコ ン クリー
ト強 度を1とし て, 各組の残りの供試体の定 着 耐 力 比 を縦 軸に とり, 横 軸に コンク リー
ト強度比 を とっ て 表し た の が 図一
5で あ る。fc=
400kgf
/cm2 程 度 まで の コ ン クリー
トで は,
定 着 耐 力は コ ンクリー
ト圧縮 強 度の 平 方 根に比例 する関 係にあるが,
fe
・
=
400kgf
/cm2 を超 えてfc
=
ユ200kgf
/cm2 ク ラ スまで の高 強 度コ ン ク リー
トで は,
その効果は低 下す る傾 向にある。
こ の傾向はコ ンク リー
トの引張 強 度と 圧縮 強 度の 関 係に類 似 し て お り,
支 圧 強 度が引張強度に関 係し て い る ことを示 唆し て い る。
この結果 を 基 に,
fc
= 400 kgf/cm2 の時の定着強 度P
、。。 に対す る強度比 と して,
次式の ご と く表す。
h
。≡Pu
/P4
。。= (fc
/400) 1〆2 (fc
〈400>……・
(4)ko
=Pu
/P4
。ロ
= (fc
/400)1 /1 (400≦fc
≦1200 )・
・
一一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(5
) (2 )折り曲げ 形状の評 価 (le1
) 図一
一6
に著者 らの 既往の実 験51・
ηか ら 得た折 り曲 げ 内 法半 径 (r)と, 定着 耐 力P
。の関 係 を 示 す。 r が大な る ほど定 着 耐 力は上 昇す ること が わか る。本 研 究で は (1> 式で定 義され る支圧強 度で定着 耐 力 を評 価する ことを仮 定し ている。
し たがっ て, 定着耐力を支圧面 積で除して 支 圧 強 度 を求め,
r;
3db の供 試体の 支圧強 度に対する 支圧強 度比 ib1で表 現し たもの が 図一
7で あ る。
こ の図 より,
支 圧 強 度は r が 大な る ほど 低下 す ること が わ か り,h
,は次式で表さ れ る。h
,=fb
/丿『b(r; 3d ,)= (r/3d
,)−
o’
72−s・
・
・
・
・
・
・
…
〔6
)一
方ヨ折り曲げ終点か ら の直線部 (余長)は,
支圧破 壊 を生じ さ せ るに十分 な長さ が あ ること が必要であ る。
図一8
は,
余長1
,を.
8,
12,
16d 。と し た時の 実 験 結 果 51・
T ) を示し てい る。
余長 が長いほ ど定 着 耐力 が 上昇す る傾 向 にあるが,
長く な るほ ど影 響は小さ く な る傾 向がみ られ る。
こ れ よ り余 長が 10〜
12db 以 上 有する ことを 折り曲 げ定 着の 場 合の具 備 すべ き条 件と考える。 なお,
同 図 中 eq.
(6) 卜123456
r
/
db
図一
7 折り曲げ内 法 半 径と支圧強 度30
=S20
;ど
10
0
弐
害
幣
図一
8 余長と定 着 耐 力の関係一
67
一
24
^20
鶸
ま
8
4
B
=60cm
(
db
=19mm
)囲
卜一
B− r
(
1
x’
B
=3
°cmJ
耳
]
0
5
10
15
20
25
30
35
CO
(cm 〕 図一
9 側 面か ぶ り厚さと定 着 耐 力12
1
.
Oa
Ω.O.
8
丶clo ・
6
開0,
4
の90
.
2
0
●「
N
−
eq.
