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平成20年度 研究について

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Academic year: 2021

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研究の成果と今後の課題

< 授業とことばの広場の実践結果とその分析から>

1.本研究の成果

2.今後の課題

○手だて1について

国語科の授業において、書くことを重視して実践に取り組んだ。教育課程の工夫として、ペア学習や グループ学習を積極的に取り入れることで子供たちが相互に意見を伝え合う環境を整え、言語活動の 活性化にもつながった。国語が専門外の教師も重点教材を定めて取り組み、新しい教科書を先取りし た取り組みを行うことで、子供たちの国語力はより一層高まった。 また、単元の流れを一次、二次、三次と分割して教材分析を進めたことにより、説明文教材に明確 なねらいをもって指導をすることができるようになった。

○手だて2について

「ことばの広場」の時間を毎週火曜日、水曜日、木曜日の朝15分間設定したことで、「話す・聞く・書 く・読む」力の基礎・基本が身についてきた。特に、本年も昨年度に引き続き、「鉛筆の持ち方」や「視 写」などの書くことに関する基礎的な事項を継続的に実施することと、「活用力を育てる国語ワークシ ート集(寺井正憲編・岡崎市現職研修委員会国語部著 明治図書)を「ことばの広場」の時間に十分活 用することで、国語科の基礎・基本と活用力の育成が図られた。

○手だて3について

全校集会での作文紹介、優秀作文、詩、短歌や俳句などを積極的に発表、表現することで、子供自 身の自己評価力を高めることができた。また、学校通信でも国語科の取り組みを全クラスが紹介した り、学級や学年の掲示コーナーを充実させたりして、発表の機会が増えた。さらに、国語科に関するコ ンクールでは、県や全国規模のコンクールでも表彰されるなど、昨年度に引き続き、取り組みの成果 が着実に実っている。

○手だて1について

書くことへの取り組みをこれまで以上に充実させていく必要がある。授業展開の中で書く場面をより 一層充実させる必要がある。ただ、1時間の授業の中で書く時間を十分保障するためには、普段の指 導の中で書くことを意識することが重要である。したがって、「ことばの広場」の時間での「書くこと」の 充実を図る必要がある。特に本年度重点的に取り組んできた、モデル文の導入方法の在り方とペア 学習の授業の中での位置づけは、単元の流れを一次、二次、三次と分割して行った教材分析の方策 も含めて、さらに研究していく必要がある。

○手だて2について

各学年でつけたい力が子供の発達段階に合っているかどうかを再度検討し、新しい教科書に即し た「ことばの広場」の年間計画表を見直す必要がある。また、作文力調査の結果も踏まえ、「書く力」の 中の「記述力」を育成するために「ことばの広場」の時間での手だても研究する必要がある。

○手だて3について

継続的に行っている研究の掲示や授業の記録の掲示活動をさらに充実させていくとともに、子供た ちの言語活動を啓発する取り組みを広げていく。校内外の作文コンクール等への応募を通して、これ まで以上に「書く」取り組みへの意識の高揚を図る。 -33-

(2)

< 作文力調査の結果とその分析から>

1. 平成22年9月の作文力調査の結果と文章表現に関する指導上の課題

・分析方法・・・・・分散分析(作文力調査の得点を、得点比重調整後にそれぞれの平均を比較した。) ・分析から得られた結果 ・全体的傾向として、文章構成と記述に関する得点は、表記・内容に関する得点よりも低い。 ・低学年では、構成<記述<内容<表記 の順になる。 ・中学年では、(記述・構成)<(内容・表記) になる。 ・高学年では、記述のみが低く、あとはほとんど変わらない。 ・分析結果から得られる研究の方向性に関する考察 全体的な傾向として、文章構成に関する力が弱く、次に記述力が弱いという結果が出た。したがっ て、本校が手だてとして用いている、「モデル文を用いた書く指導」は、文章構成のモデルを例示し て記述をさせるという指導であり、単元における「書くこと」に対する力をつけるものであるので、現 状に即した手だてであると言えた。そこで、全体としては文章構成力を高める指導を中心に行うと ともに、低学年・中学年・高学年のそれぞれの実態に応じた指導をしていくことが、学校全体で書く 力の底上げを図るのに有効であると考えられ、この方針に従って研究は継続的に進められた。

2. 平成23年3月の作文力調査の結果と文章表現に関する今後の課題

・分析方法・・・・・分散分析(作文力調査の得点を、得点比重調整後にそれぞれの平均を比較した。) ・分析から得られた結果(9月、3月の結果比較を中心として) ・低学年・中学年・高学年のすべての学年群おいて、作文力の得点は上昇している。 ・全体的傾向として、特に構成に関する得点の上昇が著しい。 ・学年群では、低学年と中学年で、文章構成に関する得点の上昇が著しくみられる。 ・記述力に関しては、得点は上昇しているが、構成力ほどの得点の上昇がないために、他の3つの 評価項目と比較して、得点が低い結果となっている。 ・高学年では、表記に関する得点の変化がほとんど見られない。