(7
)耶
So
斗 十10
20
30
40
So
/
db
図一
10 鉄 筋間のあきと 定 着 耐 力 の実験 値で余 長が大き い に もかか わ らず耐 力の低 くなっ て い る供 試 体が あ る が,
余 長の大 きいこ と が耐 力 を低 下 させ る要 因は考えられず,
ばらつ きも含めて供 試 体に固 有の問題 が あっ た もの と判 断し て い る。
(3) 側 面か ぶ り厚さ, 鉄 筋 間の あきの影 響 評 価 (翻 これ らの影 響 を検 討す る ために著 者 らは,
側 面か ぶ り 厚 さの み を変 化させ た実 験を行っ た9 )。
こ の 実験で は後 述す る 図一12
(c)の よ う な載 荷 条 件で各2本 もし く は 1 本配さ れ た折り曲 げ定 着 筋の引き抜き試験を行っ たもの で あ り,
定 着され る部 材の幅 を30cm と,
60 cm の2
種 類と し てい る。 図一9
に こ の実 験 結 果 を示 す 9) 。 図 中の 2本の線は定着さ れてい る部 材の幅の等し い もの を結ん で あ る。 ま た 図中の口, 鬮印の耐 力は部材の幅中央位置 に 1本のみ 埋 め 込 ま れ た非 常に条 件の良い場 合の定 着 耐 力を 示 してい る。
こ の図 よ り,
側 面か ぶ り厚さ が大き く な るほど定 着 耐 力が上 昇す るこ と が 認め られ る。
しか し な が ら, ある程 度か ぶ り厚さ が大き く な る と逆に耐 力が 低 下して ゆ くこと が わ か る。 これ は, かぶ り厚 さが大き く な る と同 時に鉄 筋商の あ き が小さく な る ためであ る。 ま た,
た と え か ぶ り厚さ が等し くとも供 試 体 幅の小さい 方が定着耐力が小さ く な ること も認められ,
鉄 筋 間の あ きの効果が み ら れ る。
こ の実 験 結 果 より,
か ぶ り厚さ が 十 分 大きい と判 断で きる供試体につ い て鉄 筋 間のあ きの 効 果を図一10
の よ うに評 価す る。
か ぶ り厚 さ,
鉄 筋 間 の あ き共に十分大きい場合の耐 力P
ρに対 する強 度 比で 次式のよ うに表 す。h
:sニP
/P
ρ=
0.
7十 〇.
011So/d
,(
h2s
≦1
)・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
r・
一・
・
・
・
・
・
・
…
《7)1
.
2
1
.
OaCt
’
O
.
8
)Ct
O
.
6ltX
O
.
4
ざO
.
2
o8
σ一
〇〇
〇
−
oノ
丶
ゆ[
・ o :ret.
9 :rel、
4 :ref.
6
△ ▲ :ref.
100
2
4
6
8101214161820
Co
1
db
図一11
側 面か ぶ り厚 さと定着 耐 力の関 係 こ こ でS
。 は, 鉄筋心間の間隔を表す。
か ぶ り厚さと,
鉄 筋 間のあきの影 響の相 関につ い ては この資料のみでは・
十 分評 価で きな い。
そ こ で両 者の効 果 は独立に評価す ること が で き る と仮 定する。 こ の仮 定 よ り,
(7 )式を用いて本実 験の か ぶ り厚 さの異な る供 試 体の実 験結果を 鉄 筋間の あ きの十分大きい場 合 (h2s=
1) の強 度に換算し て表し た の が図一ll
で あ る。
こ の実験9〕 で は か ぶり厚さのか な り小さい 場合の デー
タ が不 足して い る の で既 往の 研究鯛 」 ωで,
か ぶ り 厚さ を実 験 変 数と し た供試体の デー
タを書き加え てある。 こ の図 より,
か ぶ り厚さ,
鉄 筋 間の あ き共に十 分 大きい場 合の耐力Pp
に対す る強 度 比で か ぶ り厚 さの 効果 を次 式の ご とく表 す。
h2c=
=
P
』/P
』=o.
38
十 〇.
1
C
,/d
, (k2c
≦1
)…・
……・
………・
・
………一
(8
) こ こでC
。は鉄 筋心 ま での側 面か ぶ り厚さ を表す。 (7
)式, (8
)式 を乗 じ るこ とで か ぶ り厚さ, 鉄 筋 間 の あ きの効果 を表す係 数k2
が 得られ る。
h2
=k2s・
h2c
; (0.
7十 〇.
OllSo
/db
)・
(0.