3. 作文力調査の分析結果から得られる本研究に関する総合的考察(成果と課題)

・まずは、作文力全体としての得点の上昇が見られたことから、どの学年群も国語の授業や「ことば の広場」の時間に書くことを中心として指導したことが効果的に影響したと考えられる。 ・中学年の得点上昇が著しく、高学年の得点に近づいている。 ・9月時点では全体的な傾向として、文章構成に関する力が弱く、次に記述力が弱いという結果が 出ていたが、3月時点では、文章構成に関する得点上昇が顕著に表れた。これは、9月の結果分 析を受けて、教師全体が指導の中で、本校が手だてとして用いている「モデル文を用いた書く指 導」は、文章構成のモデルを例示して記述させることを行い、単元において「書くこと」に対する力 をつける努力をしたことが結果として表れたと考えられる。特に、低学年、中学年における文章構 成力に関する得点上昇が著しい。 ・文章構成に力を入れたことで、全体的な得点上昇にも結び付いた。ところが、記述力に関する得 点の伸長がそれほど多くないために、記述力育成が今後の課題として浮かび上がった。また高 学年では表記に関する得点の伸長があまり見られず、小学校段階としての表記の指導が完結 しているのか、それともまだ指導すべきことが残っているのかについて検討の余地がある。 -34-

(3)

おわりに

チーム矢東の職員室での会話の1コマです。

「私の言ったことが分かりました

か」「ちょっと悪いんだけど、もう一度言ってくれないかな」

「すみません、私

のコミュニケーション力のなさが問題ですね」

「子供に国語力をつける前に、私

たち教員の国語力を高めないといけないですね・・・」このような前向きな言葉が

飛び交うのが矢作東小学校です。私たちは今まで、教師力向上に向けて、ほぼ

全員が教育論文を書き、研究にまい進してきました。その願いは一つ。すべて

の教科の土台である国語力の向上です。

研究主題「国語力向上をめざす授業の創造-書く力をつけることを中心にし

て-」の今年度の研究推進の重点は、

「国語科の基礎・基本を身につけさせ、書

く力を鍛える」ことです。そのための手だては、①モデル文の提示やペア学習

の設定による書く力が鍛えられる指導過程の工夫、②国語科の基礎・基本を習

得、活用できるための「ことばの広場」の充実、③発表の場の設定と掲示の工

夫、の3点でした。

作文力調査の結果とその分析から、作文力が高まったことが分かりました。

どの学年群も国語の授業やことばの広場の時間に書くことを中心として指導し

たことが効果的に影響したことが分かりました。また、文章構成に関する得点

上昇も顕著であり、記述力に関する得点の伸長がそれほど多くないことも分か

りました。その他、高学年では、表記に関する得点の伸長があまり見られず今

後の課題となりました。

今回、研究会を迎えるにあたり、特に留意したことは、よそいきの授業でな

く普段の授業で書く力を高めることでした。したがって普段の授業において、

欲張って、あれもこれも力をつけてやろうという実践はなくすようにしてきま

した。国語科の基礎・基本の習得で足りない部分は「ことばの広場」で補い、

普段の授業では、

「モデル文を用いた書く指導」を徹底してきました。その結果、

書く力がついてきました。特に文章構成の力がついてきましたが、この力の伸

長が、研究会でどのように表現されるのか、我々職員一同、楽しみにしていま

す。今後、忌憚のないご指導をお待ちしています。よろしくお願い致します。

平成

23 年 10 月 4 日

教頭 岩附 広行

(4)

研究同人

平成 23 年度

山田 禮子 岩附 広行 佐野 多映 渋谷 昌彦 坂本 雄士 中西 勉 林 ひとみ 酒井 幾子 山本恵里子 石黒真砂子 岩瀬 富雄 橋本 由美 関谷 美幸 鈴沖 美穂 原林 久代 内藤利江子 青木 麻紀 杉浦加枝子 大原 隆司 鶴田亜希羽 上原 千佳 杉山 彩 檀浦 克子 山口ひとみ 加藤絵梨奈 伊藤 禎浩 市川 久乃 石川 伸一 清水 裕子 梅村 和美 長江 信子 森園 京子 森田 優 榊原 節子

平成 22 年度

藤井 哲也 川澄 義晴 吉田 明美

(5)

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(1)  研究課題に関して、 資料を収集し、 実験、 測定、 調査、 実践を行い、 分析する能力を身につけて いる.