38
十 〇曾
lCo
/db
)・
・
・
・
・
・
…
一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(9) 3 本以 上の複数 本の鉄 筋が 配 さ れて い る場合に は,
最 も側 面に近い位 置に配さ れ た鉄 筋に対 しては上の (9) 式で評 価す る。 中 間に位 置す る 鉄 筋に対して は,
鉄 筋 左 右の鉄 筋 間 隔に対す る影 響 係 数h、
。 を別々 に 求めて こ の 二 つ のk
,s を 乗 じる こ と で h,を 算 定する。
最も定 着耐 力の小さくなる耐 力で評 価 する。 ま た,
実 験に よっ ては, ユ本の鉄 筋のみ が定 看さ れ る場 合も あ る。
こ の場 合に は 鉄 筋の左 右ともか ぶ り で ある の で,
中 間に位 置する鉄 筋 と逆に,
それぞ れの か ぶ り厚さに対してic
、。 を算 定し,
こ の 二 つのk
;c を乗 じてh
εを与え る。 な お,
複 数 鉄 筋 の場合の 中間に位 置す る鉄 筋の定 着 耐 力 評 価につ い て は, 他の鉄 筋に対する評 価 法 を延 長し て示したもの であ り,
今 後,
実験 を 通 じて検 証 する必 要がある。
(4) 折り曲げ部の 位置, 折 り曲 げ 方 向の影 響の評 価 (k
,) 既 往の研 究で は折り曲 げ定 着 性 能の評 価の ために,
定」 → £ (
b
) ● ρ ldh → olc
) 図一
12 折り曲げ定 着 実 験 載 荷 方 法20
α1.
5
eq.
(10
)aM
.
D
山玉
・h1.
0
,
幽
謄
噛膠
響
響
;05
1
…
…0
123456
a
’【dh
図一
13 定 着 耐 力に及ぼ す a/ldhの影 響 着 筋の引 抜き試 験 を実 施 してい る。
しか し載 荷 方 法にっ い ては い ろい ろな方 式が ある。
図一
12に こ れ らの方 式 の分 類 を示す。
(a ),
(b)は,
柱 :梁 接 合 部に お け る梁 主 筋の定 着 を意 図したもの であ る。 (c).
は定 着 筋か ら左 右に所 定の距 離 離れ た位 置に圧縮反 力 を 与 える試験法で ある。
著 者ら はこ の 図の (c)の載 荷 条 件で,
他の条 件 は まっ た く等し く し て左右の反力位置と鉄筋と の距離 (a,b
)と投 影定着長 さldh
との関係 を 種々 変化 さ せ た 実 験を実 施し た。 図一13
に投 影定着 長さの絶 対 値が等 し く α/ldh
の み異な る供試体の実験結果を示す9)。
鉄筋 を折 曲 げた側の反 力 位 置まで の距 離を α とし て投 影 定 着 長 さ 臨 で除 した値 を横 軸と し,
縦 軸は,
横 軸が 1,
32 とし た供 試 体に対 する強 度 比 を示して いる。
横 軸はい わ ばせ ん断ス パ ン比に相 当するもの で ある。 こ の 図より,
鉄 筋の折 曲 げら れ た方 向の α〃th が小さい ほ ど定 着 耐 力 が 上昇 して いるこ と,
この比 が1.0
程度よ り大きい と定 着 耐力自体の 差はあ まり大 き く な ら ない こ とが わ か る。
a〃dh に依存して定 着 耐 力が変 化する性 状は, 例え ば 図一12
(a)の よ う な載 荷 条 件 となる接 合 部での梁 筋の定 着 に際 して, 接 合 部 内に曲 げる方が,
柱 側に曲げる よ り も 定 着 強 度 が 上 昇する こと と対 応し て い る。
また, 図一
12 (c)タイ ブの載 荷 方 法では,
折り曲 げた側の反 力の位 置 が 近い もの ほ ど定 着 耐 力が高い ことを意 味してい る。
こ のよ う な性状は, 反 力 位置が 離 れる につ れ て折り曲げ起 点まで の直 線 部に沿 う曲 げひび割れ が進 展し や す く,
余 長 部に ま で進 展 し て折り曲 げ部 近 傍の コ ン クリー
トの条 件 を悪く し て定 着 耐 力 を低 下さ せるものと 思わ れ る。 ま20
Ei5
2i
:
0
24
、
6
810
SLIP
(mm
)
図一
14 部 材せいの相 違の影 響 た,
反 力 位 置が あ る程 度 以上離れる と, 折り曲げ部の局 部 的な破 壊と な り,
反力位 置の影 響は顕 著で な く な るこ と が推測さ れ る。
必 ずし も十 分な資 料が ない がジ 定 着 耐 力に及ぼ す α/塩 の影 響は, afldh=
1の供 試 体の耐 力に対 する耐 力 比hsa
で次 式の よ うに表すこ ととするill)。
妬 = 1.
2 (1−
(α/ldh
)}2+1 (a/ldh≦1>ic
,。・=1.
O (
a/lda
>1)
………・
・
………・
………
(10) この実 験で は α/tdh
が1
以上であ れ ば耐 力に差は みら れ ない結果と なっ ている が, 滑り性状は大 幅に異なっ て お り,
α/娠 大な る ほど 大 幅に滑り剛 性は低 下 する。
し た がっ て設計上は滑り 剛性の面か らの制 約が別 途 必 要と な る場 合が考え ら れ ;これにつ い て は後 述 する。 折り曲 げ 位 置に関 係する も うひ とつ の影 響 因 子と し て, 定 着さ れ る部 材せ い D の,
どの位 置で折り曲 げ る か とい う問 題がある。 著 者らの行っ た実 験か ら は上 記の α〃dh,
翫 の 等しい供 試 体 間で は,
図一14.
に示す よ う に部 材せ いが大き く部 材せいの 中央 付 近で折 り曲 げ た 場 合の方が,
柱せ い の小さい場 合よ り も定着耐力が約 15 % 低 下して いる9[。一
方,
本論 文で各 影響因 子 の評 価の た めに参照 し た実 験 資 料はすべ て 娠 /D
が 0.
5以 上 を 満 足す る供 試 体の もの であること か ら,
この条 件を満た さ ないもの に対して は,
耐 力 を 低 減す る方 式で暫定 的に 評 価する こ と にする。
し たがっ て上記の (10)式で与 え ら れ る係 数 島.に対しで,
折り曲げ位置の影響を表す係 数k3b
を乗じてh
,を与え る。
h3
・rhaa’
h3e’
………・
・
・
・
・
・
・
・
………・
…・
………
(11) こ こ で,k3b
:o.
85
(1
αh/D≦0,
5の場 合 ) 1.
0
(t
,.ID
>0,
5の場 合 ) (5) 投 影 定 着 長さ の影 響の評 価 {k、〉 図一
15は,
既 往の実 験 資 料の う ち投 影定着長 さの み が異な る供 試 体の組 を 選 択して投 影定着長さ(ldh
/d
,)と 定 着 耐 力 (隔=
12d 。の供 試 体の耐 力を1と し た耐 力比 ) の関 係を示し て い る。 ただし α〃da も 含 めて条 件が等 し く投 影 定 着 長 さ (1
,,/d
、)の み を実 験 変 数と し た供 試 体は 著 者らの一
部の実 験臼 か な い。
著 者らの既 往の実 験4L5 } お よ び テキ サス大学で実施され た実験lovm (,
は 砿 /db
一
69
−一
表
一
1 既 往の実 験と その実 験 変 数 変 動 範 囲一
覧 ref.
研 究 者 供試 体 数 戚 荷 方 法 01 コ〃 リー
ト強麿 〔kgf/cm21 鉄 筋 径 (m而 投 影 長 さ {cml か ぶ り 厚 さ (cml 。2 横 楠 強 筋 の 有 癬 4 著者 ら 35 a 219〜
40519〜
2514.
3、
28.
56,
5、
10,
4 有・
無 5 著者 ら 12 a 500〜
1061 19 15.
2〜
22.
86.
5〜
1LO 有・
無 6 箸者 ら 12 a 415〜
113725〜
3530.
O〜
42,
05.
0 有・
無 7 著 者 ら 16 a 308〜
34419〜
2517.
5〜
32.
54,
0〜
6.
5 有・
無 8 別 所 ら 7 a 332 38 53.
2〜
72.
28.
1〜
14.
3 有 9 著 者 ら 20 C 287〜
50019〜
2522.
8〜
45.
65,
0〜
29.
0 有・
無 10Marques ら 22 a 280〜
35522.
2〜
34.
925.
1門 33.
03.
8〜
7.
3 有・
無 11Plnc ら 16 a 252、
39222,
2〜
34.
925.
4〜
48.
37.
3 有・
無 12 若 林 ら 10 a 299〜
362 16 6.
4〜
21,
3 6.
7 無 13 村 上 ら 8 a 282 13 19.
2 3.
0 有・
無 14 入 江 ら 4 b 322 25〜
3842.
5〜
79.
86.
3〜
9.
6 有 15 柴 田 ら 1 b 337 57 102,
6 14.
4 有 合 計 及び 実 験 範 囲 163 219〜
工13713〜
576.
4〜
102,
63,
0〜
29.
0 Note 岨 ;図一
12 参 照“
2:鉄 筋衷面 ま で の か ぶ り 厚 さ1
.
3
1
.
2
。 、1
.
1
{
1
.
odi
O
.
9
茎
Q8
0
.
7
0
.
6
Q5
0
戦
灣
/
△i
,
△O?
9
/ マー『
9
_
●:ref.
9
[
▲:ref.
4
■:ref.
50 :ret.
11 △:ref.
10 図一
151.
681
・
5
、1
.
4
コa1
.
310
」
21
・
2
1
.
1
1
.
O
o
4
8
12
16
20
24
28
tdhldb
投 影 定 着 長さ と定 着 耐力の関 係誤
3
・Y
有 欄 ,/
s
\
・
羃
e200
400
600
800
胞 ◎◎1200
Ast
・
fyts
図一
16 横 補 強 筋 量にょる定 着 耐 力の 上昇 と同 時に a/ldh
も変 化し て い る た め,
式 (10) を用い て a/砿 を1.
32の場合に換 算 して示 して い る。 ただ し接 合部タイ プの実 験の場 合に は図一
12に示し た ように,
接 合 部 中心 (曲げモー
メ ン トゼロ )位 置と定 着 筋 間の距 離が αと な る。
こ の 図 よ り 投 影 定 着 長 さの増大に よ る 効 果はt
..=16
d
,程度で頭打ち と な るこ と が わ か る。 投 影 定 着 長さの影 響は 畆=
12d
,の定着耐 力 Pt2に対す る強 度 比で評 価す る と,
次 式のよ うに表さ れる。
h
・=
=
P./P
,2=
o.
038・
塩 /〔1b
十 〇.
544 k・≦1,
ユ5・
・
・
・
・
・
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(12) (6
) 横 補強 筋の影 響 評 価 (h5
) 図一16
は既 往の研 究4]−
6)’
10) か ら横 補 強 筋の有 無だ け 異な る供試体の組を と り だ し た も ので あ る。 著者らの 既 往の算 定 式4)で は 補 強 効果は投 影 定 着 長さ との関 係で評 価し た が,近年の実験 結果を加え ると ば らつ きも大きく, 投影 定着長さ との相関を考 慮す ることの是 非は明確では な かっ た。
そこ で本稿で は簡 略化の意 味も込 めて横 補 強 筋の配さ れ ない場 合の定着耐力P
。に対す る耐 力 比と し て次式の よ う に モデル化し た。
hs
;Pu
/Pe
= 1十〇.
0007.
(As・
丿忘/8) 左s ≦1.
4・
一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
tt…
(ユ3
) こ こで,A 。
は横 補 強 筋の断 面 積,
fy
は横 補 強 筋の降 伏 強 度,
s は横 補 強 筋の間 隔 を表す。
ただ しこ こでカウ ン トする横 補 強 筋は,
図一
16中に示す よ うに折り曲げ 部の 内接 円と交わ る ように配さ れ たもの であり,
間 隔が 折り曲 げ直 径よりも大きい場 合に は横補 強 筋の拘 束 効果 は期 待で き ない。 (7 ) 支 圧 強 度fbO
の決 定 上 記の係tw
h
。〜
ksが すべ て 1と な る と き の支圧強 度f
。。 は,
既往の利用 で き る すべ て の実験結果に対して式 (1
}か ら逆算し て平均値を求め て与え ること に し た。 こ の結 果を 以 下に 示 す。
ノ』。=
1910kgf /cmz・
・
…・
・
………・
・
・
・
・
・
・
…
(14
) 使 用 し たデー
タは,
表一
1中の デー
タの内,
二 段 配 筋 や,
軽 量コ ンクリー
ト等の デー
タを除い た 99体で あ り, 変 動 係 数は,
0,
111で あっ た。
以 上の検 討に よっ て耐 力 算 定 式が確 定し たことにな る。4.
定 着 耐 力 算 定式 の検証 4.
1 既 往の算定式 既往の折り曲 げ定 着 耐 力算定 式と して は,Pinc
ら の 式lllt 著 者らの既 往の式4) , 別 所らの式 8) が あげら れ る。
特に, 現 行のACI
規準はPinc
らの算定 式に全面 的に 基づ い て い る ことか ら,
本 稿で は本 提 案 式とPinc
らの 式との対比 を中心に比 較 検 討す るこ とにす る。 以 下にPinc
らの算 定 式 と既 往の著 者らの算 定 式 を 簡 単に記す.
(1)
Pinc
らの算定 式ス タンダ
ー
ドフ ック.
を有す る定 着 筋の定 着 応 力fu
は,
次式で与 え られ る。
丿
fu
=50・
ψ・ldh・
VII
’
/d
.・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(
15
) ψ:(a)鉄 筋 径が#11以 下,
(b
>tdh
が最 小 曲 げ半径 と,
5d、
も し く は4in,
の大きい 方を和 し た 長 さ よ り も 長い,
(c)フッ ク面ま での側 面か ぶ り が2.
5in.
以上,
(d
)余長部の か ぶ り が 2in.
以 上,
のすべ て を満た す時 に は 1.
4 (a>一
(d
>のすべ て を満た し3d
,以 下の間隔で 閉鎖 型 タイが配さ れ て い る場 合は ユ.
8 上記 以 外は 1.
O と す る。 (2) 著 者らの既 往の算 定式 接合部にお け る定 着 耐 力P
は,
P
・・ w・
d
,・
f
, 。a.
・
sin θ・
ん/(h −
j
)一 ………
(16) こ こで,
θ=tan一
匸 (1
.,
/j
),
ノは梁 応 力 中 心 距 離,
h
は 柱反曲 点間 距 離 を表す。
ω
=
β・
Vii
・
r・
COS (π〆4−
e),
β=
(7/3(tb
)一
゜’
s4,
ノ;
}
ear=
αr
ア。
》(
ア:,
a=
16ユ・
Co/(ib,
γ;
1十30・
(As/ti・
s),
ti
は,
の みこみ長さ,
s は横 補 強 筋 間 隔 を表す。
ただ し余長部はユOd
,以上を 配 する。
Pinc らの算定式 は, テ キ サス 大 学で実 施 し た
一
連の 実験結果に基づ く回
帰 式であり多分に設 計 指 針 作 成 を意 図 し た もの で安全側の評 価とな る よ うに配慮してい る。
一
方,
著者らの既 往の算 定 式は接 合 部の人力せ ん断 力に 対して,
折り曲 げ部での支 圧 力を チェ ッ クする形 態で あ る。
式の構 成 上 大 幅に異な る点は,
Pinc ら の式が投 影 定 着 長さに正 比 例して耐 力が上 昇 する と して いるの に対 し,
著 者ら の既 往の算 定 式では投 影 定 着 長さ と梁 応 力 中 心間 距 離の比で評 価し て い る ことにあ る。
両式 は,
それ ぞ れの評 価 段 階で利 用し た実 験 資 料 範 囲内でか な り良 好 な適 合 性 を 有するもの であっ た が,
前 章で整 理し た よ う な各 種の支配 因 子に対 して は,
考 慮 していない こと も多 く,
十 分で な い。
また,
著 者ら の既 往の算 定 式で は,
算 定 式 中の係 数 (ん/ん一
のが,
伝 達され る鉄 筋 力の うち 接 合 部の せん断 力と な る伝 達 力の み を評 価の対 象と し,
折 り曲 げ方 向と反 対の側 (柱ス パ ン側)个伝達さ れる鉄 筋 力につい て はその伝 達 経 路 を不 問と して いるこ と を 意 味 している。一
般の柱・
梁 接 合 部の応 力 条 件の場 合に は,
鉄筋 力の大 半が接 合 部 側に伝 達さ れ る た め問 題に な ら な いが, そ れ以 外の応 力 条 件 とな る場 合に は十 分で ない。
た と え応 力 条件の異な る (反 力の与え方が異 なる) 実 験 で も折 り曲げ 部内側の コ ン ク リー
トが割り裂か れ て定 着 破 壊す るこ と に変わ りはな く, 伝 達 力の ほ とんどが折り 曲 げ 部で な さ れ ること も共 通である。 これらの意 味か ら 著 者らの既 往の算 定 式は予 盾 点を有し て お り,一
般の外 部接 合 部 以 外の応 力 条 件に対 し て は本 来 適 用 外 とい え る。
本 稿で提 案する算定式 (3 )は,
折り曲げ部の支圧強 度で評 価 する とい う点で既 往の著 者らの算 定 式と同一
の 思 想で構 成し た が,
よ り一
般 的な部材に対す る評 価も可 能とする た め各 種の支 配因子の影 響を直接 実 験結果か ら モデル化 して い る。 投 影 定 着 長さの影 響につ い て は,
Pinc
らの評 価 法と既 往の著 者ら の算 定 式に よ る評 価 法 を あわ せ もつ形 態と なっ て い る点が特徴で ある。 4.
2
既往の実 験 資 料 表一1
に検 証 用の既 往の実 験 資 料の一
覧を示 す。 実 験 変 数の変 動 範 囲を あわ せ て示す。 供試体 総数 は 163体で あ り, 必 ずしも一
卜分な数 と はい え ない が,
1200kgf / cmZ ク ラ ス の 超 高 強 度コ ン ク リー
トやSD
80
ク ラス の 高 強 度 横 補 強 筋を用いた 場合,D5
ユ,57
ク ラス の太 径 鉄 筋の場 合等 も包 含してお り実 験変数の変動範 囲は広い。
4.
3 算 定式の適 合 性 既往の実験資料の う ち折り曲 げ部 まで の 直 線 部 (の み こ み部)の付着を絶縁し た供試体 (資料 [7 ]の一
部 ), 表一
2 各 算 定 式の適 用 結 果一
覧 ref.
研 究 者 供試 体 数 P inc ら の 式 既 往 の 著 者 ら の 式 本 提 案 式 平 均 値 標 準 偏 差 平 均 値 標準 偏差 平 均値 標 準 偏 差 4 著 者 ら 31 1.
24 0.
28 1.
00 0.
19 0.
99 0.
09 5 著 者 ら 11 1.
65 0,
31 1.
11 0.
12 1.
00 0.
09 6 著 者 ら 8 1.
00 049 1.
19 0,
15 0.
95 0.
04 7 著 者 ら 2・
1.
・
23 O,
03 1.
18 0,
05 O.
93 0.
03 9 著 者 ら 20 1.
43 0.
24雪
一
一一
冒一
一
,F層
一F
0.
95 0.
06 10Marques ら 18 1.
27 0.
17 1.
08 0.
20 1.
06 o.
13 11Plnc ら 2 LO2 0,
00 0.
86 0.
05 0.
86 0,
01 13 村 上 ら 2 1.
71 0.
04.
1.
50 0.
07 1.
18 0,
06 14 入 江 ら1
4 1。
33 0,
12 1.
80 0.
18 1.
19 0.
16 15 柴 田 ら 1 1,
46 0.
00 1,
73 0.
00 0ボ96 0,
00 全 供 試 体 99 1.
32 0.
29 1.
11 O.
26 1.
00 0,
11一
71
一
80 06 匚 2 0
0 4 2
)
.
α x 当 “ 〔a )Pinc’
s Eq.
誹
謄
o o ♂ n=
79m呂
1.
30 σ30.
30 o80 00
0 6 4 2
〔
芒 2).
α × ♂ 020 40 60 80 Pu cal.
{tenf) 図一
17 80 00
0
ρ
0 42 C ⊂ 。 二 鼻 ♂ 〔c}Propesed Eq
.
o/
° !8/
黥
げ 0 20 40 60 30 0 Puca【.
‘tont) 接 合 部タ イプの実 験に対する計 算 値と実 験 値の比較 20 40 60 80 Pu col.
(ヒonf 〕 300
0 2 こ に £
}.
殳 雪 氏 〔α〕Pinc’
s Eq.
/
3 ・藍
”3
n=
20 m二
1.
43 α=
0.
Z4 30 O O ヱ¢ 匚
2
),
α 笛 ♂ b〕PreposedEq
.
§
! 亀ノ
し曇
ilil
0 1020
30 0 10 20 30
Pucat
.
〔tonf} Pu caL.
(tonf)図